(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082376
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】虚像表示装置及び頭部装着型表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240613BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G09F9/00 313
G09F9/00 311
G09F9/00 359
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196176
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】井出 光隆
【テーマコード(参考)】
2H199
5G435
【Fターム(参考)】
2H199CA12
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA42
2H199CA47
2H199CA66
2H199CA68
2H199CA70
2H199CA75
2H199CA85
2H199CA86
2H199CA87
5G435AA18
5G435BB12
5G435BB15
5G435CC09
5G435DD13
5G435EE12
5G435FF07
5G435GG02
5G435KK07
(57)【要約】
【課題】光学系全体が大型化してしまうことを回避しつつ画角を広くする。
【解決手段】虚像表示装置は、画像を表示する画素表示領域PAと、外界を視認可能にする光透過領域A2とを有する画像表示装置22と、画像表示装置22の顔側に配置され、各画素PEに対応して設けられた複数の微小光学素子23bを有し、画像表示装置22から射出される映像光MLを結像させる光学アレイ23と、画像表示装置22の外界側に配置され、画素表示領域PAへの外界光OLの入射を抑制する遮光部材21と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する画素表示領域と、外界を視認可能にする光透過領域とを有する画像表示装置と、
前記画像表示装置の顔側に配置され、各画素に対応して設けられた複数の微小光学素子を有し、前記画像表示装置から射出される映像光を結像させる光学アレイと、
前記画像表示装置の外界側に配置され、前記画素表示領域への外界光の入射を抑制する遮光部材と、
を備える、虚像表示装置。
【請求項2】
前記光学アレイは、前記微小光学素子として、前記画像表示装置を構成する前記画素又はサブ画素を個別に結像させるマイクロレンズを有する、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項3】
前記画素表示領域は、前記画素又はサブ画素に対応する発光領域であり、
前記微小光学素子は、前記発光領域に対応する領域に配置される、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項4】
前記遮光部材は、前記外界光の入射を抑制する遮光層を有し、
前記遮光層は、前記画素表示領域の前記画素又はサブ画素に対応する領域に配置される、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項5】
前記微小光学素子は、前記画素表示領域に対応する大きさを有する、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項6】
前記微小光学素子は、前記画素表示領域に対応する形状を有する、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項7】
前記遮光部材は、前記外界光の入射を抑制する遮光層を有し、
前記微小光学素子は、前記遮光層に対応する大きさを有する、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項8】
前記遮光部材は、前記外界光の入射を抑制する遮光層を有し、
前記遮光層は、前記画素表示領域に対応する大きさを有する、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項9】
前記遮光部材は、前記外界光の入射を抑制する遮光層を有し、
前記遮光層は、前記画素表示領域の前記画素又はサブ画素に対応する領域に配置される、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項10】
前記遮光部材と前記画像表示装置と前記光学アレイとは、固定されている、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の虚像表示装置を備える第1装置と、
請求項1~10のいずれか一項に記載の虚像表示装置を備える第2装置と、
前記第1装置と前記第2装置とを支持し、頭部への装着を可能にするテンプルを含む支持装置と、
を備える、頭部装着型表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、虚像の観察を可能にする虚像表示装置及び頭部装着型表示装置に関し、特に外界像を視認可能にするシースルー型の虚像表示装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
外界を視認可能にするシースルー型の虚像表示装置として、画像表示領域と、該画像表示領域を囲むように形成された透明表示領域とを有する液晶パネルと、光源から端部に入射されたバックライト光を導光する導光板とを備え、導光板が液晶パネルの画像表示領域にバックライト光を照射する発光領域と環境光を透過させる光透過領域とを備えるものが公知となっている(特許文献1)。この表示装置は、導光板の光透過領域及び液晶パネルの透明表示領域から環境光が観察者に到達するとともに、画像表示領域にバックライト光を照射しない期間に環境光が導光板の発光領域と液晶パネルの画像表示領域とを透過して観察者に到達するように構成されている。このような構成により、映像光と環境光とが重ね合わされたシースルー表示が実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記装置では、導光板の発光領域にドットの形成、散乱材の塗布等の加工がなされており、液晶パネルの画像表示領域を通過する環境光が、加工がなされた発光領域を通過することになるので、画像表示領域に対応する視野の中央付近でのシースルー透過率が低下する。視野の中央付近において高いシースルー透過率のシースルー表示を実現するためには、別途、シースルー透過率の高い光学系等が必要となり、大型化に繋がる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面における虚像表示装置は、画像を表示する画素表示領域と、外界を視認可能にする光透過領域とを有する画像表示装置と、画像表示装置の顔側に配置され、各画素に対応して設けられた複数の微小光学素子を有し、画像表示装置から射出される映像光を結像させる光学アレイと、画像表示装置の外界側に配置され、画素表示領域への外界光の入射を抑制する遮光部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の虚像表示装置の装着状態を説明する外観斜視図である。
【
図2】表示光学系の光学的構造を説明する概念的な斜視図である。
【
図3】複合表示部材の繰返単位を説明する概念的な拡大斜視図である。
【
図4A】発光素子の具体的な構造の一例を説明する概念的な斜視図である。
【
図4B】発光素子の別の例を説明する概念的な斜視図である。
【
図5】
図4Aに対応して画素の配置を説明する平面図である。
【
図6】第1実施形態の虚像表示装置の動作を説明する概念図である。
【
図7】第2実施形態の虚像表示装置を説明する概念図である。
【
図8】第3実施形態の虚像表示装置を説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
〔第1実施形態〕
以下、
図1~6を参照して、本発明の第1実施形態に係る虚像表示装置等について説明する。
【0008】
図1は、ヘッドマウントディスプレイ、すなわち頭部装着型表示装置200の装着状態を説明する斜視図である。頭部装着型表示装置(以下、HMDとも称する。)200は、双眼型表示装置201であり、これを装着する観察者又は装着者USに虚像としての映像を認識させる。
図1等において、X、Y、及びZは、直交座標系であり、+X方向は、HMD200を装着した観察者又は装着者USの両眼EYの並ぶ横方向に対応し、+Y方向は、装着者USにとっての両眼EYの並ぶ横方向に直交する上方向に相当し、+Z方向は、装着者USにとっての前方向又は正面方向に相当する。±Y方向は、鉛直軸又は鉛直方向に平行になっている。
【0009】
HMD200は、右眼用の第1虚像表示装置100Aと、左眼用の第2虚像表示装置100Bと、虚像表示装置100A,100Bを支持する一対のテンプル100Cと、情報端末であるユーザー端末88とを備える。第1虚像表示装置100Aは、第1装置1Aであり、上部に配置される第1表示駆動部102aと、眼前を覆う第1表示光学系103aと、第1表示光学系103aを外界側又は前方側において覆う光透過カバー104aとで構成される。第2虚像表示装置100Bは、第2装置1Bであり、上部に配置される第2表示駆動部102bと、眼前を覆う第2表示光学系103bと、第2表示光学系103bを外界側又は前方側において覆う光透過カバー104bとで構成される。第1装置1Aである第1虚像表示装置100Aと、第2装置1Bである第2虚像表示装置100Bとを組み合わせたHMD200は、広義の虚像表示装置でもある。一対のテンプル100Cは、装着者USの頭部に装着される装着部材又は支持装置106であり、外観上一体化されている表示駆動部102a,102bを介して一対の表示光学系103a,103bの上端側と、一対の光透過カバー104a,104bの上端側とを支持している。一対の表示駆動部102a,102bを組み合わせたものを駆動装置102と呼ぶ。一対の光透過カバー104a,104bを組み合わせたものをシェード104と呼ぶ。
【0010】
図2は、第1表示光学系103aの構造を説明する斜視図である。第1表示光学系103aは、2次元的な画像を形成し映像光を射出する板状の複合表示部材20を備える。複合表示部材20は、光軸AXに垂直なXY面に平行に延びる板状の部材であり、遮光部材21と、画像表示装置22と、光学アレイ23とを積層し、不図示の枠体によって一体化した構造を有する。複合表示部材20は、XY面に沿ってマトリクス状に配列された複数の繰返単位20aで構成される。繰返単位20aは、画像表示装置22において、画像を形成する単位である画素PEを含み、各画素PEは、3つのサブ画素PEaで構成される。遮光部材21と画像表示装置22と光学アレイ23とは、所定の間隔を設けて接合され、固定されている。これにより、装置を比較的薄くすることができる。なお、遮光部材21と画像表示装置22と光学アレイ23とは、密着してもよい。第1表示光学系103aにおいて、眼EYと光学アレイ23との間の距離は、例えば15mm程度である。
【0011】
第2表示光学系103bは、第1表示光学系103aと光学的に同一であり、或いは第1表示光学系103aを左右反転させたものであり、詳細な説明を省略する。
【0012】
図3は、複合表示部材20の繰返単位20aを説明する部分拡大斜視図である。ここで、軸AXaは、
図1に示す光軸AXに平行な軸である。
【0013】
遮光部材21は、光透過性を有する平板21a上に四角形の遮光層21bを設けたものである。
図3では、遮光層21bは、平板21aの外界側に設けているが、画像表示装置22側に設けてもよい。図示を省略するが、全体の遮光部材21には、多数の遮光層21bが、XY面に沿ってマトリクス状に配列されている。つまり、遮光部材21を構成する全遮光層21bは、横のX方向及び縦のY方向に関して周期的に2次元配列されている。各遮光層21bは、各繰返単位20aにおける画素区画に対応する領域に形成されている。遮光部材21のうち遮光層21bが設けられていない光透過領域A1は、外界光OLを透過させるが、遮光層21bは、外界光OLの通過を抑制する。
【0014】
遮光層21bは、吸光性を有する塗料その他の物質で形成され、例えばインクジェット方式で目的の個所に塗布することができる。遮光層21bは、平板21a上において遮光層21bを形成しない位置に事前に離型剤で形成される離型パターンを記録し、吸光物質のスプレーを全体に塗布し、離型パターンの箇所で吸光物質を除去することで、残った吸光物質層で形成されるものであってもよい。遮光層21bは、光吸収作用を有する物質であれば、黒以外の色の塗料を用いてもよい。さらに、遮光層21bは、フォトレジスト技術等を用いて平板21a上において遮光層21bを形成すべき箇所に金属パターンを形成し、金属パターンを酸化して吸収性を高めたものであってもよい。
【0015】
画像表示装置22は、遮光部材21の顔側に配置されている。画像表示装置22は、自発光型の透明ディスプレイであり、例えば有機ELディスプレイである。画像表示装置22は、光透過性を有する平板22a上に、発光領域EAである発光層22r,22g,22bを設けたものである。発光領域EAは、画素表示領域PAとも呼び、発光層22r,22g,22bは、発光素子EDとも呼ぶ。発光層22r,22g,22bは、駆動回路71により映像光MLを表示に必要なタイミング及び輝度で射出する。具体的には、赤色の発光層22rは、赤色の映像光を表示に必要なタイミング及び輝度で射出し、緑色の発光層22gは、緑色の映像光を表示に必要なタイミング及び輝度で射出し、青色の発光層22bは、青色の映像光を表示に必要なタイミング及び輝度で射出する。図示を省略するが、全体の画像表示装置22には、3つの発光層22r,22g,22bを一組とする多数の画素PEが、XY面に沿ってマトリクス状に配列されている。つまり、画像表示装置22を構成する全画素PE、又は全組の発光層22r,22g,22bは、横のX方向及び縦のY方向に関して周期的に2次元配列されている。各画素PE、つまり一組の発光層22r,22g,22bは、各繰返単位20aにおける画素区画に対応する領域に形成されている。画像表示装置22のうち発光層22r,22g,22bが設けられていない光透過領域A2は、外界光OLを透過させる。発光層22r,22g,22bは、少なくとも点灯タイミングで外界光OLを遮断する。
【0016】
図4Aは、発光素子EDの具体的な構造の一例を説明する概念的な斜視図である。説明の都合上、
図4Aでは1つの発光素子EDを示している。図示の発光素子EDは、パッシブマトリクス型の表示セルである。発光素子EDを支持する基板である平板22aは、光透過性を有するガラスやプラスチックで形成されている。平板22a上には、横のX方向に延び光透過性を有する第1電極配線35が形成され、第1電極配線35上の表示箇所には、サブ画素PEaに対応する発光層22eが形成されている。発光層22eは、
図3に示す発光層22r,22g,22bのいずれかである。発光素子EDは、例えば有機EL発光素子である。この場合、発光層22eは、蛍光物質等を含む有機物質層であり、必要に応じて電子やホールの注入層(不図示)等を含む。発光層22eを覆って縦のY方向に延び光透過性を有する第2電極配線36が形成されている。第1及び第2電極配線35,36は、例えばITO等の透明電極を用いている。外部から第1電極配線35と第2電極配線36とに必要な電力を供給することで、発光層22eを選択的に発光させることができる。
【0017】
図4Bは、発光素子EDの別の例を説明する概念的な斜視図である。説明の都合上、
図4Bでは1つの発光素子EDを示している。図示の発光素子EDは、アクティブマトリクス型の表示セルである。発光素子EDを支持する基板である平板22aは、光透過性を有するガラスやプラスチックで形成されている。平板22a上には、共通電極である第1透明電極31が一様に形成され、第1透明電極31上の表示箇所にサブ画素PEaに対応する発光層22eと、スイッチ素子である駆動素子22dとが形成されている。発光層22eとその右上の駆動素子22dとを組み合わせたものを発光素子EDと呼ぶ。発光層22eは、
図3に示す発光層22r,22g,22bのいずれかである。発光素子EDは、例えば有機EL発光素子である。発光層22eを覆うように設けられた第2透明電極32には、駆動素子22dの出力が供給される。駆動素子22dの端子(不図示)には、縦のY方向に延び光透過性を有する給電配線33と、横のX方向に延び光透過性を有するスイッチ配線34とが接続されている。外部からスイッチ配線34に駆動信号を供給することにより、発光層22eを選択的に発光させることができる。駆動素子22dは、外界光OLを遮断し、発光層22eは、少なくとも点灯タイミングで外界光OLを遮断する。
【0018】
以上のように、画像表示装置22は、パッシブマトリクス型の自発光素子を含むものでもよいし、アクティブマトリクス型の自発光素子を含むものでもよい。また、画像表示装置22は、光透過性を有する液晶、マイクロLEDでもよい。アクティブマトリクス型の自発光素子では、各サブ画素PEaに存在するトランジスタが光で誤作動を起こす場合や、トランジスタに用いられる金属膜に起因するぎらつきが発生する場合があるため、遮光部材21を用いて発光素子EDに入射する外界光OLを抑制する。
【0019】
光学アレイ23は、画像表示装置22の顔側に配置されている。光学アレイ23は、光透過性を有する平板23a上に平面視において四角形又は矩形の微小光学素子23bを設けたものである。図示を省略するが、全体の光学アレイ23には、多数の微小光学素子23bが、XY面に沿ってマトリクス状に配列されている。つまり、光学アレイ23を構成する全微小光学素子23bは、横のX方向及び縦のY方向に関して周期的に2次元配列されている。各微小光学素子23bは、各繰返単位20aにおける画素区画に対応する領域に形成されている。微小光学素子23bは、例えば1つの画素PE、具体的には、1つの発光領域EAに対して1つ配置される。光学アレイ23のうち微小光学素子23bが設けられていない光透過領域A3では、外界光OLが透過し光学素子の作用を受けない。一方、微小光学素子23bでは、遮光部材21により外界光OLの入射が抑制されており、発光領域EAから射出された光が透過し光学素子の作用を受ける。
【0020】
既述のように、光学アレイ23は、画像表示装置22を構成する各画素PE又はサブ画素PEaから射出される光を個別に結像させる複数の微小光学素子23bを有する。微小光学素子23bは、画像表示装置22の近傍に配置されるので、虚像表示装置100Aを薄型にすることが容易になる。
【0021】
微小光学素子23bは、例えばマイクロレンズMAである。この場合、全体の光学アレイ23は、マイクロレンズアレイとなる。マイクロレンズMAは、例えば平面視で矩形形状を有する平凸レンズである。マイクロレンズMAは、各繰返単位20aにおいて、映像光MLを個別に屈折させる。微小光学素子23bが画素PEから射出される光を結像させる場合、画素PEに対応する複数の発光層22eから射出されるカラーの映像光MLを結像させる。微小光学素子23bがサブ画素PEaから射出される光を結像させる場合、サブ画素PEaに対応する発光層22eから射出される単色の映像光MLを結像させる。
【0022】
図5は、画像表示装置22における画素PEの配置を説明する概念図である。画像表示装置22は、四角形の輪郭を有する繰返区画22sをX方向とY方向とに配列したものである。各繰返区画22sは、左下に画素区画22tを有し、繰返区画22sのうち画素区画22tを除く範囲には、光透過領域A2が形成されている。画素区画22tは、画像を表示する画素表示領域PAである。画素区画22tは、
図4Aに示す構造を有する発光素子EDを有し、画素区画22t全体で、発光層22r,22g,22bを含むものとなっている。
【0023】
なお、
図4Bに示す発光素子EDの場合における画素の配置等は、
図4Aに示す発光素子EDの場合と同様である。ただし、発光層22r,22g,22bの周囲の光透過領域A2は、
図4Bに示す給電配線33、スイッチ配線34等が設けられた回路領域である。
【0024】
図5に示す画像表示装置22において、
図3に示す遮光部材21の遮光層21bと光学アレイ23の微小光学素子23bとを重ねて示している。
図5では、説明の都合上、遮光層21b、画素区画22t、及び微小光学素子23bの大きさを若干変えて示している。
【0025】
遮光部材21の遮光層21bは、画素表示領域PAに対応する大きさを有する。これにより、外界光OLが画素表示領域PAに入射することをより抑制することができる。遮光層21bは、画素区画22tをカバーし、画素区画22tよりも若干外側に広がった領域に形成されているが、画素区画22tと一致する領域に形成されてもよい。
【0026】
微小光学素子23bは、画素表示領域PAに対応する大きさを有する。これにより、遮光部材21の遮光層21bが必要最低限の領域になるため、外界光OLの透過率を上げることができる。微小光学素子23bは、遮光部材21の遮光層21bに対応する大きさを有する。これにより、遮光層21bで遮光された外界光OLが微小光学素子23bに入射することを防ぐことができる。微小光学素子23bは、画素表示領域PAに対応する形状を有する。これにより、遮光部材21の遮光層21bが必要最低限の領域になるため、外界光OLの透過率を上げることができる。微小光学素子23bは、画素区画22tをカバーし、画素区画22tよりも若干外側に広がった領域に形成されているが、画素区画22tと一致する領域に形成されてもよい。
【0027】
遮光部材21の遮光層21bは、画素表示領域PAの画素PE又はサブ画素PEaに対応する領域に配置される。画素PE毎に設けられた遮光層21bにより、外界光OLが映像光MLの経路に入り込んで迷光となることを回避しつつ、外界光OLの透過率を上げることができる。微小光学素子23bは、画素表示領域PA又は発光領域EAに対応する領域に配置される。これにより、外界光OLが微小光学素子23bに入射することを抑制しつつ、発光領域EAから顔側に射出された映像光MLを虚像の形成に用いることができる。
【0028】
具体的には、遮光部材21の遮光層21bが画素表示領域PAの画素PEに対応する領域に配置された場合、微小光学素子23bは、画素PEに対応する領域に配置される。この場合、遮光層21bは、画素PEに入射する外界光OLを抑制し、微小光学素子23bは、画素PE毎の映像光MLを結像させる。また、遮光層21bがサブ画素PEaに対応する領域に配置された場合、微小光学素子23bは、サブ画素PEaに対応する領域に配置される。この場合、遮光層21bは、サブ画素PEaに入射する外界光OLを抑制し、微小光学素子23bは、サブ画素PEa毎の映像光MLを結像させる。
【0029】
なお、第1表示光学系103aにおいて、視野角を大きくする場合、微小光学素子23bの形状は、光学アレイ23の外周側に配置される微小光学素子23bほど、光が内側に曲がるものとしてもよい。例えば、光軸AXからの距離に応じて、微小光学素子23bの光学面の全体的な傾きを変化させる。また、光学アレイ23の外周側に配置される微小光学素子23bについて、外界光OLが入射しない範囲で画素表示領域PA又は発光領域EAの軸AXaからシフトさせてもよい。
【0030】
図5を参照して、繰返区画22sは、光透過領域A2である外光視認画素X1と、画素区画22t又は画素表示領域PAである映像光射出画素X2とを組み合わせたものとして見ることができ、シースルー画像表示画素TXとも呼ぶ。シースルー画像表示画素TXは、外界光OLを局所的に遮断し、遮断した箇所で画素を形成するという観点で、背景を透視させる画素ということができる。遮光部材21によって遮られなかった外界光OLは、画像表示装置22のシースルー画像表示画素TXの一部である光透過領域A2を通過し、光学アレイ23の光透過領域A3を通過する。一方、シースルー画像表示画素TXの一部である画素表示領域PAから射出された映像光MLは、光学アレイ23の微小光学素子23bを集光作用又はレンズ作用を受けつつ通過し、画素表示領域PAの虚像に変換される。
【0031】
画像表示装置22は、例えば、大きさが2インチであり、視野角が130°程度である。画素PEは、一辺が10μm~50μm程度の大きさを有する。なお、コリメートに近い光学系において、文字情報のみの場合には、画素PEは、100μm程度の大きさでもよい。繰返区画22sのうち光透過領域A2の面積の割合、すなわちシースルー開口率は、例えば、5%~10%程度である。シースルー開口率が5%程度の場合、解像度は2K程度とすることができる。
【0032】
図6を参照して、画像表示装置22の発光素子ED又は発光層22eから射出された映像光MLは、光学アレイ23の微小光学素子23bを経て虚像を形成する。ここで、遮光部材21の遮光層21bにより、外光視認画素X1と映像光射出画素X2とを組み合わせた繰返区画22sから射出される外界光OL及び映像光MLのうち、映像光MLが分離して虚像を形成する。装着者の眼EYには、透明ディスプレイである画像表示装置22の画素PE又はサブ画素PEaによって形成された画像が、画像表示装置22の後方に所望の拡大率の虚像として観察される。一方、外界光OLは、遮光部材21の光透過領域A1を通過し、画像表示装置22のシースルー画像表示画素TXの一部である光透過領域A2を通過し、光学アレイ23の光透過領域A3を通過する。この際、外界光OLは、遮光部材21、画像表示装置22、光学アレイ23によって光学的作用又はレンズ作用を受けない。装着者の眼EYには、通常の外界像が観察される。つまり、表示光学系103a,103bを介して外界像のシールスルー視が可能になる。
【0033】
以上で説明した第1実施形態の虚像表示装置100A,100Bは、画像を表示する画素表示領域PAと、外界を視認可能にする光透過領域A2とを有する画像表示装置22と、画像表示装置22の顔側に配置され、各画素PEに対応して設けられた複数の微小光学素子23bを有し、画像表示装置22から射出される映像光MLを結像させる光学アレイ23と、画像表示装置22の外界側に配置され、画素表示領域PAへの外界光OLの入射を抑制する遮光部材21と、を備える。
【0034】
上記虚像表示装置100A,100Bでは、外界から遮光部材21を通過した透過光が、光学素子の作用を受けずに通過し、画像表示装置22の画素表示領域PAから射出された映像光MLが、光学素子の作用を受けて通過し虚像を形成する。すなわち、虚像表示装置100A,100Bは、映像光MLと外界光OLとを分離し、映像光MLと外界光OLとを共存させる。画像表示装置22が光透過領域A2を有することによりシースルーとなるため、別途リレー光学系等が不要であり、装置を小型化することができる。また、遮光部材21が画素表示領域PAへの外界光OLの入射を抑制することにより、外界光OLが画素表示領域PAを経て光学アレイ23に入射することを抑制する。これにより、外界光OLは、光学素子の作用を受けないため、外界光OLが多重像になって視認されることを防ぎ、シースルー性を向上させることができる。以上のように、画像表示装置22に遮光部材21及び光学アレイ23を組み合わせることにより、装置を小型化しつつ視野角を大きくすることができる。
【0035】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態の虚像表示装置について説明する。なお、第2実施形態の虚像表示装置、第1実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、第1実施形態の虚像表示装置と共通する部分については説明を省略する。
【0036】
図7を参照して、第2実施形態の虚像表示装置100A,100B又はHMD200では、複数の画素PEに亘って遮光部材21の遮光層21bを配置する。複数の画素PEの集まりを複合画素PBと呼ぶ。複合画素PBは、例えば、2×2、3×3等の画素PEの集まりである。図示の例では、4つの画素PE、すなわち複合画素PBをカバーするように遮光層21bを配置している。本実施形態の虚像表示装置100A等は、高解像度になるにつれ、各画素PEと1対1で遮光層21bを配置することが困難である場合に有効である。この場合、画像表示装置22において外界光OLが透過する領域が減少するものの、画像表示装置22全体としてはシースルー性を確保することができる。
【0037】
第2実施形態において、遮光部材21の遮光層21bのみでなく、光学アレイ23の微小光学素子23bも遮光層21bと対応させて、複数の画素PEに亘って配置してもよい。
【0038】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態の虚像表示装置について説明する。なお、第3実施形態の虚像表示装置、第1実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、第1実施形態の虚像表示装置と共通する部分については説明を省略する。
【0039】
図8を参照して、第3実施形態の虚像表示装置100A,100B又はHMD200では、光学アレイ23の顔側に瞳拡大素子24を配置している。光学アレイ23がマイクロレンズMAのような微小光学素子23bを含むものである場合、微小光学素子23bを発光源から離すと、アイボックスが比較的小さくなる。瞳拡大素子24を設けることにより、装着者の眼EYに対する光学系の配置の自由度が高まり、かつ眼EYが動いても映像を快適に見ることができる。なお、画像表示装置22から光学アレイ23を離した場合、視野角を広げるために、マイクロレンズMAのレンズ形状を調整することが好ましい。瞳拡大素子24は、例えば、多重反射を用いたものや回折形状を用いたもの等が挙げられる。
【0040】
図9は、多重反射を用いた瞳拡大素子24の例を示す図である。
図9に示す瞳拡大素子24は、第1及び第2光学部材24a,24bを貼り合わせた平行平板部材である。各光学部材24a,24bは、複数の半透過反射ミラーMと複数の透過性部材Tとを有している。半透過反射ミラーMは、第1及び第2光学部材24a,24bの入射面に対して傾斜して形成されている。第1光学部材24aに設けられる各半透過反射ミラーMは、第2光学部材24bに設けられる各半透過反射ミラーMと交差するように設けられている。
【0041】
第1光学部材24aにおいて、半透過反射ミラーM1は、第1光学部材24aに入射する映像光MLのうち、一部を-Z方向に透過させ、他の一部を-X方向に反射させる。半透過反射ミラーM2は、半透過反射ミラーM1の-X側に配置され、半透過反射ミラーM1で反射された映像光MLの一部を-Z方向に反射させ、他の一部を-X方向に透過させる。第2光学部材24bにおいて、半透過反射ミラーM3は、第1光学部材24aの半透過反射ミラーM1の-Z方向に配置され、半透過反射ミラーM1を透過した映像光MLのうち、一部を-Z方向に透過させ、他の一部を+X方向に反射させる。半透過反射ミラーM4は、半透過反射ミラーM3の+X側に配置され、半透過反射ミラーM3で反射された映像光MLの一部を-Z方向に反射させ、他の一部を+X方向に透過させる。半透過反射ミラーM5は、半透過反射ミラーM3の-X側かつ半透過反射ミラーM2の-Z側に配置され、半透過反射ミラーM2で反射された映像光MLの一部を-Z方向に透過させ、他の一部を+X方向に反射させる。以上のように、瞳拡大素子24において、映像光MLを複数回反射させることにより、映像光MLの光束径をX方向に拡大することができる。
【0042】
図10は、回折形状を用いた瞳拡大素子24の例を示す図である。
図10に示す瞳拡大素子24は、光透過性を有する基板24cと基板24cの一方に設けられる第1ホログラム素子24dと基板24cの他方に設けられる第2ホログラム素子24eとを有する。第1及び第2ホログラム素子24d,24eは、反射型の回折素子を含む。第1及び第2ホログラム素子 24d,24eは、体積ホログラムの他、ナノインプリントで形成したものでもよい。
【0043】
第1ホログラム素子24dは、入射される映像光MLのうち、一部を透過させ、第2ホログラム素子24eも入射される映像光MLのうち、一部を透過させる。第2ホログラム素子24eは、入射される映像光MLの他の一部を第1ホログラム素子24dに向けて回折させ、第1ホログラム素子24dは、第2ホログラム素子24eで回折されて戻ってきた回折光DLを第2ホログラム素子24eに再度向かうように回折させる。回折光DLは、第1及び第2ホログラム素子24d,24eをそのまま通過した直進光SLと同一の方向に平行にシフトさせた状態で射出する。以上のように、瞳拡大素子24において、映像光MLを複数回(具体的には、2n回)回折させることにより、映像光MLの光束径をX方向に拡大することができる。
【0044】
なお、図示を省略するが、回折形状を用いた瞳拡大素子24として、
図10に示すような反射型の回折素子ではなく、透過型の回折素子を用いてもよい。
【0045】
また、図示を省略するが、瞳拡大素子24の代わりに、液晶レンズを設けてもよい。液晶レンズは、空間的に縦偏光と横偏光のいずれかの偏光に対して屈折率の変化により選択的にレンズとして作用する。具体的には、液晶レンズは、外界光OLを屈折させずに映像光MLを選択的に屈折させ、映像光MLを平行光にコリメートする。液晶レンズを設ける場合、偏光板や波長板等を設けて外界光OLと映像光MLの偏光方向を調整する。複合表示部材20に液晶レンズを組み合わせることにより、小型の光学系で大画面を表示することができる。ここで、大画面の表示とは、例えば、2.5m前方に70インチ以上の虚像を形成する場合を意味する。
【0046】
〔変形例その他〕
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0047】
上記実施形態において、画像表示装置22の画素表示領域PAと光透過領域A2の配置や大きさは、1画素に十分なシースルー領域が存在するように、適宜変更することができる。
【0048】
上記実施形態において、光学アレイ23の微小光学素子23bの外形形状を矩形形状としたが、円形形状でも楕円形形状でもよい。遮光部材21の遮光層21bの形状を画像表示装置22の画素表示領域PAの形状に沿ったものとし、外界光OLが微小光学素子23bに入射しないようにすることが好ましい。
【0049】
上記実施形態において、光学アレイ23の微小光学素子23bは、平凸レンズに限らず、ホログラム、液晶等の屈折率分布型の回折素子でもよい。回折素子の場合、マイクロレンズを用いた露光や、小径のピンホールを用いて露光時に回折を用いた方法等によって微小光学素子を作製する。また、微小光学素子23bは、幾何学的位相レンズ、メタレンズ等であってもよい。
【0050】
また、微小光学素子23bとして、マイクロレンズMAの代わりに、ピンホールを用いて焦点深度を調整してもよい。例えば、
図11に示すように、光学アレイ23に設けた遮光領域123cの一部に光を通過させるピンホール123bを形成する。遮光領域123cは、遮光部材21の遮光層21b及び画像表示装置22の画素表示領域PAに対応する大きさ及び形状を有する。ピンホール123bの大きさは、例えば画素PEの大きさの1/5~1/10程度である。画素PEの画角に応じてピンホール123bを調整する。例えば、光軸AXからの距離に応じて、ピンホール123bの位置をシフトさせる。
【0051】
上記実施形態において、画像表示装置22と遮光部材21とが一体となっていてもよい。例えば、画像表示装置22の基板である平板22aの外界側表面において、画素表示領域PAに対応する位置に遮光層21bを設けてもよい。
【0052】
以上では、HMD200が頭部に装着されて使用されることを前提としたが、上記虚像表示装置100A,100Bは、頭部に装着せず双眼鏡のようにのぞき込むハンドヘルドディスプレイとしても用いることができる。つまり、本発明において、ヘッドマウントディスプレイには、ハンドヘルドディスプレイも含まれる。
【0053】
具体的な態様における虚像表示装置は、画像を表示する画素表示領域と、外界を視認可能にする光透過領域とを有する画像表示装置と、画像表示装置の顔側に配置され、各画素に対応して設けられた複数の微小光学素子を有し、画像表示装置から射出される映像光を結像させる光学アレイと、画像表示装置の外界側に配置され、画素表示領域への外界光の入射を抑制する遮光部材と、を備える。
【0054】
上記虚像表示装置では、画像表示装置が光透過領域を有することによりシースルーとなるため、別途リレー光学系等が不要であり、装置を小型化することができる。また、遮光部材が画素表示領域への外界光の入射を抑制することにより、外界光が画素表示領域を経て光学アレイに入射することを抑制する。これにより、外界光は、光学素子の作用を受けないため、外界光が多重像になって視認されることを防ぎ、シースルー性を向上させることができる。以上のように、画像表示装置に遮光部材及び光学アレイを組み合わせることにより、装置を小型化しつつ視野角を大きくすることができる。
【0055】
具体的な態様における虚像表示装置において、光学アレイは、微小光学素子として、画像表示装置を構成する画像又はサブ画素を個別に結像させるマイクロレンズを有する。マイクロレンズは、画像表示装置の近傍に配置されるので、虚像表示装置を薄型にすることが容易になる。
【0056】
具体的な態様における虚像表示装置において、画素表示領域は、画素又はサブ画素に対応する発光領域であり、微小光学素子は、発光領域に対応する領域に配置される。これにより、外界光が微小光学素子に入射することを抑制しつつ、発光領域から顔側に射出された映像光を虚像の形成に用いることができる。
【0057】
具体的な態様における虚像表示装置において、遮光部材は、外界光の入射を抑制する遮光層を有し、遮光層は、画素表示領域の画素又はサブ画素に対応する領域に配置される。画素毎に設けた遮光層により、外界光が映像光の経路に入り込んで迷光となることを回避しつつ、外界光の透過率を上げることができる。
【0058】
具体的な態様における虚像表示装置において、微小光学素子は、画素表示領域に対応する大きさを有する。これにより、遮光部材の遮光層が必要最低限の領域になるため、外界光の透過率を上げることができる。
【0059】
具体的な態様における虚像表示装置において、微小光学素子は、画素表示領域に対応する形状を有する。これにより、遮光部材の遮光層が必要最低限の領域になるため、外界光の透過率を上げることができる。
【0060】
具体的な態様における虚像表示装置において、遮光部材は、外界光の入射を抑制する遮光層を有し、微小光学素子は、遮光層に対応する大きさを有する。これにより、遮光層で遮光された外界光が微小光学素子に入射することを防ぐことができる。
【0061】
具体的な態様における虚像表示装置において、遮光部材は、外界光の入射を抑制する遮光層を有し、遮光層は、画素表示領域に対応する大きさを有する。これにより、外界光が画素表示領域に入射することをより抑制することができる。
【0062】
具体的な態様における虚像表示装置において、遮光部材は、外界光の入射を抑制する遮光層を有し、遮光層は、画素表示領域の画素又はサブ画素に対応する領域に配置される。
【0063】
具体的な態様における虚像表示装置において、遮光部材と画像表示装置と光学アレイとは、固定されている。これにより、装置を比較的薄くすることができる。
【0064】
具体的な態様における頭部装着型表示装置において、上述した虚像表示装置を備える第1装置と、上述した虚像表示装置を備える第2装置と、第1装置と第2装置とを支持し、頭部への装着を可能にするテンプルを含む支持装置とを備える。
【符号の説明】
【0065】
1A…第1装置、1B…第2装置、20…複合表示部材、20a…繰返単位、21…遮光部材、21a…平板、21b…遮光層、22…画像表示装置、22a…平板、22d…駆動素子、22e,22b,22g,22r…発光層、22s…繰返区画、22t…画素区画、23…光学アレイ、23a…平板、23b…微小光学素子、24…瞳拡大素子、31,32…透明電極、33…給電配線、34…スイッチ配線、35,36…電極配線、71…駆動回路、88…ユーザー端末、100A…第1虚像表示装置、100B…第2虚像表示装置、100C…テンプル、102…駆動装置、102a…第1表示駆動部、102b…第2表示駆動部、103a…第1表示光学系、103b…第2表示光学系、104…シェード、104a,104b…光透過カバー、106…支持装置、123b…ピンホール、123c…遮光領域、200…頭部装着型表示装置、201…双眼型表示装置、A1,A2,A3…光透過領域、AX…光軸、AXa…軸、EA…発光領域、ED…発光素子、EY…眼、MA…マイクロレンズ、ML…映像光、OL…外界光、PA…画素表示領域、PB…複合画素、PE…画素、PEa…サブ画素、T…透過性部材、TX…シースルー画像表示画素、US…装着者、X1…外光視認画素、X2…映像光射出画素