(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082347
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】バッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 3/00 20060101AFI20240613BHJP
A45C 13/26 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
A45C3/00 P
A45C13/26 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196132
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】512026754
【氏名又は名称】株式会社若林化成
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】若林 正蔵
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA06
3B045AA53
3B045CE07
3B045CE09
3B045LB06
(57)【要約】
【課題】ユーザーが持ち手を肩に掛けた際の使用感を向上させたバッグを提供する。
【解決手段】荷物を収容できる本体部と、本体部から上方に延びるループ状の持ち手と、を備え、持ち手は、ユーザーが持ち手を肩に掛けた場合に、ユーザー基準で内側前方から外側後方に向かう第1のラインに沿うものと、外側前方から内側後方に向かう第2のラインに沿うものとが1組とされ、第1のラインと第2のラインとにそれぞれ沿う持ち手は、本体部に対して同じ高さ位置に取り付けられており、ループ状の頂部において交差するようにされ、これにより、ユーザーが肩に掛けた際、両方の前記持ち手に荷重がかかるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を収容できる本体部と、前記本体部から上方に延びるループ状の持ち手と、を備え、
前記持ち手は、ユーザーが前記持ち手を肩に掛けた場合に、ユーザー基準で内側前方から外側後方に向かう第1のラインに沿うものと、外側前方から内側後方に向かう第2のラインに沿うものとが1組とされ、
前記第1のラインと前記第2のラインとにそれぞれ沿う前記持ち手は、前記本体部に対して同じ高さ位置に取り付けられており、前記ループ状の頂部において交差するようにされ、これにより、ユーザーが肩に掛けた際、両方の前記持ち手に荷重がかかるように構成される、バッグ。
【請求項2】
前記持ち手において、前記各ラインのうち一方に沿い、使用時に前記交差する箇所で上に位置する部分の少なくとも下面と、前記第各ラインのうち他方に沿い、使用時に前記交差する箇所で下に位置する部分の少なくとも上面とには、当接の際の摩擦を大きくする滑り止め構造が形成されている、請求項1に記載のバッグ。
【請求項3】
前記持ち手は、前記各ラインに沿う両方において長さ調節可能な、請求項1に記載のバッグ。
【請求項4】
前記持ち手は、前記本体部に対して着脱可能とされ、前記各ラインの前記交差する箇所での上下関係を入れ替えることができる、請求項1に記載のバッグ。
【請求項5】
前記滑り止め構造は、前記持ち手の表面に形成された凹凸である、請求項2に記載のバッグ。
【請求項6】
前記滑り止め構造は、前記持ち手の少なくとも表面が、前記交差に伴う当接で、前記本体部に収納された荷物の荷重により、前記交差する箇所で前記各ラインが食い込むように変形するような構造である、請求項2に記載のバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肩掛け可能なバッグ(例えばトートバッグ)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1対の持ち手が設けられたトートバッグが公知である(特許文献1参照)。このバッグは、開口部から荷物を出し入れ可能な本体部と、本体部の上端部から延びる1対の持ち手と、を備える。このバッグでは、一方の持ち手の両端部が本体部の正面に固定され、他方の持ち手の両端部が本体部の背面に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一般的な持ち手を備えたバッグでは、ユーザーが持ち手を肩に掛ける際に、肩は首側に向けて斜め上部に傾斜していることから、肩の上部に位置する持ち手には荷重がかかりやすく、ユーザーの身体(胴部)から遠い側である外側に位置する持ち手に荷重がかかりにくいため、この外側の持ち手が肩から浮いてずれてしまいやすく、頻繁に肩に掛け直す必要があるため、ユーザーがわずらわしさを感じていた。なお、一般的な持ち手のバッグを肩に掛けているユーザーの多くは、持ち手を肩に掛けるとき、外側の持ち手を内側の持ち手の下に重ねた状態とし、内側の持ち手にかかる荷重を外側の持ち手に加えることで外側の持ち手をずれにくくしている。このように、一般的な持ち手を備えたバッグでは、ユーザーが工夫をしつつ持ち手を肩に掛けていた。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザーが持ち手を肩に掛けた際の使用感を向上させたバッグ(例えばトートバッグ)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバッグは、荷物を収容できる本体部と、前記本体部から上方に延びるループ状の持ち手と、を備え、前記持ち手は、ユーザーが前記持ち手を肩に掛けた場合に、ユーザー基準で内側前方から外側後方に向かう第1のラインに沿うものと、外側前方から内側後方に向かう第2のラインに沿うものとが1組とされ、前記第1のラインと前記第2のラインとにそれぞれ沿う前記持ち手は、前記本体部に対して同じ高さ位置に取り付けられており、前記ループ状の頂部において交差するようにされ、これにより、ユーザーが肩に掛けた際、両方の前記持ち手に荷重がかかるように構成される。
【0007】
かかる構成によれば、第1のラインと第2のラインとが交差していて、ユーザー基準で内側前方から外側後方に向かう第1のラインに沿うように持ち手が設けられたことで、第1のラインの持ち手により、本体部の後方部分をユーザーの身体に近づけるようにできる。一方、第2のラインは、本体部の前方部分が身体から離れてしまうことを抑制する。その結果、本体部がユーザーの身体から離れにくくなる。また、両方の持ち手に荷重がかかるようにでき、従来のように荷重がかかりにくい持ち手が生じないことから、持ち手にユーザーの肩から浮いてずれてしまう力がかかりにくい。従って、持ち手を頻繁に掛け直す必要がないから、ユーザーの使用感が向上する。
【0008】
また、前記バッグでは、前記持ち手において、前記各ラインのうち一方に沿い、使用時に前記交差する箇所で上に位置する部分の少なくとも下面と、前記第各ラインのうち他方に沿い、使用時に前記交差する箇所で下に位置する部分の少なくとも上面とには、当接の際の摩擦を大きくする滑り止め構造が形成されている。
【0009】
かかる構成によれば、持ち手に滑り止め構造が形成されていることによって、持ち手のずれが効果的に防止される。
【0010】
また、前記バッグでは、前記持ち手は、前記各ラインに沿う両方において長さ調節可能であってもよい。
【0011】
かかる構成によれば、本体部が収容された荷物の量により膨らむことにつられて、持ち手に、肩から離れる方向の力がかかることを、持ち手の長さを調整することで抑制できる。
【0012】
また、前記バッグでは、前記持ち手は、前記本体部に対して着脱可能とされ、前記各ラインの前記交差する箇所での上下関係を入れ替えることができてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、左肩に掛ける場合と右肩に掛ける場合のどちらにも対応できる。
【0014】
また、前記バッグでは、前記滑り止め構造は、前記持ち手の表面に形成された凹凸であってもよい。
【0015】
かかる構成によれば、凹凸の引っ掛かりにより、交差する箇所で持ち手のずれが効果的に防止される。
【0016】
また、前記バッグでは、前記滑り止め構造は、前記持ち手の少なくとも表面が、前記交差に伴う当接で、前記本体部に収納された荷物の荷重により、前記交差する箇所で前記各ラインが食い込むように変形するような構造であってもよい。
【0017】
かかる構成によれば、変形に伴う食い込みにより、交差する箇所で持ち手のずれが効果的に防止される。
【発明の効果】
【0018】
以上より、本発明によれば、ユーザーが持ち手を肩に掛けた際の使用感を向上させたバッグ(例えばトートバッグ)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るバッグの斜視図である。
【
図3】
図3は、前記バッグの使用状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、
図1~
図3を参照しつつ説明する。
【0021】
バッグ1は、
図1に示すように、荷物を収容できる本体部2と、本体部2から上方に延びるループ状の持ち手3と、を備える。本実施形態のバッグ1は、例えば、エコバッグのような簡易的なバッグであるが、通常のトートバッグのような本格的なバッグであってもよい。
【0022】
本体部2は、使用時における上端に開口またはマチが設けられた袋である。本実施形態では、本体部2の上端に、開口部20が設けられている。また、本体部2の下端に、マチが設けられている。本実施形態では、本体部2の開口部20は常時開放されているが、開口部20にファスナー等の開閉できる構成を設けてもよい。
【0023】
なお、本体部2の上端に開口部を設けずにマチが設けられる場合、本体部2における上端と下端との間の位置(本体部2における側面)に、開口が設けられるとともに、この開口を開閉可能できるファスナー等の構成が設けられていてもよい。
【0024】
持ち手3は、ユーザーが手で掴むことができるとともに、ユーザーの肩に掛けることができる長尺状の部材である。なお、本実施形態のバッグ1は、肩掛けの場合、右肩又は左肩に掛けられるものであって、リュックのように両肩に均等に掛けられるものではない。
【0025】
また、持ち手3は、
図2に示すように、ユーザーが持ち手3を肩に掛けた場合に、ユーザー基準で内側前方(
図2における左下)から外側後方(
図2における右上)に向かう第1のラインL1に沿う第1の持ち手31と、外側前方(
図2における右下)から内側後方(
図2における左上)に向かう第2のラインL2に沿う第2の持ち手32とが1組とされている。なお、ユーザー基準での内側とは使用時にユーザーの体と近い側(
図2における左側)であり、ユーザー基準での外側は内側の反対側とする。また、ユーザー基準での前方とはユーザーの爪先側(
図2における下側)であり、ユーザー基準での後方とはユーザーの踵側(
図2における上側)である。
【0026】
さらに、持ち手31の一方の端部は、本体部2の正面に取り付けられ、持ち手31の他方の端部は、本体部2の背面に取り付けられている(
図1参照)。同様に、持ち手32の一方の端部は、本体部2の正面に取り付けられ、持ち手32の他方の端部は、本体部2の背面に取り付けられている。
【0027】
持ち手31、32は、本体部2に対して同じ高さ位置に取り付けられている。なお、本体部2に対する同じ高さ位置とは、本体部2の上端からの上下方向における距離が同じ、又は、略同じ位置である。本実施形態では、持ち手31、32は、本体部2の上縁部21に取り付けられているが、本体部2の上端部21から少し下の位置などの上縁部21以外の部分に取り付けられていてもよい。また、持ち手31、32は、ループ状の頂部において交差するようにされている。これにより、ユーザーが肩に掛けた際、両方の前記持ち手31、32に荷重がかかるように構成される。この持ち手31、32は、頂部において上下で交差している。
【0028】
本実施形態では、持ち手31、32において、各ラインL1、L2のうち一方に沿い、使用時に交差する箇所で上に位置する部分の少なくとも下面と、各ラインL1、L2のうち他方に沿い、使用時に交差する箇所で下に位置する部分の少なくとも上面とには、当接の際の摩擦(具体的には、持ち手31、32の交差状態がずれる方向への摩擦)を大きくする滑り止め構造が形成されている。なお、滑り止め構造の形成は必須ではない。この滑り止め構造では、通常の構成(格別の対処を行っていない構成)の持ち手を交差させた場合と比べて、交差する箇所において持ち手31、32のうち上に位置する部分の少なくとも下面と下に位置する部分の少なくとも上面との当接の際の摩擦が大きくなっている。また、持ち手31、32が多層構造の場合、内層に比べて外層(コーティングにより形成された層も含む)の材質に、摩擦の大きいものが用いられる。
【0029】
以上のバッグ1では、第1のラインL1と第2のラインL2とが交差していて、ユーザー基準で内側前方から外側後方に向かう第1のラインL1に沿うように第1の持ち手31が設けられたことで、第1のラインL1がユーザーの身体の前後方向に対して平行になろうとすることから、第1の持ち手31により、本体部2の後方部分をユーザーの身体に近づけるようにできる。一方、第2ラインL2に沿うように設けられた第2の持ち手32は、本体部2の前方部分が身体から離れてしまうことを抑制する。その結果、本体部2がユーザーの身体から離れにくくなる。また、両方の持ち手31,32に荷重がかかるようにでき、従来のように荷重がかかりにくい持ち手が生じないことから、持ち手31、32にユーザーの肩から浮いてずれてしまう力がかかりにくい。また、第1のラインL1も第2のラインL2も、内外を斜めに結ぶように延びるものであるから、両方の持ち手31、32に、共に荷重がかかることになる。ユーザーが動いている場合は状況が変化するものの、静的状態であって本体部2に収容された荷物に片寄りがない場合には、両方の持ち手31、32に均等に荷重がかかる。このため従来の、一方の持ち手の両端部が本体部の正面に固定され、他方の持ち手の両端部が本体部の背面に固定されている構成とは異なり、荷重がかかりにくい持ち手(外側の持ち手)が生じない。このように実施形態では、持ち手31、32の両方に略均等にかかる荷重、すなわち持ち手31、32が鉛直方向に肩を押す力が存在することから、持ち手31、32が肩からずれにくい。
【0030】
そしてさらに、持ち手31、32に滑り止め構造が形成されている場合には、滑り止め構造によって、持ち手31、32のずれが効果的に防止されるので、持ち手31、32を頻繁に掛け直す必要がないから、ユーザーの使用感が向上する。
【0031】
さらに、持ち手31、32の滑り止め構造は、持ち手31、32の少なくとも表面が、交差に伴う当接で、本体部2に収納された荷物の荷重により、交差する箇所で各ラインが食い込むように変形するような構造である。持ち手31、32の変形に伴う食い込みにより、交差する箇所で持ち手31、32のずれが効果的に防止される。
【0032】
本実施形態では、持ち手31、32における使用時に交差する箇所では、第1の持ち手31が上に位置し、第2の持ち手32が下に位置する。このように、持ち手31、32が交差する箇所で、両方の持ち手31、32に内側に荷重がかかっている。
【0033】
なお、持ち手31、32が交差する箇所で、第1の持ち手31が第2の持ち手32の下に重なっている構成では、上に位置する第2の持ち手32は、滑り止め構造により第1の持ち手31との交差状態を保つことができるため、第2の持ち手32は肩からずれにくい。
【0034】
また、本実施形態では、持ち手31、32における使用時に交差する箇所では、第1の持ち手31の上面及び下面の両面と、第2の持ち手32の上面及び下面の両面とに、滑り止め構造が形成されている。より具体的に、持ち手31、32それぞれの上面及び下面の両面に、滑り止め構造が形成されている。なお、持ち手31、32の交差部分のみ、滑り止め構造が形成されていてもよい。
【0035】
また、本実施形態では、持ち手31、32の滑り止め構造は、両持ち手31、32の対向面同士がずれる際に抵抗のある生地(表面に凹凸がある生地)やビニール、ゴム等で構成されている。具体的に、持ち手31、32は、このような材質で構成されたベルトである。
【0036】
本実施形態では、持ち手31、32を構成するベルト全体が同じ材質で構成されている。また、持ち手31、32は、全体が柔らかな材料から形成されたことにより、持ち手31、32の交差部分において、荷物を収容した本体部2の重さを受けて、両社が圧縮することで互いに食い込み可能となっている。なお、持ち手31、32の交差部分のみ、食い込み構造であってもよい。前記「柔らか」とは、本体部2の重さにより、持ち手31、32の交差部分で前記圧縮する変形が生じることである。
【0037】
さらに、このバッグ1では、開口部20の上方にて持ち手31、32が交差していても、持ち手31、32をユーザー基準の前後方向にずらすことで、開口部20を確保できるため、ユーザーは、持ち手31、32を肩に掛けたまま、問題なく荷物を本体部2に収納できる。なお、開口部20を大きく確保するために、持ち手31、32を通常のトートバッグの持ち手よりも長く形成してもよい。
【0038】
本実施形態では、持ち手31、32は、各ラインL1、L2に沿う両方において長さが固定された状態で取り付けられている。なお、持ち手31、32は、各ラインL1、L2の両方において長さが調節可能であってもよい。このように持ち手31、32の長さが調整可能な構成では、本体部2が収容された荷物の量により膨らむことにつられて、持ち手31、32に、ユーザーの肩から離れる方向の力がかかることを、持ち手31、32の長さを調整することで抑制できる。具体的に、本体部2に多くの荷物を収容する場合、持ち手31、32の長さを短く調整すればよい。なお、持ち手31、32の長さ調整構造は、例えば面ファスナー仕様や衣料用ベルト(腰に付けるベルト)のような構造とできる。
【0039】
本実施形態では、持ち手31、32は、本体部2に対して固定されている。なお、持ち手31、32は、本体部2に対して着脱可能とされ、各ラインL1、L2の交差する箇所での上下関係を入れ替えることができる構成であってもよい。この構成では、持ち手31、32の上下関係を入れ替えられることで、ユーザーの右側、左側にバッグを持ち替えた際に前方が開口しやすくなるすることができるため、ユーザーの左肩に掛ける場合と右肩に掛ける場合のどちらにも対応できる。
【0040】
具体的に、持ち手31、32をユーザーの左肩に掛ける場合、
図2に示すように、交差する箇所での第1の持ち手31を第2の持ち手32の上に重ねればよく、このとき、第1のラインL1に第1の持ち手31が一致し、第2のラインL2に第2の持ち手32が一致する。また、持ち手31、32をユーザーの右肩に掛ける場合、交差する箇所で第1の持ち手31を第2の持ち手32の上に重ねればよく、このときにも、第1のラインL1に第1の持ち手31が一致し、第2のラインL2に第2の持ち手32が一致する。即ち、ユーザーの左肩に掛ける場合に交差する箇所で上側に位置していた持ち手3を、ユーザーの右肩に掛ける場合には交差する箇所で下側に位置し、ユーザーの左肩に掛ける場合に交差する箇所で下側に位置していた持ち手3を、ユーザーの右肩に掛ける場合には交差する箇所で上側に位置するよう、交差する箇所での持ち手31、32の上下関係を入れ替えることができる。なお、持ち手31、32の着脱構造は、例えば、持ち手の着脱構造はスナップ等の種々の構造とできる。面ファスナー仕様(着脱構造を兼ねられる)とできる。
【0041】
本実施形態では、持ち手31、32の色彩や形状が同じであるが、持ち手31、32の色彩や形状を相違させてもよい。持ち手31、32の色彩や形状を相違させるとことで、持ち手31、32の相互関係(交差する箇所で持ち手31、32のどちらが上方に位置しているか等)がわかりやすくなる。
【0042】
滑り止め構造は、持ち手31、32の表面に形成された凹凸であってもよい。この構成では、持ち手31、32の凹凸の引っ掛かりにより、交差する箇所で持ち手31、32のずれが効果的に防止される。この交差箇所の凹凸は、編地や結び目等により形成してもよいし、イボ付きゴム板のような成形品であってもよい。
【0043】
なお、本発明のバッグは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0044】
例えば、本体部2に、持ち手3に加えて、ユーザーの身体に対して、斜め掛け可能なベルトが別途取り付けられていてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…バッグ、2…本体部、3…持ち手、20…開口部、21…上縁部、31…第1の持ち手、32…第2の持ち手、L1…第1のライン、L2…第2のライン
【手続補正書】
【提出日】2024-06-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を収容できる本体部と、前記本体部から上方に延びるループ状の持ち手と、を備え、
前記持ち手は、ユーザーが前記持ち手を肩に掛けた場合に、ユーザー基準で内側前方から外側後方に向かう第1のラインに沿うものと、外側前方から内側後方に向かう第2のラインに沿うものとが1組とされ、
前記第1のラインと前記第2のラインとにそれぞれ沿う前記持ち手は、前記本体部に対して同じ高さ位置に取り付けられており、前記ループ状の頂部において交差するようにされ、これにより、ユーザーが肩に掛けた際、両方の前記持ち手に荷重がかかるように構成され、
前記持ち手において、前記各ラインのうち一方に沿い、使用時に前記交差する箇所で上に位置する部分の少なくとも下面と、前記各ラインのうち他方に沿い、使用時に前記交差する箇所で下に位置する部分の少なくとも上面とには、当接の際の摩擦を大きくする滑り止め構造が形成されている、バッグ。
【請求項2】
前記持ち手は、前記各ラインに沿う両方において長さ調節可能な、請求項1に記載のバッグ。
【請求項3】
前記持ち手は、前記本体部に対して着脱可能とされ、前記各ラインの前記交差する箇所での上下関係を入れ替えることができる、請求項1に記載のバッグ。
【請求項4】
前記滑り止め構造は、前記持ち手の表面に形成された凹凸である、請求項1に記載のバッグ。
【請求項5】
前記滑り止め構造は、前記持ち手の少なくとも表面が、前記交差に伴う当接で、前記本体部に収納された荷物の荷重により、前記交差する箇所で前記各ラインが食い込むように変形するような構造である、請求項1に記載のバッグ。