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特開2024-82571機器制御システム、プログラム、及び機器制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082571
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】機器制御システム、プログラム、及び機器制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240613BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240613BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20240613BHJP
   F24F 11/52 20180101ALN20240613BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
H04L12/28 500A
F24F11/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196514
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 航平
【テーマコード(参考)】
3L260
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
3L260BA73
3L260BA74
3L260CA03
3L260GA12
3L260GA14
3L260GA15
3L260GA30
5K048BA08
5K048BA12
5K048DC01
5K048EB02
5K048EB06
5K048EB10
5K048EB11
5K048EB12
5K048FB03
5K048FB05
5K048FB08
5K048FB09
5K048FB10
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
5K048HA23
5K201AA05
5K201BA01
5K201BA02
5K201CC10
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED08
5K201EF10
5K201FA03
(57)【要約】
【課題】制御対象機器の現在の利用状況が把握し易く、より適切で容易な遠隔操作を実現し易くすることが可能な機器制御システムを提供する。
【解決手段】機器制御システムは、制御対象となり得る少なくとも一つの制御対象機器と、制御対象機器を遠隔操作可能な端末装置のコンピュータに実行させるためのプログラムと、を含む。制御対象機器は、当該制御対象機器の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報を取得する情報取得部を備える。プログラムは、取得処理と、表示処理と、をコンピュータに実行させる。取得処理は、制御対象機器に関する機器情報と生体検出情報とを取得させる。表示処理は、制御対象機器の操作画面を端末装置の表示部に表示させるとともに、生体検出情報に基づいて機器情報の表示態様を決定して表示部に表示させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象となり得る少なくとも一つの制御対象機器と、
前記制御対象機器を遠隔操作可能な端末装置のコンピュータに実行させるためのプログラムと、
を含む、機器制御システムであって、
前記制御対象機器は、
当該制御対象機器の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報を取得する情報取得部を備え、
前記プログラムは、
前記制御対象機器に関する機器情報と前記生体検出情報とを取得させる取得処理と、
前記制御対象機器の操作画面を前記端末装置の表示部に表示させるとともに、前記生体検出情報に基づいて前記機器情報の表示態様を決定して前記表示部に表示させる表示処理と、
を前記コンピュータに実行させる、
機器制御システム。
【請求項2】
前記表示処理は、
前記機器情報と当該機器情報に対応する前記生体検出情報とを紐付けて前記表示部に表示させる、請求項1に記載の機器制御システム。
【請求項3】
前記表示処理は、
前記制御対象機器の周囲における前記生体の存在の有無に応じて前記表示部に表示する前記生体検出情報の表示態様を決定する、請求項2に記載の機器制御システム。
【請求項4】
前記表示処理は、
前記生体が周囲に存在することが検出された前記制御対象機器を報知するように前記表示態様を決定する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項5】
前記表示処理は、
前記生体検出情報が紐付けできないと見なされる前記機器情報を、前記生体検出情報が紐付された前記機器情報とは異なる表示態様で表示する請求項2または請求項3に記載の機器制御システム。
【請求項6】
前記取得処理は、
前記制御対象機器に対して利用操作が実行されたことを示す操作情報を取得した場合、前記制御対象機器の周囲に生体が存在すると見なし、前記操作情報を前記生体検出情報として取得する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項7】
前記制御対象機器は、
前記生体検出情報を取得する検出装置を備える第1の制御対象機器と、当該第1の制御対象機器と同じ制御対象領域内に存在する前記検出装置を備えない第2の制御対象機器とを含み、
前記取得処理は、前記第1の制御対象機器に対する第1の生体検出情報を前記第2の制御対象機器の第2の生体検出情報として取得可能である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項8】
前記制御対象機器が設置された制御対象領域内に、前記生体検出情報を取得する検出装置を備える複数の前記制御対象機器が存在する場合、前記取得処理は、前記検出装置を搭載する前記制御対象機器に対応する前記生体検出情報を、他の前記制御対象機器に対応する前記生体検出情報として見なして取得可能である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項9】
前記取得処理は、
前記制御対象機器の固有情報と、前記制御対象機器が設置されている設置領域情報と、を紐付けて取得する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項10】
制御対象となり得る制御対象機器に関する機器情報と、前記制御対象機器の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報とを取得する取得処理と、
前記制御対象機器の操作画面を、前記制御対象機器を遠隔操作可能な端末装置の表示部に表示させるとともに、前記生体検出情報に基づいて前記機器情報の表示態様を決定して前記表示部に表示させる表示処理と、
を、前記端末装置のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
制御対象となり得る制御対象機器に関する機器情報と、前記制御対象機器の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報を取得する取得処理と、
前記制御対象機器の操作画面を、前記制御対象機器を遠隔操作可能な端末装置の表示部に表示させるとともに、前記生体検出情報に基づいて前記機器情報の表示態様を決定して前記表示部に表示させる表示処理と、
を、含む、機器制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、機器制御システム、プログラム、及び機器制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯機器を利用して家電機器を遠隔操作する技術が実用化されている。また、周囲に人が存在するか否かを検出する人感センサを備えた家電機器が実用化されている。また、前述のような携帯機器を用いて家電機器を遠隔操作する技術も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第3013/128527号
【特許文献2】特許第6110288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術の場合、家電機器の周囲に人が存在する場合、家電機器のそばにいる人以外の第三者が携帯機器を用いて遠隔地から利用中の家電機器を誤って制御してしまうことを禁止する構成であったり、携帯機器に人の存在や家電機器の状態を表示したりするのみであった。その結果、家電機器の現在の利用状況を適切に把握することが難しく、適切な遠隔操作が行にくいという問題があった。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、家電機器等の制御対象機器の現在の利用状況を把握し易く、より適切で容易な遠隔操作を実現し易くすることが可能な機器制御システム、プログラム、及び機器制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態に係る機器制御システムは、制御対象となり得る少なくとも一つの制御対象機器と、前記制御対象機器を遠隔操作可能な端末装置のコンピュータに実行させるためのプログラムと、を含む。前記制御対象機器は、当該制御対象機器の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報を取得する情報取得部を備える。前記プログラムは、取得処理と、表示処理と、を前記コンピュータに実行させる。取得処理は、前記制御対象機器に関する機器情報と前記生体検出情報とを取得させる。表示処理は、前記制御対象機器の操作画面を前記端末装置の表示部に表示させるとともに、前記生体検出情報に基づいて前記機器情報の表示態様を決定して前記表示部に表示させる。
【0007】
また、前記表示処理は、例えば、前記機器情報と当該機器情報に対応する前記生体検出情報とを紐付けて前記表示部に表示させてもよい。
【0008】
また、前記表示処理は、例えば、前記制御対象機器の周囲における前記生体の存在の有無に応じて前記表示部に表示する前記生体検出情報の表示態様を決定するようにしてもよい。
【0009】
また、前記表示処理は、例えば、前記生体が周囲に存在することが検出された前記制御対象機器を報知するように前記表示態様を決定するようにしてもよい。
【0010】
また、前記表示処理は、例えば、前記生体検出情報が紐付けできないと見なされる前記機器情報を、前記生体検出情報が紐付された前記機器情報とは異なる表示態様で表示するようにしてもよい。
【0011】
また、前記取得処理は、例えば、前記制御対象機器に対して利用操作が実行されたことを示す操作情報を取得した場合、前記制御対象機器の周囲に生体が存在すると見なし、前記操作情報を前記生体検出情報として取得するようにしてもよい。
【0012】
また、前記制御対象機器は、例えば、前記生体検出情報を取得する検出装置を備える第1の制御対象機器と、当該第1の制御対象機器と同じ前記制御対象領域内に存在する前記検出装置を備えない第2の制御対象機器とを含み、前記取得処理は、前記第1の制御対象機器に対する第1の生体検出情報を前記第2の制御対象機器の第2の生体検出情報として取得可能であるようにしてもよい。
【0013】
また、前記制御対象機器が設置された制御対象領域内に、前記生体検出情報を取得する検出装置を備える複数の前記制御対象機器が存在する場合、前記取得処理は、前記検出装置を搭載する前記制御対象機器に対応する前記生体検出情報を、他の前記制御対象機器に対応する前記生体検出情報として見なして取得可能であるようにしてもよい。
【0014】
また、前記取得処理は、例えば、前記制御対象機器の固有情報と、前記制御対象機器が設置されている設置領域情報と、を紐付けて取得するようにしてもよい。
【0015】
本発明の他の実施形態に係るプログラムは、取得処理と、表示処理と、を端末装置のコンピュータに実行させる。取得処理は、制御対象となり得る制御対象機器に関する機器情報と、前記制御対象機器の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報を取得する。表示処理は、前記制御対象機器の操作画面を、前記制御対象機器を遠隔操作可能な端末装置の表示部に表示させるとともに、前記生体検出情報に基づいて前記機器情報の表示態様を決定して前記表示部に表示させる。
【0016】
本発明の他の実施形態に係る機器制御方法は、取得処理と、切替処理と、を含む。取得処理は、制御対象となり得る制御対象機器に関する機器情報と、前記制御対象機器の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報を取得する。表示処理は、前記制御対象機器の操作画面を、前記制御対象機器を遠隔操作可能な端末装置の表示部に表示させるとともに、前記生体検出情報に基づいて前記機器情報の表示態様を決定して前記表示部に表示させる。
【0017】
以上の機器制御システム、プログラム、及び機器制御方法によれば、制御対象機器の現在の利用状況が把握し易く、より適切で容易な遠隔操作を実現し易くすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態に係る機器制御システムの構成を説明する例示的かつ模式的な説明図である。
図2図2は、実施形態に係る機器制御システムを適用可能な制御対象領域(居住スペース)内における制御対象機器の配置及び生体検出情報を出力する検出装置の検出領域を示す例示的かつ模式的な説明図である。
図3図3は、実施形態に係る機器制御システムにおける管理装置(端末装置)で実現される機器制御部の機能を説明する例示的かつ模式的な機能ブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る機器制御システムにおける端末装置の表示部に表示される制御画面を示す例示的かつ模式的なイメージ図である。
図5図5は、実施形態に係る機器制御システムにおいて、制御対象機器の周囲に生体の存在が確認された場合に端末装置の表示部に表示される報知画面の内容を示す例示的かつ模式的なイメージ図である。
図6図6は、実施形態に係る機器制御システムにおいて、制御対象機器の周囲に生体の存在が確認されない場合に端末装置の表示部に表示される報知画面の内容を示す例示的かつ模式的なイメージ図である。
図7図7は、実施形態に係る機器制御システムにおける端末装置の表示部に表示される初期表示画面の表示処理の流れを示す例示的なフローチャートである。
図8図8は、図7のフローチャートにおけるセンサ情報取得処理の詳細な流れを示す例示的なフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る機器制御システムにおける端末装置の表示部に初期表示画面が表示された後の制御処理の流れを示す例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る機器制御システム、プログラム、及び機器制御方法の実施形態について説明する。本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0020】
図1は、機器制御システム100の構成を説明する例示的かつ模式的な説明図である。機器制御システム100は、例えば、複数の制御対象機器10と、複数の制御対象機器10から取得した情報を一括管理可能な管理装置12と、管理装置12を介して取得した情報に基づいて複数の制御対象機器10を一括制御可能な端末装置14と、を含んで構成されている。端末装置14は、制御対象機器10を遠隔地、例えば、制御対象機器10が設置された部屋とは異なる場所、屋外や外出先等から、制御対象機器10の制御を可能にする装置である。制御対象機器10は、一部の機器を除き、当該制御対象機器10の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報を出力可能な検出装置16を備える。後述するが、検出装置16は、直接的に生体を検出する直接検出タイプと、センサが搭載される機器が物理的に操作されている際に検出する操作情報(機器の扉の開閉等)に基づいて、周囲に生体(機器の操作者)が存在すると推定する間接推定タイプがある。なお、検出装置16は、当該検出装置16を搭載する制御対象機器10の動作の有無に関わらず、生体検出情報を出力可能としてもよい。また、別の実施形態では、所定のタイミング、例えば、端末装置14において制御対象機器10の遠隔操作を実行可能なアプリケーションが立ち上がったタイミングで短時間だけ検出装置16が起動して生体検出処理を実行するものでもよい。この場合、検出装置16の駆動のための電力消費を軽減することができる。なお、検出装置16は、制御対象機器10の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報を取得する情報取得部の一例である。
【0021】
本実施形態において、複数の制御対象機器10として、当該制御対象機器10の周囲に生体が存在するか否かを直接検出可能な検出装置16を筐体内に備える第1制御対象機器群10Aと、第1制御対象機器群10Aとは機器の種類または生体検出方式が異なる第2制御対象機器群10Bとに分類される。
【0022】
第1制御対象機器群10Aは、例えば、基本的な機能として、冷暖房機能、除湿機能、空気清浄機能等を備える空気調和装置10Aa,10Ab,・・・10A(n-1),10An等である。なお、第1制御対象機器群10Aに含まれる空気調和装置10Aa,10Ab,・・・10A(n-1),10An等は、説明上、特に区別する必要がない場合には、空気調和装置Eと表記する。各空気調和装置Eは、例えば、異なる部屋に配置され、それぞれの部屋において、独立的に空調運転が可能である。また、空気調和装置Eは、筐体ごとに検出装置16を搭載している。検出装置16は、例えば、周知の赤外線センサやレーダー等を単独または組み合わせて構成した生体検出センサであり、空気調和装置Eの周囲に所定の検出領域を形成し、生体が存在するか否かを示す生体検出情報を管理装置12に対して出力する。検出装置16の検出対象となる生体は、人間の他ペット等の動物等を含むものとする。また、検出装置16は、室内で動いている(歩行)等の行動状態にある生体の検出の他、床や椅子等に着座していたり、ベッド等に横たわったりしている静止状態にある生体の検出も可能であるものとする。
【0023】
第2制御対象機器群10Bは、前述したように、第1制御対象機器群10Aの機器とは、機器の種類または生体検出方式が異なる制御対象機器10を含む。第2制御対象機器群10Bには、制御対象機器10として例えば、扇風機10Baや検出装置16を非搭載の空気調和装置Bb、電子レンジ10Bc、冷蔵庫10Bd等が含まれる。図1に示す例の場合、扇風機10Ba、電子レンジBc、冷蔵庫10Bdには、第1制御対象機器群10Aの空気調和装置Eと同様な機能の検出装置16が搭載されている。したがって、これらの機器は、自ら周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報を管理装置12に対して出力することができる。一方、空気調和装置Bbには検出装置16が搭載されていないので、自ら生体検出情報を管理装置12に対して出力することができない。この場合、空気調和装置Bbの周囲に存在する他の制御対象機器10の検出装置16の検出結果を用いて、空気調和装置Bbの周囲に生体が存在するか否かを推定し、空気調和装置Bbに対応する生体検出情報とすることができる。生体検出情報の推定の詳細は後述する。また、例えば、電子レンジBcや冷蔵庫10Bdは、検出装置16の代わりに、機器の操作情報を管理装置12に出力する出力部を備えてもよい。この場合、管理装置12では、操作情報に基づいて、電子レンジBcや冷蔵庫10Bdが設置された部屋に生体が存在するか否かを推定する情報を取得可能となる。例えば、電子レンジBcや冷蔵庫10Bdの可動部分としての「扉」の開閉が行われた場合、その開閉は、人間によって意図的に利用操作の過程で行われたことになる。つまり、開閉操作を示す操作情報によって、電子レンジBcや冷蔵庫10Bdが設置された部屋に生体が存在すると推定することができる。その結果、同じ部屋の中に設置された、検出装置16を備えない空気調和装置Bbの周囲に人間が存在すると見なして、空気調和装置Bbの制御に生体の有無を反映させることができる。つまり、空気調和装置Bb以外の機器に対する操作情報を空気調和装置Bbの生体検出情報と見なして扱うことができる。なお、第1制御対象機器群10Aや第2制御対象機器群10Bに含まれる制御対象機器10において、周囲に生体が存在するか否かが確認できればよく、検出装置16が制御対象機器10に搭載されることは必須ではない。例えば、検出装置16は、制御対象機器10と紐付けが行われていれば、制御対象機器10とは別構成で単独で存在してもよい。例えば、部屋の壁面等に検出装置16が単独で設定されていてもよい。
【0024】
管理装置12は、無線や有線等の通信回線を介して第1制御対象機器群10A及び第2制御対象機器群10Bに含まれる各制御対象機器10と接続されている。第1制御対象機器群10Aに含まれる各空気調和装置Eは、管理装置12を介して端末装置14からの操作により運転制御が可能である。また、管理装置12は、各空気調和装置Eの生体検出情報の取得が可能である。同様に、第2制御対象機器群10Bに含まれる扇風機10Ba、空気調和装置Bb、電子レンジ10Bc、冷蔵庫10Bd等は、管理装置12を介して端末装置14からの操作により運転制御が可能である。また、管理装置12は、第2制御対象機器群10Bに含まれる制御対象機器10から生体検出情報の取得が可能である。なお、本実施形態において、電子レンジ10Bc、冷蔵庫10Bd等は、生体検出情報を出力するのみの機器として機能させてもよい。
【0025】
管理装置12は、第1制御対象機器群10A及び第2制御対象機器群10Bに含まれる各制御対象機器10を一括管理可能なサーバであってもよい。管理装置12の設置位置は、限定されず、例えば、制御対象機器10が設置された部屋や家屋のいずれかの位置、または外部の施設(サービス提供会社や情報センター等)に設置されてもよい。また、管理装置12は、個人専用のタイプであってもよいし、多数の契約者で共用するタイプであってもよい。
【0026】
管理装置12は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶部と、通信インターフェースと、入出力インターフェース等で構成されている一般的なコンピュータで実現可能である。管理装置12は、処理部12aや記憶部12b等を含む。
【0027】
処理部12aのCPUは、ROM等の記憶部から読み出した処理プログラムを実行することにより、端末装置14等から送信される操作指令に基づき、第1制御対象機器群10A及び第2制御対象機器群10Bに含まれる各制御対象機器10を制御することが可能である。また、処理部12aは、検出装置16から取得する生体検出情報や電子レンジ10Bcや冷蔵庫10Bd等から送信される操作情報をRAMまたはHDD等の記憶部12bに一時的に記憶するとともに、生体が存在するか否かの情報を端末装置14からの要求に基づき端末装置14に提供し、表示部14aに表示する画面の切り替え制御を実現可能である。つまり、端末装置14における各制御対象機器10の制御に生体検出情報等の情報を反映させることができる。
【0028】
端末装置14は、第1制御対象機器群10A及び第2制御対象機器群10Bに含まれる各制御対象機器10を一括制御可能な専用のコントローラーでもよいし、所定のアプリケーションを実行可能なスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末装置であってもよい。端末装置14は、管理装置12を介して各種情報を取得するとともに、第1制御対象機器群10A及び第2制御対象機器群10Bに含まれる各制御対象機器10の運転制御が可能なアプリケーションをインストール及び実行可能である。端末装置14は、アプリケーションの実行状況を表示可能な表示部14aを備える。表示部14aは、例えば、タッチパネル等、透明な操作入力部で覆われていてもよい。操作者(機器制御システム100の利用者)は、操作入力部を介して表示部14aに表示される画像を視認することができる。また、操作者は、表示部14aに表示される画像に対応した位置で手指等により操作入力部を触れたり押したり動かしたりして操作することで、操作入力を実行することができる。なお、別の実施形態では、端末装置14は、表示部14aとは別の独立したキーボード部や操作スイッチ等を備えてもよい。
【0029】
端末装置14は、管理装置12が備える各制御対象機器10からの情報収集機能や中継機能等の全ての機能または一部の機能を備えてもよい。この場合、端末装置14は、検出装置16から提供される生体検出情報や電子レンジ10Bcや冷蔵庫10Bd等から提供される操作情報等に基づいて第1制御対象機器群10A及び第2制御対象機器群10Bに含まれる各制御対象機器10を直接制御することができる。この場合、管理装置12は省略または一部の機能を省略可能である。
【0030】
図2は、機器制御システム100を適用可能な居住スペースとしての制御対象領域18(例えば、18A~18D)内における制御対象機器10の配置及び生体検出情報を出力する検出装置16の検出領域Sa~Sfを示す例示的かつ模式的な説明図である。
【0031】
図2の場合、制御対象領域18の一例としてリビングダイニング18A、洋室18B、和室18C、洋室18Dが示されている。
【0032】
リビングダイニング18Aには、検出装置16を備える空気調和装置10Aaが部屋のコーナー部で壁面に設置されている。また、検出装置16を備える扇風機18Baが空気調和装置10Aaに対して反時計回り方向に隣接する他のコーナー部に設置されている。また、検出装置16を備える電子レンジ10Bc及び検出装置16を備える冷蔵庫10Bdが、扇風機18Baに対して反時計回り方向に離間した位置で流し台の後方に設置されている。
【0033】
空気調和装置10Aa、扇風機18Ba、電子レンジ10Bc及び冷蔵庫10Bdに備えられた検出装置16の検出領域の広さは、各制御対象機器10における検出装置16の搭載位置や搭載姿勢、制御対象機器10の設置位置や設置姿勢によって、個々に異なる場合がある。例えば、空気調和装置10Aaに設けられた検出装置16の検出領域は、検出領域Saである。扇風機18Baに設けられた検出装置16の検出領域は、検出領域Sbである。また、電子レンジ10Bcに設けられた検出装置16の検出領域は、検出領域Scであり、冷蔵庫10Bdに設けられた検出装置16の検出領域は、検出領域Sdである。ところで、個別の検出装置16では、リビングダイニング18Aの全領域を検出領域とすることが難しく、死角領域が生じる場合がある。例えば、空気調和装置10Aaの検出装置16では、リビングダイニング18Aにおいて、扇風機18baの近傍に存在する利用者Wa(生体、人間)を検出することができない場合がある。そこで、本実形態の管理装置12の処理部12aは、同一の制御対象領域18(例えば、リビングダイニング18A)内で検出装置16を備える複数の制御対象機器10が存在する場合、検出装置16を搭載する制御対象機器10に対応する生体検出情報を、他の制御対象機器10に対応する生体検出情報と見なして取得可能である。この場合、処理部12aは、空気調和装置10Aaの検出装置16の生体検出情報のみでは、リビングダイニング18Aに生体(利用者Wa)が存在しないと判定する生体検出情報しか取得できない可能性がある。その一方で、処理部12aは、扇風機18Baの検出装置16の生体検出情報で、空気調和装置10Aaが設置されたリビングダイニング18Aに生体(利用者Wa)が存在すると判定する生体検出情報を取得可能である。つまり、空気調和装置10Aaの検出装置16で生じている死角領域を扇風機18Baの検出装置16で補っている。また、図2に示す各制御対象機器10の場合、電子レンジ10Bcに設けられた検出装置16の検出領域Scや冷蔵庫10Bdに設けられた検出装置16の検出領域Sdは、空気調和装置10Aaの検出装置16の検出領域Saと重複する。その結果、重複する検出領域に関しては、検出精度が向上するという効果を得ることができる。
【0034】
洋室18Bには、検出装置16を備える空気調和装置10Abが部屋のコーナー部で壁面に設置されている。空気調和装置10Abに設けられた検出装置16の検出領域は、検出領域Seである。洋室18Bには、入口付近に死角領域が存在するが、空気調和装置10Abの検出装置16は、生体が存在する可能性の高い領域の大部分をカバーするとことが可能である。したがって、処理部12aは、洋室18Bに生体が存在するか否かを示す生体検出情報を概ね適切に取得可能と見なすことができる。
【0035】
和室18Cには、制御対象機器10として、検出装置16を備える空気調和装置10Anが部屋のコーナー部で壁面に設置されているとともに、空気調和装置10Anの対角位置に検出装置16を備えない扇風機Baaが配置されている。空気調和装置10Anに設けられた検出装置16の検出領域は、検出領域Sfである。和室18Cにおいても、入口付近に死角領域が存在するが、空気調和装置10Anの検出装置16が、生体が存在する可能性の高い領域の大部分をカバーするとことが可能で、処理部12aは、和室18Cに生体が存在するか否かを示す生体検出情報を概ね適切に取得可能と見なすことができる。また、扇風機Baaは、検出装置16を備えないため、扇風機18Baaは、単体では生体検出情報に基づく制御はできない。本実施形態の制御対象機器10は、検出装置16を備える第1の制御対象機器(例えば、空気調和装置10An)と、当該第1の制御対象機器と同じ制御対象領域18(例えば、和室18C)内に存在する検出装置16を備えない第2の制御対象機器(例えば、扇風機18baa)とを含む。この場合、処理部12aは、第1の制御対象機器(例えば、空気調和装置10An)に対する第1の生体検出情報を第2の制御対象機器(例えば、扇風機18baa)の第2の生体検出情報として取得可能である。つまり、検出装置16を備える制御対象機器10と検出装置16を備えない制御対象機器10が同じ部屋(領域)に存在する場合、生体検出情報を共用して、各制御対象機器10の制御を実現可能としている。例えば、利用者Wb(生体)が和室18Cに存在するか否かに基づいて、扇風機18Baaの遠隔操作が可能となる。なお、洋室18Dに関しては、洋室18Bや和室18Cと同様であり、制御対象機器10の配置や検出領域の説明は省略する。
【0036】
図3は、機器制御システム100における端末装置14で実現される機器制御部20の機能を説明する例示的かつ模式的な機能ブロック図である。
【0037】
機器制御部20は、端末装置14のCPUがROM等の記憶部から読み出した処理プログラムを実行することにより、登録部22、取得部24、表示処理部26等のモジュールを実現する。登録部22は、固有情報登録部22a、設置領域登録部22b、紐付け登録部22c等の詳細モジュールを含む。また、取得部24は、生体情報取得部24a、機器情報取得部24b、操作情報取得部24c等の詳細モジュールを含む。また、表示処理部26は、表示態様処理部26a、紐付け処理部26b、操作受付部26c、生体認識部26d、運転状態切替部26e、報知処理部26f等の詳細モジュールを含む。さらに、表示態様処理部26aは、初期表示画面表示部26aa、生体アイコン表示部26ab、制御内容表示部26ac等のモジュールを含む。
【0038】
登録部22は、各制御対象機器10の制御に必要な基本的の各種情報を例えば定期的に取得して登録処理を行う。登録部22は、例えば、機器制御システム100の操作端末として端末装置14が起動したことを示す信号を取得した際に各種情報の登録を行うことができる。なお、一度設定された後、基本的に変更が行われない情報に関しては、初期設定時等に登録され、以降は登録処理を省略するようにしてもよい。
【0039】
固有情報登録部22aは、機器制御システム100で制御対象とする制御対象機器10の固有情報の登録を行う。例えば、新たに制御対象機器10を設置する場合や逆に既設の制御対象機器10を取り外す場合等に制御対象機器10の固有情報として登録状況の更新を行う。この場合、固有情報登録部22aは、各制御対象機器10の機器種類情報(空気調和装置や扇風機等)や識別情報(第1制御対象機器群10A内の識別等)、検出装置16の有無等の情報も併せて制御対象機器10ごとに登録する。また、固有情報登録部22aは、検出装置16が独立して存在する場合には、検出装置16ごとに識別しながら登録する。つまり、固有情報は、制御対象機器10を特定(識別)するための情報である。
【0040】
設置領域登録部22bは、各制御対象機器10を設置する設置領域の登録を行う。設置領域登録部22bは、機器制御システム100の利用者が、制御対象機器10が設置された設置領域を識別可能なように、設置領域の名称登録を行う。設置領域登録部22bは、例えば制御対象領域ごとに「リビングダイニング」、「洋室1」、「和室」、「洋室2」、「子供部屋1」、「子供部屋2」等のような具体的名称で登録することができる。また、複数の領域をまとめて、「領域1」、「領域2」等のような識別名称で登録してもよい。設置領域登録部22bは、主に機器制御システム100の初期設定時等に登録処理を行う。
【0041】
紐付け登録部22cは、固有情報登録部22aにより登録された制御対象機器10と設置領域登録部22bにより登録された設置領域との紐付けを行う。例えば、「リビングダイニング」に設置された制御対象機器10の紐付けを行う。図2において、紐付け登録部22cは、リビングダイニング18Aに対して、空気調和装置10Aa、扇風機18ba、電子レンジ10Bc,冷蔵庫10Bd等を紐付ける。紐付け登録部22cは、他の設置領域につても同様に個別に設置領域と制御対象機器10との紐付けを行う。その結果、制御対象領域ごとの制御対象機器10の識別が容易になり、制御対象機器10の運転操作を行う場合に、操作間違え等のミスを軽減することができる。
【0042】
取得部24は、各制御対象機器10の制御に必要な各種情報を適宜取得する。生体情報取得部24aは、各制御対象機器10と紐付けられた検出装置16から提供される生体検出情報の取得を行う。前述したように、生体検出情報は、紐付けられた制御対象機器10の周囲に生体が存在するか否かを示す情報であり、生体には人間の他ペット等の動物等も含む。
【0043】
機器情報取得部24bは、制御対象領域18内に存在する制御対象機器10の現在の運転状態に関する情報等を機器情報として取得する。例えば、運転モード情報(冷房運転モードや除湿運転モード、空気清浄モード等)や運転設定値(例えば、設定温度や風量等)を取得する。運転モード情報や運転設定情報は、制御対象機器10が前回運転を停止したときの情報としてもよいし、前回運転を停止した際の情報がリセットされてデフォルト値に戻されたものを取得するようにしてもよい。また、機器情報取得部24bは、制御対象領域18の環境情報(例えば、温度や湿度等)を取得してもよい。なお、環境情報は、制御対象機器10に搭載された温湿度センサ等から取得可能である。
【0044】
操作情報取得部24cは、制御対象領域18に操作情報を出力する機器が存在する場合、操作情報を取得する。図2の場合、前述したように、電子レンジ10Bcや冷蔵庫10Bd等は扉の開閉動作を検出するセンサを備え、開閉動作が行われるたびに検出信号を管理装置12に送信する。前述したように、本実施形態の場合、電子レンジ10Bcや冷蔵庫10Bdの扉の開閉は、電子レンジ10Bcや冷蔵庫10Bdを利用する利用者により実行される。つまり、電子レンジ10Bcや冷蔵庫10Bdの周囲に利用者(人間、すなわち生体)が存在することを示す。機器制御部20は、操作情報を生体検出情報と見なし、生体が制御対象領域18に存在するか否かの判定に利用することができる。その結果、生体を直接検出するような赤外線センサやレーダー等の検出装置16を備えない場合でも、周囲に生体が存在するか否を示す情報を容易に取得することができる。なお、操作情報は、電子レンジ10Bcや冷蔵庫10Bdの扉の開閉に基づく情報には限られず、遠隔操作等に基づく操作ではなく、人間が物理的に行う操作に基づく情報であればよく、例えば、オーディオ機器や映像機器の操作スイッチの操作に基づく情報や遊戯機器の利用情報等でもよい。
【0045】
表示処理部26は、取得部24が取得した機器情報に基づき、制御対象機器10の操作画面の表示処理や、生体検出情報に基づいて機器情報の表示態様を決定して端末装置14の表示部14aに表示する処理を実行する。また、表示処理部26は、生体検出情報に基づき制御対象機器10の制御を実行する際の操作確認等の報知処理(報知表示処理)を実行する。
【0046】
表示態様処理部26aは、例えば、生体検出情報に基づき、制御対象機器10の周囲に生体が存在すると見なされる場合と、存在しないと見なされる場合とで、表示部14aにおける制御可能な制御対象機器10の表示態様を決定(変更)したり、制御対象機器10の制御内容の表示態様の決定(変更)を行ったりする。
【0047】
紐付け処理部26bは、登録部22が登録した各制御対象機器10の固有情報と当該固有情報に対応する、取得部24が取得した生体検出情報とを紐付けて端末装置14の表示部14aに表示する。
【0048】
操作受付部26cは、表示態様処理部26aの処理によって端末装置14の表示部14aに表示された操作画面を介して入力された入力コマンドを受け付ける。例えば、空気調和装置10Aa等のモード切替コマンドや設定温度コマンド等を受け付ける。
【0049】
生体認識部26dは、取得部24の取得した生体検出情報や操作情報に基づき、制御対象領域18に生体が存在するか否か判定する。なお、生体認識部26dは、前述したように生体としては、人間の他ペット等も認識する。また、生体認識部26dは、生体として行動状態の生物や静止状態の生物も認識する。生体と生体以外の物体との識別は、例えば表面温度の検出や温度(体温)の分布、呼吸に伴い一定パターンで変化する身体変化(胸部の膨張収縮等)、不規則な挙動等を検出することにより検出可能である。また、静止状態の生物に関しても温度(体温)の分布や胸部の膨張収縮等を検出することにより判定可能である。
【0050】
運転状態切替部26eは、操作受付部26cが受け付けた操作コマンドに基づいて、制御対象機器10の運転状態を切り替える制御コマンドを生成して出力することで、制御対象機器10の運転状態の切り替えを行う。
【0051】
報知処理部26fは、運転状態切替部26eが制御コマンドを出力するのに先立ち、端末装置14の利用者に対して報知情報を提供する。例えば、報知処理部26fは、生体が周囲に存在することが検出された制御対象機器10を報知するとともに、制御コマンドにより制御対象機器10の運転状態の切り替えを実行する際に、運転制御の切り替え(例えば、運転停止制御等)を実行してよいか確認する報知情報の生成及び出力処理を実行する。これにより、生体が存在するにも関わらず、空気調和装置Eの運転停止を誤って行う等のミスを軽減することができる。
【0052】
ところで、本実施形態において、機器制御システム100は、例えば、複数の制御対象機器10の制御を当該制御対象機器10の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報に基づいて、より適切かつ容易に一括的に行うことを可能にするように、端末装置14の表示部14aにおける表示内容の決定を行う。
【0053】
図4は、端末装置14の表示部14aに表示される制御画面28を示す例示的かつ模式的なイメージ図である。制御画面28は、複数の制御対象機器10の対応する複数の制御表示領域30を同時に表示可能なスクロール表示領域M1と、制御対象機器10の一括制御を実行するための制御スイッチ表示領域M2等を表示可能である。
【0054】
端末装置14の表示部14aの表示領域の広さには制限があるため、本実施形態の場合、制御画面28のスクロール表示領域M1は、例えば上下方向にスクロール可能として、表示が必要な全ての制御表示領域30をスクロールによって確認可能としている。図4の場合、スクロールにより最上段の制御表示領域30aの上端部及び最下段の制御表示領域30dの下端部の表示が隠れている状態が示されている。なお、スクロール状態を調整することにより、例えば、3つの制御表示領域30を完全状態で表示させることが可能である。また、制御表示領域30の表示サイズを変更することで、より多くの完全状態の制御表示領域30を同時に表示させることができる。また、スクロール時に完全状態の制御表示領域30のみを表示させる(制御表示領域30a,30d等を非表示する)ようにしてもよいし、単一の制御表示領域30を表示するようにしてもよい。
【0055】
制御表示領域30には、例えば、制御画面28の2段目に表示される制御表示領域30bや3段目に表示される制御表示領域30cに示されるように、生体検出情報に基づく生体アイコン32が表示可能である。生体検出情報に基づき生体が制御対象機器10の周囲に存在すると見なされる場合、制御表示領域30bに示されるように生体アイコン32aは例えば明瞭な状態や目立つ色彩(例えば、青や赤)で表示される。図4の場合、図示の都合上、生体が存在すること示す生体アイコン32aは「斜線ハッチング」で示されている。一方、生体検出情報に基づき生体が制御対象機器10の周囲に存在しないと見なされる場合、制御表示領域30cに示されるように生体アイコン32bは例えば半透明の状態や目立たない色彩(例えば、グレー)で表示される。図4の場合、図示の都合上、生体が存在しないこと示す生体アイコン32bは「ドット表示」で示されている。なお、生体検出情報が取得できない場合は、例えば、制御表示領域30dに示されるように生体アイコン32は非表示とされる。このように、制御対象機器10の周囲における生体の存在の有無に応じて表示部14aに表示する生体検出情報、すなわち、生体アイコン32の表示態様を決定することで、生体の有無を容易かつ正確に利用者に認識させることができる。
【0056】
また、制御表示領域30には、対応する制御対象機器10を一括操作する機器として選択中か否かを示す選択マークを示す選択有無表示領域34を備える。選択マークは、選択する制御対象機器10が表示された制御表示領域30を、例えば1タッチすることで有効となり制御表示領域30c,30dに示されるように表示される。また、選択マークが既に表示された制御表示領域30を、例えば連続2タッチすることで無効となり制御表示領域30bに示されるように非表示となる。
【0057】
この他、制御表示領域30には、制御対象機器10の固有情報や機器情報が複数表示されている。制御表示領域30には、例えば、設置表示領域36a、設定温度表示領域36b、室温表示領域36c、タイマー表示領域36d、対象機器表示領域36e、運転モード表示領域36f等が表示される。
【0058】
設置表示領域36aは、例えば、リビングや子供部屋1、和室1等、利用者が設置位置を識別できる内容で表示される。設置表示領域36aの表示内容は、利用者が端末装置14の操作部を介して適宜設定(登録)変更可能であり、例えば、「エリアA」等でもよい。
【0059】
設定温度表示領域36bは、初期画面では、例えば、制御対象機器10の前回運転終了時の設定温度が表示され、その設定温度が有効とされるが、設定温度表示領域36bをタップして選択することにより設定温度表示領域36bの内容変更が有効となり、設定温度が変更可能となる。
【0060】
室温表示領域36cは、制御対象機器10が設置された部屋の温度をリアルタイムで表示可能である。室温は、制御対象機器10に搭載されたセンサ情報に基づき表示してもよいし、部屋の内部に設置された他のセンサから取得した情報に基づいて表示されてもよい。
【0061】
タイマー表示領域36d、初期画面では、例えば、制御対象機器10の前回運転終了時のタイマー時間が表示され、そのタイマー時間が有効とされるが、タイマー表示領域36dをタップして選択することによりタイマー表示領域36dの内容変更が有効となり、タイマー時間が変更可能となる。なお、タイマー表示領域36dは、タップ操作等によりタイマーの有効、無効を切り替えられるようにしてもよい。例えば、有効の場合は、タイマー時間の表示を維持し、無効の場合は、タイマー時間を非表示としてもよい。
【0062】
対象機器表示領域36eは、制御対象機器10を識別可能なアイコンを表示可能である。また、アイコンに代えて文字表示等でもよい。図4では、空気調和装置Eを示すアイコンとして同じものを表示しているが、空気調和装置Eごとに異なる形状のアイコンや異なる表示色のアイコンを表示してもよい。この場合、制御対象とする制御対象機器(空気調和装置E)の識別をより容易に行わせることができる。
【0063】
運転モード表示領域36fは、初期画面では、例えば、制御対象機器10の前回運転終了時の運転モードが表示され、その運転モードが有効とされるが、運転モード表示領域36fをタップして選択することにより運転モード表示領域36fの内容変更が有効となり運転モードが変更可能となる。
【0064】
なお、制御表示領域30に表示される各制御表示領域30a~30d等は、識別しやすいように、個々に背景色を変えてもよい。また、生体検出情報が紐付けできないと見なされる制御対象機器10(固有情報や機器情報等)を、生体検出情報が紐付された制御対象機器10(固有情報や機器情報等)とは異なる表示態様で表示するようにしてもよい。この場合、制御表示領域30の背景色を変化させてもよいし、対象機器表示領域36eに表示する制御対象機器10のアイコンの表示態様を変化させてもよい。その結果、生体検出情報の紐付けが行われているか否かの識別が容易になり、利用者における操作判断をより適切に行わせることが可能になる。なお、制御表示領域30の表示内容は、利用者により適宜カスタマイズ可能であってもよい。例えば、表示項目の増減や背景の変更等を可能にしてもよい。
【0065】
上述したように、機器制御システム100は、複数の制御対象機器10の制御を生体検出情報に基づいて、一括的に行うことを可能である。そこで、制御スイッチ表示領域M2には、選択有無表示領域34に選択マークが表示されている制御対象機器10に対する制御を一括的に実行可能な操作スイッチ画像38が表示可能である。図4の場合、一例として、選択マークが表示されている制御対象機器10を一括でオフにする操作スイッチ画像38が表示されている。すなわち、表示部14a上で選択された制御対象機器10の運転を一括して終了させることができる。上述したように、生体アイコン32は、制御対象機器10の周囲における生体の存在の有無に応じて表示態様が決定されている。つまり、制御対象機器10と当該制御対象機器10に対応する生体検出情報とを紐付けて表示部14aに表示することで、制御対象機器10(固有情報や機器情報等)と生体検出情報とを同時に参照可能となり、その状態で切替制御が実行可能となる。したがって、制御対象機器10を一括停止させようとする利用者は、制御対象機器10の周囲の生体が存在するか否かの判断を容易かつ適切に行うことが可能であり、例えば、生体が存在しない制御表示領域30cの制御対象機器10の遠隔制御を適切に行うことができる。このように、機器制御システム100は、周囲に生体が存在する制御対象機器10の遠隔制御を禁止するものではなく、周囲に生体が存在する制御対象機器10でも運転を停止してよいか否かを確認したうえで、選択有無表示領域34に選択マークを表示させて、意図的な停止操作が可能となる。その結果、機器制御システム100の使い勝手の向上に寄与することができる。なお、図4において、制御表示領域30dは、生体アイコン32が表示されていないが、利用者が生体の存在の有無を確認したうえで選択マークが付与され、意図的に停止操作が可能になっている状態が示されている。
【0066】
図3に戻り、表示態様処理部26aの初期表示画面表示部26aaは、例えば、端末装置14において、機器制御システム100を利用するためのアプリケーションが起動した際に、表示部14aに表示する初期画面の生成処理及び表示処理を行う。この場合、起動の時点で、生体検出情報に基づき制御対象機器10の周囲の生体が存在しないと見なされ、かつ制御対象機器10が運転中の場合は、初期画面において、当該制御対象機器10を遠隔操作で停止させる制御が可能であることを示す選択マークが既に付された状態で表示されてもよい。つまり、生体検出情報に応じて、表示部14aの初期表示画面の表示内容を決定する。この場合、選択マークの選択操作が簡略され、使い勝手の向上に寄与できる。
【0067】
生体アイコン表示部26abは、取得部24が取得した生体検出情報や操作情報に基づき生体アイコン32の表示態様を決定し、制御表示領域30上で表示する制御を実行する。なお、図4では、生体アイコン32として人間を模したマークとしているが、マークの態様は適宜変更可能であり、単にランプの点消灯やランプ色等で識別表示してもよい。
【0068】
制御内容表示部26acは、上述したように、制御表示領域30に表示される設置表示領域36a、設定温度表示領域36b、室温表示領域36c、タイマー表示領域36d、対象機器表示領域36e、運転モード表示領域36fにおける表示内容の制御を行うとともに、報知処理部26fで生成した表示情報の表示制御を行う。例えば、生体検出情報等に基づき、制御対象機器10の周囲に生体が存在する場合で、操作スイッチ画像38が押下されて運転状態切替部26eが制御コマンドを出力する場合、制御内容表示部26acは、制御コマンドが出力されるのに先立ち、図5に示すような報知画像28Aを表示する。報知画像28Aは、運転を停止しようとする制御対象機器10(空気調和装置E:エアコン)の周囲に生体が存在する場合にも関わらず、空気調和装置E(エアコン)を遠隔停止しようとしている際に表示される表示例である。報知画像28Aは、メッセージ表示領域MS1と操作キー領域28Aa,28Abを含む。メッセージ表示領域MS1には、生体が存在するにも関わらずエアコンを停止しようとしていることを注意喚起する内容が示されている。この場合、エアコンを停止すること、停止しようとしているエアコンの付近に生体が存在すること、停止する際には確認が必要なこと、等が表示される。メッセージ表示領域MS1は、表示中、表示内容を所定期間点滅させたり、表示色を変化させたりすることで、注意喚起度を向上させることができる。また、報知処理部26fは、制御内容表示部26acによる表示報知とともに、音声等による報知を実行してもよい。なお、操作キー領域28Aaは、メッセージ表示領域MS1に表示された報知内容に基づき、エアコンの停止操作を停止するコマンドを出力する「キャンセルスイッチ」であり、操作キー領域28Abは、メッセージ表示領域MS1に表示された報知内容を確認したうえで、エアコンの停止操作を実行するコマンドを出力する「実行スイッチ」である。なお、実行スイッチは、報知内容の既読を確認する操作を行った後(例えば、既読スイッチの押下)でないと有効にならないようにしてもよい。この場合、誤操作をより軽減することに寄与できる。
【0069】
このように、報知情報の表示を行い機器停止の確認作業を行わせることにより、周囲に生体が存在するにも関わらず、空気調和装置E等を誤って遠隔停止してしまい熱中症等の健康被害を発生させてしまう可能性を軽減することができる。
【0070】
なお、例えば、生体検出情報等に基づき、制御対象機器10の周囲に生体が存在しない場合で、操作スイッチ画像38が押下されて運転状態切替部26eが制御コマンドを出力する場合、制御内容表示部26acは、制御コマンドが出力されるのに先立ち、図6に示すような簡易的な確認内容を示す報知画像28Bを表示する。報知画像28Bは、メッセージ表示領域MS2と操作キー領域28Ba、28Bbを含む。メッセージ表示領域MS2に表示される報知画像28Bは、運転中の制御対象機器10(空気調和装置E:エアコン)を停止することを示す場合に表示される表示例である。この場合、エアコンを停止することのみを示す簡易的なメッセージが表示される。なお、操作キー領域28Baは、メッセージ表示領域MS2に表示された報知内容に基づき、エアコンの停止操作を停止するコマンドを出力する「キャンセルスイッチ」であり、操作キー領域28Bbは、メッセージ表示領域MS2に表示された報知内容を確認したうえで、エアコンの停止操作を実行するコマンドを出力する「実行スイッチ」である。なお、制御対象機器10の周囲に生体の存在が確認できない場合、空気調和装置等を遠隔停止しても、上述したような停止による不利益は発生し難いので、報知画像28Bの表示を省略し、操作スイッチ画像38が押下された後、直ちに運転状態切替部26eが制御コマンドを出力するようにしてもよい。この場合、端末装置14の表示部14aにおける表示が簡略され、使い勝手の向上に寄与することができる。なお、例えば、空気調和装置Eの場合、遠隔制御により設定温度の修正や風量、風向の修正を行う場合は、上述したような停止による不利益は発生し難いので、制御内容(操作内容)に応じて、報知画像28A,28Bの表示・非表示を選択できるようにしてもよい。
【0071】
以上のように構成される機器制御システム100の処理動作の一例を図7図9のフォローチャートを用いて説明する。図7は、機器制御システム100における端末装置14の表示部14aに表示される初期表示画面の表示処理の流れを示す例示的なフローチャートである。また、図8は、図7のフローチャートにおけるセンサ情報取得処理の詳細な流れを示す例示的なフローチャートである。図9は、機器制御システム100における端末装置14の表示部14aに初期表示画面が表示された後の制御処理の流れを示す例示的なフローチャートである。
【0072】
まず、端末装置14は、制御対象機器10を制御するためのアプリケーション(機器制御部20)が起動しているか否かを確認する(S100)。端末装置14は、アプリケーションが起動していない場合(S100のNo)、一旦このフローを終了する。S100において、アプリケーションが起動している場合(S100のYes)、機器制御部20は、登録部22を介して登録された制御対象機器10の固有情報等に基づき、制御対象となる機器一覧を取得する(S102)。続いて、制御対象となる制御対象機器10に対応する検出装置16(センサ)を個々に有効にするための処理を行うため、検出装置16(センサ)の識別子(添え字)iをリセットしてi=1とする(S104)。続いて、制御対象機器10の検出装置16(最初の場合i=1)が有効であるか(生体検出情報を出力可能な状態であるか)確認する(S106)。検出装置16が有効でない場合(S106のNo)、制御対象機器10(i=1)の検出装置16を起動する起動コマンドを対応する検出装置16に送信する(S108)。そして、S102で取得した機器一覧に存在する全ての検出装置16(N個)に対する起動処理が完了しているか否か、つまり、検出装置16(センサ)の識別子(添え字)i=Nになったか確認する(S110)。i≠Nの場合(S110のNo)、iをインクリメントし(i=i+1)、S106以降の処理に移行し、次の検出装置16が有効か否かを確認する。S110でi=Nの場合(S110のYes)、つまり、全ての検出装置16が有効(起動済み)の場合、センサ情報(生体検出情報や操作情報等)の取得処理を行う(S114)。そして、センサ情報の取得後、端末装置14の表示部14aに初期表示画面を表示させて、一連の処理を一旦終了する(S116)。なお、S106において、現在確認中の検出装置16が有効の場合(S106のYes)、S108の処理はスキップする。
【0073】
続いて、図8のフローチャートを用いて、センサ情報の取得処理の一例を説明する。まず、制御対象となる制御対象機器10に対応する検出装置16(センサ)を選択するために、検出装置16(センサ)の識別子(添え字)iをリセットしてi=1とする(S200)。そして、制御対象機器10の検出装置16(最初の場合i=1)が起動済み(有効)であるか(生体検出情報を出力可能な状態であるか)確認する(S202)。まだ起動していない場合(S202のNo)、起動を待つ。検出装置16(最初の場合i=1)が起動済みの場合(S202のYes)、検出装置16から生体検出情報や操作情報等のセンサ情報を取得する(S204)。そして、図7のS102で取得した機器一覧に存在する全ての検出装置16(N個)から生体検出情報や操作情報等のセンサ情報の取得が完了しているか否か、つまり、検出装置16(センサ)の識別子(添え字)i=Nになったか確認する(S206)。i≠Nの場合(S206のNo)、iをインクリメント(i=i+1)し(S208)、S202の処理に移行し、次の検出装置16から生体検出情報や操作情報等のセンサ情報を取得する処理を実行する。S206でi=Nの場合(S206のYes)、つまり、全ての検出装置16でセンサ情報の取得が完了している場合、一連の処理を一旦終了する。
【0074】
続いて、図9のフローチャートを用いて、機器制御システム100における端末装置14の表示部14aに初期表示画面が表示された後の制御処理の一例を説明する。
【0075】
端末装置14の表示部14aに初期表示画面が表示済みでない場合(S300のNo)、このフローチャートは一旦終了される。表示部14aに初期表示画面が表示済みの場合(S300のYes)、初期表示画面に表示された制御表示領域30における、各制御対象機器10の選択有無表示領域34や各機器情報のうち設定温度表示領域36b、室温表示領域36c、タイマー表示領域36d、運転モード表示領域36f等に選択変更(設定の変更等も含む)がある場合(S302のYes)、変更された項目に対応する表示領域の表示内容の変更を行う(S304)。そして、操作スイッチ画像38が操作され、操作受付部26cが一括操作コマンドを受け付けた場合(S306のYes)、報知処理部26fは、図5図6で説明した報知画像28Aや報知画像28B等で示されたようなメッセージを表示部14aに表示する(S308)。そして、報知画像28Aや報知画像28Bの表示後、操作キー領域28Aa,28Ab,28Ba,28Bbのいずれかの押下による操作コマンドを受け付けた場合(S310のYes)、運転状態切替部26eは、選択有無表示領域34に選択マークが表示されている制御対象機器10に対して一括操作コマンド(例えば運転停止コマンド)を送信し(S312)、このフローを一旦終了する。
【0076】
なお、S310で確認コマンドを受け付けていない場合(S310のNo)、S308に戻り、報知処理を継続して行う。また、S306で操作受付部26cが一括操作コマンドを受け付けていない場合(S306のNo)、このフローを一旦終了する。また、S302で選択変更(設定の変更等)が所定期間確認できない場合(S302のNo)、S304の処理をスキップして、S306の処理に移行する。
【0077】
このように、本実施形態の機器制御システム100は、制御対象となり得る少なくとも一つの制御対象機器10と、制御対象機器10を遠隔操作可能な端末装置14のコンピュータに実行させるためのプログラムと、を含む。制御対象機器10は、当該制御対象機器10の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報を取得する情報取得部を備える。プログラムは、制御対象機器10に関する機器情報と生体検出情報とを取得させる取得処理と、制御対象機器10の操作画面を端末装置14の表示部14aに表示させるとともに、生体検出情報に基づいて機器情報の表示態様を決定して表示部14aに表示させる表示処理と、をコンピュータに実行させる。この構成によれば、生体検出情報に基づく運転態様の切替制御が可能になり、制御対象機器10の現在の利用状況が把握し易く、より適切で容易な遠隔操作を実現し易くすることが可能になる。
【0078】
また、機器制御システム100の表示処理は、機器情報と当該機器情報に対応する生体検出情報とを紐付けて表示部14aに表示させてもよい。この構成によれば、制御対象機器10の機器情報と生体検出情報との関連を参照しながらに制御対象機器10の制御をより適切で容易に遠隔操作で実現することが可能になる。
【0079】
また、機器制御システム100の表示処理は、制御対象機器10の周囲における生体の存在の有無に応じて表示部14aに表示する生体検出情報の表示態様を決定するようにしてもよい。この構成によれば、制御対象機器10の周囲に生体が存在するか否かをより適切に認識させることができる。
【0080】
また、機器制御システム100の表示処理は、生体が周囲に存在することが検出された制御対象機器10を報知するように表示態様を決定してもよい。この構成によれば、生体検出情報に基づく制御対象機器10の制御の誤操作を軽減することができる。
【0081】
また、機器制御システム100の表示処理は、生体検出情報が紐付けできないと見なされる機器情報を、生体検出情報が紐付された機器情報とは異なる表示態様で表示するようにしてもよい。この構成によれば、生体検出情報が紐付された制御対象機器10と紐付けられていない制御対象機器10との識別が容易になり、制御対象機器10の制御の可否をより適切に利用者に把握させることができる。
【0082】
また、機器制御システム100の取得処理は、制御対象機器10に対して利用操作が実行されたことを示す操作情報を取得した場合、制御対象機器の周囲に生体が存在すると見なし、操作情報を生体検出情報として取得するようにしてもよい。この構成によれば、生体検出情報を取得する検出装置16を備えない制御対象機器10に対しても生体検出情報を取得している場合と同様な制御処理を実行することが可能になり使い勝手の向上に寄与することができる。
【0083】
また、機器制御システム100の制御対象機器10は、生体検出情報を取得する検出装置16を備える第1の制御対象機器(例えば、空気調和装置10An)と、当該第1の制御対象機器と同じ制御対象領域18内に存在する検出装置16を備えない第2の制御対象機器(例えば、扇風機18baa)とを含み、取得処理は、第1の制御対象機器に対する第1の生体検出情報を第2の制御対象機器の第2の生体検出情報として取得可能であるようにしもよい。この構成によれば、生体検出情報を取得する検出装置を備えない制御対象機器10に対しても生体検出情報を取得している場合と同様な制御処理を実行することが可能になり使い勝手の向上に寄与することができる。
【0084】
また、機器制御システム100の制御対象機器10が設置された制御対象領域18内に、生体検出情報を取得する検出装置16を備える複数の制御対象機器10が存在する場合、取得処理は、検出装置16を搭載する制御対象機器10に対応する生体検出情報を、他の制御対象機器10に対応する生体検出情報として見なして取得可能であるようにしてもよい。この構成によれば、ある制御対象機器10の検出装置16に検出領域の死角領域が存在した場合でも、その死角領域を他の制御対象機器10の検出装置16の検出領域で補うことが可能となり、生体検出精度をより向上することができる。
【0085】
また、機器制御システム100の取得処理は、制御対象機器10の固有情報と、制御対象機器が設置されている設置領域情報と、を紐付けて取得するようにしてもよい。この構成によれば、制御対象機器10とその設置領域との関係をより容易かつ正確に利用者に把握させ易くすることができる。
【0086】
また、本実施形態のプルグラムは、制御対象となり得る制御対象機器10に関する機器情報と前記制御対象機器10の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報を取得する取得処理と、制御対象機器10の操作画面を、制御対象機器10を遠隔操作可能な端末装置14の表示部14aに表示させるとともに、生体検出情報に基づいて機器情報の表示態様を決定して表示部14aに表示させる表示処理と、を、端末装置14のコンピュータに実行させる。この構成によれば、生体検出情報に基づく表示態様の表示が可能になり、制御対象機器10の現在の利用状況が把握し易く、より適切で容易な遠隔操作を実現させ易くすることができる。
【0087】
また、本実施形態の機器制御方法は、制御対象となり得る制御対象機器10に関する機器情報と、制御対象機器10の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報を取得する取得処理と、制御対象機器10の操作画面を、制御対象機器10を遠隔操作可能な端末装置14の表示部14aに表示させるとともに、生体検出情報に基づいて機器情報の表示態様を決定して表示部14aに表示させる表示処理と、を、含む。この構成によれば、生体検出情報に基づく表示態様の表示が可能になり、制御対象機器10の現在の利用状況が把握し易く、より適切で容易な遠隔操作を実現させ易くすることが可能になる。
【0088】
なお、本実施形態の機器制御システム100の機器制御部20を実現するプロセッサ等で実行される制御対象機器10を制御するためのプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0089】
さらに、本実施形態の処理を実行するプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0090】
なお、上述した実施形態では、例えば、検出装置16の検出結果を生体検出情報として用いる例や、操作情報を生体検出情報と見なして利用する例をしめした。他の実施形態では、制御対象機器10(空気調和装置E等)のスケジュール情報(例えば、週間運転スケジュール情報等)を取得して、スケジュール内容に基づく推定結果を、生体検出情報と見なして利用してもよい。例えば、スケジュールされた時間帯は制御対象機器10が使用されているはずである、つまり、制御対象機器10(空気調和装置E)の周囲に生体(人)が存在するはずである、という推定に基づき、その推定結果を生体検出情報として扱うようにしてもよい。この場合、スケジュール情報を取得する構成が、制御対象機器10の周囲に生体が存在するか否かを示す生体検出情報を取得する情報取得部の一例となる。なお、スケジュール情報の管理は、制御対象機器10で行われてもよいし、外部機器において行われてもよい。
【0091】
また、本実施形態の機器制御システム100は、複数の部屋に制御対象機器10がそれぞれ存在する一般的な住宅に適用する例を示した。別の実施形態では、例えば、複数の部屋を有するオフィスや制御領域が区別する仕切がなく開放された広いフロアで、制御領域ごとに制御対象機器10が配置されるようなオフィス等にも適用可能であり、同様な効果を得すことができる。
【0092】
上述した実施形態では、制御対象機器10として主に空気調和装置とする例を示したが、制御対象機器10の種類はこれに限定されず、生体検出情報に基づいて遠隔制御を実行可能な電気機器であれば適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0094】
10…制御対象機器、10A…第1制御対象機器群、10B…第2制御対象機器群、12…管理装置、14…端末装置、14a…表示部、16…検出装置、18…制御対象領域、20…機器制御部、22…登録部、22a…固有情報登録部、22b…設置領域登録部、22c…紐付け登録部、24…取得部、24a…生体情報取得部、24b…機器情報取得部、24c…操作情報取得部、26…表示処理部、26a…表示態様処理部、26aa…初期表示画面表示部、26ab…生体アイコン表示部、26ac…制御内容表示部、26b…紐付け処理部、26c…操作受付部、26d…生体認識部、26e…運転状態切替部、26f…報知処理部、28…制御画面、30…制御表示領域、32…生体アイコン、34…選択有無表示領域、100…機器制御システム。
図1
図2
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