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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082444
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】柱材用アンカ
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/04 20060101AFI20240613BHJP
   E04H 17/20 20060101ALI20240613BHJP
   E01F 13/00 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
E01F13/04 Z
E04H17/20 Z
E01F13/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196297
(22)【出願日】2022-12-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1) ▲1▼ 発行日 令和04年11月30日 ▲2▼ 刊行物 Sing47(SUS株式会社の社内報) ▲3▼ 公開者 SUS株式会社(静岡県静岡市駿河区南町14番25号 エスパティオ6階) ▲4▼ 公開された発明の内容 SUS株式会社が、令和04年11月30日付発行のSing47において、長田 展幸、小野 雅人、松下 侑樹が発明した「柱材用アンカ」を公開した。 (2) ▲1▼ ウェブサイトの掲載日 令和04年12月07日 ▲2▼ ウェブサイトのアドレス https://fa.sus.co.jp/download/sing/pdf/Sing_No47.pdf ▲3▼ 公開者 SUS株式会社 ▲4▼ 公開された発明の内容 上記アドレスのウェブサイトにて、長田 展幸、小野 雅人、松下 侑樹が発明した「柱材用アンカ」を公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】595034204
【氏名又は名称】SUS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】長田 展幸
(72)【発明者】
【氏名】小野 雅人
(72)【発明者】
【氏名】松下 侑樹
【テーマコード(参考)】
2D101
2E142
【Fターム(参考)】
2D101CA11
2D101CB00
2D101EA02
2D101EA09
2D101FA11
2D101FA31
2D101FB02
2D101FB11
2E142HH01
2E142HH13
2E142JJ03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】安定した設置状態を得ることができ、且つ、柱材を容易に昇降させることができる柱材用アンカを提供すること。
【解決手段】柱材3の下端部が着脱可能に連結されるアンカ本体と、上記アンカ本体に設けられ上記柱材3を昇降させてそのレベルを調整するレベル調整手段と、を具備したことを特徴とするものであり、それによって、安定した設置状態を得ることができ、且つ、柱材3を容易に昇降させてそのレベル調整が可能になる。例えば、安全柵取付用の柱材3に適用した場合には、安全柵1のレベルを調整することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱材の下端部が着脱可能に連結されるアンカ本体と、
上記アンカ本体に設けられ上記柱材を昇降させてそのレベルを調整するレベル調整手段と、
を具備したことを特徴とする柱材用アンカ。
【請求項2】
請求項1記載の柱材用アンカにおいて、
上記レベル調整手段は、上記柱材の下端が載置され回転操作されるダイヤル部材と、このダイヤル部材に設けられアンカ本体に螺合されるネジ部材と、から構成され、
上記ダイヤル部材を回転操作することにより上記柱材を昇降させてそのレベルを調整するものであることを特徴とする柱材用アンカ。
【請求項3】
請求項2記載の柱材用アンカにおいて、
上記アンカ本体は、底板と、上記底板から立設された一対の支持部と、から構成されていて、
上記一対の支持部の相互に対向する内側にはナットがボルトによって締付可能な状態でそれぞれ取り付けられていて、
上記柱材の両側には溝が設けられていて、
上記柱材の溝内に上記ナットを挿し込んで上記ボルトによって締め付けることにより、上記柱材を上記一対の支持部間に取り付けるものであることを特徴とする柱材用アンカ。
【請求項4】
請求項3記載の柱材用アンカにおいて、
上記ナットは複数個所で上記ボルトによって締め付けられるものであることを特徴とする柱材用アンカ。
【請求項5】
請求項4記載の柱材用アンカにおいて、
上記支持部は内側支持壁と外側支持壁とから構成されていて、これら内側支持壁と外側支持壁との間には中空部が設けられていて、上記ボルトの内一部のボルトは上記中空部を利用して設置されていることを特徴とする柱材用アンカ。
【請求項6】
請求項1記載の柱材用アンカにおいて、
上記柱材は安全柵取付用柱材であることを特徴とする柱材用アンカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、安全柵を取り付ける際に柱材の下端に設置する柱材用アンカに係り、特に、安定した設置状態を得ることができ、且つ、柱材を容易に昇降させることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
安全柵の取付構造を開示するものとして、例えば、特許文献1、等がある。
【0003】
特許文献1に開示されている安全柵の場合には、複数本の支柱があり、これら複数本の支柱間にフェンスが取り付けられている。上記支柱の下端にはベースが設けられていて、このベースには複数個の貫通孔が設けられている。一方、フロアには事前にアンカーボルトが埋設されていて、上記ベースの貫通孔に上記アンカーボルトを通し、そこにナットを螺合することにより上記ベースひいては支柱をフロアの所定位置に固定する。
【0004】
同様の構成を開示するものとして、例えば、特許文献2、等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6-87567号公報
【特許文献2】実開平6-15616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記構成によると次のような問題があった。
すなわち、ベース上における支柱の高さ方向位置は固定されている。一方、状況に応じて安全柵の高さを調整したい場合があり、これに対して対応することができないという問題があった。
【0007】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、安定した設置状態を得ることができ、且つ、柱材を容易に昇降させることができる柱材用アンカを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による柱材用アンカは、柱材の下端部が着脱可能に連結されるアンカ本体と、上記アンカ本体に設けられ上記柱材を昇降させてそのレベルを調整するレベル調整手段と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2による柱材用アンカは、請求項1記載の柱材用アンカにおいて、上記レベル調整手段は、上記柱材の下端が載置され回転操作されるダイヤル部材と、このダイヤル部材に設けられアンカ本体に螺合されるネジ部材と、から構成され、上記ダイヤル部材を回転操作することにより上記柱材を昇降させてそのレベルを調整するものであることを特徴とするものである。
又、請求項3による柱材用アンカは、請求項2記載の柱材用アンカにおいて、上記アンカ本体は、底板と、上記底板から立設された一対の支持部と、から構成されていて、上記一対の支持部の相互に対向する内側にはナットがボルトによって締付可能な状態でそれぞれ取り付けられていて、上記柱材の両側には溝が設けられていて、上記柱材の溝内に上記ナットを挿し込んで上記ボルトによって締め付けることにより、上記柱材を上記一対の支持部間に取り付けるものであることを特徴とするものである。
又、請求項4による柱材用アンカは、請求項3記載の柱材用アンカにおいて、上記ナットは複数個所で上記ボルトによって締め付けられるものであることを特徴とするものである。
又、請求項5による柱材用アンカは、請求項4記載の柱材用アンカにおいて、上記支持部は内側支持壁と外側支持壁とから構成されていて、これら内側支持壁と外側支持壁との間には中空部が設けられていて、上記ボルトの内一部のボルトは上記中空部を利用して設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項6による柱材用アンカは、請求項1記載の柱材用アンカにおいて、上記柱材は安全柵取付用柱材であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
以上述べたように本願発明の請求項1による柱材用アンカによると、柱材の下端部が着脱可能に連結されるアンカ本体と、上記アンカ本体に設けられ上記柱材を昇降させてそのレベルを調整するレベル調整手段と、を具備した構成になっているので、安定した設置状態を得ることができ、且つ、柱材を容易に昇降させることができる。
又、請求項2による柱材用アンカによると、請求項1記載の柱材用アンカにおいて、上記レベル調整手段は、上記柱材の下端が載置され回転操作されるダイヤル部材と、このダイヤル部材に設けられアンカ本体に螺合されるネジ部材と、から構成され、上記ダイヤル部材を回転操作することにより上記柱材を昇降させてそのレベルを調整するものであるので、昇降させるための操作も簡単である。
又、請求項3による柱材用アンカによると、請求項2記載の柱材用アンカにおいて、上記アンカ本体は、底板と、上記底板から立設された一対の支持部と、から構成されていて、上記一対の支持部の相互に対向する内側にはナットがボルトによって締付可能な状態でそれぞれ取り付けられていて、上記柱材の両側には溝が設けられていて、上記柱材の溝内に上記ナットを挿し込んで上記ボルトによって締め付けることにより、上記柱材を上記一対の支持部間に取り付けるものであるので、安定した設置状態を得ることができ、且つ、柱材を容易に昇降させることができる。
又、請求項4による柱材用アンカによると、請求項3記載の柱材用アンカにおいて、上記ナットは複数個所で上記ボルトによって締め付けられるものであるので、安定した設置状態を得ることができ、且つ、柱材を容易に昇降させることができる。
又、請求項5による柱材用アンカによると、請求項4記載の柱材用アンカにおいて、上記支持部は内側支持壁と外側支持壁とから構成されていて、これら内側支持壁と外側支持壁との間には中空部が設けられていて、上記ボルトの内一部のボルトは上記中空部を利用して設置されているので、スペースの有効利用を図ることができる。
又、請求項6による柱材用アンカによると、請求項1記載の柱材用アンカにおいて、上記柱材は安全柵取付用柱材であるので、柱材ひては安全柵の強固な設置状態を得ることができ、柱材ひいては安全柵としてのレベル調整も簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、安全柵を取り付けた状態を示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、安全柵の斜視図である。
図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、安全柵の縦枠材の端面図である。
図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、安全柵の横枠材の端面図である。
図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、安全柵の横枠材の端面図である。
図6】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図2のVI部の拡大図である。
図7】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図6の分解斜視図である。
図8】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図2のVIII部の拡大図である。
図9】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図8の分解斜視図である。
図10】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図10(a)は安全柵を取り付ける柱材の分解斜視図、図10(b)は柱材の端面図である。
図11】本発明の第1の実施の形態を示す図で、取付ピン取付金具の分解斜視図である。
図12】本発明の第1の実施の形態を示す図で、取付ピン受金具の分解斜視図である。
図13】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図13(a)は取付ピン保持部材用の第1弾性部材の構成を示す一部正面図、図13(b)はロック部材用の第2弾性部材の構成を示す一部正面図である。
図14】本発明の第1の実施の形態を示す図で、取付ピン取付金具と取付ピン受金具の解放時の状態を示す正面図である。
図15】本発明の第1の実施の形態を示す図で、取付ピン取付金具と取付ピン受金具の使用時の状態を示す正面図である。
図16】本発明の第1の実施の形態を示す図で、安全柵が取り付けられる柱材の基部に設置されるアンカの斜視図である。
図17】本発明の第1の実施の形態を示す図で、安全柵が取り付けられる柱材の基部に設置されるアンカの正面図である。
図18】本発明の第2の実施の形態を示す図で、安全柵が取り付けられる柱材の基部に設置されるアンカの斜視図である。
図19】本発明の第2の実施の形態を示す図で、安全柵が取り付けられる柱材の基部に設置されるアンカの正面図である。
図20】本発明の第3の実施の形態を示す図で、図20(a)は安全柵を取り付ける柱材の分解斜視図、図20(b)は柱材の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1乃至図17を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は安全柵1を2本の柱材3、3の間に取り付けた状態を示す斜視図であり、上記2本の柱材3、3の下端にはアンカ5、5が設置されている。
【0012】
上記安全柵1は図2に示すような構成になっていて、縦枠材7、7、横枠材9、9、横枠材11があり、これら縦枠材7、7、横枠材9、9、横枠材11によって囲まれた2個の空間内には網体13、13が取り付けられている。
【0013】
上記縦枠材7は図3に示すような端面形状をなしている。まず、枠本体15があり、この枠本体15には中空部17、17が形成されている。上記中空部17、17の間には溝19が形成されていて、この溝19内に上記網体13の端が挿し込まれる。上記枠本体15には張出部21、21が突設されている。
【0014】
上記横枠材9は図4に示すような端面形状をなしている。まず、枠本体23があり、この枠本体23には中空部25、25が形成されている。上記中空部25、25の間には溝27が形成されていて、この溝27内に上記網体13の端が挿し込まれる。又、上記中空部25内には別の中空部29が設けられている。
【0015】
上記横枠材11は図5に示すような端面形状をなしている。まず、枠本体31があり、この枠本体31には中空部33、33が形成されている。上記中空部33、33の間には溝35、35が形成されていて、これら溝35、35内に上記網体13、13の端が挿し込まれる。又、上記中空部35内には別の中空部37が設けられている。
【0016】
上記縦枠材7と横枠材9の連結は図6図7に示すようになっている。縦枠材7側に貫通孔41が穿孔されていて、一方、ネジ43が用意されている。上記ネジ43を上記貫通孔41を通して、上記横枠材9の中空部29に設けられた雌ネジ部に螺合させ、それによって、上記縦枠材7と横枠材9を連結している。
図6図7は縦枠材7の上端と上位に設けられている横枠材9との連結を示しているが、縦枠材7の下端と下位に設けられている横枠材9との連結も同じである。
上記縦枠材7と横枠材11との連結も同様であり、上記縦枠材7には長手方向の中間位置に同様の貫通孔41が穿孔されている。そして、同様のネジ43を上記貫通孔41を通して、上記横枠材11の中空部37に設けられた雌ネジ部に螺合させ、それによって、上記縦枠材7と横枠材11を連結している。
尚、左右の縦枠材7、7について同様の連結構造になっている。
【0017】
又、図2に示すように、上記縦枠材7の所定位置には取付ピン51、51が取り付けられている。上記所定位置は上下端からそれぞれ全長の1/4の位置になり、左右それぞれに2箇所、合計4箇所に上記取付ピン51が取り付けられている。上記取付ピン51は、図8図9に示すように、スリーブ53とネジ55とから構成されていて、上記ネジ55が上記縦枠材7に螺合されていて、その外周に上記スリーブ53が取り付けられている。
【0018】
上記柱材3は図10に示すような構造をなしていて、柱材本体61があり、この柱材本体61の端面形状は略正方形をなしている。上記柱材本体61の各辺にはT溝63がそれぞれ形成されている。又、上記柱材本体61の中心には中空部65が形成されている。上記柱材本体61の上下端にはキャップ67、67がネジ69、69によって取り付けられている。上記ネジ69はセルフタッピング型であり、ネジ69をキャップ67に穿孔された貫通孔71を通して上記中空部65に挿し込んで螺合することにより、キャップ67を柱材本体61に固定している。
尚、上記貫通孔71の内側には凸部71aが突設されているとともに、上記キャップ67にはT溝73、73が形成されている。
【0019】
上記柱材3の所定位置には取付ピン取付金具81が取り付けられている。上記取付金具81は図11に示すような構成になっている。まず、金具本体83があり、この金具本体83はU字形状をなしていて、一対の側壁83a、83aと、底壁83bとから構成されている。上記側壁83aには凹部84が形成されている。上記金具本体83のU字の間には取付ピン保持部材85が中空軸状の枢軸部材125を介して回動可能に取り付けられている。上記枢軸部材125の上記金具本体83から外側に突出した両端には加締め処理が施されている。上記取付ピン保持部材85には取付ピン保持部87が凹状に形成されている。上記取付ピン保持部材85は第1弾性部材89によって一方向(図11中反時計方向)に回動付勢されていて、取付ピン保持部87が外側に向かって開放された状態になっている。その状態を図14に示す。
【0020】
又、上記金具本体83のU字の間であって上記取付ピン保持部材85の上にはロック部材91が別の中空軸状の枢軸部材126を介して回動可能に取り付けられている。上記枢軸部材126の上記金具本体83から外側に突出した両端には加締め処理が施されている。上記ロック部材91は第2弾性部材93によって一方向(図11中時計方向)に回動付勢されている。上記取付ピン保持部材85を上記第1弾性部材89の付勢力に抗して他方向に回動させることにより、上記ロック部材91が第2弾性部材93の付勢力に抗して他方向に回動する。そして、上記取付ピン保持部材85の一部がロック部材91の一部に係合することにより、上記取付ピン保持部材85の回動位置がロック部材91によってロックされる。その状態を図15に示す。
【0021】
又、上記ロック状態から、上記ロック部材91を図示しない治具を使用して第2弾性部材93の付勢力に抗して他方向にさらに回動させることにより、上記ロック部材91による取付ピン保持部材85のロックが解除され、取付ピン保持部材85は第1弾性部材89の付勢力によって一方向に回動復帰する。上記ロック部材91も他方向への回動付勢を解除することにより第2弾性部材93の付勢力によって一方向に回動復帰する。このようにして図14に示す状態に戻る。
【0022】
又、Tナット101があり、このTナット101は柱材3のT溝63の任意の位置に内装される。上記Tナット101には雌ねじ部103が設けられているとともに、上記雌ねじ部103の両側には壁105、105が立設されている。又、ベース部材107があり、このベース部材107には凸部109が突設されている。又、上記ベース部材107には2個の雌ねじ部111、111が設けられているとともに、1個の貫通孔113が穿孔されている。
【0023】
又、上記枢軸部材125の中空部は貫通孔125aとなっていて、上記枢軸部材126の中空部は貫通孔126aとなっている。
【0024】
又、ネジ131、131があり、これらネジ131、131を上記枢軸部材125の貫通孔125a、枢軸部材126の貫通孔126aを通して、上記雌ねじ部111、111に螺合し、それによって、取付ピン取付金具81を上記ベース部材107に取り付ける。
【0025】
又、ボルト133があり、このボルト133を上記貫通孔113を通してTナット101の雌ねじ部103に螺合し、それによって、上記取付ピン取付金具81、ベース部材107を柱材3の所定位置に固定する。その際、上記ベース部材107の凸部109は上記柱材3のT溝63の入口部に嵌合する。
【0026】
上記第1弾性部材89であるが、図13(a)に示すように、上記取付ピン保持部材85を挟んでその両側で、上記枢軸部材125の外周にコイル状に巻回されていて、その中間部89aが上記取付ピン保持部材85に取り付けられていて、その両端89b、89bが上記金具本体83の底板83aに押し付けられている。
同様に、上記第2弾性部材93であるが、図13(b)に示すように、上記ロック部材91を挟んでその両側で、上記枢軸部材126の外周にコイル状に巻回されていて、その中間部93aが上記ロック部材91に取り付けられていて、その両端93b、93bが上記金具本体83の底板83bに押し付けられている。
【0027】
上記柱材3の上記取付金具81の下方の所定位置には取付ピン受金具141が取り付けられている。この取付ピン受金具141には取付ピン受部143が凹状に形成されている。又、上記取付ピン受金具141には貫通孔145が穿孔されている。又、上記柱材3のT溝63にはTナット101が内装されている。又、ボルト147があり、このボルト147を上記貫通孔145を通して上記Tナット101の雌ねじ部103に螺合し、それによって、上記取付ピン受金具141を柱材3の所定位置に取り付ける。
【0028】
上記取付ピン取付金具81、取付ピン受金具141は、左右の柱材3、3に相互に対向する位置にそれぞれ取り付けられている。そして、安全柵1の縦枠材7、7にそれぞれ取り付けられた取付ピン51、51の内、上位の取付ピン51を上記取付ピン取付金具81に挿し込み、下位の取付ピン51を上記取付ピン受金具141に設置する。それによって、上記安全柵1が左右の柱材3、3の間に取り付けられる。
【0029】
すなわち、上位の取付ピン51は上記取付ピン取付金具81の取付ピン保持部材85の取付ピン保持部87内に挿し込まれ、そのまま押し込まれる。それによって、上記取付ピン保持部材85を上記第1弾性部材89の付勢力に抗して他方向に回動させ、同時に、上記ロック部材91を第2弾性部材93の付勢力に抗して他方向に回動させる。上記取付ピン保持部材85の一部がロック部材91の一部に係合して、上記取付ピン保持部材87の回動位置がロック部材91によってロックされる。
上記下位の取付ピン51はそのまま取付ピン受金具141上に載置される。
既に説明したように、図15はその状態を示している。
【0030】
尚、上記取付ピン取付金具81と同様の構成を開示するものとして、特開平8-60926号公報、登録実用新案公報3040323号公報がある。そこには本実施の形態における上記取付ピン取付金具81と略同様の構成をなすスナッチロック装置が開示されていて、そのスナッチロック装置では本実施の形態におけるロック部材91に相当するトリガーレバが使用されている。そのトリガーレバの端はハウジングから大きく突出・配置されている。この突出・配置された部分を把持してトリガーレバを弾性部材の付勢力に抗して他方向に回動させてロックを解除するようにしている。
【0031】
本実施の形態の場合には上記取付ピン取付金具81を安全柵1を取り付けるために使用しているが、その際最も懸念される事象の一つに安全柵1の不用意な離脱がある。そこで本実施の形態の場合には上記ロック部材91の上記金具本体83からの出っ張りをなくし、外部作用によりロック部材91によるロックが不用意に解除されてしまうことを防止するようにしている。この点上記従来のスナッチロック装置とその構成が大きく異なる。
尚、ロック部材91によるロックの解除は、前述したように、図示しない治具を上記金具本体内に挿し込んで、例えば、その先端を上記ロック部材91に引っ掛けて、上記ロック部材91を上記第2弾性部材93の付勢力に抗して他方向に回動させることにより行う。
【0032】
上記アンカ5は図16図17に示すような構成になっている。まず、アンカ本体151があり、このアンカ本体151には底板153が設けられていて、この底板153から一対の支持部155、155が一体的に立設されている。上記支持部155は外側支持壁157と内側支持壁159とから構成されていて、これら外側支持壁157、内側支持壁159との間には中空部160が形成されている。
【0033】
上記内側支持壁159の内側には長尺のTナット161が設置されている。上記Tナット161には雌ねじ部163、163が設けられている。上記内側支持壁159の上端には切欠部165が形成されているとともに貫通孔167が穿孔されている。上記外側支持壁157には図示しない治具を挿し込むための貫通孔169が穿孔されている。ボルト171、171があり、上のボルト171を上記切欠部165を通して上記雌ねじ部163に螺合し、下のボルト171を貫通孔167を通して上記雌ねじ部163に螺合する。
【0034】
上記Tナット161、161は上記柱材3の対向する一対のT溝63、63内に挿入配置され、その状態で上記ボルト171、171を螺合することにより、上記柱材3は上記アンカ5に固定される。
【0035】
上記アンカ5の底板153の内側であって上記柱材3の下方にはレベル調整手段181が取り付けられている。上記レベル調整手段181はダイヤル部材183とこのダイヤル部材183の下面側に取り付けられたねじ部材185とから構成されている。又、上記底板153には突起187が突設されていて、この突起187には雌ねじ部189が設けられている。上記ネジ部材185は上記雌ねじ部189に螺合されている。上記ダイヤル部材183を適宜の方向に回転させることよりダイヤル部材183自身が昇降し、それによって、上記柱材3の鉛直方向位置を調整する。
【0036】
上記底板153の両端には貫通孔191、191が穿孔されている。一方、フロアの所定位置には図示しないアンカーボルトが設置されていて、そのアンカーボルトを上記貫通孔191を貫通させて上方に突出させる。そして、図示しないナットを上記アンカーボルトに螺合することにより、アンカ5、柱材3、ひいては安全柵1をフロアに固定する。
【0037】
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、一対の柱材3、3の下端にアンカ5、5を取り付けてフロアの所定位置に設置する。上記柱材3、3の所定位置には取付ピン取付金具81、取付ピン受け金具141が取り付けられている。その際、取付ピン取付金具81、取付ピン受け金具141は図14に示すような状態にある。
一方、安全柵1を用意する。上記安全柵1の左右の縦枠7、7には取付ピン51、51がそれぞれ取り付けられている。
上記安全柵1を上記柱材3、3の間に取り付ける。すなわち、各柱材3の上記取付ピン51、51を柱材3の上記取付ピン取付金具81、取付ピン受金具141に挿し込むようにして取り付ける。
【0038】
安全柵1の縦枠材7、7にそれぞれ取り付けられた取付ピン51、51の内、上位の取付ピン51を上記取付ピン取付金具81に挿し込み、下位の取付ピン51を上記取付ピン受金具141に挿し込む。
上位の取付ピン51は上記取付ピン取付金具81の取付ピン保持部材85の取付ピン保持部87内に挿し込まれ、そのまま押し込まれる。それによって、上記取付ピン保持部材85を上記第1弾性部材89の付勢力に抗して他方向に回動させ、同時に、上記ロック部材91を第2弾性部材93の付勢力に抗して他方向に回動させる。上記取付ピン保持部材85の一部がロック部材91の一部に係合して、上記取付ピン保持部材87の回動位置がロック部材91によってロックされる。
上記下位の取付ピン51はそのまま取付ピン受金具141上に載置される。
これによって、安全柵1の設置が完了する。その様子を図15に示す。
【0039】
安全柵1を外す場合には、取付ピン取付金具81のロック部材91を図示しない治具によって第2弾性部材93の付勢力に抗して他方向に回動させる。それによって、ロック部材91による取付ピン保持部材85のロックが解除され、取付ピン保持部材85が第1弾性部材89の付勢力によって一方向に回動・復帰し、取付ピン保持部87が解放され、取付ピン51の取り外しが可能になる。上記ロック部材91も付勢を解除すれば第2弾性部材93の付勢力によって一方向に回動・復帰する。
その様子を図14に示す。
【0040】
次に、安全柵1の高さ調整について説明する。
この場合には、柱材3、3の下のアンカ5、5のダイヤル部材183を適宜の方向に回転させる。それによって、ダイヤル部材183、柱材3、ひいては安全柵1の高さが調整される。
【0041】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、安全柵1の着脱作業の容易化を図ることができる。これは安全柵1の縦枠材に7、7に取り付けられた左右2本ずつの取付ピン51、51を、取付ピン取付金具81、取付ピン受金具141に設置するだけで取り付けることができるからである。又、取り外す場合には、取付ピン取付金具81のロック部材91を図示しない治具によって第2弾性部材93の付勢力に抗して他方向に回動させれば良いからである。
又、安全柵1は左右の柱材3、3に取り付けられた取付ピン取付金具81、取付ピン受金具141によって強固に保持されているので、安定した取付状態を提供することができる。
又、上記取付ピン取付金具81のロック部材91の端は金具本体83から大きく突出しない状態で設置されているので、大きく突出していた場合に懸念されたロック状態の不用意な解除、それによる安全柵1の脱落を防止することができる。
又、柱材3の下端にはアンカ5が着脱可能に取り付けられていて、このアンカを介してフロアの任意の場所に取り付けられるようになっているので、柱材3ひいては安全柵1を安定した状態で設置することができる。
又、アンカ5のレベル調整手段181を操作することにより、柱材3、3ひいては安全柵1のレベルを容易に調整することができる。
又、そのレベル調整はダイヤル部材183を適宜の方向に回転させるだけで良く簡単である。
【0042】
次に、図18図19を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。この第2の実施の形態の場合には、異なる端面形状のアンカ5を使用した場合を例に挙げたものである。すなわち、中空部160が仕切壁201によって仕切られた構成になっている。
その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
この場合も前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することかできるとともに、仕切壁201を追加したことによりアンカ5の剛性を高めることができる。
【0043】
次に、図20を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。この場合には、前記第1、第2の実施の形態とは異なる形状の柱材3を使用した場合を例に挙げたものである。この第3の実施の形態における柱材3は柱材本体の端面形状が略正方形ではなく長方形になっている。
尚、その他の構成は前記第1、第2の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
この場合には前記第1、第2の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができるとともに、柱材3の剛性を高めることができるので、より大型の安全柵1に対応することができる。
【0044】
尚、本発明は前記第1乃至第3の実施の形態に限定されるものではない。
まず、取付ピン取付金具の構成は図示したものに限定されず、様々な構成のものが想定される。
又、取付ピン受け金具の構成についても図示したものに限定されず、様々な構成のものが想定される。
又、安全柵の構成についても図示したものに限定されず様々な構成のものが想定される。
又、各所で使用されている枠材、柱材の端面形状についても図示したものに限定されず様々な形状のものが想定される。
又、アンカの構成についても図示したものに限定されず、様々な構成のものが想定される。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、例えば、安全柵を取り付ける際柱材の下端に設置する安全柵取付用アンカに係り、特に、安定した設置状態を得ることができ、且つ、柱材を容易に昇降させることができるように工夫したものに関し、例えば、各種工場内の適所に設置される安全柵取付用のアンカに好適である。
【符号の説明】
【0046】
1 安全柵
3 柱材
5 アンカ
63 T溝
151 アンカ本体
153 底板
155 支持部
160 中空部
161 Tナット
171 ボルト
181 レベル調整手段
183 ダイヤル部材
185 ネジ部材
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