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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082452
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】梁連結構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/58 20060101AFI20240613BHJP
   E04B 1/24 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
E04B1/58 505R
E04B1/24 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196312
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 豊
(72)【発明者】
【氏名】黒木 哲也
(72)【発明者】
【氏名】堂場 直樹
(72)【発明者】
【氏名】上田 信
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA03
2E125AA13
2E125AB05
2E125AB16
2E125AG41
2E125BB16
2E125BC02
2E125BD01
2E125CA03
(57)【要約】
【課題】大型化することを回避しつつ、梁の支持剛性を確保することが可能な梁連結構造を実現する。
【解決手段】ブラケット3が、柱1の取付け面10に固定されている。梁2が、取付け面10に直交する方向に沿って延在するように配置されている。ブラケット3は、支持部30と、一対の側壁部31と、支持部30における端部から上向きに屈曲されて取付け面10に沿って延在する上方固定部32と、一対の側壁部31のそれぞれにおける端部から幅方向Yの内側に屈曲されて取付け面10に沿って延在する側方固定部33と、を備えている。上方固定部32が、取付け面10に当接した状態で、支持部30よりも上方の領域において取付け面10に固定されている。一対の側方固定部33のそれぞれが、取付け面10に当接した状態で、支持部30よりも下方の領域において取付け面10に固定されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラケットを用いて梁を柱に対して連結する梁連結構造であって、
前記ブラケットは、前記柱の側面である取付け面に固定され、
前記梁は、前記取付け面に直交する方向に沿って延在するように配置され、
前記梁が延在する方向を梁延在方向とし、前記梁延在方向に沿う梁延在方向視で上下方向に直交する方向を幅方向とし、前記梁延在方向における前記柱側を梁延在方向第1側とし、前記梁延在方向における前記柱から離れる側を梁延在方向第2側として、
前記ブラケットは、前記梁延在方向及び前記幅方向に延在するように配置されて前記梁を下方から支持する支持部と、前記支持部における前記幅方向の両端部のそれぞれから下向きに屈曲されて前記梁延在方向及び上下方向に沿って延在する側壁部と、前記支持部における前記梁延在方向第1側の端部から上向きに屈曲されて前記取付け面に沿って延在する上方固定部と、一対の前記側壁部のそれぞれにおける前記梁延在方向第1側の端部から前記幅方向の内側に屈曲されて前記取付け面に沿って延在する側方固定部と、を備え、
前記上方固定部が、前記取付け面に当接した状態で、前記支持部よりも上方の領域において前記取付け面に固定され、
一対の前記側方固定部のそれぞれが、前記取付け面に当接した状態で、前記支持部よりも下方の領域において前記取付け面に固定されている、梁連結構造。
【請求項2】
前記梁は、前記梁延在方向及び前記幅方向に延在する板状部分である被支持部と、前記被支持部における前記幅方向の両端部のそれぞれから下向きに屈曲されて前記梁延在方向及び上下方向に沿って延在する板状部分である垂下部と、を備え、
前記幅方向における一対の前記垂下部の間には、前記ブラケットが収容される空間が形成され、
前記被支持部が、前記支持部に対して上側から当接するように配置されて前記支持部により支持され、
一対の前記垂下部が、一対の前記側壁部に対して前記幅方向の両外側に分かれて配置されている、請求項1に記載の梁連結構造。
【請求項3】
前記梁は、複数のボルトによって前記ブラケットに固定され、
前記支持部に、前記ボルトに螺合する雌ねじ孔が形成されていると共に、当該ボルトが貫通するボルト貫通孔が前記被支持部に形成され、
一対の前記側壁部のそれぞれに、前記ボルトに螺合する雌ねじ孔が形成されていると共に、当該ボルトが貫通するボルト貫通孔が一対の前記垂下部のそれぞれに形成されている、請求項2に記載の梁連結構造。
【請求項4】
前記支持部における上面に、基準マークが形成され、
前記被支持部を上下方向に貫通する基準孔が形成され、
前記基準マークと前記基準孔とが上下方向視で重複した状態で、複数の前記ボルト貫通孔のそれぞれと、対応する前記雌ねじ孔とが重なる適正位置に前記梁が配置される、請求項3に記載の梁連結構造。
【請求項5】
前記ブラケットは、複数のリベットによって前記柱に固定され、
前記上方固定部及び一対の前記側方固定部のそれぞれに、前記リベットが貫通するリベット貫通孔が形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の梁連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラケットを用いて梁を柱に対して連結する梁連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでにも、柱と梁とを連結するための様々な構造が提案されている。例えば、特開2009-297147号公報(特許文献1)には、柱部材の側面から水平方向に延在するように配置された梁部材を、柱部材に対して連結する連結構造が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示された符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された連結構造では、一対のジョイント(2,3)を柱部材(1a)に取り付けると共に、当該一対のジョイント(2,3)に対して2本の梁部材(1b)を連結することにより、1本の柱部材(1a)と2本の梁部材(1b)とを連結している。具体的には、一対のジョイント(2,3)は、柱部材(1a)を覆うように互いに結合されることにより、梁部材(1b)が挿入される筒状部分を形成する。そして、当該筒状部分に梁部材(1b)を挿入した状態で、梁部材(1b)と各ジョイント(2,3)とをボルト(5)によって連結している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-297147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、梁部材(1b)には、柱部材(1a)と梁部材(1b)との連結部分を支点とするモーメントが作用する。しかしながら特許文献1に開示された連結構造では、一対のジョイント(2,3)により筒状部分を形成し、当該筒状部分に挿入された梁部材(1b)をボルト(5)によって連結しているだけであるので、上記モーメントに対する剛性が十分であるとは言い難い。この問題は、梁部材が支持する重量が大きくなるほど顕著となる。また、特許文献1に開示された連結構造において梁の支持剛性を高くしようとすると、一対のジョイント(2,3)のサイズが大きくなる等、連結構造が大型化するため、柱及び梁によって支持される床材等の他の部材の配置に関する制約が大きくなり易い。
【0006】
上記実状に鑑みて、大型化することを回避しつつ、梁の支持剛性を確保することが可能な梁連結構造の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ブラケットを用いて梁を柱に対して連結する梁連結構造であって、
前記ブラケットは、前記柱の側面である取付け面に固定され、
前記梁は、前記取付け面に直交する方向に沿って延在するように配置され、
前記梁が延在する方向を梁延在方向とし、前記梁延在方向に沿う梁延在方向視で上下方向に直交する方向を幅方向とし、前記梁延在方向における前記柱側を梁延在方向第1側とし、前記梁延在方向における前記柱から離れる側を梁延在方向第2側として、
前記ブラケットは、前記梁延在方向及び前記幅方向に延在するように配置されて前記梁を下方から支持する支持部と、前記支持部における前記幅方向の両端部のそれぞれから下向きに屈曲されて前記梁延在方向及び上下方向に沿って延在する側壁部と、前記支持部における前記梁延在方向第1側の端部から上向きに屈曲されて前記取付け面に沿って延在する上方固定部と、一対の前記側壁部のそれぞれにおける前記梁延在方向第1側の端部から前記幅方向の内側に屈曲されて前記取付け面に沿って延在する側方固定部と、を備え、
前記上方固定部が、前記取付け面に当接した状態で、前記支持部よりも上方の領域において前記取付け面に固定され、
一対の前記側方固定部のそれぞれが、前記取付け面に当接した状態で、前記支持部よりも下方の領域において前記取付け面に固定されている。
【0008】
本構成によれば、梁を柱に対して連結するためのブラケットの固定部である上方固定部及び側方固定部が、柱の同じ取付け面に固定されており、当該ブラケットの支持部が梁を下方から支持する構成であるため、1つの梁を柱に連結するための構造を柱の1つの取付け面に集約し易い。従って、梁連結構造の大型化を回避し易い。また、梁を支持するブラケットは、上方固定部と一対の側方固定部とを備えている。そして、上方固定部は、柱の取付け面に当接した状態で、支持部よりも上方の領域において取付け面に固定されており、一対の側方固定部のそれぞれは、柱の取付け面に当接した状態で、支持部よりも下方の領域において取付け面に固定されている。すなわち、支持部よりも上方の領域及び下方の領域において、ブラケットは柱の取付け面に固定されている。そのため、ブラケットが柱に固定されている上下方向の領域を広く確保することができる。これにより、柱との連結部分を支点として梁に作用するモーメントに対する梁の支持剛性を確保し易くなっている。以上のように、本構成によれば、大型化することを回避しつつ、梁の支持剛性を確保することが可能となる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】物品搬送設備の1階走行フロア及び2階走行フロアを示す平面図
図2】柱と梁との連結部分を示す斜視図
図3】柱と梁との連結部分を床板の上方側から示す斜視図
図4】ブラケットの斜視図
図5】ブラケットの正面図、背面図、平面図、底面図、右側面図
図6】一部断面図
図7】分解斜視図
図8】基準マークと基準孔とが上下方向視で重複している状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示に係る梁連結構造は、ブラケットを用いて梁を柱に対して連結する構造である。以下、当該梁連結構造が、物品搬送設備の一部を構成する支持フレームに用いられている場合を例示して、梁連結構造の実施形態について説明する。
【0012】
〔物品搬送設備の概略〕
まず、図1を参照して、物品搬送設備の概略について説明する。図1に示すように、物品搬送設備100は、上下方向に並ぶ複数階層の走行フロアFと、複数の走行フロアFを支持する支持フレームSFと、複数の走行フロアFのそれぞれに形成された走行面Ffを走行する搬送車Vと、を備えている。各階層の走行フロアFにおいて、複数の搬送車Vが走行面Ffを走行している。
【0013】
図1に示す例では、物品搬送設備100は、2階層の走行フロアFを備えている。図1は、1階の走行フロアFと2階の走行フロアFを示している。但し、このような構成に限定されることなく、物品搬送設備100は、3階層以上の走行フロアFを備えていてもよい。
【0014】
搬送車Vは、物品Gを搬送するように構成されている。搬送車Vは、直進走行を行うと共に、その場で上下軸心まわりに旋回する旋回動作を実行して方向転換を行うように構成されている。搬送車Vは、直進走行と旋回動作とを行うことにより、1階の走行フロアF及び2階の走行フロアFのそれぞれにおいて、走行面Ff上を自在に走行することが可能となっている。
【0015】
物品搬送設備100は、複数階層(本例では2階層)の走行フロアFに亘って搬送車Vを昇降させる一対のリフタLと、物品Gが供給される物品供給部Pgと、物品供給部Pgから供給された物品Gを搬送車Vに引き渡す作業が行われる作業エリアWAと、物品Gの仕分け作業が行われる仕分けエリアSAと、仕分けエリアSAにおける仕分け作業によって発生した空の容器Cを回収する空容器回収装置Bと、を備えている。
【0016】
本実施形態では、作業エリアWA及び仕分けエリアSAの双方が、1階の走行フロアFと同じレベルに設けられている。そして、2階の走行フロアFには、作業エリアWA及び仕分けエリアSAの双方が設けられていない。
【0017】
作業エリアWAは、1階の走行フロアFにおける搬送車Vの走行経路と、物品供給部Pgと、の双方に隣接するように配置されている。本実施形態では、物品供給部Pgは、物品Gを、供給容器Cpに収容した状態で作業エリアWAに供給する。作業エリアWAでは、供給容器Cpに収容された物品Gを取り出して、走行経路で待機する搬送車Vに当該物品Gを引き渡す作業が行われる。搬送車Vへの物品Gの引き渡しは、供給容器Cpとは別の容器Cに物品Gを収容した状態で行われてもよいし、物品Gを容器Cに収容することなくそのまま引き渡す態様で行われてもよい。本実施形態では、作業エリアWAでの上記作業が、作業者Wによって行われる。但し、作業者Wではなく、ロボットによって上記作業が行われてもよいし、作業者W及びロボットの双方によって上記作業が行われてもよい。
【0018】
仕分けエリアSAは、作業エリアWAとは離れた場所において走行経路に隣接するように配置されている。搬送車Vは、作業エリアWAで受け取った物品Gを仕分けエリアSAに搬送する。仕分けエリアSAでは、搬送車Vによって搬送された物品Gの仕分け作業が行われる。本実施形態では、仕分けエリアSAは、複数の仕分けコンベヤScを備えている。搬送車Vは、複数の仕分けコンベヤScの何れかに物品Gを引き渡す。仕分けエリアSAでは、搬送車Vによって仕分けコンベヤScに引き渡された物品Gの仕分け作業が行われる。仕分け作業は、予め定められたオーダー情報に基づいて行われる。例えば、オーダー情報には、例えば、顧客情報、出荷先情報、物品種別情報などの各種情報が含まれる。
【0019】
搬送車Vは、容器Cに収容された物品Gを仕分けエリアSAに搬送する場合には、容器Cごと物品Gを仕分けコンベヤScに引き渡す。この場合、仕分けエリアSAでは、搬送車Vによって搬送された容器Cから物品Gを取り出す取出作業が行われる。この取出作業により発生した空の容器Cは、空容器回収装置Bによって回収される。空容器回収装置Bによって回収された空の容器Cは、回収経路Rbに沿って作業エリアWAまで搬送され、作業エリアWAでの作業に用いられる。本実施形態では、仕分けエリアSAでの仕分け作業(上記取出作業を含む)が、作業者Wによって行われる。但し、作業者Wではなく、ロボットによって仕分け作業が行われてもよいし、作業者W及びロボットの双方によって仕分け作業が行われてもよい。
【0020】
搬送車Vは、物品Gを仕分けエリアSAに引き渡した後は、リフタLに乗って、他階の走行フロアF(本例では2階の走行フロアF)へ向かう。そして、搬送車Vは、2階の走行フロアFを走行して他のリフタLに乗り、上述の作業エリアWA及び仕分けエリアSAが設けられた階の走行フロアF(本例では1階の走行フロアF)へ戻る。戻った搬送車Vは、上記同様に、作業エリアWAにおいて物品Gを受け取り、当該物品Gを仕分けエリアSAへ搬送する。
【0021】
〔支持フレームの構成〕
次に、支持フレームSFについて説明する。上述のように、支持フレームSFは、複数の走行フロアFを支持している。支持フレームSFは、複数の柱1と複数の梁2とが組み合わされて構成されている。
【0022】
図2に示すように、柱1は、上下方向に沿って延びている。梁2は、柱1に連結されており、水平方向に沿って延びている。本開示に係る梁連結構造CSでは、このような梁2を柱1に対して連結するために、ブラケット3が用いられる。本明細書において、「ある方向に沿って延在する」とは、当該方向に平行に延在する場合に限らず、当該方向に対して傾斜した方向(例えば、20度以下の角度だけ傾斜した方向)に延在する場合を含む。
【0023】
ブラケット3は、柱1の側面である取付け面10に固定されている。本実施形態では、ブラケット3は、複数のリベット98によって柱1に固定されている。柱1の取付け面10には、貫通孔10hが形成されている。リベット98が、ブラケット3と、取付け面10の貫通孔10hとを、一体的に貫通して配置されることにより、ブラケット3が柱1の取付け面10に固定される。
【0024】
本実施形態では、柱1は、4つの側面を有する四角柱状に形成されている。そのため、柱1は、4つの取付け面10を有しており、4つの取付け面10のうち少なくとも1つ(図示の例では3つの取付け面10)にブラケット3が固定されている。従って、1本の柱1には、最大で4本の梁2を連結することが可能となっている。これによれば、走行面Ffの外縁以外の領域に柱1を配置する場合に、当該柱1に最大で4本の梁2を連結することができるため、梁2を用いた走行フロアFの支持を適切に行い易い。なお、柱1に連結する梁2の本数は、任意に定めることができる。
【0025】
梁2は、取付け面10に直交する方向に沿って延在するように配置されている。そして、ブラケット3は、取付け面10に対して、梁2の延在方向の端部を連結するように構成されている。本実施形態では、梁2は、複数のボルト99によってブラケット3に固定されている。
【0026】
以下では、梁2が延在する方向を「梁延在方向X」とし、梁延在方向Xに沿う梁延在方向X視で上下方向に直交する方向を「幅方向Y」とする。梁延在方向Xにおける柱1側を「梁延在方向第1側X1」とし、梁延在方向Xにおける柱1から離れる側を「梁延在方向第2側X2」とする。これら梁延在方向X、梁延在方向第1側X1、梁延在方向第2側、及び幅方向Yは、柱1に連結された複数の梁2ごとに独立して定義される。
【0027】
図3に示すように、複数の柱1と複数の梁2とを用いて構成された支持フレームSFの上には、複数の床板4が取り付けられている。複数の床板4の上面によって、走行フロアFの走行面Ffが形成されている。
【0028】
本実施形態では、梁2の上面に、床板4が載置されている。床板4は、ボルト等の締結部材97によって梁2に固定されている。梁2の上面には、締結部材97が貫通するための貫通孔2hが形成されている(図2等参照)。本実施形態では、柱1の周囲を囲むように複数の床板4(図示の例では4枚の床板4)が配置されている。1枚の床板4は、1本の柱1に連結されると共に互いに隣接する一対の梁2それぞれの上面に載置された状態で、当該一対の梁2に固定されている。
【0029】
本実施形態では、走行フロアFには、柱1が配置される柱用貫通孔5が設けられている。柱1は、柱用貫通孔5を貫通するように配置されることで、走行フロアFを上下方向に貫通している。また、本例では、ブラケット3の一部(後述する上方固定部32)についても、柱用貫通孔5を貫通するように配置されており、走行フロアFを上下方向に貫通している。
【0030】
本実施形態では、床板4は、上下方向視で矩形状に形成されている。床板4の四隅のうち少なくとも一部に切欠き40が設けられている。切欠き40は、上下方向視で床板4の中心に向けて切り欠くように形成されている。そして、柱1の周囲に隣接して配置された複数の床板4のそれぞれに形成された切欠き40の集合によって、柱用貫通孔5が形成されている。図3に示す例では、隣接する4枚の床板4のそれぞれに形成された切欠き40の集合により、1つの柱用貫通孔5が形成されている。
【0031】
次に、ブラケット3の詳細構成について、図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5は、ブラケット3単体を示しており、柱1及び梁2は省略している。また、図5では、左側面図は、右側面図と対称に表れるため省略している。
【0032】
図4及び図5に示すように、ブラケット3は、梁延在方向X及び幅方向Yに延在するように配置されて梁2を下方から支持する支持部30と、支持部30における幅方向Yの両端部のそれぞれから下向きに屈曲されて梁延在方向X及び上下方向に沿って延在する側壁部31と、支持部30における梁延在方向第1側X1の端部から上向きに屈曲されて取付け面10に沿って延在する上方固定部32と(図2も参照)、一対の側壁部31のそれぞれにおける梁延在方向第1側X1の端部から幅方向Yの内側に屈曲されて取付け面10に沿って延在する側方固定部33と(図2も参照)、を備えている。
【0033】
支持部30と、一対の側壁部31と、上方固定部32と、一対の側方固定部33とは、一体的に構成されている。本明細書において、「一体的に構成」とは、複数の要素が同じ部材で構成されていること、及び、複数の要素が溶接等により分離不能に連結されていることを含む。本実施形態では、支持部30と、一対の側壁部31と、上方固定部32と、一対の側方固定部33とは、1つの部材(ここでは、各部を屈曲させた板状部材)で構成されている。また、本実施形態では、ブラケット3は、幅方向Yに直交する面に対して面対称(鏡対称)に形成されている。
【0034】
支持部30は、梁2を下方から支持すると共に、梁2と固定される部分である。本実施形態では、支持部30は、梁2の被支持部20(後述)を下方から支持している(図2も参照)。
【0035】
支持部30には、締結部材が貫通する孔が形成されている。本実施形態では、支持部30に、ボルト99に螺合する雌ねじ孔30hが形成されている。梁2を貫通するボルト99が、支持部30の雌ねじ孔30hに螺合されることによって、梁2がブラケット3に固定される。図示の例では、支持部30には、一対の雌ねじ孔30hが形成されている。一対の雌ねじ孔30hは、互いに幅方向Yに離間した位置に配置されている。
【0036】
本実施形態では、支持部30における上面に、基準マーク30mが形成されている。基準マーク30mは、ブラケット3に対する適正位置に梁2を配置する際の位置合わせのために用いられる。基準マーク30mは、文字、図形、記号、凹部、凸部、又はそれらの組み合わせにより構成される。本例では、基準マーク30mは、支持部30に刻まれた図形(例えば円形状の図形)とされている。図示の例では、基準マーク30mは、一対の雌ねじ孔30hの間に形成されている。詳細には、基準マーク30mは、幅方向Yにおける一対の雌ねじ孔30hの中間位置に配置されている。
【0037】
一対の側壁部31のそれぞれは、梁2を幅方向Yの内側から支持すると共に、梁2と固定される部分である。本実施形態では、一対の側壁部31のそれぞれは、梁2における一対の垂下部21(後述)を幅方向Yの内側から支持している(図2も参照)。
【0038】
一対の側壁部31のそれぞれには、締結部材が貫通する孔が形成されている。本実施形態では、一対の側壁部31のそれぞれに、ボルト99に螺合する雌ねじ孔31hが形成されている。一対の側壁部31のそれぞれに形成された雌ねじ孔31hに対して、梁2を貫通するボルト99が螺合されることによって、梁2がブラケット3に固定される。本例では、一対の雌ねじ孔31hは、同じ高さに配置されている。
【0039】
このように、ブラケット3は梁2を支持するように構成されている。一方で、ブラケット3自体は、柱1に固定される。
【0040】
上述のように本実施形態では、ブラケット3は、複数のリベット98によって柱1に固定されている。本実施形態では、上方固定部32及び一対の側方固定部33のそれぞれに、リベット98が貫通するリベット貫通孔(32h,33h)が形成されている。複数のリベット貫通孔(32h,33h)と、柱1の取付け面10に形成された複数の貫通孔10h(図2参照)とは、互いに対応する位置に配置されている。リベット貫通孔(32h,33h)と貫通孔10hとをリベット98が一体的に貫通することにより、ブラケット3が柱1の取付け面10に固定される。
【0041】
すなわち、本開示に係る梁連結構造CSでは、ブラケット3が、上方固定部32において柱1の取付け面10に固定されると共に、一対の側方固定部33のそれぞれにおいて柱1の取付け面10に固定されている。これにより、ブラケット3は、支持部30よりも上方の領域及び下方の領域において、柱1の取付け面10に固定されることになる。そのため、ブラケット3が柱1に固定されている上下方向の領域を広く確保することができる。従って、柱1との連結部分を支点として梁2に作用するモーメントに対する梁2の支持剛性を確保し易くなっている。この「梁2の支持剛性」とは、梁2を支持するためのブラケット3の剛性を意味する。
【0042】
本実施形態では、上方固定部32には、一対のリベット貫通孔32hが形成されている。一対のリベット貫通孔32hは、互いに幅方向Yに離間した位置に配置されている。これにより、上方固定部32が柱1の取付け面10に対して固定される幅方向Yの領域を、広く確保することができる。従って、柱1に対して安定性高くブラケット3を固定することができる。なお、図示の例では、一対のリベット貫通孔32hは、同じ高さに配置されている。
【0043】
本実施形態では、一対の側方固定部33のそれぞれには、1つのリベット貫通孔33hが形成されている。一方の側方固定部33に形成されたリベット貫通孔33hと、他方の側方固定部33に形成されたリベット貫通孔33hとは(以下では両者を合わせて「一対のリベット貫通孔33h」と称する場合がある。)、互いに幅方向Yに離間した位置に配置されている。
【0044】
本実施形態では、一対のリベット貫通孔33hのそれぞれは、一対の側壁部31のそれぞれに形成された雌ねじ孔31hよりも低い位置に配置されている。これにより、ブラケット3全体における一対のリベット貫通孔33hの配置位置を低く設定し易くなり、上方固定部32に形成された一対のリベット貫通孔32hと、一対のリベット貫通孔33hとの上下方向の間隔を広く確保することが可能となる。従って、ブラケット3が柱1に固定されている上下方向の領域を確保し易く、上記のように梁2に作用するモーメントに対する梁2の支持剛性を確保し易くなっている。
【0045】
次に、梁2の詳細構成について、図6を主に参照して説明する。
【0046】
図6に示すように、梁2は、梁延在方向X及び幅方向Yに延在する板状部分である被支持部20と、被支持部20における幅方向Yの両端部のそれぞれから下向きに屈曲されて梁延在方向X及び上下方向に沿って延在する板状部分である垂下部21と、を備えている。梁2は、内部に空間を有する長尺状の部材を用いて構成されている。本実施形態では、梁2は、梁延在方向Xに直交する断面の一部が開放した形状となっている。換言すれば、梁2の断面は、略角ばったU字状に形成されている。
【0047】
本実施形態では、幅方向Yにおける一対の垂下部21の間には、ブラケット3が収容される空間2Gが形成されている。本例では、空間2Gには、ブラケット3の一部が収容される。詳細には、ブラケット3における支持部30及び一対の側壁部31が、空間2Gに収容される(図2も参照)。梁2は、ブラケット3(ブラケット3の一部)を空間2Gに収容した状態で、ブラケット3に固定されている。
【0048】
被支持部20は、ブラケット3によって下方から支持されると共に、ブラケット3に固定される部分である。本実施形態では、被支持部20は、ブラケット3の支持部30に対して上側から当接するように配置されて支持部30により支持されている。
【0049】
被支持部20には、締結部材が貫通する孔が形成されている。本実施形態では、支持部30の雌ねじ孔30hに螺合するボルト99が貫通するためのボルト貫通孔20hが、被支持部20に形成されている。すなわち本実施形態では、ブラケット3の支持部30に、ボルト99に螺合する雌ねじ孔30hが形成されていると共に、当該ボルト99が貫通するボルト貫通孔20hが梁2の被支持部20に形成されている。
【0050】
被支持部20のボルト貫通孔20hは、支持部30の雌ねじ孔30hに対応する位置に配置されている。上述のように本実施形態では、支持部30には、互いに幅方向Yに離間した位置に配置された一対の雌ねじ孔30hが形成されている。従って、被支持部20には、一対の雌ねじ孔30hに対応する位置に配置された一対のボルト貫通孔20hが形成されている。
【0051】
本実施形態では、被支持部20を上下方向に貫通する基準孔20mが形成されている(図3も参照)。基準孔20mは、ブラケット3に対する適正位置に梁2を配置する際の位置合わせのために用いられる。基準孔20mは、支持部30に形成された基準マーク30mに対応する位置に配置されている。上下方向視において、基準孔20mは、基準マーク30mよりも大きく形成されている。すなわち、基準マーク30mに対して基準孔20mの位置合わせを行った場合に、上下方向視において、基準孔20mの内部に基準マーク30mが配置される(図8参照)。上下方向視における基準孔20mの形状(内面の形状)は、基準マーク30mとは区別できる態様であると好ましい。また、基準孔20mの形状は、上下方向視において基準マーク30mに外接する形状であると好ましい。本例では、基準マーク30mは円形状の図形とされており、上下方向視における基準孔20mの形状は、円形状とは異なる形状に形成されている。図8に示す例では、上下方向視における基準孔20mの形状は、四角形状に形成されている。なお、本例では、基準孔20mを、全周を囲まれた孔としているが、基準孔20mを、一部が開放された孔(例えば、梁延在方向第1側X1が開放された孔)としてもよい。このように、基準マーク30mと基準孔20mとが異なる外観に形成されていることにより、基準マーク30mに対する基準孔20mの位置合わせを行い易くなるという効果が期待できる。
【0052】
上述のように、被支持部20に形成された一対のボルト貫通孔20hのそれぞれと、支持部30に形成された一対の雌ねじ孔30hのそれぞれとは、互いに対応する位置に配置されている。また本実施形態では、基準マーク30mは、幅方向Yにおける一対の雌ねじ孔30hの中間位置に配置されている。従って、本実施形態では、基準孔20mは、幅方向Yにおける一対のボルト貫通孔20hの中間位置に配置されている。これにより、基準マーク30mと基準孔20mとの位置合わせに伴い、一対の雌ねじ孔30hと一対のボルト貫通孔20hとの位置合わせを行い易い。
【0053】
一対の垂下部21は、ブラケット3によって幅方向Yの内側から支持されると共に、ブラケット3に固定される部分である。本実施形態では、一対の垂下部21が、ブラケット3における一対の側壁部31に対して幅方向Yの両外側に分かれて配置されている。換言すれば、一対の垂下部21の幅方向Yの間に、一対の側壁部31が配置されている。一対の垂下部21のそれぞれは、一対の側壁部31のうち対応する側壁部31の外面(幅方向Yにおける外側の面)に当接するように配置されている。
【0054】
一対の垂下部21のそれぞれには、締結部材が貫通する孔が形成されている。本実施形態では、側壁部31の雌ねじ孔31hに螺合するボルト99が貫通するためのボルト貫通孔21hが、垂下部21に形成されている。すなわち本実施形態では、ブラケット3における一対の側壁部31のそれぞれに、ボルト99に螺合する雌ねじ孔31hが形成されていると共に、当該ボルト99が貫通するボルト貫通孔21hが、梁2における一対の垂下部21のそれぞれに形成されている。
【0055】
垂下部21のボルト貫通孔21hは、側壁部31の雌ねじ孔31hに対応する位置に配置されている。上述のように本実施形態では、一対の側壁部31のそれぞれに雌ねじ孔31hが形成されている。従って、一対の垂下部21のそれぞれに、側壁部31の雌ねじ孔31hに対応するボルト貫通孔21hが形成されている。
【0056】
図7は、ブラケット3と梁2とを分解して示す分解斜視図である。
【0057】
図7に示すように、柱1の取付け面10には、ブラケット3が固定されている。上方固定部32が、取付け面10に当接した状態で、支持部30よりも上方の領域において取付け面10に固定されている。また、一対の側方固定部33のそれぞれが、取付け面10に当接した状態で、支持部30よりも下方の領域において取付け面10に固定されている。これにより、ブラケット3は、支持部30よりも上方の領域及び下方の領域において、柱1の取付け面10に固定されることになる。そのため、ブラケット3が柱1に固定されている上下方向の領域を広く確保することができる。このブラケット3によって、梁2が支持される。従って、柱1との連結部分を支点として梁2に作用するモーメントに対する梁2の支持剛性を確保し易くなっている。
【0058】
本実施形態では、ブラケット3の基準マーク30mと梁2の基準孔20mとが上下方向視で重複した状態で、複数のボルト貫通孔(20h,21h)のそれぞれと、対応する雌ねじ孔(30h、31h)とが重なる適正位置に梁2が配置される。「複数のボルト貫通孔のそれぞれと、対応する雌ねじ孔とが重なる」とは、互いに対応すると共に同一のボルト99が貫通するように構成されたボルト貫通孔と雌ねじ孔とが、当該ボルト99の貫通方向視において重なることを意味する。
【0059】
梁2をブラケット3に固定する場合には、まず、ブラケット3に対する適正位置に梁2を配置する。これは、ブラケット3の基準マーク30mに対して梁2の基準孔20mを位置合わせすることにより行う。具体的には図8に示すように、上下方向視において、梁2の基準孔20mをブラケット3の基準マーク30mに重複させるようにして、梁2の被支持部20をブラケット3の支持部30に載置する。これにより、梁2のボルト貫通孔(20h,21h)とブラケット3の雌ねじ孔(30h、31h)とが、ボルト99が貫通する貫通方向視において重なる。このようにして、梁2が、ブラケット3に対する適正位置に配置される。その後は、互いに対応するボルト貫通孔(20h,21h)と雌ねじ孔(30h、31h)とを一体的に貫通するようにしてボルト99を配置することで、ブラケット3に対する梁2の固定が完了する。
【0060】
ブラケット3に対する梁2の固定が完了した後は、図3に示すように、梁2の上面に床板4が載置される。上述のように、複数の床板4のそれぞれに形成された切欠き40の集合によって、柱1が配置される柱用貫通孔5が形成されている。
【0061】
本実施形態では、ブラケット3における上方固定部32が、柱用貫通孔5を貫通するように配置されている。これにより、上方固定部32が柱1に固定されている状態を床板4の上から確認し易く、メンテナンス時などに有用である。また、本実施形態では、上下方向視において、柱用貫通孔5の内部に、梁2の被支持部20及びブラケット3の支持部30を貫通するボルト99が配置されている。本例では、被支持部20の基準孔20mも、上下方向視において柱用貫通孔5の内部に配置されている。これにより、梁2がブラケット3に固定されている状態などを床板4の上から確認し易く、この点についてもメンテナンス時などに有用である。
【0062】
以上説明した梁連結構造CSによれば、梁2を柱1に対して連結するためのブラケット3の固定部である上方固定部32及び側方固定部33が、柱1の同じ取付け面10に固定されており、当該ブラケット3の支持部30が梁2を下方から支持する構成であるため、1つの梁2を柱1に連結するための構造を柱1の1つの取付け面10に集約し易い。従って、梁連結構造CSの大型化を回避し易い。また、支持部30よりも上方の領域及び下方の領域において、ブラケット3は柱1の取付け面10に固定されている。そのため、ブラケット3が柱1に固定されている上下方向の領域を広く確保することができる。これにより、柱1との連結部分を支点として梁2に作用するモーメントに対する梁2の支持剛性を確保し易くなっている。
【0063】
〔その他の実施形態〕
次に、梁連結構造のその他の実施形態について説明する。
【0064】
(1)上記の実施形態では、ブラケット3が、複数のリベット98によって柱1に固定されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、ブラケット3は、ボルト等の締結部材を用いて、或いは溶接によって、柱1に固定されていてもよい。
【0065】
(2)上記の実施形態では、梁2が、複数のボルト99によってブラケット3に固定されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、梁2は、リベット等の締結部材を用いて、ブラケット3に固定されていてもよい。
【0066】
(3)上記の実施形態では、本実施形態では、梁2が、梁延在方向Xに直交する断面の一部が開放した形状となっている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、梁2は、梁延在方向Xに直交する断面の全部が閉じた形状となっていてもよい。すなわち、梁2は、梁延在方向X視において環状の断面を有していてもよい。
【0067】
(4)上記の実施形態では、ブラケット3に対する梁2の位置合わせを容易に行えるようにするため、支持部30における上面に基準マーク30mが形成されていると共に、被支持部20を上下方向に貫通する基準孔20mが形成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、基準マーク30m及び基準孔20mは、梁連結構造CSにおいて必須の構成ではない。
【0068】
(5)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0069】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した梁連結構造について説明する。
【0070】
ブラケットを用いて梁を柱に対して連結する梁連結構造であって、
前記ブラケットは、前記柱の側面である取付け面に固定され、
前記梁は、前記取付け面に直交する方向に沿って延在するように配置され、
前記梁が延在する方向を梁延在方向とし、前記梁延在方向に沿う梁延在方向視で上下方向に直交する方向を幅方向とし、前記梁延在方向における前記柱側を梁延在方向第1側とし、前記梁延在方向における前記柱から離れる側を梁延在方向第2側として、
前記ブラケットは、前記梁延在方向及び前記幅方向に延在するように配置されて前記梁を下方から支持する支持部と、前記支持部における前記幅方向の両端部のそれぞれから下向きに屈曲されて前記梁延在方向及び上下方向に沿って延在する側壁部と、前記支持部における前記梁延在方向第1側の端部から上向きに屈曲されて前記取付け面に沿って延在する上方固定部と、一対の前記側壁部のそれぞれにおける前記梁延在方向第1側の端部から前記幅方向の内側に屈曲されて前記取付け面に沿って延在する側方固定部と、を備え、
前記上方固定部が、前記取付け面に当接した状態で、前記支持部よりも上方の領域において前記取付け面に固定され、
一対の前記側方固定部のそれぞれが、前記取付け面に当接した状態で、前記支持部よりも下方の領域において前記取付け面に固定されている。
【0071】
本構成によれば、梁を柱に対して連結するためのブラケットの固定部である上方固定部及び側方固定部が、柱の同じ取付け面に固定されており、当該ブラケットの支持部が梁を下方から支持する構成であるため、1つの梁を柱に連結するための構造を柱の1つの取付け面に集約し易い。従って、梁連結構造の大型化を回避し易い。また、梁を支持するブラケットは、上方固定部と一対の側方固定部とを備えている。そして、上方固定部は、柱の取付け面に当接した状態で、支持部よりも上方の領域において取付け面に固定されており、一対の側方固定部のそれぞれは、柱の取付け面に当接した状態で、支持部よりも下方の領域において取付け面に固定されている。すなわち、支持部よりも上方の領域及び下方の領域において、ブラケットは柱の取付け面に固定されている。そのため、ブラケットが柱に固定されている上下方向の領域を広く確保することができる。これにより、柱との連結部分を支点として梁に作用するモーメントに対する梁の支持剛性を確保し易くなっている。以上のように、本構成によれば、大型化することを回避しつつ、梁の支持剛性を確保することが可能となる。
【0072】
前記梁は、前記梁延在方向及び前記幅方向に延在する板状部分である被支持部と、前記被支持部における前記幅方向の両端部のそれぞれから下向きに屈曲されて前記梁延在方向及び上下方向に沿って延在する板状部分である垂下部と、を備え、
前記幅方向における一対の前記垂下部の間には、前記ブラケットが収容される空間が形成され、
前記被支持部が、前記支持部に対して上側から当接するように配置されて前記支持部により支持され、
一対の前記垂下部が、一対の前記側壁部に対して前記幅方向の両外側に分かれて配置されている、と好適である。
【0073】
本構成によれば、梁延在方向視でブラケットの周囲を覆うように梁が配置される。そのため、ブラケットの周囲全体によって梁を支持することが可能となり、梁の支持剛性を更に高め易い。
【0074】
前記梁は、複数のボルトによって前記ブラケットに固定され、
前記支持部に、前記ボルトに螺合する雌ねじ孔が形成されていると共に、当該ボルトが貫通するボルト貫通孔が前記被支持部に形成され、
一対の前記側壁部のそれぞれに、前記ボルトに螺合する雌ねじ孔が形成されていると共に、当該ボルトが貫通するボルト貫通孔が一対の前記垂下部のそれぞれに形成されている、と好適である。
【0075】
本構成によれば、ブラケットに予め形成された雌ねじ孔、及び、梁に予め形成されたボルト貫通孔を一体的に貫通するようにボルトを配置することで、梁をブラケットに対して簡単に固定することができる。従って、施工を容易に行い易い。
【0076】
前記支持部における上面に、基準マークが形成され、
前記被支持部を上下方向に貫通する基準孔が形成され、
前記基準マークと前記基準孔とが上下方向視で重複した状態で、複数の前記ボルト貫通孔のそれぞれと、対応する前記雌ねじ孔とが重なる適正位置に前記梁が配置される、と好適である。
【0077】
本構成によれば、支持部の基準マークと梁の基準孔とが上下方向視で重複した状態となるように、梁をブラケットに対して配置することで、複数のボルト貫通孔のそれぞれと各ボルト貫通孔に対応する雌ねじ孔とが重なる適正位置に、梁を配置することができる。この状態で、互いに対応するボルト貫通孔と雌ねじ孔とを貫通するようにボルトを配置することで、梁をブラケットに対して簡単に固定することができる。従って、より一層、施工を容易に行うことが可能となる。
【0078】
前記ブラケットは、複数のリベットによって前記柱に固定され、
前記上方固定部及び一対の前記側方固定部のそれぞれに、前記リベットが貫通するリベット貫通孔が形成されている、と好適である。
【0079】
本構成によれば、溶接等の手段を用いる場合に比べて、柱に対するブラケットの固定を容易に行い易い。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本開示に係る技術は、ブラケットを用いて梁を柱に対して連結する梁連結構造に利用することができる。
【符号の説明】
【0081】
CS :梁連結構造
1 :柱
10 :取付け面
10h :貫通孔
2 :梁
2G :空間
20 :被支持部
20h :ボルト貫通孔
20m :基準孔
21 :垂下部
21h :ボルト貫通孔
3 :ブラケット
30 :支持部
30h :雌ねじ孔
30m :基準マーク
31 :側壁部
31h :雌ねじ孔
32 :上方固定部
32h :リベット貫通孔
33 :側方固定部
33h :リベット貫通孔
98 :リベット
99 :ボルト
X :梁延在方向
X1 :梁延在方向第1側
X2 :梁延在方向第2側
Y :幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8