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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082487
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】スクリーン体および建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/52 20060101AFI20240613BHJP
   E06B 3/964 20060101ALI20240613BHJP
   E06B 1/36 20060101ALN20240613BHJP
【FI】
E06B9/52 D
E06B3/964 A
E06B9/52 B
E06B1/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196367
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高山 幸久
【テーマコード(参考)】
2E011
2E035
【Fターム(参考)】
2E011DA09
2E035BA04
2E035CB06
(57)【要約】
【課題】スクリーン体の破損を防止でき、かつ、生産性および意匠性を向上できるスクリーン体および建具を提供すること。
【解決手段】網戸は、矩形状のフレーム枠と、フレーム枠に保持される防虫用のネット80とを備える。フレーム枠は、上材61および下材と、縦材とを備える。上材61、下材、縦材は、ネット80が片面テープ85によって固着される取付片611と、取付片611から見込み方向に延出したガイド片612とを備える。ガイド片612の見込み方向の延出寸法L1は、ネット80および片面テープ85の見込み方向の厚さ寸法L2よりも大きい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状のフレーム枠と、前記フレーム枠に保持されるスクリーンとを備えるスクリーン体であって、
前記フレーム枠は、上下の横材と、左右の縦材とを備え、
前記横材および前記縦材は、前記スクリーンがテープによって固着される取付片と、前記取付片から見込み方向に延出したガイド片とを備え、
前記ガイド片の見込み方向の延出寸法は、前記スクリーンおよび前記テープの見込み方向の厚さ寸法よりも大きい
ことを特徴とするスクリーン体。
【請求項2】
請求項1に記載のスクリーン体において、
前記スクリーンは、前記取付片と前記テープとの間に配置されるネットを備え、
前記テープは、前記ネット側の面が粘着層とされた片面テープである
ことを特徴とするスクリーン体。
【請求項3】
請求項1に記載のスクリーン体において、
前記ガイド片は、前記取付片において、前記フレーム枠の外周側の端部から前記見込み方向に延出している
ことを特徴とするスクリーン体。
【請求項4】
請求項3に記載のスクリーン体において、
前記フレーム枠は、上下の横材と、左右の縦材と、前記横材および前記縦材を連結するコーナー材と、を備え、
前記コーナー材は、前記ガイド片に連続するコーナー側ガイド片を有する
ことを特徴とするスクリーン体。
【請求項5】
請求項1または請求項3に記載のスクリーン体において、
前記ガイド片は、前記取付片において、前記フレーム枠の内周側の端部から前記見込み方向に延出している
ことを特徴とするスクリーン体。
【請求項6】
請求項1に記載のスクリーン体において、
前記スクリーンは防虫用のネットであり、前記スクリーン体は網戸である
ことを特徴とするスクリーン体。
【請求項7】
建具枠と、前記建具枠に対して開閉可能に取り付けられた障子と、前記建具枠に取り付けられたスクリーン枠と、前記スクリーン枠に着脱可能に取り付けられた請求項1に記載のスクリーン体とを、備える建具であって、
前記スクリーン枠は、上下の横枠と、左右の縦枠とを備えて矩形枠状に形成され、前記横枠および前記縦枠には、前記スクリーン枠の内周面に開口する溝部が設けられ、前記スクリーン体のフレーム枠は、前記スクリーン枠の溝部に挿入されて保持されている
ことを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具の室内側または室外側に設置されるスクリーン体および建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、網戸の防虫網の周縁を戸枠に接着剤で固着したスクリーン体としての網戸が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平2-129598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、オペレーターハンドル仕様の縦すべり出し窓等では、窓枠に固定された網戸枠に、その内周面に開口する溝を形成し、この溝内に網戸のフレームを収納することで構成される固定網戸を用いる場合がある。
このような網戸では、網戸のフレームを網戸枠の溝に挿入する際に、防虫網や接着剤が網戸枠の溝内面に接触し、防虫網や接着層が剥がれて網戸が破損する可能性がある。
また、防虫網を接着剤でフレームに接着する場合、接着剤を均一にムラ無く塗布することが難しいため、接着作業の作業性が低下し、スクリーン体である網戸の生産性および意匠性が低下するという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、スクリーン体の破損を防止でき、かつ、生産性および意匠性を向上できるスクリーン体および建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスクリーン体は、矩形状のフレーム枠と、前記フレーム枠に保持されるスクリーンとを備えるスクリーン体であって、前記フレーム枠は、上下の横材と、左右の縦材とを備え、前記横材および前記縦材は、前記スクリーンがテープによって固着される取付片と、前記取付片から見込み方向に延出したガイド片とを備え、前記ガイド片の見込み方向の延出寸法は、前記スクリーンおよび前記テープの見込み方向の厚さ寸法よりも大きいことを特徴とする。
【0007】
本発明の建具は、建具枠と、前記建具枠に対して開閉可能に取り付けられた障子と、前記建具枠に取り付けられたスクリーン枠と、前記スクリーン枠に着脱可能に取り付けられたスクリーン体とを、備える建具であって、前記スクリーン枠は、上下の横枠と、左右の縦枠とを備えて矩形枠状に形成され、前記横枠および前記縦枠には、前記スクリーン枠の内周面に開口する溝部が設けられ、前記スクリーン体のフレーム枠は、前記スクリーン枠の溝部に挿入されて保持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スクリーン体の破損を防止でき、かつ、生産性および意匠性を向上できるスクリーン体および建具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の建具である縦すべり出し窓を示す縦断面図である。
図2】実施形態の建具である縦すべり出し窓を示す横断面図である。
図3】実施形態の網戸枠の上枠および網戸の上材を示す縦断面図である。
図4】実施形態の網戸枠の下枠および網戸の下材を示す縦断面図である。
図5】実施形態の網戸枠の縦枠および網戸の縦材を示す縦断面図である。
図6】実施形態の網戸枠の縦枠および網戸の縦材を示す縦断面図である。
図7】実施形態の網戸を示す斜視図である。
図8】(A)は実施形態の網戸のコーナー材の室外面を示す図であり、(B)コーナー材の室内面を示す図である。
図9】実施形態の網戸のコーナー部を拡大して示す斜視図である。
図10】実施形態のコーナー材の弾性変形状態を示す図である。
図11】実施形態の網戸の弾性変形状態を示す図である。
図12】変形例の網戸枠の縦枠および網戸の縦材を示す縦断面図である。
図13】他の変形例の網戸枠の縦枠および網戸の縦材を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態の建具について、図面を参照して説明する。図1は、実施形態の建具である縦すべり出し窓1の縦断面図であり、図2は縦すべり出し窓1の横断面図である。
縦すべり出し窓1は、建物の開口に設置されるものであり、建具枠である窓枠2と、窓枠2内に配置された障子3と、窓枠2を障子3に縦すべり出し式に開閉可能に連結した連結部品4と、窓枠2の内周面に取り付けられる網戸枠5と、網戸枠5に着脱可能に装着される網戸6とを備えている。網戸枠5はスクリーン枠の一例であり、網戸6はスクリーン体の一例である。
なお、縦すべり出し窓1が設置される建物の壁面に沿った水平方向をX軸方向、壁面に沿った上下方向をY軸方向、壁面に直交する室内外方向をZ軸方向とする。そして、図2に示すように、X軸方向において、縦すべり出し窓1を室内側から見て左側の方向をX1方向、右側の方向のX2方向とし、Y軸方向において、上方向をY1方向、下方向をY2方向とし、Z軸方向において室外側から室内側に向かう方向をZ1方向、室外側に向かう方向をZ2方向とする。
【0011】
窓枠2は、上枠21および下枠22と、左右の縦枠23、24とを枠組みして構成されている。
障子3は、上框31および下框32と、左右の縦框33、34と、ガラスパネルなどの面材35とを備えて構成されている。
連結部品4は、上枠21および上框31と、下枠22および下框32との間にそれぞれ取り付けられて、障子3を窓枠2に対して室外側に開閉可能に支持する上下のステイ41、42と、下枠22に設けられるオペレーターハンドル43と、下框32とオペレーターハンドル43とを連結するアーム44とを備える。なお、オペレーターハンドル43は図1のみに記載し、他の図では省略している。
縦すべり出し窓1は、オペレーターハンドル43を操作することで、障子3を開閉することができる。また、オペレーターハンドル43によって障子3を開閉できるため、障子3の開閉時に障子3の室内側に配置された網戸6を開閉する必要が無い。このため、本実施形態の網戸6は、清掃時や破損時のみ網戸枠5から取り外される固定網戸である。
【0012】
[網戸枠]
窓枠2において、障子3の室内側には、網戸枠5が取り付けられている。網戸枠5は、窓枠2において、障子3を閉じた際に室内側に露出する内周面を覆うように設けられている。
網戸枠5は、横枠である上枠51および下枠52と、左右の縦枠53、54とを備えている。上枠51、下枠52、縦枠53、54は、例えば押出成形により形成された樹脂形材などで構成される。
上枠51および下枠52は、上枠21および下枠22に室内外2箇所のフック部分でそれぞれ取り付けられ、さらに、額縁等の内装材8にネジ止めされている。同様に、縦枠53、54は、縦枠23、24に室内外2箇所のフック部分でそれぞれ取り付けられ、内装材8にネジ止めされている。そして、上枠51、下枠52、縦枠53、54が取り付けられた上枠21、下枠22、縦枠23、24を枠組みすることで、上枠51および下枠52と、縦枠53、54との端部同士が接続されて網戸枠5も枠組みされる。
【0013】
網戸枠5の内側の開口部分には、網戸6が設置される。このため、網戸枠5の上枠51、下枠52、縦枠53、54は、網戸6が配置される溝部である上溝部510、下溝部520、縦溝部530、540を有している。
【0014】
上枠51は、図3に示すように、網戸枠5の内周に位置する内周面部511を有し、内周面部511から上方(Y1方向)に延出され、さらに室外側(Z2方向)に延出された溝区画部512と、溝区画部512の室外端部から下方(Y2方向)に延出された室外片部513とを備える。そして、溝区画部512および室外片部513によって、下方に開口する上溝部510が区画形成されている。
溝区画部512の室外片部513に対向する面には、凹部515が形成され、溝区画部512の下端には室外側に向かって突出する係止部514が形成されている。
【0015】
下枠52は、図4に示すように、網戸枠5の内周に位置する内周面部521を有し、内周面部521から上方(Y1方向)に突出された溝区画部522と、溝区画部522よりも室外側において内周面部521から上方に延出された室外片部523とを備える。そして、溝区画部522および室外片部523によって、上方に開口する下溝部520が区画形成されている。
室外片部523の高さ方向の中間には、室内側(Z1方向)に突出する係止部525が形成されている。また、室外片部523の上端部にも、室内側に突出する突出部526が形成されている。
溝区画部522の上端の高さ位置は、室外片部523の下面よりも低い位置に設定されている。この溝区画部522の高さ寸法は、後述するように、上溝部510内で網戸6を上下できる寸法以下とされ、網戸6を持ち上げた際に、網戸6の下端が溝区画部522を容易に乗り越えることができる寸法に設定されている。
【0016】
縦枠53は、図5に示すように、網戸枠5の内周に位置する内周面部531を有し、内周面部531からX1方向に延出され、さらに室外側(Z2方向)に延出された溝区画部532と、溝区画部532の室外端部からX2方向に延出された室外片部533とを備える。そして、溝区画部532および室外片部533によって、X2方向に開口する縦溝部530が区画形成されている。
溝区画部532の室外片部533に対向する面には、凹部535が形成され、溝区画部532の内周端には室外側に向かって突出する係止部534が形成されている。
【0017】
縦枠54は、図6に示すように、網戸枠5の内周に位置する内周面部541を有し、内周面部541からX2方向に延出され、さらに室外側に延出された溝区画部542と、溝区画部542の室外端部からX1方向に延出された室外片部543とを備える。そして、溝区画部542および室外片部543によって、X1方向に開口する縦溝部540が区画形成されている。
溝区画部542の室外片部543に対向する面には、凹部545が形成され、溝区画部542の内周端には室外側に向かって突出する係止部544が形成されている。
【0018】
[網戸]
次に、網戸6について、説明する。図7は、網戸6を示す斜視図である。
網戸6は、方形状のフレーム枠60と、フレーム枠60により保持された方形状のネット80とを有している。ネット80は、スクリーンの一例である。
フレーム枠60は、上下の横材である上材61および下材62と、左右の縦材63、64と、コーナー材70とを備えている。コーナー材70は、上材61に固定される上コーナー材70Aと、下材62に固定される下コーナー材70Bとを備える。
上材61、下材62、縦材63、64は、弾性変形可能なフレーム材であり、同一断面形状の樹脂形材などで構成されている。すなわち、上材61は、図3にも示すように、左右方向であるX軸方向に沿って延長された板状の取付片611と、取付片611の上端部(外周側の端部)から室外側に突出するガイド片612とを備えて、断面L字状に形成されている。
下材62は、図4にも示すように、上材61と同じく、板状の取付片621と、取付片621の下端部(外周側の端部)から室外側に突出するガイド片622とを備えて、断面L字状に形成されている。
縦材63は、図5にも示すように、上材61、下材62と同じく、板状の取付片631と、取付片631のX1方向の端部(外周側の端部)から室外側に突出するガイド片632とを備えて、断面L字状に形成されている。縦材64は、図6に示すように、縦材63と同じく、板状の取付片641と、取付片641のX2方向の端部(外周側の端部)から室外側に突出するガイド片642とを備えて、断面L字状に形成されている。
【0019】
各取付片611、621、631、641の室外面は、ネット80の外縁部が後述する片面テープ85で固着される取付面であり、室内面は、コーナー材70に固定される固定面である。
また、図3に示すように、取付片611の室外面から見込み方向つまり室外方向(Z2方向)に延出するガイド片612の延出寸法L1は、取付片611の室外面に取り付けられるネット80と片面テープ85との見込み方向(Z2方向)の厚さ寸法L2よりも大きい。すなわち、厚さ寸法L2は、取付片611の室外面から片面テープ85の室外側の表面までの厚さ寸法であり、ネット80の厚さ寸法と、片面テープ85の厚さ寸法とを加算した寸法と同等である。
ガイド片612の室外面と片面テープ85の室外側表面との寸法差L1-L2は、例えば、0.5~1.0mm程度である。すなわち、室外片部513と片面テープ85との見込み方向の寸法L3=L1-L2は0.5~1.0mm程度であり、この隙間寸法L3が確保されることで、網戸6の上材61を上溝部510に挿入したり、上溝部510から取り外す際に、片面テープ85が室外片部513に接触して剥がれてしまうことを防止している。
縦材63、64においても、ガイド片632、642の延出寸法を、ネット80と片面テープ85の厚さ寸法よりも大きくすることで、室外片部533、543と片面テープ85との間に隙間を確保し、片面テープ85の剥がれを防止している。
下材62においても、ガイド片622の延出寸法は、ネット80と片面テープ85の厚さ寸法よりも大きくされている。そして、図4に示すように、把手部品95が溝区画部522の室外面に当接した状態では、ガイド片622は室外片部523に当接せず、係止部525と片面テープ85との間に隙間を確保し、片面テープ85の剥がれを防止している。なお、係止部525と片面テープ85との隙間寸法は、ガイド片622と室外片部523との隙間寸法以下に設定され、下材62が室外側に移動してガイド片622が室外片部523に当接した場合でも、係止部525が片面テープ85に当接しない状態あるいは当接しても剥がれが発生することがないように設定されている。さらに、図4の状態では、係止部525の室内面のZ軸方向の位置は、ガイド片622の室外面のZ軸方向の位置よりも室内側(Z1方向側)とされ、下材62が意図せずに上方に移動した場合には、ガイド片622が係止部525の下面に当接して係止されるように設定されている。
【0020】
コーナー材70(上コーナー材70A、下コーナー材70B)は、上下の横材である上材61、下材62と、左右の縦材63、64とを連結する連結材である。コーナー材70は、図7に加えて図8および図9にも示すように、横材である上材61、下材62の端部が固定される横材固定部71と、縦材63、64の端部が固定される縦材固定部72と、横材固定部71および縦材固定部72を連結する連結部73とを有する。コーナー材70は、弾性変形可能な樹脂材で構成され、射出成形などで製造されている。なお、図8(A)はコーナー材70の室外面を示し、図8(B)はコーナー材70の室内面を示す。
【0021】
横材固定部71の室外面は、上材61または下材62が両面テープなどで固定される固定面711と、固定面711を区画する壁部712、713とを備えている。壁部712は、横材固定部71の内周面に沿って形成され、壁部713は、横材固定部71のコーナー側端部つまり縦材固定部72側の端部に沿って形成されている。すなわち、壁部712は、横材固定部71の長手方向であるX軸方向に沿って形成され、壁部713は、横材固定部71の短辺方向であるY軸方向に沿って形成されている。
縦材固定部72の室外面も同様に、縦材63または縦材64が両面テープなどで固定される固定面721と、固定面721を区画する壁部722、723とを備えている。壁部722は、縦材固定部72の内周面に沿って形成され、壁部723は、縦材固定部72のコーナー側端部つまり横材固定部71側の端部に沿って形成されている。すなわち、壁部722は、縦材固定部72の長手方向であるY軸方向に沿って形成され、壁部723は、縦材固定部72の短辺方向であるX軸方向に沿って形成されている。
【0022】
連結部73は、横材固定部71および縦材固定部72を、各長手方向が互いに直交する基準位置となるように連結し、かつ、図10に示すように、横材固定部71および縦材固定部72が互いに近づく近接方向(図10の矢印方向)に弾性変形可能に構成されている。連結部73は、内周側連結部74と、外周側連結部75とで構成されている。
内周側連結部74は、図8に示すように、横材固定部71のコーナー側端部から延出された第一内周片部741と、縦材固定部72のコーナー側端部から延出された第二内周片部742と、第一内周片部741および第二内周片部742を連結する内周湾曲片部743とを備える。
第一内周片部741および第二内周片部742は、横材固定部71および縦材固定部72の内周側の部分から、フレーム枠60の外周角部に向かってX軸およびY軸に対して略45°の角度で延出されている。このため、第一内周片部741および第二内周片部742は、互いに略平行に配置されている。
内周湾曲片部743は、第一内周片部741および第二内周片部742の端部に連結され、図8に示す平面視で略円弧状に形成されている。このため、第一内周片部741および第二内周片部742と内周湾曲片部743とは曲面で連続している。
内周側連結部74は、室外側または室内側から見た平面視で略U字状に形成され、コーナー材70には、第一内周片部741、第二内周片部742、内周湾曲片部743で囲まれてフレーム枠60の内周面側に開口するスリット76が形成されている。スリット76の幅寸法、つまり第一内周片部741および第二内周片部742の間隔は、例えば2mmである。
内周側連結部74のZ軸方向の厚さ寸法は、壁部713、723と同じ寸法である。このため、コーナー材70の室外面において、壁部713、723および内周側連結部74の室外面は連続する同一平面である。
【0023】
外周側連結部75は、横材固定部71のコーナー側端部から延出された第一外周片部751と、縦材固定部72のコーナー側端部から延出された第二外周片部752と、第一外周片部751および第二外周片部752を連結する外周湾曲片部753とを備える。
第一外周片部751および第二外周片部752は、横材固定部71および縦材固定部72の外周側の部分から、横材固定部71および縦材固定部72の各長手方向に沿って延出されている。このため、第一外周片部751および第二外周片部752は、互いに直交する方向(X軸方向およびY軸方向)に延出されている。
外周湾曲片部753は、第一外周片部751および第二外周片部752の端部に連結され、図8に示す平面視で略円弧状に形成されている。
外周側連結部75のZ軸方向の厚さ寸法は、内周側連結部74や壁部713、723よりも大きい。このため、コーナー材70の室外面において、外周側連結部75は、内周側連結部74や壁部713、723よりも室外側に突出している。したがって、外周側連結部75は、ネット80が配置される配置面から突出する突出部を有する。
そして、図9に示すように、外周側連結部75は、コーナー材70に固定された上材61、下材62、縦材63、64のガイド片612、622、632、642に連続するように設けられている。このため、外周側連結部75によって、コーナー側ガイド片が構成されている。
【0024】
図8に示すように、外周側連結部75と内周側連結部74との間には、Z軸方向に貫通する空間部77が形成されている。なお、壁部713、723と、外周側連結部75との接続部分は、円弧面となるように形成されており、空間部77の周囲を区画する面が曲面で連続するように構成されている。
また、外周側連結部75の外周湾曲片部753には、空間部77側に突出する押さえ片754が形成されている。押さえ片754の室外面は、内周側連結部74や壁部713、723と同一平面であるが、押さえ片754のZ軸方向の厚さ寸法は、内周側連結部74や壁部713、723よりも小さい。このため、押さえ片754は薄板状に形成されている。
【0025】
このようなコーナー材70は、弾性変形可能な合成樹脂材で構成されている。また、スリット76が形成されるように平面視で略U字状に形成された内周側連結部74と、内周側連結部74に対して空間部77を挟んで形成され、平面視で略円弧状の外周湾曲片部753を備えて形成された外周側連結部75とで、横材固定部71および縦材固定部72を連結する連結部73を構成しているので、図10に示すように、横材固定部71および縦材固定部72が互いに近づく方向、つまり、X軸およびY軸に沿った面内方向に弾性変形させることができる。
そして、コーナー材70は、横材固定部71および縦材固定部72のスリット76に面した角部714、724が互いに当接する位置まで弾性変形させることができる。角部714は、第一内周片部741のフレーム枠60の内周面側の端部でもあり、角部724は、第二内周片部742のフレーム枠60の内周面側の端部でもある。そして、各角部714、724は、連結部73が弾性変形された際に、互いに当接してそれ以上の変形を規制する本発明の規制部である。
【0026】
フレーム枠60は、図9に示すように、コーナー材70の横材固定部71の固定面711に横材である上材61や下材62を両面テープなどで固定し、縦材固定部72の固定面721に縦材63、64を両面テープなどで固定することで枠組みされる。
ネット80は、平面矩形状に形成され、外縁部(上縁部、下縁部、左右の縦縁部)がフレーム枠60の上材61、下材62、縦材63、64に取り付けられる。具体的には、ネット80は、上材61、下材62、縦材63、64の取付片611、621、631、641の室外面に配置され、その配置箇所においてネット80の表面から片面テープ85を貼り付けることでフレーム枠60に取り付けられる。すなわち、片面テープ85は、ネット80側つまり室内側の片面が粘着層とされており、この粘着層がネット80の網目を介して取付片611、621、631、641に固着されることで、ネット80も取付片611、621、631、641に固着される。従って、ネット80の外縁部によって、取付片611、621、631、641と片面テープ85との間に配置されるネットが構成される。
なお、ネット80を片面テープ85でフレーム枠60に取り付けた後、フレーム枠60からはみ出したネット80は、カッターなどを用いてカットすればよい。すなわち、ガイド片612、622、632、642および外周側連結部75の内周面に沿ってカッターを移動させることで、片面テープ85よりも外周側にはみ出したネット80を容易に切断することができる。
ネット80の四方の角部は、空間部77に挿入されている。このため、ネット80の角部は、外周側連結部75の押さえ片754の室内面側に配置され、空間部77から外れ難くされている。
【0027】
網戸6には、図7に示すように、3つの引手部品90と、把手部品95とが取り付けられている。引手部品90は、上材61と、左右の縦材63、64の室内面に両面テープなどで固定されている。把手部品95は、下材62の室内面に両面テープなどで固定されている。
引手部品90は、ベース部91と、一対のアーム部92と、把手部93とを備えて構成されている。ベース部91は、上材61、縦材63、64に両面テープなどで固定される板状部分である。
アーム部92は、ベース部91を挟んで配置され、フレーム枠60の外周側の端部がベース部91に連結されている。アーム部92には、爪部920が形成されている。爪部920は、図3図5図6にも示すように、フレーム枠60の外周側から内周側に向かうにしたがって室内側に傾斜する傾斜面921と、傾斜面921の内周側端縁から室外側に向かってZ軸方向に沿って形成された当接面922を備え、断面略三角形状に形成されている。
把手部93は、一対のアーム部92の内周側の端部間に跨がって設けられている。把手部93は、室内側に突出する板状に形成され、利用者が手で掴むことができるように構成されている。
【0028】
把手部品95は、図4にも示すように、ベース部96と、把手部97とを備えて構成されている。ベース部96は、アーム部92に両面テープなどで固定される板状部分である。把手部97は、室内側に突出する板状に形成され、利用者が手で掴むことができるように構成されている。
【0029】
次に、網戸6を網戸枠5に着脱する手順について説明する。網戸6は、フレーム枠60の上材61、下材62、縦材63、64およびコーナー材70(上コーナー材70A、下コーナー材70B)を弾性変形させながら、網戸枠5に取り付けられ、また、網戸枠5から取り外される。ネット80は、フレーム枠60の弾性変形に応じて変形する。
例えば、以下のような手順で網戸6を網戸枠5に装着できる。図11に示すように、上材61を例えば室内側に撓ませて、左側の上コーナー材70Aおよび縦材63の上端部と、右側の上コーナー材70Aおよび縦材64の上端部との間隔を狭め、網戸枠5の縦枠53、54の縦溝部530、540に入れる。なお、図11の二点鎖線は、上溝部510、下溝部520、縦溝部530、540が開口される網戸枠5の内周面部511、521、531、541を示す。また、図11では、ネット80や引手部品90、把手部品95は省略している。
上コーナー材70Aの横材固定部71および縦材固定部72は、弾性変形可能な内周側連結部74および外周側連結部75で連結されているので、上材61に加えて、上コーナー材70Aや縦材63、64も撓ませてフレーム枠60を三次元的に変形させることができ、上コーナー材70Aおよび縦材63、64の上側部分を縦枠53、54の縦溝部530、540に挿入できる。この際、縦材63、64の下側部分や下コーナー材70B、下材62は、網戸枠5の室内側に配置されており、この際、縦材63、64の弾性変形に連動し、下コーナー材70Bや下材62も弾性変形する。
【0030】
次に、網戸6を上に持ち上げて上材61を上枠51の上溝部510に挿入する。例えば、上材61に取り付けられた引手部品90を手で掴んで持ち上げて上材61および引手部品90を上溝部510に挿入する。この際、引手部品90のアーム部92は、爪部920の傾斜面921が上枠51の係止部514に当接することで、室外側に弾性変形する。そして、爪部920が係止部514を乗り越えて凹部515に配置されると、アーム部92は図3に示す元の状態に戻る。このため、上材61が下方に移動して上溝部510から外れようとする場合、爪部920の当接面922が係止部514に当接するため、上材61が上溝部510から外れることを防止できる。
次に、下材62を撓ませて、オペレーターハンドル43を乗り越えさせるとともに、左側の下コーナー材70Bおよび縦材63の下部側と、右側の下コーナー材70Bおよび縦材64の下部側との間隔を狭め、網戸枠5の縦枠53、54の縦溝部530、540に挿入する。この際、下材62は、下枠52の溝区画部522も超えて下溝部520の上方に配置される。
【0031】
そして、下材62の把手部品95を下方に押し下げることなどで、網戸6を下方に移動し、図4に示すように、下材62を下枠52の下溝部520に挿入する。この際、把手部品95のベース部96の下端も下溝部520に配置される。なお、下枠52の室外片部523には係止部525が形成されているため、下材62および把手部品95を斜めに傾けながら溝区画部522と係止部525との間に押し込み、室外片部523や溝区画部522を多少湾曲させながら下材62を下溝部520に挿入すれば良い。これにより、下材62が意図せずに上方に移動しても、ガイド片622が係止部525に係止されて下材62が下溝部520から外れることを防止できる。
また、縦材63、64の引手部品90も縦枠53、54の縦溝部530、540内に挿入する。この場合も、引手部品90のアーム部92が弾性変形して、爪部920が縦枠53、54の係止部534、544を乗り越えて凹部535、545に移動する。このため、縦材63、64が縦溝部530、540から外れようとする場合に、当接面922が係止部534、544に当接するため、縦材63、64が縦溝部530、540から外れることを防止できる。
以上の手順は網戸6を網戸枠5に装着する手順の一例であり、例えば、縦材63、64の引手部品90を縦枠53、54の縦溝部530、540内に挿入してから、網戸6を下方に移動して下材62および把手部品95を下溝部520に挿入してもよい。
【0032】
一方、網戸6の清掃時やネット80が破損した場合などに、網戸6を網戸枠5から取り外す場合は、前記装着時とは逆の手順で行えばよい。例えば、下材62の把手部品95を手で掴んで上方に移動し、さらに、室内側に引っ張ることで下材62を撓ませ、溝区画部522を乗り越えて下材62および把手部品95を室内側に移動する。また、縦材63、64の引手部品90の把手部93を室外側に押し込んで、爪部920および係止部534、544の係止状態を解除する。
次に、下材62や下コーナー材70Bを弾性変形させて、下コーナー材70Bおよび縦材63、64の下部側を縦枠53、54の縦溝部530、540から外し、オペレーターハンドル43を乗り越えて下材62を室内側に移動する。
また、上材61の引手部品90の把手部93を室外側に押し込んで、爪部920および係止部514の係止状態を解除し、上材61を下方に移動する。
そして、上材61や上コーナー材70Aを弾性変形させて、上コーナー材70Aおよび縦材63、64の上部側を縦枠53、54の縦溝部530、540から外し、網戸6を網戸枠5から取り外す。
【0033】
[実施形態の効果]
フレーム枠60のコーナー材70を、横材固定部71および縦材固定部72が近接する方向に弾性変形可能に構成したので、上材61、下材62、縦材63、64に加えて、コーナー材70も弾性変形させることができる。このため、網戸枠5に対して網戸6を着脱する際に、網戸6のフレーム枠60が撓みやすくなり、網戸6の着脱作業を容易に行うことができる。
【0034】
コーナー材70は、横材固定部71および縦材固定部72が互いに近接する方向に変形した際に、互いに当接してそれ以上の弾性変形を規制する規制部である角部714、724を備えるため、コーナー材70の変形量を所定量以下に規制でき、コーナー材70が塑性変形したり、破損することを確実に防止できる。
【0035】
連結部73は、内周側連結部74および外周側連結部75を備えているので、連結部73として適度な剛性を確保しつつ、弾性変形も可能な構造を実現できる。
内周側連結部74は、第一内周片部741、第二内周片部742、内周湾曲片部743を備えて平面略U字状に形成され、内周側が開口されたスリット76を形成しているので、弾性変形時には、第一内周片部741、第二内周片部742を当接させて規制部とすることもでき、規制部を有する連結部73を簡易な構造で実現でき、コストも低減できる。
また、内周側連結部74は、コーナー材70の横材固定部71および縦材固定部72の内周側を連結するため、コーナー材70の内周面に沿って形成すると、長さを確保できず、大きく変形させる必要があり、剛性および変形量を共に確保することは難しい。これに対し、本実施形態の内周側連結部74は、コーナー材70の内周側から外周側に延出された第一内周片部741、第二内周片部742を備えており、角部714、724が当接する規制位置まで変形させる場合に、この角部714、724から外周側に離れた位置に設けた内周湾曲片部743を変形させているので、内周湾曲片部743の変形量を抑制できる。このため、内周側連結部74は、剛性を維持しつつ、必要な変形量も確保できる。
【0036】
外周側連結部75は、第一外周片部751、第二外周片部752、外周湾曲片部753を備えるため、簡易な構造で実現でき、コストも低減できる。また、外周側連結部75は、コーナー材70の外周に沿って形成されて長さ寸法も長くできるため、弾性変形時の応力を分散でき、剛性を確保しつつ変形量も確保できる。
さらに、コーナー材70のコーナー部分の外周面は、直交する角部ではなく、外周湾曲片部753によって円弧状に形成されているので、フレーム枠60を網戸枠5の上溝部510、下溝部520、縦溝部530、540内に挿入する際に、フレーム枠60で網戸枠5を傷つけることを防止できる。
【0037】
外周側連結部75および内周側連結部74間には空間部77が形成されているので、外周側連結部75および内周側連結部74を容易に変形させることができる。
コーナー材70に空間部77を形成しているので、ネット80のコーナー部を空間部77内に挿入して保持させることができる。その上、外周側連結部75に押さえ片754を形成したので、空間部77に押し込んだネット80を押さえ片754で押さえることができ、ネット80の浮き上がりを防止することができる。
【0038】
フレーム枠60の上材61、下材62、縦材63、64のガイド片612、622、632、642の見込み方向の延出寸法L1を、ネット80および片面テープ85の見込み方向の厚さ寸法L2よりも大きくしたので、網戸6を上溝部510、下溝部520、縦溝部530、540に着脱する際に、片面テープ85が網戸枠5に接触して剥がれることを防止できる。
ネット80を片面テープ85でフレーム枠60に固着しているので、ネット80を接着剤で取り付ける場合に比べて、ネット80をフレーム枠60に取り付ける作業性を向上でき、網戸6の生産性を向上できる。
また、ネット80を接着剤でフレーム枠60に取り付けた場合は、網戸6を網戸枠5から取り外した際に、接着剤が網戸6の表面に露出し、意匠性が低下する。これに対し、本実施形態では、ネット80を片面テープ85でフレーム枠60に取り付けているので、網戸6を取り外した際には片面テープ85の粘着層は露出せず、粘着層を支持する支持層つまり片面テープ85の基材が露出するため、網戸6の意匠性を向上できる。
【0039】
フレーム枠60の外周に沿って、上材61、下材62、縦材63、64のガイド片612、622、632、642と、コーナー材70の外周側連結部75とを設けたので、これらをネット80の外周縁をカッターなどでカットする際のガイドとして利用できる。このため、ネット80のカット作業性を向上でき、網戸6の生産性をさらに向上できる。
【0040】
フレーム枠60の室外面にネット80を貼り付けているので、ネット80と干渉することなく、フレーム枠60の室内面に引手部品90や把手部品95を取り付けることができる。
【0041】
[変形例]
コーナー材70は、前記実施形態の構造に限定されない。例えば、コーナー材70の弾性変形量を規制する規制部をコーナー材70ではなく、上材61、下材62、縦材63、64に形成してもよいし、規制部を設けなくてもよい。
また、連結部73は、内周側連結部74および外周側連結部75で構成されるものに限定されず、内周側連結部74または外周側連結部75の一方のみで構成してもよい。また、連結部は、横材固定部71および縦材固定部72のコーナー側端部の内周および外周の中間部同士を連結する中間連結部で構成してもよい。
さらに、内周側連結部74、外周側連結部75の具体的な構造は前記実施形態に限定されない。例えば、内周側連結部74は、見込み方向から見た正面視で略U字状に形成されるものに限定されず、正面視で円弧状に形成されたものなどでもよい。同様に、外周側連結部75は、正面視で四分円周状に形成されたものなどでもよい。
すなわち、コーナー材70の連結部73は、横材固定部71および縦材固定部72が直交配置される基準位置から横材固定部71および縦材固定部72が互いに近づく近接方向に弾性変形可能に構成され、コーナー材70を変形させる力が解除された場合には横材固定部71および縦材固定部72を基準位置に戻して維持できるものであればよい。
さらに、フレーム枠は、横材固定部71および縦材固定部72が直接接続されて、近接方向に弾性変形しないコーナー材を用いたものでもよいし、コーナー材70を設けずに、上下の横材と、左右の縦材を直接連結して構成してもよい。
【0042】
網戸6のフレーム枠60の上下の横材および左右の縦材は、前記実施形態の構造に限定されない。例えば、図12に示す縦材63Bのように、取付片631と、外周側のガイド片632と、内周側のガイド片633とを備えて断面形状がコ字状となる構造を採用してもよい。また、図13に示す縦材63Cのように、取付片631と、内周側のガイド片633とを備えて断面形状がL字状となる構造を採用してもよい。
縦材63Bのように、外周側および内周側にそれぞれガイド片632、633が形成されていれば、取付片631に接着された片面テープ85が網戸枠5に接触することをより確実に防止できる。このため、網戸6を網戸枠5の溝部に挿入する際に、片面テープ85が網戸枠5に接触して剥がれてしまうことを確実に防止できる。
また、縦材63Bや縦材63Cのように、内周側のガイド片633を備えていれば、片面テープ85の内周側をガイド片633で覆うことができ、網戸6の内周面から片面テープ85が視認されることを防止できる。
【0043】
ネット80をフレーム枠60に固着するテープは、片面テープに限定されず、ネット80と取付片611、621、631、641との間に配置される両面テープを用いてもよい。この場合、ネット80の表面に化粧テープを貼って、ネット80が固着される両面テープの粘着面を覆ってもよい。
【0044】
網戸枠5は、窓枠2とは独立して枠組みされるものでもよい。また、網戸枠5は、窓枠2と別体のものに限定されず、窓枠2に実質的に網戸枠となる構造を設けてもよい。
本発明の建具は、縦すべり出し窓1に限定されず、すべり出し窓や外開き窓でもよい。また、固定網戸は、障子の室内側に設置されるものに限定されず、内倒し窓やドレーキップ窓のように室内側に開閉される障子を有する建具において、障子の室外側に設置されるものでもよい。
スクリーン体は網戸に限定されない。例えば、スクリーン体のスクリーンは、ネット80以外のスクリーンでもよい。例えば、シート状の遮光スクリーンなどでもよく、矩形状のフレーム枠を変形させた際に、フレーム枠の変形に追従できるネット、布、フィルム等のスクリーンであればよい。
シート状のスクリーンは、両面テープでフレーム枠に固定してもよいし、スクリーンの外縁部をネット状に形成して片面テープでフレーム枠に固着してもよい。
【0045】
[発明のまとめ]
本発明のスクリーン体は、矩形状のフレーム枠と、前記フレーム枠に保持されるスクリーンとを備えるスクリーン体であって、前記フレーム枠は、上下の横材と、左右の縦材とを備え、前記横材および前記縦材は、前記スクリーンがテープによって固着される取付片と、前記取付片から見込み方向に延出したガイド片とを備え、前記ガイド片の見込み方向の延出寸法は、前記スクリーンおよび前記テープの見込み方向の厚さ寸法よりも大きいことを特徴とする。
フレーム枠の横材および縦材のガイド片の見込み方向の延出寸法を、スクリーンおよびテープの見込み方向の厚さ寸法よりも大きくしたので、スクリーン体をスクリーン枠の溝部に挿入または溝部から取り外す際に、スクリーンやテープがスクリーン枠に接触して剥がれることを防止できる。
スクリーンをテープでフレーム枠に固着しているので、スクリーンを接着剤で取り付ける場合に比べて、スクリーンをフレーム枠に取り付ける作業性を向上でき、スクリーン体の生産性を向上できる。
網戸のようなネット状のスクリーンを接着剤でフレーム枠に取り付けた場合は、スクリーン体をスクリーン枠から取り外した際に、接着剤がスクリーン体の表面に露出し、意匠性が低下する。これに対し、スクリーンをテープでフレーム枠に取り付けているので、スクリーン体の意匠性を向上できる。
【0046】
本発明のスクリーン体において、前記スクリーンは、前記取付片と前記テープとの間に配置されるネットを備え、前記テープは、前記ネット側の面が粘着層とされた片面テープであることが好ましい。
フレーム枠の取付片の表面にスクリーンの外縁部に設けられたネットを配置し、その上から片面テープを貼ることで、片面テープの粘着層がネットの網目を介して取付片に固着されるため、スクリーンのネットをフレーム枠に容易に取り付けることができる。また、スクリーン体の表面には、片面テープの粘着層は露出せず、粘着層を支持する支持層つまり片面テープの基材が露出するため、スクリーン体の意匠性を向上できる。
【0047】
本発明のスクリーン体において、前記ガイド片は、前記取付片において、前記フレーム枠の外周側の端部から前記見込み方向に延出していることが好ましい。
ガイド片が取付片の外周側の端部から見込み方向に延出されるため、ガイド片をスクリーンの外周縁をカッターなどでカットする際のガイドとして利用できる。このため、スクリーンのカット作業性を向上でき、スクリーン体の生産性をさらに向上できる。
【0048】
本発明のスクリーン体において、前記フレーム枠は、上下の横材と、左右の縦材と、前記横材および前記縦材を連結するコーナー材と、を備え、前記コーナー材は、前記ガイド片に連続するコーナー側ガイド片を有することが好ましい。
コーナー材は、ガイド片に連続するコーナー側ガイド片を有するため、スクリーンの外周縁をガイド片に沿ってカットする際に、横材のガイド片からコーナー側ガイド片を介して縦材のガイド片まで連続してカットでき、スクリーンのカット作業性を向上でき、スクリーン体の生産性をさらに向上できる。
【0049】
本発明のスクリーン体において、前記ガイド片は、前記取付片において、前記フレーム枠の内周側の端部から前記見込み方向に延出していることが好ましい。
取付片において、フレーム枠の内周側の端部から見込み方向に延出する内周側のガイド片を備えていれば、スクリーンを固着するテープの内周側をガイド片で覆うことができ、スクリーン体の内周面からテープが視認されることを防止できる。
【0050】
本発明のスクリーン体において、前記スクリーンは防虫用のネットであり、前記スクリーン体は網戸であることが好ましい。
スクリーン枠である網戸枠に対して、スクリーン体である網戸を容易に着脱でき、特に固定網戸として利用可能なスクリーン体を提供することができる。
【0051】
本発明の建具は、建具枠と、前記建具枠に対して開閉可能に取り付けられた障子と、前記建具枠に取り付けられたスクリーン枠と、前記スクリーン枠に着脱可能に取り付けられた前記スクリーン体とを、備える建具であって、前記スクリーン枠は、上下の横枠と、左右の縦枠とを備えて矩形枠状に形成され、前記横枠および前記縦枠には、前記スクリーン枠の内周面に開口する溝部が設けられ、前記スクリーン体のフレーム枠は、前記スクリーン枠の溝部に挿入されて保持されていることを特徴とする。
前記スクリーン体を備えるため、スクリーン体をスクリーン枠の溝部に挿入または溝部から取り外す際に、スクリーンやテープがスクリーン枠に接触して剥がれることを防止できる。また、スクリーンをテープでフレーム枠に固着しているので、スクリーンをフレーム枠に取り付ける作業性を向上でき、スクリーン体の生産性を向上できる。さらに、スクリーンをテープでフレーム枠に取り付けているので、網戸の意匠性を向上できる。
【符号の説明】
【0052】
1…縦すべり出し窓、2…窓枠、3…障子、5…網戸枠、6…網戸、51…上枠、52…下枠、53…縦枠、54…縦枠、60…フレーム枠、61…上材、62…下材、63…縦材、63B…縦材、63C…縦材、64…縦材、70…コーナー材、70A…上コーナー材、70B…下コーナー材、71…横材固定部、72…縦材固定部、73…連結部、74…内周側連結部、75…外周側連結部、76…スリット、77…空間部、80…ネット、85…片面テープ、90…引手部品、95…把手部品、510…上溝部、520…下溝部、530…縦溝部、540…縦溝部、611…取付片、612…ガイド片、621…取付片、622…ガイド片、631…取付片、632…ガイド片、633…ガイド片、641…取付片、642…ガイド片、741…第一内周片部、742…第二内周片部、743…内周湾曲片部、751…第一外周片部、752…第二外周片部、753…外周湾曲片部、754…押さえ片、920…爪部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13