(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008243
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】車両インターロックシステム、携帯端末およびインターロック用プログラム
(51)【国際特許分類】
B60R 25/04 20130101AFI20240112BHJP
B60R 25/25 20130101ALI20240112BHJP
B60R 25/24 20130101ALI20240112BHJP
B60K 28/06 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B60R25/04
B60R25/25
B60R25/24
B60K28/06 B
B60K28/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109951
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】522274075
【氏名又は名称】運輸安全テクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】杉本 哲也
【テーマコード(参考)】
3D037
【Fターム(参考)】
3D037FA02
3D037FA34
3D037FB14
(57)【要約】
【課題】 車両が不正に運転される可能性を低減することができる車両インターロックシステム、携帯端末およびインターロック用プログラムを提供する。
【解決手段】 車両インターロックシステムは、車両のエンジンの始動を防止するインターロック装置と、インターロック装置を制御するインターロック制御部を備える携帯端末30とを備え、インターロック制御部は、携帯端末30を利用した携帯端末30の利用者の顔認証が失敗した場合に、車両のエンジンの始動をインターロック装置20に許可させない(S113~S117)ことを特徴とする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の動力源の始動を防止するインターロック装置と、
前記インターロック装置を制御するインターロック制御部を備える携帯端末と
を備え、
前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した特定の認証が失敗した場合に、前記動力源の始動を前記インターロック装置に許可させず、
前記特定の認証は、前記携帯端末の利用者の生体認証と、前記携帯端末の認証との少なくとも1つであることを特徴とする車両インターロックシステム。
【請求項2】
前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した前記特定の認証が成功した場合に、前記利用者の認知機能の判定の結果が、正常ではないというものであるとき、前記動力源の始動を前記インターロック装置に許可させないことを特徴とする請求項1に記載の車両インターロックシステム。
【請求項3】
前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した前記特定の認証が成功した場合に、前記利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果が、正常ではないというものであるとき、前記動力源の始動を前記インターロック装置に許可させないことを特徴とする請求項1に記載の車両インターロックシステム。
【請求項4】
前記携帯端末は、前記携帯端末を利用した前記特定の認証が失敗した場合に、前記特定の認証が失敗したことを示す情報を特定の宛先に送信する情報送信部を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両インターロックシステム。
【請求項5】
前記携帯端末は、前記結果が、正常ではないというものである場合に、前記認知機能が正常ではないことを示す情報を特定の宛先に送信する情報送信部を備えることを特徴とする請求項2に記載の車両インターロックシステム。
【請求項6】
前記携帯端末は、前記結果が、正常ではないというものである場合に、前記アルコール濃度が正常ではないことを示す情報を特定の宛先に送信する情報送信部を備えることを特徴とする請求項3に記載の車両インターロックシステム。
【請求項7】
前記携帯端末は、前記利用者の認知機能の判定の結果を特定の宛先に送信する情報送信部を備え、
前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した前記特定の認証が成功した場合に、前記情報送信部によって前記結果が前記特定の宛先に送信された後、前記動力源の始動を許可するか否かの指示を前記携帯端末の外部から受信し、受信した前記指示に応じて前記インターロック装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両インターロックシステム。
【請求項8】
前記携帯端末は、前記利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果を特定の宛先に送信する情報送信部を備え、
前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した前記特定の認証が成功した場合に、前記情報送信部によって前記結果が前記特定の宛先に送信された後、前記動力源の始動を許可するか否かの指示を前記携帯端末の外部から受信し、受信した前記指示に応じて前記インターロック装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両インターロックシステム。
【請求項9】
車両の動力源の始動を防止するインターロック装置を制御するインターロック制御部を備える携帯端末であって、
前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した特定の認証が失敗した場合に、前記動力源の始動を前記インターロック装置に許可させず、
前記特定の認証は、前記携帯端末の利用者の生体認証と、前記携帯端末の認証との少なくとも1つであることを特徴とする携帯端末。
【請求項10】
車両の動力源の始動を防止するインターロック装置を制御するインターロック制御部を携帯端末に実現させ、
前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した特定の認証が失敗した場合に、前記動力源の始動を前記インターロック装置に許可させず、
前記特定の認証は、前記携帯端末の利用者の生体認証と、前記携帯端末の認証との少なくとも1つであることを特徴とするインターロック用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の不正な運転を防止するための車両インターロックシステム、携帯端末およびインターロック用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの車両に設けられるワイヤレスキー装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。ワイヤレスキー装置は、車両の運転者が所有するワイヤレスキーから受信したキー識別情報が、ワイヤレスキー装置自身に登録されているキー識別情報と合致する場合に、車両のドアの解錠または施錠を実行したり、車両の動力源の始動または停止を実行したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された車両は、例えば、ワイヤレスキーから送信されるキー識別情報を示す電波を不正に複製した者によってドアが解錠され動力源が始動されることによって、不正に運転されて盗まれる可能性があるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、車両が不正に運転される可能性を低減することができる車両インターロックシステム、携帯端末およびインターロック用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両インターロックシステムは、車両の動力源の始動を防止するインターロック装置と、前記インターロック装置を制御するインターロック制御部を備える携帯端末とを備え、前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した特定の認証が失敗した場合に、前記動力源の始動を前記インターロック装置に許可させず、前記特定の認証は、前記携帯端末の利用者の生体認証と、前記携帯端末の認証との少なくとも1つであることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の車両インターロックシステムは、携帯端末を利用した特定の認証が失敗した場合に、車両の動力源の始動をインターロック装置に許可させないので、正規の運転者ではない者によって車両が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0008】
本発明の車両インターロックシステムにおいて、前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した前記特定の認証が成功した場合に、前記利用者の認知機能の判定の結果が、正常ではないというものであるとき、前記動力源の始動を前記インターロック装置に許可させなくても良い。
【0009】
この構成により、本発明の車両インターロックシステムは、携帯端末を利用した特定の認証が成功した場合であっても、利用者の認知機能の判定の結果が、正常ではないというものであるとき、車両の動力源の始動をインターロック装置に許可させないので、認知機能が正常ではない者によって車両が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0010】
本発明の車両インターロックシステムにおいて、前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した前記特定の認証が成功した場合に、前記利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果が、正常ではないというものであるとき、前記動力源の始動を前記インターロック装置に許可させなくても良い。
【0011】
この構成により、本発明の車両インターロックシステムは、携帯端末を利用した特定の認証が成功した場合であっても、利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果が、正常ではないというものであるとき、車両の動力源の始動をインターロック装置に許可させないので、呼気中のアルコール濃度が正常ではない者によって車両が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0012】
本発明の車両インターロックシステムにおいて、前記携帯端末は、前記携帯端末を利用した前記特定の認証が失敗した場合に、前記特定の認証が失敗したことを示す情報を特定の宛先に送信する情報送信部を備えても良い。
【0013】
この構成により、本発明の車両インターロックシステムは、携帯端末を利用した特定の認証が失敗した場合に、特定の認証が失敗したことを示す情報を特定の宛先に送信するので、正規の運転者ではない者によって車両が不正に運転されそうになったことを第三者に認識させることができ、その結果、正規の運転者ではない者によって車両が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0014】
本発明の車両インターロックシステムにおいて、前記携帯端末は、前記結果が、正常ではないというものである場合に、前記認知機能が正常ではないことを示す情報を特定の宛先に送信する情報送信部を備えても良い。
【0015】
この構成により、本発明の車両インターロックシステムは、利用者の認知機能の判定の結果が、正常ではないというものである場合に、利用者の認知機能が正常ではないことを示す情報を特定の宛先に送信するので、認知機能が正常ではない者によって車両が不正に運転されそうになったことを第三者に認識させることができ、その結果、認知機能が正常ではない者によって車両が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0016】
本発明の車両インターロックシステムにおいて、前記携帯端末は、前記結果が、正常ではないというものである場合に、前記アルコール濃度が正常ではないことを示す情報を特定の宛先に送信する情報送信部を備えても良い。
【0017】
この構成により、本発明の車両インターロックシステムは、利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果が、正常ではないというものである場合に、利用者の呼気中のアルコール濃度が正常ではないことを示す情報を特定の宛先に送信するので、呼気中のアルコール濃度が正常ではない者によって車両が不正に運転されそうになったことを第三者に認識させることができ、その結果、呼気中のアルコール濃度が正常ではない者によって車両が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0018】
本発明の車両インターロックシステムにおいて、前記携帯端末は、前記利用者の認知機能の判定の結果を特定の宛先に送信する情報送信部を備え、前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した前記特定の認証が成功した場合に、前記情報送信部によって前記結果が前記特定の宛先に送信された後、前記動力源の始動を許可するか否かの指示を前記携帯端末の外部から受信し、受信した前記指示に応じて前記インターロック装置を制御しても良い。
【0019】
この構成により、本発明の車両インターロックシステムは、利用者の認知機能の判定の結果を携帯端末が特定の宛先に送信した後、車両の動力源の始動を許可するか否かの指示を携帯端末が受信し、携帯端末が受信した指示に応じて携帯端末がインターロック装置を制御するので、利用者の認知機能の判定の結果を認識した第三者からの指示に応じてインターロック装置に車両の動力源の始動を許可させたり、許可させなかったりすることができ、その結果、認知機能が正常ではない者によって車両が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0020】
本発明の車両インターロックシステムにおいて、前記携帯端末は、前記利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果を特定の宛先に送信する情報送信部を備え、前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した前記特定の認証が成功した場合に、前記情報送信部によって前記結果が前記特定の宛先に送信された後、前記動力源の始動を許可するか否かの指示を前記携帯端末の外部から受信し、受信した前記指示に応じて前記インターロック装置を制御しても良い。
【0021】
この構成により、本発明の車両インターロックシステムは、利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果を携帯端末が特定の宛先に送信した後、車両の動力源の始動を許可するか否かの指示を携帯端末が受信し、携帯端末が受信した指示に応じて携帯端末がインターロック装置を制御するので、利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果を認識した第三者からの指示に応じてインターロック装置に車両の動力源の始動を許可させたり、許可させなかったりすることができ、その結果、呼気中のアルコール濃度が正常ではない者によって車両が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0022】
本発明の携帯端末は、車両の動力源の始動を防止するインターロック装置を制御するインターロック制御部を備える携帯端末であって、前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した特定の認証が失敗した場合に、前記動力源の始動を前記インターロック装置に許可させず、前記特定の認証は、前記携帯端末の利用者の生体認証と、前記携帯端末の認証との少なくとも1つであることを特徴とする。
【0023】
この構成により、本発明の携帯端末は、携帯端末を利用した特定の認証が失敗した場合に、車両の動力源の始動をインターロック装置に許可させないので、正規の運転者ではない者によって車両が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0024】
本発明のインターロック用プログラムは、車両の動力源の始動を防止するインターロック装置を制御するインターロック制御部を携帯端末に実現させ、前記インターロック制御部は、前記携帯端末を利用した特定の認証が失敗した場合に、前記動力源の始動を前記インターロック装置に許可させず、前記特定の認証は、前記携帯端末の利用者の生体認証と、前記携帯端末の認証との少なくとも1つであることを特徴とする。
【0025】
この構成により、本発明のインターロック用プログラムを実行する携帯端末は、携帯端末を利用した特定の認証が失敗した場合に、車両の動力源の始動をインターロック装置に許可させないので、正規の運転者ではない者によって車両が不正に運転される可能性を低減することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の車両インターロックシステム、携帯端末およびインターロック用プログラムは、車両が不正に運転される可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両インターロックシステムのブロック図である。
【
図2】
図1に示すインターロック装置のブロック図である。
【
図3】(a)イグニッションキー方式でエンジンを始動させる
図1に示す車両のセルモーターの近傍の回路図である。 (b)プッシュスタートボタン方式でエンジンを始動させる
図1に示す車両のセルモーターの近傍の回路図である。
【
図4】
図1に示す車両のワイパーモーターの近傍の回路図である。
【
図7】本人認証を実行する場合の
図1に示す車両インターロックシステムの動作のシーケンス図である。
【
図8】PIN入力画面を表示している場合の
図5に示す携帯端末の正面図である。
【
図9】免許証リーダー画面を表示している場合の
図5に示す携帯端末の正面図である。
【
図10】顔写真撮影用画面を表示している場合の
図5に示す携帯端末の正面図である。
【
図11】インターロック用アプリが起動された場合の
図1に示す車両インターロックシステムの動作のシーケンス図である。
【
図13】
図11および
図12に示す動作においてエンジンスタートリレーをON状態にした場合のインターロック装置の動作のフローチャートである。
【
図14】非常ボタンが押される場合の
図2に示すインターロック装置の動作のフローチャートである。
【
図15】非常時モードにおける
図2に示すインターロック装置の動作のフローチャートである。
【
図16】非常ボタンが有効化される場合の
図2に示すインターロック装置の動作のフローチャートである。
【
図17】車両の不正な運転に対して警告音を発する場合の
図2に示すインターロック装置の動作のフローチャートである。
【
図18】本発明の第1の実施の形態に係る履歴情報の一部の一例を示す図である。
【
図19】本発明の第2の実施の形態に係る携帯端末のブロック図である。
【
図20】本発明の第2の実施の形態に係る車両インターロックシステムにおける、
図11に示すメイン処理のシーケンス図である。
【
図21】(a)テスト実行画面の一例を表示している場合の
図5に示す携帯端末の正面図である。 (b)テスト実行画面の、
図21(a)に示す例とは異なる一例を表示している場合の
図5に示す携帯端末の正面図である。
【
図22】(a)テスト結果画面の一例を表示している場合の
図5に示す携帯端末の正面図である。 (b)テスト結果画面の、
図22(a)に示す例とは異なる一例を表示している場合の
図5に示す携帯端末の正面図である。
【
図23】本発明の第2の実施の形態に係る履歴情報の一部の一例を示す図である。
【
図24】本発明の第3の実施の形態に係る第三者端末のブロック図である。
【
図25】本発明の第3の実施の形態に係る車両インターロックシステムにおける、
図11に示すメイン処理のシーケンス図である。
【
図26】本発明の第3の実施の形態に係る履歴情報の一部の一例を示す図である。
【
図27】本発明の第4の実施の形態に係る車両インターロックシステムのブロック図である。
【
図28】本発明の第4の実施の形態に係る携帯端末のブロック図である。
【
図29】
図27に示すアルコール測定装置のブロック図である。
【
図30】
図27に示す車両インターロックシステムにおける、
図11に示すメイン処理のシーケンス図である。
【
図31】本発明の第4の実施の形態に係る履歴情報の一部の一例を示す図である。
【
図32】本発明の第5の実施の形態に係る車両インターロックシステムにおける、
図11に示すメイン処理のシーケンス図である。
【
図33】本発明の第5の実施の形態に係る履歴情報の一部の一例を示す図である。
【
図34】本発明の第6の実施の形態に係る携帯端末のブロック図である。
【
図35】本発明の第6の実施の形態に係る車両インターロックシステムにおける、
図11に示すメイン処理のシーケンス図である。
【
図36】本発明の第6の実施の形態に係る履歴情報の一部の一例を示す図である。
【
図37】本発明の第7の実施の形態に係る車両インターロックシステムにおける、
図11に示すメイン処理のシーケンス図である。
【
図38】本発明の第7の実施の形態に係る履歴情報の一部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成について説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態に係る車両インターロックシステム10のブロック図である。
【0031】
図1に示すように、車両インターロックシステム10は、車両90の動力源としてのエンジンの始動を防止するインターロック装置20と、車両90の運転者に携帯されるコンピューターである携帯端末30と、運転者ではない第三者に利用されるコンピューターである第三者端末50と、運転者の顔認証を実行する認証サーバー60とを備えている。
【0032】
インターロック装置20は、車両90に搭載されている。
【0033】
携帯端末30は、例えば、スマートフォンなどによって構成されることが可能である。以下においては、携帯端末30がスマートフォンによって構成されている例について説明する。
【0034】
第三者端末50は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォンなどによって構成されることが可能である。以下においては、第三者端末50がPCによって構成されている例について説明する。
【0035】
認証サーバー60は、少なくとも1つのコンピューターによって実現されている。
【0036】
インターロック装置20と、携帯端末30とは、携帯端末30をマスターとしインターロック装置20をスレーブとするBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)で通信可能である。インターロック装置20と、携帯端末30とは、後述の
図11に示す動作の前に、ペアリングされることが好ましい。インターロック装置20と、携帯端末30との間のBLEでの通信は、第三者が通信内容を解析することができないように暗号化される。インターロック装置20と、携帯端末30との間の通信の暗号化方式は、共通鍵暗号方式、公開鍵暗号方式、ハイブリッド暗号方式など、既知の方式でも良い。
【0037】
携帯端末30と、第三者端末50とは、インターネット10a経由で通信可能である。例えば、携帯端末30と、第三者端末50とは、クラウドサーバー経由で通信可能でも良い。携帯端末30と、第三者端末50との間の通信は、第三者が通信内容を解析することができないように暗号化される。携帯端末30と、第三者端末50との間の通信の暗号化方式は、共通鍵暗号方式、公開鍵暗号方式、ハイブリッド暗号方式など、既知の方式でも良い。
【0038】
携帯端末30と、認証サーバー60とは、インターネット10a経由で通信可能である。携帯端末30と、認証サーバー60との間の通信は、第三者が通信内容を解析することができないように暗号化される。携帯端末30と、認証サーバー60との間の通信の暗号化方式は、共通鍵暗号方式、公開鍵暗号方式、ハイブリッド暗号方式など、既知の方式でも良い。
【0039】
図2は、インターロック装置20のブロック図である。
【0040】
図2に示すように、インターロック装置20は、無線通信のためのアンテナ21aと、アンテナ21aに接続されてBLEによる通信を実行するためのBluetoothモジュール21bと、車両90(
図1参照。)のACC(アクセサリー)電源の電力の状態が入力されるためのACC入力部22aと、車両90から車速パルスが入力されるための車速パルス入力部22bと、非常時に車両90のエンジンを始動可能とするための非常ボタン23と、車両90のエンジンを始動可能とするためのエンジンスタートリレー24と、車両90のワイパーを動作させるためのワイパーリレー25と、音を出力するためのブザー26と、種々の情報を記憶するための記憶デバイスである不揮発性メモリー27と、インターロック装置20全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)28とを備えている。インターロック装置20は、動作のための電力が車両90の+B(バッテリー)電源から供給されており、常時通電状態になっている。
【0041】
不揮発性メモリー27は、車両インターロックシステム10(
図1参照。)用の履歴を示す履歴情報27aを記憶可能である。
【0042】
CPU28は、例えば不揮発性メモリー27に記憶されているプログラムを実行することによって動作する。
【0043】
エンジンスタートリレー24は、スイッチ24aおよびスイッチ24bを備えている。スイッチ24aおよびスイッチ24bは、同時に開閉される。すなわち、エンジンスタートリレー24がON状態であることは、スイッチ24aおよびスイッチ24bの両方が閉じている状態であることを意味しており、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることは、スイッチ24aおよびスイッチ24bの両方が開いている状態であることを意味している。
【0044】
図3(a)は、イグニッションキー方式でエンジンを始動させる車両90(
図1参照。)のセルモーター91の近傍の回路図である。
図3(b)は、プッシュスタートボタン方式でエンジンを始動させる車両90のセルモーター91の近傍の回路図である。
【0045】
図3(a)に示す回路は、エンジンを始動させるためのセルモーター91と、セルモーター91を始動させるためのイグニッションリレー92と、イグニッションリレー92のスイッチを開閉させるためのイグニッションスイッチ93とを備えている。イグニッションスイッチ93は、図示していないイグニッションキーによって開閉させられる。
図3(a)に示す回路を備える車両90は、イグニッションリレー92と、イグニッションスイッチ93とを電気的に接続するケーブルであるイグニッションスイッチケーブルが切断された後、イグニッションスイッチケーブルの切断によって生じた2つの端子のうちの1つと、エンジンスタートリレー24(
図2参照。)のスイッチ24a(
図2参照。)の両側の端子のうちの1つとが電気的に接続され、イグニッションスイッチケーブルの切断によって生じた2つの端子のうちの残りの1つと、エンジンスタートリレー24のスイッチ24aの両側の端子のうちの残りの1つとが電気的に接続される。すなわち、エンジンスタートリレー24のスイッチ24aの
図2に示す端子a1、a2は、それぞれ、
図3(a)に示す端子a1、a2に電気的に接続される。したがって、
図3(a)に示す回路を備える車両90は、エンジンスタートリレー24がON状態(閉状態)にならない限り、イグニッションキーによってイグニッションスイッチ93がON状態(閉状態)にされても、エンジンスタートリレー24を介してイグニッションスイッチ93に電気的に接続されているイグニッションリレー92に+B電源から電力が供給されずイグニッションリレー92がOFF状態(開状態)のままである。したがって、イグニッションリレー92に電気的に接続されているセルモーター91に+B電源から電力が供給されないので、セルモーター91が回転せず、その結果、エンジンが始動されない。
【0046】
図3(b)に示す回路は、セルモーター91と、イグニッションリレー92と、イグニッションリレー92のスイッチを開閉させるためのECU(Electronic Control Unit)94と、イグニッションリレー92のスイッチをECU94に開閉させるためのプッシュスタートボタン95とを備えている。
図3(b)に示す回路を備える車両90は、ECU94と、プッシュスタートボタン95とをそれぞれ電気的に接続する2本のケーブルである第1のケーブルおよび第2のケーブルがそれぞれ切断された後、第1のケーブルの切断によって生じた2つの端子のうちの1つと、エンジンスタートリレー24(
図2参照。)のスイッチ24a(
図2参照。)の両側の端子のうちの1つとが電気的に接続され、第1のケーブルの切断によって生じた2つの端子のうちの残りの1つと、エンジンスタートリレー24のスイッチ24aの両側の端子のうちの残りの1つとが電気的に接続される。また、第2のケーブルの切断によって生じた2つの端子のうちの1つと、エンジンスタートリレー24のスイッチ24b(
図2参照。)の両側の端子のうちの1つとが電気的に接続され、第2のケーブルの切断によって生じた2つの端子のうちの残りの1つと、エンジンスタートリレー24のスイッチ24bの両側の端子のうちの残りの1つとが電気的に接続される。すなわち、エンジンスタートリレー24の
図2に示す端子a1、a2、b1、b2は、それぞれ、
図3(b)に示す端子a1、a2、b1、b2に電気的に接続される。したがって、
図3(b)に示す回路を備える車両90は、エンジンスタートリレー24がON状態(閉状態)にならない限り、プッシュスタートボタン95が押されても、エンジンスタートリレー24を介してプッシュスタートボタン95に電気的に接続されているECU94に、プッシュスタートボタン95が押されたことを示す信号がプッシュスタートボタン95から入力されないので、ECU94からイグニッションリレー92に電力が供給されずイグニッションリレー92がOFF状態のままである。したがって、イグニッションリレー92に電気的に接続されているセルモーター91に+B電源から電力が供給されないので、セルモーター91が回転せず、その結果、エンジンが始動されない。
【0047】
図3に示す回路は、一例である。エンジンスタートリレー24は、エンジンスタートリレー24自身がON状態(閉状態)にならない限り車両90のエンジンの始動を防止することができる箇所に電気的に接続されれば、
図3に示す接続箇所以外の箇所に電気的に接続されても良い。
【0048】
図4は、車両90(
図1参照。)のワイパーモーター96の近傍の回路図である。
【0049】
図4に示す回路は、車両90のワイパーを駆動させるためのワイパーモーター96と、ワイパーモーター96を始動させるためのワイパースイッチ97とを備えている。車両90は、ワイパースイッチ97の両側の端子のうちの1つと、ワイパーリレー25(
図2参照。)のスイッチの両側の端子のうちの1つとが電気的に接続され、ワイパースイッチ97の両側の端子のうちの残りの1つと、ワイパーリレー25のスイッチの両側の端子のうちの残りの1つとが電気的に接続される。すなわち、ワイパーリレー25の
図2に示す端子c1、c2は、それぞれ、
図4に示す端子c1、c2に電気的に接続される。
【0050】
【0051】
図5に示すように、携帯端末30は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部31と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部32と、マイク33と、スピーカー34と、カメラ35と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部36と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリーなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部37と、携帯端末30全体を制御する制御部38とを備えている。
【0052】
操作部31の一部は、表示部32とともにタッチパネルを構成している。
【0053】
マイク33およびスピーカー34は、例えば、音声通話およびビデオ通話に使用される。表示部32およびカメラ35は、例えば、ビデオ通話に使用される。
【0054】
記憶部37は、予め登録されている運転者であることの認証(以下「本人認証」という。)のためのアプリケーションプログラムである本人認証アプリ37aと、車両インターロックシステム10(
図1参照。)用のアプリケーションプログラムであるインターロック用アプリ37bとを記憶している。本人認証アプリ37aおよびインターロック用アプリ37bは、本発明のインターロック用プログラムを構成している。本人認証アプリ37aおよびインターロック用アプリ37bのそれぞれは、例えば、携帯端末30の製造段階で携帯端末30にインストールされていても良いし、外部の記憶媒体から携帯端末30に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から携帯端末30に追加でインストールされても良い。
【0055】
記憶部37は、車両インターロックシステム10用の履歴を示す履歴情報37cを記憶可能である。
【0056】
記憶部37は、第三者端末50(
図1参照。)の利用者の電子メールアドレスを示すアドレス情報37dを記憶可能である。
【0057】
制御部38は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部38のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部38のCPUは、記憶部37または制御部38のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0058】
制御部38は、本人認証アプリ37aを実行することによって、本人認証を実行する本人認証部38aと、特定の宛先に情報を送信する情報送信部38bと、履歴情報37cに履歴を書き込む履歴書込部38cと、利用者に対する通知を実行する通知実行部38dとを実現する。情報送信部38bによる特定の宛先への送信の方法は、例えば、アドレス情報37dに示される電子メールアドレス宛の電子メールでも良い。
【0059】
制御部38は、インターロック用アプリ37bを実行することによって、インターロック装置20(
図1参照。)を制御するインターロック制御部38eと、特定の宛先に情報を送信する情報送信部38fと、履歴情報37cに履歴を書き込む履歴書込部38gと、利用者に対する通知を実行する通知実行部38hとを実現する。情報送信部38fによる特定の宛先への情報の送信の方法は、例えば、アドレス情報37dに示される電子メールアドレスへの電子メールの送信でも良い。
【0060】
【0061】
図6に示すように、第三者端末50は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部51と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部52と、マイク53と、スピーカー54と、カメラ55と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部56と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリーなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部57と、第三者端末50全体を制御する制御部58とを備えている。
【0062】
マイク53およびスピーカー54は、例えば、音声通話およびビデオ通話に使用される。表示部52およびカメラ55は、例えば、ビデオ通話に使用される。
【0063】
記憶部57は、車両インターロックシステム10(
図1参照。)用のアプリケーションプログラムであるインターロック用アプリ57aを記憶している。インターロック用アプリ57aは、例えば、第三者端末50の製造段階で第三者端末50にインストールされていても良いし、外部の記憶媒体から第三者端末50に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から第三者端末50に追加でインストールされても良い。
【0064】
記憶部57は、車両インターロックシステム10用の履歴を示す履歴情報57bを記憶可能である。
【0065】
制御部58は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部58のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部58のCPUは、記憶部57または制御部58のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0066】
制御部58は、インターロック用アプリ57aを実行することによって、履歴情報57bに履歴を書き込む履歴書込部58aと、利用者に対する通知を実行する通知実行部58bとを実現する。
【0067】
次に、車両インターロックシステム10の動作について説明する。
【0068】
まず、運転者が携帯端末30を使用してエンジンスタートリレー24をON状態にすることによって車両90を運転する場合の車両インターロックシステム10の動作について説明する。
【0069】
図7は、本人認証を実行する場合の車両インターロックシステム10の動作のシーケンス図である。
【0070】
図7に示すように、携帯端末30の制御部38は、画面ロックの解除のための操作が操作部31を介して入力されると、画面ロックを解除する(S101)。
【0071】
図8は、PIN(Personal Identification Number)の入力を受け付けるためのPIN入力画面71を表示している場合の携帯端末30の正面図である。
【0072】
例えば、制御部38は、画面ロックの解除のための操作として、PINの入力を採用している場合、PIN入力画面71(
図8参照。)を表示部32に表示する。
【0073】
図8に示すように、PIN入力画面71は、PINの入力に使用されるテンキー71aと、テンキー71aによって入力されたPINが表示される表示領域71bとを含んでいる。制御部38は、PIN入力画面71を介して入力されたPINが、携帯端末30に予め登録されているPINと同一である場合、S101(
図7参照。)において画面ロックを解除する。
【0074】
図7に示すように、携帯端末30の本人認証部38aは、S101において画面ロックが解除されると、運転免許に関連する情報が記録されているIC(Integrated Circuit)チップが埋め込まれた運転免許証であるICカード免許証80(
図9参照。)から情報を読み取る(S102)。
【0075】
図9は、ICカード免許証80から情報を読み取るための免許証リーダー画面72を表示している場合の携帯端末30の正面図である。
【0076】
図9に示すように、本人認証部38aは、免許証リーダー画面72を表示部32に表示する。免許証リーダー画面72は、ICカード免許証80から情報を読み取るための暗証番号の入力に使用されるテンキー72aを含んでいる。本人認証部38aは、ICカード免許証80と通信部36を介して通信可能な状態で免許証リーダー画面72を介して入力された暗証番号が、ICカード免許証80に予め登録されている暗証番号と同一である場合、ICカード免許証80から情報を読み取ることができる。
【0077】
図7に示すように、本人認証部38aは、S102においてICカード免許証80から情報を読み取ると、S102においてICカード免許証80から読み取った情報に基づいて、ICカード免許証80が、携帯端末30に予め登録されている運転者の有効期間内のICカード免許証であることの確認(以下「免許証確認」という。)を実行する(S103)。例えば、本人認証部38aは、ICカード免許証80から読み取った氏名および生年月日に基づいて、このICカード免許証80が、携帯端末30に予め登録されている運転者のICカード免許証であるか否かを判断することができる。また、本人認証部38aは、ICカード免許証80から読み取った有効期間に基づいて、このICカード免許証80が、有効期間内のICカード免許証であるか否かを判断することができる。
【0078】
携帯端末30の情報送信部38bは、S102において情報を読み取ったICカード免許証80が、携帯端末30に予め登録されている運転者の有効期間内のICカード免許証ではないとS103において判断された場合、すなわち、S103において実行された免許証確認が失敗した場合、免許証確認の失敗を示す情報を特定の宛先に送信する(S104)。
【0079】
また、携帯端末30の履歴書込部38cは、S103において実行された免許証確認が失敗した場合、免許証確認の失敗を示す履歴を履歴情報37cに書き込む(S105)。
【0080】
また、携帯端末30の通知実行部38dは、S103において実行された免許証確認が失敗した場合、「あなたはエンジンを始動できません。」という旨を例えば表示部32およびスピーカー34の少なくとも1つを介して携帯端末30の利用者に通知する(S106)。
【0081】
第三者端末50の履歴書込部58aは、S104において特定の宛先に送信された情報を第三者端末50が受信すると、免許証確認の失敗を示す履歴を履歴情報57bに書き込む(S107)。
【0082】
また、第三者端末50の通知実行部58bは、S104において特定の宛先に送信された情報を第三者端末50が受信すると、免許証確認の失敗を例えば表示部52およびスピーカー54の少なくとも1つを介して第三者端末50の利用者に通知する(S108)。
【0083】
携帯端末30の本人認証部38aは、S102において情報を読み取ったICカード免許証80が、携帯端末30に予め登録されている運転者の有効期間内のICカード免許証であるとS103において判断した場合、すなわち、S103において実行した免許証確認が成功した場合、カメラ35によって運転者の顔写真を撮影する(S109)。
【0084】
図10は、運転者の顔写真を撮影するための顔写真撮影用画面73を表示している場合の携帯端末30の正面図である。
【0085】
図10に示すように、本人認証部38aは、顔写真撮影用画面73を表示部32に表示する。顔写真撮影用画面73は、カメラ35によって撮影された映像が表示される。したがって、携帯端末30の利用者である運転者は、顔写真撮影用画面73に運転者自身の顔が表示されるように、携帯端末30を支持することができる。
【0086】
図7に示すように、本人認証部38aは、S109の処理の後、S109において撮影した顔写真を認証サーバー60に送信することによって、認証サーバー60に顔認証の実行を依頼する(S110)。
【0087】
認証サーバー60は、S110における依頼を受けると、S110において携帯端末30から送信されてきた顔写真に含まれる顔と、認証サーバー60に予め登録されている顔とを使用して顔認証を実行する(S111)。ここで、認証サーバー60は、S110において携帯端末30から送信されてきた顔写真に含まれる顔を有する人物と同一の人物の顔が、認証サーバー60に登録されていた場合、顔認証が成功したと判断する。一方、認証サーバー60は、S110において携帯端末30から送信されてきた顔写真に含まれる顔を有する人物と同一の人物の顔が、認証サーバー60に登録されていなかった場合、顔認証が失敗したと判断する。
【0088】
認証サーバー60は、S111の処理の後、S111において実行した顔認証の結果を示す情報を携帯端末30に送信する(S112)。
【0089】
携帯端末30の情報送信部38bは、顔認証の失敗を示す情報がS112において送信されてきた場合、顔認証の失敗を示す情報を特定の宛先に送信する(S113)。
【0090】
また、携帯端末30の履歴書込部38cは、顔認証の失敗を示す情報がS112において送信されてきた場合、免許証確認の成功と、顔認証の失敗とを示す履歴を履歴情報37cに書き込む(S114)。
【0091】
また、携帯端末30の通知実行部38dは、顔認証の失敗を示す情報がS112において送信されてきた場合、「あなたはエンジンを始動できません。」という旨を例えば表示部32およびスピーカー34の少なくとも1つを介して携帯端末30の利用者に通知する(S115)。
【0092】
第三者端末50の履歴書込部58aは、S113において送信された情報を第三者端末50が受信すると、免許証確認の成功と、顔認証の失敗とを示す履歴を履歴情報57bに書き込む(S116)。
【0093】
また、第三者端末50の通知実行部58bは、S113において送信された情報を第三者端末50が受信すると、免許証確認の成功と、顔認証の失敗とを例えば表示部52およびスピーカー54の少なくとも1つを介して利用者に通知する(S117)。
【0094】
携帯端末30の本人認証部38aは、顔認証の成功を示す情報がS112において送信されてきた場合、インターロック用アプリ37bの起動を許可する(S118)。
【0095】
携帯端末30の制御部38は、インターロック用アプリ37bの起動がS118において許可された場合、インターロック用アプリ37bの起動が携帯端末30の操作部31を介して指示されると、インターロック用アプリ37bを起動する。
【0096】
図11は、インターロック用アプリ37bが起動された場合の車両インターロックシステム10の動作のシーケンス図である。
図12は、
図11に示すメイン処理のシーケンス図である。
【0097】
インターロック装置20のCPU28は、携帯端末30と接続されていない状態、すなわち、オフライン状態である場合、BLEのアドバタイズを定期的に発信している。なお、アドバタイズの発信は、暗号化されていない。
【0098】
携帯端末30の制御部38がインターロック用アプリ37bを起動すると、
図11および
図12に示すように、携帯端末30のインターロック制御部38eは、インターロック装置20にBLEでの接続を要求する(S131)。なお、S131における通信は、暗号化されていない。
【0099】
インターロック装置20のCPU28は、ペアリング済みである携帯端末30からS131における要求を受けると、携帯端末30とのBLEでの接続を完了させて(S132)、携帯端末30とのBLEでの接続の完了を示す情報を携帯端末30に送信する(S133)。
【0100】
CPU28は、S133における送信を実行した後、オフライン状態であった場合に履歴情報27aに書き込まれた履歴を携帯端末30に送信する(S134)。
【0101】
携帯端末30の情報送信部38fは、S134において送信された履歴を携帯端末30が受信すると、受信した履歴を特定の宛先に送信する(S135)。
【0102】
また、携帯端末30の履歴書込部38gは、S134において送信された履歴を携帯端末30が受信すると、受信した履歴を履歴情報37cに書き込む(S136)。
【0103】
第三者端末50の履歴書込部58aは、S135において送信された履歴を第三者端末50が受信すると、受信した履歴を履歴情報57bに書き込む(S137)。
【0104】
携帯端末30のインターロック制御部38eは、S133において送信された情報を携帯端末30が受信すると、エンジンスタートリレー24をON状態にすることをインターロック装置20に指示する(S141)。
【0105】
インターロック装置20のCPU28は、S141における指示を受けると、エンジンスタートリレー24をON状態にする(S142)。
【0106】
CPU28は、S142の処理の後、エンジンスタートリレー24のON状態の完了を示す情報を携帯端末30に送信する(S143)。
【0107】
また、CPU28は、S142の処理の後、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴を履歴情報27aに書き込む(S144)。
【0108】
携帯端末30の情報送信部38fは、S143において送信された情報を携帯端末30が受信すると、エンジンスタートリレー24のON状態の完了を示す情報を特定の宛先に送信する(S145)。
【0109】
また、携帯端末30の履歴書込部38gは、S143において送信された情報を携帯端末30が受信すると、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴を履歴情報37cに書き込む(S146)。
【0110】
また、携帯端末30の通知実行部38hは、S143において送信された情報を携帯端末30が受信すると、「エンジンを掛けてください。」という旨を例えば表示部32およびスピーカー34の少なくとも1つを介して携帯端末30の利用者に通知する(S147)。
【0111】
第三者端末50の履歴書込部58aは、S145において送信された情報を第三者端末50が受信すると、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴を履歴情報57bに書き込む(S148)。
【0112】
また、第三者端末50の通知実行部58bは、S145において送信された情報を第三者端末50が受信すると、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを例えば表示部52およびスピーカー54の少なくとも1つを介して第三者端末50の利用者に通知する(S149)。
【0113】
携帯端末30のインターロック制御部38eは、S143において送信された情報を携帯端末30が受信すると、インターロック装置20とのBLEでの接続を切断する(S150)。S150における通信は、暗号化されていない。なお、インターロック装置20と、携帯端末30とがBLEでの接続を常時維持しない理由は、例えば、携帯端末30の電池の消耗を抑えるためである。
【0114】
図13は、
図11および
図12に示す動作においてエンジンスタートリレー24をON状態にした場合のインターロック装置20の動作のフローチャートである。
【0115】
インターロック装置20のCPU28は、S142(
図12参照。)においてエンジンスタートリレー24をON状態にすると、
図13に示すように、ACC電源がOFF状態からON状態になったか否かをACC入力部22aへの入力に基づいて判断する(S161)。
【0116】
車両90は、
図3(a)に示す回路を備える場合には、エンジンスタートリレー24がON状態であるとき、イグニッションキーによってイグニッションスイッチ93がOFF状態(開状態)からON状態(閉状態)にされると、ACC電源がOFF状態からON状態になるとともに、エンジンスタートリレー24を介してイグニッションスイッチ93に電気的に接続されているイグニッションリレー92に+B電源から電力が供給されてイグニッションリレー92がOFF状態(開状態)からON状態(閉状態)になる。したがって、イグニッションリレー92に電気的に接続されているセルモーター91に+B電源から電力が供給されるので、セルモーター91が回転し、その結果、セルモーター91によってエンジンが始動される。
【0117】
車両90は、
図3(b)に示す回路を備える場合には、エンジンスタートリレー24がON状態であってACC電源がOFF状態であるとき、プッシュスタートボタン95が押されると、エンジンスタートリレー24を介してプッシュスタートボタン95に電気的に接続されているECU94に、プッシュスタートボタン95が押されたことを示す信号がプッシュスタートボタン95から入力されるので、ACC電源がOFF状態からON状態になるとともに、ECU94からイグニッションリレー92に電力が供給されてイグニッションリレー92がOFF状態からON状態になる。したがって、イグニッションリレー92に電気的に接続されているセルモーター91に+B電源から電力が供給されるので、セルモーター91が回転し、その結果、セルモーター91によってエンジンが始動される。
【0118】
以上に説明したように、ACC電源がOFF状態からON状態になったことは、エンジンが始動されたことを意味している。
【0119】
CPU28は、ACC電源がOFF状態からON状態になっていないとS161において判断すると、
図13に示す動作の開始から特定の時間が経過したか否かを判断する(S162)。S162における特定の時間は、例えば、1分~3分程度の時間である。
【0120】
CPU28は、
図13に示す動作の開始から特定の時間が経過したとS162において判断すると、エンジンスタートリレー24をOFF状態にする(S163)。
【0121】
次いで、CPU28は、タイムアウトの発生と、エンジンスタートリレー24のOFF状態の完了とを示す履歴を履歴情報27aに書き込む(S164)。S164において履歴情報27aに書き込まれた履歴は、オフライン状態であった場合に履歴情報27aに書き込まれた履歴として、次回のS134(
図11参照。)の処理において携帯端末30に送信されるものである。
【0122】
CPU28は、
図13に示す動作の開始から特定の時間が経過していないとS162において判断すると、S161の処理を実行する。
【0123】
CPU28は、ACC電源がOFF状態からON状態になったとS161において判断すると、車両90のエンジンの始動を示す履歴を履歴情報27aに書き込む(S165)。S165において履歴情報27aに書き込まれた履歴は、オフライン状態であった場合に履歴情報27aに書き込まれた履歴として、次回のS134の処理において携帯端末30に送信されるものである。
【0124】
CPU28は、S165の処理の後、ACC電源がON状態からOFF状態になったと判断するまで、ACC電源がON状態からOFF状態になったか否かをACC入力部22aへの入力に基づいて判断する(S166)。
【0125】
車両90は、
図3(a)に示す回路を備える場合には、エンジンスタートリレー24がON状態であるとき、イグニッションキーによってイグニッションスイッチ93がOFF状態にされると、ACC電源がON状態からOFF状態になるとともに、エンジンが停止する。また、車両90は、
図3(b)に示す回路を備える場合には、エンジンスタートリレー24がON状態であってACC電源がON状態であるとき、プッシュスタートボタン95が押されると、ACC電源がON状態からOFF状態になるとともに、エンジンが停止する。以上に説明したように、ACC電源がON状態からOFF状態になったことは、エンジンが停止したことを意味している。
【0126】
CPU28は、ACC電源がON状態からOFF状態になったとS166において判断すると、エンジンスタートリレー24をOFF状態にする(S167)。
【0127】
次いで、CPU28は、車両90のエンジンの停止と、エンジンスタートリレー24のOFF状態の完了とを示す履歴を履歴情報27aに書き込む(S168)。S168において履歴情報27aに書き込まれた履歴は、オフライン状態であった場合に履歴情報27aに書き込まれた履歴として、次回のS134の処理において携帯端末30に送信されるものである。
【0128】
CPU28は、S164またはS168の処理が終了すると、
図13に示す動作を終了する。
【0129】
次に、運転者が非常ボタン23を使用して車両90を運転する場合のインターロック装置20の動作について説明する。
【0130】
図14は、非常ボタン23が押される場合のインターロック装置20の動作のフローチャートである。
【0131】
インターロック装置20のCPU28は、オフライン状態である場合、
図14に示す動作を実行する。
【0132】
図14に示すように、CPU28は、車両90のエンジンを始動可能にする時間を計測するための始動可時間用タイマーの値として特定の時間をセットする(S181)。S181における特定の時間は、例えば、24時間である。
【0133】
CPU28は、S181の処理の後、非常ボタン23が押されたと判断するまで、非常ボタン23が押されたか否かを判断する(S182)。例えば、運転者は、携帯端末30の不具合などの何らかの不具合が発生することによって、
図7、
図11および
図12に示す動作を正常に実行することができない場合に、非常ボタン23を押しても良い。
【0134】
CPU28は、非常ボタン23が押されたとS182において判断すると、非常ボタン23が有効であるか否かを示す情報である非常ボタン情報に非常ボタン23が有効であることが示されているか否かを判断する(S183)。
【0135】
CPU28は、非常ボタン23が有効であることが非常ボタン情報に示されていない、すなわち、非常ボタン23が無効であることが非常ボタン情報に示されているとS183において判断すると、S182の処理を実行する。
【0136】
CPU28は、非常ボタン23が有効であることが非常ボタン情報に示されているとS183において判断すると、非常ボタン23が有効ではないこと、すなわち、非常ボタン23が無効であることを非常ボタン情報に書き込む(S184)。
【0137】
CPU28は、S184の処理の後、始動可時間用タイマーのカウントダウンを開始する(S185)。始動可時間用タイマーの値は、最小値が0である。
【0138】
CPU28は、S185の処理の後、エンジンスタートリレー24をON状態にする(S186)。ここで、車両90は、
図3(a)に示す回路を備える場合には、エンジンスタートリレー24がON状態であるとき、イグニッションキーによってイグニッションスイッチ93がOFF状態からON状態にされると、上述したように、セルモーター91によってエンジンが始動される。また、車両90は、
図3(b)に示す回路を備える場合には、エンジンスタートリレー24がON状態であってACC電源がOFF状態であるとき、プッシュスタートボタン95が押されると、上述したように、セルモーター91によってエンジンが始動される。
【0139】
CPU28は、S186の処理の後、非常時に車両90のエンジンを始動可能とする動作モード(以下「非常時モード」という。)の開始を示す履歴を履歴情報27aに書き込む(S187)。S187において履歴情報27aに書き込まれた履歴は、オフライン状態であった場合に履歴情報27aに書き込まれた履歴として、次回のS134(
図11参照。)の処理において携帯端末30に送信されるものである。
【0140】
CPU28は、S187の処理の後、ブザー26による警告音の出力を開始する(S188)。したがって、車両90の運転者は、インターロック装置20の現在の動作モードが非常時モードであることを、ブザー26によって出力された警告音によって認識することができる。
【0141】
CPU28は、S188の処理の後、ワイパーリレー25をON状態(閉状態)にする(S189)。ワイパーリレー25がON状態になると、ワイパーリレー25に電気的に接続されているワイパーモーター96には、ワイパースイッチ97がON状態(閉状態)であるか否かにかかわらず、+B電源から電力が供給される。したがって、ワイパーモーター96が回転し、その結果、車両90のワイパーは、ワイパーモーター96によって動かされ続ける。そのため、車両90の外部の者は、インターロック装置20の現在の動作モードが非常時モードであることをワイパーの動きによって認識することができる。
【0142】
図15は、非常時モードにおけるインターロック装置20の動作のフローチャートである。
【0143】
インターロック装置20のCPU28は、S186(
図14参照。)においてエンジンスタートリレー24をON状態にすると、
図15に示す動作を実行する。
【0144】
図15に示すように、CPU28は、ACC電源がOFF状態からON状態になったか否かをACC入力部22aへの入力に基づいて判断する(S211)。上述したように、エンジンスタートリレー24がON状態である場合に、ACC電源がOFF状態からON状態になったことは、エンジンが始動されたことを意味している。
【0145】
CPU28は、ACC電源がOFF状態からON状態になっていないとS211において判断すると、エンジンスタートリレー24がOFF状態になったか否かを判断する(S212)。
【0146】
CPU28は、エンジンスタートリレー24がOFF状態になっていないとS212において判断すると、S211の処理を実行する。
【0147】
CPU28は、ACC電源がOFF状態からON状態になったとS211において判断すると、車両90のエンジンの始動を示す履歴を履歴情報27aに書き込む(S213)。S213において履歴情報27aに書き込まれた履歴は、オフライン状態であった場合に履歴情報27aに書き込まれた履歴として、次回のS134(
図11参照。)の処理において携帯端末30に送信されるものである。
【0148】
CPU28は、S213の処理の後、ACC電源がON状態からOFF状態になったと判断するまで、ACC電源がON状態からOFF状態になったか否かをACC入力部22aへの入力に基づいて判断する(S214)。ここで、ACC電源がON状態からOFF状態になったことは、上述したように、エンジンが停止したことを意味している。
【0149】
CPU28は、ACC電源がON状態からOFF状態になったとS214において判断すると、車両90のエンジンの停止を示す履歴を履歴情報27aに書き込む(S215)。S215において履歴情報27aに書き込まれた履歴は、オフライン状態であった場合に履歴情報27aに書き込まれた履歴として、次回のS134の処理において携帯端末30に送信されるものである。
【0150】
CPU28は、S215の処理が終了すると、S211の処理を実行する。
【0151】
CPU28は、エンジンスタートリレー24がOFF状態になったとS212において判断すると、
図15に示す動作を終了する。
【0152】
図14に示すように、CPU28は、S189の処理の後、非常ボタン23が有効であることが非常ボタン情報に示されているか否かを判断する(S190)。
【0153】
CPU28は、非常ボタン23が有効であることが非常ボタン情報に示されていない、すなわち、非常ボタン23が無効であることが非常ボタン情報に示されているとS190において判断すると、始動可時間用タイマーの値が0であるか否かを判断する(S191)。
【0154】
CPU28は、始動可時間用タイマーの値が0ではないとS191において判断すると、S190の処理を実行する。
【0155】
CPU28は、始動可時間用タイマーの値が0であるとS191において判断すると、始動可時間用タイマーのカウントダウンを終了する(S192)。
【0156】
CPU28は、S192の処理の後、エンジンスタートリレー24をOFF状態にする(S193)。したがって、車両90は、エンジンを始動することができなくなる。
【0157】
CPU28は、S193の処理の後、非常時モードの終了を示す履歴を履歴情報27aに書き込む(S194)。S194において履歴情報27aに書き込まれた履歴は、オフライン状態であった場合に履歴情報27aに書き込まれた履歴として、次回のS134(
図11参照。)の処理において携帯端末30に送信されるものである。
【0158】
CPU28は、S194の処理の後、ブザー26による警告音の出力を終了する(S195)。
【0159】
CPU28は、S195の処理の後、ワイパーリレー25をOFF状態(開状態)にする(S196)。ワイパーリレー25がOFF状態になると、ワイパーリレー25に電気的に接続されているワイパーモーター96には、ワイパースイッチ97がON状態にならない限り、+B電源から電力が供給されることがない。したがって、車両90のワイパーは、ワイパースイッチ97がON状態にならない限り動かない。
【0160】
CPU28は、S196の処理が終了すると、S181の処理を実行する。
【0161】
CPU28は、非常ボタン23が有効であることが非常ボタン情報に示されているとS190において判断すると、始動可時間用タイマーのカウントダウンを終了して(S197)、S181の処理を実行する。
【0162】
図16は、非常ボタン23が有効化される場合のインターロック装置20の動作のフローチャートである。
【0163】
インターロック装置20のCPU28は、非常ボタン23を有効化する指示である非常ボタン有効化指示をBLEで送信する図示していない専用の電子機器(以下「BLE送信機」という。)から非常ボタン有効化指示を受信した場合、
図16に示す動作を実行する。BLE送信機は、例えばディーラーのサービス部門など、特定の部署または特定の人によって管理されている。BLE送信機の利用者は、例えば携帯端末30に発生した不具合が解消された場合に、非常ボタン有効化指示をBLE送信機からインターロック装置20に送信しても良い。
【0164】
図16に示すように、CPU28は、非常ボタン23が有効であることを非常ボタン情報に書き込む(S231)。したがって、非常ボタン23が有効であることが非常ボタン情報に示されているとS183およびS190(
図14参照。)において判断されるようになり、非常ボタン23は、再度使用可能になる。
【0165】
次いで、CPU28は、エンジンスタートリレー24がON状態であるか否かを判断する(S232)。
【0166】
CPU28は、エンジンスタートリレー24がON状態であるとS232において判断すると、S193~S196(
図14参照。)の処理と同様のS233~S236の処理を実行する。
【0167】
CPU28は、エンジンスタートリレー24がOFF状態であるとS232において判断するか、S236の処理が終了すると、
図16に示す動作を終了する。
【0168】
次に、車両90の不正な運転に対して警告音を発する場合のインターロック装置20の動作について説明する。
【0169】
車両90を盗もうとする者は、例えば、エンジンスタートリレー24のスイッチの両側の端子を短絡することによって、車両90のエンジンを不正に始動可能にする可能性がある。車両90を盗もうとする者がエンジンスタートリレー24のスイッチの両側の端子を短絡して車両90のエンジンを不正に始動させて車両90を運転した場合、エンジンスタートリレー24がOFF状態である場合であっても車速パルスが発生する。
【0170】
図17は、車両90の不正な運転に対して警告音を発する場合のインターロック装置20の動作のフローチャートである。
【0171】
インターロック装置20のCPU28は、インターロック装置20が起動されると、
図17に示す動作を実行する。
【0172】
図17に示すように、CPU28は、エンジンスタートリレー24がOFF状態であると判断するまで、エンジンスタートリレー24がOFF状態であるか否かを判断する(S251)。
【0173】
CPU28は、エンジンスタートリレー24がOFF状態であると判断すると、車速パルスが発生したか否かを車速パルス入力部22bへの入力に基づいて判断する(S252)。
【0174】
CPU28は、車速パルスが発生したとS252において判断すると、ブザー26によって警告音を出力する(S253)。したがって、CPU28は、エンジンスタートリレー24がOFF状態である場合に車速パルスが発生したこと、すなわち、車両90が不正に運転されている可能性があることを、ブザー26によって出力された警告音によって通知することができる。
【0175】
CPU28は、車速パルスが発生していないとS252において判断するか、S253の処理が終了すると、S251の処理を実行する。
【0176】
図18は、本実施の形態に係る履歴情報37cの一部の一例を示す図である。
【0177】
図18に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月20日10時12分42秒」の履歴は、S105において書き込まれた、免許証確認の失敗を示す履歴である。
【0178】
図18に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月20日10時15分21秒」の履歴は、S114において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の失敗とを示す履歴である。
【0179】
図18に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月21日10時19分34秒」の履歴は、S146において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴である。
【0180】
図18に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月21日10時22分34秒」の履歴は、S164において履歴情報27aに書き込まれた履歴に基づいてS136において履歴情報37cに書き込まれた、タイムアウトの発生と、エンジンスタートリレー24のOFF状態の完了とを示す履歴である。
【0181】
図18に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月21日10時26分56秒」の履歴は、S146において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴である。
【0182】
図18に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月21日10時27分47秒」の履歴は、S165において履歴情報27aに書き込まれた履歴に基づいてS136において履歴情報37cに書き込まれた、車両90のエンジンの始動を示す履歴である。
【0183】
図18に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月21日10時52分39秒」の履歴は、S168において履歴情報27aに書き込まれた履歴に基づいてS136において履歴情報37cに書き込まれた、車両90のエンジンの停止と、エンジンスタートリレー24のOFF状態の完了とを示す履歴である。
【0184】
図18に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月22日12時34分22秒」の履歴は、S187において履歴情報27aに書き込まれた履歴に基づいてS136において履歴情報37cに書き込まれた、非常時モードの開始を示す履歴である。
【0185】
図18に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月22日12時36分59秒」の履歴は、S213において履歴情報27aに書き込まれた履歴に基づいてS136において履歴情報37cに書き込まれた、車両90のエンジンの始動を示す履歴である。
【0186】
図18に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月22日12時53分05秒」の履歴は、S215において履歴情報27aに書き込まれた履歴に基づいてS136において履歴情報37cに書き込まれた、車両90のエンジンの停止を示す履歴である。
【0187】
図18に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月23日12時34分22秒」の履歴は、S194またはS234において履歴情報27aに書き込まれた履歴に基づいてS136において履歴情報37cに書き込まれた、非常時モードの終了を示す履歴である。
【0188】
以上に説明したように、車両インターロックシステム10は、携帯端末30を利用した携帯端末30の利用者の顔認証が失敗した場合に、車両のエンジンの始動をインターロック装置20に許可させない(S113~S117)ので、例えば車両90を盗もうとする者など、正規の運転者ではない者によって車両90が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0189】
車両インターロックシステム10は、携帯端末30を利用した携帯端末30の利用者の顔認証が失敗した場合に、携帯端末30の利用者の顔認証が失敗したことを示す情報を特定の宛先に送信する(S113)ので、正規の運転者ではない者によって車両90が不正に運転されそうになったことを、例えば車両90の所有者など、第三者に認識させることができ、その結果、正規の運転者ではない者によって車両90が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0190】
(第2の実施の形態)
まず、本発明の第2の実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成について説明する。
【0191】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成は、以下に説明する構成を除いて、第1の実施の形態に係る車両インターロックシステム10(
図1参照。)の構成と同様である。したがって、本実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成要素のうち、第1の実施の形態に係る車両インターロックシステム10の構成要素と同様な構成要素については、第1の実施の形態に係る車両インターロックシステム10の構成要素と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0192】
図19は、本実施の形態に係る携帯端末30のブロック図である。
【0193】
図19に示すように、本実施の形態に係る携帯端末30の制御部38は、インターロック用アプリ37bを実行することによって、インターロック制御部38e、情報送信部38f、履歴書込部38gおよび通知実行部38hと、携帯端末30の利用者の認知機能の判定を実行する認知機能判定部38iとを実現する。
【0194】
次に、本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作について説明する。
【0195】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作は、以下に説明する動作を除いて、第1の実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作と同様である。
【0196】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作は、
図12に示す動作に代えて、
図20に示す動作を実行する。
【0197】
図20は、本実施の形態に係る車両インターロックシステムにおける、
図11に示すメイン処理のシーケンス図である。
【0198】
図20に示すように、携帯端末30の認知機能判定部38iは、S133(
図11参照。)において送信された情報を携帯端末30が受信すると、携帯端末30の利用者の認知機能のテスト(以下「認知テスト」という。)を実行する(S311)。
【0199】
図21(a)は、認知テストの実行画面であるテスト実行画面74の一例を表示している場合の携帯端末30の正面図である。
図21(b)は、テスト実行画面74の、
図21(a)に示す例とは異なる一例を表示している場合の携帯端末30の正面図である。
【0200】
図21(a)に示すテスト実行画面74は、認知テストにおける質問に対する回答の入力に使用されるテンキー74aと、認知テストにおける質問の1つである計算問題の式を示す式表示領域74bと、テンキー74aによって入力された回答が表示される回答表示領域74cとを含んでいる。
【0201】
図21(b)に示すテスト実行画面74は、認知テストにおける質問に対する回答の入力に使用されるテンキー74aと、認知テストにおける質問の1つである本日の日付の質問を示す質問表示領域74dと、テンキー74aによって入力された回答が表示される回答表示領域74eとを含んでいる。
【0202】
図21(a)および
図21(b)に示す質問は、あくまで例である。認知機能判定部38iは、S311において実行される認知テストにおける質問が毎回同一になることを防止するために、認知テストの実行の度に、一般的な多数の質問から複数の質問をランダムに抽出して、抽出した複数の質問を表示部32に1つずつ順番に表示する。そして、認知機能判定部38iは、認知テストの得点が特定の閾値以上である場合に認知機能が正常であると判定し、認知テストの得点が特定の閾値未満である場合に認知機能が正常ではないと判定しても良い。なお、認知機能が正常である人間であっても、例えば勘違いなど、何らかの原因によって、認知テストの得点が特定の閾値未満になってしまう場合が有り得る。したがって、認知機能判定部38iは、認知テストの得点が特定の閾値以上である場合に認知機能が正常であると判定し、認知テストの得点が特定の閾値未満である場合に認知テストを再度実行し、連続する例えば3回などの特定の回数の認知テストの全てで得点が特定の閾値未満である場合に認知機能が正常ではないと判定しても良い。
【0203】
図22(a)は、認知テストの結果を表示するためのテスト結果画面75の一例を表示している場合の携帯端末30の正面図である。
図22(b)は、テスト結果画面75の、
図22(a)に示す例とは異なる一例を表示している場合の携帯端末30の正面図である。
【0204】
図22(a)に示すテスト結果画面75は、認知テストの結果として認知機能が正常であることを示す画面である。認知機能判定部38iは、S311において実行した認知テストによって、認知機能が正常であると判定した場合に、
図22(a)に示すテスト結果画面75を表示部32に表示する。
【0205】
図22(b)に示すテスト結果画面75は、認知テストの結果として認知機能が正常ではないことを示す画面である。認知機能判定部38iは、S311において実行した認知テストによって、認知機能が正常ではないと判定した場合に、
図22(b)に示すテスト結果画面75を表示部32に表示する。
【0206】
図20に示すように、携帯端末30のインターロック制御部38eは、認知機能が正常ではないとS311において判定された場合、認知機能が正常ではないことを示す情報をインターロック装置20に送信する(S321)。
【0207】
また、携帯端末30の情報送信部38fは、認知機能が正常ではないとS311において判定された場合、認知機能が正常ではないことを示す情報を特定の宛先に送信する(S322)。
【0208】
また、携帯端末30の履歴書込部38gは、認知機能が正常ではないとS311において判定された場合、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常ではないことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴を履歴情報37cに書き込む(S323)。
【0209】
また、携帯端末30の通知実行部38hは、認知機能が正常ではないとS311において判定された場合、「あなたはエンジンを始動できません。」という旨を例えば表示部32およびスピーカー34の少なくとも1つを介して携帯端末30の利用者に通知する(S324)。
【0210】
インターロック装置20のCPU28は、S321において送信された情報をインターロック装置20が受信すると、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常ではないことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴を履歴情報27aに書き込む(S325)。
【0211】
第三者端末50の履歴書込部58aは、S322において送信された情報を第三者端末50が受信すると、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常ではないことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴を履歴情報57bに書き込む(S326)。
【0212】
第三者端末50の通知実行部58bは、S322において送信された情報を第三者端末50が受信すると、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常ではないことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを例えば表示部52およびスピーカー54の少なくとも1つを介して利用者に通知する(S327)。
【0213】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、認知機能が正常であるとS311において判定された場合、S141~S149の処理(
図12参照。)と同様のS331~S339の処理を実行する。ただし、S334、S336、S338およびS339の処理において書き込まれ、または、通知される情報は、それぞれ、S144、S146、S148およびS149の処理において書き込まれ、または、通知される情報において、認知機能が正常であることが追加された情報である。
【0214】
図23は、本実施の形態に係る履歴情報37cの一部の一例を示す図である。
【0215】
図23に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月26日10時12分08秒」の履歴は、S323において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常ではないことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴である。
【0216】
図23に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月27日10時11分49秒」の履歴は、S336において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常であることと、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴である。
【0217】
なお、履歴情報27a、履歴情報37cおよび履歴情報57bは、認知機能が正常であるか否かを示す履歴に、認知テストの結果である実際の得点を含んでも良い。
【0218】
以上に説明したように、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、携帯端末30を利用した携帯端末30の利用者の顔認証が成功した場合であっても、携帯端末30の利用者の認知機能の判定の結果が、正常ではないというものであるとき、車両90のエンジンの始動をインターロック装置20に許可させない(S321~S327)ので、認知機能が正常ではない者によって車両90が不正に運転される可能性を低減することができる。したがって、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、例えば、認知症の運転者による逆走運転、信号無視などの交通違反の発生の可能性を低減することができる。
【0219】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、携帯端末30の利用者の認知機能の判定の結果が、正常ではないというものである場合に、利用者の認知機能が正常ではないことを示す情報を特定の宛先に送信する(S322)ので、認知機能が正常ではない者によって車両90が不正に運転されそうになったことを、例えば運転者の家族など、第三者に認識させることができ、その結果、認知機能が正常ではない者によって車両90が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0220】
(第3の実施の形態)
まず、本発明の第3の実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成について説明する。
【0221】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成は、以下に説明する構成を除いて、第2の実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成と同様である。したがって、本実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成要素のうち、第2の実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成要素と同様な構成要素については、第2の実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成要素と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0222】
図24は、本実施の形態に係る第三者端末50のブロック図である。
【0223】
図24に示すように、本実施の形態に係る第三者端末50の制御部58は、インターロック用アプリ57aを実行することによって、履歴書込部58aおよび通知実行部58bと、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を第三者端末50の利用者から受け付ける指示受付部58cとを実現する。
【0224】
次に、本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作について説明する。
【0225】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作は、以下に説明する動作を除いて、第2の実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作と同様である。
【0226】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作は、
図20に示す動作に代えて、
図25に示す動作を実行する。
【0227】
図25は、本実施の形態に係る車両インターロックシステムにおける、
図11に示すメイン処理のシーケンス図である。
【0228】
図25に示すように、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、
図20に示す動作と同様に、S311の処理を実行する。
【0229】
携帯端末30の情報送信部38fは、S311の処理の後、S311において実行された認知テストの結果を示す情報を特定の宛先に送信する(S341)。
【0230】
第三者端末50の通知実行部58bは、S341において送信された情報を第三者端末50が受信すると、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、S341において送信されてきた認知テストの結果とを例えば表示部52およびスピーカー54の少なくとも1つを介して利用者に通知する(S342)。
【0231】
第三者端末50の指示受付部58cは、S342の処理の後、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を第三者端末50の利用者から受け付けるための指示受付画面を第三者端末50の表示部52に表示する(S343)。例えば、第三者端末50の利用者は、第三者端末50と、携帯端末30との間で実現する音声通話およびビデオ通話の少なくとも1つによって携帯端末30の利用者と話した上で、車両90のエンジンの始動を許可するか否かを決定することもできる。第三者端末50の利用者は、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を例えば操作部51経由で指示受付画面に入力することができる。
【0232】
指示受付部58cは、S343の処理の後、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を指示受付画面を介して受け付けると、受け付けた指示を示す情報を携帯端末30に送信する(S344)。なお、指示受付部58cは、S344において携帯端末30に送信する情報を、S341において携帯端末30から送信されてきた情報に対する返信データとして送信しても良い。
【0233】
携帯端末30のインターロック制御部38eは、S344において送信されてきた指示が、車両90のエンジンの始動を許可しない指示である場合、S311において実行された認知テストの結果と、車両90のエンジンの始動を許可しない指示とを示す情報をインターロック装置20に送信する(S351)。
【0234】
また、携帯端末30の情報送信部38fは、S344において送信されてきた指示が、車両90のエンジンの始動を許可しない指示である場合、S311において実行された認知テストの結果と、車両90のエンジンの始動を許可しない指示とを示す情報を特定の宛先に送信する(S352)。
【0235】
また、携帯端末30の履歴書込部38gは、S344において送信されてきた指示が、車両90のエンジンの始動を許可しない指示である場合、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、S311において実行された認知テストの結果と、車両90のエンジンの始動を許可しない指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴を履歴情報37cに書き込む(S353)。
【0236】
また、携帯端末30の通知実行部38hは、S344において送信されてきた指示が、車両90のエンジンの始動を許可しない指示である場合、「あなたはエンジンを始動できません。」という旨を例えば表示部32およびスピーカー34の少なくとも1つを介して携帯端末30の利用者に通知する(S354)。
【0237】
インターロック装置20のCPU28は、S351において送信された情報をインターロック装置20が受信すると、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、S351において送信されてきた認知テストの結果と、車両90のエンジンの始動を許可しない指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴を履歴情報27aに書き込む(S355)。
【0238】
第三者端末50の履歴書込部58aは、S352において送信された情報を第三者端末50が受信すると、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、S352において送信されてきた認知テストの結果と、車両90のエンジンの始動を許可しない指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴を履歴情報57bに書き込む(S356)。
【0239】
携帯端末30のインターロック制御部38eは、S344において送信されてきた指示が、車両90のエンジンの始動を許可する指示である場合、S311において実行された認知テストの結果と、車両90のエンジンの始動を許可する指示とを示す情報をインターロック装置20に送信する(S361)。
【0240】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、S361の処理の後、S332~S339の処理(
図20参照。)と同様のS362~S369の処理を実行する。
【0241】
ただし、S364の処理において、インターロック装置20のCPU28は、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、S361において送信されてきた認知テストの結果と、車両90のエンジンの始動を許可する指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴を履歴情報27aに書き込む。
【0242】
また、S365の処理において、携帯端末30の情報送信部38fは、エンジンスタートリレー24のON状態の完了と、S311において実行された認知テストの結果と、車両90のエンジンの始動を許可する指示を受け付けたこととを示す情報を送信する。
【0243】
また、S366の処理において、携帯端末30の履歴書込部38gは、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、S311において実行された認知テストの結果と、車両90のエンジンの始動を許可する指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴を書き込む。
【0244】
また、S368の処理において、第三者端末50の履歴書込部58aは、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、S365において送信されてきた認知テストの結果と、車両90のエンジンの始動を許可する指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴を書き込む。
【0245】
また、S369の処理において、第三者端末50の通知実行部58bは、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、S365において送信されてきた認知テストの結果と、車両90のエンジンの始動を許可する指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを通知する。
【0246】
図26は、本実施の形態に係る履歴情報37cの一部の一例を示す図である。
【0247】
図26に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月24日10時05分42秒」の履歴は、S353において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常ではないことと、車両90のエンジンの始動を許可しない指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴である。
【0248】
図26に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月24日10時11分12秒」の履歴は、S366において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常ではないことと、車両90のエンジンの始動を許可する指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴である。
【0249】
図26に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月25日10時21分35秒」の履歴は、S353において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常であることと、車両90のエンジンの始動を許可しない指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴である。
【0250】
図26に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月25日10時37分02秒」の履歴は、S366において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常であることと、車両90のエンジンの始動を許可する指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴である。
【0251】
なお、履歴情報27a、履歴情報37cおよび履歴情報57bは、認知機能が正常であるか否かを示す履歴に、認知テストの結果である実際の得点を含んでも良い。
【0252】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、
図25に示す動作において、認知機能が正常であるか否かにかかわらず、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を第三者端末50の利用者から受け付けて、第三者端末50の利用者から受け付けた指示に応じた動作を実行する(S341~S369)。しかしながら、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、認知機能が正常である場合にのみ、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を第三者端末50の利用者から受け付けて、第三者端末50の利用者から受け付けた指示に応じた動作を実行しても良い。すなわち、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、認知機能が正常ではない場合には、第2の実施の形態におけるS321~S327(
図20参照。)の処理と同様の処理を実行することによって、車両90のエンジンの始動を常に許可しなくても良い。また、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、認知機能が正常ではない場合にのみ、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を第三者端末50の利用者から受け付けて、第三者端末50の利用者から受け付けた指示に応じた動作を実行しても良い。すなわち、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、認知機能が正常である場合には、第2の実施の形態におけるS331~S339(
図20参照。)の処理と同様の処理を実行することによって、車両90のエンジンの始動を常に許可しても良い。
【0253】
以上に説明したように、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、利用者の認知機能の判定の結果を携帯端末30が特定の宛先に送信した(S341)後、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を携帯端末30が受信し(S344)、携帯端末30が受信した指示に応じて携帯端末30がインターロック装置20を制御する(S351およびS361)ので、利用者の認知機能の判定の結果を認識した第三者からの指示に応じてインターロック装置20に車両90のエンジンの始動を許可させたり、許可させなかったりすることができ、その結果、認知機能が正常ではない者によって車両90が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0254】
例えば、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、携帯端末30の利用者の認知機能の判定の結果が、認知機能が正常であるという結果である場合であっても、この利用者が認知症であることを、この利用者の家族など、第三者が知っているとき、車両90のエンジンの始動を許可しない指示を第三者が第三者端末50から携帯端末30に送信することができるので、この利用者によって車両90が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0255】
また、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、携帯端末30の利用者の認知機能の判定の結果が、認知機能が正常ではないという結果である場合であっても、携帯端末30の利用者の認知機能に実際には問題がないことを、携帯端末30の利用者の家族など、第三者が知っているとき、車両90のエンジンの始動を許可する指示を第三者が第三者端末50から携帯端末30に送信することができるので、利便性を向上することができる。
【0256】
(第4の実施の形態)
まず、本発明の第4の実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成について説明する。
【0257】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成は、以下に説明する構成を除いて、第1の実施の形態に係る車両インターロックシステム10(
図1参照。)の構成と同様である。したがって、本実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成要素のうち、第1の実施の形態に係る車両インターロックシステム10の構成要素と同様な構成要素については、第1の実施の形態に係る車両インターロックシステム10の構成要素と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0258】
図27は、本実施の形態に係る車両インターロックシステム400のブロック図である。
【0259】
図27に示すように、車両インターロックシステム400の構成は、車両90の運転者の呼気中のアルコール濃度の測定(以下「アルコール測定」という。)を実行するためのアルコール測定装置40を、第1の実施の形態に係る車両インターロックシステム10(
図1参照。)が備えた構成と同様である。
【0260】
携帯端末30と、アルコール測定装置40とは、携帯端末30をマスターとしアルコール測定装置40をスレーブとするBLEで通信可能である。携帯端末30と、アルコール測定装置40とは、後述の
図30に示す動作の前に、ペアリングされることが好ましい。携帯端末30と、アルコール測定装置40との間のBLEでの通信は、第三者が通信内容を解析することができないように暗号化される。携帯端末30と、アルコール測定装置40との間の通信の暗号化方式は、共通鍵暗号方式、公開鍵暗号方式、ハイブリッド暗号方式など、既知の方式でも良い。
【0261】
図28は、本実施の形態に係る携帯端末30のブロック図である。
【0262】
図28に示すように、本実施の形態に係る携帯端末30の制御部38は、インターロック用アプリ37bを実行することによって、インターロック制御部38e、情報送信部38f、履歴書込部38gおよび通知実行部38hと、利用者の呼気中のアルコール濃度が正常であるか否かの判定(以下「アルコール濃度判定」という。)を実行するアルコール濃度判定部38jとを実現する。
【0263】
図29は、アルコール測定装置40のブロック図である。
【0264】
図27および
図29に示すように、アルコール測定装置40は、筐体41aと、筐体41aに対して着脱可能であり、被測定者によって咥えられて呼気が吹き込まれるマウスピース41bと、呼気中のアルコール濃度の測定を開始するためのスイッチ42と、アルコール濃度などの情報を表示するためのLCDなどの表示デバイスである表示部43と、マウスピース41bに吹き込まれた呼気の強さとしての呼気圧を検出する呼気圧センサー44と、マウスピース41bに吹き込まれた呼気を吸引する吸引ポンプ45と、吸引ポンプ45によって吸引された呼気中のアルコール濃度を検出するアルコールセンサー46と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部47と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリーなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部48と、アルコール測定装置40全体を制御する制御部49とを備えている。
【0265】
制御部49は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部49のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部49のCPUは、記憶部48または制御部49のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0266】
なお、車両90の運転者は、アルコール測定装置40の不具合が発生することによって、後述の
図30に示す動作を正常に実行することができない場合に、非常ボタン23を押しても良い。また、BLE送信機の利用者は、アルコール測定装置40に発生した不具合が解消された場合に、非常ボタン有効化指示をBLE送信機からインターロック装置20に送信しても良い。
【0267】
次に、車両インターロックシステム400の動作について説明する。
【0268】
車両インターロックシステム400の動作は、以下に説明する動作を除いて、第2の実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作と同様である。
【0269】
車両インターロックシステム400の動作は、
図20に示す動作に代えて、
図30に示す動作を実行する。
【0270】
図30は、車両インターロックシステム400における、
図11に示すメイン処理のシーケンス図である。
【0271】
図30に示すように、アルコール測定装置40の制御部49は、スイッチ42が押されると、アルコール測定装置40が携帯端末30と接続されていない状態、すなわち、オフライン状態である場合、BLEのアドバタイズを定期的に発信する。なお、アドバタイズの発信は、暗号化されていない。
【0272】
携帯端末30の制御部38がインターロック用アプリ37bを起動すると、携帯端末30のアルコール濃度判定部38jは、インターロック装置20にBLEでの接続を要求する(S411)。なお、S411における通信は、暗号化されていない。
【0273】
アルコール測定装置40の制御部49は、ペアリング済みである携帯端末30からS411における要求を受けると、携帯端末30とのBLEでの接続を完了させて(S412)、携帯端末30とのBLEでの接続の完了を示す情報を携帯端末30に送信する(S413)。
【0274】
制御部49は、S413の処理の後、呼気圧センサー44によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上であると判断してからマウスピース41bに吹き込まれた呼気の流量が特定の流量に到達した場合に、アルコール測定装置40によるアルコール濃度の測定中の被測定者の画像としての測定中画像を携帯端末30に取得させるための命令であるシャッターコマンドを携帯端末30に送信する(S414)。ここで、制御部49は、呼気圧センサー44によって検出された呼気圧に基づいて流量を算出する。
【0275】
携帯端末30のアルコール濃度判定部38jは、S414において送信されたシャッターコマンドを携帯端末30が受信すると、カメラ35によって測定中画像を撮影する(S415)。なお、アルコール濃度判定部38jは、S415において撮影した測定中画像を、不正なアルコール測定でないことの証拠として、後述のS417においてアルコール測定装置40から受信するアルコール濃度と関連付けて記憶する。
【0276】
アルコール測定装置40の制御部49は、S414の処理の後、アルコール濃度を測定する(S416)。すなわち、制御部49は、マウスピース41bに吹き込まれた呼気を吸引ポンプ45によって吸引し、吸引した呼気に対してアルコールセンサー46によって出力された信号に基づいてアルコール濃度を算出する。
【0277】
制御部49は、S416の処理の後、S416において測定したアルコール濃度を携帯端末30に送信する(S417)。
【0278】
携帯端末30のアルコール濃度判定部38jは、S417において送信されたアルコール濃度を携帯端末30が受信すると、アルコール測定装置40とのBLEでの接続を切断する(S418)。S418における通信は、暗号化されていない。なお、携帯端末30と、アルコール測定装置40とがBLEでの接続を常時維持しない理由は、例えば、携帯端末30の電池の消耗を抑えるためである。
【0279】
携帯端末30のアルコール濃度判定部38jは、S417において送信されたアルコール濃度を携帯端末30が受信すると、アルコール濃度判定を実行する(S419)。ここで、アルコール濃度判定部38jは、S417において送信されてきたアルコール濃度が特定の閾値未満である場合に、アルコール濃度が正常であると判定し、S417において送信されてきたアルコール濃度が特定の閾値以上である場合に、アルコール濃度が正常ではないと判定する。
【0280】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、アルコール濃度が正常ではないとS419において判定された場合、S321~S327の処理(
図20参照。)と同様のS421~S427の処理を実行する。ただし、S421およびS422の処理において送信される情報は、S321およびS322の処理において送信される情報と異なり、アルコール濃度が正常ではないことを示す情報である。また、S423、S425、S426およびS427の処理において書き込まれ、または、通知される情報は、それぞれ、S323、S325、S326およびS327の処理において書き込まれ、または、通知される情報において、認知機能が正常ではないことに代えて、アルコール濃度が正常ではないことが含まれる情報である。
【0281】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、アルコール濃度が正常であるとS419において判定された場合、S331~S339の処理(
図20参照。)と同様のS431~S439の処理を実行する。ただし、S434、S436、S438およびS439の処理において書き込まれ、または、通知される情報は、それぞれ、S334、S336、S338およびS339の処理において書き込まれ、または、通知される情報において、認知機能が正常であることに代えて、アルコール濃度が正常であることが含まれる情報である。
【0282】
図31は、本実施の形態に係る履歴情報37cの一部の一例を示す図である。
【0283】
図31に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月26日10時12分08秒」の履歴は、S423において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、アルコール濃度が正常ではないことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴である。
【0284】
図31に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月27日10時11分49秒」の履歴は、S436において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、アルコール濃度が正常であることと、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴である。
【0285】
なお、履歴情報27a、履歴情報37cおよび履歴情報57bは、アルコール濃度が正常であるか否かを示す履歴に、アルコール測定の結果である実際のアルコール濃度を含んでも良い。
【0286】
以上に説明したように、車両インターロックシステム400は、携帯端末30を利用した携帯端末30の利用者の顔認証が成功した場合であっても、携帯端末30の利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果が、正常ではないというものであるとき、車両90のエンジンの始動をインターロック装置20に許可させない(S421~S427)ので、呼気中のアルコール濃度が正常ではない者によって車両90が不正に運転される可能性を低減することができる。したがって、車両インターロックシステム400は、飲酒運転の発生の可能性を低減することができる。
【0287】
車両インターロックシステム400は、携帯端末30の利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果が、正常ではないというものである場合に、利用者の呼気中のアルコール濃度が正常ではないことを示す情報を特定の宛先に送信する(S422)ので、呼気中のアルコール濃度が正常ではない者によって車両90が不正に運転されそうになったことを、例えば、運転者が所属する事業所の本部の担当者、運転者の家族など、第三者に認識させることができ、その結果、呼気中のアルコール濃度が正常ではない者によって車両90が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0288】
(第5の実施の形態)
まず、本発明の第5の実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成について説明する。
【0289】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成は、以下に説明する構成を除いて、第4の実施の形態に係る車両インターロックシステム400(
図27参照。)の構成と同様である。したがって、本実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成要素のうち、第4の実施の形態に係る車両インターロックシステム400の構成要素と同様な構成要素については、第4の実施の形態に係る車両インターロックシステム400の構成要素と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0290】
本実施の形態に係る第三者端末50の制御部58は、
図24に示すように、インターロック用アプリ57aを実行することによって、履歴書込部58aおよび通知実行部58bと、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を第三者端末50の利用者から受け付ける指示受付部58cとを実現する。
【0291】
次に、本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作について説明する。
【0292】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作は、以下に説明する動作を除いて、第3の実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作と同様である。
【0293】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作は、
図25に示す動作に代えて、
図32に示す動作を実行する。
【0294】
図32は、本実施の形態に係る車両インターロックシステムにおける、
図11に示すメイン処理のシーケンス図である。
【0295】
図32に示すように、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、
図30に示す動作と同様に、S411~S419の処理を実行する。
【0296】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、S419の処理の後、S341~S344の処理(
図25参照。)と同様のS441~S444の処理を実行する。ただし、S441の処理において送信される情報は、S341の処理において送信される情報と異なり、S419において実行されたアルコール濃度判定の結果を示す情報である。また、S442の処理において通知される情報は、S342の処理において通知される情報において、認知テストの結果に代えて、アルコール濃度判定の結果が含まれる情報である。
【0297】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、S444において送信された指示が、車両90のエンジンの始動を許可しない指示である場合、S351~S356の処理(
図25参照。)と同様のS451~S456の処理を実行する。ただし、S451、S452、S453、S455およびS456の処理において送信され、書き込まれ、または、通知される情報は、それぞれ、S351、S352、S353、S355およびS356の処理において送信され、書き込まれ、または、通知される情報において、認知テストの結果に代えて、S419において実行されたアルコール濃度判定の結果が含まれる情報である。
【0298】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、S444において送信された指示が、車両90のエンジンの始動を許可する指示である場合、S361~S369の処理(
図25参照。)と同様のS461~S469の処理を実行する。ただし、S461、S464、S465、S466、S468およびS469の処理において送信され、書き込まれ、または、通知される情報は、それぞれ、S361、S364、S365、S366、S368およびS369の処理において送信され、書き込まれ、または、通知される情報において、認知テストの結果に代えて、S419において実行されたアルコール濃度判定の結果が含まれる情報である。
【0299】
図33は、本実施の形態に係る履歴情報37cの一部の一例を示す図である。
【0300】
図33に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月24日10時05分42秒」の履歴は、S453において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、アルコール濃度が正常ではないことと、車両90のエンジンの始動を許可しない指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴である。
【0301】
図33に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月24日10時11分12秒」の履歴は、S466において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、アルコール濃度が正常ではないことと、車両90のエンジンの始動を許可する指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴である。
【0302】
図33に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月25日10時21分35秒」の履歴は、S453において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、アルコール濃度が正常であることと、車両90のエンジンの始動を許可しない指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴である。
【0303】
図33に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月25日10時37分02秒」の履歴は、S466において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、アルコール濃度が正常であることと、車両90のエンジンの始動を許可する指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴である。
【0304】
なお、履歴情報27a、履歴情報37cおよび履歴情報57bは、アルコール濃度が正常であるか否かを示す履歴に、アルコール測定の結果である実際のアルコール濃度を含んでも良い。
【0305】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、
図32に示す動作において、アルコール濃度が正常であるか否かにかかわらず、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を第三者端末50の利用者から受け付けて、第三者端末50の利用者から受け付けた指示に応じた動作を実行する(S441~S469)。しかしながら、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、アルコール濃度が正常である場合にのみ、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を第三者端末50の利用者から受け付けて、第三者端末50の利用者から受け付けた指示に応じた動作を実行しても良い。すなわち、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、アルコール濃度が正常ではない場合には、第4の実施の形態におけるS421~S427(
図30参照。)の処理と同様の処理を実行することによって、車両90のエンジンの始動を常に許可しなくても良い。また、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、アルコール濃度が正常ではない場合にのみ、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を第三者端末50の利用者から受け付けて、第三者端末50の利用者から受け付けた指示に応じた動作を実行しても良い。すなわち、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、アルコール濃度が正常である場合には、第4の実施の形態におけるS431~S439(
図30参照。)の処理と同様の処理を実行することによって、車両90のエンジンの始動を常に許可しても良い。
【0306】
以上に説明したように、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果を携帯端末30が特定の宛先に送信した(S451)後、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を携帯端末30が受信し(S444)、携帯端末30が受信した指示に応じて携帯端末30がインターロック装置20を制御する(S451およびS461)ので、利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果を認識した第三者からの指示に応じてインターロック装置20に車両90のエンジンの始動を許可させたり、許可させなかったりすることができ、その結果、呼気中のアルコール濃度が正常ではない者によって車両90が不正に運転される可能性を低減することができる。
【0307】
例えば、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、携帯端末30の利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果が、呼気中のアルコール濃度が正常であるという結果である場合であっても、この利用者がアルコール依存症であることを、この利用者の家族など、第三者が知っているときなど、この利用者による不正なアルコール濃度の測定の可能性を第三者が疑っているとき、車両90のエンジンの始動を許可しない指示を第三者が第三者端末50から携帯端末30に送信することができるので、この利用者によって車両90が不正に運転される可能性を低減することができる。例えば、第三者端末50の利用者は、第三者端末50と、携帯端末30との間で実現する音声通話およびビデオ通話の少なくとも1つによって携帯端末30の利用者と話した上で、携帯端末30の利用者の呂律に基づいて、携帯端末30の利用者が酔っているか否かを判断し、車両90のエンジンの始動を許可するか否かを決定することもできる。また、第三者端末50の利用者は、第三者端末50と、携帯端末30との間で実現するビデオ通話によって携帯端末30の利用者と話した上で、携帯端末30の利用者の表情に基づいて、携帯端末30の利用者が酔っているか否かを判断し、車両90のエンジンの始動を許可するか否かを決定することもできる。また、第三者端末50の利用者は、第三者端末50と、携帯端末30との間で実現する音声通話およびビデオ通話の少なくとも1つによって携帯端末30の利用者と話した上で、携帯端末30の利用者に成りすました者が呼気中のアルコール濃度を測定したか否かを判断し、車両90のエンジンの始動を許可するか否かを決定することもできる。
【0308】
また、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、携帯端末30の利用者の呼気中のアルコール濃度の判定の結果が、呼気中のアルコール濃度が正常ではないという結果である場合であっても、例えばアルコール測定装置40の故障が原因で呼気中のアルコール濃度が正常ではないという結果が出ているとき、携帯端末30の利用者から連絡を受けた第三者が、車両90のエンジンの始動を許可する指示を第三者端末50から携帯端末30に送信することができるので、利便性を向上することができる。
【0309】
(第6の実施の形態)
まず、本発明の第6の実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成について説明する。
【0310】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成は、以下に説明する構成を除いて、第4の実施の形態に係る車両インターロックシステム400(
図27参照。)の構成と同様である。したがって、本実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成要素のうち、第4の実施の形態に係る車両インターロックシステム400の構成要素と同様な構成要素については、第4の実施の形態に係る車両インターロックシステム400の構成要素と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0311】
図34は、本実施の形態に係る携帯端末30のブロック図である。
【0312】
図34に示すように、本実施の形態に係る携帯端末30の制御部38は、インターロック用アプリ37bを実行することによって、インターロック制御部38e、情報送信部38f、履歴書込部38g、通知実行部38hおよびアルコール濃度判定部38jと、携帯端末30の利用者の認知機能の判定を実行する認知機能判定部38iとを実現する。
【0313】
次に、本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作について説明する。
【0314】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作は、以下に説明する動作を除いて、第4の実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作と同様である。
【0315】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作は、
図30に示す動作に代えて、
図35に示す動作を実行する。
【0316】
図35は、本実施の形態に係る車両インターロックシステムにおける、
図11に示すメイン処理のシーケンス図である。
【0317】
図35に示すように、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、S311~S327の処理(
図20参照。)と同様のS511~S527の処理を実行する。
【0318】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、認知機能が正常であるとS511において判定された場合、S411~S439の処理(
図30参照。)と同様のS531~S559の処理を実行する。ただし、S543、S545、S546、S547、S554、S556、S558およびS559の処理において書き込まれ、または、通知される情報は、それぞれ、S423、S425、S426、S427、S434、S436、S438およびS439の処理において書き込まれ、または、通知される情報において、認知機能が正常であることが追加された情報である。
【0319】
図36は、本実施の形態に係る履歴情報37cの一部の一例を示す図である。
【0320】
図36に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月26日10時12分08秒」の履歴は、S543において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常であることと、アルコール濃度が正常ではないことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴である。
【0321】
図36に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月27日10時11分49秒」の履歴は、S556において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常であることと、アルコール濃度が正常であることと、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴である。
【0322】
なお、履歴情報27a、履歴情報37cおよび履歴情報57bは、認知機能が正常であるか否かを示す履歴に、認知テストの結果である実際の得点を含んでも良い。同様に、履歴情報27a、履歴情報37cおよび履歴情報57bは、アルコール濃度が正常であるか否かを示す履歴に、アルコール測定の結果である実際のアルコール濃度を含んでも良い。
【0323】
(第7の実施の形態)
まず、本発明の第7の実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成について説明する。
【0324】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成は、以下に説明する構成を除いて、第6の実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成と同様である。したがって、本実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成要素のうち、第6の実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成要素と同様な構成要素については、第6の実施の形態に係る車両インターロックシステムの構成要素と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0325】
本実施の形態に係る第三者端末50の制御部58は、
図24に示すように、インターロック用アプリ57aを実行することによって、履歴書込部58aおよび通知実行部58bと、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を第三者端末50の利用者から受け付ける指示受付部58cとを実現する。
【0326】
次に、本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作について説明する。
【0327】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作は、以下に説明する動作を除いて、第6の実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作と同様である。
【0328】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムの動作は、
図35に示す動作に代えて、
図37に示す動作を実行する。
【0329】
図37は、本実施の形態に係る車両インターロックシステムにおける、
図11に示すメイン処理のシーケンス図である。
【0330】
図37に示すように、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、
図35に示す動作と同様に、S511~S539の処理を実行する。
【0331】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、S539の処理の後、S441~S469の処理(
図32参照。)と同様のS561~S589の処理を実行する。ただし、S562、S573、S575、S576、S584、S586、S588およびS589の処理において通知され、または、書き込まれる情報は、それぞれ、S442、S453、S455、S456、S464、S466、S468およびS469の処理において通知され、または、書き込まれる情報において、認知機能が正常であることが追加された情報である。
【0332】
図38は、本実施の形態に係る履歴情報37cの一部の一例を示す図である。
【0333】
図38に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月24日10時05分42秒」の履歴は、S573において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常であることと、アルコール濃度が正常ではないことと、車両90のエンジンの始動を許可しない指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴である。
【0334】
図38に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月24日10時11分12秒」の履歴は、S586において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常であることと、アルコール濃度が正常ではないことと、車両90のエンジンの始動を許可する指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴である。
【0335】
図38に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月25日10時21分35秒」の履歴は、S573において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常であることと、アルコール濃度が正常であることと、車両90のエンジンの始動を許可しない指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24がOFF状態であることとを示す履歴である。
【0336】
図38に示す履歴情報37cにおいて、「2022年04月25日10時37分02秒」の履歴は、S586において書き込まれた、免許証確認の成功と、顔認証の成功と、認知機能が正常であることと、アルコール濃度が正常であることと、車両90のエンジンの始動を許可する指示を受け付けたことと、エンジンスタートリレー24のON状態の完了とを示す履歴である。
【0337】
なお、履歴情報27a、履歴情報37cおよび履歴情報57bは、認知機能が正常であるか否かを示す履歴に、認知テストの結果である実際の得点を含んでも良い。同様に、履歴情報27a、履歴情報37cおよび履歴情報57bは、アルコール濃度が正常であるか否かを示す履歴に、アルコール測定の結果である実際のアルコール濃度を含んでも良い。
【0338】
本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、
図37に示す動作において、アルコール濃度が正常であるか否かにかかわらず、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を第三者端末50の利用者から受け付けて、第三者端末50の利用者から受け付けた指示に応じた動作を実行する(S561~S589)。しかしながら、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、アルコール濃度が正常である場合にのみ、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を第三者端末50の利用者から受け付けて、第三者端末50の利用者から受け付けた指示に応じた動作を実行しても良い。すなわち、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、アルコール濃度が正常ではない場合には、第6の実施の形態におけるS541~S547(
図35参照。)の処理と同様の処理を実行することによって、車両90のエンジンの始動を常に許可しなくても良い。また、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、アルコール濃度が正常ではない場合にのみ、車両90のエンジンの始動を許可するか否かの指示を第三者端末50の利用者から受け付けて、第三者端末50の利用者から受け付けた指示に応じた動作を実行しても良い。すなわち、本実施の形態に係る車両インターロックシステムは、アルコール濃度が正常である場合には、第6の実施の形態におけるS551~S559(
図35参照。)の処理と同様の処理を実行することによって、車両90のエンジンの始動を常に許可しても良い。
【0339】
携帯端末30の本人認証部38aは、以上の各実施の形態において、携帯端末30を利用した携帯端末30の利用者の顔認証の実行を認証サーバー60に依頼する。しかしながら、本人認証部38aは、携帯端末30を利用した携帯端末30の利用者の顔認証に加えて、または、携帯端末30を利用した携帯端末30の利用者の顔認証に代えて、携帯端末30を利用した携帯端末30の利用者の顔認証以外の生体認証の実行を認証サーバー60に依頼しても良い。ここで、顔認証以外の生体認証としては、例えば、指紋認証、声紋認証などが採用されることが可能である。また、本人認証部38aは、携帯端末30を利用した携帯端末30の利用者の生体認証に加えて、または、携帯端末30を利用した携帯端末30の利用者の生体認証に代えて、携帯端末30を利用した携帯端末30の認証の実行を認証サーバー60に依頼しても良い。ここで、携帯端末30を利用した携帯端末30の認証は、例えば、携帯端末30のIP(Internet Protocol)アドレスが認証サーバー60に登録されているIPアドレスと一致する場合に成功したと判断されても良いし、携帯端末30のSIM(Subscriber Identity Module)カード内の電話番号が認証サーバー60に登録されている電話番号と一致する場合に成功したと判断されても良い。
【0340】
インターロック装置20は、以上の各実施の形態において、車両90の動力源としてのエンジンの始動を防止するものである。しかしながら、インターロック装置20は、動力源がエンジンではない車両にも同様に適用可能である。例えば、インターロック装置20は、電気自動車の動力源としてのモーターの始動を防止するものでも良い。
【0341】
インターロック装置20と、携帯端末30とは、以上の各実施の形態において、BLEで通信可能である。しかしながら、インターロック装置20と、携帯端末30とは、例えばWi-FiなどのBLE以外の無線通信で通信可能でも良いし、有線通信で通信可能でも良い。インターロック装置20と、携帯端末30とが有線通信で通信する場合、インターロック装置20と、携帯端末30との間の通信は、暗号化されなくても良い。
【0342】
同様に、携帯端末30と、アルコール測定装置40とは、第4の実施の形態~第7の実施の形態において、BLEで通信可能である。しかしながら、携帯端末30と、アルコール測定装置40とは、例えばWi-FiなどのBLE以外の無線通信で通信可能でも良いし、有線通信で通信可能でも良い。携帯端末30と、アルコール測定装置40とが有線通信で通信する場合、携帯端末30と、アルコール測定装置40との間の通信は、暗号化されなくても良い。
【符号の説明】
【0343】
10 車両インターロックシステム
20 インターロック装置
30 携帯端末
37a 本人認証アプリ(インターロック用プログラム)
37b インターロック用アプリ(インターロック用プログラム)
38b 情報送信部
38e インターロック制御部
38f 情報送信部
400 車両インターロックシステム