(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082362
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】源泉データ管理プログラム、源泉データ管理システム、および源泉データ管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/06 20120101AFI20240613BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20240613BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240613BHJP
【FI】
G06Q20/06
A63F13/792
A63F13/35
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196157
(22)【出願日】2022-12-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年10月20日、第0回資産性ミリオンアーサー生放送(https://twitter.com/i/spaces/1jMKgLzVWwMGL)にて公開 令和4年12月4日、第1.5回OZKゲームリリース情報大公開スペシャル(https://twitter.com/i/spaces/1YpJkgDOaDZJj)にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(71)【出願人】
【識別番号】518180571
【氏名又は名称】double jump.tokyo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155402
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 真
(72)【発明者】
【氏名】畑 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】吉目木 淳司
(72)【発明者】
【氏名】野島 貴英
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 優
(72)【発明者】
【氏名】坂本 康朗
(72)【発明者】
【氏名】加藤 将彰
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA12
5L055AA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】トークンの活用方法を拡張し、多様なサービスをユーザに対して提供する。
【解決手段】サーバと、源泉データ管理システムのユーザが使用するユーザ端末と、を備える源泉データ管理システムにおいて、サーバ10は、ユーザに対応するトークンに基づいて、特典を付与するための源泉データを付与する源泉データ付与部と、源泉データに基づいて、特典をユーザに付与する特典付与部とを備える。源泉データ付与部は、トークンについての源泉データの付与が許可されている場合に、源泉データを付与する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
ユーザに対応するトークンに基づいて、特典を付与するための源泉データを付与する源泉データ付与機能と、
前記源泉データに基づいて、特典を前記ユーザに付与する、特典付与機能とを
実現させるための、源泉データ管理プログラム。
【請求項2】
前記源泉データ付与機能では、前記トークンについての前記源泉データの付与が許可されている場合に、前記源泉データを付与する機能を
実現させるための請求項1に記載の源泉データ管理プログラム。
【請求項3】
前記源泉データ付与機能では、時間の経過に応じて前記源泉データを付与し、
前記トークンごとに、付与できる源泉データに上限が設けられている、
請求項1に記載の源泉データ管理プログラム。
【請求項4】
前記ユーザと前記トークンとの間の対応関係が解除された場合に、前記源泉データの蓄積残高を変更する、蓄積残高管理機能をさらに実現させる、
請求項1に記載の源泉データ管理プログラム。
【請求項5】
前記源泉データの蓄積残高に応じて、前記ユーザまたは前記ユーザに対応付けられたオブジェクトに属性値を付与する、属性値付与機能をさらに実現させる、
請求項1に記載の源泉データ管理プログラム。
【請求項6】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えた源泉データ管理システムであって、
ユーザに対応するトークンに基づいて源泉データを付与する源泉データ付与手段と、
前記源泉データに基づいて、特典を前記ユーザに付与する、特典付与手段と、を含む、
源泉データ管理システム。
【請求項7】
コンピュータによる源泉データ管理方法であって、
ユーザに対応するトークンに基づいて源泉データを付与する源泉データ付与処理と、
前記源泉データに基づいて、特典を前記ユーザに付与する、特典付与処理と、を含む、
源泉データ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも一つは、源泉データ管理プログラム、源泉データ管理システム、および源泉データ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロックチェーン(Block chain)を用いた、非代替性トークン(Non-Fungible Token:NFT)等の各種のトークンを用いた技術が登場している。
【0003】
特許文献1には、ユーザがプレイするゲームにおけるゲーム内非代替資産をNFTとしてゲーム内とゲーム外との間で送受信することが可能なゲームシステムが記載されている。前記ゲームシステムは、ゲームを管理するゲーム管理部と、ゲーム内非代替資産を管理する資産管理部と、ユーザのユーザ用ウォレット部との間で互いのアドレスを指定することでNFTの送受信をネットワーク経由でブロックチェーン上に記憶させることにより行う運営側ウォレット部とを備える。ゲーム外にゲーム内非代替資産を送信する場合、資産管理部はゲーム内非代替資産の所有者情報を削除し、運営側ウォレット部は、ゲーム内非代替資産をNFTとして発行して、ユーザにより指定されたウォレットアドレスにNFTを送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、NFT等のトークンを、ゲームにおけるキャラクタやアイテム、電子シール、デジタル画像などの種々のオブジェクトに対応づけることができる。
【0006】
ユーザに対応するトークンに対して、特典を付与するための源泉データを付与すれば、トークンの活用方法を拡張でき、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0007】
また、上記のトークンについて蓄積された源泉データに基づいて、例えばゲーム内通貨などの特典を付与すれば、トークンの活用方法をさらに拡張することができ、多様なサービスをユーザに対して提供することができる。
【0008】
本発明の少なくとも一つの実施形態の目的は、上記課題を解決し、トークンの活用方法を拡張し、ユーザの満足度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係る源泉データ管理プログラムは、コンピュータに、ユーザに対応するトークンに基づいて源泉データを付与する源泉データ付与機能と、前記源泉データに基づいて、特典を前記ユーザに付与する、特典付与機能とを実現させるためのものである。
【0010】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係る源泉データ管理システムは、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えた源泉データ管理システムであって、ユーザに対応するトークンに基づいて源泉データを付与する源泉データ付与手段と、前記源泉データに基づいて、特典を前記ユーザに付与する、特典付与手段と、を含むものである。
【0011】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係る源泉データ管理方法は、コンピュータによる源泉データ管理方法であって、ユーザに対応するトークンに基づいて源泉データを付与する源泉データ付与処理と、前記源泉データに基づいて、特典を前記ユーザに付与する、特典付与処理と、を含むものである。
【発明の効果】
【0012】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する源泉データ管理システムの構成の例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する源泉データ管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、トークンに対応するオブジェクトを例示する概念図である。
【
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、トークン化の対象となるコンテンツのカスタマイズ処理を例示する概念図である。
【
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、ホルダを例示する概念図である。
【
図7】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、源泉データ管理システムを活用したゲームサイクルを例示する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローやシーケンスを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0015】
以下では、コンピュータの一例であるサーバにおいて実行される源泉データ管理プログラムを例示して説明する。ただし、コンピュータはユーザ端末などの、他の装置であってもよい。
【0016】
図1は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する源泉データ管理システム100の構成の例を示すブロック図である。源泉データ管理システム100は、サーバ10と、源泉データ管理システム100のユーザが使用するユーザ端末20とを備える。ユーザ端末20A、20B、および20Cはそれぞれ、ユーザ端末20の一例である。源泉データ管理システム100の構成はこれに限定されない。例えば、源泉データ管理システム100は、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成であってよい。源泉データ管理システム100が複数のサーバを備えてもよい。
【0017】
サーバ10とユーザ端末20は、それぞれコンピュータの一例である。サーバ10とユーザ端末20は、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に通信可能に接続されている。通信ネットワーク30とサーバ10との間の接続、および通信ネットワーク30とユーザ端末20との間の接続は有線接続であっても無線接続であってもよい。例えば、ユーザ端末20は、通信事業者が管理する基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことにより、通信ネットワーク30と接続してよい。
【0018】
源泉データ管理システム100は、サーバ10とユーザ端末20とを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0019】
サーバ10はゲームの進行を制御するゲーム処理サーバであってもよい。この場合、サーバ10はプレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御する。サーバ10はゲームに限られない各種の電子サービスをユーザに対して提供してもよい。
【0020】
サーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、記憶装置13とを備える。プロセッサ11は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、メモリ12に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ11にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置13に記憶させる。
【0021】
記憶装置13は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置13の構成は特に限定されないが、ユーザ端末20にかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、源泉データ管理システム100にて行われる制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であってよい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶装置は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0022】
サーバ10は、ゲーム画像をレンダリング可能なゲーム処理サーバなどの情報処理装置によって構成されてもよい。
【0023】
ユーザ端末20はユーザによって管理される。ユーザ端末20の例としては、例えば携帯電話端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、タブレット、据置型ゲーム装置、携帯型ゲーム装置などがある。ユーザ端末20は、ユーザが操作可能なVRゴーグル、ARグラス、スマートグラス、ARコンタクト、その他のウェアラブルデバイスであってもよい。
【0024】
ユーザ端末は、ネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末であってもよい。
【0025】
ユーザ端末20は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。複数のユーザ端末20のそれぞれは、サーバ10を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0026】
ユーザ端末20には表示装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して、表示装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。なお、表示装置は極めて一般的な構成であるため、ここでは図示を省略している。表示装置は出力装置の一例である。ユーザがユーザ端末20を用いてゲームを行う場合、ゲーム画面は合成画像として表示装置によって表示され、ユーザがこの合成画像を認識する。ユーザがユーザ端末20を用いて各種の情報処理を行う場合も、情報処理に必要な画面(情報処理画面)が画像として表示装置によって表示され、ユーザがこの画像を認識する。ゲーム画面や情報処理画面は例えば、ユーザ端末が備える表示装置の一例であるディスプレイや、ユーザ端末と接続された表示装置の一例であるディスプレイに表示される。表示装置には、例えば、ホログラム表示が可能なホログラムディスプレイ装置や、画像(ゲーム画面や情報処理画面を含む)をスクリーン等に映写する映写装置、XR表示を行う装置なども含まれる。XRには、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)、およびSR(Substitutional Reality)などが含まれる。
【0027】
ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、記憶装置23とを備える。プロセッサ21は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、ユーザ端末20がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。ユーザ端末20は、メモリ22に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ21にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置23に記憶させる。記憶装置23は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0028】
ユーザ端末20には入力装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して入力装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。入力装置はユーザによる操作入力を受け付ける。ユーザによる操作入力に応じて、サーバ10が備えるプロセッサまたはユーザ端末20が備えるプロセッサが、各種の制御処理を実行する。入力装置の例として、スマートフォンやタブレット等が備えるタッチパネル画面、キーボード、マウス、ゲームパッド、ジョイスティック、その他のコントローラなどがある。また、ユーザ端末20に内蔵またはこれと接続されたカメラも入力装置に相当し得る。ユーザはカメラの前で手を動かす等のジェスチャーにより、操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0029】
その他、ユーザ端末20はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、ユーザに対して音声、振動、その他の各種の情報を出力する。
【0030】
通信ネットワーク30にはブロックチェーンネットワーク60が含まれている。ブロックチェーンネットワーク60は、コンピュータ等の複数のノードによって構築されている。複数のノードの例として、
図1にはそれぞれがコンピュータであるノード6a、6b、6c、および6dが記載されている。これらはあくまで一例であり、ノードの数は4つでなくともよい。なお、ブロックチェーンネットワーク60は、図示した通信ネットワーク30とは別のネットワークとして構築されていてもよい。
【0031】
複数のノード6a~6dは、典型的にはピアツーピア型に相互接続され、ブロックチェーンネットワーク60を構築している。各ノードが備える記憶装置には分散型台帳が記憶されている。サーバ10またはユーザ端末20は、ブロックチェーンネットワーク60と通信可能に接続されていてよい。サーバ10またはユーザ端末20は、ブロックチェーンネットワーク60に含まれるノードとして機能してもよい。
【0032】
図2は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10は、源泉データ付与部101、特典付与部102、蓄積残高管理部103、属性値付与部104、ランク管理部105、および報酬付与部106を備える。サーバ10が備えるプロセッサは、記憶装置に保持された源泉データ管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、源泉データ付与部101、特典付与部102、蓄積残高管理部103、属性値付与部104、ランク管理部105、および報酬付与部106を機能的に実現する。
【0033】
源泉データ付与部101は、ユーザに対応するトークンに基づいて源泉データを付与する機能を有する。
【0034】
特典付与部102は、源泉データに基づいて特典を前記ユーザに付与する機能を有する。
【0035】
蓄積残高管理部103は、ユーザと前記トークンとの間の対応関係が解除された場合に、前記源泉データの蓄積残高を変更する機能を有する。
【0036】
属性値付与部104は、源泉データの蓄積残高に応じて、ユーザまたはユーザに対応付けられたオブジェクトに属性値を付与する機能を有する。
【0037】
ランク管理部105は、属性値に応じてユーザまたはユーザに対応付けられたオブジェクトのランクを変更する機能を有する。
【0038】
報酬付与部106は、ランクに応じた報酬をユーザに付与する機能を有する。
【0039】
次に、本発明の第1の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。
図3は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する源泉データ管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【0040】
源泉データ付与部101は、ユーザに対応するトークンに基づいて源泉データを付与する(St11)。
【0041】
特典付与部102は、源泉データに基づいて特典をユーザに付与する(St12)。
【0042】
属性値付与部104は、源泉データの蓄積残高に応じて、ユーザまたはユーザに対応付けられたオブジェクトに属性値を付与する(St13)。
【0043】
ランク管理部105は、属性値に応じてユーザまたはユーザに対応付けられたオブジェクトのランクを変更する(St14)。
【0044】
報酬付与部106は、ランクに応じた報酬をユーザに付与する(St15)。
【0045】
トークンとは、典型的には非代替性トークン(Non-Fungible Token:NFT)を意味する。トークンは、矛盾等が生じない限り、代替性のあるトークン(Fungible Token:FT)や、リファンジブルなトークン(Re-Fungible Token:RFT)等の、他の種類のトークンであってもよい。
【0046】
ユーザに対応するトークンとは、ユーザが発行したトークンや、トークンの購入や譲渡などによりユーザが保有しているトークンを意味する。ユーザが保有しているトークンとは、そのトークンの現在の保有者として、ユーザを識別する識別情報が、ブロックチェーンネットワークの分散型台帳に書き込まれたトークンなどを意味する。なお、取引情報をオフチェーンで管理している期間においては、ユーザが保有しているトークンとは、ユーザがそのトークンの現在の保有者であるとしてシステムがトークンの保有者情報をオフチェーンで管理しているようなトークンを意味してもよい。
【0047】
源泉データは特典を付与するための源泉となるデータである。源泉データは、例えばポイントなどの数値であってよい。源泉データは、特典を産み出す工場を所有している旨を示す「工場所有フラグ」などのフラグなどであってもよい。例えばフラグがオンになっている場合に、その源泉データ(フラグ)に基づき特典が付与される。以下、源泉データはポイントであると仮定して説明するが、源泉データはポイントには限られない。トークンに基づいて源泉データを付与するとは、そのトークンと対応づけられた形態で、源泉データを記憶装置に記憶することなどを意味する。源泉データを付与するとは、既に用意されていた源泉データをユーザ等に割り当てることを意味していてもよい。
【0048】
トークンに基づいて付与された源泉データは、トークンそれ自身ではない。例えばトークンの種類が暗号資産(仮想通貨)などの代替性のあるトークンである場合、トークンに基づいて付与された源泉データは、当該暗号資産(仮想通貨)そのものではない。
【0049】
トークンに基づいて付与された源泉データは、トークンを裏付ける暗号資産(仮想通貨)等とは別のデータとして管理される。例えばユーザまたはシステム運営者が盾や剣などのデジタルアセットをNFT化する場合、発行されたNFTには暗号資産(仮想通貨)が裏付けとして含まれることがある。このNFTを保有者がバーン(burn)すると、保有者は、裏付けとされていた暗号資産(仮想通貨)の一部または全部を入手することができる。本実施形態におけるトークンに基づいて付与された源泉データとは、このような暗号資産(仮想通貨)等とは異なる、トークンに対してさらに付加して管理される値を意味する。
【0050】
トークンに基づいて付与された源泉データは、ユーザや、ユーザがゲーム内で扱うプレイヤーキャラクタに必ずしも紐づいていなくともよい。例えば、トークンに紐づけられた源泉データは、プレイヤーキャラクタのレベルや経験値等とは別のデータとして管理される値であってよい。
【0051】
特典とは、経験値やレベルアップなど、何らかの恩恵を与えるものを意味する。特典の具体例として、電子サービス内通貨がある。電子サービス内通貨とは、電子サービス内でユーザが利用可能な通貨を意味する。例えば電子サービスの内容がゲームである場合、ゲーム内通貨が特典に該当する。この場合、ユーザは例えば、ゲーム内通貨を消費して、ゲーム内で用いられるアイテムを購入することや、次のゲームを開始することなどができる。
【0052】
源泉データに基づいて特典をユーザに付与するとは、例えば源泉データがポイントである場合には、ポイントの蓄積残高に応じて電子サービス内通貨を付与することであってよい。特典付与部102は例えば、ポイントの蓄積残高が10ポイントである場合にはゲーム内通貨を10単位付与し、ポイントの蓄積残高が20ポイントである場合にはゲーム内通貨を30単位付与してよい。なお、付与態様はこれには限られない。
【0053】
ユーザに対応付けられたオブジェクトとは、例えばユーザが操作可能なキャラクタであるプレイヤーキャラクタなどを意味する。オブジェクトは人型のキャラクタには限られない。例えば、仮想的な剣や仮想的な山などのゲーム内オブジェクトがユーザに対応付けられてもよい。
【0054】
属性値とは、典型的には経験値を意味する。属性値は、筋力や知力などであってもよい。属性値は、後述のランクの増減に関係する値である。例えば属性値としての経験値が10000溜まると、ランクが1から2へとアップする。
【0055】
なお、属性値付与部104は、ユーザが所定の行動を取った場合に属性値を付与してもよい。所定の行動とは、例えばユーザが電子サービスにログインすることなどを意味する。この場合、ログインボーナスとして属性値が付与される。その他、所定の行動とは、ゲーム内で所定のクエストまたはミッションをクリアすることや、アイテムを所定の回数使用することなどであってよい。所定の行動は、これら以外の行動であってもよい。
【0056】
ランクとは、プレイヤーランク、プレイヤーキャラクタのレベル、または剣の攻撃力などの、ユーザまたはオブジェクトが有する特性の度合いやグレードなどを示す値である。ランクは数値で表現されてよいが、ランクA、ランクBなどのように、数値以外の表現がなされてもよい。ランクを変更するとは、例えばレベルを1から2に上昇させることや、剣の攻撃力のグレードをBからAへと上昇させることを意味する。なお、ランクを示す数値等を下げることも、ここでいう「ランクの変更」に含まれる。
【0057】
報酬とは、ユーザが電子サービスを利用する際に有利になる何らかの報酬であってよい。例えばゲームの場合、ゲーム内でユーザが使用可能なアイテムやポイントなどが報酬に該当する。ゲームのプレイ可能期間を1週間延長するなどの何らかの権利を付与することも報酬に該当する。報酬は、例えばバフはデバフなどのように、ユーザまたはユーザに対応付けらえたオブジェクトの属性値を変更することなどであってもよい。例えば、ユーザが装備している防具の防御力を10ポイント上昇させることや、ユーザキャラクタのレベルを上昇させることなども、報酬に該当する。報酬は、上述の電子サービス内通貨であってもよい。
【0058】
ランクに応じた報酬とは、ランクに応じて報酬の内容が変わり得ることを意味する。例えば報酬が電子サービス内通貨である場合、ユーザのランクが1であれば10の電子サービス内通貨が付与される。ユーザのランクが2であれば30の電子サービス内通貨が付与される。報酬の内容がランク毎に予め決定され登録された報酬テーブルが、記憶装置に記憶されていてもよい。
【0059】
本開示におけるNFT等のトークンは、オブジェクトと紐づけられてよい。ここでいうオブジェクトとは、例えば、画像、動画または音声などのコンテンツデータである。
【0060】
図4は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、トークンに対応するオブジェクトを例示する概念図である。
【0061】
本実施形態における、トークンに対応するオブジェクトは、電子シールS1に描かれたキャラクタである。図示した電子シールS1には、キャラクタとして魔法使いが描かれている。キャラクタの種類は様々であってよい。また、キャラクタ以外の例えば武器などの仮想的なオブジェクトが電子シールS1に描かれていてもよい。
【0062】
図5は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、トークン化の対象となるコンテンツのカスタマイズ処理を例示する概念図である。ユーザは、トークン化の対象となるコンテンツをカスタマイズしてからトークンを購入してもよい。
【0063】
一例として、
図5には、キャラクタが描かれた画像に対して、背景と電子シール枠とを選択して組み合わせるカスタマイズ処理例が示されている。ユーザはユーザ端末20を操作して、欲しいキャラクタが描かれた画像データを選択する。本実施形態においては、ユーザは魔法使いが描かれた画像データを選択している。
【0064】
ユーザは次に、ユーザ端末20の表示装置に表示された複数の背景画像BK1~BK4から、所望の背景画像を選択する。なお、
図5には4つの背景画像が描かれているが、選択可能な背景画像の数は4つには限られない。選択可能な背景画像の種類も、
図5に示したものには限られない。
【0065】
ユーザは次に、ユーザ端末20の表示装置に表示された複数の電子シール枠F1~F4から、所望の電子シール枠を選択する。なお、
図5には4つの電子シール枠が描かれているが、選択可能な電子シール枠の数は4つには限られない。選択可能な電子シール枠の種類も、
図5に示したものには限られない。
【0066】
キャラクタ、背景、および電子シール枠をユーザが選択し終えると、選択結果を示す情報がユーザ端末20からサーバ10へと送信される。サーバ10は、選択されたキャラクタ、背景、および電子シール枠を合成した合成画像データを生成する。サーバ10は、この合成画像データとトークンとを紐づける処理を行う。例えば上記のようにして、トークンに対応するコンテンツをカスタマイズすることができる。なお、サーバ10は、事前にトークンを発行するのではなく、上述のカスタマイズ処理が終了してから、カスタマイズ後のコンテンツデータについてトークンを発行してもよい。
【0067】
[許可されている場合の源泉データ付与]
ステップSt11において源泉データ付与部101は、トークンについての源泉データの付与が許可されている場合に、源泉データを付与してよい。
【0068】
トークンについての源泉データの付与が許可されている場合とは、例えば、そのトークンについてサーバ10またはユーザ端末20が管理している源泉データ付与許可フラグがオンである場合などを意味する。源泉データ付与許可フラグがオフ(例えば値=0)からオン(例えば値=1)になる条件は、仕様に応じた種々のものが考えられる。例えば、キャラクタが描かれた電子シールがNFT化されている場合、源泉データ管理システム100は、このNFT化された電子シールが後述する所定のホルダにセットされた時に、源泉データ付与許可フラグをオフからオンに変更してよい。源泉データ管理システム100は、これ以外の条件に基づいて源泉データ付与許可フラグのオンオフを制御してもよい。
【0069】
源泉データ管理システム100は、源泉データ付与の許可および不許可を、トークン毎に別々に管理する。ただし、源泉データ管理システム100は、複数のトークンから構成されるグループ毎に、源泉データ付与の許可および不許可を一括管理してもよい。
【0070】
図6は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、ホルダHを例示する概念図である。ホルダHは、ユーザ端末20の表示装置によって表示される。ホルダHには、電子シールをセットするための複数のスロットが設けられている。
図6に示したホルダHには、縦3つ×横3つの計9つのスロットが設けられている。ホルダHにおけるスロットの数や配置は
図6に示したものには限られない。
【0071】
ユーザはユーザ端末20を操作して、ホルダHに、自身のトークンに対応するオブジェクト(ここでは電子シールS1)をセットする。
図6は、電子シールS1が、ホルダHの左上のスロットにセットされた状態を示している。
【0072】
電子シールS1がホルダHにセットされた場合、電子シールS1に対応するトークンについての源泉データ付与許可フラグがオフからオンに変更される。
【0073】
源泉データ付与部101は、トークンについての源泉データの付与が許可されている場合、すなわち本実施形態においては源泉データ付与許可フラグがオンになっている場合に、源泉データを付与する。
【0074】
上記では、1つのトークンについての源泉データの付与について説明した。しかし、源泉データ付与部101は、複数のトークンから構成されるグループ単位で、源泉データの付与の可否を管理してもよい。例えば源泉データ付与部101は、トークンが属するグループに含まれる各トークンについての源泉データの付与がそれぞれ許可されている場合に、グループに含まれる各トークンに紐づけられた源泉データをそれぞれ付与してよい。
【0075】
具体例を示す。1つの冒険者グループが、勇者と、戦士と、魔法使いの3人で構成されているとする。ホルダHに、勇者のキャラクタを示す第1トークンに対応するオブジェクトと、戦士のキャラクタを示す第2トークンに対応するオブジェクトと、魔法使いのキャラクタを示す第3トークンに対応するオブジェクトとが全てセットされているならば、第1~第3トークンについての源泉データ付与許可フラグが全てオンになるようにしてよい。上記とは反対に、ホルダHには勇者のキャラクタを示す第1トークンに対応するオブジェクトと、戦士のキャラクタを示す第2トークンしかセットされておらず、魔法使いのキャラクタを示す第3トークンがホルダHにセットされていないならば、第1~第3トークンについての源泉データ付与許可フラグがすべてオフになるようにしてよい。
【0076】
[時間の経過に応じた源泉データ付与]
ステップSt11において源泉データ付与部101は、時間の経過に応じて前記源泉データを付与してもよい。例えば源泉データがポイントである場合、源泉データ付与部101は、24時間が経過するごとに1ポイントを付与する。また、源泉データ付与部101は、1週間が経過するごとに10ポイントをさらに付与する。なお、どの程度の期間に応じてどの程度のポイントを付与するかは、当業者が適宜決定してよい。
【0077】
トークンごとに、付与できる源泉データに上限が設けられていてよい。例えば源泉データがポイントである場合、1つのトークンについて、蓄積可能なポイント数の上限を20ポイントと設定することができる。なお、上限値は20には限られず、当業者が上限値を適宜決定してよい。
【0078】
[蓄積残高管理]
蓄積残高管理部103は、ユーザとトークンとの間の対応関係が解除された場合に、源泉データの蓄積残高を変更する。
【0079】
ユーザとトークンとの間の対応関係が解除された場合とは、例えばユーザがNFTを他者に売却するなど、ユーザとトークンとの間の紐づけが無くなる場合を意味する。
【0080】
源泉データの蓄積残高を変更するとは、例えば源泉データがポイントである場合に、蓄積残高の30を0にリセットすることや、蓄積残高の30を10に減少させることなどを意味する。なお、蓄積残高管理部103は、蓄積残高を増加させてもよい。蓄積残高を増加させることも、蓄積残高の変更に含まれる。
【0081】
図7は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、源泉データ管理システムを活用したゲームサイクルを例示する概念図である。
【0082】
ユーザは、ギアシールの製造工場を経営する、工場経営ゲームをプレイする。工場経営ゲームにおけるギアシールとは、既存の電子シールに重ねるなどして付加することにより、既存の電子シールをカスタマイズするための電子シールである。例えば、既存の電子シールに動きを付加するモーションギアシール、既存の電子シールに模様を付加する模様ギアシール、既存の電子シールに背景を付加する背景ギアシール、および既存の電子シールに音声を付加する音声ギアシールなどがある。
【0083】
本例における源泉データはポイントである。源泉データ付与部101が、ユーザに対応するトークンに基づいてポイントを付与する。ユーザに対応するトークンとは、本例では、ユーザが保有する電子シールに対応付けられたNFTである。
【0084】
特典付与部102は、ポイントに基づいて、特典をユーザに付与する。本例における特典は、コインである。
【0085】
工場経営ゲームにおいてユーザがコインを消費すると、キャラクタを雇用する、キャラクタを工場で勤務させる、キャラクタを素材探索の旅に派遣するなどを行うことができる。工場では、素材探索などによって得られた素材(例えば仮想的な鉱物)を用いて、電子シールの製造素材を生産することができる。ユーザはこの製造素材を用いてギアシールを製造する。なお、使用した製造素材に応じて異なるギアシールが製造されてよい。
【0086】
工場経営ゲームにおいてユーザは、NFTマーケットで購入する等の方法で入手した既存の電子シールであるキャラシールとギアシールとを用いて、新たなキャラシールを生成してもよい。ここで、新たなキャラシールは、既存の電子シールであるキャラシールとギアシールとを組み合わせることにより、動き、模様、背景、音声などがさらに付加された電子シールである。
【0087】
源泉データ管理システム100は、NFT化されたギアシールを用いて新たなキャラシールを生成してもよい。
図7に示したゲームサイクルは、NFT化されたギアシールを用いる例を示している。ユーザは、ギアシールと、ギアシールをNFT化するのに必要なアイテムであるバルクギアシールとを指定する。源泉データ管理システム100は、ギアシールとバルクギアシールとに基づいて、ギアシールをNFT化する。すなわちNFT化されていないギアシールと、ブロックチェーン上のNFTとを対応付ける。そしてユーザが、既存の電子シールであるキャラシールと、NFT化されたギアシールとを組み合わせることにより、源泉データ管理システム100が新たなキャラシールを生成する。キャラシールとギアシールとを組み合わせて新たなキャラシールを生成することを、当該ゲームにおいては「メガプレス」と表現している。
【0088】
以上に説明したように、本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。なお、夫々の実施形態による効果は、非限定的な効果または効果の一例である。
【0089】
上述した各実施形態では、ユーザ端末20およびサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、源泉データ管理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。また、ユーザ端末20やサーバ10に限られない他のコンピュータが、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、源泉データ管理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行してもよい。
【0090】
また、源泉データ管理システム100の構成は、上述した実施形態の例として説明した構成に限定されない。例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバが実行する構成としてもよいし、サーバが実行する処理として説明した処理の一部または全部をユーザ端末が実行する構成としてもよい。また、サーバが備える記憶部(記憶装置)の一部または全部をユーザ端末が備える構成としてもよい。すなわち、源泉データ管理システム100における、ユーザ端末とサーバのどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【0091】
また、プログラムが、上述した各実施形態の例として説明した機能の一部または全部を、通信ネットワークを含まない装置単体に実現させる構成としてもよい。
【0092】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
【0093】
[1]
コンピュータに、
ユーザに対応するトークンに基づいて源泉データを付与する源泉データ付与機能と、
前記源泉データに基づいて、特典を前記ユーザに付与する、特典付与機能とを
実現させるための、源泉データ管理プログラム。
【0094】
上記の源泉データ管理プログラムによれば、トークンの活用方法を拡張し、多様なサービスをユーザに対して提供することができる。
【0095】
[2]
前記源泉データ付与機能では、前記トークンについての前記源泉データの付与が許可されている場合に、前記源泉データを付与する機能を実現させる。これにより、例えばトークンに対応するオブジェクトをホルダにセットしている間のみ源泉データを付与するなどのように、源泉データの付与態様を柔軟に設定することができる。
【0096】
[3]
前記源泉データ付与機能では、時間の経過に応じて前記源泉データを付与し、前記トークンごとに、付与できる源泉データに上限が設けられている。これにより、1度源泉データを付与するだけでなはなく、ユーザが電子サービスを長期利用するほどより多くの源泉データが付与されることになる。そのため、ユーザが電子サービスを利用する動機を与えることができる。
【0097】
[4]
前記ユーザと前記トークンとの間の対応関係が解除された場合に、前記源泉データの蓄積残高を変更する、蓄積残高管理機能をさらに実現させる。これにより、例えばNFTなどのトークンをユーザが保持し続けるか手放すかによって、源泉データの蓄積残高が変わることになる。そのため、ユーザがNFTを持ち続ける動機を与えることや、反対にユーザがNFTを手放す動機を与えることなどができる。
【0098】
[5]
前記源泉データの蓄積残高に応じて、前記ユーザまたは前記ユーザに対応付けられたオブジェクトに属性値を付与する、属性値付与機能をさらに実現させる。これにより、ユーザに源泉データを蓄積しようとする動機付け、あるいは源泉データを蓄積しないようにする動機を与えることができる。
【0099】
[6]
前記属性値付与機能では、前記ユーザが所定の行動を取った場合に前記属性値を付与する機能を実現させる。これにより、電子サービスにおいて、ユーザに所定の行動を促すことができる。
【0100】
[7]
前記属性値に応じて前記ユーザまたは前記ユーザに対応付けられたオブジェクトのランクを変更するランク管理機能をさらに実現させる。これにより、電子サービスにおいて、属性値をより有利な値とするような行動をユーザに促すことができる。
【0101】
[8]
前記ランクに応じた報酬を前記ユーザに付与する報酬付与機能をさらに実現させる。これにより、より良い報酬を得るために、電子サービスにおいてランクを変動させるような行動をユーザに促すことができる。
【0102】
[9]
前記報酬には電子サービス内通貨が含まれる。これにより、ユーザはランクに応じた電子サービス内通貨を取得することができる。そのため、電子サービス内通貨をより多く取得できるような行動、とくにランクを変動させるような行動をユーザに促すことができる。
【0103】
[10]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えた源泉データ管理システムであって、
ユーザに対応するトークンに基づいて源泉データを付与する源泉データ付与手段と、
前記源泉データに基づいて、特典を前記ユーザに付与する、特典付与手段と、を含む、源泉データ管理システム。
【0104】
上記の源泉データ管理システムによれば、トークンの活用方法を拡張し、多様なサービスをユーザに対して提供することができる。
【0105】
[11]
コンピュータによる源泉データ管理方法であって、
ユーザに対応するトークンに基づいて源泉データを付与する源泉データ付与処理と、
前記源泉データに基づいて、特典を前記ユーザに付与する、特典付与処理と、を含む、
源泉データ管理方法。
【0106】
上記の源泉データ管理方法によれば、トークンの活用方法を拡張し、多様なサービスをユーザに対して提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明の実施形態の一つによれば、トークンの活用方法を拡張し、多様なサービスをユーザに対して提供できるような源泉データ管理プログラム、源泉データ管理システム、および源泉データ管理方法として有用である。
【符号の説明】
【0108】
6a~6d ノード
10 サーバ
11 プロセッサ
12 メモリ
13 記憶装置
20、20A、20B、20C ユーザ端末
21 プロセッサ
22 メモリ
23 記憶装置
30 通信ネットワーク
60 ブロックチェーンネットワーク
100 源泉データ管理システム
101 源泉データ付与部
102 特典付与部
103 蓄積残高管理部
104 属性値付与部
105 ランク管理部
106 報酬付与部
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
ユーザに対応するNFTに基づいて、特典を付与するための源泉データを付与する源泉データ付与機能と、
前記源泉データに基づいて、特典を前記ユーザに付与する、特典付与機能とを
実現させるための、源泉データ管理プログラム。
【請求項2】
前記源泉データ付与機能では、前記NFTについての前記源泉データの付与が許可されている場合に、前記源泉データを付与する機能を
実現させるための請求項1に記載の源泉データ管理プログラム。
【請求項3】
前記源泉データ付与機能では、時間の経過に応じて前記源泉データを付与し、
前記NFTごとに、付与できる源泉データに上限が設けられている、
請求項1に記載の源泉データ管理プログラム。
【請求項4】
前記ユーザと前記NFTとの間の対応関係が解除された場合に、前記源泉データの蓄積残高を変更する、蓄積残高管理機能をさらに実現させる、
請求項1に記載の源泉データ管理プログラム。
【請求項5】
前記源泉データの蓄積残高に応じて、前記ユーザまたは前記ユーザに対応付けられたオブジェクトに属性値を付与する、属性値付与機能をさらに実現させる、
請求項1に記載の源泉データ管理プログラム。
【請求項6】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えた源泉データ管理システムであって、
ユーザに対応するNFTに基づいて源泉データを付与する源泉データ付与手段と、
前記源泉データに基づいて、特典を前記ユーザに付与する、特典付与手段と、を含む、
源泉データ管理システム。
【請求項7】
コンピュータによる源泉データ管理方法であって、
ユーザに対応するNFTに基づいて源泉データを付与する源泉データ付与処理と、
前記源泉データに基づいて、特典を前記ユーザに付与する、特典付与処理と、を含む、
源泉データ管理方法。