(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082453
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20240613BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20240613BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20240613BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
B65G1/137 G
G05D1/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196313
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 豊
(72)【発明者】
【氏名】黒木 哲也
(72)【発明者】
【氏名】堂場 直樹
(72)【発明者】
【氏名】上田 信
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
5H301
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022LL07
3F022MM36
3F022NN02
3F022PP04
3F022PP06
3F022QQ04
3F522AA02
3F522BB35
3F522CC01
3F522CC03
3F522DD03
3F522DD04
3F522DD05
3F522DD29
3F522DD37
3F522EE15
3F522FF05
3F522JJ02
3F522KK05
5H301AA02
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301FF01
5H301FF11
5H301GG07
5H301HH19
5H301QQ02
(57)【要約】
【課題】搬送車の走行位置の基準となる位置情報保持部の配置誤差を小さくする。
【解決手段】ブラケット3には第1基準部30mが設けられ、梁2には第2基準部20mが設けられている。梁2は、第2基準部20mが第1基準部30mに合わせて配置されることにより、ブラケット3に対して梁適正位置に配置される。床板4には第3基準部4mが設けられている。床板4は、第3基準部4mが第2基準部20mに合わせて配置されることにより、梁2に対して床板適正位置に配置される。位置情報保持部6は、床板4における、第3基準部4mを基準とする予め定められた基準位置Psに配置されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行フロアと、前記走行フロアを支持する支持フレームと、前記走行フロアに形成された走行面を走行する搬送車と、を備えた物品搬送設備であって、
前記支持フレームは、複数の柱と、複数の前記柱により支持される複数の梁と、を備え、
前記走行フロアは、前記支持フレームに支持された複数の床板が複数組み合わされて構成され、
前記走行面は、平面状に並べられた複数の前記床板の上面により形成され、
前記床板における少なくとも1箇所に、当該箇所の位置情報を保持する位置情報保持部が配置され、
前記搬送車は、前記位置情報保持部に保持された前記位置情報を読み取りながら前記走行面を走行するように構成され、
前記柱の側面には、前記梁を支持するためのブラケットが固定され、
前記ブラケットに対する前記梁の適正位置を梁適正位置とし、前記梁に対する前記床板の適正位置を床板適正位置として、
前記ブラケットには、前記梁を前記梁適正位置で支持するための基準部である第1基準部が設けられ、
前記梁には、前記第1基準部に合わせて配置される基準部である第2基準部が設けられ、
前記梁は、前記第2基準部が前記第1基準部に合わせて配置されることにより、前記ブラケットに対して前記梁適正位置に配置され、
前記床板には、前記第2基準部に合わせて配置される基準部である第3基準部が設けられ、
前記床板は、前記第3基準部が前記第2基準部に合わせて配置されることにより、前記梁に対して前記床板適正位置に配置され、
前記位置情報保持部は、前記床板における、前記第3基準部を基準とする予め定められた基準位置に配置されている、物品搬送設備。
【請求項2】
前記柱は、前記側面を4つ有する四角柱状に形成され、
前記柱における4つの前記側面のそれぞれに、前記ブラケットが固定可能であり、
前記柱の4つの前記側面のうち互いに直交する一対の前記側面のそれぞれに支持された前記梁を対象梁として、
前記床板が一対の前記対象梁に支持され、
前記床板には、1つの前記柱に対応して前記第3基準部が一対設けられ、
一対の前記対象梁のうち一方の前記第2基準部と、前記床板における一対の前記第3基準部のうち一方とが対応していると共に、一対の前記対象梁のうち他方の前記第2基準部と、前記床板における一対の前記第3基準部のうち他方とが対応している、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記床板は、平面視で矩形状に形成され、
前記床板の4つの辺部のうち互いに直交する一対の前記辺部を対象辺部とし、
一対の前記対象辺部のそれぞれが、互いに異なる前記対象梁によって支持され、
前記床板の4つの角領域のうちの少なくとも1つである対象角領域に、上下方向視で前記床板の中心に向かって切り欠かれた切欠き縁が設けられ、
前記対象角領域には、一対の前記対象辺部のそれぞれと前記切欠き縁との交点に角部が形成され、
一対の前記角部のそれぞれが、前記第3基準部である、請求項2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記梁が、前記ブラケットの支持部に対して上側から載置される被支持部を備え、
前記第1基準部が、前記支持部の上面に設けられた基準マークであり、
前記第2基準部が、前記被支持部を上下方向に貫通する貫通孔であり、
前記ブラケットの前記第1基準部と前記梁の前記第2基準部とが上下方向視で重複した状態で、前記梁が前記梁適正位置に配置される、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記位置情報保持部は、前記位置情報を示すコードが表示された表示部と、前記表示部の周囲を囲む枠部と、を備えた板状部材であり、
前記床板における前記基準位置に対応する複数個所に、前記位置情報保持部の位置決めを行うための位置決め部が設けられ、
前記枠部に、前記位置決め部により位置決めされる被位置決め部が設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行フロアと、前記走行フロアを支持する支持フレームと、前記走行フロアに形成された走行面を走行する搬送車と、を備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特開2022-050240号公報(特許文献1)には、走行面に設けられた位置情報保持部の情報を読み取りながら走行する搬送車を備えた、物品搬送設備が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示された符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された設備では、搬送経路(30)における各単位領域(A5)に、単位領域(A5)のID情報を記憶した磁気シートが設けられている。搬送車(10)は、磁気シートのID情報を読み取ることにより、自己の位置を認識しながら走行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、特許文献1に開示された設備では、ID情報を記憶した磁気シートの配置位置、すなわち位置情報保持部の配置位置が、搬送車(10)の走行位置の基準となる。そのため、位置情報保持部は、走行面に対して設定された適切な位置に配置されている必要があり、その配置誤差は極力小さいことが好ましい。しかしながら特許文献1には、この点について特に開示がない。
【0006】
上記実情に鑑みて、搬送車の走行位置の基準となる位置情報保持部の配置誤差を小さくすることが可能な技術の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
走行フロアと、前記走行フロアを支持する支持フレームと、前記走行フロアに形成された走行面を走行する搬送車と、を備えた物品搬送設備であって、
前記支持フレームは、複数の柱と、複数の前記柱により支持される複数の梁と、を備え、
前記走行フロアは、前記支持フレームに支持された複数の床板が複数組み合わされて構成され、
前記走行面は、平面状に並べられた複数の前記床板の上面により形成され、
前記床板における少なくとも1箇所に、当該箇所の位置情報を保持する位置情報保持部が配置され、
前記搬送車は、前記位置情報保持部に保持された前記位置情報を読み取りながら前記走行面を走行するように構成され、
前記柱の側面には、前記梁を支持するためのブラケットが固定され、
前記ブラケットに対する前記梁の適正位置を梁適正位置とし、前記梁に対する前記床板の適正位置を床板適正位置として、
前記ブラケットには、前記梁を前記梁適正位置で支持するための基準部である第1基準部が設けられ、
前記梁には、前記第1基準部に合わせて配置される基準部である第2基準部が設けられ、
前記梁は、前記第2基準部が前記第1基準部に合わせて配置されることにより、前記ブラケットに対して前記梁適正位置に配置され、
前記床板には、前記第2基準部に合わせて配置される基準部である第3基準部が設けられ、
前記床板は、前記第3基準部が前記第2基準部に合わせて配置されることにより、前記梁に対して前記床板適正位置に配置され、
前記位置情報保持部は、前記床板における、前記第3基準部を基準とする予め定められた基準位置に配置されている。
【0008】
本構成によれば、搬送車が走行する走行面は複数の床板の上面により形成されており、これら複数の床板は梁によって支持されている。梁は、第2基準部がブラケットの第1基準部に合わせて配置されることにより、ブラケットに対して適正な位置に配置される。そして、床板は、第3基準部が梁の第2基準部に合わせて配置されることにより、梁に対して適正な位置に配置される。さらに、位置情報保持部は、床板における、第3基準部を基準とする予め定められた基準位置に配置されている。このような構成により、位置情報保持部を、走行面の全体を基準とした適切な位置に配置し易くなる。従って、本構成によれば、搬送車の走行位置の基準となる位置情報保持部の配置誤差を小さくすることが可能となる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】物品搬送設備の1階走行フロア及び2階走行フロアを示す平面図
【
図4】第1基準部と第2基準部とが位置合わせされた状態を示す平面図
【
図6】第2基準部と第3基準部とが位置合わせされた状態を示す平面図
【
図7】位置情報保持部が床板に配置された状態を示す断面図
【
図8】別実施形態において、位置情報保持部が床板に配置された状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して物品搬送設備の実施形態について説明する。
【0012】
〔物品搬送設備の概略〕
まず、
図1を参照して、物品搬送設備の概略について説明する。
図1に示すように、物品搬送設備100は、走行フロアFと、走行フロアFを支持する支持フレームSFと、走行フロアFに形成された走行面Ffを走行する搬送車Vと、を備えている。本実施形態では、物品搬送設備100は、上下方向に並ぶ複数階層の走行フロアFと、複数の走行フロアFを支持する支持フレームSFと、複数の走行フロアFのそれぞれに形成された走行面Ffを走行する搬送車Vと、を備えている。各階層の走行フロアFにおいて、複数の搬送車Vが走行面Ffを走行している。
【0013】
図1に示す例では、物品搬送設備100は、2階層の走行フロアFを備えている。
図1は、1階の走行フロアFと2階の走行フロアFを示している。但し、このような構成に限定されることなく、物品搬送設備100は、3階層以上の走行フロアFを備えていてもよい。
【0014】
搬送車Vは、物品Gを搬送するように構成されている。搬送車Vは、直進走行を行うと共に、その場で上下軸心まわりに旋回する旋回動作を実行して方向転換を行うように構成されている。搬送車Vは、直進走行と旋回動作とを行うことにより、1階の走行フロアF及び2階の走行フロアFのそれぞれにおいて、走行面Ff上を自在に走行することが可能となっている。
【0015】
物品搬送設備100は、複数階層(本例では2階層)の走行フロアFに亘って搬送車Vを昇降させる一対のリフタLと、物品Gが供給される物品供給部Pgと、物品供給部Pgから供給された物品Gを搬送車Vに引き渡す作業が行われる作業エリアWAと、物品Gの仕分け作業が行われる仕分けエリアSAと、仕分けエリアSAにおける仕分け作業によって発生した空の容器Cを回収する空容器回収装置Bと、を備えている。
【0016】
本実施形態では、作業エリアWA及び仕分けエリアSAの双方が、1階の走行フロアFと同じレベルに設けられている。そして、2階の走行フロアFには、作業エリアWA及び仕分けエリアSAの双方が設けられていない。
【0017】
作業エリアWAは、1階の走行フロアFにおける搬送車Vの走行経路Rと、物品供給部Pgと、の双方に隣接するように配置されている。本実施形態では、物品供給部Pgは、物品Gを、供給容器Cpに収容した状態で作業エリアWAに供給する。作業エリアWAでは、供給容器Cpに収容された物品Gを取り出して、走行経路Rで待機する搬送車Vに当該物品Gを引き渡す作業が行われる。搬送車Vへの物品Gの引き渡しは、供給容器Cpとは別の容器Cに物品Gを収容した状態で行われてもよいし、物品Gを容器Cに収容することなくそのまま引き渡す態様で行われてもよい。本実施形態では、作業エリアWAでの上記作業が、作業者Wによって行われる。但し、作業者Wではなく、ロボットによって上記作業が行われてもよいし、作業者W及びロボットの双方によって上記作業が行われてもよい。
【0018】
仕分けエリアSAは、作業エリアWAとは離れた場所において走行経路Rに隣接するように配置されている。搬送車Vは、作業エリアWAで受け取った物品Gを仕分けエリアSAに搬送する。仕分けエリアSAでは、搬送車Vによって搬送された物品Gの仕分け作業が行われる。本実施形態では、仕分けエリアSAは、複数の仕分けコンベヤScを備えている。搬送車Vは、複数の仕分けコンベヤScの何れかに物品Gを引き渡す。仕分けエリアSAでは、搬送車Vによって仕分けコンベヤScに引き渡された物品Gの仕分け作業が行われる。仕分け作業は、予め定められたオーダー情報に基づいて行われる。例えば、オーダー情報には、例えば、顧客情報、出荷先情報、物品種別情報などの各種情報が含まれる。
【0019】
搬送車Vは、容器Cに収容された物品Gを仕分けエリアSAに搬送する場合には、容器Cごと物品Gを仕分けコンベヤScに引き渡す。この場合、仕分けエリアSAでは、搬送車Vによって搬送された容器Cから物品Gを取り出す取出作業が行われる。この取出作業により発生した空の容器Cは、空容器回収装置Bによって回収される。空容器回収装置Bによって回収された空の容器Cは、回収経路Rbに沿って作業エリアWAまで搬送され、作業エリアWAでの作業に用いられる。本実施形態では、仕分けエリアSAでの仕分け作業(上記取出作業を含む)が、作業者Wによって行われる。但し、作業者Wではなく、ロボットによって仕分け作業が行われてもよいし、作業者W及びロボットの双方によって仕分け作業が行われてもよい。
【0020】
搬送車Vは、物品Gを仕分けエリアSAに引き渡した後は、リフタLに乗って、他階の走行フロアF(本例では2階の走行フロアF)へ向かう。そして、搬送車Vは、2階の走行フロアFを走行して他のリフタLに乗り、上述の作業エリアWA及び仕分けエリアSAが設けられた階の走行フロアF(本例では1階の走行フロアF)へ戻る。戻った搬送車Vは、上記同様に、作業エリアWAにおいて物品Gを受け取り、当該物品Gを仕分けエリアSAへ搬送する。
【0021】
〔走行面の構成〕
図2は、走行面Ffの一部を簡略的に示している。走行面Ffに沿う方向のうち特定の方向を第1方向Xとし、走行面Ffに沿う方向のうち第1方向Xに直交する方向を第2方向Yとする。
【0022】
図2に示すように、走行面Ffおける複数箇所に、当該箇所の位置情報を保持する位置情報保持部6が配置されている。搬送車Vは、位置情報保持部6に保持された位置情報を読み取りながら走行面Ffを走行するように構成されている。
【0023】
本実施形態では、位置情報保持部6には、固有の識別情報が設定されている。本例では、識別情報には、位置情報保持部6が設けられた位置を示すアドレス情報(上記位置情報に相当する。)が含まれている。搬送車Vは、位置情報保持部6を検出するための検出部(不図示)を備えている。そして、搬送車Vは、この検出部によって位置情報保持部6を検出することにより、当該位置情報保持部6が設けられた位置、すなわち、検出時における自車の現在位置を把握可能となっている。例えば、位置情報保持部6として、識別情報を保有した1次元コード又は2次元コード等のコードを用いることができる。或いは、位置情報保持部6として、識別情報を保有したRFIDタグ(Radio Frequency Identification Tag)を用いることができる。本例では、位置情報保持部6は、位置情報を示すコードが表示された表示部60と、表示部60の周囲を囲む枠部61と、を備えた板状部材である(
図6及び
図7参照)。
【0024】
本実施形態では、走行面Ffには、第1方向Xに沿う搬送車Vの走行経路Rである第1走行経路R1と、第2方向Yに沿う搬送車Vの走行経路Rである第2走行経路R2と、第1走行経路R1と第2走行経路R2とが交差する箇所に配置されて搬送車Vの旋回動作が許容される旋回位置と、が設定されている。
【0025】
本実施形態では、複数の第1走行経路R1と複数の第2走行経路R2とが、上下方向視において格子状を成すように設定されている。上述のように、搬送車Vは、直進走行を行うと共に、その場で上下軸心まわりに旋回する旋回動作を実行して方向転換を行うように構成されている。搬送車Vは、直進走行と旋回動作とを組み合わせて実行することにより、走行面Ff上に設定された何れの走行経路Rも走行することが可能となっている。
【0026】
本実施形態では、複数の位置情報保持部6を繋ぐように走行経路Rが設定されている。より詳細には、第1方向Xに並んで配置された複数の位置情報保持部6を繋ぐように第1走行経路R1が設定されている。第2方向Yに並んで配置された複数の位置情報保持部6を繋ぐように第2走行経路R2が設定されている。すなわち、位置情報保持部6は、搬送車Vの走行位置の基準となっている。
【0027】
本実施形態では、搬送車Vが旋回動作するための旋回位置は、位置情報保持部6の位置に基づいて設定されている。換言すれば、搬送車Vは、位置情報保持部6が配置された位置において、旋回動作を行うように構成されている。詳細は後述するが、床板4における少なくとも1箇所に、当該箇所の位置情報を保持する位置情報保持部6が配置されている(
図6参照)。1枚の床板4に対して基準位置Psが予め設定されており、当該基準位置Psに位置情報保持部6が配置されている。すなわち、搬送車Vは、基準位置Psにおいて旋回動作を行うように構成されている。なお、
図6では、1枚の床板4を4分割した領域のそれぞれに対して、1箇所に位置情報保持部6が設けられている例について示している。すなわち、
図6では、平面視で正方形状に形成された1枚の床板4に対して、4箇所に位置情報保持部6が設けられる場合を想定している。しかし、物品搬送設備100において、大きさの異なる複数種類の床板4が用いられることがあり、複数種類の床板4それぞれの大きさ等に応じて、1枚の床板4に設けられる位置情報保持部6の数が1つ又は2つ以上に定められてもよい。
【0028】
〔走行フロアの構成〕
次に、走行フロアFの構成について詳細に説明する。上述のように、複数の走行フロアFは、支持フレームSFによって支持されている。
【0029】
支持フレームSFは、複数の柱1と、複数の柱1により支持される複数の梁2と、を備えている。
図3は、柱1と梁2との連結構造を示している。
図3に示すように、柱1は、上下方向に沿って延びている。梁2は、柱1に連結されており、水平方向に沿って延びている。
【0030】
柱1は、側面10を4つ有する四角柱状に形成されている。本実施形態では、柱1は、中空に形成されている。
【0031】
柱1の側面10には、梁2を支持するためのブラケット3が固定されている。柱1における4つの側面10のそれぞれに、ブラケット3が固定可能である。本例では、4つの側面10のそれぞれに、梁2を柱1に連結するためのブラケット3が固定されている。従って、1本の柱1には、最大で4本の梁2を連結することが可能となっている。これによれば、走行面Ffの外縁以外の領域に柱1を配置する場合に、当該柱1に最大で4本の梁2を連結することができるため、梁2を用いた走行フロアFの支持を適切に行い易い。なお、柱1に連結する梁2の本数は、任意に定めることができる。
【0032】
ブラケット3は、柱1の側面10に対して、梁2の延在方向の端部を連結するように構成されている。本例では、柱1に取り付けられたブラケット3が、梁2を支持することにより、梁2が柱1に連結される。
【0033】
本実施形態では、ブラケット3は、梁2を下方から支持する支持部30と、支持部30における幅方向(上下方向及び梁2の延在方向の双方に直交する方向)の両端部のそれぞれから下方に延在する一対の側壁部31と、支持部30から上向きに屈曲されて柱1の側面10に沿って延在する上方固定部32と、一対の側壁部31のそれぞれから上記幅方向の内側に屈曲されて柱1の側面10に沿って延在する側方固定部33と、を備えている。
【0034】
ブラケット3における上方固定部32及び側方固定部33が、柱1の側面10に固定されている。本例では、柱1の側面10には貫通孔10hが形成されている。そして、上方固定部32及び側方固定部33は、貫通孔10hを貫通するリベット96によって、柱1の側面10に固定されている。
【0035】
梁2は、ブラケット3の支持部30に対して上側から載置される被支持部20を備えている。本実施形態では、梁2は、被支持部20における幅方向(上下方向及び梁2の延在方向の双方に直交する方向)の両端部のそれぞれから下方に垂下する一対の垂下部21を備えている。被支持部20は、支持部30に対して上方に配置されている。一対の垂下部21のそれぞれは、一対の側壁部31のうち上記幅方向の同じ側に配置された側壁部31に対して上記幅方向の外側に配置されている。これにより、梁2の延在方向に沿う延在方向視において、梁2がブラケット3を覆うように配置されている。この状態において、梁2は、締結部材(例えばボルト97)によってブラケット3に固定される。梁2とブラケット3とのそれぞれには、同一のボルト97が貫通するボルト貫通孔(不図示)が形成されている。
【0036】
ここで、ブラケット3に対する梁2の適正位置を梁適正位置として、
図3及び
図4に示すように、ブラケット3には、梁2を梁適正位置で支持するための基準部である第1基準部30mが設けられている。そして、梁2には、第1基準部30mに合わせて配置される基準部である第2基準部20mが設けられている。梁2は、第2基準部20mが第1基準部30mに合わせて配置されることにより、ブラケット3に対して梁適正位置に配置される。すなわち、第1基準部30mと第2基準部20mとは、梁2を梁適正位置に配置する際の位置合わせのために用いられる。本実施形態では、ブラケット3の第1基準部30mと梁2の第2基準部20mとが上下方向視で重複した状態で、梁2が梁適正位置に配置される(
図4参照)。
【0037】
本明細書において「梁適正位置」とは、梁2の直接的な連結対象であるブラケット3に対する、当該梁2の理想的な位置(ここでは、ある程度の範囲を持った位置)である。梁2が梁適正位置に配置された状態で、梁2に形成された複数のボルト貫通孔と、これらに対応するようにブラケット3に形成された各ボルト貫通孔とが、同一のボルト97が貫通する貫通方向視において重なる。
【0038】
本実施形態では、第1基準部30mは、ブラケット3における支持部30の上面に設けられた基準マークである。第1基準部30mとしての基準マークは、文字、図形、記号、凹部、凸部、又はそれらの組み合わせにより構成される。本例では、第1基準部30mとしての基準マークは、支持部30に刻まれた図形(例えば円形状の図形)とされている。
【0039】
図4に示すように、本実施形態では、第2基準部20mは、梁2における被支持部20を上下方向に貫通する貫通孔である。第2基準部20mは、支持部30に形成された第1基準部30mに対応する位置に配置されている。上下方向視において、第2基準部20mは、第1基準部30mよりも大きく形成されている。すなわち、第1基準部30mに対して第2基準部20mの位置合わせを行った場合に、上下方向視において、第2基準部20mの内部に第1基準部30mが配置される。上下方向視における第2基準部20mの孔の形状(内面の形状)は、第1基準部30mとは区別できる態様であると好ましい。また、第2基準部20mの孔の形状は、上下方向視において第1基準部30mに外接する形状であると好ましい。本例では、第1基準部30mは円形状の図形とされており、上下方向視における第2基準部20mの孔の形状は、円形状とは異なる形状に形成されている。図示の例では、上下方向視における第2基準部20mの孔の形状は、四角形状に形成されている。なお、本例では、第2基準部20mを、全周を囲まれた孔としているが、第2基準部20mを、一部が開放された孔(例えば、被支持部20における柱1に近い側の端部が開放された孔)としてもよい。このように、第1基準部30mと第2基準部20mとが異なる外観に形成されていることにより、両者が同様の外観(例えば、両者とも円形状)に形成されている場合に比べて、第1基準部30mに対する第2基準部20mの位置合わせを行い易くなるという効果が期待できる。
【0040】
図5に示すように、走行フロアFは、支持フレームSFに支持された複数の床板4が複数組み合わされて構成されている。走行面Ffは、平面状に並べられた複数の床板4の上面により形成されている。そして、床板4における少なくとも1箇所に、当該箇所の位置情報を保持する位置情報保持部6が配置されている(
図6参照)。
【0041】
本実施形態では、梁2の上面に、床板4が載置されている。床板4は、締結部材(本例ではボルト99)によって梁2に固定されている。梁2の被支持部20には、ボルト99が貫通するボルト貫通孔2hが形成されており(
図3参照)、床板4にも、当該ボルト99が貫通するボルト貫通孔(不図示)が形成されている。互いに対応するこれらのボルト貫通孔を同一のボルト99が一体的に貫通することにより、床板4が梁2に固定される。
【0042】
柱1の周囲を囲むように複数の床板4(本例では4枚の床板4)が配置されている。柱1の4つの側面10のうち互いに直交する一対の側面10のそれぞれに支持された梁2を対象梁2Tとして、床板4が一対の対象梁2Tに支持されている(
図6も参照)。1枚の床板4は、一対の対象梁2Tのそれぞれによって下方から支持された状態で、ボルト99を用いて一対の対象梁2Tのそれぞれに固定されている。本実施形態では、1枚の床板4は、4本の梁2(具体的には、2組の一対の対象梁2T)によって支持される。なお、柱1に支持された複数の梁2のうち何れもが、対象梁2Tとなって床板4を支持し得る。本図では、説明の便宜のため、柱1に支持された4本の梁2のうち任意の一対の梁2を対象梁2Tとして示している。
【0043】
本実施形態では、床板4は、平面視で矩形状に形成されている(
図6も参照)。床板4の4つの辺部4sのうち互いに直交する一対の辺部4sを対象辺部4sTとして、一対の対象辺部4sTのそれぞれが、互いに異なる対象梁2Tによって支持されている。
【0044】
本実施形態では、走行フロアFには、柱1が配置される柱用貫通孔5が設けられている。柱1は、柱用貫通孔5を貫通するように配置されることで、走行フロアFを上下方向に貫通している。
【0045】
上下方向視において、柱用貫通孔5の内部に、ブラケット3の一部と梁2の一部とが配置されている。本実施形態では、上下方向視において、柱用貫通孔5の内部に、ブラケット3の第1基準部30mと梁2の第2基準部20mとが配置されている。換言すれば、第1基準部30mと第2基準部20mとが、上下方向視において床板4から露出している。これにより、第1基準部30mと第2基準部20mとを床板4の上側から視認可能となっている。
【0046】
図6に示すように、床板4には、第2基準部20mに合わせて配置される基準部である第3基準部4mが設けられている。梁2に対する床板4の適正位置を床板適正位置として、床板4は、第3基準部4mが第2基準部20mに合わせて配置されることにより、梁2に対して床板適正位置に配置される。すなわち、第2基準部20mと第3基準部4mとは、床板4を床板適正位置に配置する際の位置合わせのために用いられる。
【0047】
本明細書において「床板適正位置」とは、床板4の直接的な連結対象である梁2に対する、当該床板4の理想的な位置(ここでは、ある程度の範囲を持った位置)である。床板4が床板適正位置に配置された状態で、梁2に形成された複数のボルト貫通孔2h(
図3参照)と、これらに対応するように床板4に形成された各ボルト貫通孔とが、同一のボルト99が貫通する貫通方向視において重なる。
【0048】
本実施形態では、床板4には、1つの柱1に対応して第3基準部4mが一対設けられている。そして、一対の対象梁2Tのうち一方の第2基準部20mと、床板4における一対の第3基準部4mのうち一方とが対応していると共に、一対の対象梁2Tのうち他方の第2基準部20mと、床板4における一対の第3基準部4mのうち他方とが対応している。これにより、1枚の床板4について、2箇所において梁2の第2基準部20mと床板4の第3基準部4mとを位置合わせすることができる。従って、床板4の配置精度を高めることができる。
【0049】
本実施形態では、床板4の4つの角領域40のうちの少なくとも1つである対象角領域40Tに、上下方向視で床板4の中心に向かって切り欠かれた切欠き縁401が設けられている。対象角領域40Tには、一対の対象辺部4sTのそれぞれと切欠き縁401との交点に角部402が形成されている。そして、本実施形態においては、一対の角部402のそれぞれが、第3基準部4mとなっている。このように、床板4の外縁の一部(角部402)を第3基準部4mとすることで、床板4の第3基準部4mを梁2の第2基準部20mに合わせる際の視認性が良好となり、位置合わせを行い易くなる。また、第3基準部4mを作出するために、床板4に別途マーク等を設ける必要がないため、床板4の構成の簡素化を図り易い。図示は省略するが、本実施形態では、床板4の4つの角領域40のそれぞれが、切欠き縁401が設けられた対象角領域40Tとされている。そして、1枚の床板4には、4つの柱1のそれぞれに対応して一対の第3基準部4m(すなわち、合計で4組の一対の第3基準部4m)が設けられている。
【0050】
上述したように、本開示に係る物品搬送設備100では、走行面Ffおける複数箇所に、当該箇所の位置情報を保持する位置情報保持部6が配置されている。位置情報保持部6は、位置情報を読み取りながら走行する搬送車Vの走行位置の基準となっており、各床板4に配置されている。
【0051】
位置情報保持部6は、床板4における、第3基準部4mを基準とする予め定められた基準位置Psに配置されている。換言すれば、基準位置Psと第3基準部4mとの相対位置関係が、予め設定されている。基準位置Psは、第3基準部4mからの距離に基づいて設定される。本実施形態では、1枚の床板4は一対の第3基準部4m(角部402)を備えており、基準位置Psは、一対の第3基準部4mそれぞれからの距離に基づいて設定される。
【0052】
上述のように、位置情報保持部6は、位置情報を示すコードが表示された表示部60と、表示部60の周囲を囲む枠部61と、を備えた板状部材である。
図7に示すように、本実施形態では、床板4における基準位置Psに対応する複数個所に、位置情報保持部6の位置決めを行うための位置決め部41が設けられている。そして、枠部61に、位置決め部41により位置決めされる被位置決め部61aが設けられている。枠部61の被位置決め部61aが、床板4の位置決め部41に位置決めされることによって、位置情報保持部6の位置が基準位置Psに定まる。
【0053】
本実施形態では、位置情報保持部6は、締結部材(図示の例ではリベット98)によって床板4に固定されている。そして、床板4の位置決め部41及び枠部61の被位置決め部61aのそれぞれは、リベット98が貫通する貫通孔として構成されている。すなわち、両方の貫通孔をリベット98が一体的に貫通して配置されることにより、必然的に、被位置決め部61aが位置決め部41に位置決めされる。
【0054】
以上説明したように、本開示に係る物品搬送設備100は、梁2の第2基準部20mがブラケット3の第1基準部30mに合わせて配置されることにより、梁2が、ブラケット3に対して適正な位置(梁適正位置)に配置される。そして、この第2基準部20mに合わせて、床板4の第3基準部4mが配置されることにより、床板4が、梁2に対して適正な位置(床板適正位置)に配置される。さらに、この第3基準部4mを基準として、位置情報保持部6が配置される基準位置Psが定められている。従って、第1基準部30m、第2基準部20m、及び第3基準部4mが、相互に位置合わせされることにより、最終的に、位置情報保持部6が、走行面Ffの全体を基準とした適切な位置に配置され易くなる。
【0055】
〔その他の実施形態〕
次に、物品搬送設備のその他の実施形態について説明する。
【0056】
(1)上記の実施形態では、床板4の位置決め部41及び枠部61の被位置決め部61aのそれぞれが、リベット98が貫通する貫通孔として構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、床板4の位置決め部41及び枠部61の被位置決め部61aは、互いに係合するように相補的な形状とされていてもよい。例えば
図8に示すように、床板4の位置決め部41が、床板4の上面から下方に窪む凹部を用いて構成され、枠部61の被位置決め部61aが、当該凹部に係合する凸部を用いて構成されていてもよい。
【0057】
(2)上記の実施形態では、床板4には、1つの柱1に対応して第3基準部4mが一対設けられており、一対の第3基準部4mのそれぞれが、対応する第2基準部20mに位置合わせされる例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、床板4には、1つの柱1に対応して1つ又は3つ以上の第3基準部4mが設けられていてもよい。
【0058】
(3)上記の実施形態では、床板4の対象角領域40Tに一対の角部402が設けられ、一対の角部402のそれぞれが第3基準部4mとなっている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、例えば床板4にマークを設け、当該マークが第3基準部4mとされていてもよい。
【0059】
(4)上記の実施形態では、第2基準部20mが、梁2における被支持部20を上下方向に貫通する貫通孔であり、基準マークを用いて構成された第1基準部30mに対して第2基準部20mの位置合わせを行った場合に、上下方向視において、第2基準部20mの内部に第1基準部30mが配置される例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第2基準部20mについても、第1基準部30mと同様に基準マークを用いて構成されていてもよい。この場合、例えば、第1基準部30m及び第2基準部20mの双方がライン(基準マークの一例)を用いて構成され、上下方向視において、双方のラインが繋がるように第1基準部30mと第2基準部20mとが位置合わせされるように構成されていてもよい。
【0060】
(5)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0061】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品搬送設備について説明する。
【0062】
走行フロアと、前記走行フロアを支持する支持フレームと、前記走行フロアに形成された走行面を走行する搬送車と、を備えた物品搬送設備であって、
前記支持フレームは、複数の柱と、複数の前記柱により支持される複数の梁と、を備え、
前記走行フロアは、前記支持フレームに支持された複数の床板が複数組み合わされて構成され、
前記走行面は、平面状に並べられた複数の前記床板の上面により形成され、
前記床板における少なくとも1箇所に、当該箇所の位置情報を保持する位置情報保持部が配置され、
前記搬送車は、前記位置情報保持部に保持された前記位置情報を読み取りながら前記走行面を走行するように構成され、
前記柱の側面には、前記梁を支持するためのブラケットが固定され、
前記ブラケットに対する前記梁の適正位置を梁適正位置とし、前記梁に対する前記床板の適正位置を床板適正位置として、
前記ブラケットには、前記梁を前記梁適正位置で支持するための基準部である第1基準部が設けられ、
前記梁には、前記第1基準部に合わせて配置される基準部である第2基準部が設けられ、
前記梁は、前記第2基準部が前記第1基準部に合わせて配置されることにより、前記ブラケットに対して前記梁適正位置に配置され、
前記床板には、前記第2基準部に合わせて配置される基準部である第3基準部が設けられ、
前記床板は、前記第3基準部が前記第2基準部に合わせて配置されることにより、前記梁に対して前記床板適正位置に配置され、
前記位置情報保持部は、前記床板における、前記第3基準部を基準とする予め定められた基準位置に配置されている。
【0063】
本構成によれば、搬送車が走行する走行面は複数の床板の上面により形成されており、これら複数の床板は梁によって支持されている。梁は、第2基準部がブラケットの第1基準部に合わせて配置されることにより、ブラケットに対して適正な位置に配置される。そして、床板は、第3基準部が梁の第2基準部に合わせて配置されることにより、梁に対して適正な位置に配置される。さらに、位置情報保持部は、床板における、第3基準部を基準とする予め定められた基準位置に配置されている。このような構成により、位置情報保持部を、走行面の全体を基準とした適切な位置に配置し易くなる。従って、本構成によれば、搬送車の走行位置の基準となる位置情報保持部の配置誤差を小さくすることが可能となる。
【0064】
前記柱は、前記側面を4つ有する四角柱状に形成され、
前記柱における4つの前記側面のそれぞれに、前記ブラケットが固定可能であり、
前記柱の4つの前記側面のうち互いに直交する一対の前記側面のそれぞれに支持された前記梁を対象梁として、
前記床板が一対の前記対象梁に支持され、
前記床板には、1つの前記柱に対応して前記第3基準部が一対設けられ、
一対の前記対象梁のうち一方の前記第2基準部と、前記床板における一対の前記第3基準部のうち一方とが対応していると共に、一対の前記対象梁のうち他方の前記第2基準部と、前記床板における一対の前記第3基準部のうち他方とが対応している、と好適である。
【0065】
本構成によれば、1枚の床板について、2箇所において梁の第2基準部と床板の第3基準部とを位置合わせすることができる。従って、位置情報保持部の配置誤差を更に小さくし易い。
【0066】
前記床板は、平面視で矩形状に形成され、
前記床板の4つの辺部のうち互いに直交する一対の前記辺部を対象辺部とし、
一対の前記対象辺部のそれぞれが、互いに異なる前記対象梁によって支持され、
前記床板の4つの角領域のうちの少なくとも1つである対象角領域に、上下方向視で前記床板の中心に向かって切り欠かれた切欠き縁が設けられ、
前記対象角領域には、一対の前記対象辺部のそれぞれと前記切欠き縁との交点に角部が形成され、
一対の前記角部のそれぞれが、前記第3基準部である、と好適である。
【0067】
本構成によれば、床板の外縁の一部が第3基準部となるため、床板の第3基準部を梁の第2基準部に合わせる際の視認性が良好となり、位置合わせを行い易くなる。また、第3基準部となるマーク等を床板に別途設ける必要がないため、床板の構成の簡素化を図り易い。
【0068】
前記梁が、前記ブラケットの支持部に対して上側から載置される被支持部を備え、
前記第1基準部が、前記支持部の上面に設けられた基準マークであり、
前記第2基準部が、前記被支持部を上下方向に貫通する貫通孔であり、
前記ブラケットの前記第1基準部と前記梁の前記第2基準部とが上下方向視で重複した状態で、前記梁が前記梁適正位置に配置される、と好適である。
【0069】
本構成によれば、梁の被支持部をブラケットの支持部の上に載置した場合に、梁の上側から、貫通孔である第2基準部を介して基準マークである第1基準部が見えるようすればよい。従って、第1基準部と第2基準部との位置合わせを容易に行うことができる。
【0070】
前記位置情報保持部は、前記位置情報を示すコードが表示された表示部と、前記表示部の周囲を囲む枠部と、を備えた板状部材であり、
前記床板における前記基準位置に対応する複数個所に、前記位置情報保持部の位置決めを行うための位置決め部が設けられ、
前記枠部に、前記位置決め部により位置決めされる被位置決め部が設けられている、と好適である。
【0071】
本構成によれば、床板における基準位置に、位置情報保持部を容易に取り付けることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本開示に係る技術は、走行フロアと、前記走行フロアを支持する支持フレームと、前記走行フロアに形成された走行面を走行する搬送車と、を備えた物品搬送設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0073】
100 :物品搬送設備
1 :柱
10 :側面
2 :梁
2T :対象梁
20 :被支持部
20m :第2基準部
3 :ブラケット
30 :支持部
30m :第1基準部
4 :床板
40 :角領域
40T :対象角領域
401 :切欠き縁
402 :角部
41 :位置決め部
4m :第3基準部
4s :辺部
4sT :対象辺部
6 :位置情報保持部
60 :表示部
61 :枠部
61a :被位置決め部
Ps :基準位置
F :走行フロア
Ff :走行面
SF :支持フレーム
G :物品
V :搬送車