(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082519
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1345 20060101AFI20240613BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240613BHJP
G02F 1/1337 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
G02F1/1345
G02F1/1368
G02F1/1337 525
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196426
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小柴 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】秋山 泰人
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
2H290
【Fターム(参考)】
2H092GA14
2H092GA33
2H092GA35
2H092GA50
2H092GA60
2H092HA04
2H092JA26
2H092KA05
2H092KA08
2H092KA12
2H092NA04
2H092NA25
2H092PA02
2H092QA06
2H192AA24
2H192BB01
2H192BB12
2H192CB05
2H192CB35
2H192CB37
2H192EA22
2H192EA43
2H192FA32
2H192FA34
2H192FA39
2H192FA73
2H192FB22
2H192FB42
2H192GD12
2H192JA33
2H290AA73
2H290BA26
2H290BF13
2H290BF23
2H290CA46
(57)【要約】
【課題】高精細化及び狭額縁化が進行しても配向膜の膜厚ムラを抑制する。
【解決手段】表示装置11は、第1画素電極25αと、第1スイッチング素子24αと、第1配線27αと、第2画素電極25βと、第2スイッチング素子24βと、第2配線27βと、第3配線40α,41αと、第4配線40β,41βと、第1絶縁膜34と、第2絶縁膜35と、配向膜29と、を備え、第1配線27αは、表示領域AA外に配されて第1絶縁膜34の下層側に位置する第1引き出し部27Bαを有し、第2配線27βは、表示領域AA外にて第1引き出し部27Bαに隣り合って配されて第1絶縁膜34の上層側で第2絶縁膜35の下層側に位置する第2引き出し部27Bβを有し、第3配線40α,41αは、第1絶縁膜34の下層側に位置し、第4配線40β,41βは、第1絶縁膜34の上層側で第2絶縁膜35の下層側に位置する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域内に配される第1画素電極と、
前記表示領域内に配されて前記第1画素電極に接続される第1スイッチング素子と、
前記表示領域の内外にわたって配されて前記第1スイッチング素子に接続される第1配線と、
前記表示領域内に配される第2画素電極と、
前記表示領域内に配されて前記第2画素電極に接続される第2スイッチング素子と、
前記表示領域の内外にわたって配されて前記第2スイッチング素子に接続される第2配線と、
前記表示領域外に配されて前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子とは非接続とされる第3配線と、
前記表示領域外にて前記第3配線に隣り合って配されて前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子とは非接続とされる第4配線と、
第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜よりも上層側に配される第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜よりも上層側に配される配向膜と、を備え、
前記第1配線は、前記表示領域外に配されて前記第1絶縁膜の下層側に位置する第1引き出し部を有し、
前記第2配線は、前記表示領域外にて前記第1引き出し部に隣り合って配されて前記第1絶縁膜の上層側で前記第2絶縁膜の下層側に位置する第2引き出し部を有し、
前記第3配線は、前記第1絶縁膜の下層側に位置し、
前記第4配線は、前記第1絶縁膜の上層側で前記第2絶縁膜の下層側に位置する表示装置。
【請求項2】
前記第1引き出し部、前記第2引き出し部、前記第3配線及び前記第4配線は、複数ずつ備えられており、
前記第1引き出し部と前記第2引き出し部とが1つずつ交互に並んで配され、前記第3配線と前記第4配線とが1つずつ交互に並んで配される請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1引き出し部と前記第2引き出し部とが間隔を空けて配され、前記第3配線と前記第4配線とが、前記第1引き出し部と前記第2引き出し部との間の間隔と同じ間隔を空けて配される請求項1または請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示領域内に配されて前記第1画素電極及び前記第2画素電極と重畳して配される共通電極を備えており、
前記第3配線及び前記第4配線は、前記共通電極に接続されている請求項1または請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
前記第3配線及び前記第4配線は、電気的に孤立している請求項1または請求項2記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1画素電極、前記第1スイッチング素子、前記第1配線、前記第2画素電極、前記第2スイッチング素子、前記第2配線、前記第3配線、前記第4配線、前記第1絶縁膜、前記第2絶縁膜及び前記配向膜が設けられる第1基板と、
前記第1基板と対向して配される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に介在する液晶層と、を備える請求項1または請求項2記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1配線は、前記表示領域内に配されて第1方向に沿って延在する第1配線本体を有し、
前記第2配線は、前記表示領域内に配されて前記第1方向に沿って延在する第2配線本体を有しており、
前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部は、それぞれ前記第1方向と直交する第2方向に対して第1角度傾いており、
前記第3配線及び前記第4配線は、それぞれ前記第2方向に対して前記第1角度よりも大きい第2角度傾く請求項1または請求項2記載の表示装置。
【請求項8】
表示領域内に配される第1画素電極と、
前記表示領域内に配されて前記第1画素電極に接続される第1スイッチング素子と、
前記表示領域の内外にわたって配されて前記第1スイッチング素子に接続される第1配線と、
前記表示領域内に配される第2画素電極と、
前記表示領域内に配されて前記第2画素電極に接続される第2スイッチング素子と、
前記表示領域の内外にわたって配されて前記第2スイッチング素子に接続される第2配線と、
前記表示領域外にて互いに並行して配されて前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子とは非接続とされる複数の第3配線と、
第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜よりも上層側に配される第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜よりも上層側に配される配向膜と、を備え、
前記第1配線は、前記表示領域内に配されて第1方向に沿って延在する第1配線本体と、前記表示領域外に配されて前記第1絶縁膜の下層側に位置する第1引き出し部と、を有し、
前記第2配線は、前記表示領域内に配されて前記第1方向に沿って延在する第2配線本体と、前記表示領域外にて前記第1引き出し部に隣り合って配されて前記第1絶縁膜の上層側で前記第2絶縁膜の下層側に位置する第2引き出し部と、を有し、
前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部は、前記第1方向と直交する第2方向に対して第1角度傾き、
複数の前記第3配線は、前記第1絶縁膜の下層側または前記第1絶縁膜の上層側で前記第2絶縁膜の下層側に位置し、前記第2方向に対して前記第1角度よりも大きい第2角度傾く表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置の一例として下記特許文献1に記載の液晶表示装置が知られている。特許文献1に記載の液晶表示装置は、略平行線状の配線群の配線間隔が途中で屈曲して変わるように構成されたデバイス基板を備える。デバイス基板は、間隔が広い配線群の空隙で、間隔が狭い配線群の略延長線上にあたる位置にダミー配線が配置された構成、又は、上層と基板との間に層間膜を有し、間隔が狭い配線群が層間膜上に配置され、間隔が広い配線群が層間膜下に配置され、更に、層間膜上の間隔が狭い配線群の略延長線上にあたる位置にダミー配線が配置された構成を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載の液晶表示装置に備わるデバイス基板によれば、配線間隔が途中で屈曲して変わる略平行線状の配線群上に樹脂が塗り広げられる際に、塗布ムラの発生が抑制される、とのことである。しかしながら、近年では、液晶表示装置の高精細化及び狭額縁化の進行に伴って配線を狭ピッチで配列することが求められる傾向にあり、配線の間にダミー配線を設置するスペースを十分に確保するのが難しくなっていた。
【0005】
本明細書に記載の技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、高精細化及び狭額縁化が進行しても配向膜の膜厚ムラを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本明細書に記載の技術に関わる表示装置は、表示領域内に配される第1画素電極と、前記表示領域内に配されて前記第1画素電極に接続される第1スイッチング素子と、前記表示領域の内外にわたって配されて前記第1スイッチング素子に接続される第1配線と、前記表示領域内に配される第2画素電極と、前記表示領域内に配されて前記第2画素電極に接続される第2スイッチング素子と、前記表示領域の内外にわたって配されて前記第2スイッチング素子に接続される第2配線と、前記表示領域外に配されて前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子とは非接続とされる第3配線と、前記表示領域外にて前記第3配線に隣り合って配されて前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子とは非接続とされる第4配線と、第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜よりも上層側に配される第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜よりも上層側に配される配向膜と、を備え、前記第1配線は、前記表示領域外に配されて前記第1絶縁膜の下層側に位置する第1引き出し部を有し、前記第2配線は、前記表示領域外にて前記第1引き出し部に隣り合って配されて前記第1絶縁膜の上層側で前記第2絶縁膜の下層側に位置する第2引き出し部を有し、前記第3配線は、前記第1絶縁膜の下層側に位置し、前記第4配線は、前記第1絶縁膜の上層側で前記第2絶縁膜の下層側に位置する。
【0007】
(2)また、上記表示装置は、上記(1)に加え、前記第1引き出し部、前記第2引き出し部、前記第3配線及び前記第4配線は、複数ずつ備えられており、前記第1引き出し部と前記第2引き出し部とが1つずつ交互に並んで配され、前記第3配線と前記第4配線とが1つずつ交互に並んで配されてもよい。
【0008】
(3)また、上記表示装置は、上記(1)または上記(2)に加え、前記第1引き出し部と前記第2引き出し部とが間隔を空けて配され、前記第3配線と前記第4配線とが、前記第1引き出し部と前記第2引き出し部との間の間隔と同じ間隔を空けて配されてもよい。
【0009】
(4)また、上記表示装置は、上記(1)から上記(3)のいずれかに加え、前記表示領域内に配されて前記第1画素電極及び前記第2画素電極と重畳して配される共通電極を備えており、前記第3配線及び前記第4配線は、前記共通電極に接続されてもよい。
【0010】
(5)また、上記表示装置は、上記(1)から上記(4)のいずれかに加え、前記第3配線及び前記第4配線は、電気的に孤立してもよい。
【0011】
(6)また、上記表示装置は、上記(1)から上記(5)のいずれかに加え、前記第1画素電極、前記第1スイッチング素子、前記第1配線、前記第2画素電極、前記第2スイッチング素子、前記第2配線、前記第3配線、前記第4配線、前記第1絶縁膜、前記第2絶縁膜及び前記配向膜が設けられる第1基板と、前記第1基板と対向して配される第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に介在する液晶層と、を備えてもよい。
【0012】
(7)また、上記表示装置は、上記(1)から上記(6)のいずれかに加え、前記第1配線は、前記表示領域内に配されて第1方向に沿って延在する第1配線本体を有し、前記第2配線は、前記表示領域内に配されて前記第1方向に沿って延在する第2配線本体を有しており、前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部は、それぞれ前記第1方向と直交する第2方向に対して第1角度傾いており、前記第3配線及び前記第4配線は、それぞれ前記第2方向に対して前記第1角度よりも大きい第2角度傾いてもよい。
【0013】
(8)本明細書に記載の技術に関わる表示装置は、表示領域内に配される第1画素電極と、前記表示領域内に配されて前記第1画素電極に接続される第1スイッチング素子と、前記表示領域の内外にわたって配されて前記第1スイッチング素子に接続される第1配線と、前記表示領域内に配される第2画素電極と、前記表示領域内に配されて前記第2画素電極に接続される第2スイッチング素子と、前記表示領域の内外にわたって配されて前記第2スイッチング素子に接続される第2配線と、前記表示領域外にて互いに並行して配されて前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子とは非接続とされる複数の第3配線と、第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜よりも上層側に配される第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜よりも上層側に配される配向膜と、を備え、前記第1配線は、前記表示領域内に配されて第1方向に沿って延在する第1配線本体と、前記表示領域外に配されて前記第1絶縁膜の下層側に位置する第1引き出し部と、を有し、前記第2配線は、前記表示領域内に配されて前記第1方向に沿って延在する第2配線本体と、前記表示領域外にて前記第1引き出し部に隣り合って配されて前記第1絶縁膜の上層側で前記第2絶縁膜の下層側に位置する第2引き出し部と、を有し、前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部は、前記第1方向と直交する第2方向に対して第1角度傾き、複数の前記第3配線は、前記第1絶縁膜の下層側または前記第1絶縁膜の上層側で前記第2絶縁膜の下層側に位置し、前記第2方向に対して前記第1角度よりも大きい第2角度傾く。
【発明の効果】
【0014】
本明細書に記載の技術によれば、高精細化及び狭額縁化が進行しても配向膜の膜厚ムラを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態1に係る液晶表示装置を構成する液晶パネル、ドライバ及びフレキシブル基板の平面図
【
図2】実施形態1に係る液晶パネル、ドライバ及びフレキシブル基板の断面図
【
図3】実施形態1に係る液晶パネルに備わるアレイ基板の表示領域における画素配列を示す回路図
【
図4】実施形態1に係る液晶パネルの表示領域における画素電極等の断面図
【
図5】実施形態1に係るアレイ基板に備わるTFTの断面図
【
図8】実施形態1に係るアレイ基板の突き出し部付近を拡大した平面図
【
図9】実施形態1に係るアレイ基板における
図8のix-ix線断面図
【
図10】実施形態2に係るアレイ基板の突き出し部付近を拡大した平面図
【
図11】実施形態2に係るアレイ基板における
図10のxi-xi線断面図
【
図12】実施形態3に係るアレイ基板の突き出し部付近を拡大した平面図
【
図13】実施形態3に係るアレイ基板における
図12のxiii-xiii線断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態1>
実施形態1を
図1から
図9によって説明する。本実施形態では、液晶表示装置10について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、
図2,
図4,
図5,
図7及び
図9の上側を表側とし、同図下側を裏側とする。
【0017】
液晶表示装置10は、
図1に示すように、横長の方形状をなしていて画像を表示可能な液晶パネル(表示装置)11と、液晶パネル11に対して表示に利用するための光を照射するバックライト装置(照明装置)と、を少なくとも備える。バックライト装置は、液晶パネル11に対して裏側(背面側)に配置され、白色の光を発する光源(例えばLED等)や光源からの光に光学作用を付与することで面状の光に変換する光学部材等を有する。液晶パネル11は、画面の中央側部分が、画像が表示される表示領域AAとされる。液晶パネル11は、画面における表示領域AAを取り囲む枠状(額縁状)の外周側部分が、画像が表示されない非表示領域(表示領域AA外の領域)NAAとされる。
図1において一点鎖線により囲った範囲が表示領域AAである。
【0018】
液晶パネル11に関し、
図1に加えて
図2を参照して説明する。液晶パネル11は、
図1及び
図2に示すように、一対の基板20,21を貼り合わせてなる。一対の基板20,21のうち表側が対向基板(第2基板)20とされ、裏側がアレイ基板(第1基板)21とされる。対向基板20及びアレイ基板21は、いずれもガラス基板の内面側に各種の膜が積層形成されてなる。一対の基板20,21間には、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層22が介在して配される。一対の基板20,21の外周端部間には、液晶層22をシールするシール部23が介在して設けられている。シール部23は、液晶層22を取り囲むよう方形の枠状に形成されている。なお、両基板20,21の外面側には、それぞれ偏光板14が貼り付けられている。
【0019】
アレイ基板21は、
図1及び
図2に示すように、対向基板20よりも大型となっていてその一部が対向基板20に対して側方に突き出す突き出し部21Aとなっている。突き出し部21Aは、対向基板20により覆われずに露出している。突き出し部21Aは、全域が非表示領域NAAであり、各種信号を供給するためのドライバ12及びフレキシブル基板13が実装されている。ドライバ12は、内部に駆動回路を有するLSIチップからなる。ドライバ12は、アレイ基板21の突き出し部21Aに対してCOG(Chip On Glass)実装されている。ドライバ12は、表示領域AAに対してY軸方向の片側に隣り合うよう配されており、フレキシブル基板13と表示領域AAとの間に挟み込まれる配置となっている。ドライバ12は、平面形状が横長の方形状とされる。ドライバ12は、突き出し部21AにおいてX軸方向について間隔を空けた位置に2つ配されている。ドライバ12は、フレキシブル基板13によって伝送される各種信号を処理する。フレキシブル基板13は、絶縁性及び可撓性を有する基材上に多数本の配線パターンを形成した構成とされる。フレキシブル基板13は、一端側がアレイ基板21に、他端側が外部のコントロール基板(信号供給源)に、それぞれ接続されている。コントロール基板から供給される各種信号は、フレキシブル基板13を介して液晶パネル11に伝送される。
【0020】
次に、液晶パネル11における表示領域AAの構成について
図3及び
図4を用いて説明する。アレイ基板21の表示領域AAにおける内面側には、
図3に示すように、TFT(薄膜トランジスタ、スイッチング素子)24及び画素電極25が少なくとも設けられている。TFT24及び画素電極25は、複数ずつX軸方向及びY軸方向に沿って間隔を空けて並んでマトリクス状(行列状)に設けられている。これらTFT24及び画素電極25の周りには、互いに直交(交差)するゲート配線(走査配線)26及びソース配線(画像配線、信号配線)27が配設されている。ゲート配線26は、X軸方向に沿って延在する。ソース配線27は、Y軸方向に沿って延在する。TFT24は、ゲート配線26に接続されるゲート電極24Aと、ソース配線27に接続されるソース電極24Bと、画素電極25に接続されるドレイン電極24Cと、ソース電極24B及びドレイン電極24Cに接続されて半導体材料からなる半導体部24Dと、を有する。そして、TFT24は、ゲート配線26によってゲート電極24Aに供給される走査信号に基づいて駆動される。すると、ドライバ12からソース配線27によってソース電極24Bに供給される画像信号(データ信号)に係る電位が、半導体部24Dを介してドレイン電極24Cに供給される。その結果、画素電極25は、画像信号に係る電位に充電される。画素電極25は、ゲート配線26とソース配線27とに取り囲まれた領域に配されており、平面形状が例えば略長方形状とされる。
【0021】
アレイ基板21の表示領域AAにおける内面側には、
図4に示すように、共通電極28が設けられている。共通電極28は、画素電極25よりも上層側に位置しており、表示領域AAのほぼ全域にわたって配されている。これにより、共通電極28は、表示領域AAに配される全ての画素電極25に対して重畳する。共通電極28のうち、複数の画素電極25に対して重畳する部分には、複数のスリット28Aがそれぞれ開口形成されている。共通電極28には、共通電位(基準電位)とされる共通電位信号が供給されている。TFT24の駆動に伴って画素電極25がソース配線27に伝送される画像信号に基づく電位に充電されると、画素電極25と共通電極28との間には電位差が生じる。すると、共通電極28におけるスリット28Aの開口縁と画素電極25との間には、アレイ基板21の板面に沿う成分に加えて、アレイ基板21の板面に対する法線方向の成分を含むフリンジ電界(斜め電界)が生じる。従って、このフリンジ電界を利用することで液晶層22に含まれる液晶分子の配向状態を制御することができ、この液晶分子の配向状態に基づいて所定の表示がなされる。つまり、本実施形態に係る液晶パネル11は、動作モードがFFS(Fringe Field Switching)モードとされている。アレイ基板21の表示領域AAにおける内面側には、液晶層22に含まれる液晶を配向させるための第1配向膜29が設けられている。第1配向膜29は、共通電極28の上層側に位置し、その上面が液晶層22に接する。第1配向膜29は、液晶層22に臨む上面に光配向処理が施されることで、液晶分子を配向させることができる。
【0022】
対向基板20の表示領域AAにおける内面側には、
図4に示すように、アレイ基板21に備わる各画素電極25と重畳する位置に多数個のカラーフィルタ30が設けられている。カラーフィルタ30は、赤色(R),緑色(G),青色(B)を呈する3色がX軸方向に沿って繰り返し交互に並ぶ配置とされるとともに、それらがY軸方向に沿って延在することで、全体としてストライプ状に配列されている。対向基板20の表示領域AAにおける内面側には、隣り合うカラーフィルタ30間を仕切ることで混色を防ぐなどのために遮光部(ブラックマトリクス)31が設けられている。遮光部31は、非表示領域NAAにも設けられている。遮光部31は、表示領域AAではゲート配線26及びソース配線27と重畳するよう格子状をなしているものの、非表示領域NAAではベタ状をなしている。カラーフィルタ30及び遮光部31の上層側には、オーバーコート膜32が形成される。オーバーコート膜32は、対向基板20において表示領域AAと非表示領域NAAとに跨る範囲にわたって概ねベタ状に設けられている。オーバーコート膜32は、例えばアクリル樹脂(例えばPMMA等)等の有機材料からなり、自身よりも下層側に生じた段差を平坦化するのに機能する。オーバーコート膜32の上層側(対向基板20の最内面)には、液晶層22に含まれる液晶を配向させるための第2配向膜33が設けられている。第2配向膜33は、対向基板20の最上層に位置し、その上面が液晶層22に接する。第2配向膜33は、液晶層22に臨む上面に光配向処理が施されることで、液晶分子を配向させることができる。
【0023】
ここで、アレイ基板21の内面側に積層形成された各種の膜について
図5を参照しつつ説明する。アレイ基板21には、
図5に示すように、下層側(ガラス基板側)から順に第1金属膜、第1絶縁膜34、半導体膜、半導体膜、第1透明電極膜、第2金属膜、第2絶縁膜35、第2透明電極膜、第1配向膜29が積層形成されている。
【0024】
第1金属膜及び第2金属膜は、それぞれ銅、チタン、アルミニウム、モリブデン、タングステン等の中から選択される1種類の金属材料からなる単層膜または異なる種類の金属材料からなる積層膜や合金とされることで導電性及び遮光性を有している。第1金属膜は、ゲート配線26やTFT24のゲート電極24A等を構成する。第2金属膜は、ソース配線27の全てまたは一部、TFT24のソース電極24B及びドレイン電極24C等を構成する。第1絶縁膜34及び第2絶縁膜35は、それぞれ窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiO2)等の無機材料からなる。第1絶縁膜34は、下層側の第1金属膜と、上層側の半導体膜、第1透明電極膜及び第2金属膜と、を絶縁状態に保つ。第2絶縁膜35は、下層側の半導体膜、第1透明電極膜及び第2金属膜と、上層側の第2透明電極膜と、を絶縁状態に保つ。半導体膜は、材料として例えば酸化物半導体、アモルファスシリコン等を用いた薄膜からなり、TFT24の半導体部24D等を構成する。第1透明電極膜及び第2透明電極膜は、透明電極材料(例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)など)からなる。第1透明電極膜は、画素電極25等を構成する。第2透明電極膜は、共通電極28等を構成する。第1配向膜29は、例えばポリイミド等の有機材料からなる。なお、対向基板20に備わる第2配向膜33も、第1配向膜29と同様に、例えばポリイミド等の有機材料からなる。
【0025】
次に、アレイ基板21における非表示領域NAA(表示領域AA外)の構成について
図6から
図9を用いて説明する。アレイ基板21において枠状をなす非表示領域NAAのうち、突き出し部21Aを含む長辺部には、
図6に示すように、複数の端子36~38が設けられている。複数の端子36~38は、ゲート配線26等と同じ第1金属膜とソース配線27等と同じ第2金属膜との少なくとも一方に、画素電極25等と同じ第1透明電極膜と共通電極28等と同じ第2透明電極膜との少なくとも一方を積層して形成されている。複数の端子36~38は、いずれも平面形状が方形とされる。複数の端子36~38には、ドライバ12に接続される入力端子36及び出力端子37と、フレキシブル基板13に接続される端子38と、が含まれる。このうち、端子38は、突き出し部21Aのうちのフレキシブル基板13の実装領域に複数がX軸方向に沿って直線的に間隔を空けて並んで配されている。複数の端子38には、フレキシブル基板13からドライバ12に供給するための信号が入力される端子38の他にも、フレキシブル基板13から共通電位信号が入力される端子38やグランド電位信号が入力される端子38等が含まれる。
【0026】
入力端子36及び出力端子37は、
図6に示すように、非表示領域NAAである突き出し部21Aのうちの各ドライバ12の実装領域に複数ずつが設けられている。入力端子36は、ドライバ12に信号を入力するための端子である。入力端子36は、ドライバ12の実装領域のうち、出力端子37よりもY軸方向について表示領域AAから遠い側で端子38(フレキシブル基板13)に近い側に位置する。入力端子36は、複数がX軸方向に沿って直線的に間隔を空けて並んで配されている。出力端子37は、ドライバ12からの信号の出力を受けるための端子である。なお、ドライバ12から出力端子37に出力される信号には、少なくとも画像信号が含まれる。出力端子37は、ドライバ12の実装領域のうち、入力端子36よりもY軸方向について表示領域AAに近い側で端子38(フレキシブル基板13)から遠い側に位置する。出力端子37は、複数がX軸方向に沿って直線的に間隔を空けて並んで配されている。
【0027】
複数の出力端子37には、
図8に示すように、ソース配線27の端部が接続されている。ソース配線27は、表示領域AAと非表示領域NAAとにわたって配されている。詳しくは、ソース配線27は、表示領域AAにおいてY軸方向(第1方向)に沿って延在する配線本体27Aと、非表示領域NAAにおいて配線本体27Aから出力端子37に至るまで引き回される引き出し部27Bと、からなる。引き出し部27Bのうち、配線本体27A側とは反対側の端部が出力端子37に接続されている。なお、
図6には、アレイ基板21のうちのソース配線27の引き出し部27Bの形成範囲A1を網掛け状にして図示している。複数の引き出し部27Bは、複数の出力端子37から表示領域AA(配線本体27A)に向けて扇状に広がるよう配されている。これにより、引き出し部27Bの形成範囲A1は、
図6に示すように、平面形状が略逆台形状となっている。引き出し部27Bは、X軸方向に対して所定角度傾いている。
【0028】
アレイ基板21の非表示領域NAAには、
図6及び
図7に示すように、第1配向膜29の成膜範囲を規制する規制溝部39が設けられている。規制溝部39は、シール部23よりも内寄り(表示領域AAの近く)に配されている。規制溝部39は、シール部23の全周にわたってシール部23に沿って延在し、平面に視て方形の枠状の範囲に設けられている。規制溝部39は、非表示領域NAAにおいて第1絶縁膜34及び第2絶縁膜35を膜厚方向(Z軸方向)に貫通しており、第1絶縁膜34及び第2絶縁膜35に開口形成されている。なお、
図6には、アレイ基板21のうちのシール部23の形成範囲A2を網掛け状にして図示している。また、共通電極28は、
図6に示すように、表示領域AAよりも一回り大きい形成範囲を有しており、その外周端部が非表示領域NAAに位置している。
【0029】
ここで、アレイ基板21の製造過程において第1配向膜29の成膜に際しては、例えばインクジェット式の塗布装置等を用いて第1配向膜29の材料をアレイ基板21の表示領域AAにおいて共通電極28の上層側(第2絶縁膜35よりも上層側)に塗布する。塗布された第1配向膜29の材料を流動させることで、アレイ基板21のうち少なくとも表示領域AAの全域に行き渡らせるようにする。このため、第1配向膜29の材料としては、粘度が十分に低くて高い流動性を備えるものが用いられる。高い流動性を備える第1配向膜29の材料は、表示領域AAの外側の非表示領域NAAにまで広がり、非表示領域NAAでは第2絶縁膜35の上面を流動する。非表示領域NAAにおいて第1配向膜29の材料は、シール部23の形成範囲A2に至る手前の位置において、第1絶縁膜34及び第2絶縁膜35を部分的に凹ませて設けられる規制溝部39によってその成膜範囲が規制される。これにより、第1配向膜29の材料がシール部23の形成範囲A2に到達するのを回避することができるので、アレイ基板21を対向基板20と貼り合わせる際にシール部23が第1配向膜29と重畳する配置となって第1配向膜29と接触する事態を防ぐことができる。第1配向膜29は、シール部23に対する密着性が芳しくないことから、上記のようにシール部23との接触が回避されることで、シール部23の接着強度が向上し、シール部23に剥離が生じ難くなる。
【0030】
アレイ基板21の非表示領域NAAのうち、突き出し部21Aを含む長辺部には、
図8に示すように、共通配線40及びダミー配線41が設けられている。共通配線40及びダミー配線41は、アレイ基板21の非表示領域NAAの上記した長辺部のうち、少なくとも2つのドライバ12の実装領域の間に挟まれた領域(X軸方向についての中央部)に配されている。なお、共通配線40及びダミー配線41は、アレイ基板21の非表示領域NAAの上記した長辺部のうち、各ドライバ12の実装領域に対してX軸方向について端側に配されていてもよい。いずれにしても共通配線40及びダミー配線41は、ソース配線27の引き出し部27Bの形成範囲A1に対してX軸方向について隣り合う配置とされる。このように、共通配線40及びダミー配線41は、アレイ基板21の非表示領域NAAの上記した長辺部のうち、ソース配線27の引き出し部27Bが非形成とされるスペース(範囲)を平面充填する形で配置されている。共通配線40及びダミー配線41は、X軸方向に対して所定角度傾いている。X軸方向に対する共通配線40及びダミー配線41の傾き角度は、X軸方向に対する引き出し部27Bの傾き角度とほぼ同じとされる。つまり、共通配線40及びダミー配線41は、引き出し部27Bと並行している。これにより、互いに隣り合う配置となる共通配線40と引き出し部27Bとの間の間隔が、長さ方向に沿ってほぼ一定になるとともに、互いに隣り合う配置となるダミー配線41と引き出し部27Bとの間の間隔が、長さ方向に沿ってほぼ一定になる。従って、アレイ基板21の非表示領域NAAの上記した長辺部において引き出し部27B、共通配線40及びダミー配線41がいずれも非形成とされるスペースを小さく保つことができる。共通配線40及びダミー配線41は、アレイ基板21の非表示領域NAAの上記した長辺部のうち、表示領域AAと規制溝部39(
図6を参照)との間には少なくとも存在している。共通配線40及びダミー配線41は、少なくとも一部が液晶層22に対して重畳配置されている。
【0031】
共通配線40は、
図8に示すように、一方の端部(表示領域AAに近い側の端部)が、共通電極28のうち、非表示領域NAAにある部分(外周端部の一部)に接続されている。共通配線40は、複数が間隔を空けて並んで配されている。複数の共通配線40は、互いに並行している。複数の共通配線40は、他方の端部(共通電極28に接続される端部とは反対側の端部)が、複数の端子38のうち、フレキシブル基板13によって共通電位信号が供給される端子38にそれぞれ接続されている。複数の共通配線40は、同電位(共通電位)とされる。共通電極28には、共通配線40によって共通電位信号が供給されるようになっている。
【0032】
ダミー配線41は、
図8に示すように、アレイ基板21に備わる配線や電極等とは非接続であり、電気的に孤立している。ダミー配線41は、複数が間隔を空けて並んで配されている。複数のダミー配線41は、互いに並行していて相互が接続されている。複数のダミー配線41は、特定の信号を伝送する等の電気的な機能を有さない。このように、ダミー配線41は、電気的に孤立していることから、他の配線や電極等に対して干渉(短絡等)しない範囲において、非表示領域NAAでの配置自由度が高くなっている。従って、非表示領域NAAにおいて引き出し部27Bが非配置とされるスペースの多くにダミー配線41を配置することが可能とされる。これにより、アレイ基板21の非表示領域NAAの上記した長辺部において引き出し部27B、共通配線40及びダミー配線41がいずれも非形成とされるスペースをより小さくすることができる。ここで、非表示領域NAAのうち、引き出し部27B、共通配線40及びダミー配線41がいずれも非形成とされる範囲では、引き出し部27B、共通配線40及びダミー配線41のいずれかが形成される範囲に比べると、第1配向膜29がZ軸方向について低い配置となり、液晶層22の厚みが大きくなる。その点、上記のように、非表示領域NAAにおいて引き出し部27Bが非配置とされるスペースの多くに共通配線40及びダミー配線41が設けられているので、非表示領域NAAにおける対向基板20とアレイ基板21との間の間隔、つまり液晶層22の厚みを均一化することができる。これにより、液晶層22に真空気泡が生じ難くなるので、真空気泡に起因する表示品位の低下が抑制される。
【0033】
複数のソース配線27には、
図8及び
図9に示すように、第1金属膜と第2金属膜とにより構成される第1ソース配線(第1配線)27αと、第2金属膜により構成される第2ソース配線(第2配線)27βと、の2種類が含まれる。第1ソース配線27αは、第2金属膜からなる第1配線本体27Aαと、第1金属膜からなる第1引き出し部27Bαと、を有する。第2ソース配線27βは、第2金属膜からなる第2配線本体27Aβと、第2金属膜からなる第2引き出し部27Bβと、を有する。なお、以下ではソース配線27、配線本体27A及び引き出し部27Bを区別する場合には、「第1ソース配線」、「第1配線本体」及び「第1引き出し部」の各符号に添え字αを、「第2ソース配線」、「第2配線本体」及び「第2引き出し部」の各符号に添え字βを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0034】
また、以下ではTFT24を区別する場合には、第1ソース配線27αの第1配線本体27Aαに接続されるTFT24を「第1TFT」としてその符号に添え字αを付し、第2ソース配線27βの第2配線本体27Aβに接続されるTFT24を「第2TFT」としてその符号に添え字βを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。また、以下では画素電極25を区別する場合には、第1TFT24αに接続される画素電極25を「第1画素電極」としてその符号に添え字αを付し、第2TFT24βに接続される画素電極25を「第2画素電極」としてその符号に添え字βを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0035】
ところで、本実施形態に係るアレイ基板21は、絶縁膜として有機材料からなる平坦化膜を有さない構成となっている。このため、平坦化膜を有する場合に比べると、アレイ基板21の内面に係る平坦性が低くなりがちとなっている。アレイ基板21の内面に係る平坦性が低いと、第1配向膜29を成膜する際に、塗布された第1配向膜29の材料に係る流動性が、アレイ基板21の内面に生じた凹凸に起因して阻害され易い傾向にある。第1配向膜29の材料に係る流動性が低いと、成膜される第1配向膜29に膜厚ムラが生じることが懸念される。
【0036】
そこで、本実施形態では、複数ずつの共通配線40及びダミー配線41には、
図8及び
図9に示すように、第1金属膜により構成される第1共通配線(第3配線)40α及び第1ダミー配線(第3配線)41αと、第2金属膜により構成される第2共通配線(第4配線)40β及び第2ダミー配線(第4配線)41βと、の2種類が含まれる。なお、以下では共通配線40及びダミー配線41を区別する場合には、「第1共通配線」及び「第1ダミー配線」の各符号に添え字αを、「第2共通配線」及び「第2ダミー配線」の各符号に添え字βを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0037】
第1金属膜からなる第1引き出し部27Bα、第1共通配線40α及び第1ダミー配線41αは、
図9に示すように、いずれも第1絶縁膜34の下層側に配されている。第2金属膜からなる第2引き出し部27Bβ、第2共通配線40β及び第2ダミー配線41βは、いずれも第1絶縁膜34の上層側で第2絶縁膜35の下層側に配されている。第1引き出し部27Bαと第2引き出し部27Bβとは、互いに隣り合って配されており、第1絶縁膜34によって相互に絶縁状態に保たれている。これにより、第1引き出し部27Bαと第2引き出し部27Bβとの配列間隔を狭くすることができるので、液晶パネル11の高精細化及び狭額縁化を図る上で好適となる。その上で、第2引き出し部27Bβは、第1絶縁膜34の上層側にあることから、第1絶縁膜34のうちの第1引き出し部27Bαに乗り上げる部分とZ軸方向について同じ程度の高さの配置となっている。従って、第2絶縁膜35のうちの第2引き出し部27Bβに乗り上げる部分は、第2絶縁膜35のうちの第1引き出し部27Bαと重畳する部分とZ軸方向について同じ程度の高さの配置となる。このように、第2絶縁膜35のうち、第1引き出し部27Bαと第2引き出し部27Bβとに跨がって配される部分の平坦性が高くなっている。
【0038】
第2共通配線40βは、
図9に示すように、第1絶縁膜34の上層側にあることから、第1絶縁膜34のうちの第1共通配線40αに乗り上げる部分とZ軸方向について同じ程度の高さの配置となっている。従って、第2絶縁膜35のうちの第2共通配線40βに乗り上げる部分は、第2絶縁膜35のうちの第1共通配線40αと重畳する部分とZ軸方向について同じ程度の高さの配置となる。このように、第2絶縁膜35のうち、第1共通配線40αと第2共通配線40βとに跨がって配される部分は、平坦性が高くなるのに加え、第2絶縁膜35のうち、第1引き出し部27Bαと第2引き出し部27Bβとに跨がって配される部分に近い平坦性となる。第2ダミー配線41βは、第1絶縁膜34の上層側にあることから、第1絶縁膜34のうちの第1ダミー配線41αに乗り上げる部分とZ軸方向について同じ程度の高さの配置となっている。従って、第2絶縁膜35のうちの第2ダミー配線41βに乗り上げる部分は、第2絶縁膜35のうちの第1ダミー配線41αと重畳する部分とZ軸方向について同じ程度の高さの配置となる。このように、第2絶縁膜35のうち、第1ダミー配線41αと第2ダミー配線41βとに跨がって配される部分は、平坦性が高くなるのに加え、第2絶縁膜35のうち、第1引き出し部27Bαと第2引き出し部27Bβとに跨がって配される部分に近い平坦性となる。
【0039】
以上のように、アレイ基板21の非表示領域NAAのうち、突き出し部21Aを含む長辺部での第2絶縁膜35の平坦性は、
図9に示すように、引き出し部27B、共通配線40及びダミー配線41の各配置領域において均一化が図られている。従って、第2絶縁膜35よりも上層側に第1配向膜29を成膜する際、表示領域AAから非表示領域NAAへと広がる第1配向膜29の材料の流動が、第2絶縁膜35のうちの共通配線40及びダミー配線41の各配置領域において表面に生じ得る凹凸に起因して妨げられ難くなる。このようにして成膜された第1配向膜29は、特に表示領域AAの外周端側部分において膜厚にムラが生じ難くなるので、表示領域AAに表示される画像に係る表示品位が良好になる。以上によれば、高精細化及び狭額縁化が進行し、第1引き出し部27Bαと第2引き出し部27Bβとの配列間隔が狭くなっても、第1配向膜29に膜厚ムラが生じ難くなる。
【0040】
複数の共通配線40は、
図8及び
図9に示すように、第1共通配線40αと第2共通配線40βとが1つずつ交互に並ぶよう配されている。複数のダミー配線41は、第1ダミー配線41αと第2ダミー配線41βとが1つずつ交互に並ぶよう配されている。このようにすれば、仮に、第1共通配線及び第1ダミー配線と第2共通配線及び第2ダミー配線とが複数ずつ交互に並んで配される場合に比べると、第2絶縁膜35の平坦性が高くなる。これにより、第2絶縁膜35よりも上層側に第1配向膜29を成膜する際、表示領域AAから非表示領域NAAへと広がる第1配向膜29の材料の流動が、第2絶縁膜35の表面に生じ得る凹凸に起因してより妨げられ難くなる。従って、第1配向膜29に膜厚ムラがより生じ難くなる。
【0041】
互いに隣り合う第1共通配線40αと第2共通配線40βとの間には、
図8及び
図9に示すように、互いに隣り合う第1引き出し部27Bαと第2引き出し部27Bβとの間に空けられる間隔D1と等しい間隔D2が空けられている。互いに隣り合う第1ダミー配線41αと第2ダミー配線41βとの間には、互いに隣り合う第1共通配線40αと第2共通配線40βとの間と同じ間隔D2が空けられている。このようにすれば、表示領域AA外において第2絶縁膜35のうち、第1共通配線40α及び第1ダミー配線41αと、第2共通配線40β及び第2ダミー配線41βと、のそれぞれと重畳する部分は、第1引き出し部27Bα及び第2引き出し部27Bβと重畳する部分と同等の平坦度合いとなる。これにより、第2絶縁膜35よりも上層側に第1配向膜29を成膜する際、表示領域AAから非表示領域NAAへと広がる第1配向膜29の材料の流動が、第2絶縁膜35の表面に生じ得る凹凸に起因してより妨げられ難くなる。また、第1共通配線40α及び第2共通配線40βの各線幅は、第1引き出し部27Bα及び第2引き出し部27Bβの各線幅よりも大きい。同様に、第1ダミー配線41α及び第2ダミー配線41βの各線幅は、第1引き出し部27Bα及び第2引き出し部27Bβの各線幅よりも大きい。
【0042】
以上説明したように本実施形態の液晶パネル(表示装置)11は、表示領域AA内に配される第1画素電極25αと、表示領域AA内に配されて第1画素電極25αに接続される第1TFT(第1スイッチング素子)24αと、表示領域AAの内外にわたって配されて第1TFT24αに接続される第1ソース配線(第1配線)27αと、表示領域AA内に配される第2画素電極25βと、表示領域AA内に配されて第2画素電極25βに接続される第2TFT(第2スイッチング素子)24βと、表示領域AAの内外にわたって配されて第2TFT24βに接続される第2ソース配線(第2配線)27βと、表示領域AA外に配されて第1TFT24α及び第2TFT24βとは非接続とされる第3配線である第1共通配線40α及び第1ダミー配線41αと、表示領域AA外にて第3配線である第1共通配線40α及び第1ダミー配線41αに隣り合って配されて第1TFT24α及び第2TFT24βとは非接続とされる第4配線である第2共通配線40β及び第2ダミー配線41βと、第1絶縁膜34と、第1絶縁膜34よりも上層側に配される第2絶縁膜35と、第2絶縁膜35よりも上層側に配される第1配向膜(配向膜)29と、を備え、第1ソース配線27αは、表示領域AA外に配されて第1絶縁膜34の下層側に位置する第1引き出し部27Bαを有し、第2ソース配線27βは、表示領域AA外にて第1引き出し部27Bαに隣り合って配されて第1絶縁膜34の上層側で第2絶縁膜35の下層側に位置する第2引き出し部27Bβを有し、第3配線である第1共通配線40α及び第1ダミー配線41αは、第1絶縁膜34の下層側に位置し、第4配線である第2共通配線40β及び第2ダミー配線41βは、第1絶縁膜34の上層側で第2絶縁膜35の下層側に位置する。
【0043】
第1TFT24α及び第2TFT24βが駆動されると、第1ソース配線27α及び第2ソース配線27βに供給される各信号が第1画素電極25α及び第2画素電極25βにそれぞれ供給される。第1画素電極25α及び第2画素電極25βは、第1ソース配線27α及び第2ソース配線27βに供給される各信号に基づく電位に充電される。充電された第1画素電極25α及び第2画素電極25βによって表示領域AAに画像が表示される。
【0044】
第1ソース配線27αのうちの表示領域AA外に配される第1引き出し部27Bαは、第1絶縁膜34の下層側に位置する。これに対し、第2ソース配線27βのうちの表示領域AA外に配される第2引き出し部27Bβは、第1引き出し部27Bαに隣り合って配されて第1絶縁膜34の上層側で第2絶縁膜35の下層側に位置する。このように、互いに隣り合う第1引き出し部27Bα及び第2引き出し部27Bβは、第1絶縁膜34によって絶縁状態に保たれている。これにより、第1引き出し部27Bαと第2引き出し部27Bβとの配列間隔を狭くすることができ、高精細化及び狭額縁化を図る上で好適となる。
【0045】
一方、表示領域AA外に配される第3配線である第1共通配線40α及び第1ダミー配線41αは、第1絶縁膜34の下層側に位置する。これに対し、表示領域AA外にて第3配線である第1共通配線40α及び第1ダミー配線41αに隣り合って配される第4配線である第2共通配線40β及び第2ダミー配線41βは、第1絶縁膜34の上層側で第2絶縁膜35の下層側に位置する。このようにすれば、仮に、第3配線である第1共通配線40α及び第1ダミー配線41α及び第4配線である第2共通配線40β及び第2ダミー配線41βがいずれも第1絶縁膜34の下層側に位置する場合に比べると、第2絶縁膜35のうち、第3配線である第1共通配線40α及び第1ダミー配線41α及び第4配線である第2共通配線40β及び第2ダミー配線41βと重畳する部分の平坦性が高くなる。これにより、第2絶縁膜35よりも上層側に第1配向膜29を成膜する際、表示領域AA内から表示領域AA外へと広がる第1配向膜29の材料の流動が、第2絶縁膜35の表面に生じ得る凹凸に起因して妨げられ難くなる。このようにして成膜された第1配向膜29は、膜厚にムラが生じ難くなるので、表示領域AAに表示される画像に係る表示品位が良好になる。以上によれば、高精細化及び狭額縁化が進行し、第1引き出し部27Bαと第2引き出し部27Bβとの配列間隔が狭くなっても、第1配向膜29に膜厚ムラが生じ難くなる。
【0046】
また、第1引き出し部27Bα、第2引き出し部27Bβ、第3配線である第1共通配線40α及び第1ダミー配線41α、第4配線である第2共通配線40β及び第2ダミー配線41βは、複数ずつ備えられており、第1引き出し部27Bαと第2引き出し部27Bβとが1つずつ交互に並んで配され、第3配線である第1共通配線40α及び第1ダミー配線41αと第4配線である第2共通配線40β及び第2ダミー配線41βとが1つずつ交互に並んで配される。仮に、第1引き出し部と第2引き出し部とが複数ずつ交互に並んで配され、第3配線である第1共通配線及び第1ダミー配線と第4配線である第2共通配線及び第2ダミー配線とが複数ずつ交互に並んで配される場合に比べると、第2絶縁膜35の平坦性が高くなる。これにより、第2絶縁膜35よりも上層側に第1配向膜29を成膜する際、表示領域AA内から表示領域AA外へと広がる第1配向膜29の材料の流動が、第2絶縁膜35の表面に生じ得る凹凸に起因してより妨げられ難くなる。
【0047】
また、第1引き出し部27Bαと第2引き出し部27Bβとが間隔D1を空けて配され、第3配線である第1共通配線40α及び第1ダミー配線41αと第4配線である第2共通配線40β及び第2ダミー配線41βとが、第1引き出し部27Bαと第2引き出し部27Bβとの間の間隔D1と同じ間隔D2を空けて配される。このようにすれば、表示領域AA外において第2絶縁膜35のうち、第3配線である第1共通配線40α及び第1ダミー配線41αと、第4配線である第2共通配線40β及び第2ダミー配線41βと、のそれぞれと重畳する部分は、第1引き出し部27Bα及び第2引き出し部27Bβと重畳する部分と同等の平坦度合いとなる。これにより、第2絶縁膜35よりも上層側に第1配向膜29を成膜する際、表示領域AA内から表示領域AA外へと広がる第1配向膜29の材料の流動が、第2絶縁膜35の表面に生じ得る凹凸に起因してより妨げられ難くなる。
【0048】
また、表示領域AA内に配されて第1画素電極25α及び第2画素電極25βと重畳して配される共通電極28を備えており、第3配線である第1共通配線40α及び第4配線である第2共通配線40βは、共通電極28に接続されている。共通電極28は、第3配線である第1共通配線40α及び第4配線である第2共通配線40βにより供給される信号(共通信号)に基づく電位とされる。共通電極28と第1画素電極25αとの間の電位差に基づいて生じる電界や共通電極28と第2画素電極25βとの間の電位差に基づいて生じる電界を利用して画像の表示が行われる。
【0049】
また、第3配線である第1ダミー配線41α及び第4配線である第2ダミー配線41βは、電気的に孤立している。表示領域AA外における第3配線である第1ダミー配線41α及び第4配線である第2ダミー配線41βの配置自由度が高くなる。従って、表示領域AA外において第1ソース配線27α及び第2ソース配線27βが非配置とされるスペースを平面充填する形で第3配線である第1ダミー配線41α及び第4配線である第2ダミー配線41βを配置することができる。
【0050】
また、第1画素電極25α、第1TFT24α、第1ソース配線27α、第2画素電極25β、第2TFT24β、第2ソース配線27β、第3配線である第1共通配線40α及び第1ダミー配線41α、第4配線である第2共通配線40β及び第2ダミー配線41β、第1絶縁膜34、第2絶縁膜35及び第1配向膜29が設けられるアレイ基板(第1基板)21と、アレイ基板21と対向して配される対向基板(第2基板)20と、アレイ基板21と対向基板20との間に介在する液晶層22と、を備える。アレイ基板21の表示領域AA外には、第1ソース配線27α及び第2ソース配線27βに加えて、第3配線である第1共通配線40α及び第1ダミー配線41αと第4配線である第2共通配線40β及び第2ダミー配線41βとが配されているので、表示領域AA外におけるアレイ基板21と対向基板20との間の間隔、つまり液晶層22の厚みの均一化を図ることができる。これにより、液晶層22に真空気泡が生じ難くなるので、真空気泡に起因する表示品位の低下が抑制される。
【0051】
<実施形態2>
実施形態2を
図10または
図11によって説明する。この実施形態2では、共通配線140及びダミー配線141の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0052】
まず、本実施形態に係る引き出し部127Bは、
図10に示すように、配線本体127Aの延在方向であるY軸方向と直交するX軸方向(第2方向)に対して第1角度θ1傾いている。互いに隣り合う第1引き出し部127Bα及び第2引き出し部127Bβは、X軸方向に対する傾き角度が同一であり、第1角度θ1となっている。第1角度θ1は、例えば3度~15度の範囲とされる。
【0053】
これに対し、共通配線(第3配線)140及びダミー配線(第3配線)141は、
図10に示すように、X軸方向に対して第1角度θ1よりも大きい第2角度θ2傾いている。第1角度θ1と第2角度θ2との差は、10度以上とされる。従って、第2角度θ2は、少なくとも13度以上とされる。複数ずつの共通配線140及びダミー配線141は、
図11に示すように、いずれも第1金属膜からなる。つまり、全ての共通配線140及びダミー配線141は、第1絶縁膜134の下層側に配されている。
【0054】
このように、本実施形態では、全ての共通配線140及びダミー配線141が第1金属膜からなるため、膜残りによるパターン不良等を防ぐべく、隣り合う2つの共通配線140の間の間隔や隣り合う2つのダミー配線141の間の間隔を実施形態1(
図9を参照)よりも広くする必要がある。そのため、第2絶縁膜135のうち、共通配線140及びダミー配線141と重畳する部分の平坦性が、第1引き出し部127Bα及び第2引き出し部127Bβと重畳する部分の平坦性よりも低くなる傾向にある。その結果、第2絶縁膜135よりも上層側に第1配向膜129を成膜する際、表示領域AAから非表示領域NAAへと広がる第1配向膜129の材料の流動が、第2絶縁膜135のうち、共通配線140及びダミー配線141と重畳する部分の表面に生じる凹凸に起因して妨げられることが懸念される。その点、複数の第3配線である共通配線140及びダミー配線141は、X軸方向に対して第1角度θ1よりも大きい第2角度θ2傾いているから、第1配向膜129を成膜する際に第1配向膜129の材料を、共通配線140及びダミー配線141の延在方向に沿って流動し易くすることができる。これにより、成膜された第1配向膜129の膜厚にムラが生じ難くなるので、表示領域AAに表示される画像に係る表示品位が良好になる。
【0055】
以上説明したように本実施形態に係る液晶パネル111は、表示領域AA内に配される第1画素電極125αと、表示領域AA内に配されて第1画素電極125αに接続される第1TFT124αと、表示領域AAの内外にわたって配されて第1TFT124αに接続される第1ソース配線127αと、表示領域AA内に配される第2画素電極125βと、表示領域AA内に配されて第2画素電極125βに接続される第2TFT124βと、表示領域AAの内外にわたって配されて第2TFT124βに接続される第2ソース配線127βと、表示領域AA外にて互いに並行して配されて第1TFT124α及び第2TFT124βとは非接続とされる複数の第3配線である共通配線140及びダミー配線141と、第1絶縁膜134と、第1絶縁膜134よりも上層側に配される第2絶縁膜135と、第2絶縁膜135よりも上層側に配される第1配向膜129と、を備え、第1ソース配線127αは、表示領域AA内に配されて第1方向に沿って延在する第1配線本体127Aαと、表示領域AA外に配されて第1絶縁膜134の下層側に位置する第1引き出し部127Bαと、を有し、第2ソース配線127βは、表示領域AA内に配されて第1方向に沿って延在する第2配線本体127Aβと、表示領域AA外にて第1引き出し部127Bαに隣り合って配されて第1絶縁膜134の上層側で第2絶縁膜135の下層側に位置する第2引き出し部127Bβと、を有し、第1引き出し部127Bα及び第2引き出し部127Bβは、第1方向と直交する第2方向に対して第1角度θ1傾き、複数の第3配線である共通配線140及びダミー配線141は、第1絶縁膜134の下層側または第1絶縁膜134の上層側で第2絶縁膜135の下層側に位置し、第2方向に対して第1角度θ1よりも大きい第2角度θ2傾く。
【0056】
第1TFT124α及び第2TFT124βが駆動されると、第1ソース配線127α及び第2ソース配線127βに供給される各信号が第1画素電極125α及び第2画素電極125βにそれぞれ供給される。第1画素電極125α及び第2画素電極125βは、第1ソース配線127α及び第2ソース配線127βに供給される各信号に基づく電位に充電される。充電された第1画素電極125α及び第2画素電極125βによって表示領域AAに画像が表示される。
【0057】
第1ソース配線127αのうちの表示領域AA外に配される第1引き出し部127Bαは、第1絶縁膜134の下層側に位置する。これに対し、第2ソース配線127βのうちの表示領域AA外に配される第2引き出し部127Bβは、第1引き出し部127Bαに隣り合って配されて第1絶縁膜134の上層側で第2絶縁膜135の下層側に位置する。このように、互いに隣り合う第1引き出し部127Bα及び第2引き出し部127Bβは、第1絶縁膜134によって絶縁状態に保たれている。これにより、第1引き出し部127Bαと第2引き出し部127Bβとの配列間隔を狭くすることができ、高精細化及び狭額縁化を図る上で好適となる。
【0058】
一方、表示領域AA外にて互いに並行して配される複数の第3配線である共通配線140及びダミー配線141は、第1絶縁膜134の下層側または第1絶縁膜134の上層側で第2絶縁膜135の下層側に位置する。このような構成では、第2絶縁膜135のうち、複数の第3配線である共通配線140及びダミー配線141と重畳する部分の平坦性が、第1引き出し部127Bα及び第2引き出し部127Bβと重畳する部分の平坦性よりも低くなる傾向にある。このため、第2絶縁膜135よりも上層側に第1配向膜129を成膜する際、表示領域AA内から表示領域AA外へと広がる第1配向膜129の材料の流動が、第2絶縁膜135のうち、複数の第3配線である共通配線140及びダミー配線141と重畳する部分の表面に生じる凹凸に起因して妨げられることが懸念される。その点、複数の第3配線である共通配線140及びダミー配線141は、第2方向に対して第1角度θ1よりも大きい第2角度θ2傾いているから、第1配向膜129を成膜する際に第1配向膜129の材料を、複数の第3配線である共通配線140及びダミー配線141の延在方向に沿って流動し易くすることができる。これにより、成膜された第1配向膜129の膜厚にムラが生じ難くなるので、表示領域AAに表示される画像に係る表示品位が良好になる。以上によれば、高精細化及び狭額縁化が進行し、第1引き出し部127Bαと第2引き出し部127Bβとの配列間隔が狭くなっても、第1配向膜129に膜厚ムラが生じ難くなる。
【0059】
<実施形態3>
実施形態3を
図12または
図13によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態1から共通配線240及びダミー配線241の平面構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0060】
まず、本実施形態に係る引き出し部227Bは、
図12に示すように、配線本体227Aの延在方向であるY軸方向と直交するX軸方向(第2方向)に対して第1角度θ1傾いている。互いに隣り合う第1引き出し部227Bα及び第2引き出し部227Bβは、X軸方向に対する傾き角度が同一であり、第1角度θ1となっている。第1角度θ1は、例えば3度~15度の範囲とされる。
【0061】
これに対し、共通配線240及びダミー配線241は、
図12に示すように、X軸方向に対して第1角度θ1よりも大きい第2角度θ2傾いている。第1角度θ1と第2角度θ2との差は、10度以上とされる。従って、第2角度θ2は、少なくとも13度以上とされる。複数ずつの共通配線240及びダミー配線241には、
図13に示すように、第1金属膜からなる第1共通配線240α及び第1ダミー配線241αと、第2金属膜からなる第2共通配線240β及び第2ダミー配線241βと、が含まれる。第1共通配線240α及び第1ダミー配線241αと、第2共通配線240β及び第2ダミー配線241βと、は、
図12に示すように、それぞれX軸方向に対して第2角度θ2傾いている。
【0062】
このような構成によれば、第2絶縁膜235よりも上層側に第1配向膜229を成膜する際、表示領域AAから非表示領域NAAへと広がる第1配向膜229の材料を、X軸方向に対して第1角度θ1よりも大きい第2角度θ2傾く第1共通配線240α及び第1ダミー配線241αと、第2共通配線240β及び第2ダミー配線241βと、の延在方向に沿って流動し易くすることができる。これにより、成膜された第1配向膜229の膜厚にムラがより生じ難くなるので、表示領域AAに表示される画像に係る表示品位がより良好になる。
【0063】
以上説明したように本実施形態によれば、第1ソース配線227αは、表示領域AA内に配されて第1方向に沿って延在する第1配線本体227Aαを有し、第2ソース配線227βは、表示領域AA内に配されて第1方向に沿って延在する第2配線本体227Aβを有しており、第1引き出し部227Bα及び第2引き出し部227Bβは、それぞれ第1方向と直交する第2方向に対して第1角度θ1傾いており、第3配線である第1共通配線240α及び第1ダミー配線241αと、第4配線である第2共通配線240β及び第2ダミー配線241βと、は、それぞれ第2方向に対して第1角度θ1よりも大きい第2角度θ2傾く。第2絶縁膜235よりも上層側に第1配向膜229を成膜する際、表示領域AA内から表示領域AA外へと広がる第1配向膜229の材料を、第2方向に対して第1角度θ1よりも大きい第2角度θ2傾く第3配線である第1共通配線240α及び第1ダミー配線241αと、第4配線である第2共通配線240β及び第2ダミー配線241βと、の延在方向に沿って流動し易くすることができる。これにより、成膜された第1配向膜229の膜厚にムラがより生じ難くなるので、表示領域AAに表示される画像に係る表示品位がより良好になる。
【0064】
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0065】
(1)第1引き出し部27Bα,127Bα,227Bαと第2引き出し部27Bβ,127Bβ,227Bβとが複数ずつ交互に並んで配されてもよい。
【0066】
(2)実施形態1,3に記載の構成において、第1共通配線40α,240αと第2共通配線40β,240βとが複数ずつ交互に並んで配されてもよい。第1ダミー配線41α,241αと第2ダミー配線41β,241βとが複数ずつ交互に並んで配されてもよい。
【0067】
(3)実施形態1,3に記載の構成において、第1共通配線40α,240αと第2共通配線40β,240βとの間の間隔が、第1引き出し部27Bα,227Bαと第2引き出し部27Bβ,227Bβとの間の間隔とは異なってもよい。
【0068】
(4)実施形態1,3に記載の構成において、第1ダミー配線41α,241αと第2ダミー配線41β,241βとの間の間隔が、第1引き出し部27Bα,227Bαと第2引き出し部27Bβ,227Bβとの間の間隔とは異なってもよい。
【0069】
(5)実施形態1,3に記載の構成において、第1共通配線40α,240αと第2共通配線40β,240βとの間の間隔が、第1ダミー配線41α,241αと第2ダミー配線41β,241βとの間の間隔とは異なってもよい。
【0070】
(6)実施形態1,3に記載の構成において、第1共通配線40α,240α及び第2共通配線40β,240βの各線幅が、第1引き出し部27Bα,227Bα及び第2引き出し部27Bβ,227Bβの各線幅と同じでもよい。
【0071】
(7)実施形態2に記載の構成において、複数ずつの共通配線140及びダミー配線141が、いずれも第2金属膜からなってもよい。つまり、全ての共通配線140及びダミー配線141が、第1絶縁膜134の上層側で第2絶縁膜135の下層側に配されてもよい。
【0072】
(8)アレイ基板21には、SSD(Source Shared Driving)回路が備えられてもよい。SSD回路は、非表示領域NAAに配され、ソース配線27における配線本体27A,127A,227Aと引き出し部27B,127B,227Bとに接続される。SSD回路は、ドライバ12から引き出し部27B,127B,227Bを介して供給される画像信号を、複数の配線本体27A,127A,227Aに振り分けるスイッチ機能等を有している。この場合、複数の配線本体27A,127A,227Aと、1つの引き出し部27B,127B,227Bと、がソース配線を構成することになる。
【0073】
(9)複数ずつの引き出し部27B,127B,227B、共通配線40,140,240及びダミー配線41,141,241の具体的な平面構成(平面に視た配索パターン)は、図示以外にも適宜に変更可能である。
【0074】
(10)アレイ基板21の非表示領域NAAのうち、突き出し部21Aを含む長辺部には、共通配線40,140,240とダミー配線41,141,241とのうちのいずれか一方が配されなくてもよい。
【0075】
(11)ドライバ12の設置数は、1つでも3つ以上でもよい。ドライバ12の設置数が1つの場合は、ソース配線27の引き出し部27B,127B,227Bに対してX軸方向について片側または両側に隣り合う部分に共通配線40,140,240やダミー配線41,141,241が配置される。
【0076】
(12)ドライバ12によって共通電位信号がアレイ基板21に供給される場合には、共通配線40は、他方の端部が、複数の出力端子37のうち、ドライバ12によって共通電位信号が供給される出力端子37に接続されてもよい。
【0077】
(13)ドライバ12の実装領域に配される複数の出力端子37は、例えば千鳥状に配列されていてもよい。
【0078】
(14)各配向膜29,33,129,229は、ラビングにより配向処理がなされてもよい。
【0079】
(15)対向基板20及びアレイ基板21の材料は、ガラス以外にも合成樹脂等であってもよい。
【0080】
(16)液晶パネル11,111の表示モードは、IPSモード等でもよい。
【0081】
(17)液晶パネル11,111の平面形状は、横長の縦長の長方形、正方形、円形、半円形、長円形、楕円形、台形などでもよい。
【符号の説明】
【0082】
11,111…液晶パネル(表示装置)、20…対向基板(第2基板)、21…アレイ基板(第1基板)、22…液晶層、24α,124α…第1TFT(第1スイッチング素子)、24β,124β…第2TFT(第2スイッチング素子)、25α,125α…第1画素電極、25β,125β…第2画素電極、27α,127α,227α…第1ソース配線(第1配線)、27β,127β,227β…第2ソース配線(第2配線)、27Aα,127Aα,227Aα…第1配線本体、27Aβ,127Aβ,227Aβ…第2配線本体、27Bα,127Bα,227Bα…第1引き出し部、27Bβ,127Bβ,227Bβ…第2引き出し部、28…共通電極、29,129,229…第1配向膜(配向膜)、34,134…第1絶縁膜、35,135,235…第2絶縁膜、40α,240α…第1共通配線(第3配線)、40β,240β…第2共通配線(第4配線)、41α,241α…第1ダミー配線(第3配線)、41β,241β…第2ダミー配線(第4配線)、140…共通配線(第3配線)、141…ダミー配線(第3配線)、AA…表示領域、D1,D2…間隔、θ1…第1角度、θ2…第2角度