(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082574
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】光信号送受信装置及び電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H04B 10/516 20130101AFI20240613BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20240613BHJP
H04B 10/69 20130101ALI20240613BHJP
【FI】
H04B10/516
H02M7/48 Z
H04B10/69
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196520
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】山川 智之
(72)【発明者】
【氏名】柏木 航平
【テーマコード(参考)】
5H770
5K102
【Fターム(参考)】
5H770DA03
5H770DA10
5H770DA11
5H770DA23
5H770DA41
5H770DA44
5H770GA13
5H770HA02Y
5H770HA03X
5H770HA03Y
5K102AA15
5K102AH22
5K102AH26
5K102AL11
5K102PA01
5K102PB01
5K102PH31
5K102RD11
5K102RD21
(57)【要約】
【課題】より簡単な構成で周波数の異なる複数の信号を送受できる光信号送受信装置及び電力変換装置を提供する。
【解決手段】光信号の送信を行う光送信部と、光伝送路を介して光送信部と接続され、光信号を受信し、光信号の発光量に応じた大きさの電気信号に変換することにより、電気信号の受信信号を出力する光受信部と、所定の周波数を有する第1入力信号と、第1入力信号よりも低い周波数を有する第2入力信号と、の入力を受け、第1入力信号に第2入力信号を重畳させた重畳信号を生成し、重畳信号を光送信部に入力することにより、重畳信号に応じた光信号を光送信部に送信させる発光制御部と、光受信部から出力された受信信号を基に、第1入力信号に応じた第1復元信号と、第2入力信号に応じた第2復元信号と、を生成する受光制御部と、を備えた光信号送受信装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号の送信を行う光送信部と、
前記光送信部に接続された光伝送路と、
前記光伝送路を介して前記光送信部と接続され、前記光信号を受信し、前記光信号の発光量に応じた大きさの電気信号に変換することにより、前記電気信号の受信信号を出力する光受信部と、
所定の周波数を有する第1入力信号と、前記第1入力信号よりも低い周波数を有する第2入力信号と、の入力を受け、前記第1入力信号に前記第2入力信号を重畳させた重畳信号を生成し、前記重畳信号を前記光送信部に入力することにより、前記重畳信号に応じた前記光信号を前記光送信部に送信させる発光制御部と、
前記光受信部から出力された前記受信信号を基に、前記第1入力信号及び前記第2入力信号の復元を行うことにより、前記第1入力信号に応じた第1復元信号と、前記第2入力信号に応じた第2復元信号と、を生成する受光制御部と、
を備えた光信号送受信装置。
【請求項2】
前記第1入力信号及び前記第2入力信号は、電圧の低い状態と、電圧の高い状態と、を有するデジタル信号であり、
前記発光制御部は、入力されたデジタル信号の前記第1入力信号及び前記第2入力信号の排他的論理和を演算することにより、前記第1入力信号及び前記第2入力信号からデジタル信号の前記重畳信号を生成する排他的論理和回路を有する請求項1記載の光信号送受信装置。
【請求項3】
前記第1入力信号及び前記第2入力信号は、電圧の高い状態と、電圧の低い状態と、を所定の周期で繰り返す信号であり、
前記第2入力信号の周期は、前記第1入力信号の周期よりも長く、
前記受光制御部は、ワンショット回路と、フィルタ回路と、を有し、前記光受信部から出力された受信信号を前記ワンショット回路及び前記フィルタ回路のそれぞれに入力し、
前記ワンショット回路は、前記受信信号の変化に応じて所定の幅のパルスを出力することにより、前記第1復元信号を生成し、
前記ワンショット回路の出力する前記パルスの幅は、前記第1入力信号の周期よりも長く、かつ前記第2入力信号の周期の半分以下に設定され、
前記フィルタ回路は、前記受信信号に含まれる前記第1入力信号の周波数成分の信号を減衰させ、前記第2入力信号の周波数成分の信号を通過させる処理を行うことにより、前記第2復元信号を生成する請求項2記載の光信号送受信装置。
【請求項4】
変換器を有し、前記変換器の動作により、電力の変換を行う主回路部と、
前記主回路部の動作を制御する制御装置と、
前記主回路部と前記制御装置との間の通信を行う光信号送受信装置と、
を備え、
前記光信号送受信装置は、
光信号の送信を行う光送信部と、
前記光送信部に接続された光伝送路と、
前記光伝送路を介して前記光送信部と接続され、前記光信号を受信し、前記光信号の発光量に応じた大きさの電気信号に変換することにより、前記電気信号の受信信号を出力する光受信部と、
所定の周波数を有する第1入力信号と、前記第1入力信号よりも低い周波数を有する第2入力信号と、の入力を受け、前記第1入力信号に前記第2入力信号を重畳させた重畳信号を生成し、前記重畳信号を前記光送信部に入力することにより、前記重畳信号に応じた前記光信号を前記光送信部に送信させる発光制御部と、
前記光受信部から出力された前記受信信号を基に、前記第1入力信号及び前記第2入力信号の復元を行うことにより、前記第1入力信号に応じた第1復元信号と、前記第2入力信号に応じた第2復元信号と、を生成する受光制御部と、
を有する電力変換装置。
【請求項5】
前記変換器は、スイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のスイッチングにより、電力の変換を行い、
前記発光制御部は、前記主回路部と接続され、
前記受光制御部は、前記制御装置と接続され、
前記主回路部は、ハートビート信号を前記第1入力信号として前記発光制御部に入力するとともに、フィードバック信号を前記第2入力信号として前記発光制御部に入力し、
前記ハートビート信号は、電圧の高い状態と、電圧の低い状態と、を所定の周期で繰り返し、前記主回路部の異常を前記制御装置で検出できるようにするための信号であり、
前記フィードバック信号は、電圧の高い状態と、電圧の低い状態と、を所定の周期で繰り返すとともに、電圧の高い状態及び電圧の低い状態の比率を変化させる信号であり、
前記フィードバック信号の周期は、前記ハートビート信号の周期よりも長い請求項4記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記変換器は、複数のスイッチング素子と、前記複数のスイッチング素子のそれぞれのオン・オフの切り替えを行う複数の駆動回路と、を有し、前記複数のスイッチング素子のスイッチングにより、電力の変換を行い、
前記光信号送受信装置は、前記複数の駆動回路のそれぞれに対応して設けられた複数の前記光送信部、複数の前記光伝送路、複数の前記光受信部、複数の前記発光制御部、及び複数の前記受光制御部を有する請求項4記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記主回路部は、直列に接続された複数の前記変換器を有し、
複数の前記変換器のそれぞれは、
一対の接続端子と、
複数のスイッチング素子と、
前記複数のスイッチング素子に対して並列に接続された電荷蓄積素子と、
を有し、前記一対の接続端子を介して直列に接続されるとともに、前記複数のスイッチング素子のスイッチングにより、前記電荷蓄積素子の電圧を前記一対の接続端子間に出力する出力状態と、前記一対の接続端子間を導通させたバイパス状態と、前記複数のスイッチング素子をオフ状態とした停止状態と、を切り替え可能であり、
前記光信号送受信装置は、前記主回路部の複数の前記変換器のそれぞれに対応して設けられた複数の前記光送信部、複数の前記光伝送路、複数の前記光受信部、複数の前記発光制御部、及び複数の前記受光制御部を有する請求項4記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光信号送受信装置及び電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光信号を送信する光送信部と、光信号を受信する光受信部と、光送信部と光受信部とを接続する光伝送路と、を備えた光信号送受信装置がある。光信号送受信装置は、例えば、電力変換装置などに用いられている。電力変換装置では、例えば、絶縁のために、信号の送受に光信号を用いている。
【0003】
こうした光信号送受信装置において、周波数の異なる複数の信号を送受する場合がある。この際、複数の信号毎に光送信部、光受信部、及び光伝送路の各部を設けた場合には、部品点数が増加し、装置の大型化やコスト増の要因となってしまうことが懸念される。このため、光信号送受信装置、及びこれを用いた電力変換装置では、より簡単な構成で周波数の異なる複数の信号を送受できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、より簡単な構成で周波数の異なる複数の信号を送受できる光信号送受信装置及び電力変換装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、光信号の送信を行う光送信部と、前記光送信部に接続された光伝送路と、前記光伝送路を介して前記光送信部と接続され、前記光信号を受信し、前記光信号の発光量に応じた大きさの電気信号に変換することにより、前記電気信号の受信信号を出力する光受信部と、所定の周波数を有する第1入力信号と、前記第1入力信号よりも低い周波数を有する第2入力信号と、の入力を受け、前記第1入力信号に前記第2入力信号を重畳させた重畳信号を生成し、前記重畳信号を前記光送信部に入力することにより、前記重畳信号に応じた前記光信号を前記光送信部に送信させる発光制御部と、前記光受信部から出力された前記受信信号を基に、前記第1入力信号及び前記第2入力信号の復元を行うことにより、前記第1入力信号に応じた第1復元信号と、前記第2入力信号に応じた第2復元信号と、を生成する受光制御部と、を備えた光信号送受信装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
より簡単な構成で周波数の異なる複数の信号を送受できる光信号送受信装置及び電力変換装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る光信号送受信装置を模式的に表すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態に係る光信号送受信装置の動作の一例を模式的に表すタイミングチャートである。
【
図3】第2の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
【
図4】第3の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
【0009】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る光信号送受信装置を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、光信号送受信装置10は、光送信部11と、光伝送路12と、光受信部13と、発光制御部14と、受光制御部15と、を備える。
【0011】
光送信部11は、光信号の送信を行う。光送信部11は、例えば、発光ダイオードやレーザダイオードなどの発光素子を有し、発光素子の点灯及び消灯により、光信号の送信を行う。光信号は、例えば、発光期間と消光期間とを有する。発光期間は、例えば、発光素子を点灯させた期間であり、消光期間は、例えば、発光素子を消灯させた期間である。消光期間は、発光素子を消灯させた状態に限ることなく、例えば、発光素子から照射される光の発光量を十分に小さくした状態でもよい。換言すれば、発光期間は、発光素子から照射される光の光量が閾値以上の状態であり、消光期間は、発光素子から照射される光の光量が閾値未満の状態である。
【0012】
光伝送路12の一端は、光送信部11に接続されている。光伝送路12の他端は、光受信部13に接続されている。換言すれば、光伝送路12は、光送信部11と光受信部13とを接続する。光伝送路12は、例えば、光ファイバである。光伝送路12は、光送信部11から送信された光信号の光受信部13への伝送を可能にする。光伝送路12は、例えば、光中継器や光分配器などを有してもよい。光伝送路12の構成は、光送信部11から送信された光信号を光受信部13に伝送可能な任意の構成でよい。
【0013】
光受信部13は、光伝送路12を介して光送信部11と接続され、光信号を受信し、光信号の発光量に応じた大きさの電気信号に変換することにより、電気信号の受信信号を出力する。光受信部13は、例えば、フォトダイオードなどの受光素子を有し、受光素子により、光信号を電気信号の受信信号に変換する。
【0014】
発光制御部14は、所定の周波数を有する第1入力信号と、第1入力信号よりも低い周波数を有する第2入力信号と、の入力を受ける。第1入力信号は、例えば、高周波信号であり、第2入力信号は、例えば、低周波信号である。第1入力信号の周波数は、例えば、1kHz以上である。第2入力信号の周波数は、例えば、1kHz未満である。第1入力信号は、例えば、1kHz以上の周波数を有する信号であり、第2入力信号は、例えば、1kHz未満の周波数を有する信号である。但し、第1入力信号の周波数及び第2入力信号の周波数は、上記に限ることなく、任意の周波数でよい。第1入力信号の周波数は、第2入力信号の周波数よりも高い任意の周波数でよい。第2入力信号の周波数は、第1入力信号の周波数よりも低い任意の周波数でよい。
【0015】
発光制御部14は、第1入力信号に第2入力信号を重畳させた重畳信号を生成し、重畳信号を光送信部11に入力することにより、重畳信号に応じた光信号を光送信部11に送信させる。
【0016】
受光制御部15は、光受信部13から出力された受信信号を基に、第1入力信号及び第2入力信号の復元を行うことにより、第1入力信号に応じた第1復元信号と、第2入力信号に応じた第2復元信号と、を生成する。受光制御部15は、生成した第1復元信号及び第2復元信号を外部に出力する。
【0017】
図2は、第1の実施形態に係る光信号送受信装置の動作の一例を模式的に表すタイミングチャートである。
図2は、第1入力信号、第2入力信号、重畳信号、第1復元信号、及び第2復元信号のそれぞれの一例を模式的に表す。
【0018】
図2に表したように、第1入力信号及び第2入力信号は、例えば、電圧の低い状態と、電圧の高い状態と、を有するデジタル信号である。電圧の低い状態(Lo)は、例えば、デジタル値の「0」に対応し、電圧の高い状態(Hi)は、例えば、デジタル値の「1」に対応する。
【0019】
発光制御部14は、入力された第1入力信号及び第2入力信号を基に、デジタル信号の重畳信号を生成し、生成した重畳信号を光送信部11に入力する。光送信部11は、例えば、入力された重畳信号の電圧の低い状態の時に光信号を消光期間とし、入力された重畳信号の電圧の高い状態の時に光信号を発光期間とすることにより、デジタル信号に対応した光信号の送信を行う。消光期間は、例えば、デジタル値の「0」に対応し、発光期間は、例えば、デジタル値の「1」に対応する。光受信部13は、光信号を電気信号に変換することにより、デジタル信号の受信信号を出力する。
【0020】
このように、光信号送受信装置10は、例えば、デジタル信号を光信号に変換して伝送するとともに、光信号のデジタル信号への復元を行う。換言すれば、光信号送受信装置10は、例えば、光信号を用いたデジタル通信を行うための装置である。
【0021】
発光制御部14は、例えば、排他的論理和回路(XOR回路)20を有する。排他的論理和回路20は、入力されたデジタル信号の第1入力信号及び第2入力信号の排他的論理和を演算することにより、第1入力信号及び第2入力信号からデジタル信号の重畳信号を生成する。
【0022】
排他的論理和の演算では、第1入力信号及び第2入力信号の一方のデジタル値の変化に応じて、出力信号のデジタル値が変化する。これにより、第1入力信号に第2入力信号を重畳させた重畳信号を生成することができる。但し、重畳信号の生成の方法は、排他的論理和回路20による方法に限ることなく、第1入力信号に第2入力信号を重畳させた重畳信号を適切に生成可能な任意の方法でよい。発光制御部14の構成は、第1入力信号及び第2入力信号から重畳信号を生成し、重畳信号を光送信部11に入力することにより、重畳信号に応じた光信号を光送信部11に送信させることが可能な任意の構成でよい。
【0023】
受光制御部15は、例えば、ワンショット回路30と、フィルタ回路32と、を有する。受光制御部15は、光受信部13から出力された受信信号をワンショット回路30及びフィルタ回路32のそれぞれに入力する。
【0024】
ワンショット回路30は、受信信号の変化に応じて所定の幅のパルスを出力する回路である。ワンショット回路30は、例えば、デジタル信号である受信信号の立ち上がりのエッジ及び立ち下がりのエッジに応じて所定の幅のパルスを出力する。換言すれば、ワンショット回路30は、例えば、デジタル信号である受信信号の立ち上がりのエッジ及び立ち下がりのエッジに応じて出力信号を電圧の高い状態に所定時間設定する。
【0025】
ワンショット回路30は、パルスの出力を行った後、パルス幅に応じた所定時間が経過する前に受信信号の次の変化を検出した場合には、その時点において次のパルスの出力を行うことにより、出力信号の電圧の高い状態を維持する。一方、ワンショット回路30は、パルスの出力を行った後、パルス幅に応じた所定時間が経過するまでに受信信号の次の変化を検出しなかった場合には、所定時間の経過に応じて出力信号を電圧の高い状態から電圧の低い状態に切り替える。
【0026】
ワンショット回路30は、換言すれば、受信信号から第1入力信号の復元を行い、第1復元信号を生成する第1復元回路である。受光制御部15は、ワンショット回路30の出力を第1入力信号に応じた第1復元信号として出力する。
【0027】
フィルタ回路32は、受信信号に含まれる第1入力信号の周波数成分の信号を減衰させ、第2入力信号の周波数成分の信号を通過させる処理を行う。換言すれば、フィルタ回路32は、受信信号に含まれる第2入力信号の周波数成分の信号のみを出力することにより、第2入力信号の復元を行う。フィルタ回路32は、例えば、ローパスフィルタである。フィルタ回路32は、換言すれば、受信信号から第2入力信号の復元を行い、第2復元信号を生成する第2復元回路である。受光制御部15は、フィルタ回路32の出力を第2入力信号に応じた第2復元信号として出力する。
【0028】
図2に表したように、第1入力信号は、例えば、電圧の高い状態と、電圧の低い状態と、を所定の周期T1で繰り返す信号である。第1入力信号は、換言すれば、所定の周期T1で発振するパルス状の信号である。第1入力信号は、例えば、送信側の機器の異常を受信側の機器で検出できるようにするための信号である。第1入力信号は、例えば、ハートビート信号である。受信側の機器は、例えば、信号の発振が停止したり、信号の発振の間隔が所定の周期T1から変化したりした際に、送信側の機器の異常を検出する。
【0029】
第2入力信号は、例えば、電圧の高い状態と、電圧の低い状態と、を所定の周期T2で繰り返すとともに、電圧の高い状態及び電圧の低い状態の比率を変化させることによって制御を行うための制御信号である。第2入力信号は、例えば、PWM制御用の制御信号である。第2入力信号の周期T2は、第1入力信号の周期T1よりも長い。第2入力信号の周期T2は、例えば、第1入力信号の周期T1の10倍以上である。
【0030】
ワンショット回路30は、受信信号の変化に応じて幅T3のパルスを出力する。ワンショット回路30の出力するパルスの幅T3は、例えば、第1入力信号の周期T1よりも長く、かつ第2入力信号の周期T2の半分以下に設定される。これにより、第1入力信号が所定の周期T1で正常に出力されている場合には、幅T3の時間の経過の前に次の周期T1のタイミングが来るため、ワンショット回路30の出力信号である第1復元信号は、電圧の高い状態のまま維持されることとなる。そして、第1復元信号は、第1入力信号の発振が停止した場合、あるいは第1入力信号の周期が周期T1よりも長くなった際に、電圧の低い状態となる。
【0031】
このため、受信側の機器は、第1復元信号が電圧の高い状態の時に、送信側の機器が正常であると判断し、第1復元信号が電圧の低い状態となった時に、送信側の機器の異常を検出する。これにより、ワンショット回路30によって、第1入力信号の復元を行い、第1入力信号に応じた第1復元信号を生成することができる。
【0032】
このように、受光制御部15は、必ずしも第1入力信号及び第2入力信号の形をそのまま復元する構成でなくてもよい。第1復元信号は、少なくとも第1入力信号と同様の機能を有する任意の信号でよい。第2復元信号は、少なくとも第2入力信号と同様の機能を有する任意の信号でよい。
【0033】
受光制御部15の構成は、上記に限定されるものではない。受光制御部15は、例えば、受信信号に含まれる第1入力信号の周波数成分の信号のみを出力することにより、受信信号から第1入力信号の復元を行い、第1復元信号を生成するハイパスフィルタを第1復元回路としてもよい。第1復元回路及び第2復元回路は、第1入力信号及び第2入力信号の内容や、重畳信号の内容などに応じて適宜設定すればよい。受光制御部15の構成は、光受信部13から出力された受信信号を基に、第1入力信号及び第2入力信号の復元を行うことにより、第1入力信号に応じた第1復元信号と、第2入力信号に応じた第2復元信号と、を生成可能な任意の構成でよい。受光制御部15の構成は、少なくとも第1入力信号と同様の機能を有する第1復元信号を生成可能であるとともに、第2入力信号と同様の機能を有する第2復元信号を生成可能な任意の構成でよい。
【0034】
以上、説明したように、本実施形態に係る光信号送受信装置10では、発光制御部14が、第1入力信号に第2入力信号を重畳させた重畳信号を生成し、重畳信号を光送信部11に入力することにより、重畳信号に応じた光信号を光送信部11に送信させ、受光制御部15が、光受信部13から出力された受信信号を基に、第1入力信号及び第2入力信号の復元を行うことにより、第1入力信号に応じた第1復元信号と、第2入力信号に応じた第2復元信号と、を生成する。
【0035】
これにより、光信号送受信装置10では、1つの光伝送路12で第1入力信号及び第2入力信号の2つの信号の送信を行うことができる。従って、光信号送受信装置10では、例えば、2つの信号のそれぞれに対応した2つの光送信部11、2つの光伝送路12、及び2つの光受信部13を設ける場合と比べて、より簡単な構成で周波数の異なる複数の信号を送受することができる。
【0036】
なお、重畳信号に重畳させる信号は、必ずしも2つに限定されるものではない。発光制御部14は、例えば、3つ以上の信号を重畳させた重畳信号を生成してもよい。受光制御部15は、3つ以上の信号のそれぞれを復元してもよい。重畳信号に重畳させる信号の数は、2つに限ることなく、受光制御部15において適切に復元可能であれば、3つ以上でもよい。例えば、それぞれ周波数の異なる3つ以上の信号を重畳させ、各信号の周波数に応じた複数のバンドパスフィルタによって各信号を復元してもよい。発光制御部14は、少なくとも2つの信号を重畳させた重畳信号を生成可能に構成されていればよい。受光制御部15は、重畳信号に重畳する信号の数に応じた少なくとも2つの信号を復元可能に構成されていればよい。
【0037】
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、電力変換装置100は、主回路部101と、制御装置102と、光信号送受信装置104と、を備える。
【0038】
主回路部101は、変換器101aを有し、変換器101aの動作により、電力の変換を行う。制御装置102は、主回路部101の動作を制御する。換言すれば、制御装置102は、変換器101aによる電力の変換の動作を制御する。光信号送受信装置104は、主回路部101と制御装置102との間の通信を行う。
【0039】
変換器101aは、三相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子111~116と、6つのスイッチング素子111~116のそれぞれに対して逆並列に接続された6つの整流素子121~126と、6つのスイッチング素子111~116のそれぞれに対して並列に接続された電荷蓄積素子130と、6つのスイッチング素子111~116のそれぞれのオン・オフの切り替えを行う6つの駆動回路131~136と、を有する。
【0040】
変換器101aでは、各スイッチング素子111~116の両端が、一対の直流端子106a、106bとなり、スイッチング素子111とスイッチング素子112との接続点、スイッチング素子113とスイッチング素子114との接続点、及びスイッチング素子115とスイッチング素子116との接続点が、それぞれ3つの交流端子108a~108cとなる。変換器101aは、いわゆる三相2レベルインバータである。
【0041】
変換器101aは、各交流端子108a~108cを介して交流電力系統と接続される。各交流端子108a~108cは、例えば、図示を省略した遮断器や変圧器などを介して交流電力系統と接続される。また、変換器101aは、一対の直流端子106a、106bを介して直流電源あるいは直流負荷と接続される。これにより、主回路部101は、変換器101aの動作により、電力の変換を行う。主回路部101は、例えば、変換器101aの各スイッチング素子111~116のスイッチングにより、直流から交流への変換及び交流から直流への変換の少なくとも一方を行う。
【0042】
光信号送受信装置104は、上記第1の実施形態の光信号送受信装置10と同様に、光送信部11と、光伝送路12と、光受信部13と、発光制御部14と、受光制御部15と、を有する。光送信部11、光伝送路12、光受信部13、発光制御部14、及び受光制御部15の各部の構成は、上記第1の実施形態に関して説明したものと実質的に同じであるから、詳細な説明は省略する。
【0043】
発光制御部14は、主回路部101と接続される。受光制御部15は、制御装置102と接続される。これにより、光信号送受信装置104は、主回路部101から制御装置102への信号の送信を可能にする。また、光信号送受信装置104は、図示を省略した別の光送信部、光伝送路、及び光受信部などさらに有し、制御装置102から主回路部101への信号の送信も可能にする。光信号送受信装置104は、例えば、主回路部101と制御装置102との間の双方向の通信を可能にしつつ、主回路部101と制御装置102とを電気的に絶縁する。但し、光信号送受信装置104は、必ずしも双方向の通信を可能にするものでなくてもよい。光信号送受信装置104は、主回路部101から制御装置102、あるいは制御装置102から主回路部101へのいずれか一方向への通信のみを行う構成でもよい。例えば、制御装置102から主回路部101への信号の送信は、光信号送受信装置104とは別の光信号送受信装置で行う構成としてもよい。
【0044】
制御装置102は、光信号送受信装置104を介して駆動回路131~136に制御信号を送信する。制御信号は、例えば、電圧の高い状態と、電圧の低い状態と、を所定の周期で繰り返すとともに、電圧の高い状態及び電圧の低い状態の比率を変化させることによって各スイッチング素子111~116のスイッチングの制御を行うための制御信号である。制御信号は、例えば、PWM制御用の制御信号である。制御信号は、例えば、デジタル信号である。制御信号は、例えば、ゲート信号、あるいはゲート指令などと呼ばれる場合もある。
【0045】
駆動回路131~136は、制御装置102から入力された制御信号に基づいて、各スイッチング素子111~116のオン・オフを切り替える。各スイッチング素子111~116は、例えば、一対の主端子と、制御端子と、を有する。また、各スイッチング素子111~116は、オン状態と、オフ状態と、を有する。オン状態は、一対の主端子間に電流を流す状態である。オフ状態は、一対の主端子間の電流の流れを遮断する状態である。各スイッチング素子111~116は、一対の主端子間の電圧、及び制御端子の電圧に応じて、オン状態及びオフ状態を切り替える。なお、オフ状態は、一対の主端子間に完全に電流が流れない状態に限ることなく、主回路部101の動作に影響の無い範囲の微弱な電流が一対の主端子間に流れる状態でもよい。各スイッチング素子111~116は、例えば、IGBTやMOSFETなどの自励式の半導体素子である。但し、各スイッチング素子111~116は、これに限ることなく、オン状態及びオフ状態を任意に切り替えることが可能な任意の素子でよい。
【0046】
制御装置102は、光信号送受信装置104を介して各駆動回路131~136に制御信号を送信し、各スイッチング素子111~116のスイッチングを制御することにより、主回路部101による電力の変換を制御する。
【0047】
各駆動回路131~136は、制御装置102から入力された制御信号に応じて各スイッチング素子111~116の制御端子の電圧の大きさを変化させることにより、各スイッチング素子111~116のオン状態及びオフ状態を切り替える。各駆動回路131~136は、例えば、制御信号の電圧の低い状態の時に、各スイッチング素子111~116の制御端子の電圧を低くすることにより、各スイッチング素子111~116をオフ状態にし、制御信号の電圧の高い状態の時に、各スイッチング素子111~116の制御端子の電圧を高くすることにより、各スイッチング素子111~116をオン状態にする。
【0048】
このように、各スイッチング素子111~116の制御端子の電圧の大きさは、制御信号に応じて変化する。但し、制御信号の電圧の大きさ、各スイッチング素子111~116の制御端子の電圧の大きさ、及び各スイッチング素子111~116のオン・オフの関係は、上記に限定されるものではない。制御信号の電圧の大きさ、各スイッチング素子111~116の制御端子の電圧の大きさ、及び各スイッチング素子111~116のオン・オフの関係は、各スイッチング素子111~116の特性に応じて適宜設定すればよい。
【0049】
光信号送受信装置104は、例えば、駆動回路131~136のそれぞれに対応して設けられた複数の光送信部11、複数の光伝送路12、複数の光受信部13、複数の発光制御部14、及び複数の受光制御部15を有する。各駆動回路131~136から出力された信号は、光信号送受信装置104を介して制御装置102に入力される。
【0050】
各駆動回路131~136は、例えば、電圧の高い状態と、電圧の低い状態と、を所定の周期で繰り返し、各駆動回路131~136の異常を制御装置102で検出できるようにするためのハートビート信号を第1入力信号として各発光制御部14に入力する。ハートビート信号は、例えば、デジタル信号である。
【0051】
また、各駆動回路131~136は、例えば、各スイッチング素子111~116の制御端子の電圧を測定し、制御端子の電圧の測定結果に応じたフィードバック信号を第2入力信号として各発光制御部14に入力する。制御端子の電圧は、例えば、ゲート電圧などと呼ばれる場合もある。上記のように、各スイッチング素子111~116の制御端子の電圧は、制御信号に応じて変化する。例えば、各スイッチング素子111~116及び各駆動回路131~136などが正常である場合には、フィードバック信号は、制御信号と同様に変化する信号である。フィードバック信号は、例えば、電圧の高い状態と、電圧の低い状態と、を所定の周期で繰り返すとともに、電圧の高い状態及び電圧の低い状態の比率を変化させる信号である。フィードバック信号は、例えば、PWM信号である。フィードバック信号は、例えば、デジタル信号である。フィードバック信号は、換言すれば、制御信号が各スイッチング素子111~116の制御端子に適切に入力されたか否かを制御装置102で確認できるようにするための信号である。
【0052】
換言すれば、主回路部101は、電圧の高い状態と、電圧の低い状態と、を所定の周期で繰り返し、主回路部101の異常を制御装置102で検出できるようにするためのハートビート信号を第1入力信号として発光制御部14に入力する。そして、主回路部101は、各スイッチング素子111~116の制御端子の電圧を測定し、制御端子の電圧の測定結果に応じたフィードバック信号を第2入力信号として発光制御部14に入力する。上記第1の実施形態の
図2に関して説明したように、フィードバック信号(制御信号)の周期は、ハートビート信号の周期よりも長い。換言すれば、第2入力信号の周期T2は、第1入力信号の周期T1よりも長い。
【0053】
これにより、本実施形態に係る電力変換装置100では、1つの光伝送路12で第1入力信号及び第2入力信号の2つの信号の送信を行うことができる。従って、電力変換装置100では、例えば、2つの信号のそれぞれに対応した2つの光送信部11、2つの光伝送路12、及び2つの光受信部13を設ける場合と比べて、より簡単な構成で周波数の異なる複数の信号を送受することができる。
【0054】
また、電力変換装置100では、例えば、複数の駆動回路131~136のそれぞれに対応して設けられた複数の光送信部11、複数の光伝送路12、複数の光受信部13、複数の発光制御部14、及び複数の受光制御部15が設けられる。この場合、1つの光伝送路12で第1入力信号及び第2入力信号の2つの信号を送信できるようにすることで、光伝送路12の数をより削減し、電力変換装置100の部品点数の増加をより抑制することができる。
【0055】
なお、この例では、光信号送受信装置104を主回路部101及び制御装置102とは別に設けている。光信号送受信装置104は、これに限ることなく、主回路部101又は制御装置102に組み込んでもよい。換言すれば、光信号送受信装置104は、主回路部101に一体的に設けてもよいし、制御装置102に一体的に設けてもよい。また、例えば、光送信部11と発光制御部14とを主回路部101に設け、光受信部13と受光制御部15とを制御装置102に設けるといったように、光信号送受信装置104は、主回路部101及び制御装置102に分割して設けてもよい。換言すれば、光信号送受信装置104は、一部を主回路部101(例えば各駆動回路131~136)に設け、別の一部を制御装置102に設けてもよい。光信号送受信装置104の構成は、上記に限ることなく、主回路部101と制御装置102との間の通信を適切に行うことが可能な任意の構成でよい。
【0056】
(第3の実施形態)
図4は、第3の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図4に表したように、電力変換装置200は、主回路部212と、制御装置214と、光信号送受信装置216と、を備える。電力変換装置200は、例えば、直流送電システムに用いられる。電力変換装置200は、直流送電システムにおいて、交流電力系統202及び一対の直流送電線203、204に接続される。
【0057】
直流送電システムは、例えば、変圧器206を有する。電力変換装置200の主回路部212は、変圧器206を介して交流電力系統202に接続される。交流電力系統202の交流電力は、三相交流電力である。より詳しくは、対称三相交流電力である。変圧器206は、交流電力系統202の三相交流電力を主回路部212に対応した交流電力に変換する。変圧器206は、主回路部212に合わせて三相交流電力の各相の実効値を変化させる。変圧器206は、三相変圧器である。変圧器206は、必要に応じて設けられ、省略可能である。主回路部212には、交流電力系統202の三相交流電力を直接供給してもよい。
【0058】
電力変換装置200は、交流電力系統202から供給された三相交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を直流送電線203、204に供給する。また、電力変換装置200は、直流送電線203、204から供給された直流電力を三相交流電力に変換し、変換後の三相交流電力を交流電力系統202に供給する。このように、電力変換装置200は、交流から直流への交直変換、及び、直流から交流への交直変換を行う。
【0059】
例えば、直流送電線203は、直流電力の高圧側の送電線であり、直流送電線204は、直流電力の低圧側の送電線である。電力変換装置200は、直流送電線203側が高圧、直流送電線204側が低圧となるように、変換後の直流電力を直流送電線203、204に出力する。
【0060】
主回路部212は、交流電力系統202と各直流送電線203、204との間に設けられる。主回路部212は、三相交流電力から直流電力への変換、及び、直流電力から三相交流電力への変換を行う。主回路部212は、例えば、直列に接続された複数の変換器を有するマルチレベル電力変換器である。主回路部212は、例えば、MMC(Modular Multilevel Converter)型の電力変換器である。MMC型の主回路部212は、直列に接続された複数の変換器を有する。各変換器は、ハーフブリッジ接続又はフルブリッジ接続された複数のスイッチング素子と、各スイッチング素子に並列に接続された電荷蓄積素子と、を有する。主回路部212は、複数の変換器の動作により、電力の変換を行う。主回路部212は、例えば、複数の変換器の各スイッチング素子のスイッチングにより、交直変換を行う。
【0061】
制御装置214は、主回路部212の動作を制御する。光信号送受信装置216は、主回路部212と制御装置214との間の通信を行う。制御装置214は、光信号送受信装置216を介して主回路部212と通信を行い、各スイッチング素子のオン・オフを制御することにより、主回路部212による三相交流電力から直流電力への変換、及び、直流電力から三相交流電力への変換を制御する。
【0062】
主回路部212は、第1及び第2の一対の直流端子220a、220bと、第1~第3の3つの交流端子221a~221cと、第1~第6の6つのアーム部222a~222fと、を有する。
【0063】
第1直流端子220aは、高圧側の直流送電線203に接続される。第2直流端子220bは、低圧側の直流送電線204に接続される。これにより、主回路部212によって変換された直流電力が直流送電線203、204に供給されるとともに、直流送電線203、204から供給された直流電力が主回路部212に入力される。
【0064】
第1アーム部222aは、第1直流端子220aに接続される。第2アーム部222bは、第1アーム部222aと第2直流端子220bとの間に接続される。第1アーム部222a及び第2アーム部222bは、各直流端子220a、220bの間に直列に接続される。
【0065】
第3アーム部222cは、第1直流端子220aに接続される。第4アーム部222dは、第3アーム部222cと第2直流端子220bとの間に接続される。第3アーム部222c及び第4アーム部222dは、第1アーム部222a及び第2アーム部222bに対して並列に接続される。
【0066】
第5アーム部222eは、第1直流端子220aに接続される。第6アーム部222fは、第5アーム部222eと第2直流端子220bとの間に接続される。すなわち、第5アーム部222e及び第6アーム部222fは、第1アーム部222a及び第2アーム部222bに対して並列に接続されるとともに、第3アーム部222c及び第4アーム部222dに対して並列に接続される。
【0067】
主回路部212では、第1アーム部222a及び第2アーム部222bによって第1レグLG1が構成され、第3アーム部222c及び第4アーム部222dによって第2レグLG2が構成され、第5アーム部222e及び第6アーム部222fによって第3レグLG3が構成される。すなわち、この例において、主回路部212は、3レグ、6アームの三相インバータである。第1アーム部222a、第3アーム部222c及び第5アーム部222eは、上側アームである。第2アーム部222b、第4アーム部222d及び第6アーム部222fは、下側アームである。このように、主回路部212は、複数のスイッチング素子によって構成される複数のアーム部及び複数のレグを有する。主回路部212は、例えば、2レグ、4アームの単相インバータなどでもよい。アーム部及びレグの数は、上記に限ることなく、任意の数でよい。
【0068】
第1アーム部222aは、直列に接続された複数の変換器UP1、UP2…UPM1を有する。第2アーム部222bは、直列に接続された複数の変換器UN1、UN2…UNM2を有する。第3アーム部222cは、直列に接続された複数の変換器VP1、VP2…VPM3を有する。第4アーム部222dは、直列に接続された複数の変換器VN1、VN2…VNM4を有する。第5アーム部222eは、直列に接続された複数の変換器WP1、WP2…WPM5を有する。第6アーム部222fは、直列に接続された複数の変換器WN1、WN2…WNM6を有する。
【0069】
但し、以下では、各変換器UP1、UP2…UPM1、UN1、UN2…UNM2、VP1、VP2…VPM3、VN1、VN2…VNM4、WP1、WP2…WPM5、WN1、WN2…WNM6をまとめて呼称する場合に、「変換器CEL」と称す。
【0070】
各アーム部222a~222fにおいて、M1、M2、M3、M4、M5、M6は、直列接続された変換器CELの台数を表す。各アーム部222a~222fにおいて、直列接続される変換器CELの台数は、例えば、100台~120台程度である。但し、直列接続される変換器CELの台数は、これに限ることなく、任意の台数でよい。
【0071】
各アーム部222a~222fに設けられる変換器CELの台数は、実質的に同じである。例えば、多数の各変換器CELが接続される場合には、主回路部212の動作に影響のない範囲において、各アーム部222a~222fに設けられる変換器CELの台数が異なってもよい。例えば、1つのアーム部に100台の変換器CELを直列に接続する場合、別のアーム部に設ける変換器CELの台数は、1~2台異なってもよい。
【0072】
各アーム部222a~222fのそれぞれは、バッファリアクトル223a~223fと、複数の電流検出器224a~224fと、をさらに有する。また、電力変換装置200は、電圧検出部225をさらに有する。
【0073】
各バッファリアクトル223a~223fは、各アーム部222a~222fのそれぞれにおいて、各変換器CELに直列に接続される。第1アーム部222aのバッファリアクトル223aは、第1アーム部222a及び第2アーム部222bとの接続点と変換器UP1との間に設けられる。第2アーム部222bのバッファリアクトル223bは、第1アーム部222a及び第2アーム部222bとの接続点と変換器UN1との間に設けられる。第3アーム部222cのバッファリアクトル223cは、第3アーム部222c及び第4アーム部222dとの接続点と変換器VP1との間に設けられる。第4アーム部222dのバッファリアクトル223dは、第3アーム部222c及び第4アーム部222dとの接続点と変換器VN1との間に設けられる。第5アーム部222eのバッファリアクトル223eは、第5アーム部222e及び第6アーム部222fとの接続点と変換器WP1との間に設けられる。第6アーム部222fのバッファリアクトル223fは、第5アーム部222e及び第6アーム部222fとの接続点と変換器WN1との間に設けられる。
【0074】
電流検出器224aは、第1アーム部222aに設けられ、第1アーム部222aに流れる電流を検出する。すなわち、電流検出器224aは、第1アーム部222aのアーム電流を検出する。電流検出器224aは、図示を省略した配線などを介して制御装置214に接続されている。電流検出器224aは、検出した第1アーム部222aの電流値を制御装置214に入力する。これにより、制御装置214には、第1アーム部222aの電流値が入力される。
【0075】
以下同様に、電流検出器224bは、第2アーム部222bに流れる電流を検出し、検出した電流値を制御装置214に入力する。電流検出器224cは、第3アーム部222cに流れる電流を検出し、検出した電流値を制御装置214に入力する。電流検出器224dは、第4アーム部222dに流れる電流を検出し、検出した電流値を制御装置214に入力する。電流検出器224eは、第5アーム部222eに流れる電流を検出し、検出した電流値を制御装置214に入力する。電流検出器224fは、第6アーム部222fに流れる電流を検出し、検出した電流値を制御装置214に入力する。
【0076】
電圧検出部225は、交流電力系統202の各相の交流電圧(相電圧)を検出し、検出値を制御装置214に入力する。電圧検出部225は、変圧器206の一次側に接続してもよいし、二次側に接続してもよい。
【0077】
主回路部212では、第1アーム部222aと第2アーム部222bとの接続点、第3アーム部222cと第4アーム部222dとの接続点、及び、第5アーム部222eと第6アーム部222fとの接続点のそれぞれが、交流出力点となる。
【0078】
第1交流端子221aは、第1アーム部222aと第2アーム部222bとの接続点に接続される。第2交流端子221bは、第3アーム部222cと第4アーム部222dとの接続点に接続される。第3交流端子221cは、第5アーム部222eと第6アーム部222fとの接続点に接続される。各交流端子221a~221cは、例えば、変圧器206に接続される。
【0079】
各変換器CELは、例えば、光信号送受信装置216を介して制御装置214と通信を行う。制御装置214は、光信号送受信装置216を介して変換器CELに制御信号を入力することにより、変換器CELの動作を制御する。また、変換器CELは、例えば、変換器CELの制御及び動作保護に関する制御信号や保護信号を光信号送受信装置216を介して制御装置214に入力する。なお、制御装置214と各変換器CELとの間の通信方式は、上記に限定されるものではない。例えば、直列に接続された複数の変換器CELをデイジーチェーン接続し、制御装置214は、デイジーチェーン接続された一端の変換器CEL及び他端の変換器CELのみと通信を行ってもよい。制御装置214と各変換器CELとの間の通信方式は、制御装置214と各変換器CELとの間で適切に通信を行うことができる任意の通信方式でよい。
【0080】
図5は、変換器を模式的に表すブロック図である。
図5に表したように、変換器CELは、複数のスイッチング素子241、242と、複数の整流素子251、252と、複数の駆動回路261、262と、一対の接続端子271、272と、電荷蓄積素子274と、給電回路276と、電圧検出回路278と、制御回路280と、を有する。
【0081】
各スイッチング素子241、242には、上記第2の実施形態の各スイッチング素子111~116と同様の素子を用いることができる。従って、各スイッチング素子241、242の素子構成についての詳細な説明は省略する。
【0082】
スイッチング素子242の一対の主端子は、スイッチング素子241の一対の主端子に対して直列に接続される。この例において、変換器CELは、直列に接続された2つのスイッチング素子241、242を有する。この例において、変換器CELは、ハーフブリッジ構成の変換器である。
【0083】
整流素子251は、スイッチング素子241の一対の主端子に対して逆並列に接続されている。整流素子251の順方向は、スイッチング素子241の一対の主端子間に流れる電流の向きに対して逆向きである。同様に、整流素子252は、スイッチング素子242の一対の主端子に対して逆並列に接続されている。整流素子251、252は、いわゆる還流ダイオードである。
【0084】
接続端子271は、スイッチング素子241とスイッチング素子242との間に接続される。接続端子272は、スイッチング素子241のスイッチング素子242に接続された主端子と反対側の主端子に接続される。
【0085】
同一アーム部内の複数の変換器CELは、一対の接続端子271、272を介して直列に接続される。変換器CELに対する電力の供給は、各接続端子271、272を介して行われる。スイッチング素子241は、いわゆるローサイドスイッチであり、スイッチング素子242は、いわゆるハイサイドスイッチである。
【0086】
制御回路280は、光信号送受信装置216を介して制御装置214と通信を行う。制御装置214は、各スイッチング素子241、242のオン・オフを制御するための制御信号を光信号送受信装置216を介して制御回路280に送信する。制御回路280は、入力された制御信号に基づいて、各スイッチング素子241、242のオン・オフを切り替えるための駆動信号を駆動回路261、262に入力する。
【0087】
駆動回路261は、スイッチング素子241の制御端子に接続されている。駆動回路262は、スイッチング素子242の制御端子に接続されている。駆動回路261、262は、制御回路280から入力された駆動信号に基づいて、各スイッチング素子241、242のオン・オフを切り替える。これにより、制御装置214からの制御信号に応じて、各スイッチング素子241、242のオン・オフが制御される。制御装置214は、各変換器CEL毎に制御信号を生成し、各変換器CELのそれぞれの各スイッチング素子241、242のオン・オフを制御する。これにより、制御装置214は、主回路部212による電力の変換を制御する。
【0088】
なお、駆動回路261、262及び制御回路280の構成は、上記に限ることなく、各スイッチング素子241、242のオン・オフを制御可能な任意の構成でよい。例えば、制御装置214からの制御信号を駆動回路261、262に直接的に入力してもよい。この場合、制御回路280は、省略可能である。
【0089】
電荷蓄積素子274は、スイッチング素子241及びスイッチング素子242に対して並列に接続される。電荷蓄積素子274は、例えば、コンデンサである。
【0090】
スイッチング素子241がオフ状態で、スイッチング素子242がオン状態の時には、電荷蓄積素子274の電圧が各接続端子271、272間に現れる。スイッチング素子241がオン状態で、スイッチング素子242がオフ状態の時には、各接続端子271、272間が導通し、各接続端子271、272間の電圧は、実質的にゼロになる。
【0091】
このように、変換器CELは、制御装置214からの制御信号に基づく各スイッチング素子241、242のスイッチングにより、電荷蓄積素子274の電圧を各接続端子271、272間に出力する出力状態と、各接続端子271、272間を導通させたバイパス状態と、各スイッチング素子241、242をオフ状態とした停止状態と、を切り替える。
【0092】
各アーム部222a~222fにおいては、出力状態となった変換器CELの合計の電圧が、各アーム部222a~222fの電圧となる。主回路部212及び制御装置214は、出力状態とする変換器CELの台数を制御することにより、マルチレベルの電力変換を行う。
【0093】
各スイッチング素子241、242がともにオフ状態の時(変換器CELが停止状態の時)には、アーム電流の向きによって各接続端子271、272間の電圧が決まる。例えば、接続端子272から接続端子271に向かう向きにアーム電流が流れている時には、整流素子251がオンし、各接続端子271、272間の電圧は、実質的にゼロになる。反対に、接続端子271から接続端子272に向かう向きにアーム電流が流れている時には、整流素子252がオンし、電荷蓄積素子274が充電され、各接続端子271、272間には、電荷蓄積素子274の電圧が現れる。
【0094】
給電回路276は、電荷蓄積素子274に対して並列に接続されている。給電回路276は、電荷蓄積素子274に蓄積された電荷を基に、駆動回路261、262及び制御回路280の駆動電源を生成し、生成した駆動電源を駆動回路261、262及び制御回路280に供給する。駆動回路261、262及び制御回路280は、給電回路276からの駆動電源の供給に応じて動作する。
【0095】
なお、駆動回路261、262及び制御回路280への給電方式は、上記に限定されるものではない。例えば、電荷蓄積素子274とは別の電源から駆動回路261、262及び制御回路280に対して給電を行ってもよい。駆動回路261、262及び制御回路280への給電方式は、駆動回路261、262及び制御回路280に対して適切に給電を行うことができる任意の方式でよい。
【0096】
電圧検出回路278は、電荷蓄積素子274に対して並列に接続されている。電圧検出回路278は、制御回路280と接続されている。電圧検出回路278は、電荷蓄積素子274の直流電圧を検出し、電荷蓄積素子274の直流電圧の電圧検出値を制御回路280に入力する。
【0097】
光信号送受信装置216は、上記第1の実施形態の光信号送受信装置10と同様に、光送信部11と、光伝送路12と、光受信部13と、発光制御部14と、受光制御部15と、を有する。光送信部11、光伝送路12、光受信部13、発光制御部14、及び受光制御部15の各部の構成は、上記第1の実施形態に関して説明したものと実質的に同じであるから、詳細な説明は省略する。
【0098】
発光制御部14は、主回路部212と接続される。受光制御部15は、制御装置214と接続される。これにより、光信号送受信装置216は、主回路部212から制御装置214への信号の送信を可能にする。また、光信号送受信装置216は、図示を省略した別の光送信部、光伝送路、及び光受信部などさらに有し、制御装置214から主回路部212への信号の送信も可能にする。光信号送受信装置216は、例えば、主回路部212と制御装置214との間の双方向の通信を可能にしつつ、主回路部212と制御装置214とを電気的に絶縁する。但し、光信号送受信装置216は、必ずしも双方向の通信を可能にするものでなくてもよい。
【0099】
制御装置214は、光信号送受信装置216を介して主回路部212の各変換器CELに制御信号を送信する。制御信号は、例えば、電圧の高い状態と、電圧の低い状態と、を所定の周期で繰り返すとともに、電圧の高い状態及び電圧の低い状態の比率を変化させることによって各スイッチング素子241、242のスイッチングの制御を行うための制御信号である。制御信号は、例えば、PWM制御用の制御信号である。制御信号は、例えば、デジタル信号である。
【0100】
各変換器CELの制御回路280は、制御装置214から入力された制御信号に基づいて、各スイッチング素子241、242のオン・オフを切り替える。制御装置214は、光信号送受信装置216を介して各変換器CELの制御回路280に制御信号を送信し、各スイッチング素子241、242のスイッチングを制御することにより、主回路部212による電力の変換を制御する。
【0101】
各変換器CELの制御回路280は、制御装置214から入力された制御信号に応じて各スイッチング素子241、242の制御端子の電圧の大きさを変化させることにより、各スイッチング素子241、242のオン状態及びオフ状態を切り替える。制御信号の電圧の大きさ、各スイッチング素子241、242の制御端子の電圧の大きさ、及び各スイッチング素子241、242のオン・オフの関係は、上記第2の実施形態に関する説明と同様とすることができる。
【0102】
光信号送受信装置216は、例えば、各変換器CELのそれぞれに対応して設けられた複数の光送信部11、複数の光伝送路12、複数の光受信部13、複数の発光制御部14、及び複数の受光制御部15を有する。複数の発光制御部14は、例えば、各変換器CELのそれぞれの制御回路280と接続される。各変換器CELのそれぞれの制御回路280から出力された信号は、光信号送受信装置216を介して制御装置214に入力される。
【0103】
各変換器CELの制御回路280は、例えば、電圧の高い状態と、電圧の低い状態と、を所定の周期で繰り返し、各変換器CELの異常を制御装置214で検出できるようにするためのハートビート信号を第1入力信号として各発光制御部14に入力する。ハートビート信号は、例えば、デジタル信号である。
【0104】
また、各変換器CELの制御回路280は、例えば、各スイッチング素子241、242の制御端子の電圧を測定し、制御端子の電圧の測定結果に応じたフィードバック信号を第2入力信号として各発光制御部14に入力する。フィードバック信号は、例えば、電圧の高い状態と、電圧の低い状態と、を所定の周期で繰り返すとともに、電圧の高い状態及び電圧の低い状態の比率を変化させる信号である。フィードバック信号は、例えば、PWM信号である。フィードバック信号は、例えば、デジタル信号である。フィードバック信号は、換言すれば、制御信号が各スイッチング素子241、242の制御端子に適切に入力されたか否かを制御装置214で確認できるようにするための信号である。
【0105】
換言すれば、主回路部212は、電圧の高い状態と、電圧の低い状態と、を所定の周期で繰り返し、主回路部212の異常を制御装置214で検出できるようにするためのハートビート信号を第1入力信号として発光制御部14に入力する。そして、主回路部212は、各スイッチング素子241、242の制御端子の電圧を測定し、制御端子の電圧の測定結果に応じたフィードバック信号を第2入力信号として発光制御部14に入力する。上記第1の実施形態の
図2に関して説明したように、フィードバック信号(制御信号)の周期は、ハートビート信号の周期よりも長い。換言すれば、第2入力信号の周期T2は、第1入力信号の周期T1よりも長い。
【0106】
これにより、本実施形態に係る電力変換装置200では、1つの光伝送路12で第1入力信号及び第2入力信号の2つの信号の送信を行うことができる。従って、電力変換装置200では、例えば、2つの信号のそれぞれに対応した2つの光送信部11、2つの光伝送路12、及び2つの光受信部13を設ける場合と比べて、より簡単な構成で周波数の異なる複数の信号を送受することができる。
【0107】
また、電力変換装置200では、例えば、複数の変換器CELのそれぞれに対応して設けられた複数の光送信部11、複数の光伝送路12、複数の光受信部13、複数の発光制御部14、及び複数の受光制御部15が設けられる。この場合、1つの光伝送路12で第1入力信号及び第2入力信号の2つの信号を送信できるようにすることで、光伝送路12の数をより削減し、電力変換装置200の部品点数の増加をより抑制することができる。多数の変換器CELを直列に接続した電力変換装置200では、光送信部11、光伝送路12、光受信部13などの光部品の数も多数になる。従って、このような電力変換装置200において、上記のように1つの光伝送路12で第1入力信号及び第2入力信号の2つの信号を送信できるようにすることで、部品点数の増加を大幅に抑制することができる。例えば、光部品の増加にともなうコストの増加を大幅に抑えることができる。
【0108】
上記第2の実施形態と同様に、光信号送受信装置216は、主回路部212又は制御装置214に組み込んでもよい。換言すれば、光信号送受信装置216は、主回路部212に一体的に設けてもよいし、制御装置214に一体的に設けてもよい。また、例えば、光送信部11と発光制御部14とを主回路部212に設け、光受信部13と受光制御部15とを制御装置214に設けるといったように、光信号送受信装置216は、主回路部212及び制御装置214に分割して設けてもよい。換言すれば、光信号送受信装置216は、一部を主回路部212(例えば各変換器CEL)に設け、別の一部を制御装置214に設けてもよい。光信号送受信装置216の構成は、上記に限ることなく、主回路部212と制御装置214との間の通信を適切に行うことが可能な任意の構成でよい。
【0109】
なお、MMC型の主回路部212において、変換器CELの構成は、ハーフブリッジ回路の構成に限ることなく、フルブリッジ接続された4つのスイッチング素子を有するフルブリッジ回路の構成としてもよい。
【0110】
上記第3の実施形態では、主回路部212にMMC型の電力変換器を用いている。主回路部212は、MMC型に限ることなく、例えば、複数の変換器CELを直列に接続する他の方式の電力変換器でもよい。
【0111】
電力変換装置200は、直流送電システムに限ることなく、交流から直流への変換及び直流から交流への変換が必要な他の任意のシステムなどに適用してもよい。主回路部212による交直変換は、交流から直流及び直流から交流の双方に限ることなく、交流から直流又は直流から交流の一方のみでもよい。また、主回路部212は、例えば、交流交流直接変換回路などでもよい。
【0112】
主回路部212の構成は、例えば、複数のアーム部をスター結線、デルタ結線、あるいはマトリックス結線した構成などでもよい。主回路部212は、例えば、モジュラーマトリックスコンバータなどでもよい。主回路部212は、必ずしも複数のレグを有しなくてもよい。主回路部212は、少なくとも複数のアーム部を有していればよい。主回路部212の構成は、電力の変換が可能な任意の構成でよい。電力変換装置は、例えば、周波数変換装置、直流送電装置、無効電力補償装置、あるいは電力潮流制御装置などでもよい。
【0113】
このように、主回路部の構成は、上記第2の実施形態で表した三相2レベルインバータの構成に限ることなく、複数の変換器CELを直列に接続した構成などでもよい。主回路部の構成は、三相2レベルインバータに限ることなく、単相2レベルインバータ、単相3レベルインバータ、三相3レベルインバータなどでもよい。主回路部の構成は、上記各実施形態に表した構成に限ることなく、変換器を有し、変換器の動作によって電力の変換を行う任意の構成でよい。
【0114】
上記実施形態では、光信号送受信装置を電力変換装置に適用した例を示している。光信号送受信装置は、電力変換装置に限ることなく、他の如何なる装置に用いられるものであってもよい。
【0115】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0116】
10…光信号送受信装置、 11…光送信部、 12…光伝送路、 13…光受信部、 14…発光制御部、 15…受光制御部、 20…排他的論理和回路、 30…ワンショット回路、 32…フィルタ回路、 100…電力変換装置、 101…主回路部、 101a…変換器、 102…制御装置、 104…光信号送受信装置、 111~116…スイッチング素子、 121~126…整流素子、 130…電荷蓄積素子、 131~136…駆動回路、 200…電力変換装置、 202…交流電力系統、 203、204…直流送電線、 206…変圧器、 212…主回路部、 214…制御装置、 216…光信号送受信装置、 220a…第1直流端子、 220b…第2直流端子、 221a…第1交流端子、 221b…第2交流端子、 221c…第3交流端子、 222a…第1アーム部、 222b…第2アーム部、 222c…第3アーム部、 222d…第4アーム部、 222e…第5アーム部、 222f…第6アーム部、 223a~223f…バッファリアクトル、 224a~224f…電流検出器、 225…電圧検出部、 241、242…スイッチング素子、 251、252…整流素子、 261、262…駆動回路、 271、272…接続端子、 274…電荷蓄積素子、 276…給電回路、 278…電圧検出回路、 280…制御回路、 CEL…変換器、 LG1…第1レグ、 LG2…第2レグ、 LG3…第3レグ