(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082422
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】サーバ装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20240613BHJP
【FI】
G06Q10/1053
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196258
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】518135412
【氏名又は名称】株式会社リクルート
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】金田 知樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康誠
(72)【発明者】
【氏名】小町 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】隈部 耕太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】選考対象の候補者に対する各企業のメッセージを候補者に効率よく提供することができるサーバ装置を提供する。
【解決手段】サーバ装置である採用支援装置2は、選考対象の候補者を、複数の企業の各々の部署の担当者が操作する端末にそれぞれ表示させる表示部211と、表示部211により表示された候補者の中から、部署がスカウトしたい候補者を部署の担当者にそれぞれ選択させる選択部212と、選択部212により選択された候補者に対し、部署の担当者により入力されたメッセージを、企業ごとに分けて提供する提供部213と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選考対象の候補者を、複数の企業の各々の部署の担当者が操作する端末にそれぞれ表示させる表示部と、
前記表示部により表示された前記候補者の中から、前記部署がスカウトしたい前記候補者を前記部署の担当者にそれぞれ選択させる選択部と、
前記選択部により選択された前記候補者に対し、前記部署の担当者により入力されたメッセージを、前記企業ごとに分けて提供する提供部と、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記提供部は、前記企業ごとに分けて提供する前記メッセージを、前記企業の部署ごとにさらに分けられるように提供する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記提供部は、前記企業ごとに分けて提供する前記メッセージを、前記メッセージの送信元ごとにさらに分けられるように提供する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記提供部は、前記メッセージの送信元の所属を、前記メッセージの件名に含めて表示させる、
請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記企業ごとに分けて提供する前記メッセージには、前記企業の採用活動を調整する役割を有するコーディネーターにより入力されたメッセージも含まれる、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記提供部は、前記企業ごとに分けて提供する前記メッセージを、前記企業ごとに設けられる候補者専用のページに追加して提供する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記表示部は、全ての前記候補者を対象にして表示させる、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記候補者は、前記候補者の職歴情報に含まれる企業を退職した退職者である、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記企業は、前記候補者の職歴情報に含まれる企業である、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項10】
プロセッサにより実行される方法であって、
選考対象の候補者を、複数の企業の各々の部署の担当者が操作する端末にそれぞれ表示させるステップと、
表示された前記候補者の中から、前記部署がスカウトしたい前記候補者を前記部署の担当者にそれぞれ選択させるステップと、
選択された前記候補者に対し、前記部署の担当者により入力されたメッセージを、前記企業ごとに分けて提供するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
コンピュータを、
選考対象の候補者を、複数の企業の各々の部署の担当者が操作する端末にそれぞれ表示させる表示部、
前記表示部により表示された前記候補者の中から、前記部署がスカウトしたい前記候補者を前記部署の担当者にそれぞれ選択させる選択部、
前記選択部により選択された前記候補者に対し、前記部署の担当者により入力されたメッセージを、前記企業ごとに分けて提供する提供部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採用を支援するサーバ装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、求人に応募する応募者に関する情報を収集するための装置が開示されている。この特許文献1では、求人サイト上で応募者が求人に対するメッセージを生成すると、求人企業の採用担当者に新着通知が送信され、求人企業が閲覧可能なデータベースに応募者のメッセージが記憶される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、求人に応募する場合、応募者は求人企業の担当者とやり取りしながら応募することになるが、特許文献1には、応募者のメッセージを求人企業で閲覧できるようにすることが記載されているものの、求人企業から応募者に送るメッセージの取り扱いについては記載がない。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、選考対象の候補者に対する各企業のメッセージを候補者に効率よく提供することができるサーバ装置、方法及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るサーバ装置は、選考対象の候補者を、複数の企業の各々の部署の担当者が操作する端末にそれぞれ表示させる表示部と、表示部により表示された候補者の中から、部署がスカウトしたい候補者を部署の担当者にそれぞれ選択させる選択部と、選択部により選択された候補者に対し、部署の担当者により入力されたメッセージを、企業ごとに分けて提供する提供部と、を備える。
【0007】
上記態様において、提供部は、企業ごとに分けて提供するメッセージを、企業の部署ごとにさらに分けられるように提供してもよい。
【0008】
上記態様において、提供部は、企業ごとに分けて提供するメッセージを、メッセージの送信元ごとにさらに分けられるように提供してもよい。
【0009】
上記態様において、提供部は、メッセージの送信元の所属を、メッセージの件名に含めて表示させてもよい。
【0010】
上記態様において、企業ごとに分けて提供するメッセージには、企業の採用活動を調整する役割を有するコーディネーターにより入力されたメッセージも含まれてもよい。
【0011】
上記態様において、提供部は、企業ごとに分けて提供するメッセージを、企業ごとに設けられる候補者専用のページに追加して提供してもよい。
【0012】
上記態様において、表示部は、全ての候補者を対象にして表示させてもよい。
【0013】
上記態様において、候補者は、候補者の職歴情報に含まれる企業を退職した退職者であってもよい。
【0014】
上記態様において、企業は、候補者の職歴情報に含まれる企業であってもよい。
【0015】
本発明の他の態様に係る方法は、プロセッサにより実行される方法であって、選考対象の候補者を、複数の企業の各々の部署の担当者が操作する端末にそれぞれ表示させるステップと、表示された候補者の中から、部署がスカウトしたい候補者を部署の担当者にそれぞれ選択させるステップと、選択された候補者に対し、部署の担当者により入力されたメッセージを、企業ごとに分けて提供するステップと、を含む。
【0016】
本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータを、選考対象の候補者を、複数の企業の各々の部署の担当者が操作する端末にそれぞれ表示させる表示部、表示部により表示された候補者の中から、部署がスカウトしたい候補者を部署の担当者にそれぞれ選択させる選択部、選択部により選択された候補者に対し、部署の担当者により入力されたメッセージを、企業ごとに分けて提供する提供部、として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、選考対象の候補者に対する各企業のメッセージを候補者に効率よく提供することができるサーバ装置、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る採用支援装置を含む採用支援システムの構成を例示するブロック図である。
【
図2】採用支援装置の物理的な構成を例示するブロック図である。
【
図3】コーディネーター端末の物理的な構成を例示するブロック図である。
【
図4】採用支援装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図5】部署担当者端末に表示される退職者リスト画面の一例である。
【
図6】採用担当者端末に表示される退職者リスト画面の一例である。
【
図7】部署担当者端末に表示される退職者の詳細情報画面の一例である。
【
図8】採用担当者端末に表示されるスカウト設定画面の一例である。
【
図9】退職者端末に表示されるチャットメッセージの一覧画面の一例である。
【
図10】退職者端末に表示されるチャット画面の一例である。
【
図11】部署担当者端末に表示される条件設定画面の一例である。
【
図12】部署担当者端末に表示される退職者の詳細情報画面の一例である。
【
図13】採用支援システムの動作の一例を説明するためのシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
[採用支援システムの概要]
図1を参照して、実施形態に係る採用支援装置を含む採用支援システムの構成について説明する。採用支援システム1は、例えば、採用支援装置2と、コーディネーター端末3と、採用担当者端末4と、部署担当者端末5と、退職者端末6と、を含む。
【0021】
実施形態に係る採用支援システム1は、企業を退職した退職者をその企業に再雇用するカムバック採用を支援するとともに、企業の各部署が所望する人材に対して行う採用活動を支援するシステムである。採用支援装置2は、カムバック採用などの採用活動を支援するための各種の処理を実行するサーバ装置である。各種の処理については後述する。コーディネーター端末3は、各企業の採用活動を調整する役割を有するコーディネーターが利用する端末装置である。
【0022】
採用担当者端末4及び部署担当者端末5は、企業ごとに備えられる端末である。採用担当者端末4は、各企業の人事部などの採用担当者(以下、「採用担当者」という。)が利用する端末装置である。部署担当者端末5は、各企業に設けられる部署の担当者(以下、「部署担当者」という。)が利用する端末装置である。退職者端末6は、企業を退職した退職者が利用する端末装置である。
【0023】
コーディネーター端末3、採用担当者端末4、部署担当者端末5及び退職者端末6は、例えば、PC(Personal Computer)端末、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC、その他の端末装置であってよい。
【0024】
採用支援装置2、コーディネーター端末3、採用担当者端末4、部署担当者端末5及び退職者端末6は、それぞれネットワークNを介して相互に通信できるように構成される。
【0025】
ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせなどのいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0026】
[採用支援装置の物理的な構成]
図2に示すように、採用支援装置2は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ21と、通信インタフェース22と、記憶装置23とを備える。
【0027】
プロセッサ21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサである。プロセッサ21は、記憶装置23に記憶されているプログラム231を実行することで、後述する採用支援装置2の各種の機能を実現する。
【0028】
通信インタフェース22は、ネットワークNに接続し、ネットワークN上の他の装置や端末と通信する通信部として機能する。
【0029】
記憶装置23は、例えば、ディスクドライブ又は半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶装置23は、採用支援装置2の各種の機能を実現するためのプログラム231及びそのプログラム231で使用される各種のデータ232などを記憶する記憶部として機能する。各種のデータには、後述する退職者の職歴情報などが含まれる。
【0030】
[コーディネーター端末、採用担当者端末、部署担当者端末及び退職者端末の物理的な構成]
図3に示すように、コーディネーター端末3は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ31と、通信インタフェース32と、記憶装置33と、入力装置34と、表示装置35とを備える。
【0031】
プロセッサ31は、例えば、CPUやMPUなどのプロセッサである。プロセッサ31は、記憶装置33に記憶されているプログラム331を実行することで、コーディネーター端末3の各種の機能を実現する制御部として機能する。
【0032】
通信インタフェース32は、ネットワークNに接続し、ネットワークN上の他の端末や装置と通信する通信部として機能する。
【0033】
記憶装置33は、例えば、ディスクドライブ又は半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶装置33は、コーディネーター端末3の各種の機能を実現するためのプログラム331及びそのプログラム331で使用される各種のデータなどを記憶する記憶部として機能する。
【0034】
入力装置34は、ユーザからの入力を受け付ける入力部として機能する。入力装置34として、例えば、タッチパネル、ペンタブレット、キーボード、マウス、マイクなどを用いることができる。
【0035】
表示装置35は、画像や画面などを表示する表示部として機能する。表示装置35として、例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイなどを用いることができる。
【0036】
ここで、採用担当者端末4、部署担当者端末5及び退職者端末6は、コーディネーター端末3と同様の構成要素を備える。つまり、採用担当者端末4、部署担当者端末5及び退職者端末6は、物理的な構成として、例えば、プロセッサと、通信インタフェースと、記憶装置と、入力装置と、表示装置とを備える。採用担当者端末4、部署担当者端末5及び退職者端末6の各構成要素は、上述したコーディネーター端末3の各構成要素と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0037】
[採用支援装置の機能的な構成]
図4を参照して、プロセッサ21により実現される採用支援装置2の各種機能について説明する。採用支援装置2の各種機能には、例えば、表示部211と、選択部212と、提供部213と、登録部214と、選定部215とが含まれる。それぞれの機能について、以下に説明する。
【0038】
表示部211は、企業ごとに、その企業における選考対象の候補となる退職者を、コーディネーター端末3、採用担当者端末4又は部署担当者端末5に表示させる。選考対象の候補となる退職者は、その企業を退職した元従業員である。
【0039】
企業は、退職者の職歴情報に含まれる企業となる。退職者の職歴情報には、例えば、退職者の在籍時の職務情報及び退職者の退職後の職務情報(予定を含む)などが含まれる。退職者の職歴情報は、例えば、退職者、コーディネーター及び採用担当者などが適宜登録し、任意のタイミングで変更できるようにしてもよい。
【0040】
コーディネーター端末3、採用担当者端末4又は部署担当者端末5に表示させる退職者は、選考対象の候補となる全ての退職者であってもよいし、選考対象の候補となる一部の退職者であってもよい。例えば、退職者を表示させる端末や、退職者を閲覧する担当者の権限などにより表示させる退職者の範囲を定めることができる。また、担当者が指定した検索条件により、退職者を絞り込めるようにしてもよい。
【0041】
例示的に、コーディネーター端末3及び採用担当者端末4に、全ての退職者を表示させ、部署担当者端末5に、コーディネーターにより推薦された退職者のみを表示させてもよい。また、部署担当者端末5に表示させる退職者を、全ての退職者又はコーディネーターにより推薦された退職者のどちらにするのかを部署担当者に選択させてもよい。
【0042】
図5に、部署担当者端末5に表示させる退職者リスト画面の一例を示す。
図5の退職者リスト欄5cには、全ての退職者を対象にして、検索条件欄5bで設定された検索条件を満たしている退職者が一覧表示される。
【0043】
ヘッダ部5aの左部には、“推薦”か“リスト”を選択するためのリンクタグが設けられている。“推薦”を選択すると、コーディネーターにより推薦された退職者を対象にした退職者(複数いる場合はリスト)が表示され、“リスト”を選択すると、全ての退職者を対象にした退職者リストが表示される。
図5では、例示的に“リスト”が選択されている。
【0044】
図6に、採用担当者端末4に表示させる退職者リスト画面の一例を示す。
図6の退職者リスト欄6bには、全ての退職者を対象にして、検索条件欄6aで設定された検索条件を満たしている退職者が一覧表示される。退職者リスト欄6bには、例えば、退職者を選択するための選択欄、及び退職者の氏名の他、退職者の退職後の情報として、現在の年齢、年収、職種、勤務エリア及び雇用形態などが表示される。
図6の"コーディネーターに依頼する"ボタン6cについては、後述する。
【0045】
図4の説明に戻る。選択部212は、コーディネーター端末3、採用担当者端末4又は部署担当者端末5に表示させている退職者の中から、求職者を探している部署がスカウトしたい退職者を、コーディネーター、採用担当者又は部署担当者に選択させる。
【0046】
また、選択部212は、採用担当者端末4又は部署担当者端末5に表示されている退職者へのコンタクトを、コーディネーターに依頼するかどうかを、採用担当者又は部署担当者に選択させることもできる。
【0047】
例えば、採用担当者端末4に表示される、
図6の退職者リスト画面の下部にある"コーディネーターに依頼する"ボタン6cを採用担当者が押下すると、退職者リスト欄6bに表示されている退職者のうち、選択欄がチェックされている退職者に対するコンタクトをコーディネーターに依頼することができる。
【0048】
また、部署担当者端末5に表示される、
図7に示す退職者の詳細情報画面の下部にある"コーディネーターにおまかせ"ボタン7bを部署担当者が押下すると、退職者の詳細情報欄7aに表示されている退職者に対するコンタクトをコーディネーターに依頼することができる。
【0049】
図7の退職者の詳細情報画面は、
図5の退職者リスト欄5cに表示されている退職者の中から、部署担当者が退職者を選択したときに遷移する画面の一例である。
図7の詳細情報欄7aには、退職者の詳細情報として、例えば、退職者の職歴情報、及びコーディネーターや採用担当者のコメントなどが表示される。
図7の“声をかける”ボタン7cについては、後述する。
【0050】
ここで、
図6の退職者リスト画面でコーディネーターにコンタクトを依頼する際に、退職者リスト画面で選択した退職者に適用するスカウトの内容を採用担当者が設定できるようにしてもよい。この場合、
図8に示すスカウト設定画面を、採用担当者端末4に表示させ、退職者リスト画面で選択した退職者に適用するスカウトの内容を採用担当者に設定させてから、コーディネーターにコンタクトを依頼することが好ましい。上記スカウトの内容は、コーディネーターが退職者に対して案内する内容であり、例えば、求人ありでスカウトを設定する場合の求人で求められている人材像、求人なしでスカウトを設定する場合のスカウトしたい人材像の他、コーディネーターへの申し送り事項などを含めることができる。
【0051】
図4の説明に戻る。提供部213は、コーディネーター、採用担当者又は部署担当者により選択された退職者にコンタクトをとるための機能を有する。退職者へのコンタクトとして、例えば、コーディネーター、採用担当者又は部署担当者により入力されたメッセージを退職者に提供することが含まれる。メッセージを退職者に提供することには、例えば、メッセージが掲載された退職者専用のページ(以下、「マイページ」ともいう。)を退職者端末6に表示させることや、メッセージが書き込まれたメールを退職者宛に送信すること、メッセージを退職者にチャットすることなどが含まれる。
【0052】
ここで、メッセージを掲載するマイページは、退職者ごとに設けることにしてもよいし、企業ごとに設けることにしてもよい。
【0053】
退職者ごとにマイページを設ける場合には、退職者へのメッセージを、入力元の企業ごとにまとめて退職者に提供することが好ましい。例えば、メッセージを入力した企業名をマイページに一覧表示し、いずれかの企業名が選択されると、その企業名の下に、退職者へのメッセージを一覧表示してもよい。また、いずれかの企業名が選択されたときに、企業名の下に、メッセージを入力した担当者又はその担当者が所属する部署単位にまとめて退職者へのメッセージを表示してもよい。
【0054】
企業ごとにマイページを設ける場合には、メッセージを入力した担当者又はその担当者が所属する部署単位にまとめて退職者へのメッセージを表示することが好ましい。
【0055】
メッセージを退職者にチャットする場合には、例えば、部署担当者端末5に表示される、
図7の退職者の詳細情報画面の下部にある"声をかける"ボタン7cを押下すると、例えば後述するチャット画面に遷移し、詳細情報欄7aに表示されている退職者へのチャットメッセージを入力して送信できるようになる。
【0056】
退職者にチャットメッセージを送信すると、退職者は、例えば、
図9に示すチャットメッセージの一覧画面でメッセージを確認することができる。このチャットメッセージの一覧画面は、退職者へのメッセージを送信元の企業ごとに分けて退職者に提供する機能を有する。
【0057】
図9は、退職者へのメッセージが、A社とB社の2社から送信されている場合の一覧画面である。同図では、退職者へのメッセージが、A社からのメッセージ9aとB社からのメッセージ9bとに分けて提供されている。
【0058】
一覧画面に表示する各メッセージの件名に、メッセージの送信元を含めることが好ましい。メッセージの送信元は、例えば、コーディネーター、採用担当者又は部署担当者の氏名及び所属(コーディネーターや部署)により表すことができる。
【0059】
企業ごとに分けたメッセージ9a、9bの表示領域は、例えば、それぞれの企業欄に対応して設けられる展開折りたたみボタン9c、9dをクリックするたびに、展開することと折りたたむこととを切り替えることできる。
図9は、それぞれのメッセージ9a、9bの表示領域を展開した状態である。メッセージ9a、9bの表示領域を折りたたむと、退職者にメッセージを送信した企業の名称が一覧表示される状態になる。
【0060】
なお、それぞれの企業欄に表示可能な階層として、上記の企業と送信元との間に部署をさらに設けることとしてもよい。これにより、企業ごとに分けて提供するメッセージをさらに部署ごとにも分けられるように提供することが可能となる。
【0061】
図9の一覧画面に提供されているA社からのメッセージ9a及びB社からのメッセージ9bの中から退職者がいずれかのメッセージを選択すると、
図10に例示するチャット画面10aが表示される。このチャット画面10aを利用することで、退職者は、コーディネーター、採用担当者及び部署担当者のいずれかとリアルタイムにメッセージのやり取りを行うことができる。
【0062】
退職者にメッセージを入力して送信する者は、コーディネーター、採用担当者及び部署担当者のいずれかとなるが、退職者へのコンタクトをコーディネーターに依頼するかどうかの選択結果により、以下のように定めてもよい。
【0063】
退職者へのコンタクトをコーディネーターに依頼することが選択された退職者に対しては、コーディネーターがメッセージを入力して送信する。他方、退職者へのコンタクトをコーディネーターに依頼することが選択されない退職者に対しては、採用担当者又は部署担当者がメッセージを入力して送信する。
【0064】
図4の説明に戻る。登録部214及び選定部215は、各部署が、コーディネーターにより推薦された退職者を対象にして採用活動する場合に用いる機能である。
【0065】
登録部214は、それぞれの部署がスカウトしたい人材に関する情報をそれぞれの部署担当者に登録させる。スカウトしたい人材に関する情報には、例えば、スカウトしたい人材の目安の年収、勤務エリア、職種及び雇用形態などを含むことができる。
【0066】
図11に、部署担当者端末5に表示させる条件設定画面の一例を示す。
図11の条件設定画面には、例示的に、スカウトしたい人材の目安年収を登録するための入力欄11bが設けられている。“次へ”ボタン11cを押下することで、次の項目を登録するための条件設定画面に遷移する。ヘッダ部11aの右部には、この条件設定画面を表示させるためのリンクタグが設けられている。
【0067】
図4の選定部215は、部署担当者により登録された人材に関する情報や、コーディネーターがヒアリングにより収集した情報などに基づいて、全ての退職者の中から部署に推薦したい退職者を、コーディネーターに選定させる。コーディネーターにより退職者が選定された部署では、
図5の退職者リスト画面で、ヘッダ部5aにある“推薦”を選択すると、コーディネーターにより推薦された退職者を対象にした退職者リストが表示される。この退職者リストの中から、部署担当者が退職者を選択すると、
図12に示す退職者の詳細情報画面が表示される。
【0068】
図12の退職者の詳細情報欄12aは、
図7の退職者の詳細情報欄7aと同様である。
図12の退職者の詳細情報画面の下部にある"興味あり"ボタン12bを部署担当者が押下すると、
図7の"声をかける"ボタン7cを押下したときと同様に、退職者の詳細情報欄12aに表示されている退職者へのチャットメッセージを入力して送信できるようになる。
【0069】
[採用支援システムの動作]
採用支援システム1の動作の一例について説明する。
図13は、ある企業の部署担当者が、全ての退職者の中から選択した退職者に対してコンタクトをとる場合の動作の一例である。
【0070】
ここで、採用支援システム1に含まれる採用担当者端末4及び部署担当者端末5は、同一の企業に属する端末群であり、企業ごとに構成される端末群である。言い換えると、退職者が応募を検討する企業ごとに、採用支援装置2及び退職者端末6に対する採用担当者端末4及び部署担当者端末5が異なることになる。
【0071】
最初に、ある企業の採用担当者が部署担当者にアカウントを発行するためのアカウント発行処理を実行する(ステップS101)。
【0072】
アカウント発行処理は、例えば、以下のように実行することができる。最初に、採用担当者が管理画面にあるアカウント発行ボタンを押下すると、採用担当者端末4から採用支援装置2にアカウント発行要求が送信される。続いて、採用支援装置2がアカウントを発行し、部署担当者端末5にアカウントを通知する。アカウントには、例えば、ログイン画面のURL、ユーザID及びパスワードを含むことができる。
【0073】
続いて、部署担当者が部署担当者端末5にアカウントを入力し、採用支援システム1にログインする(ステップS102)。
【0074】
続いて、採用支援装置2は、部署担当者端末5からの要求に基づいて、全ての退職者のリストを部署担当者端末5に表示させる(ステップS103)。このとき、部署担当者が設定した検索条件を満たす退職者のリストを表示させることもできる。
【0075】
続いて、部署担当者が部署担当者端末5を操作して、退職者のリストから所望の退職者を選択し、選択した退職者へのメッセージを入力する(ステップS104)。
【0076】
続いて、採用支援装置2は、上記ステップS104で選択された退職者のマイページに、上記ステップS104で入力されたメッセージを追加する(ステップS105)。
【0077】
上記ステップS101~ステップS105までの各処理を、退職者が過去に在籍していた複数の企業の各々の部署で行えるようにしたことで、複数の企業の各々の部署からのメッセージを、退職者のマイページに掲載することが可能になる。
【0078】
続いて、退職者が退職者端末6を操作して、マイページに掲載されたメッセージのうち、興味のあるメッセージに返信する(ステップS106)。つまり、退職者は、複数の企業の各々の部署から提供されたメッセージのうち、興味のある部署に対して返信することができる。
【0079】
続いて、部署担当者が部署担当者端末5を操作して、上記ステップS106でメッセージに返信した退職者との面談を設定する(ステップS107)。退職者との面談は、例えば、オンライン会議用のURLを退職者端末6に送信して設定することができる。
【0080】
続いて、退職者が退職者端末6を操作して、部署担当者との面談を実施し(ステップS108)、面談した部署への応募の意思があるかどうかを選択する。
【0081】
この選択において、退職者が応募の意思がないことを選択した場合(ステップS109;NO)に、退職者は、次のメッセージを待つことになる。他方、退職者が応募の意思があることを選択した場合(ステップS109;YES)に、部署担当者は、部署担当者端末5を操作して、面談した退職者が応募の意思があることを採用担当者に連絡する(ステップS110)。
【0082】
続いて、採用担当者は、応募の意思を示した退職者に対する採用選考を実施する(ステップS111)。そして本動作を終了する。
【0083】
上述したように、実施形態に係る採用支援装置2によれば、選考対象の候補者となる退職者を、複数の企業の各々の部署担当者端末5に表示させ、表示させた退職者の中から、各部署がスカウトしたい退職者を部署担当者にそれぞれ選択させ、選択された退職者に対し、各部署担当者により入力されたメッセージを、企業ごとに分けて提供することができる。
【0084】
これにより、複数の企業の各々の部署がスカウトしたい退職者に対し、それぞれの企業の部署担当者がメッセージを入力することができ、各部署担当者により入力されたメッセージを、各部署がスカウトしたい退職者に対して、入力した企業や部署ごとに分けて提供することが可能となる。
【0085】
それゆえ、実施形態に係る採用支援装置2によれば、退職者に対する各企業のメッセージを退職者に効率よく提供することが可能となる。
【0086】
[変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。
【0087】
また、上述した実施形態では、選考対象の候補者が企業の退職者である場合について説明したが、これに限定されず、企業の退職者以外であってもよい。この場合、上述した実施形態で用いた退職者、退職者端末及びカムバック採用を、それぞれ選考対象の候補者、候補者端末及び採用と置き換えることができる。
【0088】
また、上述した実施形態におけるプログラムは、CD、DVDなどの光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)を通じて、又は通信ネットワークなどを介してサーバ装置(媒体)からダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【符号の説明】
【0089】
1…採用支援システム、2…採用支援装置、3…コーディネーター端末、4…採用担当者端末、5…部署担当者端末、6…退職者端末、21…プロセッサ、22…通信インタフェース、23…記憶装置、31…プロセッサ、32…通信インタフェース、33…記憶装置、34…入力装置、35…表示装置、211…表示部、212…選択部、213…提供部、214…登録部、215…選定部、231…プログラム、232…データ、331…プログラム