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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082539
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】海外在住支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20240613BHJP
   G09B 5/06 20060101ALI20240613BHJP
   G09B 5/14 20060101ALI20240613BHJP
   G09B 19/04 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
G06Q50/20
G09B5/06
G09B5/14
G09B19/04
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196460
(22)【出願日】2022-12-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】522479005
【氏名又は名称】野村 忠史
(74)【代理人】
【識別番号】100180482
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 将隆
(72)【発明者】
【氏名】野村 忠史
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C028AA02
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】海外在住の日本人児童における日本語力の向上を支援するとともに、当該児童の保護者が海外生活により負っている精神的負担の軽減も支援する。
【解決手段】海外在住支援システム100は、海外に在住する児童に対する日本語教育サービスと、当該児童の保護者に対するカウンセリングサービスを、公衆通信網を介して提供可能である。同システム100は、児童が使用する児童端末4と、保護者が使用する保護者端末5と、児童に日本語教育をおこなう講師が使用する講師端末2と、保護者にカウンセリングをするカウンセラーが使用するカウンセラー端末3と、児童と当該児童の保護者と当該児童の在籍校とを関連付けて記憶するサービス情報管理手段を有する情報管理サーバ1と、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海外に在住する児童に対する日本語教育サービスと、当該児童の保護者に対するカウンセリングサービスを、公衆通信網を介して提供可能な海外在住支援システムであって、

前記児童が使用する児童端末と、
前記保護者が使用する保護者端末と、
前記児童に対して日本語教育をおこなう講師が使用する講師端末と、
前記保護者に対してカウンセリングをおこなうカウンセラーが使用するカウンセラー端末と、
前記児童と、当該児童の保護者と、当該児童が在籍している在籍校と、を関連付けて記憶するサービス情報管理手段を有する情報管理サーバと、
を具備してなり、

前記講師端末は、前記公衆通信網を介して当該講師端末と接続中の児童端末に対して日本語教育サービスを提供し、
前記カウンセラー端末は、前記公衆通信網を介して当該カウンセラー端末と接続中の保護者端末に対してカウンセリングサービスを提供する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の海外在住支援システムであって、

前記情報管理サーバは、
所定最大数以下の児童からなる受講グループを作成する受講グループ作成手段と、
を備え、

当該海外在住支援システムにおいて日本語教育サービスを提供する際、
前記受講グループ作成手段が作成した受講グループの児童を担当する講師が使用する1台の講師端末と、当該受講グループに所属する各児童がそれぞれ使用する所定最大数以下の児童端末とが前記公衆通信網により通信可能に接続されたのちに、
前記講師端末が、当該受講グループに所属する各児童によって使用される児童端末に対する日本語教育サービスの提供を開始する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の海外在住支援システムであって、

前記講師端末および前記児童端末は、
任意の画像を撮像するカメラ、
を備え、

前記日本語教育サービスの提供中に、
相互に通信可能に接続している1台の講師端末および同じ受講グループに所属する各児童の児童端末が備えるカメラでそれぞれ撮像した講師の顔画像と各児童の顔画像が、これら講師端末および児童端末の間で相互に共有される
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の海外在住支援システムであって、

前記情報管理サーバは、
児童コミュニティへの加入の要否を日本語教育サービスの提供を受ける各児童の児童端末に送信し、前記各児童から得た児童コミュニティ加入の要否にかかる回答結果を各児童の氏名と対応付けて記憶する児童コミュニティ確認手段と、
前記児童コミュニティへの加入が必要と回答した児童からなる児童コミュニティグループを作成する児童コミュニティ作成手段と、
をさらに備え、

同じ児童コミュニティグループに所属する各児童がそれぞれ使用する児童端末を相互に通信可能に接続し、当該児童コミュニティグループに所属する各児童に対して児童交流サービスを提供する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の海外在住支援システムであって、

当該海外在住支援システムにおいて日本語教育サービスの提供を受けている児童が在籍している在籍校において使用する在籍校端末、
をさらに備え、

前記情報管理サーバは、
前記在籍校端末から、当該在籍校内に日本語教育サービスの提供を必要とする他の日本人児童がいることの支援必要児童通知を受信する通知受信手段と、
前記通知受信手段が支援必要児童通知を受けた児童の児童端末から日本語教育サービスの受講申込を受信したときに、当該児童と、同児童の保護者と、同児童が在籍している在籍校とを関連付けて新たに記憶する前記サービス情報管理手段と、
を有し、

前記講師端末は、
前記サービス情報管理手段により新たに記憶された児童の児童端末に対して日本語教育サービスを提供する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項6】
請求項5に記載の海外在住支援システムであって、

当該海外在住支援システムにおいて日本語教育サービスの提供を受けている児童が入学を検討している入学予定校において使用されている入学予定校端末と、
前記入学予定校へ児童が入学するための手続の補助に使用される入学補助端末と、
をさらに備え、

前記入学補助端末は、
日本語教育サービスの提供を受けている児童から当該児童が入学を検討している入学予定校の情報を得たときに、当該入学予定校の入学予定校端末に情報提供リクエストを送信するリクエスト送信手段、
を有し、

前記入学予定校端末は、
入学補助端末から前記情報提供リクエストを受信したときに、入学予定校に関する学校情報を情報管理サーバあてに送信する学校情報送信手段、
を有し、

前記情報管理サーバのサービス情報管理手段は、
前記情報提供リクエストに応答して、前記入学予定校端末から送信されてきた入学予定校情報を、当該入学予定校への入学を検討している児童と対応付けて記憶する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の海外在住支援システムであって、

前記情報管理サーバは、
日本語教育サービスの提供を受ける各児童の保護者から得たカウンセリングサービスの要否にかかる回答結果を、各児童の氏名と対応付けて記憶するカウンセリング要否確認手段、
をさらに備え、

前記カウンセリングサービスが必要と回答した保護者を担当するカウンセラーが使用するカウンセラー端末が、前記公衆通信網により通信可能に接続された保護者端末に対してカウンセリングサービスを提供する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項8】
請求項7に記載の海外在住支援システムであって、

前記カウンセラー端末および前記保護者端末は、
任意の画像を撮像するカメラ、
を備え、

前記カウンセリングサービスの提供中に、
相互に通信可能に接続しているカウンセラー端末と保護者端末が備える各カメラで撮像したカウンセラーの顔画像および保護者の顔画像が、これらカウンセラー端末および保護者端末の間で相互に共有される
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の海外在住支援システムであって、

前記情報管理サーバは、
保護者コミュニティへの加入の要否を各児童の保護者の保護者端末に送信し、前記各保護者から得た保護者コミュニティ加入の要否にかかる回答結果を各児童の氏名および当該児童の保護者の氏名と対応付けて記憶する保護者コミュニティ確認手段と、
前記保護者コミュニティへの加入が必要と回答した保護者からなる保護者コミュニティグループを作成する保護者コミュニティ作成手段と、
をさらに備え、

同じ保護者コミュニティグループに所属する各保護者がそれぞれ使用する保護者端末を相互に通信可能に接続し、当該保護者コミュニティグループに所属する各保護者に対して保護者交流サービスを提供する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日本国内から、海外に在住する日本人向けに日本語教育・心理的ケアを行うための海外在住支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
海外に在住していた児童が日本に帰国した場合、日本語の語彙が不足していたり、会話を流暢に行えないといった要因により、帰国後の日本における日常生活や周囲との人間関係構築に支障を来すという事態が起こりうる。
【0003】
本願発明者が海外在住経験者に対し実際にヒアリングして得られた具体的な体験談としては、高校生にも関わらず、小学校低学年で習う「火山(かざん)」という読みを「ひやま」と読んでしまい、クラス内の同級生から失笑を買ったケースが存在した。
また、中学校の上級生に対し、「先輩」と呼ぶべきところを「お兄さん」(brotherの意で)と呼びかけてしまい、奇異な目で見られたケースもあった。
このように、日本語の語学力不足に加え、海外における生活習慣と日本の生活習慣の感覚のずれに起因して、帰国後における日本国内の学校生活で友人ができずに孤立してしまったり、周囲の児童から浮いた存在になってしまい、いじめを受ける事態にも発展しかねない。
このような問題点に鑑み、海外在住の日本人児童が帰国したあとに日本国内の生活にスムーズに順応できるよう、日本語力向上を目的とした日本語の言語教育をおこなうサービスへの潜在的なニーズがあるものと考えられる。
【0004】
なお、昨今の言語教育の現場においては、PC(Personal Computer)やインターネットなどの情報通信技術の浸透を背景に、オンライン接続を利用した多様な言語教育サービスが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に開示された留学支援システムによれば、外国語を学習するための語学学習システムに加え、留学関連情報の提供や留学手続の代行をする情報提供/手続代行システムと、留学経験者の体験談提供や留学者とのコミュニケーションを図るための疑似留学体験システムと、会議議事録の自動作成システムとを、留学希望学生に一元的に提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-269223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術によれば、留学希望者が「留学の事前準備」として必要とする外国語を学習するための語学学習機能を提供している(同文献1・第15段落)。
しかしながら、特許文献1の技術では、海外在住の日本人児童が現地に居ながらにして日本語を学習するための機能・構成は備えていない。
【0007】
なお、近年ではインターネット販売サイトが飛躍的に発展しているが、それでもなお、海外においては、国内在住者が想像する以上に日本語習得のための教材が入手しにくいという事情がある。
このような事情も、海外に在住する日本人児童による日本語の習得を妨げる要因の1つとなっている。
また、海外在住の児童は、やはり身を置いている現地の生活環境を優先せざるを得ず、周囲に馴染むためにはどうしても現地の言語習得が優先されてしまい、日本語の学習はおざなりになりがちである。
【0008】
さらに、言語や生活習慣が異なる海外生活では、児童のみならず、その保護者も大きなストレスを感じることが多い。
現地の言葉を理解するにあたっては、児童の方は言語習得のスピードが速くても、大人である保護者の方はなかなか言葉を習得できない。
そのため、保護者は、自分の子供が通っている現地校(以下、「在籍校」とも称する)の教師から学校生活に必要な説明をされても、何を指示されているのか理解できないことも多々あり、非常なストレスになってしまう。
オンラインによる既存の言語教育サービスでは、児童向けに言語教育をおこなう仕組は多数散見されるものの、その「保護者が海外生活で抱えている悩みを解消する」という視点でサービス提供をするような仕組までは検討されてこなかった。
【0009】
また、赴任先などに応じた在住地によっては、当該地域に当人家族以外に日本人がまったく見当たらず、悩みごとがあっても相談できる人がいない状況にさらされるケースもある。
自分の生活地域に多少でも先達の日本人が住んでいるようであれば、知合いとなることで現地の情報を得ることもできるが、まったくの孤立無援な状態では、児童・保護者ともに不慣れな海外生活により精神的に疲労してしまう。
【0010】
このような状況に置かれている保護者にとって、いま現在、海外生活を送っている他の日本人と知合ってコミュニティを形成できれば、悩みや解決策を共有でき、心理的負担も軽減されるものと考えられる。
しかしながら、海外渡航前に日本国内に海外生活経験者などの知合いがいなかったのであれば、海外生活の開始後に、日本人になかなか会えない地域でいきなり海外生活を送っている日本人の知合いを見つけることは、現実的に考えてかなり難しい。
このような環境下では、海外在住中の日本人児童の保護者が、海外生活における悩みを解消したり、ストレスの軽減を図りにくいという問題点がある。
【0011】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、海外在住の日本人児童における日本語力の向上を支援するとともに、当該児童の保護者が海外生活により負っている精神的負担の軽減も支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
〔第1発明〕
そこで上記の課題を解決するために、本願の第1発明に係る海外在住支援システムは、
海外に在住する児童に対する日本語教育サービスと、当該児童の保護者に対するカウンセリングサービスを、公衆通信網を介して提供可能な海外在住支援システムであって、

前記児童が使用する児童端末と、
前記保護者が使用する保護者端末と、
前記児童に対して日本語教育をおこなう講師が使用する講師端末と、
前記保護者に対してカウンセリングをおこなうカウンセラーが使用するカウンセラー端末と、
前記児童と、当該児童の保護者と、当該児童が在籍している在籍校と、を関連付けて記憶する「サービス情報管理手段」を有する情報管理サーバと、
を具備してなり、

前記講師端末は、前記公衆通信網を介して当該講師端末と接続中の児童端末に対して日本語教育サービスを提供し、
前記カウンセラー端末は、前記公衆通信網を介して当該カウンセラー端末と接続中の保護者端末に対してカウンセリングサービスを提供するような構成とした。
【0013】
上述したように、第1発明によれば、海外在住の日本人児童にむけて日本語教育サービスを提供することにより、当該児童における日本語力の向上を図ることができる。
また、海外に在住している児童の保護者には、言語や習慣の違いという壁により、大きな心理的負担がかかりがちである。
しかし、第1発明に係る海外在住支援システムによれば、児童の保護者に対するカウンセリングサービスを提供することが可能であるため、海外生活において保護者が抱えている悩みを解消することができる。
すなわち、第1発明によれば、海外に在住している日本人を家族レベル(児童と保護者)で支援することが可能となる。
【0014】
〔第2発明〕
上記課題を解決するために本願の第2発明に係る海外在住支援システムは、第1発明に係る海外在住支援システムであって、
前記情報管理サーバは、
所定最大数以下の児童からなる受講グループを作成する受講グループ作成手段と、
を備え、

当該海外在住支援システムにおいて日本語教育サービスを提供する際、
前記受講グループ作成手段が作成した受講グループの児童を担当する講師が使用する1台の講師端末と、当該受講グループに所属する各児童がそれぞれ使用する所定最大数以下の児童端末とが前記公衆通信網により通信可能に接続されたのちに、
前記講師端末が、当該受講グループに所属する各児童によって使用される児童端末に対する日本語教育サービスの提供を開始する構成とした。
【0015】
第2発明に係る海外在住支援システムによれば、1回の日本語教育授業において「1人の講師が担当する児童のまとまり」として受講グループを作成する。
この受講グループは、日本語教育の授業時間内において1人の講師でも各児童をサポートしやすいように「所定最大数以下の児童で構成」されている(たとえば、図13参照)。
これにより、1人1人の児童に対し、きめ細かで手厚い指導をすることが可能となる。
【0016】
〔第3発明〕
本願の第3発明に係る海外在住支援システムは、第1または第2発明に係る海外在住支援システムであって、
前記講師端末および前記児童端末は、
任意の画像を撮像するカメラ、
を備え、

前記日本語教育サービスの提供中に、
相互に通信可能に接続している1台の講師端末および同じ受講グループに所属する各児童の児童端末が備えるカメラでそれぞれ撮像した講師の顔画像と各児童の顔画像が、これら講師端末および児童端末の間で相互に共有される構成とした。
【0017】
上述した第2発明に係る各海外在住支援システムによれば、所定最大数以下の児童からなる受講グループを作成しておくことで、1人の講師が担当する児童数を好適に調整して授業を実施できる。
これに加え、さらに第3発明によれば、同一画面上で全員の状態を把握でき、日本語教育をおこなうときの画面切替操作手順・操作回数が減り、授業を効率よく進行できる。
また、同じ日本語授業を受ける児童同士の顔がおたがいに見えることで、受講グループに所属する児童がたがいに親近感を持ちやすくなり、また同じ海外在住生活を送る日本人同士ということで連帯感も生まれやすくなる。
【0018】
〔第4発明〕
上記課題を解決するために本願の第4発明に係る海外在住支援システムは、第1または第2発明に係る海外在住支援システムであって、

前記情報管理サーバは、
児童コミュニティへの加入の要否を日本語教育サービスの提供を受ける各児童の児童端末に送信し、前記各児童から得た児童コミュニティ加入の要否にかかる回答結果を各児童の氏名と対応付けて記憶する児童コミュニティ確認手段と、
前記児童コミュニティへの加入が必要と回答した児童からなる「児童コミュニティグループ」を作成する児童コミュニティ作成手段と、
をさらに備え、

同じ児童コミュニティグループに所属する各児童がそれぞれ使用する児童端末を相互に通信可能に接続し、当該児童コミュニティグループに所属する各児童に対して「児童交流サービス」を提供する構成とした。
【0019】
第4発明に係る海外在住支援システムによれば、児童コミュニティへの加入を希望する有志の児童をメンバーとしてグループ(児童コミュニティグループ)を構成する。
このようにすることで、海外在住により日常生活において周囲とのコミュニケーションが不足している場合でも、本システムの日本語教育授業を受講している生徒間で知合う機会を提供でき、同じような境遇にある児童同士でさまざまなコミュニケーションを図ることで、フラストレーションを軽減することが可能となる。
「児童交流サービス」の活動例としては、あるテーマに沿った写真コンテスト・あるテーマに沿ったお絵かきコンテスト・グリーティングカード作り・ハロウィンの仮装大会・クリスマス会といった企画を、児童コミュニティグループに属する児童や講師により実施してもよい。
また、このような児童交流サービスの企画への参加は、児童コミュニティグループに属する児童に限らず、児童コミュニティグループに属していない児童にも参加機会を与えるようにしてもよい。これにより、普段は海外生活により交流関係が限られてしまっている児童に対し、より広い交流を得られやすくできる。
【0020】
〔第5発明〕
上記課題を解決するために、本願の第5発明に係る海外在住支援システムは、第1または第2発明に係る海外在住支援システムであって、
当該海外在住支援システムにおいて日本語教育サービスの提供を受けている児童が在籍している在籍校において使用する在籍校端末、
をさらに備え、

前記情報管理サーバは、
前記在籍校端末から、当該在籍校内に日本語教育サービスの提供を必要とする他の日本人児童がいることの支援必要児童通知を受信する通知受信手段と、
前記通知受信手段が支援必要児童通知を受けた児童の児童端末から日本語教育サービスの受講申込を受信したときに、当該児童と、同児童の保護者と、同児童が在籍している在籍校とを関連付けて新たに記憶する前記サービス情報管理手段と、
を有し、

前記講師端末は、
前記サービス情報管理手段により新たに記憶された児童の児童端末に対して日本語教育サービスを提供する構成とした。
【0021】
第5発明に係る海外在住支援システムによれば、日本語教育サービスを提供するサービス運営側は、同サービスの提供を受けている「児童が在籍している在籍校と連携」している。
そして、在籍校端末から、同校内に日本語教育サービスの提供を必要とする他の日本人児童がいることを通知してもらうことで、「国語(日本語)力が不足している海外在住の日本人児童を減らす」ことに寄与できる。
なお、サービス運営側は、あらかじめ在籍校と連携しておき、日本語教育サービスの受講が必要と思われる日本人児童に当該サービスの利用を薦めるように依頼しておいてもよい。
【0022】
〔第6発明〕
上記課題を解決するために本願の第6発明に係る海外在住支援システムは、第5発明に係る海外在住支援システムであって、
当該海外在住支援システムにおいて日本語教育サービスの提供を受けている児童が入学を検討している入学予定校において使用されている入学予定校端末と、
前記入学予定校へ児童が入学するための手続の補助に使用される入学補助端末と、
をさらに備え、

前記入学補助端末は、
日本語教育サービスの提供を受けている児童から当該児童が入学を検討している入学予定校の情報を得たときに、当該入学予定校の入学予定校端末に情報提供リクエストを送信するリクエスト送信手段、
を有し、

前記入学予定校端末は、
入学補助端末から前記情報提供リクエストを受信したときに、入学予定校に関する学校情報を情報管理サーバあてに送信する学校情報送信手段、
を有し、

前記情報管理サーバのサービス情報管理手段は、
前記情報提供リクエストに応答して、前記入学予定校端末から送信されてきた入学予定校情報を、当該入学予定校への入学を検討している児童と対応付けて記憶する構成とした。
【0023】
第6発明に係る海外在住支援システムによれば、入学予定校端末8から入学予定校の学校情報を取得することによって情報管理サーバ1が保有するサービス情報121(図3)の充実が図られる。
これにより、入学予定校への入学意思を持つ児童が、独力では取得できなかった入学予定校についての学校情報を参照できるようになり、当該入学予定校への入学手続を進展できるよう支援できる。
【0024】
〔第7発明〕
上記課題を解決するために本願の第7発明に係る海外在住支援システムは、第1または第2発明に係る海外在住支援システムであって、
前記情報管理サーバは、
日本語教育サービスの提供を受ける各児童の保護者から得たカウンセリングサービスの要否にかかる回答結果を、各児童の氏名と対応付けて記憶するカウンセリング要否確認手段、
をさらに備え、

前記カウンセリングサービスが必要と回答した保護者を担当するカウンセラーが使用するカウンセラー端末が、前記公衆通信網により通信可能に接続された保護者端末に対してカウンセリングサービスを提供する構成とした。
【0025】
日本語教育サービスを必要としている海外在住の日本人児童を抱えている保護者は、自身を取巻くさまざまな問題を抱えたりストレスを溜め込んでいることも少なくないものと推測される。
第7発明に係る海外在住支援システムによれば、このような児童の保護者のうちから、カウンセリングを所望する保護者のみを抽出し、当該抽出した保護者へのカウンセリングサービスを提供することで、同保護者が抱えている悩みの解消とストレス軽減にむけた支援ができる。
【0026】
〔第8発明〕
上記課題を解決するために本願の第8発明に係る海外在住支援システムは、第7発明に係る海外在住支援システムであって、
前記カウンセラー端末および前記保護者端末は、
任意の画像を撮像するカメラ、
を備え、

前記カウンセリングサービスの提供中に、
相互に通信可能に接続しているカウンセラー端末と保護者端末が備える各カメラで撮像したカウンセラーの顔画像および保護者の顔画像が、これらカウンセラー端末および保護者端末の間で相互に共有される構成とした。
【0027】
第8発明に係る海外在住支援システムによれば、カウンセリングサービスの最中、カウンセラーと保護者が相互にカメラに写った画像を送受信する。
このような環境下では身振りや手振りなどを交えたコミュニケーションを行いうるため、相手の顔が見えない通話だけのカウンセリングよりも、和やかな雰囲気でカウンセリングを進めることが可能となり、海外在住児童の保護者により大きなリラックス効果をもたらすことができる。
【0028】
〔第9発明〕
上記課題を解決するために本願の第9発明に係る海外在住支援システムは、第7または第8発明に係る海外在住支援システムであって、
前記情報管理サーバは、
保護者コミュニティへの加入の要否を各児童の保護者の保護者端末に送信し、前記各保護者から得た保護者コミュニティ加入の要否にかかる回答結果を各児童の氏名および当該児童の保護者の氏名と対応付けて記憶する保護者コミュニティ確認手段と、
前記保護者コミュニティへの加入が必要と回答した保護者からなる保護者コミュニティグループを作成する保護者コミュニティ作成手段と、
をさらに備え、

同じ保護者コミュニティグループに所属する各保護者がそれぞれ使用する保護者端末を相互に通信可能に接続し、当該保護者コミュニティグループに所属する各保護者に対して保護者交流サービスを提供する構成とした。
【0029】
第9発明に係る海外在住支援システムによれば、保護者コミュニティへの加入を希望する有志の保護者をメンバーとしてグループ(保護者コミュニティグループ)を構成する。
このようにすることで、海外在住により日常生活において周囲とのコミュニケーションが不足している場合でも、本システムの日本語教育授業を受講している子供を持つ保護者間で知合う機会を提供でき、「近しい境遇に置かれた保護者同士でコミュニケーションを図る」ことで、フラストレーションの軽減が図られる。
「保護者交流サービス」の活動例としては、保護者同士の座談会・カウンセラーによる保護者向けの講演会・あるテーマに沿った俳句コンテストといった企画を、保護者コミュニティグループに属する保護者やカウンセラー・講師により実施してもよい。
また、このような「保護者交流サービス」の企画への参加は、保護者コミュニティグループに属する保護者に限らず、たとえ保護者コミュニティグループに属していなくとも本システムにおいて日本語授業を受けている児童の保護者にも広く参加機会を与えるようにしてもよい。
これにより、普段は海外生活により交流関係が限られてしまっている保護者に対し、より広い交流機会を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】第1実施形態に係る海外在住支援システムの全体構成を示す模式図である。
図2】情報管理サーバの電気的構成を示すブロック図である。
図3】サービス情報のデータ構造の一例を示す図である。
図4】講師端末の電気的構成を示すブロック図である。
図5】カウンセラー端末の電気的構成を示すブロック図である。
図6】児童端末の電気的構成を示すブロック図である。
図7】保護者端末の電気的構成を示すブロック図である。
図8】在籍校端末の電気的構成を示すブロック図である。
図9】日本語教育サービス提供時の、海外在住支援システムにおける各構成要素の動作を示すシーケンス図である。
図10】日本語教育サービスの提供中に、児童端末に表示される画面の第1の構成例である。
図11】日本語教育サービスの提供中に、児童端末に表示される画面の第2の構成例である。
図12】日本語教育サービスの提供中に、児童端末に表示される画面の第3の構成例である。
図13】課外授業の実施中に、児童端末に表示される画面の構成例である。
図14】授業アーカイブデータ視聴時の、海外在住支援システムにおける各構成要素の動作を示すシーケンス図である。
図15】復習用の学習教材データの実行時に、児童端末に表示される画面の構成例である。
図16】予習用の学習教材データの実行時に、児童端末に表示される画面の第1の構成例である。
図17】予習用の学習教材データの実行時に、児童端末に表示される画面の第2の構成例である。
図18】予習用の学習教材データの実行時に、児童端末に表示される画面の第3の構成例である。
図19】予習用の学習教材データの実行時に、児童端末に表示される画面の第4の構成例である。
図20】カウンセリングサービス提供時の、海外在住支援システムにおける各構成要素の動作を示すシーケンス図である。
図21】支援必要児童の通知時の、海外在住支援システムにおける各構成要素の動作を示すシーケンス図である。
図22】第2実施形態に係る海外在住支援システムの全体構成を示す模式図である。
図23】入学補助端末の電気的構成を示すブロック図である。
図24】入学予定校端末の電気的構成を示すブロック図である。
図25】入学予定校にかかる学校情報取得時の、海外在住支援システムにおける各構成要素の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図1乃至図25を参照して、本発明の海外在住支援システムについて説明する。
[実施形態1]
本発明の実施形態1では、海外に在住する児童むけの日本語教育サービスと、当該児童の保護者むけのカウンセリングサービスを、公衆通信網を介して提供することを目的として、海外在住支援システムを構成した例である。
以下、この内容について詳しく説明する。
【0032】
図1は、本実施形態に係る海外在住支援システム100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、海外在住支援システム100は、情報管理サーバ1と、講師端末2と、カウンセラー端末3と、児童端末4と、保護者端末5と、在籍校端末6とを備えている。
【0033】
公衆通信網200としては、インターネットや移動体通信網などが該当する。
本システム100において、情報管理サーバ1と、講師端末2と、カウンセラー端末3と、児童端末4と、保護者端末5と、在籍校端末6とは、この公衆通信網200を介して相互に通信可能な状態で接続される。
なお、インターネット等の公衆通信網200を採用する場合には、例えば、VPN(Virtual Private Network)技術等を利用すれば、セキュリティレベルを高く確保可能である。
【0034】
本例において、情報管理サーバ1・講師端末2・カウンセラー端末3は、日本語教育サービスやカウンセリングサービスを提供するサービス運営側が所有する端末である。
情報管理サーバ1は、児童の児童名と、当該児童の保護者名と、当該児童が在籍している在籍校とを関連付けて記憶している。
【0035】
講師端末2は、児童に対して日本語教育をおこなう講師が使用する端末である。
この講師端末2は、複数台の児童端末4と同時接続し、多人数からなる受講グループに対して言語教育をおこなうため、オンラインによる学習環境において理解度のチェックや質問・アドバイスなどを円滑に実施できる。
また、日本語授業において使用する学習教材データ122を、受講者である児童に一斉に提示・配布できる。
【0036】
カウンセラー端末3は、海外在住中の児童を抱える保護者に対してカウンセリングをおこなうカウンセラーが使用する端末である。
本例では、カウンセラー端末3は、保護者端末5に対して1対1で接続し、「個人情報や相談内容が漏洩しない形式」でカウンセリングサービスを提供する。
【0037】
一方、児童端末4は児童が使用する端末であり、また、保護者端末5は保護者が使用する端末である。
図1の例では、児童端末4として児童端末4-1・4-2の2台を示してあるが、児童端末4の台数は任意でよい。
本発明では、各児童端末4は、海外(日本国外)で使用されることを想定している。
たとえば、児童端末4-1はアメリカ在住の児童が使用し、児童端末4-2はフランス在住の児童が使用している態様が考えられる。
ただし、すでに海外から帰国した児童(帰国子女など)であっても、希望する場合には、本システム100における日本語教育サービスに加入することが可能である。
【0038】
家庭内において、日本語教育とカウンセリングを受けるために利用できる電子装置(PC(Personal Computer)・タブレット端末など)が1台しかない場合、同一筐体の電子装置を「児童端末4」兼「保護者端末5」として使用することも可能である。
【0039】
なお、近年では、セキュリティ上の観点などから、児童であっても「スマートフォン」を所持することが多くなっている。
さらに、学校などの教育機関でも、児童に1人1台ずつ「タブレット端末」を貸与し、それらのタブレット端末を使用して授業をおこなうケースが増えてきている。
そのため、児童端末4としては、据置型・ノート型のPC(Personal Computer)はもちろん「スマートフォン」・「タブレット端末」などの携帯型の多機能電子装置も採用可能である。
インターネット経由によるオンラインの日本語教育サービス受講時は、CPUに対しかなりの処理負担がかかるものの、スマートフォンやタブレット端末であれば処理性能が日進月歩の勢いで飛躍的に向上しており、顔画像などの送受信処理を実行する際にも快適な動作速度を担保できる。
また携帯型の多機能電子装置であれば、携行性というメリットを備えるがゆえに、時差のある日本国内と海外の間であっても、児童が都合のつくときに気軽に日本語教育サービスを享受することできる。
【0040】
つぎに、情報管理サーバ1・講師端末2・カウンセラー端末3・児童端末4・保護者端末5・在籍校端末6の各構成について順次説明する。
【0041】
これらのサーバ1および端末2~6は、計算処理能力や記憶容量等の規模に相違があるものの装置構成は似通っている。
いずれのサーバ1および端末2~6も、図1に示したように、液晶ディスプレイや図示しないプリンタ等を含む出力部14・24・34・44(44-1と44-2)・54・64と、各種の演算処理を実行する装置本体と、キーボード及び図示しないマウスを含む入力部13・23・33・43(43-1と43-2)・53・63と、を備えている。
【0042】
また、上記のサーバ1や端末2~6において、装置本体は、演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)を中心とした制御機能、ハードディスクドライブ(HDD)・ROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)等を利用する記憶機能、および、各種信号あるいは情報を送受信する通信機能等を有している。
以下、この内容について詳しく説明する。
【0043】
[情報管理サーバ]
図2は、実施形態1に係る情報管理サーバ1の電気的構成を示すブロック図である。
情報管理サーバ1は、図2に示すように、液晶ディスプレイ(図示略)等の出力部14と、タッチパネル(図示略)を含む入力部13とを備えている。
入力部13は、赤外線センサ等によるジェスチャー認識機能を備えたものでもよい。
また、情報管理サーバ1は、任意の演算処理を実行するCPU(中央処理装置)を含む制御部11のほか、ハードディスクドライブ(HDD)・ROM・RAM等を含む記憶部12、及び、各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む通信部15を備えている。
【0044】
通信部15は、インターネットや移動体通信網等の公衆通信網(図示略)に接続され、他装置との間で各種の通信を行う。
通信部15としては、ネットワークインターフェース・モデム等が使用される。
【0045】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)・ROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)等を有し、ROM・記憶部12に記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードして実行し、それにより各種の論理的手段を実現する。
情報管理サーバ1では、サービス情報管理手段111、受講グループ作成手段112、カウンセリング要否確認手段113、児童コミュニティ確認手段114、児童コミュニティ作成手段115、保護者コミュニティ確認手段116、保護者コミュニティ作成手段117および通知受信手段118が実現される。
【0046】
サービス情報管理手段111は、サービス情報121(図3)を管理する手段である。
同管理手段111は、サービス情報121に対する情報登録や登録内容の削除を行う。
【0047】
図3のように、サービス情報121は、日本語教育サービスを享受する児童と、その児童に関する属性の対応関係を指定する情報である。
図3の例では、サービス情報121において、児童名と、当該児童の保護者名と、当該児童が在籍している学校(在籍校)の名称である在籍校名と、同学校についての学校情報と、当該児童が属する受講グループと、児童コミュニティ要否の回答結果と、保護者コミュニティ要否の回答結果とが対応付けされている。
【0048】
図2の受講グループ作成手段112は、「受講グループ」を作成する手段である。
「受講グループ」は、所定最大数(たとえば5人)以下の児童からなるグループであり、1人の講師による1回の日本語教育授業は、いずれか1つの受講グループに対して行われる。
図3の例では、同じ受講グループ(グループ1)に属している児童(鈴木太郎・小川健一)は、同じ講義を受けることになる。
なお、この受講グループは、同一の児童について異なる曜日に応じた複数のグループを作成してもよい(たとえば、月曜はグループ1に所属し、木曜はグループ3に所属する等)。
また、1回の日本語教育授業は、1人の講師だけで担当するに限らず、複数人の講師により受持ってもよい。
この場合、複数人の講師それぞれが使用する複数の講師端末2が、1つの受講グループに属する複数の児童端末4と接続される。
【0049】
カウンセリング要否確認手段113は、日本語教育サービスの提供を受ける各児童の保護者から得たカウンセリングサービスの要否にかかる回答結果(図示略)を、各児童の氏名と対応付けてサービス情報121(図3)に記憶する。
なお、カウンセリングサービスが必要と回答した保護者を担当するカウンセラーが使用するカウンセラー端末3により、公衆通信網200を介して通信可能に接続された保護者端末5に対するカウンセリングサービスを提供される。
【0050】
児童コミュニティ確認手段114は、児童コミュニティへの加入の要否を日本語教育サービスの提供を受ける各児童の児童端末3に送信する。
また、同確認手段114は、各児童から得た児童コミュニティ加入の要否にかかる回答結果を各児童の氏名と対応付けてサービス情報121(図3)に記憶する。
なお、児童コミュニティ作成手段115は、児童コミュニティへの加入が必要と回答した児童からなる「児童コミュニティグループ」を作成する。
【0051】
保護者コミュニティ確認手段116は、保護者コミュニティへの加入の要否を各児童の保護者の保護者端末5に送信する。
また、同確認手段116は、各保護者から得た保護者コミュニティ加入の要否にかかる回答結果を各児童の氏名および当該児童の保護者の氏名と対応付けてサービス情報121(図3)に記憶する。
保護者コミュニティ作成手段117は、保護者コミュニティへの加入が必要と回答した保護者からなる「保護者コミュニティグループ」を作成する。
【0052】
通知受信手段118は、在籍校端末6から、当該在籍校内に日本語教育サービスの提供を必要とする他の日本人児童がいる旨の「支援必要児童通知」を受信する。
なお、サービス情報管理手段111は、通知受信手段118が支援必要児童通知を受けた児童の児童端末4から「日本語教育サービスの受講申込」を受信したときに、当該児童の児童名と、同児童の保護者名と、同児童が在籍している在籍校とを関連付けて新たにサービス情報121(図3)に記憶する。
【0053】
また、通知受信手段118は、在籍校端末6から当該在籍校に関する情報(学校情報)が送信されてきた場合、この学校情報を受信する。
すると、サービス情報管理手段111は、当該学校情報を、その在籍校名と対応付けてサービス情報121に記憶する。
【0054】
[講師端末]
つぎに、日本語教育サービスを提供する講師端末2について説明する。
図4に示すように、講師端末2の装置本体は、演算処理を実行するCPUを含む制御部21のほか、ハードディスクドライブ(HDD)・ROM・RAM等を含む記憶部22、各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む通信部25、および、カメラ26を備えている。
【0055】
通信部25は、インターネットや移動体通信網等の公衆通信網200に接続され、他装置との間で各種の通信を行う。通信部25としては、ネットワークインターフェース・モデム等が使用される。
本端末2を、USB(Universal Serial Bus)接続端子など所定のインターフェースまたは通信部25を介してプリンタ(図示略)に接続し、講師が「言語教育用アプリケーション221」により自ら作成した「学習教材データ222」を紙媒体に印刷出力してもよい。
【0056】
学習教材データ222の一例としては、設問・設問に対する解答・説明文・説明図などが表示オブジェクトで各々構成された電子教材が挙げられる。
学習教材データ222は、黒板の板書や紙媒体と異なり、eラーニングに対応した電子データに編集により情報の付足しや削除を容易に且つ痕跡を残さずにできるため、言語学習に必要な知識整理やテキスト管理、ノート作成などの作業効率向上が図られる。
【0057】
本願では、日本語教育の授業中に使用される「オンライン授業用の学習教材データ222」と、授業外において児童が復習や予習するための「復習用の学習教材データ222」・「予習用の学習教材データ222」がある。
オンライン授業用の学習教材データ222については、児童端末4によるダウンロードができないようになっている。
一方、復習用の学習教材データ222と予習用の学習教材データ222については「児童端末4によりダウンロードできる」ようになっている。
児童は、自ら使用する児童端末4に、復習用の学習教材データ222ならびに予習用の学習教材データ222をダウンロードする。
そして、児童は、オンライン授業の時間外に、これら復習用・予習用の学習教材データ222により、以前受けた授業の復習や、次回受講する授業に向けた予習をおこなう。
【0058】
これらの復習用の学習教材データ222と予習用の学習教材データ222の教材内容は、それぞれ別個の役割を持たせてもよく、たとえば、予習用の学習教材データ222の教材内容は「読み」(視覚的に知識をインプットすること)に重点を置いたものでもよい(図18図19参照)。
【0059】
また、復習用の学習教材データ222では、「書き」(文字の形をなぞるような端末入力をすること)に焦点を合わせたものとしてもよい(図15参照)。
なお、講師端末2には、たとえば、1ターム分(3ヶ月を1タームとした場合、全12回分など)の復習用の学習教材データ222と予習用の学習教材データ222がダウンロードできるように、児童端末4むけに公開する。
【0060】
なお、これらの復習用・予習用の学習教材データ222は、日本語授業時間外に講師がいない状態で児童が利用することを想定しているため、当該教材に含まれた問題に児童が回答したときに「児童自身で答え合わせを行える」よう、正誤結果を確認できる「正誤判定機能」を含んでいる。
宿題などを講師に提出する場合、通常は講師による採点がなされてから後日返却することになるため、児童は予習・復習した正誤結果のフィードバックをリアルタイム(復習中・予習中)に得ることはできない。
しかしながら、本願では、復習用・予習用の学習教材データ222の正誤判定機能により、児童は、予習・復習を「言語教育用アプリケーションだけで完結」でき、講師を介することなく独自に進めることができる。
【0061】
さらに、本願の復習用・予習用の学習教材データ222は、正誤判定された各解答結果を集計し、成績(各設問の正誤の集計結果)を表示する機能も有している。
たとえば、「20問の出題中、正答できた問題数が16問である」とか「正答率」などを、児童が毎回確認できるようになっている。
【0062】
なお、本願の学習教材データ222では、海外在住の日本人児童向けに日本語を教育する観点から、文字を書く(端末への入力)負担を軽くして、「文字を読むこと」(端末表示された教材の視認)に重点を置いた教材内容となっている(図18図19参照)。
たとえば、児童が漢字を学ぶための教材であれば、たとえば、ある1つの漢字をいくつかの構成部分に分けておき、それら構成要素をパズルのように正しい配置に並べることで元の漢字を回答するものが挙げられる(図16図17参照)。
このような形態の学習教材であれば、児童は、文字を覚える際に、文字の形をなぞるように手を動かす(文字を書く)ストレスから解放され、さらにゲーム感覚で楽しみながら飽きが来ることなく日本語を学ぶことができる。
【0063】
また、本願の学習教材データ222では、漢字の読みがなの学習についても同様の配慮が凝らされており、文字の形をなぞるように端末入力するのではなく、画面表示されたオブジェクトを位置移動させるだけで学習できるようになっている。
たとえば、「入る」という漢字の読みがなを問う問題であれば、「はいる」という読みがなを表示しておく。
また、当該読みがなを漢字で書換えるときの選択肢として、個々の漢字やひらがな等(たとえば、「走」「橋」「刃」「は」「し」「る」)の画面上で移動可能な表示オブジェクトを示しておく(図19参照)。
そして、児童たちは、「はしる」を漢字に書換えるための選択肢を画面上から選択して解答欄まで移動(ドラッグ・アンド・ドロップ)させる。
このような態様ゆえに、本システムにおいて日本語授業を受ける児童たちは、文字を書く(端末への入力)負担がきわめて少ない状態で、日本語を学習できる。
【0064】
さらに、本願の学習教材データ222では、漢字の読みがなの出題例として、「走者(そうしゃ)」という漢字の読みを解答させる際、画面上に表示された「はしもの」・「そうもの」・「そうしゃ」といった選択肢(表示オブジェクト)の中からいずれか1つを選択して解答欄まで位置移動させるといったものも想定している(図18参照)。
このような出題形態においても、画面表示されたオブジェクトを位置移動させるだけで学習が可能である。
【0065】
図4のカメラ26は、任意の被写体を撮像するカメラである。
本例では、カメラ26は、定点設置しておくことで日本語教育の講義をおこなっている講師の顔画像を撮像する。
また、カメラ26は、日本語教育を受講中の児童むけに提示される任意の教材(学習教材データ222以外のもの。たとえば、紙媒体の教材・資料など。)を写すために使用してもよい。
【0066】
音声入力部27は、周囲から到来した音声による振動を、その強度に応じた電気信号(音声信号)に変換するマイクである。
本例では、音声入力部27は、講師の発話(講義内容など)を電気的な音声信号に変換する。
【0067】
音声出力部28は、電気信号を物理的振動に変換して放音するスピーカである。
当該出力部28は、日本語教育サービスにおける種々の音声(たとえば、講師の発話した講義内容・児童の発話した内容・学習教材データ122により再生された効果音など)を出力する。
【0068】
図4の制御部21は、CPU・ROM・RAM等を有し、ROM・記憶部22に記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードして実行し、それにより各種の論理的手段を実現する。
本例の講師端末2では、日本語教育サービスを提供するために機能別に細分化された、教材表示手段211、画像処理手段212、音声処理手段213、学習教材作成手段214および授業録画手段215が実現される。
【0069】
教材表示手段211は、公衆通信網200を介して日本語教育サービスが提供されている間、学習教材データ222を児童端末4むけに送信する。
本例では、日本語教育の授業中は、「オンライン授業用の学習教材データ222」を児童端末4むけに送信する。
また、教材表示手段211は、学習教材データ222を出力部24に入力する。これにより、出力部24において学習教材が画面表示される。
【0070】
授業形態としては、たとえば、授業時間の前半部分において、学んだ知識の復習や新たな語彙の学習をおこない、授業時間の後半部分において、語彙を応用した知識の定着を図るようにしてもよい。
【0071】
なお、本システムでは、「復習用の学習教材データ222」・「予習用の学習教材データ222」を、児童端末4からダウンロード可能に公開している。
これらの「復習用の学習教材データ222」・「予習用の学習教材データ222」を取得する場合、児童端末4(後述する復習・予習手段416)は、同端末4を使用する児童により任意の「復習用の学習教材データ222」ないしは「予習用の学習教材データ222」が選択されたときに、当該選択されたデータにかかる送信要求を講師端末2(教材表示手段211)に送る。
すると、教材表示手段211は、公衆通信網200を介し、児童端末4から送信要求された「復習用の学習教材データ222」ないしは「予習用の学習教材データ222」を同端末4あてに送信する。
【0072】
これら「復習用の学習教材データ222」・「予習用の学習教材データ222」の内容は、授業中に使用される「オンライン授業用の学習教材データ222」の内容と連動する内容となっており、児童が復習・予習をこなしたうえで日本語授業に臨むことで、授業内容の理解が大幅に促進されるようになっている。
児童が、授業時間外に独自に予習をすることが児童にとっての「知識のインプット」となり、日本語授業は児童にとって「得た知識をアウトプットする場」として位置づけられる。
【0073】
画像処理手段212は、日本語教育サービスの提供中にカメラ26で撮像された講師の顔画像を児童端末4あてに送信する。
また、画像処理手段212は、日本語教育サービスの提供中に児童端末4から送信されてきた児童の顔画像を受信して液晶ディスプレイ(図示略)等の出力部24に入力する。これにより、出力部24において児童の顔画像が表示される。
【0074】
音声処理手段213は、日本語教育サービスの提供中、音声入力部27で得られた音声信号(講師の発話など)や学習教材データ222による再生音(日本語音声や効果音など)の音声信号を児童端末4あてに送信する。
また、音声処理手段213は、日本語教育サービスの提供中、児童端末4から送信された音声信号(児童の発話など)を受信して音声出力部28に入力する。これにより、音声出力部28において児童の発話(発言内容)が音声出力される。
【0075】
本システムにおける日本語授業は、教材などを使用した通常の日本語の授業実施だけでなく「講師や児童同士と日本語で会話すること」にも重点を置いている。
このような機会を設けることで、海外在住中の児童同士の情報交換やコミュニケーションが図られる。
さらに、講師は、日本語授業を受けている児童たちが将来的に日本に帰国したときに、新たな環境で孤立することのないよう、日本国内における流行しているもの等の情報を与えたり、日本の昔話(竹取物語・桃太郎など)を聞かせるように配慮する。
なお、教材などを使用した日本語の授業についても、日本語の学びやすさに配慮し、文字を書くことに焦点を当てたものではなく、読むことや話すことに軸足を置いた内容となっている。
【0076】
なお、本システムにおいては、各講師は、通常の日本語教育授業とは内容が異なる「課外授業」を企画して開催してもよい(図13の画面例参照)。
「課外授業」の具体例としては、あるテーマに沿った写真コンテスト・あるテーマに沿ったお絵かきコンテスト・グリーティングカード作り・ハロウィンの仮装大会・クリスマス会といった企画を、日本語授業サービスを利用している児童や講師により実施してもよい。
さらに、「課外授業」には、児童の保護者も参加するようにしてもよい。
【0077】
このような「課外授業」を催すことにより、普段は海外生活により交流関係が限られてしまっている児童に対し、より広い交流を得られやすくできる。
本システムにおいて日本語授業は、所定最大数(たとえば5人)以下の受講グループを対象に行われている。
このような授業形態では、講師による児童へのサポートが充分図られるというメリットが得られる一方、異なる受講グループの児童同士は普段おたがいに知り合う機会がないというトレードオフも生じる。
しかし、課外授業の実施により、このような受講グループ間の垣根を取払うことができ、日本語授業を受けている児童同士の交流が広まる。
【0078】
図4の学習教材作成手段214は、入力内容に応じて、文字・画像等から成る表示オブジェクトを生成して学習教材データ222に書込む手段である。
さらに本例では、カメラ26で撮像した画像をも学習教材データ222内の表示オブジェクトとして使用可能である。
また、学習教材作成手段214は、書込まれた表示オブジェクトの削除も司る。
【0079】
なお、講師端末2と児童端末4の間で電子メールやチャットなどによる文字情報の送受信をおこなう場合、本講師端末2は、文字情報の登録・編集・表示が可能なメッセージ処理手段(図示略)を備えていてもよい。
【0080】
授業録画手段215は、日本語教育サービスの提供中の授業を録画する手段である。
具体的には、授業録画手段215は、(1)日本語教育サービスの提供中に出力部24により画面表示された学習教材データ222、(2)日本語教育サービスの提供中にカメラ26が撮像した講師の顔画像、(3)画像処理手段212が日本語教育サービスの提供中に児童端末4から受信した児童の顔画像、(4)日本語教育サービスの提供中に音声入力部27が取得した音声信号(講師の発話など)や学習教材データ222による再生音(日本語音声や効果音など)の音声信号、(5)日本語教育サービスの提供中に音声処理手段213が児童端末4から受信した音声信号(児童の発話など)、を録画・録音する。
また、授業録画手段215は、上記の録画・録音した画像・音声信号を、授業アーカイブデータ223として記憶部22に書込む。
また、授業録画手段215は、授業アーカイブデータ223のダウンロード要求を児童端末4から受信した場合、当該要求された授業アーカイブデータ223を同端末4あてに送る。
【0081】
[カウンセラー端末]
つぎに、カウンセラー端末3の構成について説明する。
図5に示すように、ハードウェア的観点からみたカウンセラー端末3の装置構成は、上述した講師端末2と基本的に同一である。
ただし、カウンセラー端末3に実装されている論理的手段や同端末3が記憶するデータについては、カウンセラー端末3固有のものとなっている。
【0082】
図5の制御部31は、CPU・ROM・RAM等を有し、ROM・記憶部32に記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードして実行し、それにより各種の論理的手段を実現する。
本例のカウンセラー端末3では、カウンセリングサービスを提供するために機能別に細分化された、画像処理手段311および音声処理手段312が実現される。
【0083】
画像処理手段311は、カウンセリングサービスの提供中にカメラ36で撮像されたカウンセラーの顔画像を保護者端末5あてに送信する。
また、画像処理手段311は、カウンセリングサービスの提供中に保護者端末5から送信されてきた保護者の顔画像を受信して液晶ディスプレイ(図示略)等の出力部34に入力する。
これにより、カウンセラー端末3の出力部34において保護者の顔画像が表示される。
【0084】
音声処理手段312は、カウンセリングサービスの提供中、音声入力部37で得られた音声信号(カウンセラーの発話など)を保護者端末5あてに送信する。
また、音声処理手段312は、カウンセリングサービスの提供中、保護者端末5から送信された音声信号(保護者の発話など)を受信して音声出力部38に入力する。これにより、音声出力部38において保護者の発話(発言内容)が音声出力される。
【0085】
なお、カウンセラー端末3と保護者端末5の間で電子メール・チャットなどによる文字情報の送受信をおこなう場合、本カウンセラー端末3は、文字情報の登録・編集・表示が可能なメッセージ処理手段(図示略)を備えていてもよい。
【0086】
[児童端末]
つぎに、児童端末4の電気的構成について説明する。
図6に示すように、ハードウェア的観点からみた児童端末4の装置構成は、上述した講師端末2と基本的に同一である。
ただし、本例において、児童端末4は、機能制限により講師端末2よりも利用できる機能が少なくなっている。
具体的には、児童端末4では、講師端末2には認められていた学習教材データ222の作成機能(学習教材作成手段)が非実装となっている。
【0087】
図6の制御部41は、CPU・ROM・RAM等を有し、ROM・記憶部42に記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードして実行し、それにより各種の論理的手段を実現する。
児童端末4においては、受講申込手段411、教材表示手段412、画像処理手段413、音声処理手段414、児童コミュニティ回答手段415、復習・予習手段416およびアーカイブ視聴手段417が実現される。
【0088】
受講申込手段411は、日本語教育サービスの受講申込を送信する。
【0089】
教材表示手段412は、講師端末2からの学習教材データ222を受信して出力部44に入力することで、出力部44に学習教材を画面表示させる。
なお、本例では、講師が作成した学習教材データ222を受講者に配布すべく、講師端末2から送信された学習教材データは児童端末4においてダウンロード(保存)可能となっている。そのため、当該ダウンロードされた学習教材データ422が記憶部42内に記憶されている。
【0090】
児童端末4が備える画像処理手段413および音声処理手段414が果たす役割は、図4に示した講師端末2において対応する画像処理手段212・音声処理手段213と同一である。
【0091】
図6の児童コミュニティ回答手段415は、児童コミュニティへの加入の要否にかかる質問を情報管理サーバ1から受信し、その要否にかかる回答結果を同サーバ1に送信する。
【0092】
なお、情報管理サーバ1は、同じ児童コミュニティグループに所属する各児童がそれぞれ使用する児童端末4(4-1・4-2)を相互に通信可能に接続し、当該児童コミュニティグループに所属する各児童に対して「児童交流サービス」を提供する。
「児童交流サービス」の活動例としては、写真コンテスト・お絵かきコンテスト・グリーティングカード作り・ハロウィンの仮装大会・クリスマス会といった企画を、児童コミュニティグループに属する児童や講師により実施してもよい。
また、このような企画への参加は、児童コミュニティグループに属する児童に限らず、児童コミュニティグループに属していない児童にも参加機会を与えるようにしてもよい。これにより、普段は海外生活により交流関係が限られてしまっている児童に対し、より広い交流を得られやすくできる。
【0093】
復習・予習手段416は、復習用の学習教材データ222や予習用の学習教材データ222を講師端末2から取得(ダウンロード)するとともに、当該ダウンロードした復習用の学習教材データ222や予習用の学習教材データ222を用いた児童による復習・予習の実施時の動作を担う。
なお、本システムでは、講師端末2において、「復習用の学習教材データ222」・「予習用の学習教材データ222」が児童端末4からダウンロード可能なように公開されている。
復習・予習手段416は、同端末4を使用する児童により任意の「復習用の学習教材データ222」ないしは「予習用の学習教材データ222」が選択されたときに、当該選択されたデータにかかる送信要求を講師端末2(教材表示手段211)に送る。
すると、講師端末2は、児童端末4(復習・予習手段416)に対し、送信要求された「復習用の学習教材データ222」ないしは「予習用の学習教材データ222」を公衆通信網200を介して送信する。
なお、復習・予習手段416は、講師端末2から受信した復習用の学習教材データ・予習用の学習教材データを、学習教材データ422として記憶部42に書込む。
【0094】
復習・予習手段416は、たとえば、1ターム分(全12回分など)の復習用の学習教材データ222・予習用の学習教材データ222双方を一括してダウンロードする。
復習用の学習教材データや予習用の学習教材データは、講師により執り行われる日本語授業中に使用される「オンライン授業用の学習教材データ222」の内容と連動する内容となっており、児童が復習・予習をこなしたうえで日本語授業に臨むことで、授業内容の理解が大幅に促進されるようになっている。
児童が、授業時間外に独自に予習(図16図19)をすることが児童にとっての「知識のインプット」となり、日本語授業(図10図11)は児童にとって「得た知識をアウトプットする場」として位置づけられる。
【0095】
また、復習・予習手段416は、児童が復習・予習をおこなう際、児童によって選択された「復習用の学習教材データ422」もしくは「予習用の学習教材データ422」を記憶部42から読出し、出力部44に画面表示する。
さらに、復習・予習手段416は、画面表示されている復習用の学習教材データ422や予習用の学習教材データ422の表示オブジェクトに対する、児童からの入力操作を受付け、当該操作に応じた表示オブジェクトの画面上における位置移動などを実行する。
【0096】
本例では、復習用の学習教材データ422と予習用の学習教材データ422の教材内容は、それぞれ別個の役割を担っている。
予習用の学習教材データ222の教材内容は「読み」(視覚的に知識をインプットすること)に重点を置いたものとなっている。
たとえば、予習用の学習教材データ222では、まず、漢字の成りたちについての解説を参照させる。
その後、成りたちを解説した当該漢字をいくつかの構成部分に分けておき(図16)、それら構成要素をパズルのように正しい配置に並べることで元の漢字を回答させる(図17)。
このような形態の設問であれば、視認したイメージを基に直感的に漢字を学習することができる。
そのため、児童は、文字を覚える際に、特段、文字の形をなぞるように手を動かすストレスから解放され、さらにゲーム感覚で楽しみながら飽きが来ることなく日本語を学ぶことができる。
また、図18図19のような回答形式の教材例も、視覚的に知識をインプットする「読み」に重点を置いたものに含まれる。
【0097】
復習用の学習教材データ422の教材内容は、「書き」(文字の形をなぞるような端末入力をすること)に焦点を合わせたものとしてもよい。
文字の形をなぞるように端末入力させる復習用の学習教材データ422の例としては、図15のような教材が挙げられる。
【0098】
なお、本願の復習用の学習教材データ422・予習用の学習教材データ422は、日本語授業時間外に講師がいない状態で児童が利用することを考慮しているため、当該教材に含まれた問題に児童が回答したときに児童自身で答え合わせを行えるよう、正誤結果を確認できる「正誤判定機能」を含んでいる(図17)。
復習・予習手段416は、この正誤判定処理も実行する。
なお、図17の画面例では、正誤の判定結果(解答が誤りであることを示す「×」)と、その学習教材にかかる正答率が表示されている。
【0099】
さらに、本願の復習用・予習用の学習教材データ422は、正誤判定された各解答結果を集計し、成績(集計結果)を表示する機能も有している。
たとえば、「20問の出題中、正答できた問題数が16問である」とか「正答率」(図17)などを、児童が毎回確認できるようになっている。
【0100】
図6のアーカイブ視聴手段417は、授業アーカイブデータ223を講師端末2から取得(ダウンロード)するとともに、当該ダウンロードした授業アーカイブデータの再生処理を担う。
アーカイブ視聴手段417は、同端末4を使用する児童により任意の「授業アーカイブデータ223」が選択されたときに、当該選択された授業アーカイブデータ223にかかるダウンロード要求を講師端末2に送る。
児童が、都合により日本語授業を受けることができなかった場合でも、アーカイブ視聴手段417により再生された授業アーカイブデータを視聴することで、後日の学習実施が可能になる。
【0101】
[保護者端末]
つぎに、保護者端末5の電気的構成について説明する。
図7に示すように、ハードウェア的観点からみた保護者端末5の装置構成は、上述したカウンセラー端末3と基本的に同一である。
ただし、保護者端末5に実装されている論理的手段や同端末5が記憶するデータについては、保護者端末5固有のものとなっている。
【0102】
図7の制御部51は、CPU・ROM・RAM等を有し、ROM・記憶部52に記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードして実行し、それにより各種の論理的手段を実現する。
保護者端末5においては、画像処理手段511、音声処理手段512、カウンセリング要否回答手段513および保護者コミュニティ回答手段514が実現される。
【0103】
保護者端末5が備える画像処理手段511・音声処理手段512が果たす役割は、図5に示したカウンセラー端末3において対応する画像処理手段311・音声処理手段312と同一である。
すなわち、カウンセリングサービスが提供されている間、画像処理手段511(図7)は、カメラ56で撮像された保護者の顔画像をカウンセラー端末3あてに送信する。
また、カウンセリングサービスが提供されている間、同手段511は、カウンセラー端末3から送信されてきたカウンセラーの顔画像を受信して出力部54に入力する。
これにより、保護者端末5の出力部54においてカウンセラーの顔画像が表示される。
【0104】
また、カウンセリングサービスが提供されている間、音声処理手段512は、音声入力部57で得られた音声信号(保護者の発話など)をカウンセラー端末3あてに送信する。
また、カウンセリングサービスが提供されている間、同手段512は、カウンセラー端末3から送信された音声信号(カウンセラーの発話など)を受信して音声出力部58に入力することで、音声出力部58にカウンセラーの発話(発言内容)を音声出力させる。
【0105】
カウンセリング要否回答手段513は、カウンセリングサービスの要否にかかる質問を情報管理サーバ1から受信し、その要否にかかる回答結果を同サーバ1に送信する。
【0106】
保護者コミュニティ回答手段514は、保護者コミュニティへの加入の要否にかかる質問を情報管理サーバ1から受信し、その要否にかかる回答結果を同サーバ1に送信する。
【0107】
なお、情報管理サーバ1は、同じ保護者コミュニティグループに所属する各保護者がそれぞれ使用する保護者端末5を相互に通信可能に接続し、当該保護者コミュニティグループに所属する各保護者に対して「保護者交流サービス」を提供する。
「保護者交流サービス」の活動形態としては、保護者同士の座談会・カウンセラーによる保護者向けの講演会・あるテーマに沿った俳句コンテストといった企画を、保護者コミュニティグループに属する保護者やカウンセラー・講師により実施してもよい。
これにより、コミュニティへの参加意思に配慮しつつ、日本語授業を受けている児童を持つ親同士のつながりを形成することができる。
【0108】
また、このような保護者交流サービスへの参加は、保護者コミュニティグループに属する保護者に限らず、たとえ保護者コミュニティグループに属していなくとも本システムにおいて日本語授業を受けている児童の保護者にも広く参加機会を与えるようにしてもよい。
これにより、普段は海外生活により交流関係が限られてしまっている保護者に対し、より広い交流機会を与えることができる。
【0109】
[在籍校端末]
つぎに、在籍校端末6の電気的構成について説明する。
図8に示すように、ハードウェア的観点からみた在籍校端末6の装置構成は、上述した各端末2~5と基本的に同一である。
ただし、在籍校端末6に実装されている論理的手段や同端末6が記憶するデータについては、在籍校端末6固有のものとなっている。
なお、図8の構成例では、カメラ・音声入力部・音声出力部を具備しない例を示しているが、これらの各構成要素については任意に備えていてもよい。
【0110】
図8の制御部61は、CPU・ROM・RAM等を有し、ROM・記憶部62に記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードして実行し、それにより各種の論理的手段を実現する。
在籍校端末6においては、学校情報送信手段611および支援必要児童通知手段612が実現される。
【0111】
学校情報送信手段611は、当該在籍校端末6が使用されている在籍校に関する情報(学校情報)を、情報管理サーバ1あてに送信する。
情報管理サーバ1は、在籍校端末6から送信されてきた学校情報を、記憶部12内のサービス情報121に記憶する。
「学校情報」の例としては、在校生の人数・日本人生徒の人数・年間の授業料・新学期の開始時期といった情報が挙げられる。
なお、「学校情報」は、たとえば日本語教育サービス・カウンセリングサービスの提供を実施する運営者側から依頼があったときに送信される。
【0112】
支援必要児童通知手段612は、当該在籍校端末6が使用されている在籍校内に日本語教育サービスの提供を必要とする他の日本人児童がいることの支援必要児童通知を、情報管理サーバ1あてに送信する。
【0113】
[実施形態1:動作シーケンス]
つぎに、本実施形態に係る海外在住支援システム100の動作について説明する。
【0114】
[日本語教育サービス]
まず、本システム100において「日本語教育サービスの提供」をおこなうときの各構成要素の動作について説明する。
講師は日本語教育の授業を始める際、講師端末2において言語教育用アプリケーション221を起動し、受講グループを選択する。
この説明例では、図10のようにグループ1が受講グループとして選択される。受講グループは、日本語教育の授業時間内において1人の講師でも各児童をサポートしやすいように所定最大数以下の児童で構成されている。
【0115】
言語教育用アプリケーション221の起動後、講師により日本語教育サービスの提供開始が講師端末2に指示されると、図9に示すように、日本語教育サービスの提供開始処理がなされる(ステップS11)。
【0116】
なお、日本語教育サービスの提供開始処理がされると、講師端末2から児童端末4に対して学習教材データ222の送信(ステップS12)が開始され、さらに授業の録画が開始される(ステップS13)。
また、同端末4にむけて、カメラ26により撮像した講師の顔画像の送信(ステップS14)や音声入力部27により得られた音声信号の送信(ステップS15)が行われる。
なお、講師端末2におけるステップS14~S15の処理は、日本語教育サービスの提供期間中、繰返し実行される。
【0117】
また、講師端末2による日本語教育サービスの提供が開始されると、同じ受講グループに属する児童の各児童端末4においても、講師端末2にむけて、カメラ46により撮像した児童の顔画像の送信(ステップS16)や音声入力部47により得られた音声信号の送信(ステップS17)が行われる。
各児童端末4におけるステップS16・S17の処理も、日本語教育サービスの提供期間中、繰返し実行される。
本例では、図10図12のように、講師の顔画像と児童の顔画像の両方が表示された日本語教育サービス画面が児童端末4の出力部44に表示される。
なお、同図10において画面表示された日本語教材の内容は、機械音声の再生により読上げてもよい。
【0118】
日本語教育の授業形態としては、たとえば、授業時間の前半部分を、学んだ知識の復習や新たな語彙の学習をおこない、授業時間の後半部分を、語彙を応用した知識の定着を図るようにしてもよい。
【0119】
本システムにおける日本語授業は、学習教材データ222などを使用した通常の日本語の授業実施だけでなく「講師や児童同士と日本語で会話すること」にも重点を置いている。
このような機会を設けることで、海外在住中の児童同士の情報交換やコミュニケーションが図られる。
さらに、講師は、日本語授業を受けている児童たちが将来的に日本に帰国したときでも新たな環境で孤立せずに共通の話題を持ちやすいよう、日本国内における流行しているもの等の情報を与えたり、日本の昔話(竹取物語・桃太郎など)を聞かせるように配慮する。
なお、学習教材データ222を使用した日本語の授業内容も、文字を書くことに焦点を当てたものではなく、読むことや話すことに軸足を置いたものとなっている。
【0120】
なお、本システムにおいては、各講師は、通常の日本語教育授業とは内容が異なる「課外授業」を企画して開催してもよい。
図13は、児童端末4に表示される「課外授業時」における画面例である。
「課外授業」の具体例としては、あるテーマに沿った写真コンテスト・あるテーマに沿ったお絵かきコンテスト・グリーティングカード作り・ハロウィンの仮装大会・クリスマス会といった企画を、日本語授業サービスを利用している児童や講師により実施してもよい。
さらに、「課外授業」には、児童の保護者も参加するようにしてもよい。
【0121】
このような「課外授業」を催すことにより、普段は海外生活により交流関係が限られてしまっている児童に対し、より広い交流を得られやすくできる。
本システムにおいて日本語授業は、所定最大数(たとえば5人)以下の受講グループを対象に行われている。
このような授業形態では、講師による児童へのサポートが充分図られるというメリットが得られる一方、異なる受講グループの児童同士は普段おたがいに知り合う機会がないというトレードオフも生じる。
しかし、課外授業の実施により、このような受講グループ間の垣根を取払い、日本語授業を受けている児童同士の交流が広まる。
【0122】
なお、講師端末2は、日本語教育サービスの提供中、その授業を録画している。
講師端末2は、(1)日本語教育サービスの提供中に出力部24により画面表示された学習教材データ222、(2)日本語教育サービスの提供中にカメラ26が撮像した講師の顔画像、(3)画像処理手段212が日本語教育サービスの提供中に児童端末4から受信した児童の顔画像、(4)日本語教育サービスの提供中に音声入力部27が取得した音声信号(講師の発話など)や学習教材データ222による再生音(日本語音声や効果音など)の音声信号、(5)日本語教育サービスの提供中に音声処理手段213が児童端末4から受信した音声信号(児童の発話など)、を録画・録音する。
また、講師端末2は、上記の録画・録音した画像・音声信号を、授業アーカイブデータ223として記憶部22に書込む。
【0123】
所定の授業時間が経過し、日本語教育サービスの提供を終了するときは、講師が入力部23の操作を介して日本語教育サービスの提供終了を講師端末2に指示することで、日本語教育サービスの提供終了処理がなされる(図9のステップS18)。
これにより、日本語教育サービスの提供期間中、相互に行われていた講師の顔画像・児童の顔画像ならびに音声信号の送受信も終了する。
以上で、海外在住支援システム100において「日本語教育サービスの提供」をおこなうときの一連の動作が終了する。
【0124】
[児童端末における授業アーカイブデータの視聴]
なお、児童端末4は、授業アーカイブデータ223を講師端末2からダウンロード可能である。
この場合、図14のように、児童端末4から、授業アーカイブデータ223のダウンロード要求が送られると(ステップS21)、当該要求に応じて、講師端末2は、授業アーカイブデータ223を同端末4あてに送信する(ステップS22)。
児童が、都合により日本語授業を受けることができなかった場合でも、児童端末4のアーカイブ視聴手段417により再生された授業アーカイブデータを視聴する(ステップS23)ことで、後日の学習をおこなえる。
【0125】
[児童端末における復習・予習の動作]
児童端末4を使用する児童により任意の「復習用の学習教材データ222」ないしは「予習用の学習教材データ222」が選択されたときに、当該選択されたデータにかかる送信要求を講師端末2(教材表示手段211)に送信する。
すると、講師端末2は、児童端末4(復習・予習手段416)に対し、送信要求された「復習用の学習教材データ222」ないしは「予習用の学習教材データ222」を公衆通信網200を介して送信する。
【0126】
児童端末4(図6)は、講師端末2から受信した復習用の学習教材データ・予習用の学習教材データを、学習教材データ422として記憶部42に書込む。
児童端末4は、たとえば、1ターム分(全12回分など)の復習用の学習教材データ222・予習用の学習教材データ222双方を一括してダウンロードする。
【0127】
児童端末4は、児童が復習・予習をおこなう際、児童によって選択された「復習用の学習教材データ422」もしくは「予習用の学習教材データ422」を記憶部42から読出し、出力部44に画面表示する。
さらに、復習・予習手段416は、画面表示されている復習用の学習教材データ422や予習用の学習教材データ422の表示オブジェクトに対する、児童からの入力操作を受付け、当該操作に応じた表示オブジェクトの画面上における位置移動などを実行する。
児童が入力部43の操作を介して言語教育用アプリケーション421の終了を復習・予習手段416に指示することで、予習動作または復習動作の終了処理がなされる。
以上で、海外在住支援システム100の児童端末4において「日本語学習の復習・予習」をおこなうときの一連の動作が終了する。
【0128】
[カウンセリングサービス]
つぎに、本システム100において「カウンセリングサービスの提供」をおこなうときの各構成要素の動作について説明する。
カウンセラーはカウンセリングを始める際、カウンセラー端末3においてカウンセリング用アプリケーション321を起動する。
【0129】
カウンセリング用アプリケーション321の起動後、カウンセラーによりカウンセリングサービスの提供開始がカウンセラー端末3に指示されると、図20に示すように、カウンセリングサービスの提供開始処理がなされる(ステップS31)。
【0130】
なお、カウンセリングサービスの提供開始処理がされると、カウンセラー端末3から保護者端末5にむけて、カメラ36により撮像したカウンセラーの顔画像の送信(ステップS32)や音声入力部37により得られた音声信号の送信(ステップS33)が行われる。
なお、カウンセラー端末3におけるステップS32~S33の処理(図20)は、カウンセリングサービスの提供期間中、繰返し実行される。
【0131】
また、カウンセラー端末3によるカウンセリングサービスの提供が開始されると、保護者端末5においても、カメラ56により撮像した保護者の顔画像の送信(ステップS34)や音声入力部57により得られた音声信号の送信(ステップS35)がカウンセラー端末3にむけて行われる。
保護者端末5におけるステップS34・S35の処理についても、カウンセリングサービスの提供期間中、繰返し実行される。
【0132】
なお、カウンセリングサービスの提供を終了するときは、カウンセラーが入力部33の操作を介してカウンセリングサービスの提供終了をカウンセラー端末3に指示することで、カウンセリングサービスの提供終了処理がなされる(ステップS36)。
これにより、カウンセリングサービスの提供期間中、相互に行われていたカウンセラーの顔画像・保護者の顔画像ならびに音声信号の送受信も終了する。
以上で、海外在住支援システム100において「カウンセリングサービスの提供」をおこなうときの一連の動作が終了する。
【0133】
[支援必要児童の通知]
つぎに、本システム100において「支援必要児童の通知」をおこなうときの各構成要素の動作について説明する。
在籍校では、自校に通っている日本人児童のなかに日本語教育サービスの提供を必要とする児童がいた場合、図21のように、在籍校端末6を介して「支援必要児童通知」を情報管理サーバ1あてに送信する(ステップS41)。
情報管理サーバ1は、在籍校端末6から、当該在籍校内に日本語教育サービスの提供を必要とする日本人児童がいる旨の「支援必要児童通知」を受信する。
【0134】
その後、情報管理サーバ1は、在籍校端末6からの支援必要児童通知にかかる児童の児童端末4から日本語教育サービスの受講申込が送信されると(ステップS42)、情報管理サーバ1は、当該受講申込を受信したのち、当該児童の児童名と、同児童の保護者名と、同児童が在籍している在籍校を関連付けて新たにサービス情報121に記憶する(ステップS43)。
【0135】
なお、在籍校端末6は、当該在籍校に関する情報(学校情報)を不定期に送信する(ステップS44)。
この場合、情報管理サーバ1は、当該学校情報を受信したのち、同学校情報を、その在籍校名と対応付けてサービス情報121に記憶する(ステップS45)。
以上で、海外在住支援システム100において「支援必要児童の通知」をおこなうときの一連の動作が終了する。
【0136】
以上説明したように、実施形態1に係る海外在住支援システム100によれば、「海外在住の日本人児童にむけて日本語教育サービスを提供」することにより、当該児童における日本語力の向上を図ることができる。
【0137】
また、海外に在住している児童の保護者は、言語や習慣の違いという壁により、大きな心理的負担がかかりがちである。
このような海外に在住している保護者を取巻く事情は想像に難くないものの、従来の技術では、このような保護者のストレスを軽減するためのカウンセリングサービスを本格的に提供する仕組には焦点が当てられてこなかった。
しかしながら、本実施形態1の海外在住支援システム100によれば、「海外生活を送っている子供を持つ保護者へのカウンセリングサービス提供」により、当該保護者が抱えている悩みを解消する支援が行える。
【0138】
なお、本実施形態に係るプログラム(アプリケーション)を任意の多機能電子装置に導入することにより、本発明の特徴的な各種機能を付加することができ、上記講師端末2やカウンセラー端末3を構成可能である。
また本実施形態によれば、多機能電子装置に専用アプリケーションをインストールするだけで、簡易かつ短時間で、これらの端末2・3を構成できる。
【0139】
[実施形態2]
海外に在住している日本人児童の全員が必ずしも、学校に通っているわけではないという実態がある。
日本人学校は都市部にしか展開されていないことも多いため、生活する環境によっては、家から通える範囲に首尾よく学校を見つけることができないケースも存在する。
このような場合には、学校に通わずに、児童が自宅で学習することになる。
また、このような環境下にあった児童が、運よく自宅から通学できそうな学校を見つけた場合でも、入学を検討している学校(以下、「入学予定校」と称する)にコンタクトしようにも、言葉の壁などにより、うまく意思疎通ができず入学手続に至らないケースもある。
また、入学予定校についての学校情報が充分得られないため、学校内部の様子が分からず、入学すべきかどうか判断できない状態が長引いてしまうケースもある。
【0140】
このような問題点を解決するために、実施形態2の海外在住支援システム100Aでは、上述した実施形態1の機能に加え、特定の入学予定校への入学意思を海外在住の日本人児童が持っているにも関わらず、当該入学予定校への入学手続が円滑に進んでいないときの入学補助サポートも提供する構成とした。
【0141】
図22は、実施形態2に係る海外在住支援システム100Aの構成を示すブロック図である。
上記「入学補助サポート機能」を実現するために、実施形態2の海外在住支援システム100Aは、図22のように、実施形態1に示した海外在住支援システム(図1)の構成に加え、入学補助端末7と、入学予定校端末8と、をさらに備える。
なお、海外在住支援システム100Aは、図1に示した海外在住支援システム100と同様に、情報管理サーバ1と、講師端末2と、カウンセラー端末3と、児童端末4と、保護者端末5と、在籍校端末6も備えている。
【0142】
図22の公衆通信網200としては、インターネットや移動体通信網などが該当する。
本システム100Aにおいて、情報管理サーバ1と、講師端末2と、カウンセラー端末3と、児童端末4と、保護者端末5と、在籍校端末6と、入学補助端末7と、入学予定校端末8とは、公衆通信網200を介して相互に通信可能な状態で接続される。
なお、インターネット等の公衆通信網200を採用する場合には、例えば、VPN(Virtual Private Network)技術等を利用すれば、セキュリティレベルを高く確保できる。
【0143】
入学補助端末7は、日本語教育サービスの提供を受けている児童が「入学を検討している現地校(入学予定校)」へ、当該児童が入学するための手続の補助に使用される端末である。
【0144】
入学予定校端末8は、日本語教育サービスの提供を受けている児童が入学を検討している入学予定校において使用されている端末である。
【0145】
本例において、情報管理サーバ1・講師端末2・カウンセラー端末3・入学補助端末7は、日本語教育サービスやカウンセリングサービスを提供するサービス運営側が所有する端末である。
情報管理サーバ1は、児童の児童名と、当該児童の保護者名と、当該児童が在籍している在籍校とを関連付けて記憶している。
【0146】
講師端末2は、児童に対して日本語教育をおこなう講師が使用する。
この講師端末2は、複数台の児童端末4と同時接続し、多人数からなるグループに対して言語教育をおこなうため、オンラインによる学習環境において理解度のチェックや質問・アドバイスなどを円滑に実施できる。
また、日本語授業において使用する学習教材データ222を、受講者である児童に一斉に提示・配布する。
【0147】
カウンセラー端末3は、海外在住中の児童を抱える保護者にカウンセリングをおこなうカウンセラーが使用する。
本例では、カウンセラー端末3は、保護者端末5に対して1対1で接続し、個人情報や相談内容が漏洩しない形式でカウンセリングサービスを提供する。
【0148】
児童端末4は児童が使用し、保護者端末5は保護者が使用する。
図22の例では、児童端末4-1・4-2の2台のみが示されているが、児童端末4の台数は任意でよい。
本発明では、各児童端末4は、海外(日本国外)で使用されることを想定している。
ただし、すでに海外在住を終えて帰国した児童であっても、希望する場合には、本システム100における日本語教育サービスに加入できる。
日本語教育とカウンセリングを受けるために利用できる電子装置(PC(Personal Computer)・タブレット端末など)が家庭内に1台しかない場合、同一筐体の電子装置を「児童端末4」兼「保護者端末5」として使用することも可能である。
【0149】
近年では、セキュリティ上の観点などから、児童であっても「スマートフォン」を所持することが多く、さらに、学校などの教育機関でも、児童に1人1台ずつ「タブレット端末」を貸与し、それらのタブレット端末を使用して授業をおこなうケースが増えている。
そのため、児童端末4としては、据置型・ノート型のPC(Personal Computer)はもちろん「スマートフォン」・「タブレット端末」などの携帯型の多機能電子装置も採用可能である。
インターネット経由によるオンラインの日本語教育サービス受講時は、CPUに対しかなりの処理負担がかかるものの、昨今のスマートフォンやタブレット端末による処理性能であれば、顔画像などの送受信処理を実行する際にも快適な動作速度を確保できる。
また携帯型の多機能電子装置であれば、携行性というメリットを備えるがゆえに、時差のある日本国内と海外の間であっても、児童が都合のつくときに気軽に日本語教育サービスを享受できる。
【0150】
[情報管理サーバ]
図22に示した実施形態2の情報管理サーバ1が有する機能は、同図1に示した情報管理サーバ1と同様である。
すなわち、実施形態2の情報管理サーバ1も、サービス情報管理手段111、受講グループ作成手段112、カウンセリング要否確認手段113、児童コミュニティ確認手段114・児童コミュニティ作成手段115、保護者コミュニティ確認手段116、保護者コミュニティ作成手段117、通知受信手段118を有する。
【0151】
サービス情報管理手段111は、サービス情報121(図3)を管理する手段であり、サービス情報121に対する情報登録や登録内容の削除を行う。
【0152】
実施形態2のサービス情報121は、日本語教育サービスを享受する児童と、その児童に関する属性の対応関係を指定する情報であり、たとえば、児童名と、当該児童の保護者名と、当該児童が在籍している在籍校の在籍校名と、同学校の情報と、当該児童が属する受講グループと、児童コミュニティ要否の回答結果と、保護者コミュニティ要否の回答結果とを対応付ける。
さらに、実施形態2においては、サービス情報121内の学校情報には「入学予定校端末8から送信されてきた学校情報」も記憶される。
【0153】
実施形態2の受講グループ作成手段112は、受講グループを作成する手段である。
受講グループは、所定最大数(たとえば5人)以下の児童からなるグループであり、1人の講師による1回の日本語教育授業は、いずれか1つの受講グループを対象に行われる。
図3の例では、同じ受講グループ(グループ1)に属している児童(鈴木太郎・小川健一)は、同じ講義を受けることになる。
【0154】
実施形態2のカウンセリング要否確認手段113は、日本語教育サービスの提供を受ける各児童の保護者から得たカウンセリングサービスの要否にかかる回答結果を、各児童の氏名と対応付けてサービス情報121(図3)に記憶する。
【0155】
実施形態2の児童コミュニティ確認手段114は、児童コミュニティへの加入の要否を日本語教育サービスの提供を受ける各児童の児童端末3に送信し、各児童から得た児童コミュニティ加入の要否にかかる回答結果を各児童の氏名と対応付けてサービス情報121に記憶する。
なお、児童コミュニティ作成手段115は、児童コミュニティへの加入が必要と回答した児童からなる児童コミュニティグループを作成する。
【0156】
実施形態2の保護者コミュニティ確認手段116は、保護者コミュニティへの加入の要否を各児童の保護者の保護者端末5に送信し、各保護者から得た保護者コミュニティ加入の要否にかかる回答結果を各児童の氏名および当該児童の保護者の氏名と対応付けて記憶する。
保護者コミュニティ作成手段117は、保護者コミュニティへの加入が必要と回答した保護者からなる保護者コミュニティグループを作成する。
【0157】
実施形態2の通知受信手段118は、在籍校端末6から、当該在籍校内に日本語教育サービスの提供を必要とする他の日本人児童がいる旨の「支援必要児童通知」を受信する。
なお、サービス情報管理手段111は、通知受信手段118が支援必要児童通知を受けた児童の児童端末4から「日本語教育サービスの受講申込」を受信したときに、当該児童の児童名と、同児童の保護者名と、同児童が在籍している在籍校とを関連付けて記憶する。
【0158】
また、実施形態2の通知受信手段118は、在籍校端末6から当該在籍校に関する情報(学校情報)が送信されてきた場合、この学校情報を受信する。
すると、サービス情報管理手段111は、当該学校情報を、その在籍校名と対応付けてサービス情報121に記憶する。
さらに、実施形態2の通知受信手段118は、入学予定校端末8から当該入学予定校に関する情報(学校情報)が送信されてきた場合、この学校情報を受信する。
すると、サービス情報管理手段111は、当該入学予定校の学校情報を、当該入学予定校への入学を検討中の児童名と、入学予定校の学校名(図3の例では、便宜的に在籍校名の項目欄を使用する。)と対応付けてサービス情報121に記憶する。
【0159】
つぎに、入学補助端末7・入学予定校端末8の各構成について順次説明する。
これらの入学補助端末7・入学予定校端末8についても、計算処理能力や記憶容量等の規模に相違があるものの、上述したサーバ1や端末2~6と装置構成は似通っている。
入学補助端末7・入学予定校端末8も、図22に示したように、液晶ディスプレイや図示しないプリンタ等を含む出力部74・84と、各種の演算処理を実行する装置本体と、キーボード及び図示しないマウスを含む入力部73・83と、を備えている。
【0160】
また、装置本体は、演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)を中心とした制御機能、ハードディスクドライブ(HDD)・ROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)等を利用する記憶機能、および、各種信号あるいは情報を送受信する通信機能等を有してなる。
【0161】
[入学補助端末]
図23は、実施形態2に係る入学補助端末7の電気的構成を示すブロック図である。
入学補助端末7は、図23に示すように、液晶ディスプレイ(図示略)等の出力部74と、タッチパネル(図示略)を含む入力部73とを備えている。
入力部73は、赤外線センサ等によるジェスチャー認識機能を備えたものでもよい。
また、入学補助端末7は、任意の演算処理を実行するCPU(中央処理装置)を含む制御部71のほか、ハードディスクドライブ(HDD)・ROM・RAM等を含む記憶部72、及び、各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む通信部75を備えている。
【0162】
通信部75は、インターネットや移動体通信網等の公衆通信網(図示略)に接続され、他装置との間で各種の通信を行う。通信部75としては、ネットワークインターフェース・モデム等が使用される。
【0163】
図23のように、入学補助端末7の制御部71は、同端末7に固有の特徴的な論理的手段として、リクエスト送信手段711を備えている。
【0164】
リクエスト送信手段711は、日本語教育サービスの提供を受けている児童から当該児童が入学を検討している入学予定校の情報を得たときに、当該入学予定校の入学予定校端末8あてに「情報提供リクエスト」を送信する。
情報管理サーバ1は、この情報提供リクエストに応答して、入学予定校端末8から送信されてきた「入学予定校の学校情報」を、当該入学予定校への入学を検討している児童と対応付けて記憶する。
なお、情報管理サーバ1は、この入学を検討している児童に対応付けられている「在籍校名」の項目欄に、入学予定校の学校名を書込む。
児童が入学を検討するケースとしては、すでにどこかの現地校(在籍校)に通っている児童が転校することにより新たに別の学校に入学することになったケースや、すでに海外在住ではあるもののまだどこの学校にも通学しておらず自宅学習していた児童が新規に入学を検討するケースが挙げられる。
さらに、海外在住の予定を控えているものの、まだ日本国内にとどまっており渡航前の児童も含みうる。
【0165】
[入学予定校端末]
図24は、実施形態2に係る入学予定校端末8の電気的構成を示すブロック図である。
入学予定校端末8は、図24に示すように、液晶ディスプレイ(図示略)等の出力部84と、タッチパネル(図示略)を含む入力部83とを備えている。
入力部83は、赤外線センサ等によるジェスチャー認識機能を備えたものでもよい。
また、入学予定校端末8は、任意の演算処理を実行するCPU(中央処理装置)を含む制御部81のほか、ハードディスクドライブ(HDD)・ROM・RAM等を含む記憶部82、及び、各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む通信部85を備えている。
【0166】
通信部85は、インターネットや移動体通信網等の公衆通信網(図示略)に接続され、他装置との間で各種の通信を行う。通信部75としては、ネットワークインターフェース・モデム等が使用される。
【0167】
図24のように、入学予定校端末8の制御部81は、同端末8に固有の特徴的な論理的手段として、情報提供リクエスト受付手段811および学校情報送信手段812を備えている。
【0168】
情報提供リクエスト受付手段811は、入学補助端末7から送信された情報提供リクエストを受信する。
【0169】
学校情報送信手段812は、上記手段811が情報提供リクエストを受信したときに、入学予定校に関する学校情報を情報管理サーバ1あてに送信する。
情報管理サーバ1は、入学予定校端末8から送信されてきた学校情報を、記憶部12内のサービス情報121に記憶する。
【0170】
[実施形態2:動作シーケンス]
つぎに、本実施形態に係る海外在住支援システム100Aの動作について説明する。
【0171】
以下、本システム100Aにおいて、「入学予定校の学校情報を得る」ときの各構成要素の動作について説明する。
図25のように、入学補助端末7は、日本語教育サービスの提供を受けている児童から当該児童が入学を検討している入学予定校の情報を得たときに、同入学予定校の入学予定校端末8あてに「情報提供リクエスト」を送信する(ステップS51)。
【0172】
すると、入学予定校端末8は、入学補助端末7から送信された情報提供リクエストを受信する。
続いて、入学予定校端末8は、入学予定校に関する学校情報を情報管理サーバ1あてに送信する(ステップS52)。
【0173】
情報管理サーバ1は、入学予定校端末8から送信されてきた学校情報を、記憶部12内のサービス情報121に記憶する(ステップS53)。
以上で、海外在住支援システム100Aにおいて入学予定校に関する学校情報を取得するときの一連の動作が終了する。
【0174】
以上説明したように、実施形態2に係る海外在住支援システム100Aによれば、入学予定校端末8から入学予定校の学校情報を取得することによって情報管理サーバ1が保有するサービス情報121の充実が図られる。
これにより、入学予定校への入学意思を持つ児童が、独力では取得できなかった入学予定校についての学校情報を参照できるようになり、当該入学予定校への入学手続を進展させることが期待される。
【0175】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が理解し得る各種の変形が可能である。
【符号の説明】
【0176】
1 情報管理サーバ
2 講師端末
3 カウンセラー端末
4 児童端末
5 保護者端末
6 在籍校端末
7 入学補助端末
8 入学予定校端末
100、100A 海外在住支援システム
200 公衆通信網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2023-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海外に在住する児童に対する日本語教育サービスと、当該児童の保護者に対するカウンセリングサービスを、公衆通信網を介して提供可能な海外在住支援システムであって、

前記児童が使用する児童端末と、
前記保護者が使用する保護者端末と、
前記児童に対して日本語教育をおこなう講師が使用する講師端末と、
前記保護者に対してカウンセリングをおこなうカウンセラーが使用するカウンセラー端末と、
前記児童と、当該児童の保護者と、当該児童が在籍している在籍校と、を関連付けて記憶するサービス情報管理手段を有する情報管理サーバと、
を具備してなり、

前記講師端末は、前記公衆通信網を介して当該講師端末と接続中の児童端末に対して日本語教育サービスを提供し、
前記カウンセラー端末は、前記公衆通信網を介して当該カウンセラー端末と接続中の保護者端末に対してカウンセリングサービスを提供する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の海外在住支援システムであって、

前記情報管理サーバは、
所定最大数以下の児童からなる受講グループを作成する受講グループ作成手段と、
を備え、

当該海外在住支援システムにおいて日本語教育サービスを提供する際、
前記受講グループ作成手段が作成した受講グループの児童を担当する講師が使用する1台の講師端末と、当該受講グループに所属する各児童がそれぞれ使用する所定最大数以下の児童端末とが前記公衆通信網により通信可能に接続されたのちに、
前記講師端末が、当該受講グループに所属する各児童によって使用される児童端末に対する日本語教育サービスの提供を開始する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の海外在住支援システムであって、

前記講師端末および前記児童端末は、
任意の画像を撮像するカメラ、
を備え、

前記日本語教育サービスの提供中に、
相互に通信可能に接続している1台の講師端末および同じ受講グループに所属する各児童の児童端末が備えるカメラでそれぞれ撮像した講師の顔画像と各児童の顔画像が、これら講師端末および児童端末の間で相互に共有される
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の海外在住支援システムであって、

前記情報管理サーバは、
児童コミュニティへの加入の要否を日本語教育サービスの提供を受ける各児童の児童端末に送信し、前記各児童から得た児童コミュニティ加入の要否にかかる回答結果を各児童の氏名と対応付けて記憶する児童コミュニティ確認手段と、
前記児童コミュニティへの加入が必要と回答した児童からなる児童コミュニティグループを作成する児童コミュニティ作成手段と、
をさらに備え、

同じ児童コミュニティグループに所属する各児童がそれぞれ使用する児童端末を相互に通信可能に接続し、当該児童コミュニティグループに所属する各児童に対して児童交流サービスを提供する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の海外在住支援システムであって、

当該海外在住支援システムにおいて日本語教育サービスの提供を受けている児童が在籍している在籍校において使用する在籍校端末、
をさらに備え、

前記情報管理サーバは、
前記在籍校端末から、当該在籍校内に日本語教育サービスの提供を必要とする他の日本人児童がいることの支援必要児童通知を受信する通知受信手段と、
前記通知受信手段が支援必要児童通知を受けた児童の児童端末から日本語教育サービスの受講申込を受信したときに、当該児童と、同児童の保護者と、同児童が在籍している在籍校とを関連付けて新たに記憶する前記サービス情報管理手段と、
を有し、

前記講師端末は、
前記サービス情報管理手段により新たに記憶された児童の児童端末に対して日本語教育サービスを提供する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項6】
請求項5に記載の海外在住支援システムであって、

当該海外在住支援システムにおいて日本語教育サービスの提供を受けている児童が入学を検討している入学予定校において使用されている入学予定校端末と、
前記入学予定校へ児童が入学するための手続の補助に使用される入学補助端末と、
をさらに備え、

前記入学補助端末は、
日本語教育サービスの提供を受けている児童から当該児童が入学を検討している入学予定校の情報を得たときに、当該入学予定校の入学予定校端末に情報提供リクエストを送信するリクエスト送信手段、
を有し、

前記入学予定校端末は、
入学補助端末から前記情報提供リクエストを受信したときに、入学予定校に関する学校情報を情報管理サーバあてに送信する学校情報送信手段、
を有し、

前記情報管理サーバのサービス情報管理手段は、
前記情報提供リクエストに応答して、前記入学予定校端末から送信されてきた入学予定校情報を、当該入学予定校への入学を検討している児童と対応付けて記憶する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の海外在住支援システムであって、

前記情報管理サーバは、
日本語教育サービスの提供を受ける各児童の保護者から得たカウンセリングサービスの要否にかかる回答結果を、各児童の氏名と対応付けて記憶するカウンセリング要否確認手段、
をさらに備え、

前記カウンセリングサービスが必要と回答した保護者を担当するカウンセラーが使用するカウンセラー端末が、前記公衆通信網により通信可能に接続された保護者端末に対してカウンセリングサービスを提供する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項8】
請求項7に記載の海外在住支援システムであって、

前記カウンセラー端末および前記保護者端末は、
任意の画像を撮像するカメラ、
を備え、

前記カウンセリングサービスの提供中に、
相互に通信可能に接続しているカウンセラー端末と保護者端末が備える各カメラで撮像したカウンセラーの顔画像および保護者の顔画像が、これらカウンセラー端末および保護者端末の間で相互に共有される
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。
【請求項9】
請求項に記載の海外在住支援システムであって、

前記情報管理サーバは、
保護者コミュニティへの加入の要否を各児童の保護者の保護者端末に送信し、前記各保護者から得た保護者コミュニティ加入の要否にかかる回答結果を各児童の氏名および当該児童の保護者の氏名と対応付けて記憶する保護者コミュニティ確認手段と、
前記保護者コミュニティへの加入が必要と回答した保護者からなる保護者コミュニティグループを作成する保護者コミュニティ作成手段と、
をさらに備え、

同じ保護者コミュニティグループに所属する各保護者がそれぞれ使用する保護者端末を相互に通信可能に接続し、当該保護者コミュニティグループに所属する各保護者に対して保護者交流サービスを提供する
ように構成されたことを特徴とする、海外在住支援システム。