(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082488
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】回転数推定装置及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01H 17/00 20060101AFI20240613BHJP
G01M 99/00 20110101ALI20240613BHJP
G01M 13/021 20190101ALI20240613BHJP
【FI】
G01H17/00 A
G01M99/00 A
G01M13/021
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196368
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】藤本 直
(72)【発明者】
【氏名】大山 真輝
【テーマコード(参考)】
2G024
2G064
【Fターム(参考)】
2G024AB02
2G024AD17
2G024BA12
2G024CA02
2G024CA04
2G024DA09
2G024FA04
2G024FA06
2G064AB01
2G064AB02
2G064AB22
2G064BA02
2G064CC02
2G064CC29
2G064CC53
2G064CC54
(57)【要約】
【課題】周波数解析を行わずに、且つ母機から情報を取得せずに、減速機の故障の判定に適した周波数を特定する。
【解決手段】回転数推定装置は、基準面と平行な回転軸を有するアームの所定部分と基準面との距離に関する距離情報を取得する取得部と、前記回転軸と前記所定部分との距離と、前記距離情報から得られる所定期間における前記所定部分と前記基準面との距離の変化量と、を用いて、前記所定期間における前記回転軸の回転数を推定する推定部とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準面と平行な回転軸を有するアームの所定部分と基準面との距離に関する距離情報を取得する取得部と、
前記回転軸と前記所定部分との距離と、前記距離情報から得られる所定期間における前記所定部分と前記基準面との距離の変化量と、を用いて、前記所定期間における前記回転軸の回転数を推定する推定部と
を備える回転数推定装置。
【請求項2】
前記所定部分と前記基準面との距離とは、標高であり、
前記距離情報は、前記所定部分に取り付けられた気圧センサの測定結果であり、
前記推定部は、
前記回転軸と前記所定部分との距離と前記気圧センサの測定結果から得られる前記所定期間における前記所定部分の標高の変化量とを用いて、前記所定期間における前記回転軸の回転数を推定する
請求項1に記載の回転数推定装置。
【請求項3】
前記基準面は、前記アームを支持する支持面であり、
前記距離情報は、前記所定部分と前記支持面との距離である
請求項1に記載の回転数推定装置。
【請求項4】
前記距離情報は、前記所定部分に取り付けられ、前記所定部分と前記基準面との距離を測定する測距センサの測定結果であり、
前記推定部は、
前記回転軸と前記所定部分との距離と前記測距センサの測定結果から得られる前記所定期間における前記所定部分と前記基準面との距離の変化量とを用いて、前記所定期間における前記回転軸の回転数を推定する
請求項3に記載の回転数推定装置。
【請求項5】
前記回転軸と前記所定部分との距離をAとし、
前記基準面に対する前記回転軸の角度をθとし、
所定期間における前記距離の変化量をΔLとするときに、
前記推定部は、
所定期間における前記回転軸の回転角度であるΔθを、
Δθ=ΔL/Acosθ
によって推定する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転数推定装置。
【請求項6】
前記回転軸は、減速機の出力軸であり、
前記減速機に入力される回転力を前記回転軸に伝達する複数の歯車の歯数と、前記推定部によって推定された前記回転軸の回転数と、に基づいて前記減速機の故障予知の判定に適したターゲットとなる周波数を特定する特定部
を備える請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転数推定装置。
【請求項7】
コンピュータを回転数推定装置として機能させるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータを、
基準面と平行な回転軸を有するアームの所定部分と基準面との距離に関する距離情報を取得する取得手段、
前記回転軸と前記所定部分との距離と、前記距離情報から得られる所定期間における前記所定部分と前記基準面との距離の変化量と、を用いて、前記所定期間における前記回転軸の回転数を推定する推定手段
として機能させるための前記プログラムを格納した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転数推定装置及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
減速機は、劣化が進むと通常よりも振動が大きくなるため、加速度センサによって減速機の故障(劣化)を判定(予測判定)することができる。減速機の振動は、通常時・劣化時ともに小さいため、加速度センサによって検出された様々な周波数の振動のなかから減速機の故障の判定に適したターゲットとなる周波数(ターゲット周波数)に注目し、ターゲット周波数の振動の大きさから故障を判定する必要がある。
【0003】
ターゲット周波数は、当該減速機の動作に伴って生じる振動の周波数であり、例えば、加速度センサによって検出された様々な周波数の振動を周波数解析(例えば、FFTフィルタを用いて周波数解析)して特定することもできる。
【0004】
上記に関連し、回転機械の回転数を推定する技術、より詳細には、回転数の実数倍の高調波振動が発生する現象を利用して、回転機械に取り付けた振動加速度センサの信号を周波数解析することで、当該機械の回転数を推定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、周波数解析によってターゲット周波数を特定する方法では、周波数解析の演算負荷が大きい。
【0007】
また、ターゲット周波数は、当該減速機の歯数、回転数によって定まるため、当該減速機の歯数、回転数からターゲット周波数を特定する方法もあるが、減速機の回転数を得る方法が問題となる。例えば、減速機の回転数を得るために母機から情報(例えば、アームの制御情報)を取得する方法も考えられるが、母機から情報を取得する方法の場合、実装において母機から情報を取得するための対応(例えば、母機側の対応、母機から母機外部への信号線の配線等の対応)が必要になり、コストもかかる。
【0008】
上記事情に鑑み、本発明は、周波数解析を行わずに、且つ母機から情報を取得せずに、減速機の故障の判定に適した周波数(ターゲット周波数)を特定することができる回転数推定装置及び記憶媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、基準面と平行な回転軸を有するアームの所定部分と基準面との距離に関する距離情報を取得する取得部と、前記回転軸と前記所定部分との距離と、前記距離情報から得られる所定期間における前記所定部分と前記基準面との距離の変化量と、を用いて、前記所定期間における前記回転軸の回転数を推定する推定部とを備える回転数推定装置である。
【0010】
上記構成によれば、周波数解析を行わずに、且つ母機から情報を取得せずに、ターゲット周波数の特定に必要となる回転軸の回転数を推定することができる。
【0011】
前記所定部分と前記基準面との距離とは、標高であり、前記距離情報は、前記所定部分に取り付けられた気圧センサの測定結果であり、前記推定部は、前記回転軸と前記所定部分との距離と前記気圧センサの測定結果から得られる前記所定期間における前記所定部分の標高の変化量とを用いて、前記所定期間における前記回転軸の回転数を推定してもよい。
【0012】
上記構成によれば、例えば、アームの所定部分と基準面との間に障害物があったりしても精度を落とすことなく回転数を把握できる。また、測距センサと比較すると基準面に対する調整(位置や角度の調整)が不要であるため取り付け容易である。
【0013】
前記基準面は、前記アームを支持する支持面であり、前記距離情報は、前記所定部分と前記支持面との距離であってもよい。
【0014】
上記構成によれば、取得部が取得する距離情報が所定部分と支持面との距離を示しているため、簡便に、回転軸の回転数を推定することができる。つまり、センサの測定情報から計算せずに距離を得て、回転軸の回転数を推定することができる。
【0015】
前記距離情報は、前記所定部分に取り付けられ、前記所定部分と前記基準面との距離を測定する測距センサの測定結果であり、前記推定部は、前記回転軸と前記所定部分との距離と前記測距センサの測定結果から得られる前記所定期間における前記所定部分と前記基準面との距離の変化量とを用いて、前記所定期間における前記回転軸の回転数を推定してもよい。
【0016】
上記構成によれば、測距センサから距離を得て、簡便に、回転軸の回転数を推定することができる。
【0017】
前記回転軸と前記所定部分との距離をAとし、前記基準面に対する前記回転軸の角度をθとし、所定期間における前記距離の変化量をΔLとするときに、前記推定部は、所定期間における前記回転軸の回転角度であるΔθを、Δθ=ΔL/Acosθによって推定してもよい。
【0018】
上記構成によれば、三角関数を用いて負荷をかけずに推定(計算)することができる。
【0019】
前記回転軸は、減速機の出力軸であり、前記減速機に入力される回転力を前記回転軸に伝達する複数の歯車の歯数と、前記推定部によって推定された前記回転軸の回転数と、に基づいて前記減速機の故障予知の判定に適したターゲットとなる周波数を特定する特定部を備えてもよい。
【0020】
上記構成によれば、周波数解析を行わずに、且つ母機から情報を取得せずに、減速機の故障判定に必要なターゲット周波数を特定することができる。
【0021】
本発明の一態様は、コンピュータを回転数推定装置として機能させるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記コンピュータを、基準面と平行な回転軸を有するアームの所定部分と基準面との距離に関する距離情報を取得する取得手段、前記回転軸と前記所定部分との距離と、前記距離情報から得られる所定期間における前記所定部分と前記基準面との距離の変化量と、を用いて、前記所定期間における前記回転軸の回転数を推定する推定手段として機能させるための前記プログラムを格納した記憶媒体である。
【0022】
上記構成によれば、周波数解析を行わずに、且つ母機から情報を取得せずに、ターゲット周波数の特定に必要となる回転軸の回転数を推定することができる。
【発明の効果】
【0023】
周波数解析を行わずに、且つ母機から情報を取得せずに、減速機の故障の判定に適した周波数を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施形態に係る減速機回転数推定装置101(減速機故障判定装置100)を備える建設機械1の説明図。
【
図2】第1回転軸部20a~第4回転軸部20d等の位置関係を示した模式図。
【
図3】第2減速機故障判定装置100b等の機能構成の説明図。
【
図4】第2減速機故障判定装置100bのハードウェア構成の説明図。
【
図5】第3減速機故障判定装置100c等の機能構成の説明図。
【
図6】第3減速機故障判定装置100cのハードウェア構成の説明図。
【
図7】第4回転軸センサ装置23d等の機能構成の説明図。
【
図8】第2減速機故障判定装置100bの動作の一例を示すフローチャート。
【
図9】第3減速機故障判定装置100cの動作の一例を示すフローチャート。
【
図10】第1回転軸部20a、第2回転軸部20d等の位置関係を示した模式図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
<建設機械>
図1は、実施形態に係る減速機回転数推定装置101(減速機故障判定装置100)を備える建設機械1の説明図である。
図1に示すように、建設機械1は、例えば、掘削機の一種である、いわゆる動力ショベルである。建設機械1は、旋回部3a及び走行部3bを有する本体3と、本体3に連結されるブーム5と、ブーム5に連結されるアーム7と、アーム7に連結されるバケット9と、複数の回転軸部(動力伝達部)20と、を備える。
【0026】
<回転軸部>
建設機械1は、4つの回転軸部20を備える。具体的には、建設機械1は、走行部3bと旋回部3aとを回転可能に連結する第1回転軸部20a、旋回部3a(旋回部3aに設けられた支持部3c)とブーム5とを回転可能に連結する第2回転軸部20b、ブーム5とアーム7とを回転可能に連結する第3回転軸部20c、アーム7とバケット9とを回転可能に連結する第4回転軸部20dを備える。
【0027】
図示するように、第2回転軸部20bは、支持部3cのブーム5と連結する位置(又はブーム5の支持部3cと連結する位置)に設けられている。第3回転軸部20cは、ブーム5のアーム7と連結する位置(又はアーム7のブーム5と連結する位置)に設けられている。第4回転軸部20dは、アーム7のバケット9と連結する位置(又はバケット9のアーム7と連結する位置)に設けられている。
【0028】
第1回転軸部20aの回転軸は、走行部3bが接する面(例えば、地面)に垂直である。第2回転軸部20bの回転軸は、走行部3bが接する面に平行である。第3回転軸部20cの回転軸は、走行部3bが接する面に平行である。第4回転軸部20dの回転軸は、走行部3bが接する面に平行である。
【0029】
夫々の回転軸部20には、回転電機(非図示)及び減速機22が存在する。具体的には、第1回転軸部20aには、第1回転電機(非図示)及び第1減速機22aが存在する。
第2回転軸部20bには、第2回転電機(非図示)及び第2減速機22bが存在する。第3回転軸部20cには、第3回転電機(非図示)及び第3減速機22cが存在する。第4回転軸部20dには、第4回転電機(非図示)及び第4減速機22dが存在する。回転電機は、電気(電力)によって回転する。
【0030】
減速機22は、互いに噛み合う複数の歯車を有する歯車機構である。第1減速機22aの入力部、第1回転電機の出力部に連結されている。第1減速機22aの出力部は、旋回部3aに連結されている。第1減速機22aは、第1回転電機から入力部に入力される動力の回転速度を減じることによって、減速後の動力を出力部から出力する。つまり、第1減速機22aは、第1回転電機から発生する動力によって旋回部3aを回転駆動させる。
【0031】
第2減速機22bの入力部は、第2回転電機の出力部に連結されている。第2減速機22bの出力部は、ブーム5に連結されている。第2減速機22bは、第2回転電機から入力部に入力される動力の回転速度を減じることによって、減速後の動力を出力部から出力する。つまり、第2減速機22bは、第2回転電機から発生する動力によってブーム5を回転駆動させる。
【0032】
第3減速機22cの入力部は、第3回転電機の出力部に連結されている。第3減速機22cの出力部は、アーム7に連結されている。第3減速機22cは、第3回転電機から入力部に入力される動力の回転速度を減じることによって、減速後の動力を出力部から出力する。つまり、第3減速機22cは、第3回転電機から発生する動力によってアーム7を回転駆動させる。
【0033】
第4減速機22dの入力部は、第4回転電機の出力部に連結されている。第4減速機22dの出力部は、バケット9に連結されている。第4減速機22dは、第4回転電機から入力部に入力される動力の回転速度を減じることによって、減速後の動力を出力部から出力する。つまり、第4減速機22dは、第4回転電機から発生する動力によってバケット9を回転駆動させる。
【0034】
また、建設機械1には、減速機22の故障(劣化)を判定(予測判定)する減速機故障判定装置100が取り付けられている。また、建設機械1には、減速機故障判定装置100の一部として又は減速機故障判定装置100とは別体として、センサ装置23が取り付けられている。
【0035】
具体的には、第2回転軸部20bには、第2減速機22bの故障(劣化の状況)を判定する第2減速機故障判定装置100b(詳細は後述)が取り付けられている。第2減速機故障判定装置100bは、第2回転軸センサ装置23b(詳細は後述)を含む。第2減速機故障判定装置100b(第2回転軸センサ装置23b)は、第2減速機22bのケース(第2減速機22bの複数の歯車を収容するケース)に取り付けられてもよい。
【0036】
第3回転軸部20cには、第3減速機22cの故障を判定する第3減速機故障判定装置100c(詳細は後述)が取り付けられている。第3減速機故障判定装置100cは、第3回転軸センサ装置23c(詳細は後述)を含む。第3減速機故障判定装置100c(第3回転軸センサ装置23c)は、第3減速機22cのケース(第3減速機22cの複数の歯車を収容するケース)に取り付けられてもよい。
【0037】
第4回転軸部20dには、第4回転軸センサ装置23d(詳細は後述)が取り付けられている。第4回転軸センサ装置23dは、第4減速機22dのケース(第4減速機22dの複数の歯車を収容するケース)に取り付けられてもよい。
【0038】
なお、第3回転軸部20cは、上述したように、ブーム5のアーム7と連結する位置に設けられているため、第3回転軸部20cに取り付けられている第3減速機故障判定装置100cは、ブーム5の所定の位置(アーム7と連結する位置)に取り付けられているとも言える。また、第4回転軸部20dは、上述したように、アーム7のバケット9と連結する位置に設けられているため、第4回転軸部20dに取り付けられている第4回転軸センサ装置23dは、アーム7の所定の位置(バケット9と連結する位置)に取り付けられているとも言える。
【0039】
図2は、第1回転軸部20a~第4回転軸部20d等の位置関係を示した模式図である。
図2において、S0、S1、L
Sは、以下の通りである。なお、建設機械1は、移動(自走)可能であるが、本実施形態では建設機械1に取り付けた減速機故障判定装置100の微小時間Δt(例えば、数ミリ秒)における動作に注目するため、建設機械1の移動は無視される。
【0040】
S0:海面
S1:建設機械1(走行部3b)が接する面(例えば、地面)。なお、面S1は、面S0に平行であるものとする。
LS:面S0と面S1との距離。つまり、建設機械1が存在する場所の標高(海抜高度)。固定値。
【0041】
図2において、L
02、L
12、A、θは、以下の通りである。上述したように、建設機械1の移動は無視するため、L
02、L
12は固定値である。
【0042】
L
02:第2回転軸部20bと面S0との距離。具体的には、第2減速機故障判定装置100b(第2回転軸センサ装置23b)と面S0との距離。つまり、第2回転軸センサ装置23bの設置位置の標高(海抜高度)。固定値。
L
12:第2回転軸部20bと面S1との距離。具体的には、第2減速機故障判定装置100b(第2回転軸センサ装置23b)と面S1との距離。つまり、第2回転軸センサ装置23bの設置位置の地面等からの高さ。固定値。
A:第2回転軸部20bと第3回転軸部20cとの距離。具体的には、第2減速機故障判定装置100b(第2回転軸センサ装置23b)と第3減速機故障判定装置100c(第3回転軸センサ装置23c)の距離。固定値。
θ:面S1(面S0)に平行な面に対するA方向の角度。つまり、第2減速機故障判定装置100b(第2回転軸センサ装置23b)と第3減速機故障判定装置100c(第3回転軸センサ装置23c)とを結ぶ直線と、面S1(面S0)とのなす角の角度。
図2に示した通り、θは、見上げる角度(仰ぐ角度)をプラスとしている。
【0043】
図2において、L
03、L
13、B、ωは、以下の通りである。
【0044】
L
03:第3回転軸部20cと面S0との距離。具体的には、第3減速機故障判定装置100c(第3回転軸センサ装置23c)と面S0との距離。つまり、第3回転軸センサ装置23cの設置位置の標高(海抜高度)。
L
13:第3回転軸部20cと面S1との距離。具体的には、第3減速機故障判定装置100c(第3回転軸センサ装置23c)と面S1との距離。つまり、第3回転軸センサ装置23cの設置位置の地面等からの高さ。
B:第3回転軸部20cと第4回転軸部20dとの距離。具体的には、第3減速機故障判定装置100c(第3回転軸センサ装置23c)と第4回転軸センサ装置23dとの距離。固定値。
ω:面S1(面S0)に平行な面に対するB方向の角度。つまり、第3減速機故障判定装置100c(第3回転軸センサ装置23c)と第4回転軸センサ装置23dとを結ぶ直線と、面S1(面S0)とのなす角の角度。
図2に示した通り、説明の便宜上(煩雑化を避けるため)、ωについてもθと同様、見上げる角度をプラスとしている。
【0045】
図2において、L
04、L
14は、以下の通りである。
【0046】
L04:第4回転軸部20dと面S0との距離。具体的には、第4回転軸センサ装置23dと面S0との距離。つまり、第4回転軸センサ装置23dの設置位置の標高(海抜高度)。
L14:第4回転軸部20dと面S1との距離。具体的には、第4回転軸センサ装置23dと面S1との距離。つまり、第4回転軸センサ装置23dの設置位置の地面等からの高さ。
【0047】
以下、距離L02を距離L2と称し、距離L03を距離L3と称し、距離L04を距離L4と称するものとする。つまり、各距離の基準面を面S0とする。
【0048】
(Δθ(第2減速機22bの回転数))
微小時間Δtにおける角度θの変化量Δθ(すなわち第2減速機22bの回転数)は、以下に説明するように、距離L3と、微小時間Δtにおける距離L3の変化量ΔL3と、距離L2(固定値)と、距離A(固定値)と、によって求めることが可能である。
【0049】
L3は、下記式1によって表される。従って、ΔL3は、下記式2によって表される。
【0050】
L3=L2+Asinθ…(1)
ΔL3=(L2+Asin(θ+Δθ))-(L2+Asinθ)…(2)
【0051】
上記式2を加法定理により展開すると、下記式3が得られる。更に、右辺を整理すると、下記式4が得られる。
【0052】
ΔL3=(L2+AsinθcosΔθ+AcosθsinΔθ)-(L2+Asinθ)…(3)
ΔL3=AsinθcosΔθ+AcosθsinΔθ-Asinθ…(4)
【0053】
ここで、Δθ≒0であるため、cosΔθ≒1、sinΔθ≒Δθと近似し、夫々を上記式4に代入すると、下記式5が得られる。つまり、Δθは、下記式6によって示される。
【0054】
ΔL3=Acosθ×Δθ…(5)
Δθ=ΔL3/Acosθ…(6)
【0055】
また、sinθ=(L3-L2)/A、sin2θ+cos2θ=1であるため、cosθは、下記式7によって示される。
【0056】
cosθ=(1-((L3-L2)/A)2)1/2…(7)
【0057】
上記式6、上記式7に示すように、Δθ(第2減速機22bの回転数)は、L3と、ΔL3と、L2(固定値)と、A(固定値)と、によって求めることが可能である。
【0058】
(Δω(第3減速機22cの回転数))
微小時間Δtにおける角度ωの変化量Δω(すなわち第3減速機22cの回転数)は、以下に説明するように、距離L3と、微小時間Δtにおける距離L3の変化量ΔL3と、距離L4と、微小時間Δtにおける距離L4の変化量ΔL4と、B(固定値)と、によって求めることが可能である。
【0059】
L4は、下記式8によって表される。従って、ΔL4は、下記式9によって表される。
【0060】
L4=L2+Asinθ+Bsinω…(8)
ΔL4=(L2+Asin(θ+Δθ)+Bsin(ω+Δω)-(L2+Asinθ+Bsinω)…(9)
【0061】
上記式9を加法定理により展開すると、下記式10が得られる。更に、右辺を整理すると、下記式11が得られる。
【0062】
ΔL4=(L2+AsinθcosΔθ+AcosθsinΔθ+BsinωcosΔω+BcosωsinΔω)-(L2+Asinθ+Bsinω)…(10)
ΔL4=AsinθcosΔθ+AcosθsinΔθ+BsinωcosΔω+BcosωsinΔω-Asinθ-Bsinω…(11)
【0063】
ここで、Δθ≒0、Δω≒0であるため、cosΔθ≒1、sinΔθ≒Δθ、cosΔω≒1、sinΔω≒Δωと近似し、夫々を上記式11に代入すると、下記式12が得られる。つまり、Δθは、下記式13によって示される。
【0064】
ΔL4=Asinθ×1+Acosθ×Δθ+Bsinω×1+Bcosω×Δω-Asinθ-Bsinω…(12)
ΔL4=Acosθ×Δθ+Bcosω×Δω…(13)
【0065】
ここで、上記式5からΔL3=Acosθ×Δθであるため、上記式13は、下記式14によって示される。つまり、Δωは、下記式15によって示される。
【0066】
ΔL4=ΔL3+Bcosω×Δω…(14)
Δω=(ΔL4-ΔL3)/Bcosω…(15)
【0067】
また、sinω=(L4-L3)/B、sin2ω+cos2ω=1であるため、cosωは、下記式16によって示される。
【0068】
cosω=(1-((L4-L3)/B)2)1/2…(16)
【0069】
上記式15、上記式16に示すように、Δω(第3減速機22cの回転数)は、L3と、ΔL3と、L4と、ΔL4と、B(固定値)と、によって求めることが可能である。
【0070】
なお、第3回転軸部20cの高さは変化し得るため、Δω(第3減速機22cの回転数)を求める場合には、第4回転軸部20dの高さに関する情報(L4、ΔL4)に加えて第3回転軸部20cの高さに関する情報(L3、ΔL3)も測定する必要があるが、第2回転軸部20bの高さは変化しないため、Δθ(第2減速機22bの回転数)を求める場合には、第3回転軸部20cの高さに関する情報(L3、ΔL3)を測定し、第2回転軸部20bの高さに関する情報は測定しない(単に、固定値であるL2を参照する)。
【0071】
図3は、第2減速機故障判定装置100b等の機能構成の説明図である。第2減速機故障判定装置100bは、第2減速機22bの故障(劣化の状況)を判定する装置である。
図3に示すように、第2減速機故障判定装置100bは、第2回転軸センサ装置23bと、回転数推定部302bと、周波数特定部303bと、故障判定部304bと、報知部305bと、記憶部309bと、を備える。第2回転軸センサ装置23bは、加速度センサ24bと、測定値送受信部301bと、を備える。なお、第2回転軸センサ装置23b(加速度センサ24b、測定値送受信部301b)と回転数推定部302bとからなる部分を第2減速機回転数推定装置101bと称する。なお、当該第2減速機回転数推定装置101bと第3減速機回転数推定装置101c(後述)とを区別しない場合には、減速機回転数推定装置101と総称する。
【0072】
記憶部309bは、種々の情報を記憶する。例えば、記憶部309bは、距離L2、距離Aを記憶する。当該情報は、例えば、第2減速機22bの回転数を推定する際に参照される。また、記憶部309bは、第2減速機22bの歯数(複数の歯車の歯数)を記憶する。当該情報は、例えば、故障判定の対象となる振動の周波数(ターゲット周波数)を特定する際に参照される。また、記憶部309bは、ターゲット周波数の振動の大きさ(振幅)と比較される閾値を記憶する。当該情報は、故障を判定する際に参照される。また、記憶部309bは、故障判定の判定結果を判定時刻とともに記憶してもよい。
【0073】
加速度センサ24bは、第2減速機22bの振動を測定(計測)する。加速度センサ24bによる測定値は、故障判定部304bに供給される。加速度センサ24bによる測定値には、第2減速機22bの動作による振動の他に雑多の周波数の振動の測定値が含まれる。なお、加速度センサ24bの測定値は、記憶部309bに一時記憶され、その後、故障判定部304bに供給されてもよい。
【0074】
測定値送受信部301bは、第3減速機故障判定装置100c(
図5参照)の測定値送受信部301cから送信された気圧センサ25cの測定値を受信(例えば、無線通信(ワイヤレス通信))によって受信する。例えば、測定値送受信部301bは、気圧センサ25cの測定値として、あるタイミングT0における気圧センサ25cの測定値(以下、測定値Pc0)と、タイミングT0から微小時間(Δt)が経過したタイミング(以下、タイミングT1)の気圧センサ25cの測定値(以下、測定値Pc1)と、を受信する。測定値送受信部301bが受信した測定値は、回転数推定部302bに供給される。
【0075】
回転数推定部302bは、測定値送受信部301bから供給される気圧センサ25cの測定値(測定値Pc0、測定値Pc1)と記憶部309bに記憶されている情報(距離L2、距離A)とに基づいて、第2減速機22bの回転数(変化量Δθ)を推定する。
【0076】
例えば、回転数推定部302bは、気圧と標高(海抜高度)の関係を示した数式(近似式)を用いて、測定値Pc0からL3を算出し、測定値Pc0と測定値Pc1とからΔL3と算出する。続いて、回転数推定部302bは、算出したL3と、算出したΔL3と、記憶部309bに記憶されている距離L2と、記憶部309bに記憶されている距離Aとから、第2減速機22bの回転数(変化量Δθ)を推定(算出)する(上記式6、上記式7)。回転数推定部302bが推定した回転数は、周波数特定部303bに供給される。
【0077】
周波数特定部303bは、回転数推定部302bから供給される回転数と記憶部309bに記憶されている第2減速機22bの歯数とに基づいて、ターゲット周波数を特定する。例えば、周波数特定部303bは、回転数と歯数とを乗算して得られた値をターゲット周波数として特定する。回転数推定部302bが特定したターゲット周波数は、故障判定部304bに供給される。
【0078】
故障判定部304bは、加速度センサ24bから供給される測定値(種々の周波数の振動の測定値)と周波数特定部303bから供給されるターゲット周波数と記憶部309bに記憶されている閾値とに基づいて、第2減速機22bの故障(劣化の状況)を判定する。例えば、故障判定部304bは、上記種々の周波数のうちターゲット周波数の振動の大きさが閾値に達している場合、故障(劣化)の虞がある判定する。なお、故障判定部304bは、例えば、バントパスフィルタによって、種々の周波数の振動の測定値のなかからターゲット周波数の振動の振動値を抽出してもよい。故障判定部304bが判定した判定結果は、報知部305bに供給される。なお、故障の虞があると判定した場合の判定結果に限って報知部305bに供給されるようにしてもよい。また、判定結果は、記憶部309bに記憶されてもよい。故障の虞があると判定した場合の判定結果に限って記憶部309bに記憶されるようにしてもよい。
【0079】
報知部305bは、故障判定部304bから供給される判定結果に基づいて、故障の虞がある旨を報知する。なお、報知部305bによる報知の態様は特に限定されない。例えば、報知部305bは、LED等の発光部材であって発光によって故障の虞を報知してもよい。報知部305bは、スピーカ等の音声出力部材であって音声によって故障の虞を報知してもよい。報知部305bは、通信部材であって通信によって故障の虞を報知してもよい。第3減速機故障判定装置100c(
図5)の報知部305cについても同様である。
【0080】
図4は、第2減速機故障判定装置100bのハードウェア構成の説明図である。
図4に示すように、第2減速機故障判定装置100bは、CPU(Central Processing Unit)201bと、メモリ202bと、I/F(インターフェース)203bと、加速度センサ24bと、を備える。各部は、バス209bによって接続される。
【0081】
CPU201bは、第2減速機故障判定装置100bの全体の制御を司る。例えば、CPU201bは、回転数推定部302b、周波数特定部303b、及び、故障判定部304bによる各処理を実行する。CPU201bは、報知部305bによる報知、記憶部309bへのアクセスを制御してもよい。CPU201bは、加速度センサ24bの動作、測定値送受信部301bの動作を制御してもよい。
【0082】
メモリ202bは、例えば、ROM、RAM、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置の総称である。例えば、記憶部309bは、メモリ202bによって構成される。I/F203bは、入力I/F、出力I/Fの総称(通信I/Fと称されるものも含む)である。例えば、測定値送受信部301bや報知部305bは、I/F203bによって構成される。加速度センサ24bは、上述したように、第2減速機22bの振動を測定する。
【0083】
なお、メモリ202bには、各種のプログラムが記憶され、CPU201bは、プログラムに従って動作してもよい。例えば、メモリ202bには、第2減速機22bの回転数を推定するための回転数推定プログラムが記憶され、CPU201bは、回転数推定プログラムに従って、第2減速機回転数推定装置101bを動作させてもよい。また、例えば、メモリ202bには、第2減速機22bの故障を判定するための故障判定プログラムが記憶され、CPU201bは、故障判定プログラムに従って、第2減速機故障判定装置100bを動作させてもよい。
【0084】
図5は、第3減速機故障判定装置100c等の機能構成の説明図である。第3減速機故障判定装置100cは、第3減速機22cの故障を判定する装置である。
図5に示すように、第3減速機故障判定装置100cは、第3回転軸センサ装置23cと、回転数推定部302cと、周波数特定部303cと、故障判定部304cと、報知部305cと、記憶部309cと、を備える。第3回転軸センサ装置23cは、加速度センサ24cと、気圧センサ25cと、測定値送受信部301cと、を備える。なお、第3回転軸センサ装置23c(加速度センサ24c、気圧センサ25c、測定値送受信部301c)と回転数推定部302cとからなる部分を第3減速機回転数推定装置101cと称する。
【0085】
記憶部309cは、種々の情報を記憶する。例えば、記憶部309cは、距離Bを記憶する。当該情報は、例えば、第3減速機22cの回転数を推定する際に参照される。また、記憶部309cは、第3減速機22cの歯数(複数の歯車の歯数)を記憶する。当該情報は、例えば、故障判定の対象となる振動の周波数(ターゲット周波数)を特定する際に参照される。また、記憶部309cは、ターゲット周波数の振動の大きさ(振幅)と比較される閾値を記憶する。当該情報は、故障を判定する際に参照される。また、記憶部309cは、故障判定の判定結果を判定時刻とともに記憶してもよい。
【0086】
加速度センサ24cは、第3減速機22cの振動を測定(計測)する。加速度センサ24cによる測定値は、故障判定部304cに供給される。加速度センサ24cによる測定値には、第3減速機22cの動作による振動の他に雑多の周波数の振動の測定値が含まれる。なお、加速度センサ24cの測定値は、記憶部309cに一時記憶され、その後、故障判定部304cに供給されてもよい。
【0087】
気圧センサ25cは、第3回転軸部20c(当該気圧センサ25cの設置位置)の気圧を測定(計測)する。例えば、気圧センサ25cは、あるタイミングT0における気圧(測定値Pc0)とタイミングT1における気圧(測定値Pc1)とを測定する。気圧センサ25cによる測定値(測定値Pc0、測定値Pc1)は、測定値送受信部301c及び回転数推定部302cに供給される。なお、気圧センサ25cの測定値は、記憶部309cに一時記憶され、その後、測定値送受信部301cや回転数推定部302cに供給されてもよい。
【0088】
測定値送受信部301cは、気圧センサ25cから供給される測定値(測定値Pc0、測定値Pc1)を第2減速機故障判定装置100b(
図3参照)の測定値送受信部301bに送信する。
【0089】
また、測定値送受信部301cは、第4回転軸センサ装置23d(
図7参照)の測定値送受信部301dから送信された気圧センサ25dの測定値を受信(例えば、無線通信(ワイヤレス通信))によって受信する。例えば、測定値送受信部301cは、気圧センサ25dの測定値として、タイミングT0における気圧センサ25dの測定値(以下、測定値Pd0)と、タイミングT1における気圧センサ25dの測定値(以下、測定値Pd1)と、を受信する。測定値送受信部301cが受信した測定値は、回転数推定部302cに供給される。
【0090】
回転数推定部302cは、気圧センサ25cから供給される当該気圧センサ25cの測定値(測定値Pc0、測定値Pc1)と測定値送受信部301cから供給される気圧センサ25dの測定値(測定値Pd0、測定値Pd1)と記憶部309cに記憶されている情報(距離B)とに基づいて、第3減速機22cの回転数(変化量Δω)を推定する。
【0091】
例えば、回転数推定部302cは、気圧と標高(海抜高度)の関係を示した数式(近似式)を用いて、測定値Pc0からL3を算出し、測定値Pc0と測定値Pc1とからΔL3と算出し、測定値Pd0からL4を算出し、測定値Pd0と測定値Pd1とからΔL4を算出する。続いて、回転数推定部302cは、算出したL3と、算出したΔL3と、算出したL4と、算出したΔL4と、記憶部309cに記憶されている距離Bとから、第3減速機22cの回転数(変化量Δω)を推定(算出)する(上記式15、上記式16)。回転数推定部302cが推定した回転数は、周波数特定部303cに供給される。
【0092】
周波数特定部303cは、回転数推定部302cから供給される回転数と記憶部309cに記憶されている第3減速機22cの歯数とに基づいて、ターゲット周波数を特定する。例えば、周波数特定部303cは、回転数と歯数とを乗算して得られた値をターゲット周波数として特定する。回転数推定部302cが特定したターゲット周波数は、故障判定部304cに供給される。
【0093】
故障判定部304cは、加速度センサ24cから供給される測定値(種々の周波数の振動の測定値)と周波数特定部303cから供給されるターゲット周波数と記憶部309cに記憶されている閾値とに基づいて、第3減速機22cの故障(劣化の状況)を判定する。例えば、故障判定部304cは、上記種々の周波数のうちターゲット周波数の振動の大きさが閾値に達している場合、故障(劣化)の虞がある判定する。なお、故障判定部304cは、例えば、バントパスフィルタによって、種々の周波数の振動の測定値のなかからターゲット周波数の振動の振動値を抽出してもよい。故障判定部304cが判定した判定結果は、報知部305cに供給される。なお、故障の虞があると判定した場合の判定結果に限って報知部305cに供給されるようにしてもよい。また、判定結果は、記憶部309cに記憶されてもよい。故障の虞があると判定した場合の判定結果に限って記憶部309cに記憶されるようにしてもよい。
【0094】
報知部305cは、故障判定部304cから供給される判定結果に基づいて、故障の虞がある旨を報知する。
【0095】
図6は、第3減速機故障判定装置100cのハードウェア構成の説明図である。
図6に示すように、第3減速機故障判定装置100cは、CPU(Central Processing Unit)201cと、メモリ202cと、I/F(インターフェース)203cと、加速度センサ24cと、気圧センサ25cと、を備える。各部は、バス209cによって接続される。
【0096】
CPU201cは、第3減速機故障判定装置100cの全体の制御を司る。例えば、CPU201cは、回転数推定部302c、周波数特定部303c、及び、故障判定部304cによる各処理を実行する。CPU201cは、報知部305cによる報知、記憶部309cへのアクセスを制御してもよい。CPU201cは、加速度センサ24cの動作、気圧センサ25cの動作、測定値送受信部301cの動作を制御してもよい。
【0097】
メモリ202cは、メモリ202bと同様、記憶装置の総称である。例えば、記憶部309cは、メモリ202cによって構成される。I/F203cは、入力I/F、出力I/Fの総称(通信I/Fと称されるものも含む)である。例えば、測定値送受信部301cや報知部305cは、I/F203cによって構成される。加速度センサ24cは、上述したように、第3減速機22cの振動を測定する。気圧センサ25cは、上述したように、第3回転軸部20cの気圧を測定する。
【0098】
なお、メモリ202cには、各種のプログラムが記憶され、CPU201cは、プログラムに従って動作してもよい。例えば、メモリ202cには、第3減速機22cの回転数を推定するための回転数推定プログラムが記憶され、CPU201cは、回転数推定プログラムに従って、第3減速機回転数推定装置101cを動作させてもよい。また、例えば、メモリ202cには、第3減速機22cの故障を判定するための故障判定プログラムが記憶され、CPU201cは、故障判定プログラムに従って、第3減速機故障判定装置100cを動作させてもよい。
【0099】
図7は、第4回転軸センサ装置23d等の機能構成の説明図である。
図7に示すように、第4回転軸センサ装置23dは、気圧センサ25dと、測定値送受信部301dと、を備える。第4回転軸センサ装置23dは、記憶部309d(非図示)を備えてもよい。
【0100】
気圧センサ25dは、第4回転軸部20d(当該気圧センサ25dの設置位置)の気圧を測定(計測)する。例えば、気圧センサ25dは、タイミングT0における気圧(測定値Pd0)とタイミングT1における気圧(測定値Pd1)とを測定する。気圧センサ25dによる測定値(測定値Pd0、測定値Pd1)は、測定値送受信部301dに供給される。なお、気圧センサ25dの測定値は、記憶部309dに一時記憶され、その後、測定値送受信部301dに供給されてもよい。
【0101】
測定値送受信部301dは、気圧センサ25dから供給される測定値(測定値Pd0、測定値Pd1)を第3減速機故障判定装置100c(
図5参照)の測定値送受信部301cに送信する。
【0102】
図8は、第2減速機故障判定装置100bの動作の一例を示すフローチャートである。
図8のフローチャートは、第2減速機故障判定装置100bが、振動の測定を開始してから第2減速機22bの故障を判定する迄の流れを示している。
図8のフローチャートは、適宜、実行される。
【0103】
第2減速機故障判定装置100bは、振動の測定を開始する(ステップS1)。第2減速機故障判定装置100bは、振動の測定の開始から微小時間Δtが経過したか否かを判断する(ステップS2)。微小時間Δtが経過していない場合(ステップS2:NO)、第2減速機故障判定装置100bは、振動の測定を継続する。微小時間Δtが経過した場合(ステップS2:YES)、第2減速機故障判定装置100bは、振動の測定を終了する(ステップS3)。
【0104】
続いて、第2減速機故障判定装置100bは、第3減速機故障判定装置100cから気圧の測定値(測定値Pc0、測定値Pc1)を受信したか否かを判断する(ステップS5)。なお、第3減速機故障判定装置100cは、
図9のステップS14にて気圧の測定値(測定値Pc0、測定値Pc1)を第2減速機故障判定装置100bに送信する。気圧の測定値を受信していない場合(ステップS5:NO)、第2減速機故障判定装置100bは、気圧の測定値を受信する迄、待機する。気圧の測定値を受信した場合(ステップS5:YES)、第2減速機故障判定装置100bは、第2減速機22bの回転数(変化量Δθ)を推定する(ステップS6)。
【0105】
回転数を推定した第2減速機故障判定装置100bは、ターゲット周波数を特定し(ステップS7)、第2減速機22bの故障を判定する(ステップS8)。そして本フローチャートは終了する。
【0106】
図9は、第3減速機故障判定装置100cの動作の一例を示すフローチャートである。
図9のフローチャートは、第3減速機故障判定装置100cが、振動の測定を開始してから第3減速機22cの故障を判定する迄の流れを示している。
図9のフローチャートは、適宜、実行される。
【0107】
第3減速機故障判定装置100cは、振動の測定を開始する(ステップS11)。また、第3減速機故障判定装置100cは、気圧を測定する(ステップS11)。当該ステップS11の気圧の測定値は測定値Pc0である。第3減速機故障判定装置100cは、振動の測定の開始から微小時間Δtが経過したか否かを判断する(ステップS12)。微小時間Δtが経過していない場合(ステップS12:NO)、第3減速機故障判定装置100cは、振動の測定を継続する。微小時間Δtが経過した場合(ステップS12:YES)、第3減速機故障判定装置100cは、振動の測定を終了する(ステップS13)。また、第3減速機故障判定装置100cは、気圧を測定する(ステップS13)。当該ステップS13の気圧の測定値は測定値Pc1である。
【0108】
続いて、第3減速機故障判定装置100cは、気圧の測定値(測定値Pc0、測定値Pc1)を第2減速機故障判定装置100bに送信する(ステップS14)。
【0109】
続いて、第3減速機故障判定装置100cは、第4回転軸センサ装置23dから気圧の測定値(測定値Pd0、測定値Pd1)を受信したか否かを判断する(ステップS15)。気圧の測定値を受信していない場合(ステップS15:NO)、第3減速機故障判定装置100cは、気圧の測定値を受信する迄、待機する。気圧の測定値を受信した場合(ステップS15:YES)、第3減速機故障判定装置100cは、第3減速機22cの回転数(変化量Δω)を推定する(ステップS16)。
【0110】
回転数を推定した第3減速機故障判定装置100cは、ターゲット周波数を特定し(ステップS17)、第3減速機22cの故障を判定する(ステップS18)。そして本フローチャートは終了する。
【0111】
(気圧センサ25cの他の設置位置)
上記では、気圧センサ25cを第3回転軸部20c(第2回転軸部20bから距離Aの位置)に設置する例を説明したが、気圧センサ25cを第2回転軸部20bと第3回転軸部20cの間の任意の位置に設置してもよい。
【0112】
気圧センサ25cを第2回転軸部20bから距離Aの位置(第3回転軸部20c)に設置した場合には、第2減速機故障判定装置100bは、上述したように、L3とΔL3とL2(固定値)とA(固定値)とからΔθを求める。
【0113】
一方、気圧センサ25cを第2回転軸部20bから距離a(a<A)の位置に設置した場合には、第2減速機故障判定装置100bは、l3とΔl3とL2(固定値)とa(固定値)とからΔθを求める。ここで、l3は、気圧センサ25cを設置した第2回転軸部20bから距離aの位置と面S0との距離である。距離l3は、下記式17によって表される。Δl3は、微小時間Δtにおける距離l3の変化量である。Δl3は、下記式18によって表される。
【0114】
l3=L2+asinθ…(17)
Δl3=(L2+asin(θ+Δθ))-(L2+asinθ)…(18)
【0115】
なお、気圧センサ25cを第2回転軸部20bと第3回転軸部20cの間の任意の位置に設置してもよいと説明したが、第2回転軸部20bから離れれば離れるほどΔl3は大きな値として測定されるため、気圧センサ25cを第2回転軸部20bからなるべく離れた位置(例えば、第3回転軸部20c)に設置するのが好ましい。
【0116】
(気圧センサ25dの他の設置位置)
上記では、気圧センサ25dを第4回転軸部20d(第3回転軸部20cから距離Bの位置)に設置する例を説明したが、気圧センサ25dを第3回転軸部20cと第4回転軸部20dの間の任意の位置に設置してもよい。
【0117】
気圧センサ25cを第2回転軸部20bから距離Aの位置(第3回転軸部20c)に設置し、気圧センサ25dを第3回転軸部20cから距離Bの位置(第4回転軸部20d)に設置した場合には、上述したように、第3減速機故障判定装置100cは、L3とΔL3とL4とΔL4とB(固定値)とからΔωを求める。
【0118】
一方、気圧センサ25cを第2回転軸部20bから距離Aの位置(第3回転軸部20c)に設置し、気圧センサ25dを第3回転軸部20cから距離b(b<B)の位置に設置した場合には、第3減速機故障判定装置100cは、L3とΔL3とl4とΔl4とb(固定値)とからΔωを求める。ここで、l4は、気圧センサ25dを設置した第3回転軸部20cから距離bの位置と面S0との距離である。距離l4は、下記式19によって表される。Δl4は、微小時間Δtにおける距離l4の変化量である。Δl4は、下記式20によって表される。
【0119】
l4=L2+Asinθ+bsinω…(19)
Δl4=(L2+Asin(θ+Δθ)+bsin(ω+Δω)-(L2+Asinθ+bsinω)…(20)
【0120】
図10は、第1回転軸部20a、第2回転軸部20d等の位置関係を示した模式図である。気圧センサ25cを第2回転軸部20bから距離a(a<A)の位置に設置し、気圧センサ25dを第3回転軸部20cから距離Bの位置(第4回転軸部20d)に設置した場合には、第3減速機故障判定装置100cは、例えば、下記の比例式(下記式21、下記式22)を用いて、気圧センサ25cから得られるl3やΔl3からL3やΔL3を算出し、L3とΔL3とL4とΔL4とB(固定値)とからΔωを求めてもよい(
図10(A)参照)。なお、上述したようにL2は固定値である。
【0121】
L3-L2:l3-L2:=A:a…(21)
ΔL3:Δl3=A:a…(22)
【0122】
第2回転軸部20b(本説明において位置O)と、第2回転軸部20bから距離Aの位置(第3回転軸部20c。本説明において位置S)と、第2回転軸部20bから距離a(a<A)の位置(本説明において位置T)とが、同一直線上にない場合であっても、位置Sに対する角度(θ)と、位置Tに対する角度(θ’)との差(本説明において角度α。固定値)を記憶しておけば、ΔL3やL3を算出可能である(
図10(B)参照)。なお、角度αではなく、sinα(固定値)、cosα(固定値)の一方又は両方を記憶しておいてもよい。
【0123】
まず、ΔL3については、上記式6(再掲)、下記式23、下記式24から、下記式25に示すように算出する。
Δθ=ΔL3/Acosθ…(6)
Δθ’=Δl3/acosθ…(23)
Δθ’=Δθ…(24)
ΔL3=Δl3×(A/a)…(25)
【0124】
続いて、下記式26、下記式27、上記式5(再掲)、及び、加法定理から、l3は、L2(固定値)、A(固定値)、a(固定値)、L3、cosα(固定値)、sinα(固定値)による関係式によって示される。従って、l3を求めれば(上記式17からl3を算出すれば)、L3も求めることができる。
L2-L3=Asinθ…(26)
L2-l3=asin(θ+α)…(27)
sin2θ+cos2θ=1…(5)
【0125】
また、気圧センサ25cを第2回転軸部20bから距離a(a<A)の位置に設置し、気圧センサ25dを第3回転軸部20cから距離b(b<B)の位置に設置した場合には、第3減速機故障判定装置100cは、例えば、上記式21、上記式22を用いて、気圧センサ25cから得られるl3やΔl3からL3やΔL3を算出し、L3とΔL3とl4とΔl4とb(固定値)とからΔωを求めてもよい(
図10(A)参照)。
【0126】
なお、気圧センサ25dを第3回転軸部20cと第4回転軸部20dの間の任意の位置に設置してもよいと説明したが、第3回転軸部20cから離れれば離れるほどΔl4は大きな値として測定されるため、気圧センサ25dを第3回転軸部20cからなるべく離れた位置(例えば、第4回転軸部20d)に設置するのが好ましい。
【0127】
(他のセンサ)
上記では、気圧センサを用いて回転数(Δθ、Δω)を推定する例を説明したが、他のセンサを用いて回転数を推定してもよい。例えば、建設機械1が接する面(面S0)との距離を測定する測距センサ(距離センサとも称する)を用いて回転数を推定してもよい。なお、面S0との距離を測定する測距センサは、光学的なものであってもよいし、電波を用いるものであってもよいし、超音波を用いるものであってもよい。つまり、例えば、測距センサは、レーザーなどの光または光に近い超音波を発射(照射)するToF(Time of Flight)センサであってもよい。超音波センサ又は赤外線センサと称されるものであってもよい。
【0128】
なお、海面(面S0)を基準面とする構成(気圧センサを用いる構成)では、上記の各式(上記式1~上記式18)における距離L2、距離L3、距離L4の夫々は、距離L2=距離L02、距離L3=距離L03、距離L4=距離L04であったが、建設機械1が接する面(面S1)を基準面とする構成(測距センサを用いる構成)では、距離L2、距離L3、距離L4の夫々は、距離L2=距離L12、距離L3=距離L13、距離L4=距離L14となる。
【0129】
つまり、
図7に示した第4回転軸センサ装置23dは、気圧センサ25dに代えて測距センサを備えてもよい。
図5及び
図6に示した第3減速機故障判定装置100cは、気圧センサ25cに代えて測距センサを備えてもよい。
【0130】
第4回転軸センサ装置23dが測距センサを備える場合、第3減速機故障判定装置100cは、第4回転軸センサ装置23dが測定した測定値を用いて回転数(Δω)を推定する。第3回転軸センサ装置23cが測距センサを備える場合、
図3及び
図4に示した第2減速機故障判定装置100bは、第3回転軸センサ装置23cが測定した測定値を用いて回転数(Δθ)を推定する。
【0131】
なお、気圧センサ(気圧センサ25c、気圧センサ25d)と同様、測距センサも、回転軸部20以外の任意の位置に設置してもよい。つまり、上記式19~上記式22は、測距センサを用いる場合にも適用される。
【0132】
また、測距センサを用いる場合の基準面S1は、底面(地面等)に限定されず、側面(壁等)や上面(天井等)であってもよい。
【0133】
また、減速機22は、複数の歯車を有する歯車機構であると説明したが、減速機22は、歯車に加えてピン(内歯ピン)を有してもよい。例えば、減速機22は、ケースの内周面に複数の内歯ピンの夫々を保持する複数のピン溝が形成され、ケース内の歯車機構(例えば、1以上の揺動歯車)が複数の内歯ピンに噛み合うように構成されたものであってもよい。ピン溝又はピンを歯車機構の一部と見做してもよい。例えば、複数のピン溝を歯車と称し、夫々のピンを歯と称してもよい。
【0134】
なお、上記では、第2減速機22bの回転数(Δθ)や第3減速機22cの回転数(Δω)を推定する例を説明したが、第4減速機22dの回転数を推定してもよい。
【0135】
また、上記では、建設機械1について説明したが、ロボット(例えば、6軸ロボット)に適用してもよい。ロボットは、底面(床等)に取り付けられるものであってもよいし、側面(壁等)や上面(天井等)に取り付けられるものであってもよい。
【0136】
上記実施形態等において説明した内容は、少なくとも、例えば以下の構成を含む。
基準面(面S0/面S1)と平行な回転軸(第2回転軸部20b)を有するアーム(ブーム5)の所定部分(例えば、第3回転軸部20c等)と基準面との距離(例えば、距離L3)に関する距離情報(例えば、ΔL3を算出可能な測定値Pc0、測定値Pc1等)を取得する取得部(測定値送受信部301b)と、前記回転軸と前記所定部分との距離(距離A)と、前記距離情報から得られる所定期間(微小時間Δt)における前記所定部分と前記基準面との距離の変化量(ΔL3)と、を用いて、前記所定期間における前記回転軸(第2回転軸部20b)の回転数(Δθ)を推定する推定部(回転数推定部302b)を備える回転数推定装置(第2減速機回転数推定装置101b)。
【0137】
例えば、前記推定部(回転数推定部302b)は、前記距離情報から得られる前記所定部分と前記基準面との距離(距離L3)と、前記距離情報から得られる所定期間における前記所定部分と前記基準面との距離の変化量(ΔL3)と、前記回転軸と前記基準面との距離(距離L2)と、前記回転軸と前記所定部分との距離(距離A)と、を用いて、回転数(Δθ)を推定する(上記式6、上記式7)。
【0138】
前記回転軸(第2回転軸部20b)は、減速機(第2減速機22b)の出力軸(ブーム5を回転駆動させる出力部の回転軸)であり、前記減速機に入力される回転力(第2回転電機の回転力)を前記回転軸に伝達する複数の歯車の歯数(歯車機構の歯数)と、前記推定部によって推定された前記回転軸の回転数(Δθ)と、に基づいて前記減速機の故障予知の判定に適したターゲットとなる周波数(ターゲット周波数)を特定する特定部(周波数特定部303b)を備える。
【0139】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0140】
例えば、本明細書で開示した実施形態のうち、複数の機能が分散して設けられているものは、当該複数の機能の一部又は全部を集約して設けても良く、逆に複数の機能が集約して設けられているものを、当該複数の機能の一部又は全部が分散するように設けることができる。機能が集約されているか分散されているかにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【0141】
以上に示した実施形態に係る装置(例えば、減速機回転数推定装置101、減速機故障判定装置100等)の機能を実現するためのプログラム(例えば、回転数推定プログラム、故障判定プログラム等)をコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶して、この記憶媒体に記憶されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティングシステム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0142】
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合の情報処理装置やクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記憶されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0143】
1…建設機械
3…本体
5…ブーム
7…アーム
9…バケット
20…回転軸部(動力伝達部)
22…減速機(歯車機構)
23…センサ装置
100…減速機故障判定装置
101…減速機回転数推定装置