(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082393
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】ガイドワイヤ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/09 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
A61M25/09 514
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196206
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星野 成美
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA01
4C267AA28
4C267BB02
4C267BB07
4C267BB12
4C267BB20
4C267BB38
4C267BB52
4C267CC09
4C267EE03
4C267HH17
(57)【要約】
【課題】先端部が柔軟性を有し、かつその先端部を特定の方向へのみ容易かつ確実に曲げることが可能なガイドワイヤの提供を目的とする。
【解決手段】ガイドワイヤ1は、コアシャフト11と、コアシャフト11の先端部を覆うように設けられた外装体21と、外装体21の先端側に設けられた先端チップ31と、先端チップ31とコアシャフト11とを連結する連結部材41と、を備えているガイドワイヤであって、連結部材41は、複数本の素線411wを撚り合わせて形成された撚線411で構成され、撚線411の横断面の形状は扁平形状である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアシャフトと、
前記コアシャフトの先端部を覆うように設けられた外装体と、
前記外装体の先端側に設けられた先端チップと、
前記先端チップと前記コアシャフトとを連結する連結部材と、を備えているガイドワイヤであって、
前記連結部材は、複数本の素線を撚り合わせて形成された撚線で構成され、
前記撚線の横断面の形状は扁平形状であることを特徴とするガイドワイヤ。
【請求項2】
前記撚線は、複数の素線を平板状に編み込んだ平編線である請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項3】
前記撚線を構成する複数本の素線のうちの少なくとも1本が、横断面の形状が扁平な平線で形成されている請求項1または請求項2に記載のガイドワイヤ。
【請求項4】
前記外装体は、第1の外装体と、この第1の外装体の外周を覆うように設けられた第2の外装体と、を有している請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドワイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、石灰化の進行により生じた血管内の閉塞部位(例えば、慢性完全閉塞:CTO)や狭窄部位などを治療する際、カテーテルなどの治療器具に先行してこれらを案内するためのガイドワイヤが挿入される。
【0003】
血管の多くは途中で分岐しているため、ガイドワイヤを血管に挿入する際、例えば、ガイドワイヤの先端部を予め意図的に変形(シェーピング)した状態で血管内に挿入し、ガイドワイヤを回転することで所望の血管を選択しながら押し進めることがある。
【0004】
このため、ガイドワイヤをシェーピングする際、特定の方向へ変形できるように、例えば、ガイドワイヤを構成するコアシャフトの先端部を扁平形状に形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このようなガイドワイヤによれば、その先端部を特定の方向へ容易に変形することができ、所望のシェーピングを施すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したような従来の技術においては、コアシャフトの先端部が不規則に変形(例えば、三次元的に変形)するのを抑制することはできるものの、コアシャフトが有する高い剛性に伴い、ガイドワイヤを複雑に湾曲した血管に追従させながら円滑に押し進めることが難しい。
【0008】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、先端部が柔軟性を有し、かつその先端部を特定の方向へのみ容易かつ確実に曲げることが可能なガイドワイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のいくつかの態様は、
(1)コアシャフトと、
前記コアシャフトの先端部を覆うように設けられた外装体と、
前記外装体の先端側に設けられた先端チップと、
前記先端チップと前記コアシャフトとを連結する連結部材と、を備えているガイドワイヤであって、
前記連結部材は、複数本の素線を撚り合わせて形成された撚線で構成され、
前記撚線の横断面の形状は扁平形状であることを特徴とするガイドワイヤ、
(2)前記撚線は、複数の素線を平板状に編み込んだ平編線である前記(1)に記載のガイドワイヤ、
(3)前記撚線を構成する複数本の素線のうちの少なくとも1本が、横断面の形状が扁平な平線で形成されている前記(1)または(2)に記載のガイドワイヤ、および
(4)前記外装体は、第1の外装体と、この第1の外装体の外周を覆うように設けられた第2の外装体と、を有している前記(1)から(3)のいずれか1項に記載のガイドワイヤ、である。
【0010】
なお、本明細書において、「先端側」とは、ガイドワイヤの長軸方向に沿う方向であって、コアシャフトに対して先端チップが位置する方向を意味する。「基端側」とは、ガイドワイヤの長軸方向に沿う方向であって、「先端側」と反対の方向を意味する。「横断面の形状は扁平形状」とは、横断面の形状が、全体として扁平(平たい形状)であることを意味する。「扁平形状」には、例えば、長方形、略長方形、楕円形等が含まれる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、先端部が柔軟性を有し、かつその先端部を特定の方向へのみ容易かつ確実に曲げることが可能なガイドワイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態を示す概略的縦断面図である。
【
図3】第2の実施形態を示す概略的縦断面図である。
【
図4】第3の実施形態の連結部材を示す概略的斜視図である。
【
図5】第4の実施形態の連結部材の概略的断面図である。
【
図6】第1の実施形態の変形例を示す概略的縦断面図である。
【
図7】第1の実施形態の変形例を示す概略的縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示のガイドワイヤは、コアシャフトと、上記コアシャフトの先端部を覆うように設けられた外装体と、上記外装体の先端側に設けられた先端チップと、上記先端チップと上記コアシャフトとを連結する連結部材と、を備えているガイドワイヤであって、上記連結部材は、複数本の素線を撚り合わせて形成された撚線で構成され、上記撚線の横断面の形状は扁平形状である。
【0014】
以下、本発明の第1~第4の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、当該図面に記載の実施形態にのみ限定されるものではない。なお、図面に示した各部の寸法は、実施内容の理解を容易にするために示した寸法であり、必ずしも実際の寸法に対応するものではない。また、
図1,
図3,
図6,
図7中、図示左側が体内のより深部に挿入される先端側(遠位側)、図示右側が基端側(手元側、近位側)である。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態を示す概略的縦断面図である。
図1に示すように、ガイドワイヤ1は、概略的に、コアシャフト11と、外装体21と、先端チップ31と、連結部材41とにより構成されている。
【0016】
コアシャフト11は、ガイドワイヤ1の芯材を構成する中実の部材である。コアシャフト11は、例えば、先端側に向かって段階的に縮径する先端部を有するように形成することができる。本実施形態では、コアシャフト11の先端部は、先端側から順に、小径部111、テーパ部112、大径部113の順で構成されている。小径部111は、一定の直径を有する円柱状の部位である。テーパ部112は、小径部111の基端から基端側に向かって漸次拡径した円錐台状の部位である。大径部113は、テーパ部112の基端から基端側に向かって延設した一定の直径を有する円柱状の部位である。
【0017】
コアシャフト11を構成する材料としては、抗血栓性および生体適合性を有している限り特に限定されず、例えば、SUS304などのステンレス鋼、Ni-Ti合金などの超弾性合金等を採用することができる。
【0018】
外装体21は、コアシャフト11の先端部を覆うように設けられた部材である。外装体21は、例えば、素線をコアシャフト11の廻りに螺旋状に巻回したコイル状の部材(以下、「コイル体」ともいう)、樹脂材料等を用いてコアシャフト11の廻りを覆うように被覆した部材(以下、「被覆体」ともいう)で構成してもよい。
【0019】
外装体21をコイル体で構成する場合、コイル体を形成する線材としては、1本若しくは複数本の単線、または1本若しくは複数本の撚線を用いることができる。
【0020】
コイル体を形成する線材は、抗血栓性および生体適合性を有している限り特に限定されない。上記線材としては、例えば、SUS316などのステンレス鋼;Ni-Ti合金などの超弾性合金;白金、タングステンなどの放射線不透過性の金属等を用いることができる。
【0021】
外装体21を被覆体で構成する場合、被覆体を形成する材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE),フッ化エチレンプロピレン(FEP),ポリオキシメチレン(POM),ポリエーテルブロックエステル,ポリウレタン(PU),ポリプロピレン(PP),ポリ塩化ビニル(PVC),ポリアミド(PA),ポリエステル,ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリトリメチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリイミド(PI),ポリエーテルイミド(PEI),ポリフェニレンサルファイド(PPS),ポリフェニレンオキシド(PPO)などの樹脂材料等が挙げられる。これらは単独で、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
本実施形態の外装体21は、第1の外装体211(第1のコイル体211C)と、この第1の外装体211の外周を覆うように設けられた第2の外装体212(第2のコイル体212C)とにより形成されている。
【0023】
第1のコイル体211Cは、例えば、素線211wをガイドワイヤ1の長軸に沿って螺旋状に巻回したり、コアシャフト11を、予め単独で巻回した第1のコイル体211Cに挿入したりすることで形成することができる。第1のコイル体211Cは、先端が固着部211aにてコアシャフト11の先端(小径部111の先端)に固着され、基端がコアシャフト11のテーパ部112に固着されている。
【0024】
第2のコイル体212Cは、例えば、素線212wをガイドワイヤ1の長軸に沿って螺旋状に巻回したり、第1のコイル体211Cが固着したコアシャフト11を、予め単独で巻回した第2のコイル体212Cに挿入したりすることで形成することができる。第2のコイル体212Cは、先端が先端チップ31に固着され、基端がコアシャフト11の大径部113に固着されている。
【0025】
第1および第2のコイル体211C,212Cは、例えば、後述するロウ材や接着剤を用いてコアシャフト11や先端チップ31に固着してもよい。
【0026】
先端チップ31は、外装体21の先端側に設けられた部材である。先端チップ31は、ガイドワイヤ1が血管内を進行する際に血管の内壁に損傷を与えないように、例えば、先端チップの先端側が滑らかに湾曲した半球形状となるように形成されていてもよい。
【0027】
先端チップは、例えば、ロウ材を用いて形成することができる。ロウ材としては、例えば、Sn-Pb合金、Pb-Ag合金、Sn-Ag合金、Au-Sn合金などの金属ロウ等が挙げられる。このようなロウ材を成形することで、例えば、先端チップ31の先端側の部位を半球形状に形成することができる。
【0028】
本実施形態の先端チップ31は、外装体21の先端に固着するように設けられている。先端チップ31と外装体21とを固着する方法としては、例えば、上述したロウ材を用いて両者をロウ付けする方法等が挙げられる。
【0029】
連結部材41は、先端チップ31とコアシャフト11とを連結する部材である。連結部材41は、複数本の素線411wを撚り合わせて形成された撚線411で構成され、
図2に示すように、撚線411の横断面の形状は扁平形状となるように形成されている。
【0030】
本実施形態の連結部材41は、固着部211aを貫通しながらその先端が先端チップ31に接合され、基端がコアシャフト11のテーパ部112(例えば、テーパ部112の先端部など)に接合されている。
【0031】
連結部材41と先端チップ31との接合方法としては、例えば、元々連結部材の先端部であった部位を先端チップ31に埋設したり、溶融して先端チップ31に溶着する方法、連結部材41の先端部と先端チップ31とを接着剤により接着したりする方法等が挙げられる。
【0032】
連結部材41とコアシャフト11との接合方法としては、例えば、連結部材41の基端部をコアシャフト11にロウ材によりロウ付けする方法、連結部材41の基端部とコアシャフト11とを接着剤により接着する方法等が挙げられる。
【0033】
連結部材41のロウ付けに用いられるロウ材としては、例えば、先端チップ31を形成するロウ材と同様のロウ材等が挙げられる。連結部材41の接着に用いられる接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤等が挙げられる。
【0034】
撚線411を形成する素線の形状は、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。また、撚線411を構成する複数の素線には、二以上の異なった形状の素線が混在していてもよい。本実施形態の撚線411は、横断面の形状がそれぞれ円形である複数の素線411w(丸線)で構成されている。
【0035】
撚線411を形成する素線の材料は、抗血栓性および生体適合性を有している限り特に限定されない。上記素線の材料としては、例えば、上述したコイル体を形成する素線の材料と同様の材料等が挙げられる。
【0036】
次に、ガイドワイヤ1の使用態様について説明する。まず、医師によってガイドワイヤ1の先端部を例えばJ字状にシェーピングする。この際、シェーピングする部位は、ガイドワイヤ1の連結部材41を含む部位である。この部位は、撚線411で構成されかつ横断面が扁平形状である連結部材41で形成されている。このため、ガイドワイヤ1の先端部は、柔軟性を有し、かつ特定の方向へのみシェーピングされる。
【0037】
次に、先端部がシェーピングされたガイドワイヤ1の先端を血管内に挿入した後、処置する部位に向かって押し進める。例えば、ガイドワイヤ1の先端が血管の分岐部に達した場合、必要に応じてガイドワイヤ1の基端を回転する。これに伴いガイドワイヤ1の先端部が回転し、この先端部を所望の血管に向けて押し進める。次いで、ガイドワイヤ1を処置する部位まで送達した後、ガイドワイヤ1に沿ってカテーテルなどの医療デバイスを搬送し、各種処置を実行する。上記処置が完了した後、医療デバイスおよびガイドワイヤ1を身体から抜去することでガイドワイヤ1を用いた手技が終了する。
【0038】
以上のように、ガイドワイヤ1は、上記構成であるので、その先端部が柔軟性を有し、かつこの先端部を特定の方向へのみ容易かつ確実に曲げることができる。その結果、ガイドワイヤ1を、複雑に湾曲した血管に追従しながら所望の血管に確実に押し進めることができ、手技を円滑に行うことができる。
【0039】
また、ガイドワイヤ1は、外装体21が第1の外装体211と第2の外装体212とにより構成されている。このため、上記二つの外装体211,212により、ガイドワイヤ1のトルク伝達性を高めることができる。特に、本実施形態では、第1の外装体211および第2の外装体212が、それぞれ第1のコイル体211Cおよび第2のコイル体212Cで形成されている。このため、ガイドワイヤ1のトルク伝達性をより一層高めることができる。
【0040】
[第2の実施形態]
図3は、第2の実施形態を示す概略的縦断面図である。
図3に示すように、ガイドワイヤ2は、概略的に、コアシャフト12と、外装体21と、先端チップ32と、連結部材41とにより構成されている。ガイドワイヤ2は、コアシャフト12および先端チップ32を備えている点で、第1の実施形態と異なっている。なお、外装体21および連結部材41の構成は、第1の実施形態の構成と同様であるので、同一部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。また、下記以外のコアシャフト12および先端チップ32の構成、およびガイドワイヤ2の使用態様は、第1の実施形態と同様である。
【0041】
コアシャフト12は、ガイドワイヤ2の芯材を構成する中実の部材である。先端チップ32は、外装体21の先端側に設けられた部材である。
【0042】
本実施形態では、コアシャフト12は、小径部121、テーパ部122、および大径部123を有し、小径部121は、固着部211bを貫通しながら先端チップ32に接合されている。
【0043】
コアシャフト12と先端チップ32との接合方法としては、例えば、元々コアシャフト12の先端部であった部位を先端チップ32に埋設したり、溶融して先端チップ32に溶着する方法、コアシャフト12と先端チップ32とを接着剤により接着したりする方法等が挙げられる。
【0044】
以上のように、ガイドワイヤ2は、コアシャフト12の先端が先端チップ32に接合されているので、併設された連結部材41と共に、ガイドワイヤ2の先端部の剛性を広範囲に調整することができる。そのため、本実施形態は、例えば、先端部により高い剛性を必要とするガイドワイヤ等に適用することができる。
【0045】
[第3の実施形態]
図4は、第3の実施形態の連結部材を示す概略的斜視図である。ガイドワイヤ3は、概略的に、図示していないコアシャフト11、外装体21、および先端チップ31と、
図4に示す連結部材43とにより構成されている。ガイドワイヤ3は、連結部材43を備えている点で、第1の実施形態と異なっている。なお、コアシャフト11、外装体21、および先端チップ31の構成は、第1の実施形態の構成と同様であるので、同一部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。また、以下に示す連結部材43の構成以外の連結部材の構成、およびガイドワイヤ3の使用態様は、第1の実施形態と同様である。
【0046】
連結部材43は、先端チップ31とコアシャフト11とを連結する部材である。連結部材43は、複数本の素線を撚り合わせて形成された撚線431で構成され、撚線431の横断面の形状は扁平形状となるように形成されている。
【0047】
本実施形態では、撚線431は、複数の素線431wを平板状に編み込んだ平編線で形成されている。平編線は、例えば、編組される3本以上の素線431wが平面方向に垂直な方向に積み重ならないように、素線431wどうしを交互に編み込みながら平形に成型することで得ることができる。平編線を構成する素線431wの本数は、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。平編線としては、例えば、3本の素線を編み込んだもの(3つ編み)、4本の素線を編み込んだもの(4つ編み)、7本の素線を編み込んだもの(7つ編み)等を採用することができる。本実施形態では、7本の素線431wを編み込んだ平編線が例示されている(
図4参照)。
【0048】
以上のように、ガイドワイヤ3は、上記構成であるので、その先端部が柔軟性を有し、かつこの先端部を特定の方向へのみ容易かつ確実に曲げることができる。
【0049】
[第4の実施形態]
図5は、第4の実施形態の連結部材の概略的断面図である。ガイドワイヤ4は、概略的に、図示していないコアシャフト11、外装体21、および先端チップ31と、
図5に示す連結部材44と、により構成されている。ガイドワイヤ4は、連結部材44を備えている点で、第1の実施形態と異なっている。なお、コアシャフト11、外装体21、および先端チップ31の構成は、第1の実施形態の構成と同様であるので、同一部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。また、以下に示す連結部材44の構成以外の連結部材の構成、およびガイドワイヤ4の使用態様は、第1の実施形態と同様である。
【0050】
連結部材44は、先端チップ31とコアシャフト11とを連結する部材である。連結部材44は、複数本の素線を撚り合わせて形成された撚線441で構成され、撚線441の横断面の形状は扁平形状となるように形成されている。また、連結部材44の撚線441を構成する複数本の素線のうちの少なくとも1本は、横断面の形状が扁平な平線で形成されている。
【0051】
本実施形態では、撚線441を構成する全ての素線441wが平線で形成されている連結部材44が例示されている。平線は、曲げ易さに異方性を有する限り、そのアスペクト比はいずれの値であってもよい。また、平線の外周面のうちの扁平な面の面方向は、可及的に揃っていることが好ましい。
【0052】
このように、撚線441を構成する素線441wが平線であることで、曲げ易さに異方性を有し、ガイドワイヤ4の先端部を特定の方向へのみ曲げるのを促進することができる。
【0053】
なお、本開示は、上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。上述した実施形態の構成のうちの一部を削除したり、他の構成に置換したりしてもよく、上述した実施形態の構成に他の構成を追加等してもよい。
【0054】
例えば、上述した実施形態では、外装体21が二つの外装体(第1の外装体211および第2の外装体212)で構成されているガイドワイヤ1~4について説明した。しかしながら、外装体は、
図6に示したような単一の外装体(単一のコイル体25Cを例示)で構成されていてもよく、三つ以上の外装体(不図示)で構成されていてもよい。
【0055】
また、上述した実施形態では、外装体21がコイル体(第1のコイル体211Cおよび第2のコイル体212C)で形成されているガイドワイヤ1~4について説明した。しかしながら、外装体はコイル体に限定されない。コイル体以外の外装体としては、例えば、コアシャフト11の廻りを樹脂材料等で被覆した被覆体26D等が挙げられる(
図7参照)。
【符号の説明】
【0056】
1,2,3,4 ガイドワイヤ
11,12 コアシャフト
21 外装体
211 第1の外装体
212 第2の外装体
31,32 先端チップ
41,43,44 連結部材
411,431,441 撚線
411w,431w,441w 素線