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特開2024-82435会議制御システム、会議制御方法及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082435
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】会議制御システム、会議制御方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20240613BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20240613BHJP
【FI】
H04N7/15
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196284
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小柴 聡
【テーマコード(参考)】
5C164
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164UB81S
5C164VA07S
5C164VA13P
5C164VA51S
5L010AA11
5L010AA20
5L049AA11
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】ネットワークを介して行われる複数名が参加する会議において、ある参加者がどの参加者に対して話しているのかより容易に理解することを可能とすること。
【解決手段】ネットワークを介して行われる会議に参加しているユーザーによって指定された発話先ユーザーを示す発話先情報を取得し、前記発話先情報に基づいて前記発話先ユーザーを示す表示情報を生成する表示情報生成部と、前記会議における音声を制御する音声制御部と、を備える会議制御システムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して行われる会議に参加しているユーザーによって指定された発話先ユーザーを示す発話先情報を取得し、前記発話先情報に基づいて前記発話先ユーザーを示す表示情報を生成する表示情報生成部と、
前記会議における音声を制御する音声制御部と、
を備える会議制御システム。
【請求項2】
前記表示情報生成部は、発話元ユーザーを示す発話元情報を取得し、前記発話元情報に基づいて前記発話元ユーザーをさらに示す表示情報を生成する、請求項1に記載の会議制御システム。
【請求項3】
コンピューターが、ネットワークを介して行われる会議に参加しているユーザーによって指定された発話先ユーザーを示す発話先情報を取得し、前記発話先情報に基づいて前記発話先ユーザーを示す表示情報を生成する表示情報生成ステップと、
コンピューターが、前記会議における音声を制御する音声制御ステップと、
を有する会議制御方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の会議制御システムとしてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインで話をすることを支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワークを介して会議を行うためのシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。このようなシステムでは、各参加者の顔の映像が画面に映し出されることによって、自身以外の参加者の顔の映像を見ながら話すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-154315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなシステムでは話者がどの参加者に対して話しているのかがわかりにくいという問題があった。そのため、コミュニケーションを図るときに不自由が生じることがあった。
上記事情に鑑み、本発明は、ネットワークを介して行われる複数名が参加する会議において、ある参加者がどの参加者に対して話しているのかより容易に理解することを可能とする技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、ネットワークを介して行われる会議に参加しているユーザーによって指定された発話先ユーザーを示す発話先情報を取得し、前記発話先情報に基づいて前記発話先ユーザーを示す表示情報を生成する表示情報生成部と、前記会議における音声を制御する音声制御部と、を備える会議制御システムである。
【0006】
本発明の一態様は、上記の会議制御システムであって、前記表示情報生成部は、発話元ユーザーを示す発話元情報を取得し、前記発話元情報に基づいて前記発話元ユーザーをさらに示す表示情報を生成する。
【0007】
本発明の一態様は、コンピューターが、ネットワークを介して行われる会議に参加しているユーザーによって指定された発話先ユーザーを示す発話先情報を取得し、前記発話先情報に基づいて前記発話先ユーザーを示す表示情報を生成する表示情報生成ステップと、コンピューターが、前記会議における音声を制御する音声制御ステップと、を有する会議制御方法である。
【0008】
本発明の一態様は、上記の会議制御システムとしてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、ネットワークを介して行われる複数名が参加する会議において、ある参加者がどの参加者に対して話しているのかより容易に理解することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の会議制御システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】ユーザー端末10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図3】会議制御装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図4】ユーザー端末10に表示される画像の具体例を示す図である。
図5】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
図6】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
図7】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
図8】会議制御システム100の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図9】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の変形例を示す図である。
図10】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、2名以上のユーザーが他者に対して発話を行うための仮想的な繋がりを示す概念を会議室と呼ぶ。そのため、以下の説明における会議室は、必ずしもその名称が会議室である必要は無く、例えば単に会話と呼ばれたりセッションと呼ばれたりするものであっても、2名以上のユーザーが他者に対して発話を行う仮想的な場であれば全て以下の説明における会議室に相当する。例えば、特定のユーザー(例えば講師)が複数(50名や100名などの多数を含む)の他者に対して一方的に発話を行うセミナーやプレゼンテーションが行われる仮想的な繋がりも、以下の説明における会議室に含まれる。
【0012】
図1は、本発明の会議制御システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。会議制御システム100は、ユーザー端末10を操作するユーザー同士がネットワーク30を介して会議を行うためのシステムである。会議制御システム100は、複数のユーザー端末10及び会議制御装置20を含む。複数のユーザー端末10及び会議制御装置20は、ネットワーク30を介して通信可能に接続される。ネットワーク30は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク30は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0013】
図2は、ユーザー端末10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。ユーザー端末10は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、携帯ゲーム機、据え置き型ゲーム機、専用機器などの情報機器を用いて構成される。ユーザー端末10は、通信部11、操作部12、表示部13、音声入力部141、音声出力部142、撮像部15、記憶部16及び制御部17を備える。
【0014】
通信部11は、通信機器である。通信部11は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部11は、制御部17の制御に応じて、ネットワーク30を介して他の装置とデータ通信する。通信部11は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0015】
操作部12は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。操作部12は、ユーザーの指示をユーザー端末10に入力する際にユーザーによって操作される。操作部12は、入力装置をユーザー端末10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、操作部12は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号をユーザー端末10に入力する。操作部12は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、操作部12はユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報をユーザー端末10に入力する。この場合、操作部12は音声入力部141と一体に構成されてもよい。操作部12は、ユーザーの指示をユーザー端末10に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0016】
表示部13は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。表示部13は、会議を行う際に用いられる画像データを表示する。表示部13は、画像表示装置をユーザー端末10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、表示部13は、画像データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。
【0017】
音声入力部141は、マイクを用いて構成される。音声入力部141は、マイクそのものとして構成されてもよいし、外部機器としてマイクをユーザー端末10に接続するためのインターフェースとして構成されてもよい。マイクは、会議を行うユーザーの発話音声を取得する。音声入力部141は、マイクによって取得された音声のデータを制御部17に出力する。
【0018】
音声出力部142は、スピーカーやヘッドホンやイヤホン等の音声出力装置を用いて構成される。音声出力部142は、音声出力装置そのものとして構成されてもよいし、外部機器として音声出力装置をユーザー端末10に接続するためのインターフェースとして構成されてもよい。音声出力装置は、会議を行うユーザーが音声を聞き取ることができるように音声を出力することが望ましい。音声出力部142は、制御部17によって出力される音声信号に応じた音声を出力する。
【0019】
撮像部15は、カメラ等の撮像機器を用いて構成される。撮像部15は、所定の空間の画像を撮像して画像データを生成する。撮像部15によって撮像される画像は、静止画像であってもよいし動画像であってもよい。撮像部15は、例えばユーザー端末10のユーザーの顔の画像を撮像する。
【0020】
記憶部16は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部16は、制御部17によって使用されるデータを記憶する。記憶部16は、例えばユーザー情報記憶部161として機能してもよい。
【0021】
ユーザー情報記憶部161は、ユーザー端末10を操作するユーザーに関する情報(以下「ユーザー情報」という。)を記憶する。ユーザー情報は、例えばユーザーの識別情報を含んでもよい。
【0022】
制御部17は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部17は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、表示制御部171、会議制御部172及び音声制御部173として機能する。なお、制御部17の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0023】
表示制御部171は、通信部11を介して会議制御装置20から表示情報を受信する。表示制御部171は、取得された表示情報に基づいて画像信号を生成し、表示部13に表示させる。表示情報は、例えば表示される画像そのものを示す画像データであってもよい。この場合、画像データを生成する主体(画像データ生成部)は会議制御装置20である。表示情報は、例えば表示される画像を生成するために必要となる情報(例えば、対象者情報や各ユーザーの画像)を示すデータであってもよい。この場合、表示制御部171は、表示データに基づいて、表示部13に表示するための画像データを生成する。この場合、画像データを生成する主体(画像データ生成部)は表示制御部171である。また、表示制御部171は、自装置の撮像部15によって撮像された画像データを会議制御装置20に送信する。表示制御部171は、自装置(ユーザー端末10)のユーザーが参加している会議の参加者である他のユーザーのユーザー端末10に対して、自装置の撮像部15によって撮像された画像データを会議制御装置20に送信してもよい。
【0024】
会議制御部172は、会議制御装置20において仮想的に設けられる会議に関する制御を行う。例えば、ユーザーが操作部12を操作することによって会議制御装置20が提供する会議サービスへログインすることを指示した場合、会議制御部172は、ログインするための処理を行う。例えば、ユーザーが操作部12を操作することによって新規の会議室を設置することを指示した場合、会議制御部172は、新規の会議室を設置するための処理を行う。例えば、ユーザーが操作部12を操作することによって会議室に入室することを指示した場合、会議制御部172は、指示された会議室へ入室するための処理を行う。会議室への入室はどのような形で行われてもよい。例えば、会議室を示す文字やボタンやアイコンが1又は複数表示されている画面において、いずれかの文字、ボタン又はアイコンが操作されることによってその会議室への入室が行われてもよい。会議室毎に割り当てられたアドレス(例えば特定の識別番号やULR(Uniform Resource Locator)など)に対してアクセスが行われることによって、その会議室への入室が行われてもよい。会議制御部172は、自装置(ユーザー端末10)のユーザーが参加している会議室の参加メンバーを示す情報を会議制御装置20から取得する。参加メンバーを示す情報は、例えば参加メンバーとなっている各ユーザーの識別情報や名前などを含む情報であってもよい。
【0025】
音声制御部173は、他のユーザー端末10のユーザーとの間でやりとりされる音声に関する制御を行う。会議室に入室すると、その会議室に入室している他のユーザーとの間で音声の送受信が行われる。音声制御部173は、例えば音声入力部141から入力された音声データを、通信部11を介して会議制御装置20へ送信する。音声制御部173は、会議制御装置20から音声データを受信すると、受信された音声データを音声出力部142から出力する。
【0026】
図3は、会議制御装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。会議制御装置20は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。会議制御装置20は、通信部21、記憶部22及び制御部23を備える。
【0027】
通信部21は、通信機器である。通信部21は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部21は、制御部23の制御に応じて、ネットワーク30を介して他の装置とデータ通信する。通信部21は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0028】
記憶部22は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部22は、制御部23によって使用されるデータを記憶する。記憶部22は、例えばユーザー情報記憶部221、会議室情報記憶部222及び付加情報記憶部223として機能してもよい。ユーザー情報記憶部221は、ユーザー端末10を操作する複数のユーザーに関する情報(ユーザー情報)を記憶する。
【0029】
会議室情報記憶部222は、会議室に関する情報(以下「会議室情報」という。)を記憶する。会議室とは、会議制御システム100においてユーザーが会議を行うために設置する仮想的な部屋である。会議室情報は、例えばその会議室のID、会議室に設定されている名前を示す情報、会議室が設置される予約の日時を示す情報、会議室の属性に関する情報、その会議室に参加しているユーザーの識別情報を含んでもよい。会議室の属性に関する情報とは、例えばその会議室に入室可能な人数や、会議室に入室可能なユーザーを示す情報を含んでもよい。
【0030】
制御部23は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部23は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、ユーザー制御部231、会議室制御部232、表示情報生成部233、音声制御部234及び対象者情報取得部235として機能する。なお、制御部23の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0031】
ユーザー制御部231は、ユーザーに関する制御処理を行う。例えば、ユーザー制御部231は、会議制御装置20にアクセスしてくるユーザー端末10についてログインのための処理(例えば認証処理)を行ってもよい。ユーザー制御部231は、ユーザー端末10から受信されたユーザー情報をユーザー情報記憶部221に登録してもよい。
【0032】
会議室制御部232は、会議室に関する制御処理を行う。例えば、会議室制御部232は、会議室を新たに設置することについてユーザー端末10から指示を受けた場合には、受信される情報に基づいて会議室情報を生成し、会議室情報記憶部222に登録してもよい。また、会議室制御部232は、会議室を設置するタイミングになった場合には、その会議室を仮想的に設置する。会議室を設置するタイミングとは、例えば即時に会議室を新設することについてユーザー端末10から指示された場合にはその時であるし、予め会議室の設置の予約が登録されていた場合にはその日時が到来した時である。会議室制御部232は、ユーザーによって会議室へ参加するための所定の操作が行われた場合、所定の条件が満たされると、その会議室へユーザーを参加させるための処理を行う。例えば、会議室制御部232は、会議室情報記憶部222を更新することによって、会議室に新たなユーザーが参加したことを登録する。
【0033】
表示情報生成部233は、ユーザー端末10において表示される画像の生成に必要となる情報(表示情報)を生成する。表示情報は、例えば現在設置されている会議室に関する情報や、各会議室に入室している各ユーザー端末10のユーザーに関する情報(以下「ユーザー情報」という。)を含んでもよい。ユーザー情報は、対象者情報を含んでもよい。ユーザー情報は、各ユーザーの顔画像のデータ(撮像部15で撮像された画像又は予め登録されている画像)を含んでもよい。
【0034】
対象者情報は、少なくとも発話先情報を含む。発話先情報は、発話をする者にとっての発話の相手のユーザー(以下「発話先ユーザー」という。)を示す情報である。発話先情報は、例えば発話先ユーザーの識別情報を用いて表されてもよい。発話先ユーザーは、例えば発話しているユーザー又は直後に発話をしようとしているユーザーによって指定される。対象者情報は、発話先情報に加えて、発話元情報をさらに含んでもよい。発話元情報は、発話しようとしているユーザー又は発話中のユーザー(以下「発話元ユーザー」という。)を示す情報である。発話元情報は、例えば発話元ユーザーの識別情報を用いて表されてもよい。発話先ユーザーは、一人の発話元ユーザーにおいて複数設定されてもよい。
表示情報生成部233は、生成された表示情報を、ユーザー端末10に対して送信する。
【0035】
音声制御部234は、ユーザー端末10から音声データを受信する。音声制御部234は、各ユーザー端末10に対して出力されるべき音声データ(以下「会議音声データ」という。)を生成し、各ユーザー端末10に会議音声データを送信する。音声制御部234は、例えば各ユーザー端末10に対し、そのユーザーが入室している会議室における会議音声データを送信してもよい。
【0036】
対象者情報取得部235は、各会議室に参加している各ユーザーから、対象者情報を取得する。対象者情報取得部235は、発話先ユーザーを指定したユーザーから対象者情報を取得すれば十分である。すなわち、対象者情報取得部235は、発話先ユーザーを指定していないユーザーからは、対象者情報を取得しなくてもよい。例えば、対象者情報取得部235は、ユーザー端末10から発話先情報を受信した場合、そのユーザー端末10のユーザーの識別情報を発話元情報として取得してもよい。
【0037】
図4は、ユーザー端末10に表示される画像の具体例を示す図である。表示部13に表示される会議画像131には、会議室に入室している1又は複数のユーザーのユーザー領域51が表示される。会議画像131は、例えば会議室で会話を行うためのアプリケーションに割り当てられたウィンドウとして表示されてもよいし、表示部13の画面全体を占める画像として表示されてもよい。ユーザー領域51は、各ユーザーの情報を表示するための領域である。ユーザー領域51に表示される各ユーザーの画像は、各ユーザーのユーザー端末10に接続されたカメラで撮影されている動画像であってもよいし、静止画像(例えばアイコン画像)であってもよい。静止画像である場合には、予め各ユーザーによって使用することを設定された画像がユーザー領域51に表示されてもよい。各ユーザー領域51に表示される画像は、表示情報生成部233によって定義される。図4に示される例では、どのユーザーも発話先ユーザーを指定していないため、発話元ユーザーや発話先ユーザーを示す情報は表示されていない。
【0038】
図4を用いて、ユーザー端末10において発話先ユーザーを指定するための操作について説明する。発話先ユーザーを指定しようとするユーザーは、自身のユーザー端末10の操作部12を操作することによって、発話先となるユーザーのユーザー領域51を指定する操作を行う。このような操作は、例えばポインティングデバイスを用いて対象となるユーザー領域51をクリック又はタップすることによって行われてもよい。このような操作は、例えば発話先となるユーザーの識別情報や名前を音声で発話することによって行われてもよい。この場合、ユーザーの発話内容の音声認識によって文字列が判定され、その文字列がユーザーの識別情報や名前に該当するか否かに基づいて発話先ユーザーが判定される。このような処理は、ユーザー端末10の制御部17によって行われてもよいし、会議制御装置20の制御部23によって行われてもよい。
【0039】
図5は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。図5は、図4と同じ参加者が参加している会議室において、発話元を示す情報と発話先を示す情報とが表示されている。図5において、発話元を示す情報及び発話先を示す情報は、矢印の画像(矢印52)を用いて示されている。図5の画像は、右上のユーザーが左下のユーザーを発話先ユーザーとして指定した場合にユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す。この場合、右上のユーザーは発話元ユーザーであり、左下のユーザーは発話先ユーザーである。矢印52は、発話元ユーザーのユーザー領域51から、発話先ユーザーのユーザー領域51に向けて伸びる。
【0040】
図6は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。図6は、図4と同じ参加者が参加している会議室において、発話元を示す情報と発話先を示す情報とが表示されている。図6において、発話元を示す情報は発話元を示す画像(発話元画像53)を用いて示され、発話先を示す情報は発話先を示す画像(発話先画像54)を用いて示されている。図6の画像は、右上のユーザーが左下のユーザーを発話先ユーザーとして指定した場合にユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す。この場合、右上のユーザーは発話元ユーザーであり、左下のユーザーは発話先ユーザーである。発話元画像53は、発話元ユーザーのユーザー領域51に表示され、発話先画像54は、発話先ユーザーのユーザー領域51に表示される。
【0041】
図7は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。図7では、参加者表示領域55が表示されている。参加者表示領域55は、ユーザー自身が参加している会議に参加している参加者のユーザーを示す情報が表示される領域である。図7の例では、参加者表示領域55には、参加者のユーザー識別情報が表示される。ユーザーは、発話先ユーザーを選択する際に、ユーザー領域51に対して操作を行ってもよいし、参加者表示領域55に表示されているユーザーの識別情報に対して操作を行ってもよい。
【0042】
図8は、会議制御システム100の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。図8が示す処理は、会議室で会話が開始された後の処理である。ユーザーが発話先ユーザーを指定する操作を行うと(ステップS101)、ユーザー端末10の会議制御部172は、自装置のユーザーの識別情報(発話元情報)と発話先情報とを会議制御装置20に送信する(ステップS102)。
【0043】
会議制御装置20の制御部23は、対象者情報(発話元情報及び発話先情報)を取得する(ステップS103)。表示情報生成部233は、取得された対象者情報に基づいて発話元ユーザーや発話先ユーザーを示す情報を含む表示情報を生成する(ステップS104)。表示情報生成部233は、生成された表示情報をユーザー端末10に送信する(ステップS106)。
【0044】
ユーザー端末10の表示制御部171は、表示情報を受信すると、受信された表示情報に応じた画像を表示部13の画面に表示させる(ステップS107)。
【0045】
このように構成された会議制御システム100によれば、ネットワークを介して行われる複数名が参加する会議において、ある参加者がどの参加者に対して話しているのかより容易に理解することが可能となる。より具体的には以下の通りである。会議制御システム100では、ユーザーが自身の発話先となるユーザーを指定することができる。指定された発話先ユーザーを示す情報に基づいて、他のユーザーの画面において発話先ユーザーを示す情報が表示される。そのため、発話者がどの参加者に対して発話しているのかをより容易に理解することが可能となる。
【0046】
会議制御システム100では、発話先ユーザーを指定した者が発話元ユーザーとして、他のユーザーの画面において表示される。そのため、発話元ユーザーがどの参加者であるのかをより容易に理解することが可能となる。
【0047】
(変形例)
会議制御システム100においてユーザー端末10に表示される画像において、必ずしも全ての参加者の画像やユーザー領域51が表示されなくてもよい。例えば、参加者の一部のユーザーのみについての画像やユーザー領域51が表示されてもよい。
【0048】
対象者情報は、待機先情報を含んでもよい。待機先情報は、現時点では他のユーザーが発話先ユーザーになっているものの、その後に発話先として予定されている者(以下「待機先ユーザー」という。)を示す情報である。待機先情報は、例えば現在も発話している者(発話元ユーザー)によって指定されてもよいし、現在は発話していないがその後に発話を予定している者(以下「待機元ユーザー」という。)によって指定されてもよい。待機先情報は、例えば待機先ユーザーの識別情報を用いて表されてもよい。対象者情報は、待機先情報に加えて、待機元情報をさらに含んでもよい。待機元情報は、上述した待機元ユーザーを示す情報である。待機元情報は、例えば待機元ユーザーの識別情報を用いて表されてもよい。待機先ユーザーは、一人の発話元ユーザー又は待機元ユーザーにおいて複数設定されてもよい。
【0049】
図4を用いて、ユーザー端末10において待機先ユーザーを指定するための操作について説明する。待機先ユーザーを指定しようとするユーザーは、自身のユーザー端末10の操作部12を操作することによって、待機先となるユーザーのユーザー領域51を指定する操作を行う。このような操作は、例えばポインティングデバイスを用いて対象となるユーザー領域51をクリック又はタップすることによって行われてもよい。このような操作は、例えば待機先となるユーザーの識別情報や名前を音声で発話することによって行われてもよい。この場合、ユーザーの発話内容の音声認識によって文字列が判定され、その文字列がユーザーの識別情報や名前に該当するか否かに基づいて待機先ユーザーが判定される。このような処理は、ユーザー端末10の制御部17によって行われてもよいし、会議制御装置20の制御部23によって行われてもよい。なお、待機先ユーザーの指定と、発話先ユーザーの指定とは、それぞれどのように区別されてもよい。例えば、ユーザー領域51に対して操作した際に、選択肢として待機先ユーザーと発話先ユーザーとが表示され、どちらかを選択することによって待機先ユーザー又は発話先ユーザーが指定されてもよい。
【0050】
図9は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の変形例を示す図である。図9は、図5と同じ参加者が参加している会議室において、発話元を示す情報と発話先を示す情報とに加えてさらに、待機元を示す情報と待機先を示す情報とが表示されている。図9において、待機元を示す情報及び待機先を示す情報は、矢印の画像(矢印52a)を用いて示されている。図9の画像では、現在は発話元となっていない左上のユーザーが右下のユーザーを待機先ユーザーとして指定した場合にユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す。この場合、左上のユーザーは待機元ユーザーであり、右下のユーザーは待機先ユーザーである。矢印52aは、待機元ユーザーのユーザー領域51から、待機先ユーザーのユーザー領域51に向けて伸びる。矢印52aは、矢印52とは異なる態様で表示されてもよい。例えば、矢印52aは、矢印52に比べて薄い色で表示されてもよいし、輪郭が点線や破線で表示されてもよい。なお、現在も発話元となっているユーザー(例えば右上のユーザー)がさらに待機先ユーザーを指定した場合には、例えば矢印52aが右上のユーザー領域51から右下のユーザー領域51に伸びるように表示されてもよい。
【0051】
また、待機先として指定されたユーザーのユーザー端末10の表示部13には、図9に示される画像とは異なる態様の表示が行われてもよい。例えば、図9では右下のユーザーが待機先として指定されているが、そのユーザーの表示部13には、自身が待機先として指定されていることを示す画像が表示されてもよい。より具体的には、矢印52aが他のユーザーとは異なる態様で表示されてもよい。異なる態様とは、例えば色が異なってもよいし(例えばより目立つ色彩の色で表示)、点滅してもよいし、大きさが異なってもよい。また、自身のユーザー領域51が他のユーザーとは異なる態様で表示されてもよい。異なる態様とは、例えば背景色や領域の枠の色が異なってもよいし(例えばより目立つ色彩の色で表示)、点滅してもよいし、大きさが変化してもよい。また、会議画像131が他のユーザーとは異なる態様で表示されてもよい。異なる態様とは、例えば背景色や領域の枠の色が異なってもよいし(例えばより目立つ色彩の色で表示)、点滅してもよい。また、アラーム音や、自身が待機先として指定されていることを示す音声が出力されることで、自身が待機先として指定されていることを通知してもよい。このような表示や音響出力が行われることで、待機先として指定されたユーザーがその後に話を聞くための準備や話しをする準備をすることが可能となる。その結果、待機先として指定されたユーザーにとって応答するための準備の余裕が生まれ、適切な応答を行うことが可能となり、会議がよりスムーズに進む。
【0052】
図10は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の変形例を示す図である。図10は、図6と同じ参加者が参加している会議室において、発話元を示す情報と発話先を示す情報とに加えてさらに、待機元を示す情報と待機先を示す情報とが表示されている。図10において、待機元を示す情報は待機元を示す画像(待機元画像53a)を用いて示され、待機先を示す情報は待機先を示す画像(待機先画像54a)を用いて示されている。図10の画像は、現在は発話元となっていない左上のユーザーが右下のユーザーを待機先ユーザーとして指定した場合にユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す。この場合、左上のユーザーは待機元ユーザーであり、右下のユーザーは待機先ユーザーである。待機元画像53aは、待機元ユーザーのユーザー領域51に表示され、待機先画像54aは、待機先ユーザーのユーザー領域51に表示される。
図10においても、上述したように待機先として指定されたユーザーのユーザー端末10の表示部13には、図10に示される画像とは異なる態様の表示が行われてもよい。
【0053】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0054】
100…会議制御システム, 10…ユーザー端末, 20…会議制御装置, 11…通信部, 12…操作部, 13…表示部, 141…音声入力部, 142…音声出力部, 15…撮像部, 16…記憶部, 161…ユーザー情報記憶部, 17…制御部, 171…表示制御部, 172…会議制御部, 173…音声制御部, 21…通信部, 22…記憶部, 221…ユーザー情報記憶部, 222…会議室情報記憶部, 23…制御部, 231…ユーザー制御部, 232…会議室制御部, 233…表示情報生成部, 234…音声制御部, 51…ユーザー領域, 52…矢印, 53…発話元画像, 54…発話先画像, 55…参加者表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10