(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082576
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】芳香剤容器
(51)【国際特許分類】
A61L 9/12 20060101AFI20240613BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20240613BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20240613BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20240613BHJP
B65D 85/00 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
A61L9/12
A61L9/01 Q
B65D83/00 F
B65D77/04 C
B65D85/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196523
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】中田 瑛大
(72)【発明者】
【氏名】大本 慶
(72)【発明者】
【氏名】神谷 俊史
【テーマコード(参考)】
3E067
3E068
4C180
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB99
3E067AC03
3E067BA01B
3E067BA01C
3E067BB11B
3E067BB11C
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BB15B
3E067BB15C
3E067BB16B
3E067BB16C
3E067BB25B
3E067BB25C
3E067BC07B
3E067BC07C
3E067CA04
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3E068EE15
3E068EE22
4C180AA13
4C180CA06
4C180EB02X
4C180EB03X
4C180EB04X
4C180EB05X
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4C180EB08X
4C180EB12X
4C180EC01
4C180EC02
4C180GG12
4C180GG17
4C180HH09
4C180JJ01
(57)【要約】
【課題】 簡単な操作により、匂いや消臭等の切り替えを簡単に行うことができると共に、芳香剤カートリッジの交換も簡単に行うことができる車載用、室内用などに好適な芳香剤容器を提供する。
【解決手段】 直液状態の揮発性液体から構成される芳香消臭剤を収容した、毛管力を有する多孔質揮発体を備えた芳香剤カートリッジ10…を、容器本体(90、120)内に並列に収容してなる芳香剤容器であって、該各芳香剤カートリッジ10には、ノックリング部材20、30、40が各々当接配置され、各ノックリング部材20、30、40はそれぞれ係合自在となり連動するノックリング機構50を備え、該ノックリング機構50におけるノックリング部材の一つ、例えば、ノックリング部材20を摺動することにより該芳香剤カートリッジ10の多孔質揮発体15からの芳香消臭成分の揮発を開放し、かつ、他のノックリング部材30、40は互いへの係合により芳香剤カートリッジ10からの芳香消臭成分の揮発を閉鎖することを特徴とする芳香剤容器X。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直液状態の揮発性液体から構成される芳香消臭剤を収容した、毛管力を有する多孔質揮発体を備えた芳香剤カートリッジの複数本を、容器本体内に並列に収容してなる芳香剤容器であって、該各芳香剤カートリッジには、ノックリング部材が各々当接配置され、各ノックリング部材はそれぞれ係合自在となり連動するノックリング機構を備え、該ノックリング機構におけるノックリング部材の一つを摺動することにより該芳香剤カートリッジの多孔質揮発体からの芳香消臭成分の揮発を開放し、かつ、上記ノックリング機構の他のノックリング部材は互いへの係合により芳香剤カートリッジからの芳香消臭成分の揮発を閉鎖することを特徴とする芳香剤容器。
【請求項2】
前記ノックリング機構における各ノックリング部材には複数の係合カムが形成され、各々異なる形状であることを特徴とする請求項1記載の芳香剤容器。
【請求項3】
前記各芳香剤カートリッジは、容器本体内に交換自在に収容されていることを特徴とする請求項1又は2記載の芳香剤容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性液体(芳香消臭剤)を収容した芳香剤カートリッジを複数本備えた芳香剤容器に関し、簡単な操作により、匂いや消臭等の切り替えを簡単に行うことができる車載用、室内用などに好適な芳香剤容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、室内や自動車内などの所定の場所等に取り付け自在等となる複数の匂いを揮散させる芳香剤容器は、多種多様の形状、構造のものが知られている。
自動車などの車両用などに用いられるものとしては、例えば、1)液体状又は固体状の芳香剤を貯蔵する複数の芳香剤貯蔵部と、前記芳香剤から芳香成分を気化させる芳香発生手段を備えた芳香発生部とを備え、各々の前記芳香剤貯蔵部には異なる芳香剤が貯蔵されており、かつ各々の前記芳香剤貯蔵部と芳香発生部とが接触可能となるように、前記芳香剤貯蔵部及び/又は前記芳香発生部が移動可能であり、かつ前記芳香剤貯蔵部及び前記芳香発生部が静止している状態では前記複数の芳香剤貯蔵部のうちの一部分と前記芳香発生部とが接触状態となることを特徴とする芳香発生器(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
2)車室内に消臭もしくは芳香成分のいずれか一つの臭い成分を放出する臭い放出手段を備える車両用消臭芳香装置において、前記臭い放出手段には、消臭剤及び複数の芳香剤を収納する複数の容器と、前記各容器のいずれか一つの開口部を開口したときに、他の前記容器の開口部を閉塞する切替ドアとが配設され、前記切替ドアは、前記容器の開口部にスライド可能に配置して、一つの駆動手段により前記開口部のいずれか一つを開口することを特徴とする車両用消臭芳香装置(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の消臭芳香装置等は、電源を必要とし、駆動モーターなどにより作動するものであり、構造も複雑となり、電源等を用いることなく、簡単な操作により、匂いや消臭等の切り替えを簡単に行うことができるものでなかった。
【0004】
一方、電源を用いない手動式のものとしては、例えば、3)回転体の局面に開口部を有する1箇または複数の芳香剤収納凹部を前記回転体に穿設し、前記回転体を保持体に回転自在に内装し、前記保持体に、前記芳香剤収納凹部の一つと連通ずる透窓を開設し、前記透窓の周縁内面と前記回転体とを当接してなる芳香揮散装置(例えば、特許文献3参照)、
4)互いに芳香の異なる芳香料を各別に容器に収めるとともに、容器には前記芳香料の芳香を各別に発散し得るように開閉可能とした芳香発散口を設けたことを特徴とする据え付け型芳香剤(例えば、特許文献4参照)、
5)それぞれ同種または異種の芳香剤を充填した複数の芳香剤容器及び最前段容器の蓋を1組とし、蓋及びそれぞれの容器を各個に分離または一部重合できるように嵌合させ、それぞれの芳香剤容器から単独にまたは同時に芳香剤を揮散せしめることを特徴とする室内芳香剤容器(例えば、特許文献5参照)、
【0005】
6)ハウジングの外側区画内に提供される容器それぞれを取り付ける一対のマウントを備えるハウジングと、前記外側区画のいずれかへの気流のアクセスを選択的に閉鎖するように配置された切替え可能なシャッター要素とを備える、空気清浄分配装置であって、前記シャッター要素が前記外側区画間の中央区画内に設けられ、前記中央区画が、給気口に連通するように結合され、前記中央区画を通る前記気流の流量を提供する排気口をさらに備えることを特徴とする、分配装置(例えば、特許文献6参照)、
7)少なくとも、容器と、該容器に収容された中綿と有し、中綿は液状芳香消臭剤を全量保持できる毛管力を備え、上記容器に設けられた芳香揮発部材に液状芳香消臭剤が供給されて揮発することを特徴とする中綿式芳香消臭剤容器(例えば、特許文献7参照)、
8)2つのマーカー挿入部を並設した2軸ケースの前記マーカー挿入部に、それぞれ単独使用可能なマーカーを装脱可能に備えた二連マーカーであって、前記マーカーは前記マーカー挿入部に装填した際、その底部が前記マーカー挿入部の内底面において係脱可能に係止されることを特徴とする二連マーカー(例えば、特許文献8参照)などが知られている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献3~6に記載の芳香剤容器等は、複数の匂いを揮散させる芳香剤容器を手で開口部の蓋を開けたりして、手動により切り替えるものであるが、未だ簡単な操作により、匂いや消臭等の切り替えを簡単に行うことができる点に更なる改善の余地があるものである。特に、複数の軸からなる芳香剤を有する芳香剤セットにおいては、匂いの切り替えを行う際に隣接していない軸を簡便な操作で切り替えることは非常に難しいものであった。
また、上記特許文献7及び8に記載の芳香剤容器等は、中綿式のものであるが、特許文献7の芳香剤容器は単一の芳香剤容器であり、上記特許文献8に記載の二連マーカーは、匂いや消臭等の切り替えを行うものではなく、本発明とは技術思想が相違するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-136338号公報(特許請求の範囲、
図1)
【特許文献2】特開2009-196617号公報(特許請求の範囲、
図1~
図4)
【特許文献3】実公昭60-1724号公報(実用新案登録請求の範囲、第3図)
【特許文献4】特開平2-182258号公報(特許請求の範囲、第1図~第3図)
【特許文献5】特開平4-267740号公報(特許請求の範囲、
図1~
図4)
【特許文献6】特表2010-503453号公報(特許請求の範囲、
図1~
図4)
【特許文献7】特開2022-147627号公報(特許請求の範囲、
図1等)
【特許文献8】特開2022-68417号公報(特許請求の範囲、
図1~
図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術の現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、揮発性液体(芳香消臭剤)を収容した芳香剤カートリッジを複数本備えた芳香剤容器において、簡単な操作により、匂いや消臭等の切り替えを簡単に行うことができる車載用、室内用などに好適な芳香剤容器の提供、更に、芳香剤カートリッジの交換も簡単に行うことができる芳香剤容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記従来の現状等について、鋭意検討した結果、直液状態の揮発性液体から構成される芳香消臭剤を収容した、毛管力を有する多孔質揮発体を備えた芳香剤カートリッジの複数本を、容器本体内に並列に収容してなる芳香剤容器において、該各芳香剤カートリッジには各ノックリング部材から構成される特定構造のノックリング機構を備え、該ノックリング機構のノックリング部材の一つを摺動することにより該芳香剤カートリッジの多孔質揮発体からの芳香消臭成分の揮発を開放し、かつ、他の芳香剤カートリッジからの芳香消臭成分の揮発を閉鎖する構成とすることにより、上記目的の芳香剤容器が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0010】
すなわち、本発明の芳香剤容器は、直液状態の揮発性液体から構成される芳香消臭剤を収容した、毛管力を有する多孔質揮発体を備えた芳香剤カートリッジの複数本を、容器本体内に並列に収容してなる芳香剤容器であって、該各芳香剤カートリッジには、ノックリング部材が各々当接配置され、各ノックリング部材はそれぞれ係合自在となり連動するノックリング機構を備え、該ノックリング機構におけるノックリング部材の一つを摺動することにより該芳香剤カートリッジの多孔質揮発体からの芳香消臭成分の揮発を開放し、かつ、上記ノックリング機構の他のノックリング部材は互いへの係合により芳香剤カートリッジからの芳香消臭成分の揮発を閉鎖することを特徴とする。
前記ノックリング機構における各ノックリング部材には複数の係合カムが形成され、各々異なる形状であることが好ましい。
前記各芳香剤カートリッジは、容器本体内に交換自在に収容されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡単な操作により、匂いや消臭等の切り替えを簡単に行うことができる車載用、室内用などに好適な芳香剤容器が提供される。また、この芳香剤容器は、芳香剤カートリッジの交換もきわめて簡単に行うことができる。
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるものである。上述の一般的な説明及び後述の詳細な説液体揮発容器明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲 に記載されている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態の一例を示す3本の芳香剤カートリッジを搭載した芳香剤容器の全体図を示すものであり、(a)~(d)は、順次、平面図、正面図、右側面図、背面図である。
【
図2】
図1の芳香剤容器の斜視図を示すものであり、(a)は、正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
【
図3】
図1の芳香剤容器の容器本体を構成するカバー上部ユニットを外して収容される芳香剤カートリッジを取り出した状態(交換可能とする状態)を示す斜視図である。
【
図4】芳香剤カートリッジの部品図であり、(a)は平面図、(b)正面図、(c)は底面図、(d)は縦断面図、(e)は斜視図、(f)は芳香剤カートリッジから保管用のキャップを外した状態の斜視図である。
【
図5】芳香剤カートリッジの先軸の部品図であり、(a)は上方側からみた斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は(b)の横方向の縦断面図、(e)は(b)の縦方向の縦断面図、(f)は底面図、(g)は底面側からみた斜視図である。
【
図6】
図1の芳香剤容器における縦断面図を示すものであり、A-A線縦断面図である。
【
図7】
図1の芳香剤容器の各部所における縦断面図を示すものであり、(a)は、B-B縦断面図、(b)は、C-C線縦断面図、(c)は、D-D線縦断面図である。
【
図8】
図1の状態における芳香剤容器の内部に取り付けられる操作部材となるノックリング機構(各ノックリング部材の取り付け態様等)を示す図面であり、(a)は、前方側上方から見た斜視図、(b)は平面図、(c)は背面側上方からみた斜視図、(d)は正面図、(e)は右側面図、(f)は背面下方から見た斜視図である。
【
図9】
図1又は
図2の状態における芳香剤容器におけるノックリング機構のノックリング部材(左)を下方にスライドさせた状態を示す図面であり、(a)は、正面側から見た斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のE―E線縦断面図である。
【
図10】
図9の状態からノックリング機構のノックリング部材(中央)を下方にスライドさせてノックリング部材(左)を戻す直前のノックリング機構の状態を示す図面であり、(a)は、前方側上方から見た斜視図、(b)は平面図、(c)は背面図、(d)は正面図、(e)は(d)のF―F線縦断面図である。
【
図11】
図1又は
図2の状態における芳香剤容器におけるノックリング機構のノックリング部材(中央)を下方にスライドさせた状態を示す図面であり、(a)は、正面側から見た斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のG―G線縦断面図である。
【
図12】
図11の状態からノックリング機構のノックリング部材(左)を下方にスライドさせてノックリング部材(中央)を戻す直前のノックリング機構の状態を示す図面であり、(a)は、前方側上方から見た斜視図、(b)は平面図、(c)は背面図、(d)は正面図、(e)は(d)のH―H線縦断面図である。
【
図13】
図1又は
図2の状態における芳香剤容器におけるノックリング機構のノックリング部材(右)を下方にスライドさせた状態を示す図面であり、(a)は、正面側から見た斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のI―I線縦断面図である。
【
図14】
図13の状態からノックリング機構のノックリング部材(左)を下方にスライドさせてノックリング部材(右)を戻す直前のノックリング機構の状態を示す図面であり、(a)は、順次、前方側上方から見た斜視図、(b)は平面図、(c)は背面図、(d)は正面図、(e)は(d)のJ―J線縦断面図である。
【
図15】ノックリング機構のノックリング部材(左)の部品図であり、(a)は、前方側上方から見た斜視図、(b)は平面図、(c)は背面上方からみた斜視図、(d)は正面図、(e)は右側面図、(f)は背面下方からみた斜視図である。
【
図16】ノックリング機構のノックリング部材(中央)の部品図であり、(a)は、前方側上方から見た斜視図、(b)は平面図、(c)は背面上方からみた斜視図、(d)は正面図、(e)は右側面図、(f)は(d)のK―K線縦断面図、(g)は背面下方からみた斜視図である。
【
図17】ノックリング機構のノックリング部材(右)の部品図であり、(a)は前方側上方から見た斜視図、(b)は平面図、(c)は背面上方からみた斜視図、(d)は左側面図、(e)は正面図、(f)は右側面図、(g)は背面下方からみた斜視図である。
【
図18】容器本体を構成するカバー上、内筒、キャップスプリング及び内キャップから構成されるカバー上部ユニットの部品図であり、(a)は平面図、(b)下方側から見た斜視図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は(a)のL―L線縦断面図、(f)は底面図である。
【
図19】カバー上部ユニットのカバー上の部品図であり、(a)は平面図、(b)正面右側から見た斜視図、(c)は背面右側から見た斜視図、(d)は底面図、(e)は(a)のM―M線縦断面図である。
【
図20】カバー上部ユニットの内筒の部品図であり、(a)は平面図、(b)背面側から見た斜視図、(c)は背面側から見た正面図、(d)は右側面、(e)は正面左側から見た斜視図、(f)は底面図、(g)は(a)のN―N線縦断面図である。
【
図21】容器本体を構成するカバー下ユニットのカバー下の部品図であり、(a)は底面図、(b)底面側から見た斜視図、(c)は正面図、(d)は(a)のO―O線縦断面図、(e)は(c)のP―P線縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、各実施形態について図面を参照しながら詳しく説明する。但し、本発明の技術的範囲は下記で詳述するそれぞれの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
なお、各図面間で共通して付されている符号は、特に各図面の説明において言及がなくとも、同じ構成又は部材を表している。
【0014】
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態の一例を示す芳香剤カートリッジ3本を搭載した芳香剤容器の全体図(平面図、正面図、右側面図、背面図)であり、
図2は、
図1の芳香剤容器の正面側と背面側から見た各斜視図、
図3は、
図1の芳香剤容器の上ケースを外して内部の芳香剤カートリッジを取り出した状態(交換可能とする状態)の一例を示す斜視図、
図4及び
図5は芳香剤カートリッジの部品図と芳香剤カートリッジの先軸の部品図であり、
図6は、
図1の芳香剤容器の各部所における各縦断面図(A-A線、B-B線、C-C線、D-D線)、
図7は、
図1の状態における芳香剤容器の内部に取り付けられる操作部材となるノックリング機構を示す各図面(前方側上方から見た斜視図、平面図、背面側上方からみた斜視図、正面図、右側面図、背面下方から見た斜視図)である。
【0015】
本実施形態の芳香剤容器Xは、
図1~
図3に示すように、直液状態の揮発性液体から構成される芳香消臭剤11を収容した、毛管力を有する多孔質揮発体15を備えた芳香剤カートリッジ10の複数本(本実施形態では3本)を、容器本体Y内に並列に収容(同一直線上に配置)してなるものである。本実施形態では、容器本体Yは、カバー上、キャップスプリング及び内キャップからなるカバー上部ユニット90と、カバー下及びカートリッジスプリングからなるカバー下部ユニット120とから構成されている。
この芳香剤容器Xでは、該各芳香剤カートリッジ10と当接する各ノックリング部材20、30、40が各々配置され、各ノックリング部材20、30、40はそれぞれ係合自在となり連動するノックリング機構50からなり、該ノックリング機構50におけるノックリング部材20,30,40の一つ、例えば、ノックリング部材20を摺動することにより該芳香剤カートリッジ10の多孔質揮発体15からの芳香消臭成分の揮発を開放し、かつ、ノックリング機構50における他のノックリング部材30、40は連動して互いへの係合により各芳香剤カートリッジ10、10からの芳香消臭成分の揮発を閉鎖する構成となるものである。
【0016】
(各部品構成)
各芳香剤カートリッジ10は、
図4(a)~(f)に示すように、直液状態の揮発性液体から構成される芳香消臭剤11を収容する容器となる有底筒状のカートリッジ本体部12と、該本体部12の上方側の開口部13に固着される先軸14と、該先軸14に取り付けられる毛管力を有する多孔質揮発体15と、該多孔質揮発体15の周囲を施蓋する保管用のキャップ16とを有している。また、カートリッジ本体部12内の中央部には、直液状態の揮発性液体11を吸蔵し、上記多孔質揮発体15に中継する棒状(円柱状)の中継芯17を有している。該中継芯17の下端側は本体部12の底面の支持台部12aに支持され、多孔質揮発体15の下端部面15aに当接する構成となっている。また、カートリッジ本体部12の底面部は上げ底部12bとなっており、該上げ底部12bに、後述するカバー下ユニット120に取り付けられるカートリッジスプリング110の上方部111が装着される構成となっている。
【0017】
先軸14は、カートリッジ本体部12の上方側の開口部13内に嵌合等により固着されるものであり、
図5(a)~(g)に示すように、先軸本体部14aの上端側の外周には開口部13の上端面に当接するフランジ部14bと、先軸14内には中継芯17の先端側を装着する筒状の装着孔14cと、該装着孔14cの上方側は連続して多孔質揮発体15を取り付ける筒状の取り付け孔14dとを有し、
図5(a)及び(g)等に示すように、取付孔14dの一部(上下面のカートリッジ本体部12)は、直接カートリッジ本体部12に連通する構造となって、揮発性液体の内圧の上昇を抑制する構成となっている。
【0018】
この芳香剤カートリッジ10では、キャップ16を外せば、カートリッジ本体部12に収容された直液状態の揮発性液体から構成される芳香消臭剤11は中継芯17を介して多孔質揮発体12に供給され、多孔質揮発体12から芳香消臭成分の揮発がなされることとなる。
この各芳香剤カートリッジ10のカートリッジ本体部12を視認性を有する材料(透明、半透明の材料)で構成すれば、簡単に本体部12内の揮発性液体11の液残量を視認することができる。また、各芳香剤カートリッジ10を収容することとなるカバー下ユニット120のカバー下100は液残量を視認できる透明容器として並列に収容した各芳香剤カートリッジ10、10…の残量を視認することが好ましい。また、各芳香剤カートリッジ10を収容することとなるカバー下110に、各芳香剤カートリッジ10の下端側の残量がそれぞれ視認できるように各窓部を設けて、カバー下110の窓部から収容した各芳香剤カートリッジ10の残量を視認することもできる。各カートリッジ本体部12に充填(収容)する揮発性液体11については、後述するが、各々異なる揮発性液体や同じ揮発性液体としてもよいものである。また、毛管力を有する多孔質揮発体15の材質などについても後述する。
【0019】
本実施形態では、上記構成の各芳香剤カートリッジ10の複数本(本実施形態では3本)を、
図3、
図5等に示すように、カバー上60、内筒70、キャップスプリング80及び内キャップ85からなるカバー上部ユニット90と、カバー下100及びカートリッジスプリング110とからなるカバー下ユニット120により構成される容器本体Yに収容することにより、該各芳香剤カートリッジ10は並列(略同一直線上)に配置される構成となっている。
また、上記カバー上部ユニット90には、ノックリング部材20、30、40から構成されるノックリング機構50が取り付けられており、収容される各芳香剤カートリッジ10の各多孔質揮発体15は後述するがカバー上部ユニット90に備えた各キャップスプリング80により附勢される各蓋体である内キャップ85、85…と、カバー下ユニット120の各カートリッジスプリング110により上方に附勢される芳香剤カートリッジ10とによりノックリング機構50の摺動操作前は閉鎖されており、該ノックリング機構50におけるノックリング部材20、30、40の任意の一つを下方に摺動することにより、内キャップ85が開放されて、前記芳香剤カートリッジ10の多孔質揮発体15からの芳香消臭成分の揮発がなされ、かつ、上記摺動操作によりノックリング機構50における他のノックリング部材は連動して互いへの係合により芳香剤カートリッジ10からの芳香消臭成分の揮発は内キャップ85の施蓋により閉鎖する構成となるものである。
【0020】
カバー上部ユニット90は、
図18~
図20に示すように、カバー上60、内筒70、キャップスプリング80及び内キャップ85とから構成されている。
カバー上60は、
図19(a)~(e)に示すように、下方側が開口部となる筺体形状であり、一面(正面側)は上述の各芳香剤カートリッジ10、10…と当接する各ノックリング部材20、30、40の操作部材を取り付けるための下方側が拡大した拡大部61a、62a、63aを有するスライド用のスリット61、62、63が所定間隔毎に形成されており、他面(背面側)は空気流通のためのスリット64、65、66が上記スリット61、62、63と対応して所定間隔毎に形成されている。また、カバー上60の内部上部側にはキャップスプリング80及び内キャップ85を収容する下側に開口する取付開口部67a、67b、67cが所定間隔毎に形成されている。また、カバー上60の開口部内の幅方向には係合凹部68、68が設けられ、
図18(e)に示すように、後述する内筒70の幅方向外周に設けた係合凸部70a、70aに係合する構成となっている。
【0021】
内筒70は、
図20(a)~(e)に示すように、下方側に長方形形状の外周壁部71を有し、該外周壁部71の上部にはカバー下100の上端面101と当接する周縁部72を有すると共に、外周壁部71の幅方向両側面部には係止部73,73が設けられている。
また、内筒70の外周壁部71の上側内部には、上述の各芳香剤カートリッジ10を挿入保持する円形状の保持部74…が形成されており、外周壁部71の上側の一面(正面側と側面側)にはカートリッジ10の正面側半分と当接する半円状の当接壁部75…を有し、この当接壁部75…の各正面側に上述の各ノックリング部材20、30、40の操作部材を取り付けるための下方側が若干拡大した拡大スリット76a、77a、78aを有するスライド用のスリット76、77、78が形成されており、他面(背面側)は正面側の当接壁部75より高さが低い背面壁部79が連設されている。上記スリット76、77、78の各下端部には各ノックリング部材20、30、40の操作部材となる操作釦22、32、42を押し下げた際にその状態を維持するための係止リブ76b、77b、78bを有し、上端部には操作釦22、32、42を停止するための突壁部76c、77c、78cが設けられている。
【0022】
カバー下100は、
図21(a)~(e)に示すように、上方が開口部となる筺体形状であり、底面部には収容される各芳香剤カートリッジ10を上方側に附勢するためのカートリッジスプリング110を取り付けるための十字状のスプリング保持体102…が形成されており、正面側内部には、各ノックリング部材20、30、40の摺動片部が摺動するための摺動凹部が103a,103b,103cが形成されると共に、両側側壁部には上記内筒70の係止部73,73と係止する係止溝104、104が形成されている。
【0023】
次に、上記カバー上部ユニット90と、カバー下100及びカートリッジスプリング110からなるカバー下ユニット120とからなる容器本体Yに取り付けられる、ノックリング部材20、30、40から構成されるノックリング機構50について説明する。
ノックリング機構50は、
図8~
図17に示すように、ノックリング部材20、30、40から構成されており、各ノックリング部材20、30、40は互いへの係合により連動する構成となるものである。
【0024】
ノックリング部材(左)20は、
図15(a)~(f)に示すように、芳香剤カートリッジを挿入保持するリング部21を有し、この前側には摺動操作釦22と、その下方側は平板状の摺動片23とを有すると共に、上記リング部21と摺動操作釦22との間に上述のスリット76に取り付けられ該ノックリング部材20が上下に摺動した際のスリット76の上端壁部76cと当接する摺動溝24を有し、上記リング部21の正面からみて右側側壁部には係合壁面部25を有し、リング部21の後方側には腕部26が正面からみて右横方向に連接されると共に、その先端は薄板部27となっている。
上記係合壁面部25と腕部26とのそれぞれの対向面部には後述するノックリング部材(中央)30の一方の係合壁面部35に形成される係合カム36と係合する傾斜状の係合カム25a,26aが形成されており、また、先端の薄板部27の両面(正面及び背面)には、後述するノックリング部材(右)40の凹状部47に形成される係合カム47aと係合する二つの傾斜面を有する係合カム27a,27bが形成されている。
【0025】
ノックリング部材(中央)30は、
図16(a)~(g)に示すように、カートリッジを挿入保持するリング部31を有し、この前側には摺動操作釦32を有し、その下方側は平板状の摺動片33を有すると共に、上記リング部31と摺動操作釦32との間に上述のスリット77に取り付けられ該ノックリング部材30が上下に摺動した際のスリット76の上端壁部77cと当接する摺動溝34を有し、リング部31の後方側の両側壁部には係合壁面部35、36を有している。この係合壁面部35の両面(正面及び背面)には、上述のノックリング部材(左)20の係合カム25a,26aと係合する二つの傾斜面を有する係合カム35a、35bが形成されている。また、係合壁面部36の両面(正面及び背面)には、後述のノックリング部材(右)40の係合壁面部45に形成した係合カム45a、45bと係合する二つの傾斜面を有する係合カム36a、36bが形成されている。
【0026】
ノックリング部材(右)40は、
図17(a)~(g)に示すように、カートリッジを挿入保持するリング部41を有し、この前側には摺動操作釦42と、その下方側は平板状の摺動片43とを有すると共に、上記リング部41と摺動操作釦42との間に上述のスリット78に取り付けられ該ノックリング部材40が上下に摺動した際のスリット77の上端壁部78cと当接する摺動溝44を有し、リング部41の正面からみて左側側壁部には係合壁面部45を有し、リング部41の後方側には腕部46が正面からみて左横方向に連設されると共に、その先端は凹状部47となっている。上記係合壁面部45には、ノックリング部材(中央)30の係合壁面部36の両面(正面及び背面)に形成した係合カム36a、36bに係合する係合カム45a、45bを有すると共に、凹状部47にも、ノックリング部材(左)20の係合カム27a,27に係合する係合カム47a、47bを有している。
【0027】
このように構成される芳香剤容器Xの組み立てについて以下に説明する。
初めに、カバー上部ユニット90における内筒70のスリット76にノックリング部材20の摺動操作釦部22を拡大スリット76aから挿入してスリット76に取り付ける。このノックリング部材(左)20の取り付け方法と同様に、ノックリング部材(中央)30、ノックリング部材(右)40を内筒70のスリット77、78に取り付ける。次いで、内部にキャップスプリング80及び内キャップ85を取り付けたカバー上60を上記ノックリング部材20、30、40を取り付けた内筒70に取り付ければ、
図3の上側のカバー上部ユニット90が作製される。次に、
図3に示すように、各芳香剤カートリッジ10…3本のキャップを取り、カートリッジスプリング110を装着したカバー下ユニット120に挿入すると共に、該カバー上部ユニット90をカバー下ユニット120に取り付ければ、ノックリング部材20、30、40の各摺動片23、33、43は摺動凹部103a、103b、103cに挿入されて、
図1、
図2、
図6、
図7及び
図8に対応する本実施形態の芳香剤容器Xが作製されることとなる。
本実施形態の芳香剤容器Xにおいては、操作前は、カバー下ユニット120内に装着したカートリッジスプリング110の各付勢力とカバー上ユニット90内に取り付けたキャップスプリング80の各付勢力の作用により各芳香剤カートリッジ10…は内キャップ85の施蓋により、その芳香剤カートリッジ10の多孔質揮発体15からの芳香消臭成分の揮発は閉鎖される構造となるものである。
【0028】
この芳香剤容器Xの作動機構等について説明する前に、上記各芳香剤カートリッジ10、揮発性液体(芳香消臭剤)11などについて説明する。
芳香剤カートリッジ10の材質としては、貯留される揮発性液体の物性等に影響を及ぼさないものであれば、特に限定されず、例えば、金属や、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合系樹脂(EVOH)、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の少なくとも1種で形成することができる。
また、上記熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の少なくとも1種よりなる容器本体等に、更に内表面及び/又は外表面に、空気バリア性、湿度バリア性も兼ね備える金属箔、金属蒸着、カーボン材(ダイヤモンドライクカーボン材を含む)を接着や蒸着等した少なくとも2層以上の複合材などが挙げられ、これ複合材は、例えば、共押出、多層射出成型、多層ブローなどの各成形方法等で目的の所定の芳香剤カートリッジが成形されることとなる。
また、耐溶剤性の高い素材を含むもので形成してもよい。耐溶剤性の高い素材としては、例えば、PEN(ポリエチレンナフタレート)、またはPPとPENとの複合材などが挙げられる。
本実施形態の容器本体10などを含む各部品は、外層と内層がポリプロピレン(PP)樹脂で形成され、外層と内層で挟まれた中間層がナイロン又はエチルビニルアルコール(EVOH)樹脂でブロー成形法により形成された多層構造から構成されている。
【0029】
芳香剤カートリッジ10に充填(収容)する揮発性液体としては、特に限定されないが、芳香を発する各種の合成香料、天然香料、及びこれらの組成物を構成する各成分、消臭作用のあるもの、森林浴効果などの有効な作用のあるもの、人を鎮静させる作用のあるもの、眠気を覚ましたりする覚醒作用を有する揮発性の各芳香消臭液状成分を各単独で又はこれらの2種以上のものを混合して用いることができる。
芳香消臭成分としては、例えば、脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、脂肪族環状アルデヒド、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペンケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、脂肪族環状カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、大環状ラクトン、テルペン系ラクトン、脂肪族環状ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系カルボン酸エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、シクロヘキシルカルボン酸エステル、テルペン系カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物等々の合成香料及び動物、植物からの天然香料、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料の1種又は、2種以上を混合し使用することができる。
例えば、合成香料としては、1996年化学工業日報社刊印藤元一著「合成香料 化学と商品知識」、1969年MONTCLAIR,N.J.刊ステファン・アークタンダー(STEFFEN ARCTANDER)著「パヒューム アンド フレーバー ケミカルズ(Perfume and Flavor Chemicals)」等に記載の香料が使用できる。天然香料としては、「香りの百科」日本香料協会編に記載の香料が使用できる。
【0030】
主な香料名を具体的に挙げると、アルデヒドC6~C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、オウランチオール、アセチルオイゲノール、バクダノール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ボルニルアセテート、ブチルブチレート、p-t-ブチルシクロヘキサノール、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、o-t-ブチルシクロヘキサノール、o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、カリオフィレン、カシュメラン、カルボン、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、キャロン、クマリン、シンナミルアセテート、δ-C6~C13ラクトン、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、エチルワニリン、オイゲノール、フルイテート、フェンチルアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、ガラクソリド、γ-C6~C13ラクトン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、ミルセン、β-カリオフィレン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、cis-3-ヘキセノール、cis-3-ヘキセニールアセテート、cis-3-ヘキセニールサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ヒヤシンスジメチルアセタール、ハイドロトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、イオノン、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソオイゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、コアボン、リグストラール、リリアール、ライムオキサイド、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート、リラール、マンザネート、マイヨール、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルオイゲノール、メントール、α-メチルイオノン、β-メチルイオノン、γ-メチルイオノン、メチルイソオイゲノール、メチルラベンダーケトン、メチルサリシレート、ミューゲアルデヒド、ムゴール、ムスクTM-II、ムスク781、ムスクC14、ムスコン、シベトン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、アンブレッドリド、シクロヘキサデカノリド、10-オキサヘキサデカノリド、11-オキサヘキサデカノリド、12-オキサヘキサデカノリド、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、オキサヘキサデセン-2-オン、14-メチル-ヘキサデセノリド、14-メチル-ヘキサデカノリド、ムスクケトン、ムスクチベチン、ノピルアルコール、ノピルアセテート、ネリルアセテート、ネロール、メチルフェニルアセテート、ミラックアルデヒド、ネオベルガメート、オークモスNo.1、オリボン、オキシフェニロン、p-クレジールメチルエーテル、ペンタリッド、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルアセテート、ルバフラン、ダマセノン、ラズベリーケトン、ジメチルベンジルカービニルアセテート、ジャスマサイクレン、メチルナフチルケトン、ローズフェノン、ローズオキサイド、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、スチラリールアセテート、スチラリールプロピオネート、ターピネオール、ターピニルアセテート、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロゲラニルアセテート、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、チモール、ワニリン、ベルドックス、ヤラヤラ、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、オコチア油、パチュリ油、ペパーミント油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、樟脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、タイム油、トンカ豆チンキ、テレピン油、ワニラ豆チンキ、ベチバー油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油、ベンゾイン、ペルーバルサム、トルーバルサム、チュベローズ油、ムスクチンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリスチンキ等である。
【0031】
また、香料の溶剤又は保留剤としてジエチルフタレート、ジプロピレングリコール、ベンジルベンゾエート、イソプロピルミリステート、ハーコリン、イソペンタン、オレンジテルペン等を使用することができる。
これらの液状芳香消臭成分の配合量としては、通常、揮発性液体全量(組成物)中に0.1~10質量%、好ましくは1~8質量%の範囲から適宜選択される。この液状芳香消臭成分の配合量が0.1質量%未満では適度な効果が得られず、10質量%を超えると必要な界面活性剤の量などが多量となり、香りや消臭などの持続性維持が困難となる。また、コスト的にも不経済である。
【0032】
本発明に用いる揮発性液体は、溶剤として水(精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等)を使用し、必要に応じて本開示の効果を損なわない範囲で、他の界面活性剤や従来から使用されてきた他の成分を添加しても良い。
他の界面活性剤におけるアニオン界面活性剤としては具体的には、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルアラニネートやアシルタウレート、N-アルキルイミノジカルボン酸に代表されるアミノ酸系アニオン界面活性剤又はその塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸エステル塩等が好ましく挙げられる。
他の界面活性剤における両性又は半極性界面活性剤としては具体的には、アミンオキサイド、アルキルベタイン、脂肪酸アミドアルキルベタイン、ヒドロキシスルホベタイン、イミダゾリン、アルキルグリシン、アルキルアラニン等が好ましく挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアシルエステル、アルキルポリグリコシド、脂肪酸グリコシドエステル、脂肪酸メチルグリコシドエステル、アルキルメチルグルカミド、脂肪酸アルカノールアミド等が好ましく挙げられる。
他の添加可能な成分としては、安定な揮散を持続させる成分(炭酸プロピレン)、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、ハイドロトロープ剤、無機塩、色素等が挙げられる。
【0033】
用いる揮発性液体には、使用性、耐漏出性などの点から、擬塑性が付与されていてもよい。擬塑性の付与は、一般的に増粘剤(ゲル化剤)などを用いて行うことができる。なお、擬塑性とは、静止状態においては非流動性を示すものの、剪断力が加えられると流動性を示す性質をいう。
用いることができる増粘剤としては、例えば、アルカリ膨潤会合型エマルション、アルカリ膨潤型エマルション、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、キサンタンガム、サクシノグリカン、ダイユータンガム、グァーガム、カラギーナン、ペクチン、又はセルロース誘導体架橋形アクリル酸重合体、酸化セルロース、結晶セルロース、レオザンガム、ジェランガム、モンモリロナイト系粘土鉱物等無機系の増粘剤などから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0034】
また、多孔質揮発体15、中継芯17は、ともに毛細管力を備え、中継芯17では確実に多孔質揮発体15に揮発性液体を供給できる構成、また、多孔質揮発体15では揮発性液体が供給された場合に、揮発せしめることができる素材、形状であれば良く、例えば、共に、気孔を有する多孔質で形成されたものが挙げられ、具体的には、スポンジ体、焼結体、繊維束体、発泡体、海綿体、フェルト体、ポーラス体、内部には毛管力を有する流路を有する構造体などが挙げられ、形状としては、例えば、円柱状、砲弾状、角柱状、ペン芯型形状、楕円柱状、方形柱状などを挙げることができる。
これらの形状、多孔質体等を形成する材料としては、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などを用いることができる。
繊維束芯としては、上記繊維の素材(例えば、1~20デニールの合成繊維、天然繊維、……、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせなどの繊維)からなる平行繊維束等を加工又はこれらの繊維束を樹脂加工したものが挙げられる。
【0035】
通液性発泡体である場合、例えば、溶融状態の樹脂を型に流し込み成型、発泡処理するなど、公知の方法で調製することができる。また、焼結体では、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などのプラスチック粉末などを焼結したポーラス体(焼結芯)などから構成することができる。
これらの焼結芯から構成する場合も含む多孔質揮発体15の細孔径は、SEMによる画像解析法により測定した10μm~1000μmであるものが好ましく、さらに好ましくは、20μm~300μm、特に20μm~100μmであり、気孔率は、好ましくは20~90%、更に好ましくは、30~80%とすることが望ましい。本発明において、「気孔率」は下記のようにして算出される。まず、既知の質量及び見掛け体積を有する孔質揮発体を水中に浸し、十分に水を浸み込ませた後、水中から取り出した状態で質量を測定する。測定した質量から、孔質揮発体に浸み込ませた水の体積が導出される。この水の体積を孔質揮発体の気孔体積と同一として、下記式から、気孔率が算出される。
気孔率(単位:%)=(水の体積)/(孔質揮発体15の見掛け体積)×100
【0036】
また、多孔質揮発体15を、カーボン多孔質体から構成することができる。カーボン多孔質体の細孔径は、SEMによる画像解析法により測定した10μm~1000μmであるものが好ましく、さらに好ましくは、20μm~100μmであり、気孔率は同上の測定方法にて20~90%のものが好ましい。形状は、上記と同様に例えば、円柱状、砲弾状、角柱状、ペン芯型形状、楕円柱状、方形柱状などを挙げることができる。
このカーボン多孔質体は、微細な連通孔を有する多孔質構造体であれば良く、例えば、三次元網目構造若しくは点焼結構造よりなり、アモルファス炭素と炭素粉末とで構成される炭素複合成形体、等方性高密度炭素成形体、炭素繊維抄紙成形体、活性炭素成形体などが挙げられ、好ましくは、アモルファス炭素と炭素粉末とからなる微細な連通孔を有する上記細孔径、気孔率の炭素複合成形体が望ましい。
この多孔質構造からなる炭素複合体の作製に用いる炭素粉末としては、更なる反応効率の向上の点から、高配向性熱分解黒鉛(HOPG)、キッシュ黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンナノチューブ、フラーレンより選ばれる少なくとも1種(単独又は2種以上の組合わせ)が好ましい。
更に、多孔質揮発体15を、カーボン多孔質体から構成する場合に、揮発性液体が含浸される通液部と、含浸されない吸熱部から構成したり、及び/又はカーボン多孔質体にスリットを形成することにより、多孔質揮発体15の揮散を更に増強してもよい。
本実施形態の多孔質揮発体15は、円柱体形状で構成されているが、芳香揮発を更に良好とするために、断面を矩形形状に形成してもよい。矩形形状とは正方形を含む多角形状であり、特に一辺の縦横比が異なる長方形が好ましい。矩形形状とすることで、同様の体積の円断面形状と比較して表面積を増やすことができ、芳香性能を向上させることができる。矩形断面の縦横比は、1:1~1:13が好ましく、より好ましくは1:1.1~1:1.4で多孔質揮発体15の剛性を確保することができる。
【0037】
このように構成される本実施形態の芳香剤容器Xの作動機構等について説明する。
3本の芳香剤カートリッジ10には、各々異なる揮発性液体(芳香成分等が相違する3種の芳香消臭剤)が収容されている。
図1、
図2、
図6及び
図7は、3本の芳香剤カートリッジ10を搭載した操作前の芳香剤容器Xの斜視図や各縦断面図等を示し、
図8は、操作前(通常)の状態におけるノックリング機構50のノックリング部材20、30、40のみの配置などを示した状態図である。
図8、
図15等に示すように、3本の芳香剤カートリッジ10…を搭載した芳香剤容器Xにおける、左端のノックリング部材20のリング部21の右脇の係合壁面部25にノックリング部材30(中央)のノックリング部材30をキャンセルするためのカムである係合カム25a,26aを配置すると共に、薄板部27の両面(正面及び背面)には、ノックリング部材40(右)をキャンセルするためのカムである係合カム27a,27bが配置されている。
この状態で、
図9に示すように、ノックリング部材(左)20を下方に摺動(スライド)させると、芳香剤カートリッジ10が下方に移動されることで、内キャップ85から開放されケースの隙間61、62、63などから芳香可能となる。ノックリング部材20は、ノックリング部材20の上端面が内筒70に形成されたリブ76bと係止して押し下げた状態で維持されている。
図10は、
図9の状態から、ノックリング部材(中央)30を下方にスライドさせてノックリング部材20を戻す直前のノックリング部材20、30、40のみのノックリング機構50を示した状態図である。ノックリング部材(中央)30を下方にスライド(摺動)すると、互いのカム部分の当接により押し下げる前の位置に戻すことが可能となる。すなわち、ノックリング部材(中央)30を下方にスライド(摺動)すると、ノックリング部材(中央)30の係合壁面部35の両面(正面及び背面)に形成した係合カム35a、35bに係合するノックリング部材(左)20の係合カム25a、26aの当接により、ノックリング部材20のリブ76bとの係止が外れて
図1、
図2、
図6に示す元の位置にノックリング部材20、30等は戻ることとなる。
【0038】
図11は、ノックリング部材30(中央)を下方にスライドさせた状態図であり、
図12は、
図11の状態からノックリング部材20(左)を下方にスライドさせてノックリング部材30(中央)を戻す直前のノックリング部材のみを示した状態図である。ノックリング部材(中央)30を下方にスライド(摺動)すると、互いのカム部分の当接により押し下げる前の位置に戻すことが可能となる。すなわち、ノックリング部材(左)20を下方にスライド(摺動)すると、ノックリング部材(中央)30の係合壁面部35に形成した係合カム35aに係合するノックリング部材(左)20の係合カム25aの当接により、ノックリング部材30のリブ77bとの係止が外れて
図1、
図2、
図6及び
図7に示す元の位置にノックリング部材20、30等は戻ることとなる。
【0039】
図13は、ノックリング部材40(右)を下方にスライドさせた状態図であり、
図14は、
図13の状態からノックリング部材20(左)を下方にスライドさせてノックリング部材40(右)を戻す直前のノックリング部材のみを示した状態図である。ノックリング部材(左)20を下方にスライド(摺動)すると、互いのカム部分の当接により押し下げる前の位置に戻すことが可能となる。すなわち、ノックリング部材(左)20を下方にスライド(摺動)すると、ノックリング部材(右)40の凹状部47に形成した係合カム47a、47bに係合するノックリング部材(左)20の係合カム27a、27bの当接により、ノックリング部材40のリブ78bとの係止が外れて
図1、
図2、
図6及び
図7に示す元の位置にノックリング部材20、40等は戻ることとなる。
【0040】
このように構成される本実施形態の芳香剤容器Xでは、以下に記載の特有の作用効果を奏することとなる。従来において、複数の軸となる芳香剤カートリッジが並列配置された芳香剤セット等において、匂いの切り替えを行う際に隣接していない軸を片手などの簡便な操作で切り替えることは非常に難しかった。そこで、本実施形態の芳香剤容器Xでは、ノックリング部材20、30、40に複数の係合カムを配置することで、芳香剤カートリッジ10同士は隣接していない場合でも簡便な摺動(スライド)操作で、匂いなどの切り替えが簡単にできるものとなる。
本実施形態では、操作部材であるノックリング部材20、30、40の各々の係合カムの形状を変えることで、芳香の切り替えを簡単に行うこととしたものである。具体的には、本実施形態で、芳香剤カートリッジを3本搭載する場合、隣接するノックリング部材20と30において、ノックリング部材20にノックリング部材30を蹴るためのカム(26a)と、ノックリング部材30にノックリング部材20を蹴るためのカム(35a) とを有し、また、ノックリング部材20にノックリング部材30が蹴られるためのカム(25a)と、ノックリング部材30にノックリング部材20が蹴られるためのカム(35b)とを有し、隣接していないノックリング部材20と40において、ノックリング部材20にノックリング部材40を蹴るためのカム(27a)と、ノックリング部材20にノックリング部材40が蹴られるためのカム(35b)の計4つのカムをそれぞれ別で配置することで操作して、使用中の芳香剤カートリッジ10…を蹴り上げキャンセルすることを可能とし、また、車載用のルーバーに取り付けるタイプで複数の芳香剤を搭載した車載用芳香剤セットにおいて、すべての操作部(操作釦22,32,42)が正面側(使用者)に向いており、簡便な操作で匂いの切り替えを行うことができるものとなる。
【0041】
以上のように、本実施形態の複数の芳香剤カートリッジを収容する芳香剤容器(セット)において、ノックリング部材20、30、40について係合カムの左右および中央の形状がそれぞれ違う形状のものが備えられ、芳香剤カートリッジを使用していない場合(揮発がない場合)はそれぞれが干渉しない位置に配置されており、使用する際はノックリング部材をスライドさせ、スライド方向に対して垂直に位置がずれることで係止リブに係止され、多孔質揮散体15が露出され使用状態となり、また、ノックリング部材20、30、40の位置が垂直方向にずれることで、残りの2つのノックリング部材に配置されたカムと使用中のノックリング部材のカムがかみ合う位置に配置されており、匂いの切り替えを行う際は切り替える対象のノックリング部材20、30、40のいずれか一つをスライドさせることでカムがかみ合い、使用中のノックリング部材が係止状態から解除されることにより、横並びに配置された芳香剤カートリッジにおいても、簡単な操作により、匂いや消臭等の切り替えを簡単に行うことができる。また、芳香剤カートリッジの一つが消費(揮発)により無くなっても、芳香剤カートリッジの交換も簡単にすることができるものとなる。
【実施例0042】
次に、実施例により、本発明を更に詳述するが、本発明は下記実施例等により限定されるものではない。
【0043】
(実施例1:
図1~
図21に準拠の芳香剤容器X)
下記構成の芳香剤カートリッジ10,多孔質揮発体15、ノックリング部材20~40、キャップスプリング80、内キャップ85,カバー上ユニット90,カートリッジスプリング110,カバー下ユニット120などを用いて
図1~
図21に準拠する芳香剤容器を作製した。また、下記組成の揮発性液体(芳香消臭剤)を使用した。
【0044】
(芳香剤容器Xの主な構成)
芳香剤カートリッジ10、ノックリング部材20~40、カバー上ユニット90,カバー下ユニット120:ポリエチレンナフタレート製
キャップスプリング80、カートリッジスプリング110:SUS製
多孔質揮発体20:アモルファス炭素と炭素粉末から焼成してなるカーボン多孔質体、大きさ:φ4×20mm、気孔率60%
中継芯17:ポリエステル製
多孔質体:大きさ:φ1.5×30mm、気孔率70%
【0045】
(揮発性液体3種の配合組成)
下記組成の揮発性液体(合計100質量%)を使用した。
香料:1.5重量%(各香料はスペアミント油、ローズ油、ライム油の3種)
界面活性剤(ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル):3質量%
消臭剤(ベタイン化合物、アミン化合物、有機酸化合物の混合物):0.2質量%
防腐剤(2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン):0.03質量%
イオン交換水:残部
粘度(25℃):3mPa・s(E型粘度計、東機産業社製TV-25)
【0046】
上記実施例1で得られた芳香剤容器Xを用いて使用したところ、簡単な操作により、匂いや消臭等の切り替えを簡単に行うことができると共に、芳香剤カートリッジ10の交換も簡単に行うことができる車載用、室内用などに好適な芳香剤容器となることを確認した。
簡単な操作により、匂いや消臭等の切り替えを簡単に行うことができると共に、芳香剤カートリッジの交換も簡単に行うことができる車載用、室内用などに好適な芳香剤容器が得られる。