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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082463
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】モータマウント用筒型防振装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 1/387 20060101AFI20240613BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20240613BHJP
   B60K 5/12 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
F16F1/387 C
F16F15/08 K
B60K5/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196324
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】松居 宏渉
(72)【発明者】
【氏名】村岡 睦
(72)【発明者】
【氏名】梅村 聡
【テーマコード(参考)】
3D235
3J048
3J059
【Fターム(参考)】
3D235AA01
3D235BB23
3D235CC12
3D235EE04
3D235HH44
3J048AA01
3J048AD07
3J048BA19
3J048CB22
3J048EA08
3J059AA08
3J059BA42
3J059BC06
3J059DA22
3J059GA01
3J059GA50
(57)【要約】
【課題】モータマウントにおいて問題となる高周波振動に対する防振性能の向上を実現することができる、新規な構造のモータマウント用筒型防振装置を提供すること。
【解決手段】インナ軸部材12とアウタ筒部材14が本体ゴム弾性体16によって連結されたモータマウント用筒型防振装置10であって、本体ゴム弾性体16は、インナ軸部材12からアウタ筒部材14へ向けて延びてそれらインナ軸部材12とアウタ筒部材14を相互に連結する複数のゴム脚20を備えており、ゴム脚20には、連結方向においてインナ軸部材12とアウタ筒部材14の何れからも離れた中間部分に位置して表面上に突出する複数の制振突部30,32が設けられており、それら複数の制振突部30,32がゴム脚20の連結方向で相互に離隔して並列的に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって連結されたモータマウント用筒型防振装置であって、
前記本体ゴム弾性体は、前記インナ軸部材から前記アウタ筒部材へ向けて延びてそれらインナ軸部材とアウタ筒部材を相互に連結する複数のゴム脚を備えており、
該ゴム脚には、連結方向において該インナ軸部材と該アウタ筒部材の何れからも離れた中間部分に位置して表面上に突出する複数の制振突部が設けられており、
それら複数の制振突部が該ゴム脚の連結方向で相互に離隔して並列的に配置されているモータマウント用筒型防振装置。
【請求項2】
前記ゴム脚に設けられた前記複数の制振突部において、複数の異なる固有振動数が設定されている請求項1に記載のモータマウント用筒型防振装置。
【請求項3】
前記制振突部において前記ゴム脚からの突出寸法が異ならされることで前記複数の異なる固有振動数を設定されている請求項2に記載のモータマウント用筒型防振装置。
【請求項4】
前記制振突部において径方向の厚さ寸法が異ならされることで前記複数の異なる固有振動数を設定されている請求項2又は3に記載のモータマウント用筒型防振装置。
【請求項5】
前記複数の制振突部が前記ゴム脚に対して該ゴム脚の連結方向で略均等に配置されている請求項1又は2に記載のモータマウント用筒型防振装置。
【請求項6】
前記ゴム脚の連結方向で隣り合って配された前記制振突部間の距離は、最内周に位置する該制振突部から該ゴム脚の内周端までの距離と、最外周に位置する別の該制振突部から該ゴム脚の外周端までの距離との何れよりも短くされている請求項1又は2に記載のモータマウント用筒型防振装置。
【請求項7】
インナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって連結されたモータマウント用筒型防振装置であって、
前記本体ゴム弾性体は、前記インナ軸部材から前記アウタ筒部材へ向けて延びてそれらインナ軸部材とアウタ筒部材を相互に連結する複数のゴム脚を備えており、
周方向で隣り合う該ゴム脚の周方向間には、それらゴム脚を周方向で相互に連結する制振突部が設けられており、
該制振突部は、該ゴム脚の周方向間に位置する部分において軸方向寸法が周方向寸法よりも大きくされているモータマウント用筒型防振装置。
【請求項8】
前記制振突部の軸方向両端部が、前記ゴム脚の軸方向端面に対して軸方向外方へ突出していない請求項7に記載のモータマウント用筒型防振装置。
【請求項9】
インナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって連結されたモータマウント用筒型防振装置であって、
前記本体ゴム弾性体は、前記インナ軸部材から前記アウタ筒部材へ向けて延びてそれらインナ軸部材とアウタ筒部材を相互に連結する複数のゴム脚を備えており、
該ゴム脚には、表面上に突出する制振突部が設けられており、
該制振突部が該ゴム腕の連結方向に延びているモータマウント用筒型防振装置。
【請求項10】
前記ゴム脚が、前記インナ軸部材及び前記アウタ筒部材の軸方向中央部分から軸方向両側に向かってそれぞれ連続して延びる中実構造とされており、
前記制振突部が該ゴム脚の軸方向両端面からそれぞれ軸方向外方へ突出しており、軸方向両端面から突出する軸方向両側の該制振突部が該ゴム脚によって軸方向で連続的に繋がっている請求項1又は2に記載のモータマウント用筒型防振装置。
【請求項11】
前記ゴム脚が、前記インナ軸部材及び前記アウタ筒部材の軸方向中央部分から軸方向両側に向かってそれぞれ連続して延びる中実構造とされており、
前記制振突部は、該ゴム脚の周方向両端面からそれぞれ突出しており、該ゴム脚の軸方向全長に亘って連続して設けられている請求項1又は2に記載のモータマウント用筒型防振装置。
【請求項12】
前記ゴム脚が、前記インナ軸部材及び前記アウタ筒部材の軸方向中央部分から軸方向両側に向かってそれぞれ連続して延びる中実構造とされており、
前記制振突部は該ゴム脚の全周囲表面から突出して環状に連続して設けられている請求項1又は2に記載のモータマウント用筒型防振装置。
【請求項13】
インナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって連結されたモータマウント用筒型防振装置であって、
前記本体ゴム弾性体には、径方向においてインナ軸部材とアウタ筒部材の何れからも離れた中間部分に位置して表面上に突出する制振突部が設けられており、
該制振突部によって固有振動数が相互に異なる第一制振部と第二制振部とが構成されているモータマウント用筒型防振装置。
【請求項14】
前記第一制振部と前記第二制振部が、各別の前記制振突部によって構成されている請求項13に記載のモータマウント用筒型防振装置。
【請求項15】
前記第一制振部と前記第二制振部が、一つの前記制振突部の異なる部分によって構成されている請求項13に記載のモータマウント用筒型防振装置。
【請求項16】
インナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって連結されたモータマウント用筒型防振装置であって、
前記本体ゴム弾性体には、軸方向端部の表面上で軸方向外方に突出する制振突部が設けられており、
該制振突部は、突出方向の先端部分において厚肉とされたマス部を有しているモータマウント用筒型防振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車等の環境対応自動車において駆動用電気モータを防振支持するモータマウント用筒型防振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題に対する関心の高まり等を背景として、駆動源としての内燃機関エンジンに代えて、電動モータを採用した環境対応自動車が提案されている。
【0003】
ところで、電動モータを含むパワーユニットを防振支持するモータマウント用の防振装置は、従来の内燃機関エンジンを防振支持するエンジンマウント用の防振装置とは要求される特性に大きな違いがあることから、モータマウント用としてより適した防振装置の開発が進められている。例えば、本出願人は、国際公開第2020/175640号公報(特許文献1)において、モータマウントにおいて問題となる高周波振動に対する対策構造を有するモータマウント用筒型防振装置を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/175640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、モータマウント用筒型防振装置は、開発が進められている途上であり、特に高周波振動(例えばゴムサージングによる高動ばね化)への対策については、更なる改善の余地があった。
【0006】
本発明の解決課題は、モータマウントにおいて問題となる高周波振動に対する防振性能の向上を実現することができる、新規な構造のモータマウント用筒型防振装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
【0008】
第一の態様は、インナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって連結されたモータマウント用筒型防振装置であって、前記本体ゴム弾性体は、前記インナ軸部材から前記アウタ筒部材へ向けて延びてそれらインナ軸部材とアウタ筒部材を相互に連結する複数のゴム脚を備えており、該ゴム脚には、連結方向において該インナ軸部材と該アウタ筒部材の何れからも離れた中間部分に位置して表面上に突出する複数の制振突部が設けられており、それら複数の制振突部が該ゴム脚の連結方向で相互に離隔して並列的に配置されているものである。
【0009】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、ゴム脚のサージングに起因する高動ばね化のピークを制振突部の共振作用(ダイナミックダンパによる制振作用)によって低減して、高周波域での静粛性の向上等が図られる。
【0010】
また、例えば、ゴム脚に設けられた複数の制振突部の固有振動数を同じに設定すれば、ゴム脚のサージングに対する制振効果を特定の周波数で有利に得ることができる。また、例えば、ゴム脚に設けられた複数の制振突部に対して相互に異なる固有振動数を設定すれば、ゴム脚のサージングに対する制振効果をより広い周波数域に亘って有効に得ることができる。
【0011】
複数の制振突部がゴム脚の連結方向で相互に離隔して並列的に配置されていることにより、各制振突部の大きさや形状等の設計自由度を大きく確保することができて、目的とする制振効果をより効率的に得ることができる。また、例えば、ゴム脚における曲げ変形の振幅が大きくなる部分に制振突部をそれぞれ配置することで、一次振動モードのゴムサージングだけでなく二次以上の多次振動モードのゴムサージングに対しても、制振突部による制振作用を効率的に得ることができる。
【0012】
第二の態様は、第一の態様に記載されたモータマウント用筒型防振装置において、前記ゴム脚に設けられた前記複数の制振突部において、複数の異なる固有振動数が設定されているものである。
【0013】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、ゴム脚のサージングに起因する高動ばね化に対して、固有振動数が相互に異なる複数の制振突部によって広い周波数範囲で制振効果を得ることができる。
【0014】
第三の態様は、第二の態様に記載されたモータマウント用筒型防振装置において、前記制振突部において前記ゴム脚からの突出寸法が異ならされることで前記複数の異なる固有振動数を設定されているものである。
【0015】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、複数の制振突部におけるゴム脚からの突出寸法が相互に異なることによって、それら複数の制振突部に対して相互に異なる固有振動数を容易に設定することができる。
【0016】
第四の態様は、第二又は第三の態様に記載されたモータマウント用筒型防振装置において、前記制振突部において径方向の厚さ寸法が異ならされることで前記複数の異なる固有振動数を設定されているものである。
【0017】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、複数の制振突部における径方向の厚さ寸法の違いによって、それら複数の制振突部に対して相互に異なる固有振動数を容易に設定することができる。
【0018】
第五の態様は、第一~第四の何れか1つの態様に記載されたモータマウント用筒型防振装置において、前記複数の制振突部が前記ゴム脚に対して該ゴム脚の連結方向で略均等に配置されているものである。
【0019】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、複数の制振突部を径方向で略均等に配置することによって、各制振突部間の離隔距離を確保することができて、各制振突部の径方向の厚さ寸法等を大きな自由度で設定し易くなる。また、多次振動モードのサージングにおいてゴム脚の曲げ変形の振幅が大きくなる部分に複数の制振突部を配置し易くなって、二次以上のサージングに対する有効な制振効果を得ることができる。
【0020】
第六の態様は、第一~第五の何れか1つの態様に記載されたモータマウント用筒型防振装置において、前記ゴム脚の連結方向で隣り合って配された前記制振突部間の距離は、最内周に位置する該制振突部から該ゴム脚の内周端までの距離と、最外周に位置する別の該制振突部から該ゴム脚の外周端までの距離との何れよりも短くされているものである。
【0021】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、複数の制振突部がゴム脚の連結方向で相互に近い位置に配置されていることから、ゴム脚の一次振動モードのサージングに対して複数の制振突部の協働による優れた制振効果を得ることができる。また、ゴム脚の連結方向において相互に離隔配置された複数の制振突部によって、多次振動モードのサージングに対する制振効果を効率的に得ることもできる。
【0022】
第七の態様は、インナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって連結されたモータマウント用筒型防振装置であって、前記本体ゴム弾性体は、前記インナ軸部材から前記アウタ筒部材へ向けて延びてそれらインナ軸部材とアウタ筒部材を相互に連結する複数のゴム脚を備えており、周方向で隣り合う該ゴム脚の周方向間には、それらゴム脚を周方向で相互に連結する制振突部が設けられており、該制振突部は、該ゴム脚の周方向間に位置する部分において軸方向寸法が周方向寸法よりも大きくされているものである。
【0023】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、制振突部がゴム脚の周方向間に設けられて、制振突部の周方向両端がゴム脚によって支持されていることにより、制振突部の共振周波数をより高周波に設定し易くなる。また、ゴム脚の周方向間における制振突部の軸方向寸法が周方向寸法よりも大きくされていることから、制振突部の質量を大きく設定して制振作用を大きく得ながら、制振突部の共振周波数のチューニング自由度も確保し易くされて高周波側にも設定し易くなる。
【0024】
第八の態様は、第七の態様に記載されたモータマウント用筒型防振装置において、前記制振突部の軸方向両端部が、前記ゴム脚の軸方向端面に対して軸方向外方へ突出していないものである。
【0025】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、ゴム脚の周方向間のスペースを利用して制振突部を設けることにより、軸方向での大型化を防ぎながら、ゴム脚のサージングに対する制振効果を有効に得ることができる。
【0026】
第九の態様は、インナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって連結されたモータマウント用筒型防振装置であって、前記本体ゴム弾性体は、前記インナ軸部材から前記アウタ筒部材へ向けて延びてそれらインナ軸部材とアウタ筒部材を相互に連結する複数のゴム脚を備えており、該ゴム脚には、表面上に突出する制振突部が設けられており、該制振突部が該ゴム脚の連結方向に延びているものである。
【0027】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、ゴム脚のサージングの振動モードにおける腹の部分が、ゴム脚の連結方向で中央を外れたり複数箇所になったりする場合でも、そのような振動モードの腹の部分をカバーするように制振突部を設けることが容易となる。それ故、ゴム脚における各種のサージングに対して安定した制振効果を得ることが可能になり、特に多次振動モードのゴム脚のサージングに対して有効な制振効果を得ることが可能になる。
【0028】
第十の態様は、第一~第九の何れか1つの態様に記載されたモータマウント用筒型防振装置において、前記ゴム脚が、前記インナ軸部材及び前記アウタ筒部材の軸方向中央部分から軸方向両側に向かってそれぞれ連続して延びる中実構造とされており、前記制振突部が該ゴム脚の軸方向両端面からそれぞれ軸方向外方へ突出して設けられていることにより、かかる軸方向両端面から突出する軸方向両側の該制振突部が該ゴム脚によって軸方向で連続的に繋がっているものである。
【0029】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、ゴム脚が軸方向に連続していることによって、ゴム脚の変形態様の安定化が図られて、ゴム脚から軸方向外方へ突出して設けられた制振突部による制振効果が安定して発揮される。
【0030】
第十一の態様は、第一~第十の何れか1つの態様に記載されたモータマウント用筒型防振装置において、前記ゴム脚が、前記インナ軸部材及び前記アウタ筒部材の軸方向中央部分から軸方向両側に向かってそれぞれ連続して延びる中実構造とされており、前記制振突部は、該ゴム脚の周方向両端面からそれぞれ突出しており、該ゴム脚の軸方向全長に亘って連続して設けられているものである。
【0031】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、ゴム脚が軸方向に連続していることによって、ゴム脚の変形態様の安定化が図られて、ゴム脚から周方向外方へ突出して設けられた制振突部による制振効果が安定して発揮される。また、制振突部におけるゴム脚から周方向外方へ突出する部分が、ゴム脚の軸方向全長に亘って連続して設けられていることにより、制振突部の周方向突出部分による制振効果を大きく得ることができる。
【0032】
第十二の態様は、第一~第十一の何れか1つの態様に記載されたモータマウント用筒型防振装置において、前記ゴム脚が、前記インナ軸部材及び前記アウタ筒部材の軸方向中央部分から軸方向両側に向かってそれぞれ連続して延びる中実構造とされており、前記制振突部は、該ゴム脚の全周囲表面から突出して環状に連続して設けられているものである。
【0033】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、ゴム脚が軸方向に連続していることによって、ゴム脚の変形態様の安定化が図られて、制振突部による制振効果が安定して発揮される。また、制振突部がゴム脚から軸方向両側及び周方向両側を含む全周囲表面に突出して設けられていることから、制振突部のゴム脚からの突出高さを抑えつつ、制振突部による制振効果を大きく得ることができる。
【0034】
第十三の態様は、インナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって連結されたモータマウント用筒型防振装置であって、前記本体ゴム弾性体には、径方向においてインナ軸部材とアウタ筒部材の何れからも離れた中間部分に位置して表面上に突出する制振突部が設けられており、該制振突部によって固有振動数が相互に異なる第一制振部と第二制振部とが構成されているものである。
【0035】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、制振突部が相互に固有振動数の異なる第一制振部と第二制振部とを備えていることによって、制振突部によって発揮される制振作用のブロード化(制振効果が発揮される周波数領域の広域化)が図られる。
【0036】
第十四の態様は、第十三の態様に記載されたモータマウント用筒型防振装置において、前記第一制振部と前記第二制振部が、各別の前記制振突部によって構成されているものである。
【0037】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、第一制振部と第二制振部との配置、形状、大きさ等を大きな自由度で設定することができる。
【0038】
第十五の態様は、第十三の態様に記載されたモータマウント用筒型防振装置において、前記第一制振部と前記第二制振部が、一つの前記制振突部の異なる部分によって構成されているものである。
【0039】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、サージングに対する有効な制振作用を、一つの制振突部によってより広い周波数域で得ることができる。なお、本態様は、必ずしも一つの制振突部だけが設けられることを意味せず、例えば、第一制振部と第二制振部とを異なる部分に備えた制振突部を、本体ゴム弾性体に対して複数設けることもできる。
【0040】
第十六の態様は、インナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって連結されたモータマウント用筒型防振装置であって、前記本体ゴム弾性体には、軸方向端部の表面上で軸方向外方に突出する制振突部が設けられており、該制振突部は、突出方向の先端部分において厚肉とされたマス部を有しているものである。
【0041】
本態様に従う構造とされたモータマウント用筒型防振装置によれば、厚肉とされたマス部によって制振突部の質量が大きくされていることから、目的とする制振作用を効率的に得ることができる。また、制振突部の基端部分が先端部分に比して薄肉とされていることから、制振突部の基端部分の変形剛性が抑えられて、振動入力に対する制振突部の変形が効率的に生じる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、モータマウントにおいて問題となる高周波振動に対する防振性能の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の第一の実施形態としてのモータマウントを示す正面図
図2図2のII-II断面図
図3】本発明の第二の実施形態としてのモータマウントを示す正面図
図4】本発明の第三の実施形態としてのモータマウントを示す正面図
図5】本発明の第四の実施形態としてのモータマウントを示す正面図
図6】本発明の第五の実施形態としてのモータマウントを示す正面図
図7】本発明の第六の実施形態としてのモータマウントを示す正面図
図8】本発明の第七の実施形態としてのモータマウントを示す正面図
図9】本発明の第八の実施形態としてのモータマウントを示す正面図
図10図9のX-X断面図
図11】本発明の第九の実施形態としてのモータマウントを示す正面図
図12】本発明の第十の実施形態としてのモータマウントを示す正面図
図13図12のXIII-XIII断面図
図14】本発明の第十一の実施形態としてのモータマウントを示す正面図
図15】本発明の第十二の実施形態としてのモータマウントを示す縦断面図
図16】本発明の第十三の実施形態としてのモータマウントを示す正面図
図17図16のXVII-XVII断面図
図18】本発明の第十四の実施形態としてのモータマウントを示す正面図
図19図18のXIX-XIX断面図
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0045】
図1図2には、本発明に係るモータマウント用筒型防振装置の第一の実施形態として、電気自動車用のモータマウント10が示されている。モータマウント10は、インナ軸部材12とアウタ筒部材14とが本体ゴム弾性体16によって連結された構造を有している。以下の説明において、原則として、上下方向とは図1中の上下方向を、前後方向とは図2中の左右方向を、左右方向とは図1中の左右方向を、それぞれ言う。
【0046】
インナ軸部材12は、金属や合成樹脂で形成された硬質の部材であって、厚肉小径の略円筒形状とされている。インナ軸部材12の中心孔は、軸方向に貫通するボルト孔18とされており、当該ボルト孔18に挿通される図示しない取付ボルトによって、インナ軸部材12が電動モータを含むパワーユニットに取り付けられる。
【0047】
アウタ筒部材14は、金属や合成樹脂で形成された硬質の部材であって、薄肉大径の略円筒形状とされている。アウタ筒部材14は、インナ軸部材12よりも軸方向の長さ寸法が小さくされている。アウタ筒部材14は、図示しないアウタブラケットが外挿状態で取り付けられて、当該アウタブラケットを介して車両ボデーに取り付けられる。
【0048】
インナ軸部材12がアウタ筒部材14の内周に離隔状態で挿通配置されており、それらインナ軸部材12とアウタ筒部材14が本体ゴム弾性体16によって相互に連結されている。本実施形態の本体ゴム弾性体16は、四つのゴム脚20,20,20,20を備えている。ゴム脚20は、インナ軸部材12からアウタ筒部材14へ向けて径方向に延びており、内周側の端部がインナ軸部材12の外周面に加硫接着されていると共に、外周側の端部がアウタ筒部材14の内周面に加硫接着されている。ゴム脚20は、内周端部が周方向に延びる内周連結部22によって周方向で相互に連結されていると共に、外周端部が周方向に延びる外周連結部24によって周方向で相互に連結されている。内周連結部22がインナ軸部材12の外周面に固着されていると共に、外周連結部24がアウタ筒部材14の内周面に固着されている。本実施形態では、二つのゴム脚20a,20aがインナ軸部材12に対する上下両側において上下方向に延びていると共に、他の二つのゴム脚20b,20bがインナ軸部材12に対する左右両側において左右方向に延びている。従って、四つのゴム脚20a,20a,20b,20bは、全体として十文字に配置されている。
【0049】
後述する内周制振突部30及び外周制振突部32を除くゴム脚20は、図2に示すように、軸方向両端面が外周へ向けて軸方向内方へ傾斜するテーパ面26とされており、外周に向けて軸方向の外寸が小さくなっている。ゴム脚20は、軸方向の途中に凹所や空所がなく、インナ軸部材12及びアウタ筒部材14の軸方向中央部分から軸方向両側に向かって連続して延びる中実構造とされている。
【0050】
周方向で隣り合う二つのゴム脚20,20の間には、軸方向に貫通する空所28が形成されている。空所28は、ゴム脚20,20と内周連結部22と外周連結部24とを周壁とする孔状とされている。空所28は、上下方向に延びるゴム脚20と左右方向に延びるゴム脚20との周方向間に形成されることから、全体として外周へ向けて周方向で幅広となる孔断面形状とされている。なお、本実施形態では、ゴム脚20の外周端部が外周へ向けて周方向外側へ広がる拡開形状とされていることから、空所28の外周端部は外周へ向けて周方向で幅狭となっている。
【0051】
ゴム脚20には、制振突部としての内周制振突部30が一体形成されている。内周制振突部30は、周方向に湾曲する湾曲板形状とされており、ゴム脚20の軸方向端面から軸方向外方に向けて突出している。内周制振突部30は、略一定の断面形状で軸方向に直線的に延びている。内周制振突部30の突出先端面は、略軸直角方向に広がる平面状とされている。内周制振突部30は、ゴム脚20の延伸方向(ゴム脚20によるインナ軸部材12とアウタ筒部材14との連結方向)において、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の何れからも離れた中間部分に位置しており、好適にはゴム脚20の中央よりも内周側に配置されている。内周制振突部30は、各ゴム脚20にそれぞれ設けられていると共に、各ゴム脚20の軸方向両端面から突出して軸方向両側に設けられている。ゴム脚20から軸方向両外方に突出する内周制振突部30,30は、互いに対応する径方向位置に配置されており、それら軸方向両側の内周制振突部30,30が中実とされたゴム脚20によって軸方向で連続的につながっている。四つのゴム脚20a,20a,20b,20bに設けられた内周制振突部30は、略同一円周上に配置されている。
【0052】
ゴム脚20には、制振突部としての外周制振突部32が一体形成されている。外周制振突部32は、周方向に湾曲する湾曲板形状とされており、ゴム脚20の軸方向端面から軸方向外方に向けて突出している。外周制振突部32は、略一定の断面形状で軸方向に直線的に延びている。外周制振突部32の突出先端面は、略軸直角方向に広がる平面状とされている。外周制振突部32は、ゴム脚20の延伸方向において、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の何れからも離れた中間部分に位置しており、好適にはゴム脚20の中央よりも外周側に配置されている。外周制振突部32は、各ゴム脚20にそれぞれ設けられていると共に、各ゴム脚20の軸方向両端面から突出して軸方向両側に設けられている。ゴム脚20から軸方向両外方に突出する外周制振突部32,32は、互いに対応する径方向位置に配置されており、それら軸方向両側の外周制振突部32,32が中実とされたゴム脚20によって軸方向で連続的につながっている。四つのゴム脚20a,20a,20b,20bに設けられた外周制振突部32は、略同一円周上に配置されている。
【0053】
内周制振突部30と外周制振突部32は、ゴム脚20の延伸方向で相互に離隔して並列的に配置されている。内周制振突部30と外周制振突部32は、ゴム脚20に対して、ゴム脚20の延伸方向で略均等となる位置に配置されている。より詳細には、本実施形態において、内周制振突部30と外周制振突部32との離隔距離d1は、ゴム脚20の内周端から内周制振突部30までの距離(内周制振突部30からインナ軸部材12の外周面までの距離)d2及びゴム脚20の外周端から外周制振突部32までの距離(外周制振突部32からアウタ筒部材14の内周面までの距離)d3の何れよりも短くされている。なお、内周制振突部30と外周制振突部32は、径方向の厚さ寸法が相互に略同じとされている。
【0054】
内周制振突部30と外周制振突部32は、突出先端の軸方向位置が相互に略同じ位置とされている。ゴム脚20の軸方向端面がテーパ面26とされていることから、図2に示すように、内周制振突部30の突出方向の長さ寸法が外周制振突部32の突出方向の長さ寸法よりも小さくされている。このような内周制振突部30と外周制振突部32のゴム脚20からの突出長さ寸法の違いによって、内周制振突部30と外周制振突部32は、相互に異なる固有振動数が設定されている。本実施形態では、内周制振突部30が第一制振部とされていると共に、外周制振突部32が第二制振部とされており、第一制振部と第二制振部とが互いに独立して各別に設けられている。なお、本実施形態では、突出長さ寸法が小さい内周制振突部30の固有振動数が、突出長さ寸法が大きい外周制振突部32の固有振動数よりも高周波に設定されている。
【0055】
かくの如き構造とされたモータマウント10は、車両への装着状態において、パワーユニット側から振動が入力されると、各ゴム脚20の弾性変形によって防振作用が発揮されて、車両ボデー側に及ぼされる振動が低減される。
【0056】
ところで、電動モータを駆動源とする電気自動車は、内燃機関(エンジン)を駆動源とする従来の自動車では問題になり難かったゴム脚20のサージングに起因する高周波数域(例えば500~1000Hz)での高動ばね化が問題になる場合もある。そこで、本実施形態のモータマウント10は、各ゴム脚20に内周制振突部30と外周制振突部32とが設けられており、それら内周制振突部30と外周制振突部32とが共振状態で積極的に変形して、ダイナミックダンパとしての制振作用を発揮することにより、各ゴム脚20のサージングに起因する高動ばね化が抑制されるようになっている。
【0057】
本実施形態では、ゴム脚20が軸方向に連続する中実構造とされていることにより、ゴム脚20の変形態様の安定化が図られている。それゆえ、ゴム脚20によって支持された内周制振突部30及び外周制振突部32の変形態様の安定化が図られて、内周制振突部30及び外周制振突部32による制振効果が安定して発揮される。
【0058】
内周制振突部30と外周制振突部32は、固有振動数が互いに異なる第一制振部及び第二制振部とされていることから、より広い周波数域でゴム脚20のサージングに対する制振作用が発揮される。本実施形態では、第一,第二制振部が互いに別の内周制振突部30と外周制振突部32によって独立して設けられていることから、第一,第二制振部のチューニング自由度をより大きく得ることができる。
【0059】
また、内周制振突部30と外周制振突部32は、ゴム脚20の延伸方向で相互に離れて配置されていることから、例えば、1次振動モードのサージングだけでなく、2次振動モードのサージングに対しても有効な制振効果を得ることができる。
【0060】
図3には、本発明に係るモータマウント用筒型防振装置の第二の実施形態として、電気自動車用のモータマウント40が示されている。モータマウント40は、インナ軸部材12とアウタ筒部材14が本体ゴム弾性体42によって連結された構造を有している。以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同一の部材及び部位については、図中に同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
【0061】
本実施形態の本体ゴム弾性体42は、左右一対のゴム脚20b,20bを備えている。換言すれば、本実施形態の本体ゴム弾性体42は、第一の実施形態の本体ゴム弾性体16から上下のゴム脚20a,20aを取り除いたような構造とされており、左右のゴム脚20b,20bの周方向間(左右のゴム脚20b,20b及びインナ軸部材12に対する上下両側)には、周方向に各半周弱の長さで延びる一対の空所44,44が形成されている。
【0062】
本実施形態のモータマウント40によれば、上下方向の振動入力に対して、一対のゴム脚20b,20bのせん断ばねによる柔らかいばね特性を得ることができる。また、各ゴム脚20bに設けられた内周制振突部30と外周制振突部32とによって、各ゴム脚20bのサージングに対する制振効果を有効に得ることができる。
【0063】
本実施形態に例示するように、ゴム脚の数は、複数であればよく、例えば、三つであってもよいし、五つ以上であってもよい。また、複数のゴム脚は、必ずしも周方向で略均等に配置される必要はなく、周方向で偏って配置されていてもよい。
【0064】
例えば、図4に示す第三の実施形態のモータマウント50のように、左右方向に対して傾斜する一対のゴム脚54,54を備えた本体ゴム弾性体52を採用することもできる。モータマウント50では、一対のゴム脚54,54が内周から外周へ向けて左右方向に対して下傾しており、図示しない電動モータを含むパワーユニットの分担支持荷重に対して一対のゴム脚54,54の圧縮ばね成分による比較的に硬い支持ばねを得ることができて、耐荷重性能の確保が図られる。なお、モータマウント50では、左右のゴム脚54,54の周方向間に形成された上下の空所が、互いに周方向長さが異なることで形状が相違する空所56a,56bとされている。
【0065】
図5には、本発明に係るモータマウント用筒型防振装置の第四の実施形態として、電気自動車用のモータマウント60が示されている。モータマウント60の本体ゴム弾性体62は、第一の実施形態と同様に、十字状に配置された四つのゴム脚20a,20a,20b,20bを備えており、各ゴム脚20に内周制振突部64と外周制振突部66とが設けられている。
【0066】
内周制振突部64は、ゴム脚20の軸方向両端面から軸方向両側外方へ向けてそれぞれ突出している。また、内周制振突部64は、ゴム脚20の周方向両端面から周方向両側外方へ向けてそれぞれ突出している。これらにより、内周制振突部64は、ゴム脚20の全周囲表面から突出して、ゴム脚20の全周囲に連続する環状に設けられている。内周制振突部64におけるゴム脚20から周方向両側外方へ突出した部分は、中実とされたゴム脚20によって周方向で連続的につながっていると共に、ゴム脚20の軸方向全長に亘って連続して設けられている。
【0067】
外周制振突部66は、ゴム脚20の軸方向両端面から軸方向両側外方へ向けてそれぞれ突出している。また、外周制振突部66は、ゴム脚20の周方向両端面から周方向両側外方へ向けてそれぞれ突出している。これにより、外周制振突部66は、ゴム脚20の全周囲表面から突出して、ゴム脚20の全周囲に連続する環状に設けられている。外周制振突部66におけるゴム脚20から周方向両側外方へ突出した部分は、中実とされたゴム脚20によって周方向で連続的につながっていると共に、ゴム脚20の軸方向全長に亘って連続して設けられている。
【0068】
このような内周制振突部64と外周制振突部66とを備えるモータマウント60によれば、内周制振突部64と外周制振突部66とのゴム脚20から軸方向外方への突出部分だけでなく、内周制振突部64と外周制振突部66とのゴム脚20から周方向外方への突出部分の変形によっても、ゴム脚20のサージングに対する制振作用を得ることができる。
【0069】
なお、図6に示す第五の実施形態のモータマウント70のように、第二の実施形態の如き左右方向に延びる一対のゴム脚20b,20bと、内周制振突部64及び外周制振突部66とを組み合わせた構造の本体ゴム弾性体72を採用することもできる。また、図7に示す第六の実施形態のモータマウント80のように、第三の実施形態の如き左右外方に向けて下傾して延びる一対のゴム脚54,54と、内周制振突部64及び外周制振突部66とを組み合わせた構造の本体ゴム弾性体82を採用することもできる。
【0070】
第四~第六の実施形態では、ゴム脚20(54)から周方向外方と軸方向外方との両方に突出する制振突部(64,66)を示したが、例えば、周方向外方だけに突出して軸方向には突出しない制振突部も採用可能である。
【0071】
図8には、本発明に係るモータマウント用筒型防振装置の第七の実施形態として、電気自動車用のモータマウント90が示されている。モータマウント90の本体ゴム弾性体92は、十字状に延びる四つのゴム脚20a,20a,20b,20bを備えており、各ゴム脚20に内周制振突部94と外周制振突部96とが設けられた構造とされている。
【0072】
内周制振突部94と外周制振突部96は、何れも周方向に延びる湾曲板形状とされており、ゴム脚20と一体形成されて、ゴム脚20の軸方向端面から軸方向外方へ向けて略一定の断面形状で突出している。
【0073】
内周制振突部94は、外周制振突部96に比して、軸方向の突出長さ寸法が小さくされているだけでなく、周方向の長さ寸法が小さくされている。このような形状及び大きさの違いによって、内周制振突部94と外周制振突部96は、固有振動数が相互に異ならされており、本実施形態では、第一制振部としての内周制振突部94の固有振動数が、第二制振部としての外周制振突部96の固有振動数よりも低周波にチューニングされている。
【0074】
本実施形態に示すように、内周制振突部94と外周制振突部96の周方向長さ寸法を相互に異ならせることによって、内周制振突部94と外周制振突部96の固有振動数を相互に異ならせることもできる。なお、内周制振突部の周方向長さ寸法と、外周制振突部の周方向長さ寸法との大小関係は逆でも良い。
【0075】
図9図10には、本発明に係るモータマウント用筒型防振装置の第八の実施形態として、電気自動車用のモータマウント100が示されている。モータマウント100の本体ゴム弾性体102は、十字状に延びる四つのゴム脚20a,20a,20b,20bを備えており、各ゴム脚20に内周制振突部104と外周制振突部106とが設けられた構造とされている。
【0076】
周方向に延びる湾曲板形状とされてゴム脚20から軸方向外方へ突出した内周制振突部104と外周制振突部106は、ゴム脚20の延伸方向(径方向)での厚さ寸法が相互に異なっており、内周制振突部104が外周制振突部106よりも薄肉とされている。このような内周制振突部104と外周制振突部106との厚さ寸法の違いによって、内周制振突部104と外周制振突部106は、相互に異なる固有振動数が設定されている。本実施形態では、第一制振部と第二制振部が内周制振突部104と外周制振突部106とによって独立して各別に設けられており、第一制振部としての内周制振突部104の固有振動数が第二制振部としての外周制振突部106の固有振動数よりも低周波にチューニングされている。内周制振突部104と外周制振突部106は、図10に示すように、厚さ寸法と軸方向の突出長さ寸法が相互に異なっていると共に、図9に示すように、周方向長さ寸法が相互に略同じとされている。
【0077】
本実施形態に示すように、内周制振突部104と外周制振突部106の厚さ寸法を相互に異ならせることによって、内周制振突部104と外周制振突部106の固有振動数を相互に異ならせることもできる。なお、内周制振突部の厚さ寸法は、外周制振突部の厚さ寸法より大きくされ得る。
【0078】
図11には、本発明に係るモータマウント用筒型防振装置の第九の実施形態として、電気自動車用のモータマウント110が示されている。モータマウント110の本体ゴム弾性体112は、十字状に配置された四つのゴム脚20a,20a,20b,20bを備えており、上下方向に延びるゴム脚20a,20aに制振突部としての第一制振部114が設けられていると共に、左右方向に延びるゴム脚20b,20bに制振突部としての第二制振部116が設けられている。
【0079】
第一制振部114は、上下方向に延びるゴム脚20aの軸方向端面から軸方向外方へ向けて突出しており、周方向に湾曲して延びる湾曲板状とされている。本実施形態では、図9に示すゴム脚20の軸方向一方の端面において、一つの第一制振部114だけが形成されている。なお、第一制振部114は、ゴム脚20aの軸方向両側に突出形成されていてもよいし、ゴム脚20aの軸方向一方側だけに設けられていてもよい。
【0080】
第二制振部116は、左右方向に延びるゴム脚20bの軸方向端面から軸方向外方へ向けて突出しており、周方向に湾曲して延びる湾曲板状とされている。本実施形態では、図9に示すゴム脚20の軸方向一方の端面において、一つの第二制振部116だけが形成されている。なお、第二制振部116は、ゴム脚20bの軸方向両側に突出形成されていてもよいし、ゴム脚20bの軸方向一方側だけに設けられていてもよい。
【0081】
第一制振部114と第二制振部116は、周方向長さが相互に異ならされており、第一制振部114の周方向長さ寸法が第二制振部116の周方向長さ寸法よりも大きくされている。これにより、第一制振部114と第二制振部116は、固有振動数が相互に異ならされており、本実施形態では、第一制振部114の固有振動数が第二制振部116の固有振動数よりも低周波にチューニングされている。
【0082】
第一制振部114と第二制振部116の軸方向の長さは、相互に異なっていてもよいが、本実施形態では相互に同じとされている。第一制振部114と第二制振部116の突出先端面の位置は、特に限定されないが、例えば、アウタ筒部材14よりも軸方向外方までは突出しないように設定されている。本実施形態において第一制振部114は、ゴム脚20から周方向外方に突出していないが、第四の実施形態に示した制振突部(64,66)のようにゴム脚20から周方向外方へ突出していてもよい。
【0083】
制振突部は、必ずしもゴム脚20の延伸方向で複数設けられている必要はなく、本実施形態のように、ゴム脚20の延伸方向の一箇所にだけ制振突部(第一,第二制振部114,116)が設けられていてもよい。
【0084】
本実施形態のモータマウント110によれば、上下のゴム脚20a,20aに設けられた第一制振部114,114の固有振動数と、左右のゴム脚20b,20bに設けられた第二制振部116,116の固有振動数とを、相互に異ならせることによって、ゴム脚20のサージングに対する制振効果をより広い周波数域に亘って有効に得ることができる。なお、本実施形態では、上下のゴム脚20a,20aには、固有振動数が同じとされた制振突部(第一制振部114)がそれぞれに設けられているが、例えば、上下のゴム脚20a,20aに設けられる制振突部の固有振動数を相互に異ならせることもできる。同様に、左右のゴム脚20b,20bに設けられる制振突部において相互に異なる固有振動数を設定してもよい。例えば四つのゴム脚20a,20a,20b,20bに対して、それぞれ固有振動数が異なる制振突部を設けることによって、より一層広い周波数域のサージングに対して有効な制振作用を発揮させることも可能となり得る。
【0085】
第九の実施形態に示したモータマウント110では、周方向長さ寸法の違いによって固有振動数が異ならされた第一制振部114と第二制振部116について説明したが、例えば、図12図13に示す第十の実施形態としてのモータマウント120の本体ゴム弾性体122のように、厚さ寸法が大きい第一制振部124を上下のゴム脚20a,20aに設けると共に、厚さ寸法が小さい第二制振部126を左右のゴム脚20b,20bに設けることによって、固有振動数が相互に異なる制振突部を構成することもできる。なお、ゴム脚20からの突出長さ寸法の違いによって、第一制振部と第二制振部の固有振動数を相互に異ならせることも可能である。
【0086】
図14には、本発明に係るモータマウント用筒型防振装置の第十一の実施形態として、電気自動車用のモータマウント130が示されている。モータマウント130は、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の径方向間が全周に亘って本体ゴム弾性体132で連結されており、本体ゴム弾性体132がゴム脚及び空所をもたない円筒状とされている。
【0087】
本体ゴム弾性体132には、軸方向端面から軸方向外方へ向けて突出する制振突部134が一体形成されている。制振突部134は、周方向に連続する環状乃至は筒状とされており、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の径方向間に位置して、それらインナ軸部材12とアウタ筒部材14の両方から径方向で離隔している。
【0088】
制振突部134は、径方向の厚さ寸法が周方向で変化しており、上下両側部分が薄肉の第一制振部136とされていると共に、左右両側部分が厚肉の第二制振部138とされている。要するに、本実施形態では、周方向環状に連続する一つの制振突部134だけが設けられており、一つの制振突部134において厚さ寸法が相互に異なる第一制振部136と第二制振部138とが周方向の異なる位置にそれぞれ部分的に設けられている。制振突部134の厚さ寸法は、周方向で徐々に変化しており、第一制振部136と第二制振部138が滑らかな内周面及び外周面で連続して設けられている。本実施形態の制振突部134は、外周面が左右方向を長軸とする楕円形とされていると共に、内周面が上下方向を長軸とする楕円形とされていることによって、左右両側の厚さ寸法が上下両側の厚さ寸法よりも大きくされている。
【0089】
第一制振部136と第二制振部138は、径方向の厚さ寸法の違いによって、相互に異なる固有振動数が設定されている。これにより、本体ゴム弾性体132のサージングに対して、制振突部134(第一制振部136と第二制振部138)による制振効果がより広い周波数域で有効に発揮される。
【0090】
なお、制振突部134は、本体ゴム弾性体132の軸方向両側にそれぞれ設けられていてもよい。この場合に、軸方向両側の制振突部134,134において、第一制振部136と第二制振部138の周方向での位置や形成数、周方向の形成範囲などは、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0091】
例えば、本実施形態に示すような全周に亘って連続する筒状の本体ゴム弾性体に対して、環状乃至は筒状の制振突部を同心的に複数設けることもできる。この場合に、例えば、それら複数の制振突部の厚さや突出長さを相互に異ならせて、それら複数の制振突部の固有振動数を相互に異ならせることもできる。
【0092】
また、複数のゴム脚20に設けられた周方向部分的な制振突部において、厚さ寸法や突出長さ寸法の違い等によって互いに異なる固有振動数が設定された第一制振部と第二制振部とを周方向で各部分的に設けることもできる。
【0093】
制振突部において、相互に異なる固有振動数が設定された三つ以上の部分を設定することもできる。
【0094】
図15には、本発明に係るモータマウント用筒型防振装置の第十二の実施形態として、電気自動車用のモータマウント140が示されている。モータマウント140は、本体ゴム弾性体142の軸方向両端面から軸方向外方へ向けて突出する制振突部144を備えている。
【0095】
制振突部144は、突出方向である軸方向において径方向の厚さ寸法が変化しており、突出先端部分が基端部分よりも厚肉のマス部146とされている。本実施形態では、周方向で部分的な制振突部144がゴム脚20a,20bに対して設けられた例を示したが、制振突部144は、第一~第三の実施形態のように周方向で部分的に設けられていてもよいし、第十一の実施形態のように全周に亘って連続して設けられていてもよい。
【0096】
制振突部144の突出先端部分にマス部146が設けられていることにより、制振突部144の周方向長さや軸方向の突出長さ、基端部分における厚さ等を変更することなく、マス部146の厚さや軸方向長さ等によって制振突部144の固有振動数のチューニングを大きな自由度で変更設定することができる。
【0097】
図16図17には、本発明に係るモータマウント用筒型防振装置の第十三の実施形態として、電気自動車用のモータマウント150が示されている。モータマウント150の本体ゴム弾性体152は、十字状に延びる四つのゴム脚20a,20a,20b,20bを備えており、周方向で隣り合うゴム脚20a,20bが制振突部154によって周方向に連結された構造を有している。
【0098】
制振突部154は、周方向に湾曲して延びる湾曲板形状とされており、周方向で隣り合うゴム脚20a,20bの周方向間に配されて、周方向両端部がそれらゴム脚20a,20bの各一方に一体的に連続している。換言すれば、制振突部154は、周方向で隣り合うゴム脚20a,20bの周方向端面から空所28の周方向内方へ向けて突出している。制振突部154は、周方向の両端部がゴム脚20における延伸方向の途中に対して連続しており、空所28が制振突部154によって内周側と外周側に二分されている。
【0099】
制振突部154は、ゴム脚20に対して軸方向に突出していてもよいが、本実施形態では、ゴム脚20に対して軸方向では突出しておらず、制振突部154の軸方向端面がゴム脚20の軸方向端面であるテーパ面26の一部を構成している。制振突部154は、軸方向の幅寸法が周方向で略一定とされている。制振突部154におけるゴム脚20a,20bの周方向間に位置する部分の軸方向幅寸法Wは、制振突部154の当該部分の周方向長さ寸法Lよりも大きくされており、好適には軸方向幅寸法Wが周方向長さ寸法Lに対して2倍以上とされている。
【0100】
このような本実施形態のモータマウント150によれば、周方向で隣り合うゴム脚20,20の周方向間に設けられた制振突部154によって、ゴム脚20のサージングが低減乃至は解消されて、ゴム脚20のサージングに起因する高周波の異音が防止される。
【0101】
本実施形態の制振突部154は、周方向の両端においてゴム脚20,20に連続して両持ち状に支持されている。それゆえ、制振突部154は、第一の実施形態のような軸方向内側の端部だけでゴム脚20に片持ち状に支持された制振突部(30,32)とは変形態様が異なることから、第一の実施形態のような軸方向に突出する制振突部(30,32)とは異なる特性を設定し易い。
【0102】
なお、周方向で隣り合うゴム脚20a,20bの周方向間に二つ以上の制振突部154を径方向で相互に離隔するように設けることもできる。また、必ずしも全ての空所28に制振突部154が設けられる必要はなく、周方向で隣り合って配置されたゴム脚20a,20bであっても、制振突部154で連結されていない場合があり得る。また、本実施形態に示したゴム脚20a,20bを周方向に連結する制振突部154と、第一及び第七~第十の実施形態に示したゴム脚20から軸方向に突出する制振突部とを、組み合わせて採用することもできる。
【0103】
図18図19には、本発明に係るモータマウント用筒型防振装置の第十四の実施形態として、電気自動車用のモータマウント160が示されている。モータマウント160の本体ゴム弾性体162は、上下方向に延びる一対のゴム脚20a,20aを備えており、各ゴム脚20aには、軸方向端面から軸方向外方へ向けて突出する制振突部164が設けられている。なお、ゴム脚20a,20aの周方向間(ゴム脚20a,20a及びインナ軸部材12に対する左右両側)には、一対の空所166,166が形成されている。
【0104】
制振突部164は、ゴム脚20aによるインナ軸部材12とアウタ筒部材14の連結方向(ゴム脚20aの延伸方向)に直線的に延びる板状とされている。本実施形態の制振突部164は、内周端が内周連結部22と一体的に連続していると共に、外周端が外周連結部24と一体的に連続している。また、本実施形態の各制振突部164は、ゴム脚20aの周方向幅寸法よりも小さい一定の周方向幅寸法をもって、ゴム脚20aの軸方向端面の幅方向(周方向)の中央を径方向に向かって、周方向幅寸法よりも大きな径方向長さ寸法で直線的に延びている。そして、本実施形態のモータマウント160は、車両への装着状態における主たる振動入力方向が左右方向とされており、制振突部164の延伸方向が主たる振動入力方向に対して略直交している。このように、制振突部164の延伸方向が主たる振動入力方向に対して直交する方向とされていれば、主たる振動の入力時に制振突部164がせん断変形することから、制振突部164が延伸方向で圧縮される場合に比して、制振突部164の歪が低減される。
【0105】
このようなゴム脚20aの延伸方向に延びる制振突部164によれば、1次振動モードのサージングだけでなく、多次振動モードのサージングに対しても有効な制振効果を期待することができる。即ち、多次振動モードでは、ゴム脚20aの延伸方向の複数箇所において、ゴム脚20aの曲げ変形の振幅が大きくなるが、ゴム脚20aの延伸方向に延びる制振突部164は、ゴム脚20aの曲げ変形量が大きくなる複数箇所(振動モードの腹となる部分)の何れにも位置していることから、制振効果が効率的に発揮される。なお、制振突部164は、厳密にゴム脚20aの延伸方向(径方向)に延びている必要はなく、全体としてゴム脚20aの延伸方向に延びていれば、ゴム脚20aの延伸方向に対して傾斜や湾曲等していてもよいし、周方向幅寸法が変化していてもよく、また、ゴム脚20aの軸方向端面において周方向で相互に離隔して複数の制振突部164を設けることも可能である。
【0106】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、複数のゴム脚には、互いに異なる形状の制振突部が形成されていてもよいし、互いに異なる数の制振突部が形成されていてもよいし、制振突部が互いに異なる配置で配されていてもよい。
【0107】
複数の制振突部を設ける場合に、それら制振突部の固有振動数は相互に同じに設定されていてもよい。
【0108】
第一~第十四の実施形態に示された各構造は、適宜に組み合わせて採用することができる。即ち、例えば、異なる実施形態に示された制振突部を組み合わせて適用することもできる。
【0109】
制振突部は、板状に限定されず、例えばスポット的に突出して設けられるロッド状等であってもよい。また、周方向に広がるように配設された制振突部は、必ずしも周方向に湾曲して延びている必要はなく、平板状であってもよいし、周方向外方に向けて外周へ傾斜するように湾曲していてもよい。
【0110】
本体ゴム弾性体が複数のゴム脚を備える場合に、それら複数のゴム脚の全てに制振突部が設けられている必要はなく、それら複数のゴム脚のうちの一つ又は幾つかにだけ制振突部が設けられて、その他のゴム脚には制振突部が設けられていなくてもよい。
【0111】
図14に示すようなゴム脚をもたない全周連続構造の本体ゴム弾性体において、制振突部が周方向で部分的に設けられていてもよい。この場合に、周方向で相互に離隔する複数の制振突部が設けられ得る。
【0112】
インナ軸部材12とアウタ筒部材14の少なくとも一方は、本体ゴム弾性体16に対して非接着で取り付けられていてもよい。インナ軸部材12とアウタ筒部材14は、径方向の中央(中心軸)が相互にずれていてもよいし、軸方向の中央が相互にずれていてもよい。
【符号の説明】
【0113】
10 モータマウント(第一の実施形態)
12 インナ軸部材
14 アウタ筒部材
16 本体ゴム弾性体
18 ボルト孔
20(20a,20b) ゴム脚
22 内周連結部
24 外周連結部
26 テーパ面
28 空所
30 内周制振突部(制振突部 第一制振部)
32 外周制振突部(制振突部 第二制振部)
40 モータマウント(第二の実施形態)
42 本体ゴム弾性体
44 空所
50 モータマウント(第三の実施形態)
52 本体ゴム弾性体
54 ゴム脚
56a,56b 空所
60 モータマウント(第四の実施形態)
62 本体ゴム弾性体
64 内周制振突部(制振突部 第一制振部)
66 外周制振突部(制振突部 第二制振部)
70 モータマウント(第五の実施形態)
72 本体ゴム弾性体
80 モータマウント(第六の実施形態)
82 本体ゴム弾性体
90 モータマウント(第七の実施形態)
92 本体ゴム弾性体
94 内周制振突部(制振突部 第一制振部)
96 外周制振突部(制振突部 第二制振部)
100 モータマウント(第八の実施形態)
102 本体ゴム弾性体
104 内周制振突部(制振突部 第一制振部)
106 外周制振突部(制振突部 第二制振部)
110 モータマウント(第九の実施形態)
112 本体ゴム弾性体
114 第一制振部(制振突部)
116 第二制振部(制振突部)
120 モータマウント(第十の実施形態)
122 本体ゴム弾性体
124 第一制振部(制振突部)
126 第二制振部(制振突部)
130 モータマウント(第十一の実施形態)
132 本体ゴム弾性体
134 制振突部
136 第一制振部
138 第二制振部
140 モータマウント(第十二の実施形態)
142 本体ゴム弾性体
144 制振突部
146 マス部
150 モータマウント(第十三の実施形態)
152 本体ゴム弾性体
154 制振突部
160 モータマウント(第十四の実施形態)
162 本体ゴム弾性体
164 制振突部
166 空所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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図14
図15
図16
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図18
図19