(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082389
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】採用支援装置、採用支援方法及び採用支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20240613BHJP
【FI】
G06Q10/1053
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196197
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】518135412
【氏名又は名称】株式会社リクルート
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】金田 知樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康誠
(72)【発明者】
【氏名】小町 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】隈部 耕太郎
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA11
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】部署が所望する人材に対する採用活動を支援することができる採用支援装置を提供する。
【解決手段】採用支援装置2は、選考対象の候補となる利用者を、企業の部署の担当者が操作する端末に表示させる表示部211と、表示部211により表示された利用者の中から、部署がスカウトしたい利用者を部署の担当者に選択させる選択部212と、選択部212により選択された利用者にコンタクトをとらせるための連絡部213と、を備え、連絡部213は、選択部212により選択された利用者に対し、部署の担当者により入力されたメッセージを提供させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選考対象の候補となる利用者を、企業の部署の担当者が操作する端末に表示させる表示部と、
前記表示部により表示された前記利用者の中から、前記部署がスカウトしたい前記利用者を前記部署の担当者に選択させる選択部と、
前記選択部により選択された前記利用者にコンタクトをとらせるための連絡部と、を備え、
前記連絡部は、前記選択部により選択された前記利用者に対し、前記部署の担当者により入力されたメッセージを提供させる、
採用支援装置。
【請求項2】
前記表示部は、全ての前記利用者を対象にして表示させる、
請求項1に記載の採用支援装置。
【請求項3】
前記連絡部は、前記部署の担当者により入力されたメッセージを、利用者専用のページに追加させる、
請求項1に記載の採用支援装置。
【請求項4】
前記利用者は、前記利用者の職歴情報に含まれる企業を退職した退職者である、
請求項1に記載の採用支援装置。
【請求項5】
前記企業は、前記利用者の職歴情報に含まれる企業である、
請求項1に記載の採用支援装置。
【請求項6】
プロセッサにより実行される方法であって、
選考対象の候補となる利用者を、企業の部署の担当者が操作する端末に表示させるステップと、
表示された前記利用者の中から、前記部署がスカウトしたい前記利用者を前記部署の担当者に選択させるステップと、
選択された前記利用者にコンタクトをとらせるためのステップと、を含み、
前記コンタクトをとらせるためのステップは、選択された前記利用者に対し、前記部署の担当者により入力されたメッセージを提供させる、
採用支援方法。
【請求項7】
コンピュータを、
選考対象の候補となる利用者を、企業の部署の担当者が操作する端末に表示させる表示部、
前記表示部により表示された前記利用者の中から、前記部署がスカウトしたい前記利用者を前記部署の担当者に選択させる選択部、
前記選択部により選択された前記利用者にコンタクトをとらせるための連絡部、として機能させ、
前記連絡部は、前記選択部により選択された前記利用者に対し、前記部署の担当者により入力されたメッセージを提供させる、
採用支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採用支援装置、採用支援方法及び採用支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、雇用者が雇用のポジションに適した候補者を選択する方法について開示されている。この特許文献1では、雇用者が、サーチ基準を入力し、そのサーチ基準に適合した候補者のプロフィールやカリキュラム履歴を取得し、取得した雇用者のカリキュラム履歴に基づいて、候補者が雇用ポジションに適しているかどうかを判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、企業が採用したい人材は、採用を検討する部署ごとに異なることが多い。したがって、部署ごとに採用候補を選定できることが望ましい。上記特許文献1には、雇用者のサーチ基準に適合する候補者を選択することが記載されているものの、部署ごとに採用候補を選定することについて開示がなく、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、部署が所望する人材に対する採用活動を支援することができる採用支援装置、採用支援方法及び採用支援プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る採用支援装置は、選考対象の候補となる利用者を、企業の部署の担当者が操作する端末に表示させる表示部と、表示部により表示された利用者の中から、部署がスカウトしたい利用者を部署の担当者に選択させる選択部と、選択部により選択された利用者にコンタクトをとらせるための連絡部と、を備え、連絡部は、選択部により選択された利用者に対し、部署の担当者により入力されたメッセージを提供させる。
【0007】
上記態様において、表示部は、全ての利用者を対象にして表示させてもよい。
【0008】
上記態様において、連絡部は、部署の担当者により入力されたメッセージを、利用者専用のページに追加させてもよい。
【0009】
上記態様において、利用者は、利用者の職歴情報に含まれる企業を退職した退職者であってもよい。
【0010】
上記態様において、企業は、利用者の職歴情報に含まれる企業であってもよい。
【0011】
本発明の他の態様に係る採用支援方法は、プロセッサにより実行される方法であって、選考対象の候補となる利用者を、企業の部署の担当者が操作する端末に表示させるステップと、表示された利用者の中から、部署がスカウトしたい利用者を部署の担当者に選択させるステップと、選択された利用者にコンタクトをとらせるためのステップと、を含み、コンタクトをとらせるためのステップは、選択された利用者に対し、部署の担当者により入力されたメッセージを提供させる。
【0012】
本発明の他の態様に係る採用支援プログラムは、コンピュータを、選考対象の候補となる利用者を、企業の部署の担当者が操作する端末に表示させる表示部、表示部により表示された利用者の中から、部署がスカウトしたい利用者を部署の担当者に選択させる選択部、選択部により選択された利用者にコンタクトをとらせるための連絡部、として機能させ、連絡部は、選択部により選択された利用者に対し、部署の担当者により入力されたメッセージを提供させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、部署が所望する人材に対する採用活動を支援することができる採用支援装置、採用支援方法及び採用支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る採用支援装置を含む採用支援システムの構成を例示するブロック図である。
【
図2】採用支援装置の物理的な構成を例示するブロック図である。
【
図3】コーディネーター端末の物理的な構成を例示するブロック図である。
【
図4】採用支援装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図5】部署担当者端末に表示される退職者リスト画面の一例である。
【
図6】採用担当者端末に表示される退職者リスト画面の一例である。
【
図7】部署担当者端末に表示される退職者の詳細情報画面の一例である。
【
図8】採用担当者端末に表示されるスカウト設定画面の一例である。
【
図9】退職者端末に表示されるチャットメッセージの一覧画面の一例である。
【
図10】退職者端末に表示されるチャット画面の一例である。
【
図11】部署担当者端末に表示される条件設定画面の一例である。
【
図12】部署担当者端末に表示される退職者の詳細情報画面の一例である。
【
図13】採用支援システムの動作の一例を説明するためのシーケンスチャートである。
【
図14】採用支援システムの動作の一例を説明するためのシーケンスチャートである。
【
図15】採用支援システムの動作の一例を説明するためのシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
[採用支援システムの概要]
図1を参照して、実施形態に係る採用支援装置を含む採用支援システムの構成について説明する。採用支援システム1は、例えば、採用支援装置2と、コーディネーター端末3と、採用担当者端末4と、部署担当者端末5と、退職者端末6と、を含む。
【0017】
実施形態に係る採用支援システム1は、企業を退職した退職者をその企業に再雇用するカムバック採用を支援するとともに、企業の各部署が所望する人材に対して行う採用活動を支援するシステムである。採用支援装置2は、カムバック採用などの採用活動を支援するための各種の処理を実行するサーバ装置である。各種の処理については後述する。コーディネーター端末3は、各企業の採用活動を調整する役割を有するコーディネーターが利用する端末装置である。
【0018】
採用担当者端末4及び部署担当者端末5は、企業ごとに備えられる端末である。採用担当者端末4は、各企業の人事部などの採用担当者(以下、「採用担当者」という。)が利用する端末装置である。部署担当者端末5は、各企業に設けられる部署の担当者(以下、「部署担当者」という。)が利用する端末装置である。退職者端末6は、企業を退職した退職者が利用する端末装置である。
【0019】
コーディネーター端末3、採用担当者端末4、部署担当者端末5及び退職者端末6は、例えば、PC(Personal Computer)端末、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC、その他の端末装置であってよい。
【0020】
採用支援装置2、コーディネーター端末3、採用担当者端末4、部署担当者端末5及び退職者端末6は、それぞれネットワークNを介して相互に通信できるように構成される。
【0021】
ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせなどのいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0022】
[採用支援装置の物理的な構成]
図2に示すように、採用支援装置2は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ21と、通信インタフェース22と、記憶装置23とを備える。
【0023】
プロセッサ21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサである。プロセッサ21は、記憶装置23に記憶されているプログラム231を実行することで、後述する採用支援装置2の各種の機能を実現する。
【0024】
通信インタフェース22は、ネットワークNに接続し、ネットワークN上の他の装置や端末と通信する通信部として機能する。
【0025】
記憶装置23は、例えば、ディスクドライブ又は半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶装置23は、採用支援装置2の各種の機能を実現するためのプログラム231及びそのプログラム231で使用される各種のデータ232などを記憶する記憶部として機能する。各種のデータには、後述する退職者の職歴情報などが含まれる。
【0026】
[コーディネーター端末、採用担当者端末、部署担当者端末及び退職者端末の物理的な構成]
図3に示すように、コーディネーター端末3は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ31と、通信インタフェース32と、記憶装置33と、入力装置34と、表示装置35とを備える。
【0027】
プロセッサ31は、例えば、CPUやMPUなどのプロセッサである。プロセッサ31は、記憶装置33に記憶されているプログラム331を実行することで、コーディネーター端末3の各種の機能を実現する制御部として機能する。
【0028】
通信インタフェース32は、ネットワークNに接続し、ネットワークN上の他の端末や装置と通信する通信部として機能する。
【0029】
記憶装置33は、例えば、ディスクドライブ又は半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶装置33は、コーディネーター端末3の各種の機能を実現するためのプログラム331及びそのプログラム331で使用される各種のデータなどを記憶する記憶部として機能する。
【0030】
入力装置34は、ユーザからの入力を受け付ける入力部として機能する。入力装置34として、例えば、タッチパネル、ペンタブレット、キーボード、マウス、マイクなどを用いることができる。
【0031】
表示装置35は、画像や画面などを表示する表示部として機能する。表示装置35として、例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイなどを用いることができる。
【0032】
ここで、採用担当者端末4、部署担当者端末5及び退職者端末6は、コーディネーター端末3と同様の構成要素を備える。つまり、採用担当者端末4、部署担当者端末5及び退職者端末6は、物理的な構成として、例えば、プロセッサと、通信インタフェースと、記憶装置と、入力装置と、表示装置とを備える。採用担当者端末4、部署担当者端末5及び退職者端末6の各構成要素は、上述したコーディネーター端末3の各構成要素と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0033】
[採用支援装置の機能的な構成]
図4を参照して、プロセッサ21により実現される採用支援装置2の各種機能について説明する。採用支援装置2の各種機能には、例えば、表示部211と、選択部212と、連絡部213と、登録部214と、選定部215とが含まれる。それぞれの機能について、以下に説明する。
【0034】
表示部211は、企業ごとに、その企業における選考対象の候補となる退職者を、コーディネーター端末3、採用担当者端末4又は部署担当者端末5に表示させる。選考対象の候補となる退職者は、その企業を退職した元従業員である。
【0035】
企業は、退職者の職歴情報に含まれる企業となる。退職者の職歴情報には、例えば、退職者の在籍時の職務情報及び退職者の退職後の職務情報(予定を含む)などが含まれる。退職者の職歴情報は、例えば、退職者、コーディネーター及び採用担当者などが適宜登録し、任意のタイミングで変更できるようにしてもよい。
【0036】
コーディネーター端末3、採用担当者端末4又は部署担当者端末5に表示させる退職者は、選考対象の候補となる全ての退職者であってもよいし、選考対象の候補となる一部の退職者であってもよい。例えば、退職者を表示させる端末や、退職者を閲覧する担当者の権限などにより表示させる退職者の範囲を定めることができる。また、担当者が指定した検索条件により、退職者を絞り込めるようにしてもよい。
【0037】
例示的に、コーディネーター端末3及び採用担当者端末4に、全ての退職者を表示させ、部署担当者端末5に、コーディネーターにより推薦された退職者のみを表示させてもよい。また、部署担当者端末5に表示させる退職者を、全ての退職者又はコーディネーターにより推薦された退職者のどちらにするのかを部署担当者に選択させてもよい。
【0038】
図5に、部署担当者端末5に表示させる退職者リスト画面の一例を示す。
図5の退職者リスト欄5cには、全ての退職者を対象にして、検索条件欄5bで設定された検索条件を満たしている退職者が一覧表示される。
【0039】
ヘッダ部5aの左部には、“推薦”か“リスト”を選択するためのリンクタグが設けられている。“推薦”を選択すると、コーディネーターにより推薦された退職者を対象にした退職者(複数いる場合はリスト)が表示され、“リスト”を選択すると、全ての退職者を対象にした退職者リストが表示される。
図5では、例示的に“リスト”が選択されている。
【0040】
図6に、採用担当者端末4に表示させる退職者リスト画面の一例を示す。
図6の退職者リスト欄6bには、全ての退職者を対象にして、検索条件欄6aで設定された検索条件を満たしている退職者が一覧表示される。退職者リスト欄6bには、例えば、退職者を選択するための選択欄、及び退職者の氏名の他、退職者の退職後の情報として、現在の年齢、年収、職種、勤務エリア及び雇用形態などが表示される。
図6の“コーディネーターに依頼する”ボタン6cについては、後述する。
【0041】
図4の説明に戻る。選択部212は、コーディネーター端末3、採用担当者端末4又は部署担当者端末5に表示させている退職者の中から、求職者を探している部署がスカウトしたい退職者を、コーディネーター、採用担当者又は部署担当者に選択させる。
【0042】
また、選択部212は、採用担当者端末4又は部署担当者端末5に表示されている退職者へのコンタクトを、コーディネーターに依頼するかどうかを、採用担当者又は部署担当者に選択させることもできる。
【0043】
例えば、採用担当者端末4に表示される、
図6の退職者リスト画面の下部にある“コーディネーターに依頼する”ボタン6cを採用担当者が押下すると、退職者リスト欄6bに表示されている退職者のうち、選択欄がチェックされている退職者に対するコンタクトをコーディネーターに依頼することができる。
【0044】
また、部署担当者端末5に表示される、
図7に示す退職者の詳細情報画面の下部にある“コーディネーターにおまかせ”ボタン7bを部署担当者が押下すると、退職者の詳細情報欄7aに表示されている退職者に対するコンタクトをコーディネーターに依頼することができる。
【0045】
図7の退職者の詳細情報画面は、
図5の退職者リスト欄5cに表示されている退職者の中から、部署担当者が退職者を選択したときに遷移する画面の一例である。
図7の詳細情報欄7aには、退職者の詳細情報として、例えば、退職者の職歴情報、及びコーディネーターや採用担当者のコメントなどが表示される。
図7の“声をかける”ボタン7cについては、後述する。
【0046】
ここで、
図6の退職者リスト画面でコーディネーターにコンタクトを依頼する際に、退職者リスト画面で選択した退職者に適用するスカウトの内容を採用担当者が設定できるようにしてもよい。この場合、
図8に示すスカウト設定画面を、採用担当者端末4に表示させ、退職者リスト画面で選択した退職者に適用するスカウトの内容を採用担当者に設定させてから、コーディネーターにコンタクトを依頼することが好ましい。上記スカウトの内容は、コーディネーターが退職者に対して案内する内容であり、例えば、求人ありでスカウトを設定する場合の求人で求められている人材像、求人なしでスカウトを設定する場合のスカウトしたい人材像の他、コーディネーターへの申し送り事項などを含めることができる。
【0047】
図4の説明に戻る。連絡部213は、コーディネーター、採用担当者又は部署担当者により選択された退職者にコンタクトをとるための機能を有する。退職者へのコンタクトとして、例えば、コーディネーター、採用担当者又は部署担当者により入力されたメッセージを退職者に提供することが含まれる。メッセージを退職者に提供することには、例えば、メッセージが掲載された退職者専用のページ(以下、「マイページ」ともいう。)を退職者端末6に表示させることや、メッセージが書き込まれたメールを退職者宛に送信すること、メッセージを退職者にチャットすることなどが含まれる。
【0048】
メッセージを退職者にチャットする場合には、例えば、部署担当者端末5に表示される、
図7の退職者の詳細情報画面の下部にある“声をかける”ボタン7cを押下すると、詳細情報欄7aに表示されている退職者へのチャットメッセージを入力して送信できるようになる。
【0049】
退職者にチャットメッセージを送信すると、退職者は、
図9に例示するチャットメッセージの一覧9aでメッセージを確認することができる。このチャットメッセージの一覧9aから、退職者がいずれかのメッセージを選択すると、
図10に例示するチャット画面10aが表示される。このチャット画面10aを利用することで、退職者は、コーディネーター、採用担当者及び部署担当者のいずれかとリアルタイムにメッセージのやり取りを行うことができる。
【0050】
退職者にメッセージを入力して送信する者は、コーディネーター、採用担当者及び部署担当者のいずれかとなるが、退職者へのコンタクトをコーディネーターに依頼するかどうかの選択結果により、以下のように定めてもよい。
【0051】
退職者へのコンタクトをコーディネーターに依頼することが選択された退職者に対しては、コーディネーターがメッセージを入力して送信する。他方、退職者へのコンタクトをコーディネーターに依頼することが選択されない退職者に対しては、採用担当者又は部署担当者がメッセージを入力して送信する。
【0052】
図4の説明に戻る。登録部214及び選定部215は、各部署が、コーディネーターにより推薦された退職者を対象にして採用活動する場合に用いる機能である。
【0053】
登録部214は、それぞれの部署がスカウトしたい人材に関する情報をそれぞれの部署担当者に登録させる。スカウトしたい人材に関する情報には、例えば、スカウトしたい人材の目安の年収、勤務エリア、職種及び雇用形態などを含むことができる。
【0054】
図11に、部署担当者端末5に表示させる条件設定画面の一例を示す。
図11の条件設定画面には、例示的に、スカウトしたい人材の目安年収を登録するための入力欄11bが設けられている。“次へ”ボタン11cを押下することで、次の項目を登録するための条件設定画面に遷移する。ヘッダ部11aの右部には、この条件設定画面を表示させるためのリンクタグが設けられている。
【0055】
図4の選定部215は、部署担当者により登録された人材に関する情報や、コーディネーターがヒアリングにより収集した情報などに基づいて、全ての退職者の中から部署に推薦したい退職者を、コーディネーターに選定させる。コーディネーターにより退職者が選定された部署では、
図5の退職者リスト画面で、ヘッダ部5aにある“推薦”を選択すると、コーディネーターにより推薦された退職者を対象にした退職者リストが表示される。この退職者リストの中から、部署担当者が退職者を選択すると、
図12に示す退職者の詳細情報画面が表示される。
【0056】
図12の退職者の詳細情報欄12aは、
図7の退職者の詳細情報欄7aと同様である。
図12の退職者の詳細情報画面の下部にある“興味あり”ボタン12bを部署担当者が押下すると、
図7の“声をかける”ボタン7cを押下したときと同様に、退職者の詳細情報欄12aに表示されている退職者へのチャットメッセージを入力して送信できるようになる。
【0057】
[採用支援システムの動作]
採用支援システム1の動作の一例として、以下(1)乃至(3)の動作について順に説明する。
【0058】
(1)
図13を参照して、部署担当者が、全ての退職者の中から選択した退職者に対してコンタクトをとる場合の動作の一例について説明する。
【0059】
最初に、採用担当者が部署担当者にアカウントを発行するためのアカウント発行処理を実行する(ステップS101)。
【0060】
アカウント発行処理は、例えば、以下のように実行することができる。最初に、採用担当者が管理画面にあるアカウント発行ボタンを押下すると、採用担当者端末4から採用支援装置2にアカウント発行要求が送信される。続いて、採用支援装置2がアカウントを発行し、部署担当者端末5にアカウントを通知する。アカウントには、例えば、ログイン画面のURL、ユーザID及びパスワードを含むことができる。
【0061】
続いて、部署担当者が部署担当者端末5にアカウントを入力し、採用支援システム1にログインする(ステップS102)。
【0062】
続いて、採用支援装置2は、部署担当者端末5からの要求に基づいて、全ての退職者のリストを部署担当者端末5に表示させる(ステップS103)。このとき、部署担当者が設定した検索条件を満たす退職者のリストを表示させることもできる。
【0063】
続いて、部署担当者が部署担当者端末5を操作して、退職者のリストから所望の退職者を選択し、選択した退職者へのメッセージを入力する(ステップS104)。
【0064】
続いて、採用支援装置2は、上記ステップS104で選択された退職者のマイページに、上記ステップS104で入力されたメッセージを追加する(ステップS105)。
【0065】
続いて、退職者が退職者端末6を操作して、マイページに掲載されたメッセージのうち、興味のあるメッセージに返信する(ステップS106)。
【0066】
続いて、部署担当者が部署担当者端末5を操作して、上記ステップS106でメッセージに返信した退職者との面談を設定する(ステップS107)。退職者との面談は、例えば、オンライン会議用のURLを退職者端末6に送信して設定することができる。
【0067】
続いて、退職者が退職者端末6を操作して、部署担当者との面談を実施し(ステップS108)、面談した部署への応募の意思があるかどうかを選択する。
【0068】
この選択において、退職者が応募の意思がないことを選択した場合(ステップS109;NO)に、退職者は、次のメッセージを待つことになる。他方、退職者が応募の意思があることを選択した場合(ステップS109;YES)に、部署担当者は、部署担当者端末5を操作して、面談した退職者が応募の意思があることを採用担当者に連絡する(ステップS110)。
【0069】
続いて、採用担当者は、応募の意思を示した退職者に対する採用選考を実施する(ステップS111)。そして本動作を終了する。
【0070】
(2)
図14を参照して、部署担当者が、コーディネーターが推薦した退職者に対してコンタクトをとる場合の動作の一例について説明する。
【0071】
最初に、上記ステップS101と同様に、アカウント発行処理を実行し、その後、部署担当者が部署担当者端末5を操作して、採用支援システム1にログインする(ステップS201)。
【0072】
続いて、部署担当者が部署担当者端末5を操作して、部署がスカウトしたい人材像などの情報を登録する(ステップS202)。
【0073】
続いて、採用支援装置2は、コーディネーター端末3からの要求に基づいて、上記ステップS202で登録された人材像などの情報や退職者の情報をコーディネーター端末3に表示させる(ステップS203)。
【0074】
続いて、コーディネーターがコーディネーター端末3を操作して、ステップS202で人材像などの情報を登録した部署に対して推薦したい退職者を選定する(ステップS204)。
【0075】
続いて、採用支援装置2は、部署担当者端末5からの要求に基づいて、上記ステップS204で推薦された退職者のリストを部署担当者端末5に表示させる(ステップS205)。
【0076】
続いて、部署担当者が部署担当者端末5を操作して、退職者のリストから所望の退職者を選択し、選択した退職者へのメッセージを入力する(ステップS206)。
【0077】
続いて、採用支援装置2は、上記ステップS206で選択された退職者のマイページに、上記ステップS206で入力されたメッセージを追加する(ステップS207)。
【0078】
続いて、退職者が退職者端末6を操作して、マイページに掲載されたメッセージのうち、興味のあるメッセージに返信する(ステップS208)。
【0079】
続いて、部署担当者が部署担当者端末5を操作して、上記ステップS208でメッセージに返信した退職者との面談を設定する(ステップS209)。退職者との面談は、例えば、オンライン会議用のURLを退職者端末6に送信して設定することができる。
【0080】
続いて、退職者が退職者端末6を操作して、部署担当者との面談を実施し(ステップS210)、面談した部署への応募の意思があるかどうかを選択する。
【0081】
この選択において、退職者が応募の意思がないことを選択した場合(ステップS211;NO)に、退職者は、次のメッセージを待つことになる。他方、退職者が応募の意思があることを選択した場合(ステップS211;YES)に、部署担当者は、部署担当者端末5を操作して、面談した退職者が応募の意思があることを採用担当者に連絡する(ステップS212)。これにより、採用担当者は、応募の意思を示した退職者に対する採用選考を実施する。そして本動作が終了する。
【0082】
(3)
図15を参照して、採用担当者が、全ての退職者の中から選択した退職者に対してコンタクトをとる場合の動作の一例について説明する。
【0083】
最初に、採用支援装置2は、採用担当者端末4からの要求に基づいて、全ての退職者のリストを採用担当者端末4に表示させる(ステップS301)。このとき、採用担当者が設定した検索条件を満たす退職者のリストを表示させることもできる。
【0084】
続いて、採用担当者が採用担当者端末4を操作して、退職者のリストから所望の退職者を選択し、選択した退職者へのメッセージを入力する(ステップS302)。
【0085】
続いて、採用支援装置2は、上記ステップS302で選択された退職者のマイページに、上記ステップS302で入力されたメッセージを追加する(ステップS303)。
【0086】
続いて、退職者が退職者端末6を操作して、マイページに掲載されたメッセージのうち、興味のあるメッセージに返信する(ステップS304)。
【0087】
続いて、採用担当者が採用担当者端末4を操作して、上記ステップS304でメッセージに返信した退職者との面談を設定する(ステップS305)。退職者との面談は、例えば、オンライン会議用のURLを退職者端末6に送信して設定することができる。
【0088】
続いて、退職者が退職者端末6を操作して、採用担当者との面談を実施し(ステップS306)、求人に応募する意思があるかどうかを選択する。
【0089】
この選択において、退職者が応募の意思がないことを選択した場合(ステップS307;NO)に、退職者は、次のメッセージを待つことになる。他方、退職者が応募の意思があることを選択した場合(ステップS307;YES)に、採用担当者は、応募の意思を示した退職者に対する採用選考を実施する(ステップS308)。そして本動作を終了する。
【0090】
上述したように、実施形態に係る採用支援装置2を備える採用支援システム1によれば、選考対象の候補となる退職者を部署担当者端末5に表示させ、表示させた退職者の中から、部署がスカウトしたい退職者を部署担当者に選択させ、選択された退職者に対し、部署担当者が入力したメッセージを提供することができる。
【0091】
これにより、選考対象の候補となる退職者の中から部署がスカウトしたい退職者を選択し、その選択した退職者に対して部署担当者がメッセージを送りつつ、部署の意向に沿うように採用活動を進めることが可能となる。
【0092】
それゆえ、実施形態に係る採用支援装置2を備える採用支援システム1によれば、部署が所望する人材に対する採用活動を支援することが可能となる。
【0093】
[変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。
【0094】
また、上述した実施形態では、選考対象の候補が企業の退職者である場合について説明したが、これに限定されず、企業の退職者以外であってもよい。この場合、上述した実施形態で用いた退職者、退職者端末及びカムバック採用を、それぞれ利用者、利用者端末及び採用と置き換えることができる。
【0095】
また、上述した実施形態におけるプログラムは、CD、DVDなどの光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)を通じて、又は通信ネットワークなどを介してサーバ装置(媒体)からダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【符号の説明】
【0096】
1…採用支援システム、2…採用支援装置、3…コーディネーター端末、4…採用担当者端末、5…部署担当者端末、6…退職者端末、21…プロセッサ、22…通信インタフェース、23…記憶装置、31…プロセッサ、32…通信インタフェース、33…記憶装置、34…入力装置、35…表示装置、211…表示部、212…選択部、213…連絡部、214…登録部、215…選定部、231…プログラム、232…データ、331…プログラム