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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082383
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】製袋包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/207 20120101AFI20240613BHJP
   B65B 9/13 20060101ALI20240613BHJP
   B65B 41/12 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
B65B9/207
B65B9/13
B65B41/12 502A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196189
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】長島 良太
(72)【発明者】
【氏名】橋本 哲
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050CA01
3E050CB01
3E050DC02
3E050FA01
3E050FB01
3E050FB07
3E050GB05
(57)【要約】
【課題】清掃性に優れた製袋包装装置を提供する。
【解決手段】製袋包装装置(100)は、フィルム搬送機構(20)と、フォーマ機構(3)と、横シール機構(40)と、第1仕切り部材10と、を備える。フィルム搬送機構(20)は、フィルムを搬送する。フォーマ機構(3)は、物品投入シュート(15)、および、フォーマ(14)、を含む。物品投入シュート(15)は、物品が投入される。フォーマ(14)は、フィルム搬送機構(20)により搬送されるフィルムを筒状に形成する。横シール機構(40)は、フォーマ機構(3)に対して下方に配置される。横シール機構が収容された袋を製造する。第1仕切り部材(10)は、フォーマ機構(3)の周囲の空間を第1空間と、第2空間と、に仕切る。第1空間は、物品投入シュート(15)側である。第2空間は、横シール機構(40)側である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムFを搬送するフィルム搬送機構(20)と、
物品が投入される物品投入シュート(15)、および前記フィルム搬送機構により搬送されるフィルム(F)を筒状に形成するフォーマ(14)を含むフォーマ機構(3)と、
前記フォーマ機構に対して下方に配置され、筒状の前記フィルムを横シールし、前記物品投入シュート(15)から投入された物品(P)が収容された袋(B)を製造する横シール機構(40)と、
前記フォーマ機構の周囲の空間を前記物品投入シュート側の第1空間(S1)と、前記横シール機構側の第2空間(S2)と、に仕切る第1仕切り部材(10)と、
を備える、
製袋包装装置。
【請求項2】
前記フォーマ機構は、前記物品投入シュートおよび前記フォーマが取り付けられ、前記第1仕切り部材に取り付けられるフォーマベース(13)を有する、
請求項1に記載の製袋包装装置。
【請求項3】
前記第1仕切り部材の上面は平たんである、
請求項1に記載の製袋包装装置。
【請求項4】
扉(16a)を有し、前記フォーマ機構の周囲を垂直方向に囲むカバー(16)をさらに備え、
前記扉には前記第1仕切り部材の一部が取付けられる、
請求項1に記載の製袋包装装置。
【請求項5】
前記カバーには開口(C)が設けられる、
請求項4に記載の製袋包装装置。
【請求項6】
清掃用の空気吹き出し口(90)をさらに備える、
請求項1に記載の製袋包装装置。
【請求項7】
フィルムロール(R1)を保持し、前記フィルムを供給するフィルム供給機構(5)をさらに備え、
前記フィルム供給機構に対して下方に電装部材(4)が配置され、
前記フィルム供給機構と前記電装部材の間の前記第2空間を前記フィルム供給機構側の第3空間(S3)と、前記電装部材側の第4空間(S4)と、に仕切る第2仕切り部材(60)を有する、
請求項1に記載の製袋包装装置。
【請求項8】
前記第2仕切り部材の上面は平たんである、
請求項7に記載の製袋包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2002-337817号公報)のように、フォーマにより筒状に成形されたフィルムに物品を投下し、シールして製袋する製袋包装装置が知られている。
【0003】
このような製袋包装装置により袋詰めされる商品の中には、粉末状の物体や比重が小さく細かい物体を含む商品が存在する。例えば、ポテトチップスが商品である場合には、細かなチップのかけらやシーズニング粕などの微小物が商品に包含されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような微小物を含む商品を充填した袋を製造する場合には、微小物がフォーマから飛び散り、フォーマに対して下方に配置される装置等に堆積する。
【0005】
本発明の課題は、清掃性に優れた製袋包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る製袋包装装置は、フィルム搬送機構と、フォーマ機構と、横シール機構と、第1仕切り部材と、を備える。フィルム搬送機構は、フィルムを搬送する。フォーマ機構は、物品投入シュート、およびフォーマを含む。物品投入シュートは、物品が投入される。フォーマは、フィルム搬送機構により搬送されるフィルムを筒状に形成する。横シール機構は、フォーマ機構に対して下方に配置される。横シール機構は、筒状のフィルムを横シールし、物品投入シュートから投入された物品が収容された袋を製造する。第1仕切り部材は、フォーマ機構の周囲の空間を第1空間と、第2空間と、に仕切る。第1空間は、物品投入シュート側である。第2空間は、横シール機構側である。
【0007】
本発明の第1観点に係る製袋包装装置は、フォーマ機構の周囲の空間を第1空間と、第2空間と、に仕切る第1仕切り部材を有する。そのため、シーズニング粕がフォーマ機構に対して下方に配置されている各ユニットに入るのを抑制できる。その結果、清掃性が高まる。
【0008】
本発明の第2観点に係る製袋包装装置は、第1観点に係る製袋包装装置であって、フォーマ機構は、フォーマベースを有する。フォーマベースには、物品投入シュートおよびフォーマが取り付けられる。フォーマベースは、第1仕切り部材に取り付けられる。
【0009】
第2観点の製袋包装装置では、フォーマ機構取付け時に、フォーマベースを基準にできるため、フォーマの第1仕切り部材(取付け面)に対する位置合わせが容易になる。
【0010】
本発明の第3観点に係る製袋包装装置では、第1観点または第2観点のフィルムロール供給装置であって、第1仕切り部材の上面は平たんである。
【0011】
第3観点の製袋包装装置では、第1仕切り部材の上面に凹凸がないため清掃性がさらに高まる。
【0012】
本発明の第4観点に係る製袋包装装置は、第1観点~第3観点のいずれかの製袋包装装置であって、カバーをさらに備える。カバーは、扉を有する。カバーは、フォーマ機構の周囲を垂直方向に囲む。扉には第1仕切り部材の一部が設けられる。
【0013】
第4観点の製袋包装装置では、第1仕切り部材の一部が扉と共に動くので、メンテナンス性が良好である。
【0014】
本発明の第5観点に係る製袋包装装置は、第4観点の製袋包装装置であって、カバーには開口が設けられる。
【0015】
第5観点の製袋包装装置では、開口からエアによる清掃作業が可能になる。
【0016】
本発明の第6観点に係る製袋包装装置は、清掃用の空気吹き出し口をさらに備える。
【0017】
第6観点の製袋包装装置では、自動清掃が可能になる。
【0018】
本発明の第7観点に係る製袋包装装置は、第1観点~第6観点のいずれかの製袋包装装置であって、フィルム供給機構をさらに備える。フィルム供給機構は、フィルムロールを保持し、フィルムを供給する。フィルム供給機構に対して下方に電装部材が配置される。製袋包装装置は、第2仕切り部材を有する。第2仕切り部材は、フィルム供給機構と電装部材の間の第2空間を第3空間と、第4空間と、に仕切る。第3空間は、フィルム供給機構側である。第4空間は、電装部材側である。
【0019】
第7観点の製袋包装装置では、電装部材上にシーズニング粕が落下するのを防ぐことができる。
【0020】
本発明の第8観点に係る製袋包装装置は、第7観点の製袋包装装置であって、第2仕切り部材の上面は平たんである。
【0021】
第8観点の製袋包装装置では、第2仕切り部材の上面に凹凸がないため清掃性が高まる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る製袋包装装置は、清掃性に優れた製袋包装装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る製袋包装装置の概略斜視図である。
図2図1の製袋包装装置の概略構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係る製袋包装装置の扉を開けた状態を描画した概略斜視図であって、図1とは別の視点からの概略斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る製袋包装装置の後方部分の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面を参照しながら、本開示の製袋包装装置の一実施形態について説明する。なお、以下の記載は、本発明の具体例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0025】
以下の説明では、水平、垂直、平たん、平行等の表現を用いる場合があるが、これらは完全に水平、垂直、平たん、平行等である場合だけではなく、実質的に水平、垂直、平たん、平行等である場合を含む。
【0026】
また、以下の説明では、説明の便宜上、方向を表すために、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合がある。特記無き場合、これらの方向を表す表現は、図面に付された矢印の向きを表す。
【0027】
(1)製袋包装装置
製袋包装装置100は、フィルムFを筒状に形成した筒状袋の内側に、上方から供給される物品Pを投入し、筒状袋の上下を横シールして製袋包装を行う、いわゆる縦型ピロー包装装置である。
【0028】
製袋包装装置100は、図1および図2に示すように、フィルム搬送機構20と、フォーマ機構3と、縦シール機構30と、横シール機構40と、第1仕切り部材10と、カバー16と、フィルム供給機構5と、電装部材4と、第2仕切り部材60と、を備える。
【0029】
(1-1)フォーマ機構
フォーマ機構3は、物品Pの供給を受けると共に、フィルム供給機構5から供給されるシート状のフィルムFを筒状に成形する。
【0030】
フォーマ機構3は、物品投入シュート15と、チューブ12と、フォーマ14と、フォーマベース13と、を備える。
【0031】
物品投入シュート15には、上方の開口から物品が投入される。物品投入シュート15は、例えば、上方に配置される図示しない組合せ計量機から物品の供給を受ける。組合せ計量機は、複数の計量ホッパを用いて、所定重量の物品P(例えばポテトチップス)を量り取り、物品投入シュート15の上部の開口に物品Pを供給する。
【0032】
チューブ12は、上下方向に延びる筒状の部材であり、上下端が開口している。チューブ12の上端の開口には、物品投入シュート15が配置されており、組合せ計量機の供給する物品Pが投入される。
【0033】
フォーマ14は、チューブ12を取り囲むように配置されている。フォーマ14は、フィルム供給機構5から供給されるシート状のフィルムFを筒状に成形し、フィルムFの搬送方向と直交する方向における端部が重なり合った筒状フィルムFtを成形する。
【0034】
フォーマベース13は、平板状の部材である。フォーマベース13は、フォーマ14に対して下方、上方に配置されている。フォーマベース13には、フォーマ14、および、チューブ12が固定されている。フォーマベース13の中央部に形成された貫通孔(図示省略)にチューブ12が挿入されている。
【0035】
フォーマベース13は、後述する第1仕切り部材10に取り付けられる。具体的には、フォーマベース13の底面が、第1仕切り部材10の上面に接触するように、フォーマベース13が第1仕切り部材10に取り付けられる。
【0036】
(1-2)フィルム搬送機構
フィルム搬送機構20は、フィルム供給機構5から供給されるフィルムFを搬送する。具体的には、フィルム搬送機構20は、吸着機能を有する図示しない一対のベルトで筒状フィルムFtを吸着し、ベルトを下方に搬送することで、筒状フィルムFtおよび上流側のシート状のフィルムFを搬送する。
【0037】
フィルム搬送機構20は、フォーマ機構3に対して下方に配置される。より具体的には、フィルム搬送機構20は、フォーマ機構3のフォーマベース13に対して下方に配置される。
【0038】
(1-3)縦シール機構
縦シール機構30は、筒状フィルムFtを縦方向にシールする。具体的には、縦シール機構30は、筒状フィルムFtのフィルムFの重なり合う部分をチューブ12との間で挟みこみ、その状態で、フィルムFの重なり部分を、縦シール機構30の有する図示しないヒータで熱シールする。
【0039】
縦シール機構30は、チューブ12の正面に配置される。縦シール機構30は、フォーマ機構3に対して下方に配置される。より具体的には、縦シール機構30は、フォーマ機構3のフォーマベース13に対して下方に配置される。
【0040】
(1-4)横シール機構
横シール機構40は、フォーマ機構3に対して下方に配置される。より具体的には、横シール機構40は、フォーマ機構3のフォーマベース13に対して下方に配置される。横シール機構40は、縦シール機構30に対して下方に配置される。
【0041】
横シール機構40は、筒状フィルムFtを横シールし、物品投入シュート15から投入された物品Pが収容された袋Bを製造する。具体的には、横シール機構40は、筒状フィルムFtの底部に物品Pが投入されている状態で、内部にヒータを搭載している一対のシールジョー42の間に筒状フィルムFtを挟み込み、搬送方向と直交する方向に沿って筒状フィルムFtを熱シールし、物品Pの収容された袋Bを製造する。
【0042】
筒状フィルムFtをシールする一対のシールジョー42の一方の内部には、図示しないカッターが内蔵されている。横シール機構40は、筒状フィルムFtを横シールする際に、カッターを用いて、シールジョー42による横シール部分の高さ方向の中心位置において筒状フィルムFtを切断し、物品Pの収容された袋Bを、後続の筒状フィルムFtから切り離す。
【0043】
(1-5)第1仕切り部材
第1仕切り部材10は、シーズニングなどの微小物がフォーマ機構3に対して下方に配置される装置、つまり縦シール機構30や横シール機構40上に落下するのを抑制する。
【0044】
第1仕切り部材10は、上下方向において、フォーマ14と縦シール機構30との間に配置される。第1仕切り部材10は、フォーマ機構3の周囲の空間を物品投入シュート15側の第1空間S1と、横シール機構40側の第2空間S2と、に上下に仕切る。第1空間S1は、物品投入シュート15の上端からフォーマベース13の下面までの空間である。第2空間S2は、フォーマベース13の下端から製袋包装装置100の下端までの空間である。
【0045】
第1仕切り部材10は、板状の部材である。第1仕切り部材10は、フォーマ機構3の周囲を、前後左右方向に水平に延びる。第1仕切り部材10の左右方向の幅は、製袋包装装置100の左右方向の幅と同等である。また、第1仕切り部材10は、製袋包装装置100の前方端からフィルム供給機構5の前方端まで延びる。第1仕切り部材10の上面は平たんである。
【0046】
第1仕切り部材10の前方部には上下に貫通する貫通孔(図示省略)があり、この貫通孔にフォーマ機構3のチューブ12が挿入されている。貫通孔の形状および大きさは、上面視において、その全体が、フォーマ機構3のフォーマベース13で覆われるように決定されることが好ましい。第1仕切り部材10の上面と、フォーマベース13の下面と、は上下方向において隙間なく接触する。
【0047】
第1仕切り部材10の素材は特に限定されないが、たとえばステンレスである。
【0048】
(1-6)カバー
カバー16は、安全上の観点から、作業者がシール機構等に接触することを防ぐ。カバー16は、フォーマ機構3の周囲を囲むカバー16は、フォーマ機構3の上端部から横シール機構40の上端部近くまで延びる。具体的には、カバー16は、第1仕切り部材10の前面、右側面、および左側面に沿うように配置され、フォーマ機構3の全面、右側面、および左側面を覆う。カバー16を形成する板は、第1仕切り部材10に対して垂直方向に配置される。カバー16の素材は特に限定されないが、たとえば樹脂である。
【0049】
以下、カバー16のフォーマ機構3の前面を覆う部分を前面カバーD1、フォーマ機構3の右側面を覆う部分を右側面カバーD2、フォーマ機構3の左側面を覆う部分を左側面カバー(図示省略)という。
【0050】
右側面カバーD2には、カバーされていない部分、つまり開口Cが設けられる。開口Cは、側面視において、フォーマベース13の後端から第1仕切り部材10の後端まで広がる。開口Cは、第1仕切り部材10を清掃するための開口である。
【0051】
前面カバーD1、右側面カバーD2、および左側面カバーの下部には、複数の小孔16bが形成されている。
【0052】
右側面カバーD2は、扉16aを有する。右側面カバーD2全体を扉16aとしてもよい。
【0053】
扉16aには、第1仕切り部材10の一部50が取付けられる。より具体的には、第1仕切り部材10の右側前方部分が扉16aに設けられる。そのため、扉16aを開くと、第1仕切り部材10の右側前方部分が扉16aと共に移動し、フォーマ機構3全体が露出した状態になる。
【0054】
(1-7)フィルム供給機構
フィルム供給機構5は、シート状のフィルムFが巻き回されたフィルムロールR1を保持し、フィルムロールR1から繰り出されるフィルムFをフォーマ機構3に供給する。
【0055】
フィルム供給機構5は、フォーマ機構3の後方に、フォーマ機構3に隣接して設けられ、フォーマ機構3にシート状のフィルムFを供給する。フィルム供給機構5は、複数のローラ170と、張力調整機構180と、を含む。
【0056】
フィルム供給機構5は、フィルムロールR1から繰り出されるフィルムFをフォーマ機構3に供給する。フィルムロールR1は、指示軸114に支持されている。
【0057】
フィルム供給位置に配置されるフィルムロールR1から繰り出されるフィルムFは、フィルム供給機構5の所定のフィルム搬送経路に沿って配置された複数のローラ170により案内されて、フォーマ機構3へと搬送される。
【0058】
フィルム供給機構5のフィルム搬送経路には、搬送されるフィルムFに作用する張力の大きさを調整する張力調整機構180が設けられている。
【0059】
(1-8)電装部材
電装部材4は、フィルム供給機構5に対して下方に配置される。電装部材4は、製袋包装装置100の各種構成の動作を制御する。
【0060】
電装部材4は、例えば、CPUや、主記憶装置や補助記憶装置等の記憶装置や、入出力装置や、各種の電気回路や電子回路を有する。電装部材4では、CPUがメモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、フォーマ機構3およびフィルム供給機構5の各部の動作を制御する。
【0061】
具体的には、電装部材4は、フォーマ機構3のフィルム搬送機構20、縦シール機構30および横シール機構40と電気的に接続され、これらの動作を制御する。
【0062】
(1-9)第2仕切り部材
第2仕切り部材60は、シーズニングなどの微小物がフィルム供給機構5に対して下方に配置される装置、つまり電装部材4などの上に落下するのを抑制する。
【0063】
第2仕切り部材60は、電装部材4に対して上方に配置される。第2仕切り部材60は、フィルム供給機構5と電装部材4との間の第2空間を、フィルム供給機構5側の第3空間と、電装部材4側の第4空間と、に上下に仕切る。
【0064】
第2仕切り部材60は、板状である。第2仕切り部材60は、製袋包装装置100の後部において前後左右方向に水平に延びる。第2仕切り部材60の左右方向の幅は、製袋包装装置100の左右方向の幅と同等である。第2仕切り部材60は、フィルム供給機構5の前方端から電装部材4の後方端まで延びる。
【0065】
第2仕切り部材60の前方端は、第1仕切り部材10の後方端に連結されている。第2仕切り部材60は、第1仕切り部材10に対して低い位置に配置される。つまり、第2仕切り部材60は、第1仕切り部材10と、電装部材4と、の間に配置される。第2仕切り部材60と、第1仕切り部材10と、の間には段差が存在する。段差はスロープであってもよい。
【0066】
第2仕切り部材60の上面は平たんである。
【0067】
第2仕切り部材60の素材は特に限定されないが、たとえばステンレスである。
【0068】
(2)清掃作業について
組合せ計量機とフォーマ機構3とのつなぎ部分からシーズニング粕などの微小物が落ちてくる。製袋包装装置100の清掃時、作業者はカバー16の開口Cから高圧のエアを吹き出すチューブ等を差し込み、チューブから空気を吹き出すことで第1仕切り部材10上の微小物を吹き飛ばす。
【0069】
(3)特徴
(3-1)
フォーマ機構3に対して下方に配置される各ユニット、つまり縦シール機構30や横シール機構40は、比較的複雑な構造を有する。そのため、このような各ユニットにシーズニング粕などの微小物が付着すると清掃がしにくい。また、このような微小物が上記各ユニットに付着すると、シール不良や機械の故障が生じ得る。
【0070】
本発明に係る製袋包装装置の一例としての製袋包装装置100は、フィルム搬送機構20と、フォーマ機構3と、横シール機構40と、第1仕切り部材10と、を備える。フィルム搬送機構20は、フィルムFを搬送する。フォーマ機構3は、物品投入シュート15、および、フォーマ14、を含む。物品投入シュート15は、物品Pが投入される。フォーマ14は、フィルム搬送機構20により搬送されるフィルムFを筒状に形成する。横シール機構40は、フォーマ機構3に対して下方に配置される。横シール機構40は、筒状フィルムFtを横シールし、物品投入シュート15から投入された物品Pが収容された袋Bを製造する。第1仕切り部材10は、フォーマ機構3の周囲の空間を第1空間S1と、第2空間S2と、に仕切る。第1空間S1は、物品投入シュート15側である。第2空間S2は、横シール機構40側である。
【0071】
製袋包装装置100は、フォーマ機構3の周囲の空間を第1空間S1と、第2空間S2と、に仕切る第1仕切り部材10を有する。そのため、微小物がフォーマ機構3に対して下方に配置されている各ユニットに入るのを抑制できる。その結果、各ユニットが汚れにくくなり、清掃性が高まる。
【0072】
また、微小物の堆積が第1仕切り部材10上に集中するため、第1仕切り部材10上面を集中的に掃除すればよい。この点からも、清掃性が高まる。
【0073】
(3-2)
製袋包装装置100では、フォーマ機構3は、フォーマベース13を有する。フォーマベース13には、物品投入シュート15およびフォーマ14が取り付けられる。フォーマベース13は、第1仕切り部材10に取り付けられる。
【0074】
この製袋包装装置100では、フォーマ機構3の取付け時に、フォーマベース13を基準にできるため、フォーマ14の第1仕切り部材10に対する位置合わせが容易になる。具体的には、作業者は、フォーマベース13を把持し、フォーマベース13の底面が第1仕切り部材10の上面に合うようフォーマ機構3を設置する。フォーマベース13を第1仕切り部材10上で水平に動かすことにより、取付け面である第1仕切り部材10上の所定の位置にフォーマ機構3を設置することができる。
【0075】
(3-3)
製袋包装装置100では、第1仕切り部材10の上面は平たんである。製袋包装装置100では、第1仕切り部材10の上面に凹凸がないため、エアジェットによる吹き掃除だけでなく、ダスタークロスなどによる拭き掃除も行いやすい。そのため、清掃性が高まる。
【0076】
(3-4)
製袋包装装置100は、カバー16をさらに備える。カバー16は、扉16aを有する。カバー16は、フォーマ機構3の周囲を囲む。図3に示すように、扉16aには第1仕切り部材10の一部50が設けられる。
【0077】
製袋包装装置100では、第1仕切り部材10の一部50が扉16aと共に移動し、フォーマ機構3全体が露出した状態になる。そのため、フォーマ機構3の取り外しや取り付け時に遮るものがなく、フォーマ機構3の取り外しや取り付けが容易である。
【0078】
(3-5)
図1に示すように、製袋包装装置100は、カバー16には開口Cが設けられる。
【0079】
製袋包装装置100では、開口Cから第1仕切り部材10を清掃することができる。
【0080】
(3-6)
図1および図2に示すように、製袋包装装置100は、フィルム供給機構5をさらに備える。フィルム供給機構5は、フィルムロールR1を保持し、フィルムFを供給する。フィルム供給機構5に対して下方に電装部材4が配置される。製袋包装装置100は、第2仕切り部材60を有する。第2仕切り部材60は、フィルム供給機構5と電装部材4の間の第2空間S2を第3空間S3と、第4空間S4と、に仕切る。第3空間S3は、フィルム供給機構5側である。第4空間S4は、電装部材4側である。
【0081】
製袋包装装置100では、電装部材4上にシーズニング粕が落下するのを防ぐことができる。
【0082】
(3-7)
製袋包装装置100では、第2仕切り部材60の上面は平たんである。
【0083】
製袋包装装置100では、第2仕切り部材60の上面に凹凸がないため清掃性が高まる。
【0084】
(4)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。変形例は、互いに矛盾のない範囲で適宜組み合わされてもよい。
【0085】
(4-1)変形例A
上記実施形態では、第1仕切り部材10の上面は平たんであったが、特にこれに限定されない。第1仕切り部材10の上面は、たとえば、曲面であってもよい。
【0086】
また、第2仕切り部材60も同様に、上面が平たんであることに限定されない。
【0087】
(4-2)変形例B
上記実施形態では、第1仕切り部材10は水平に配置されたが、特にこれに限定されない。第1仕切り部材10は、たとえば、左側から右側にかけて傾斜していてもよい。この場合、作業者が製袋包装装置100の右側に立って清掃する場合に、シーズニング粕などの微小物を右側に落として集めやすくなる。
【0088】
また、第2仕切り部材60も同様に、水平に配置されることに限定されない。
【0089】
(4-3)変形例C
上記実施形態では、第1仕切り部材10と第2仕切り部材60との間に段差が設けられたが、特にこれに限定されない。第1仕切り部材10と第2仕切り部材60とは、面一であってもよい。つまり、第2仕切り部材60を設置する代わりに、第1仕切り部材10を後方まで延ばしてもよい。この場合、清掃性に優れる。
【0090】
また、第2仕切り部材60の前方端上面の高さと、第1仕切り部材10の後方端上面の高さと、を同じにした状態で第2仕切り部材60と第1仕切り部材10とを連結させ、さらに第2仕切り部材60を後方にかけて傾斜させてもよい。
【0091】
(4-4)変形例D
上記実施形態では、手動での清掃を前提としているが、特にこれに限定されない。図4に示すように、製袋包装装置100は、清掃用の空気吹き出し口90をさらに備えてもよい。この場合、自動清掃が可能になる。
【0092】
清掃用の空気吹き出し口90の形成方法は特に限定されない。清掃用の空気吹き出し口90はたとえば、第2仕切り部材60上にエアジェット用のチューブを配置することで形成する。エアジェットは、製袋包装装置100から制御して、一定間隔での清掃や掃除モードなどのプログラムを実行させてもよい。なお、第1仕切り部材10上に空気吹き出し口90を配置してもよい。
【0093】
(4-5)変形例E
上記実施形態では、カバー16は第1仕切り部材10及び第2仕切り部材60より上方も覆っていたが、覆う範囲はそれに限られない。カバー16は第1仕切り部材10及び第2仕切り部材60より下方のみを覆うようにしてもよい。これにより、第1仕切り部材10及び第2仕切り部材60へのアクセスが更に容易になり、清掃性が向上する。なお、この場合であっても、例えば横シール機構40など、作業者が巻き込まれると危険な個所は覆われており、安全性は確保されている。また、本実施形態の製袋包装装置100を2台並列に設置し、2台の隙間を第1仕切り部材10及び第2仕切り部材60と同じ高さのスペーサーで塞ぐことで、例えば1台目の製袋包装装置100の右側に作業者が立ち、そこからもう一台の製袋包装装置100の左側へ向けて一度にシーズニング粕などの微小物を落とすことができ、清掃効率を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、清掃性に優れた製袋包装装置として有用である。
【符号の説明】
【0095】
3 フォーマ機構
4 電装部材
5 フィルム供給機構
10 第1仕切り部材
13 フォーマベース
14 フォーマ
15 物品投入シュート
16 カバー
16a 扉
20 フィルム搬送機構
40 横シール機構
60 第2仕切り部材
90 空気吹き出し口
100 製袋包装装置
B 袋
C 開口
F フィルム
P 物品
R1 フィルムロール
S1 第1空間
S2 第2空間
S3 第3空間
S4 第4空間
【先行技術文献】
【特許文献】
【0096】
【特許文献1】特開2002-337817号公報
図1
図2
図3
図4