(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082353
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】遊技機設置用架台
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240613BHJP
A63F 7/02 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
A63F5/04 680
A63F7/02 349Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196146
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】511041835
【氏名又は名称】株式会社アクシス
(74)【代理人】
【識別番号】100189854
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 明美
(72)【発明者】
【氏名】角田 博昭
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰司
(72)【発明者】
【氏名】青木 賢二
【テーマコード(参考)】
2C088
2C182
【Fターム(参考)】
2C088EA45
2C182EB20
(57)【要約】
【課題】スロットマシンやパチンコ機等の遊技機の種類に対応して設置位置や遊技位置の高さを調整することができるようにした、コスト的に有利な遊技機設置用架台を提供する。
【解決手段】スロットマシンMやパチンコ機等の遊技機を設置するための遊技機設置用架台1であって、遊技機Mを収容可能な枠体2と、枠体2に上下動可能に設けられ遊技機を支持する支持体3と、支持体3を枠体2に沿って昇降させるとともに、任意の高さ位置で停止可能な昇降手段19、27と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロットマシンやパチンコ機等の遊技機を設置するための遊技機設置用架台であって、
前記遊技機を収容可能な枠体と、
前記枠体に上下動可能に設けられ前記遊技機を支持する支持体と、
前記支持体を前記枠体に沿って昇降させるとともに、任意の高さ位置で停止可能な昇降手段と、を備えることを特徴とする遊技機設置用架台。
【請求項2】
前記昇降手段を作動させる操作部を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機設置用架台。
【請求項3】
前記支持体は、前記遊技機の底部を支持固定可能な支持板を有することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機設置用架台。
【請求項4】
前記支持板には、前記遊技機の左右両側において前記枠体に設けられた左右一対の側枠の内側面に摺接する上下方向の延設部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機設置用架台。
【請求項5】
前記左右の側枠は、前記延設部を前後方向の位置ずれを規制して上下方向に案内する案内部を有することを特徴とする請求項4に記載の遊技機設置用架台。
【請求項6】
前記支持板の下部には該支持板を前記昇降手段により上昇させる際に上向きの補助力を付与する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機設置用架台。
【請求項7】
前記昇降手段は、前記支持体に連結された上下方向を向くラックと該ラックに噛合するピニオンとからなるラックアンドピニオン機構及び前記ピニオンを駆動するブレーキ機構付きのギヤードモータであることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機設置用架台。
【請求項8】
前記ラックアンドピニオン機構及び前記ギヤードモータは、前記支持板の下方において前記枠体に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の遊技機設置用架台。
【請求項9】
前記支持板の下面と前記枠体との間には、上下方向を向く左右一対のガイド手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機設置用架台。
【請求項10】
前記枠体は、前記遊技機の後方に開放されていることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機設置用架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンやパチンコ機等の遊技機を設置するための遊技機設置用架台に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコホールなどの遊技店には、メダルを使用して遊技するスロットマシンと、パチンコ玉を使用して遊技するパチンコ機との2種類の遊技機が主に設置されている。これらの遊技機は、架台(支持体)を用いて形成される遊技島の正面と背面側に背中合わせに左右方向に複数列設置されるのが一般的である(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-89460号公報(段落0012、
図1、
図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スロットマシンとパチンコ機は、機械的構造や遊技者の使用方法などが異なるため、特許文献1の
図9及び
図10に記載されているように設置位置の高さに違いがある。そのため、スロットマシン専用の架台とパチンコ機専用の架台との2種類の高さの異なる架台を設置しなければならず、設置コストが増大するという問題がある。特に、スロットマシンの遊技島をパチンコ機の遊技島に、またはその逆の遊技島に変更したい場合には、専用の架台を設置するために遊技島を大幅に改装する必要があり、多大なコストと設置工数がかかるだけでなく、改装期間中は閉店を余儀なくされるという問題が生じる。また、撤去した架台を廃棄するための環境負荷も大となる問題もある。
【0005】
さらに、特許文献1に記載されている架台(支持体)においては、遊技者の身長等に応じて個々の遊技機の高さを遊技に適した任意の高さに調整することができないだけでなく、同一の遊技島内にスロットマシンとパチンコ機とを設置してそれらの高さを個々に調整することができないという問題もある。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、スロットマシンやパチンコ機等の遊技機の種類に対応して設置位置や遊技位置の高さを調整することができるようにした、コスト的に有利な遊技機設置用架台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の遊技機設置用架台は、
スロットマシンやパチンコ機等の遊技機を設置するための遊技機設置用架台であって、前記遊技機を収容可能な枠体と、前記枠体に上下動可能に設けられ前記遊技機を支持する支持体と、前記支持体を前記枠体に沿って昇降させるとともに、任意の高さ位置で停止可能な昇降手段と、を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、スロットマシンやパチンコ機等の遊技機の種類に対応して設置位置や遊技位置の高さを調整することができるので、遊技機の種類ごとに専用の架台を設置する必要はなく、架台の設置コストを大幅に削減することができる。また、同一の遊技島内にスロットマシンとパチンコ機とを設置してそれらの高さを個々に調整することができるようになる。
【0008】
前記昇降手段を作動させる操作部を有することを特徴としている。
この特徴によれば、遊技店の店員または遊技者が操作部を操作して昇降手段を作動させることにより、遊技機の設置位置や遊技位置の高さを容易にかつ速やかに調整することができる。
【0009】
前記支持体は、前記遊技機の底部を支持固定可能な支持板を有することを特徴としている。
この特徴によれば、支持板に遊技機の底部を支持固定するだけで、遊技機を支持体に容易に設置することができる。
【0010】
前記支持板には、前記遊技機の左右両側において前記枠体に設けられた左右一対の側枠の内側面に摺接する上下方向の延設部が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、枠体に対し支持体が左右方向に移動するのを規制した状態で安定よく垂直に昇降させることができる。
【0011】
前記左右の側枠は、前記延設部を前後方向の位置ずれを規制して上下方向に案内する案内部を有することを特徴としている。
この特徴によれば、枠体に対し支持体が前後方向に移動するのを規制した状態で安定よく昇降させることができる。
【0012】
前記支持板の下部には該支持板を前記昇降手段により上昇させる際に上向きの補助力を付与する付勢手段が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、支持板に重量のある遊技機を設置しても、昇降手段に大きな負荷を与えることなく支持板を上昇させることができる。
【0013】
前記昇降手段は、前記支持体に連結された上下方向を向くラックと該ラックに噛合するピニオンとからなるラックアンドピニオン機構及び前記ピニオンを駆動するブレーキ機構付きのギヤードモータであることを特徴としている。
この特徴によれば、ラックアンドピニオン機構及びギヤードモータにより支持体を容易に昇降させることができるとともに、ブレーキ機構により支持体を昇降させた位置に停止保持することができる。
【0014】
前記ラックアンドピニオン機構及び前記ギヤードモータは、前記支持板の下方において前記枠体に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、ラックアンドピニオン機構及びギヤードモータの枠体への取り付け作業やメンテナンスを容易に行うことができる。また、枠体の重心が下方となるので遊技機設置用架台が安定する。
【0015】
前記支持板の下面と前記枠体との間には、上下方向を向く左右一対のガイド手段が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、支持板及びそれにより支持される遊技機を水平を保ちながら円滑かつ安定的に昇降させることができる。
【0016】
前記枠体は、前記遊技機の後方に開放されていることを特徴としている。
この特徴によれば、遊技機をパチンコ機として支持体により支持し、パチンコ機の高さを変更した場合でも、パチンコ機の後面に設けられている遊技球の排出口が枠体の後面により塞がれるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例1に係る遊技機設置用架台を複数配置して遊技島を形成した状態の斜視図である。
【
図2】遊技機設置用架台の枠体と支持体との組み付け前の状態を正面側から見た斜視図である。
【
図3】遊技機設置用架台の正面図を示すもので、(a)は支持体を下降させた状態、(b)は支持体を上昇させた状態である。
【
図8】遊技機設置用架台の下部を後方より見た斜視図である。
【
図11】圧縮コイルばね装着部の縦断面図を示すもので、(a)は支持板が上昇した状態、(b)は支持板が下降した状態である。
【
図12】本発明の実施例2に係る遊技機設置用架台の枠体と支持体との組み付け前の状態の斜視図である。
【
図13】同じく組み付け後の斜視図で、(a)は支持体を上昇させた状態、(b)は支持体を下降させた状態である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の遊技機設置用架台を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0019】
実施例1に係る遊技機設置用架台(以下、単に架台と略称する)につき、
図1から
図11を参照して説明する。
図1は、例えばパチンコホール等の遊技店の床面(図示略)に本実施例の架台1を前後に背中合わせに配置して左右方向に複数配列し、遊技島の躯体を形成した例を示すもので、前後の各架台1には、遊技機であるスロットマシンMが遊技島の正面側と背面側から遊技しうるように背中合わせに設置されている。これら各架台1、1…の間や上面を化粧板(図示略)にて覆うことで遊技島が形成される。また、各架台1には、紙幣投入口や、ビジターカードや会員カードなどのカード投入口、カードの残度数等を表示する液晶表示部等を有するメダル貸出ユニットBが設置されるとともに、その下方に別体の操作専用ボックスCが設置されている。なお、各架台1にはスロットマシンMの代わりにパチンコ機も設置することができる。
【0020】
図2に示すように、架台1は、枠体2と、枠体2の内部に上下動可能に設けられる支持体3とを備えている。枠体2は、遊技店の床面に固定される左右一対の前後方向を向く金属製等のベース脚4、4と、下端部が各ベース脚4の中央部上面に前後2個のL字状固定金具5により固定された平面視内向きコ字状断面(
図9、
図10参照)をなす左右一対の上下方向を向く金属製等の側枠6、6と、側枠6、6の上端部の対向面同士を連結している金属製等の上枠7とを備えている。
【0021】
側枠6、6の下部側の左右幅は上部よりも大とされ、それらの対向するコ字状空間内には、後述するギヤードモータ27等の各部品を取り付けるための上下左右両端面が閉塞された金属製等のボックス板8の両側端部が嵌合され、前後両面から複数のボルト9により側枠6に固定されている(
図10参照)。ボックス板8とその上方の左右の側枠6、6及び上枠7により形成される矩形枠は、前後両方向に開放され、矩形枠内はスロットマシンM及び支持体3の収容空間Sとなっている。
【0022】
支持体3は、側枠6、6のコ字状空間内に嵌合可能な前後寸法の平面視内向きコ字状断面をなす左右一対の金属製等の縦フレーム10、10と、両縦フレーム10の上端同士を連結している横フレーム11と、縦フレーム10、10の下端に両側端部が固定された左右方向を向く遊技機支持用の支持板12とを備え、枠体2の収容空間Sに収容可能な前後両方向に開放された方形枠状に形成されている。支持板12には、上述したスロットマシンMやパチンコ機、メダル貸出ユニットB、及び操作専用ボックスCが支持固定されるようになっている。
【0023】
縦フレーム10、10の上下寸法は、枠体2の側枠6、6の上下寸法よりも所要寸法短かく形成されている。両縦フレーム10は、コ字状空間内に固定された上下複数の水平補強片13により補強されている。支持板12には複数の取付孔14が形成され、支持板12に載置されるスロットマシンMやパチンコ機、メダル貸出ユニットB等の内部から下方の取付孔14に挿入されるビス15により、スロットマシンMやパチンコ機等の底部が固定されるようになっている。支持板12は、その外側部と底板部に金属(鉄及びステンレス材)を適用し、内部に木材を止める仕様で尚且つ、木材が釘・ビス等の使用で破損や割れが生じたときは、外側部と底板部を残し木材を交換できる仕様になっている。なお、縦フレーム10、10は、本発明に係る上下方向の延設部に相当する。
【0024】
図9に示すように、左右の縦フレーム10の下端には水平の固定片10aが固着され、この固定片10aを支持板12の側端部上面にボルト9により固定することにより、縦フレーム10の下端が支持板12の前部側の上面に固定されている。支持板12の両側端部には、側枠6の前面板6aと後面板6bとが外側方から嵌合されるスリット12a、12aが形成され、両スリット12a間の支持板12の側端部は側枠6のコ字状空間内に嵌挿されている。
【0025】
図8及び
図9に示すように、ボックス板8よりも上方の側枠6、6のコ字状空間内に支持体3の縦フレーム10、10を上下動可能に嵌合することにより、枠体2に支持体3が組み付けられている。この嵌合作業は枠体2の上枠7を取り付ける前に行われる。なお、側枠6、6の前面板6aと後面板6bは、縦フレーム10、10を前後方向の位置ずれを規制して案内する本発明の案内部に相当する。枠体2に対し支持体3が円滑に上下動するように、縦フレーム10、10の前後両面には、側枠6の前面板6aと後面板6bの内面とに摺接する摩擦抵抗の小さな合成樹脂等の複数の摺動部材16が固着されている。
【0026】
図2及び
図8に示すように、支持板12の両側端部の下面には、下方に延びる側板17、17の上端の内向き折曲部17aがボルト(図示略)により固定されている。また、支持板12の中央部の下面には、正面視方形枠状をなす昇降部材18の上面がボルト15により固定され、昇降部材18の下面の中央部には、上下方向を向くラック19の上端部がフランジを介して固定されている(
図6参照)。昇降部材18の両側面には、正面視倒立L字状をなす部品取付板20、20の上部の内側面が複数のボルト15(
図8参照)により固定されている。部品取付板20、20の前面には、ブラケットと一体をなす上下一対ずつの筒形ガイド部材21、21が複数のボルト15(
図10参照)により固定されている。
【0027】
部品取付板20、20の前方かつ昇降部材18を挟む両側において支持板12の下面には、上下方向を向く左右一対のロッド22、22の上端部が、図示しないフランジを介してボルトにより固定されている。この左右のロッド22、22には、支持板12の付勢手段である圧縮コイルばね23、23が嵌挿されるようになっている。
【0028】
図7及び
図8に示すように、ボックス板8の上端と近接する側枠6、6の幅広をなす後面板6b、6bには、外側面が支持体3の側板17、17の内側面に摺接する後面視内向きコ字状の横ぶれ規制部材24、24の前面板24a、24aが複数のボルト15により後向きに固定されている。側板17、17が横ぶれ規制部材24、24に摺接する箇所に摩擦抵抗の小さな合成樹脂等の複数の摺動部材16が固着されることにより、枠体2に対し支持体3が左右方向に移動するのが規制され、支持体3を安定よく垂直に上下動させることができる。
【0029】
ボックス板8の後面の中央下部には、回転軸線が左右方向を向く正逆回転可能なモータ本体25と減速機構部26とからなる公知のギヤードモータ27が、ボックス板8に固定されたモータブラケット28の上面に固定されて設けられている。減速機構部26の内部には減速ギヤにより減速されて回転駆動されるピニオン(いずれも図示略)が収容されている。ギヤードモータ27の内部には、公知の電磁ブレーキ機構(図示略)が設けられ、モータ本体25の作動スイッチをオフとしたとき(モータへの通電が停止されたとき)電磁ブレーキ機構が作動して回転軸をロックできるようになっている。なお、ラック19とピニオンからなるラックアンドピニオン機構及びギヤードモータ27は本発明に係る昇降手段に相当する。
【0030】
ボックス板8の後面の左右両側部には、上下方向を向く一対のガイドロッド29、29が、上下の端部をボックス板8にねじ止めされた支持ブラケット30、30に固定されて取り付けられている。また、左右のガイドロッド29、29間においてボックス板8の後面には、上下方向を向く左右一対の筒形ガイド部材31、31が、ボックス板8に複数のボルト15(
図10参照)により固定された上下方向の取付部材32、32に固着されて取り付けられている。なお、ボックス板8の後面に設けられるギヤードモータ27や他の部品はカバー部材により覆うようにしてもよい。
【0031】
図10に示すように、枠体2の左右のガイドロッド29、29に支持体3の左右の筒形ガイド部材21、21を上下に摺動に嵌合するとともに、枠体2の左右の筒形ガイド部材31、31に支持体3の左右のロッド22、22を圧縮コイルばね23、23を嵌挿した状態で摺動可能に嵌合し、さらに、ラック19を減速機構部26に上方から挿入してピニオンに噛合させることにより、枠体2に対し支持体3が上下動可能に組み付けられる。組み付け後においては、
図11に示すように、圧縮コイルばね23は支持板12の下面と筒形ガイド部材31の上端との間に縮設され、支持板12が上方に付勢されるとともに、支持板12の下降時には圧縮されるようになっている。なお、ガイドロッド29、29と筒形ガイド部材21、21は本発明のガイド手段に相当する。また、左右のロッド22、22と筒形ガイド部材31、31もガイド手段としての機能を有する。
【0032】
支持体3を昇降させる場合は、例えば
図3に示すように、支持板12の木口前面下部に設置された操作専用ボックスCの前面の操作部である上昇ボタン33と下降ボタン34を押動操作して行われる。すなわち、店員や遊技者等が上昇ボタン33を押動操作したときにギヤードモータ27が例えば正回転し、ピニオンと噛合するラック19が上方に移動することにより支持体3を上昇させることができる(
図3(b)参照)。また、下降ボタン34を押動操作したときにギヤードモータ27が逆回転し、ラック19が下方に移動することにより支持体3を下降させることができる(
図3(a)参照)。この支持体3の昇降により、支持板12に支持されるスロットマシンM及びメダル貸出ユニットBの設置位置や遊技位置の高さを調整することができる。スロットマシンMの代わりにパチンコ機を支持してもその設置位置や遊技位置の高さを調整することができる。
【0033】
また、
図1,2に示されるように、支持体3の横フレーム11上面の左右両端に、支持体3を枠体2に固定するための固定装置35,35が取り付けられている。各固定装置35は、小型の箱体に形成されるとともに、この箱体の外側面に形成された孔部を介し左右外側方に進退可能な自動押圧機構として進退部35aを有しており、支持体3の上下動停止時に、各固定装置35の進退部35aを外側方に進出させることで支持体3を枠体2に固定する機能を有する。上昇ボタン33若しくは下降ボタン34を押すと、突出部35は内側方に退出し、すなわち固定解除されて上下動運転が行われ、当該ボタンを離すと、任意の上下位置にて進退部35aが稼働して枠体2と支持体3が固定される。なお、この進退部35aの進退操作は、電磁弁、又はモ-タ・空圧機器・油圧機器などを用いて行ってもよい。
【0034】
上昇ボタン33及び下降ボタン34の押動操作をやめ、ギヤードモータ27の作動を停止させると、内部の電磁ブレーキ機構が作動して回転軸がロックされ、支持体3は昇降させた位置に停止保持され、固定装置35の進退部35aが外側方に進出し側枠6のコ字状空間内のコ字底面を押圧することで枠体2と支持体3を強力に固定することができる。なお、支持体3の上下動により作動するリミットスイッチまたはセンサ等を設けてギヤードモータ27を自動的に停止させることもできる。支持板12を例えば下限位置まで移動させると、
図11(b)に示すように圧縮コイルばね23は圧縮されるので、この位置から支持体3を上昇させる際、支持板12には圧縮コイルばね23による上向きの補助力が作用する。
【0035】
以上説明したように、実施例1に係る架台1においては、枠体2に上下動可能に設けられた支持体3をラックアンドピニオン機構と電磁ブレーキ機構付きのギヤードモータ27とからなる昇降手段により昇降させることにより、支持板12に支持固定されるスロットマシンMやパチンコ機等の種類の異なる遊技機の設置位置や遊技位置の高さを調整することができるので、遊技機の種類ごとに専用の架台1を設置する必要はなく、架台1の設置コストを大幅に削減することができる。また、架台1はスロットマシンMやパチンコ機を1台ずつ設置可能に独立した構成となっているので、遊技店内の任意の場所に架台1を移動して簡単に遊技島を形成することができるとともに、同一の遊技島内にスロットマシンMとパチンコ機とを設置してそれらの高さを個々に調整することもできる。
【0036】
また、昇降手段にラックアンドピニオン機構と電磁ブレーキ機構付きのギヤードモータ27を用いているので、支持体3を容易に昇降させることができるとともに、ブレーキ機構により支持体3を昇降させた位置に停止保持することができる。
【0037】
さらに、枠体2と支持板3には、上下方向を向く筒形ガイド部材21、21とガイドロッド29、29とからなる左右一対のガイド手段が設けられているので、支持板12及びそれにより支持される遊技機を水平を保ちながら円滑かつ安定的に昇降させることができる。
【0038】
さらに、支持板12を下方から上昇させる際に圧縮コイルばね23により上向きの補助力が作用するため、支持板12に重量のあるスロットマシンMやパチンコ機を支持しても、ギヤードモータ27に大きな負荷を与えることなく支持板を上昇させることができる。
【0039】
さらに、枠体2は遊技機の後方に開放されているので、遊技機をパチンコ機として支持体3により支持し、パチンコ機の高さを変更した場合でも、パチンコ機の後面に設けられている遊技球の排出孔が枠体2の後面により塞がれるのを防止することができる。
枠体60は、床面に固定される前後方向を向く左右一対のベース脚61、61と、両ベース脚61の中央部の対向面同士を連結している横連結杆62と、下端面が左右のベース脚61、61の中央部上面にボルト63により固定された上下方向を向く左右一対の側枠64、64と、両側枠64の上端同士を連結している上枠65とからなり、正面視縦長矩形の枠状に形成されている。左右の側枠64、64は平面視内向きコ字状をなすとともに、前後寸法が実施例1の側枠6よりも大とされている。上枠65の中央部の上面には、回転軸線が前後方向を向く電磁ブレーキ機構付きのギヤードモータ66が固定されている。
支持体70は、遊技機を支持する左右方向を向く支持板71と、支持板71の両側端部の上面に実施例1と同様の形態で固定された平面視内向きコ字状をなす左右一対の縦フレーム72、72と、両縦フレーム72の上端同士を連結している横フレーム73とを備えている。縦フレーム72、72の前後寸法は、枠体60の側枠64、64のコ字状空間内に上下に摺動可能に嵌合される寸法に形成されている。
横フレーム73の上面の中央部には、正面視横長枠状の昇降部材74が複数のボルト75により固定されている。昇降部材74の中央部の上面には、上下方向を向くラック76の下端部が、下端に固着されたフランジ板77を介してボルト78により固定されている。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内における追加や変更があっても、本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、支持体3、70の昇降にラックアンドピニオン機構及びギヤードモータ27、66からなる昇降手段を使用しているが、送りねじ機構からなる昇降手段を用いることも可能である。この場合には、例えば外周面に雄ねじが形成された上下方向を向くねじ軸を、昇降部材18、74に設けられた雌ねじまたはナットに螺合させ、ねじ軸をギヤードモータやステッピングモータ等により正逆回転させることにより、支持体3、70を昇降させることができる。
また、実施例2の架台50については、手動式の昇降手段、例えばブレーキ機構を有する回転式手動ウインチを枠体60の上面に取り付けて支持体70を昇降させることもできる。
また、上昇ボタン33や下降ボタン34などの操作部である操作専用ボックスCは、支持板12の下部に設けられていたが、スロットマシンMやパチンコ機の近傍箇所、あるいは、架台1など他の箇所に設けられていてもよい。