(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082490
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】反射板
(51)【国際特許分類】
G02B 5/09 20060101AFI20240613BHJP
E06B 5/00 20060101ALI20240613BHJP
G02B 5/10 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
G02B5/09
E06B5/00 D
G02B5/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196370
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相賀 洋
(72)【発明者】
【氏名】大木 知佳子
(72)【発明者】
【氏名】木本 慶介
【テーマコード(参考)】
2H042
【Fターム(参考)】
2H042DD04
2H042DD09
2H042DE03
(57)【要約】
【課題】コンパクトな反射板を提供する。
【解決手段】第1勾配を持つ第1表面、及び、前記第1表面に背向するとともに前記第1勾配とは異なる勾配を有する第1反対面が形成される第1部分と、前記第1勾配と異なる第2勾配を持つ第2表面、及び、前記第2表面に背向するとともに前記第2勾配とは異なる勾配を有する第2反対面が形成される第2部分と、を備え、前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1反対面と前記第2反対面とが同じ方向に延びるように接続される、反射板。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1勾配を持つ第1表面、及び、前記第1表面に背向するとともに前記第1勾配とは異なる勾配を有する第1反対面が形成される第1部分と、
前記第1勾配と異なる第2勾配を持つ第2表面、及び、前記第2表面に背向するとともに前記第2勾配とは異なる勾配を有する第2反対面が形成される第2部分と、を備え、
前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1反対面と前記第2反対面とが同じ方向に延びるように接続される、
反射板。
【請求項2】
前記第1勾配は、連続する曲面の第1区間と同じ勾配を有し、
前記第2勾配は、前記曲面のうち前記第1区間に隣接する第2区間と同じ勾配を有する、
請求項1に記載の反射板。
【請求項3】
前記第1反対面及び前記第2反対面は、連続する平面を形成する、
請求項1に記載の反射板。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の反射板において、
前記第1表面及び前記第2表面に太陽光を反射させることにより反射光を生じさせ、
前記反射光を建物の室内に採光する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射板及びこれを用いた方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、太陽光を反射し建物の屋内に採光を行うライトシェルフが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術におけるライトシェルフでは、凸面形状や凹面形状を持つように形成することにより屋内への採光を効率よく行う場合があった。しかし、このような曲面形状を形成すると部材厚が大きくなるため、建物取付け時において納まりが悪くなることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を鑑み、本発明は一態様として、第1勾配を持つ第1表面、及び、前記第1表面に背向するとともに前記第1勾配とは異なる勾配を有する第1反対面が形成される第1部分と、前記第1勾配と異なる第2勾配を持つ第2表面、及び、前記第2表面に背向するとともに前記第2勾配とは異なる勾配を有する第2反対面が形成される第2部分と、を備え、前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1反対面と前記第2反対面とが同じ方向に延びるように接続される、太陽光を反射する反射板を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、コンパクトな反射板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】(a)基準ライトシェルフの概要図と、(b)実施形態におけるライトシェルフの概要図である。
【
図2】実施形態におけるライトシェルフの側面図である。
【
図3】別の例によるライトシェルフの側面図である。
【
図4】別の例によるライトシェルフの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態の一つであるライトシェルフ1について、各図を用いて説明する。なお、上下や水平など、部材の方向は、
図1に示すようにライトシェルフ1が建物Bに取付けられた状態に基づいて説明する。
【0009】
ライトシェルフ1は、
図1(b)に示すように、略平板状の部材である。ライトシェルフ1は、建物の窓際または外部において略水平に延びるように取り付けられることによって太陽光を反射し、太陽光の反射光を建物の中に取り込む機能を有する。反射光は一方向ではなく、
図1(b)のように、窓から離れた部分まで広く分布する。このような反射光を形成することにより、室内への採光を効率よく行うことができる。
【0010】
ライトシェルフ1は、
図1(a)に示す基準ライトシェルフ100とほぼ同等の機能を有する。基準ライトシェルフ100は、ライトシェルフ1と同様に、建物の窓際または外部に取り付けられることによって太陽光を反射し、太陽光の反射光を建物の中に取り込む機能を有する。
【0011】
基準ライトシェルフ100の上部には、下方へ凹む凹面を持つ反射面101が形成される。反射面101は、
図1(a)及び
図2に示すように、連続した曲面によって形成されており、太陽光を反射する機能を有する。反射面101が凹面状に形成されるため、窓から離れた部分まで広く分布するように、太陽光の反射光を生成することができる。
【0012】
一方、ライトシェルフ1の表面は、
図2に示すように複数の凹凸を形成する。詳細に述べると、ライトシェルフ1は、水平方向に接続する複数の部分Sによって構成され、それぞれの部分Sは、平板状に形成された基部3と、基部3の上部に固定された、側面視において略楔形の反射部2とを備える。
【0013】
基部3は平板状に形成されるため、基部3の底面3Lは、平面を形成する。
【0014】
反射部2の上面は底面3Lと背向し、太陽光を反射する反射面21を形成する。それぞれの反射面21は、
図2に示すように、反射面101を部分Sごとに分割した形状に一致する。そのため、隣り合う2つの反射面21の勾配(曲面の場合は平均勾配、最大勾配、または最小勾配)は、互いに異なる。
【0015】
なお、以下の説明において「勾配」は、水平方向、または基部3の上面や底面3Lの延びる方向に対する勾配とする。また、背向とは、2つの面が向かい合わず、反対または異なる方向を向くように配置されることを指す。
【0016】
反射部2は、反射面21の下端部が基部3の上部と接するように形成される。そのため、ライトシェルフ1の上下厚は、基準ライトシェルフ100の上下厚よりも小さい。
【0017】
上述の通り、複数の反射面21は全体として、反射面101と同じ形状を有する。そのためライトシェルフ1は、基準ライトシェルフ100と同様の機能を備えており、反射光を窓から離れた部分まで広く分布させることができる。
【0018】
なお、一般的にライトシェルフの反射面は、凹面に限らず、部屋の形状や求められる採光機能に応じて様々な形状を取り得る。例えば、
図3の基準ライトシェルフ200に示すように、凸面と凹面とが連続する曲面形状に反射面201が形成される場合がある。この場合においても、上記と同様、反射面201を部分Sごとに区切り、これらの形状に対応するように反射面21を形成すれば、ライトシェルフ200と同等の機能を有するライトシェルフ1を形成できる。
【0019】
また、
図4に基準ライトシェルフ300の反射面301として示すように、基準ライトシェルフの反射面が持ち得る曲面は、滑らかな曲面だけでなく、側面視で屈曲線状となるような形状を含む。このような場合でも、
図4に示すように、反射面301を部分Sごとに区切り、これらの形状に対応するように反射面21を形成すれば、基準ライトシェルフ300と同等の機能を有するライトシェルフ1が得られる。
【0020】
このように、基準となるライトシェルフの反射面の形状に対応するように、各部分Sの反射面21を形成することにより、ライトシェルフ1は、コンパクトでありながら基準とするライトシェルフと同等の機能を備えることができる。
【0021】
<効果>
上記各実施形態においては、以下のような態様が開示される。
【0022】
(態様1)第1勾配を持つ第1表面(反射面21に相当)、及び、第1表面に背向するとともに第1勾配とは異なる勾配を有する第1反対面(底面3L)が形成される第1部分Sと、第1勾配と異なる第2勾配を持つ第2表面(反射面21に相当)、及び、第2表面に背向するとともに前記第2勾配とは異なる勾配を有する第2反対面(底面3L)が形成される第2部分Sと、を備え、第1部分Sと第2部分Sとは、第1反対面と第2反対面とが同じ方向(実施形態では水平方向)に延びるように接続される。
【0023】
上記構成とすることにより、機能を維持しつつ厚みを抑えたライトシェルフ1が得られる。
【0024】
(態様2)態様1において、第1勾配は、連続する曲面の第1区間(基準ライトシェルフ100、200の部分Sにおける反射面101、201)と同じ勾配を有し、第2勾配は、この曲面のうち第1区間に隣接する第2区間(部分S)と同じ勾配を有する。
【0025】
上記構成とすることにより、基準ライトシェルフ100、200と同じ機能を有し、厚みを抑えたライトシェルフ1が得られる。
【0026】
(態様3)態様1または2において、第1反対面及び第2反対面は、連続する平面を形成する。
【0027】
上記構成とすることにより、底面が平面に形成されるため、厚みを抑えたライトシェルフ1が得られる。
【0028】
(態様4)態様1から3のいずれかにおいて、第1表面及び第2表面に日光を反射させることにより反射光を生じさせ、反射光を建物の室内に採光する方法が提示される。
【0029】
上記構成とすることにより、建物の外壁や窓近傍に余計なスペースを取らずにライトシェルフ1を配置し、室内に効率よく採光することができる。
【符号の説明】
【0030】
ライトシェルフ1
基準ライトシェルフ100、200、300
反射部2
反射面21
基部3