(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082612
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】押釦
(51)【国際特許分類】
H01H 13/14 20060101AFI20240613BHJP
H01H 3/12 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
H01H13/14 A
H01H3/12 C
H01H3/12 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196576
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】小磯 宏行
【テーマコード(参考)】
5G025
5G206
【Fターム(参考)】
5G025AA07
5G025BA04
5G025FA01
5G206AS10F
5G206AS10H
5G206AS10J
5G206FS12H
5G206FS12J
5G206HS24
5G206JU64
(57)【要約】
【課題】小型化可能な新たな構造を有する押釦を提供すること。
【解決手段】押釦10は、ベース部20と操作部30と2つの支持部40とを有している。ベース部20は、水平面(XY平面)に沿って延びる平板形状を有しており、且つ、上下方向(Z方向)における上面22と下面24とを有している。ベース部20には、開口部28が形成されている。開口部28は、操作部30を受容している。操作部30は、操作面34を有している。操作面34は、上方を向いており、上方から加圧可能である。支持部40の夫々は、弾性変形可能であり、且つ、第1端部42と第2端部44とを有している。第1端部42の夫々は、ベース部20の下面24に繋がっており、下面24から下方に延びている。第2端部44夫々は、操作部30を支持している。操作部30は、上下方向に移動可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、操作部と、2つの支持部とを有する押釦であって、
前記ベース部は、水平面に沿って延びる平板形状を有しており、且つ、前記水平面と直交する上下方向における上面と下面とを有しており、
前記ベース部には、開口部が形成されており、
前記開口部は、前記操作部を受容しており、
前記操作部は、操作面を有しており、
前記操作面は、上方を向いており、上方から加圧可能であり、
前記支持部の夫々は、弾性変形可能であり、且つ、第1端部と第2端部とを有しており、
前記第1端部の夫々は、前記ベース部の前記下面に繋がっており、前記下面から下方に延びており、
前記第2端部の夫々は、前記操作部を支持しており、
前記操作部は、前記上下方向に移動可能である
押釦。
【請求項2】
請求項1記載の押釦であって、
前記操作部は、被支持面を有しており、
前記被支持面は、下方を向いており、
前記第2端部の夫々は、前記被支持面に繋がっており、前記被支持面から下方に延びている
押釦。
【請求項3】
請求項1記載の押釦であって、
前記支持部の夫々は、前記ベース部の前記上面の下方にのみ位置している
押釦。
【請求項4】
請求項1記載の押釦であって、
前記操作部及び前記2つの支持部は、前記上下方向に沿って見たとき、180度回転対称に配置されている
押釦。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の押釦であって、
前記支持部の夫々において、前記第1端部の下端及び前記第2端部の下端は、前記上下方向と直交する前後方向において互いに異なる位置にあり、且つ、前記上下方向及び前記前後方向の双方と直交する横方向において互いに異なる位置にあり、
前記支持部の夫々は、連結部を有しており、
前記連結部の夫々は、前記第1端部42の前記下端及び前記第2端部の前記下端を互いに連結している
押釦。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置を操作するために使用する押釦に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、このタイプの押釦が開示されている。
【0003】
図13を参照すると、特許文献1に開示された押釦90は、ボタン部(操作部)92と、2つの接続部(支持部)96とを備えている。操作部92は、上下方向に沿って延びており、平坦な下端面94を有している。支持部96の夫々は、水平面に沿って延びる円弧形状を有している。支持部96の夫々において、円弧の一端は、ユニット本体部(ベース部)98に繋がっており、円弧の他端は、操作部92の側面の上部に繋がっている。操作部92を下方に向かって押すと、下端面94が基板(図示せず)に設けられたスイッチ(図示せず)を押す。特許文献1によれば、操作部92が弾性変形可能な2つの支持部96によってバランスよく支持されており、操作部92を真っ直ぐ下方に十分な移動量だけ移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
押釦について、小型化したいという要望がある。
【0006】
そこで、本発明は、小型化可能な新たな構造を有する押釦を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の押釦として、
ベース部と、操作部と、2つの支持部とを有する押釦であって、
前記ベース部は、水平面に沿って延びる平板形状を有しており、且つ、前記水平面と直交する上下方向における上面と下面とを有しており、
前記ベース部には、開口部が形成されており、
前記開口部は、前記操作部を受容しており、
前記操作部は、操作面を有しており、
前記操作面は、上方を向いており、上方から加圧可能であり、
前記支持部の夫々は、弾性変形可能であり、且つ、第1端部と第2端部とを有しており、
前記第1端部の夫々は、前記ベース部の前記下面に繋がっており、前記下面から下方に延びており、
前記第2端部の夫々は、前記操作部を支持しており、
前記操作部は、前記上下方向に移動可能である
押釦を提供する。
【0008】
本発明は、第2の押釦として、第1の押釦であって、
前記操作部は、被支持面を有しており、
前記被支持面は、下方を向いており、
前記第2端部の夫々は、前記被支持面に繋がっており、前記被支持面から下方に延びている
押釦を提供する。
【0009】
本発明は、第3の押釦として、第1の押釦であって、
前記支持部の夫々は、前記ベース部の前記上面の下方にのみ位置している
押釦を提供する。
【0010】
本発明は、第4の押釦として、第1の押釦であって、
前記操作部及び前記2つの支持部は、前記上下方向に沿って見たとき、180度回転対称に配置されている
押釦を提供する。
【0011】
本発明は、第5の押釦として、第1から第4までのいずれかの押釦であって、
前記支持部の夫々において、前記第1端部の下端及び前記第2端部の下端は、前記上下方向と直交する前後方向において互いに異なる位置にあり、且つ、前記上下方向及び前記前後方向の双方と直交する横方向において互いに異なる位置にあり、
前記支持部の夫々は、連結部を有しており、
前記連結部の夫々は、前記第1端部42の前記下端及び前記第2端部の前記下端を互いに連結している
押釦。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、弾性変形可能な2つの支持部によって操作部をバランスよく支持できる。また、支持部の第1端部がベース部の下面から下方に延びているため、支持部を水平面に投影した場合の面積を小さくできる。この構造により、支持部に求められる弾性を確保しつつ、操作部と支持部の占める専有面積を小さくできる。即ち、本発明によれば、小型化可能な新たな構造を有する押釦を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態による押釦を示す斜視図である。操作部の隠れた輪郭を破線で描画している。
【
図3】
図1の押釦を示す底面図である。開口部の内壁面の位置を破線で描画している。
【
図4】
図1の押釦を示す前面図である。操作部及び開口部の隠れた輪郭を破線で描画している。
【
図5】
図1の押釦を示す側面図である。操作部を押したときの操作部及び支持部の輪郭の一部を破線で描画している。
【
図8】
図6の押釦を示す底面図である。開口部の内壁面の位置を破線で描画している。
【
図11】別の変形例による押釦を示す斜視図である。
【
図12】更に別の変形例による押釦を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、本発明の実施の形態による押釦10は、絶縁体からなり、ティーチングペンダントやリモコン等の装置を操作するために使用される。押釦10は、単独で使用してもよいし、2以上の押釦10を配置した操作パネル(図示せず)等の部材の一部であってもよい。
【0015】
押釦10は、ベース部20と、操作部30と、2つの支持部40とを有している。操作部30は、ベース部20に対して相対的に移動可能である。操作部30を上下方向に沿って下方に移動させると、操作部30は、基板(図示せず)に設けられたスイッチ(図示せず)を押す。この結果、スイッチのオンオフ状態が切り替わる。本実施の形態の上下方向は、Z方向である。本実施の形態において、「上方」は+Z方向であり、「下方」は-Z方向である。
【0016】
本実施の形態の押釦10は、ベース部20、操作部30及び支持部40のみを有している。ベース部20、操作部30及び支持部40は、樹脂から互いに一体に成型されている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、押釦10は、上述の部位に加えて、更に別の部位を有していてもよい。上述の部位は、互いに接合されていてもよい。
【0017】
図1から
図5までを参照すると、ベース部20は、水平面(XY平面)に沿って延びる平板形状を有しており、且つ、水平面と直交する上下方向における上面22と下面24とを有している。上面22は、下面24の上方に位置している。
図1から
図3までに示されるように、ベース部20には、開口部28が形成されている。開口部28は、水平面において閉じた空間であり、ベース部20を上下方向に沿って貫通している。開口部28の水平面における内壁面29は、切れ目なく連続して延びている。開口部28は、上面22において上方に開口しており、下面24において下方に開口している。
【0018】
図1、
図4及び
図5を参照すると、本実施の形態の上面22及び下面24は、ベース部20の上端及び下端に夫々位置している。本実施の形態の上面22及び下面24の夫々は、開口部28を除いて凹凸のない平面であり、水平面と平行に延びている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、上面22及び下面24の夫々には、開口部28以外の凹部が形成されていてもよいし、突出部が形成されていてもよい。上面22及び下面24の夫々は、緩やかな曲がりを有する曲面であってもよい。ベース部20は、2以上の押釦10を配置した操作パネル(図示せず)の一部であってもよい。
【0019】
図1を参照すると、本実施の形態の操作部30は、頭部32と、2つの補強部37と、脚部38とを有している。頭部32は、操作部30の上端に位置している。脚部38及び補強部37は、頭部32から下方に延びている。補強部37は、脚部38の前後方向における両側に夫々繋がっており、脚部38を補強している。本実施の形態の前後方向は、X方向である。本実施の形態において、「前方」は+X方向であり、「後方」は-X方向である。
【0020】
本実施の形態の頭部32は、上下方向に薄い円盤形状を有している。本実施の形態の脚部38は、上下方向に沿って長く延びる円柱形状を有している。即ち、頭部32及び脚部38の夫々は、水平面において円形状を有している。水平面において、脚部38のサイズは、頭部32のサイズよりも小さい。但し、本発明は、これに限られない。例えば、頭部32及び脚部38の夫々は、水平面において矩形形状を有していてもよい。
【0021】
頭部32には、操作面34と、被支持面36とが形成されている。即ち、本実施の形態の操作部30は、操作面34と、被支持面36とを有している。
図2、
図4及び
図5を参照すると、操作面34は、頭部32の上面であり、円形状を有している。操作面34は、上方を向いており、上方から加圧可能である。本実施の形態の操作面34には、円形の溝35が形成されている。溝35は、下方に凹んでいる。操作面34は、溝35を除いて凹凸のない平面であり、水平面と平行に延びている。
図1及び
図3を参照すると、被支持面36は、頭部32の下面であり、円形状を有している。被支持面36は、下方を向いている。被支持面36は、凹凸のない平面であり、水平面と平行に延びている。
【0022】
脚部38は、被支持面36の水平面における中心部に繋がっており、被支持面36から真っ直ぐ下方に延びている。脚部38には、突当部39が形成されている。即ち、本実施の形態の操作部30は、突当部39を有している。突当部39は、脚部38の下面であり、円形状を有している。突当部39は、下方を向いている。
【0023】
本実施の形態の操作部30は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、操作部30の構造は、必要に応じて変形可能である。例えば、溝35(
図2参照)及び補強部37は、必要に応じて設ければよい。
【0024】
図1及び
図4を参照すると、ベース部20の開口部28は、操作部30を受容している。本実施の形態によれば、頭部32の大部分は、開口部28の内部に位置している。頭部32のうち開口部28の内部に位置する部位は、水平面において開口部28の内壁面29から離れている。このように配置された頭部32は、開口部28の内壁面29と接触することなく上下方向に移動可能である。
【0025】
頭部32の一部は、開口部28から上方に突出している。即ち、頭部32の操作面34は、ベース部20の上面22の上方に位置している。頭部32の被支持面36は、上下方向においてベース部20の下面24と同じ位置にある。即ち、脚部38は、開口部28に受容されておらず、下面24の下方に位置している。
【0026】
本実施の形態の開口部28は、頭部32の一部のみを部分的に受容している。特に、操作面34の上下方向における位置は、上面22の上下方向における位置よりも高い。但し、本発明は、これに限られない。操作部30が上下方向に移動可能に開口部28に受容されている限り、操作部30は、開口部28にどのように受容されていてもよい。例えば、開口部28は、頭部32全体を受容していてもよい。詳しくは、操作面34の上下方向における位置は、上面22の上下方向における位置と同じであってもよい。
【0027】
図1を参照すると、本実施の形態の支持部40の夫々は、第1端部42と、第2端部44と、連結部46とを有している。
【0028】
第1端部42の夫々は、ベース部20の下面24に繋がっており、下面24から下方に延びている。本実施の形態の第1端部42の夫々は、下面24から、操作部30の被支持面36に近づくように前後方向に沿って延びつつ下方に延びている。
【0029】
第2端部44の夫々は、操作部30を支持している。より具体的には、本実施の形態の第2端部44の夫々は、操作部30の被支持面36に繋がっており、被支持面36から下方に延びている。本実施の形態の第2端部44の夫々は、被支持面36から真っ直ぐ下方に延びている。2つの第2端部44は、上下方向及び前後方向の双方と直交する横方向において脚部38を挟んでいる。本実施の形態の横方向は、Y方向である。
【0030】
連結部46の夫々は、全体として横方向に沿って延びており、第1端部42の下端と第2端部44の下端とを互いに連結している。詳しくは、本実施の形態の支持部40の夫々において、第1端部42の下端及び第2端部44の下端は、前後方向において互いに異なる位置にあり、且つ、横方向において互いに異なる位置にある。本実施の形態の連結部46の夫々は、第1端部42の下端から前後方向に沿って延びた後に、90度の角度(曲げ角度)で曲がり、第2端部44の下端まで横方向に沿って延びている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、連結部46の夫々の曲げ角度は、90度に限定されず、連結部46の夫々の形状は、特に限定されない。連結部46の夫々は、前後方向及び横方向の夫々において異なる位置にある第1端部42の下端及び第2端部44の下端を互いに連結していればよい。
【0031】
図5を参照すると、上述のように形成された支持部40の夫々は、弾性変形可能である。特に、本実施の形態の支持部40の夫々は、上述の連結部46を含む構造を有しており、これにより、長いバネ長を有している。操作部30は、支持部40を弾性変形させつつ、上下方向に移動可能である。より具体的には、操作部30の操作面34を下方に押すと、操作部30は、支持部40を弾性変形させつつ、下方に移動する。この結果、操作部30の突当部39は、基板(図示せず)のスイッチ(図示せず)に突き当たる。操作面34に加えた力を除くと, 支持部40は、初期形状(
図5の実線の形状)に戻り、操作部30は、初期位置(
図5の実線の位置)に戻る。
【0032】
本実施の形態によれば、絶縁体からなる突当部39が下方に移動してスイッチ(図示せず)を押す。但し、本発明は、これに限られない。例えば、下方に移動した突当部39が上下2枚のシート(図示せず)に形成された2つの導電部を互いに押し付けてもよい。また、突当部39を導電体で形成してもよい。この場合、1枚のシート(図示せず)に形成された2つの導電部を下方に移動した突当部39によって互いに接続してもよい。
【0033】
本実施の形態によれば、弾性変形可能な2つの支持部40によって操作部30をバランスよく支持できる。また、支持部40の第1端部42の夫々がベース部20の下面24から下方に延びているため、2つの支持部40を水平面に投影した場合の面積を小さくできる。加えて、支持部40のバネ長を十分に長くできる。この構造により、支持部40に求められる弾性を確保しつつ、操作部30と支持部40の占める専有面積を小さくできる。即ち、本実施の形態によれば、小型化可能な新たな構造を有する押釦10を提供できる。例えば、多数の押釦10を狭ピッチで配置できる。
【0034】
図1を参照すると、本実施の形態によれば、支持部40の第2端部44の夫々は、操作部30の下面である被支持面36から下方に延びている。この構造によれば、操作面34に加わる力に応じた操作部30の移動量を大きくできる。特に、第2端部44の夫々は、上下方向に沿って真っ直ぐ延びている。この構造によれば、支持部40の夫々を水平面に投影した場合の面積は、第2端部44の上下方向におけるサイズに拘らず、第1端部42及び連結部46の水平面に沿ったサイズによって規定される。従って、投影面積をより小さくできる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第2端部44の夫々は、第1端部42に近づくように曲がりつつ下方に延びていてもよい。
【0035】
本実施の形態によれば、弾性を有する第1端部42の夫々の上端は、ベース部20の下面24に直接的に繋がっている。加えて弾性を有する第2端部44の上端は、操作部30の被支持面36に直接的に繋がっている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1端部42の夫々の上端は、弾性を有しない部位を介して、ベース部20の下面24に間接的に繋がっていてもよい。例えば、第1端部42の夫々の上端は、下面24から下方に突出する突出部(図示せず)の下端に繋がっていてもよい。第2端部44の上端は、弾性を有しない部位を介して、操作部30の被支持面36に間接的に繋がっていてもよい。
【0036】
図1、
図4及び
図5を参照すると、本実施の形態の支持部40の夫々は、ベース部20の上面22の下方にのみ位置している。特に、本実施の形態の支持部40の夫々は、ベース部20の下面24の下方にのみ位置している。
【0037】
一般的に、操作部30の上端は、支持部40の上端の上方に位置する。従って、支持部40の夫々が部分的に上面22の上方に位置している場合、操作部30のうち上面22を超えて突出する部位(突出部)のサイズが大きくなる。この結果、多数の押釦10を配置した操作パネル(図示せず)を作製した場合、凹凸が激しく使用し難い操作パネルになる。一方、本実施の形態によれば、操作部30の突出部のサイズを小さくでき、これにより、比較的平坦な操作パネルを作製できる。但し、本発明は、これに限られず、支持部40の夫々の配置は、必要に応じて変形可能である。また、操作パネルのように、2以上の押釦10を配置する場合、互いに隣り合う押釦10のベース部20は、互いに一体に形成してもよいし、互いに別体に形成した後に互いに接合してもよい。
【0038】
図1及び
図3を参照すると、本実施の形態の操作部30及び2つの支持部40は、上下方向に沿って見たとき、180度回転対称に配置されている。この配置によれば、操作部30を2つの支持部40によってバランスよく支持でき、操作部30を真っ直ぐ下方に移動させ易い。但し、本発明は、これに限られない。例えば、操作部30及び2つの支持部40は、上下方向に沿って見たとき、回転非対称に配置されていてもよい。支持部40の数は3以上であってもよい。
【0039】
本実施の形態の押釦10は、既に説明した変形例に加えて、更に様々に変形可能である。
【0040】
図6を
図1と比較すると、第1変形例による押釦10Aは、押釦10と同様な構造を有している。より具体的には、押釦10Aは、ベース部20Aと、操作部30と、2つの支持部40Aとを有している。ベース部20A及び支持部40Aは、ベース部20及び支持部40と夫々異なる形状を有している。一方、操作部30は、押釦10の操作部30と同じ形状を有している。例えば、操作部30は、操作面34と、被支持面36とを有している。操作面34は、上方を向いており、上方から加圧可能である。被支持面36は、下方を向いている。操作部30は、上下方向(Z方向)に移動可能である。
【0041】
図6から
図8までを
図1から
図3までと比較すると、ベース部20Aには、開口部28Aが形成されている。開口部28Aの水平面における形状は、開口部28と異なっている。この相違を除き、ベース部20Aは、ベース部20と同じ構造を有している。例えば、ベース部20Aは、水平面(XY平面)に沿って延びる平板形状を有しており、且つ、水平面と直交する上下方向における上面22と下面24とを有している。開口部28Aは、上下方向においてベース部20Aを貫通しており、操作部30を受容している。開口部28Aの水平面における内壁面29Aは、切れ目なく連続して延びている。
【0042】
図6を
図1と比較すると、支持部40Aの夫々は、支持部40と同様に弾性変形可能であり、操作部30を上下方向に移動可能に支持している。より具体的には、支持部40Aの夫々は、第1端部42Aと、第2端部44Aとを有している。第1端部42Aの夫々は、ベース部20Aの下面24に繋がっており、下面24から下方に延びている。本変形例の第1端部42Aの夫々は、下面24から、操作部30の被支持面36に近づくように横方向(Y方向)に沿って延びつつ下方に延びている。第2端部44Aの夫々は、操作部30を支持している。より具体的には、本変形例の第2端部44Aの夫々は、操作部30の被支持面36に繋がっており、被支持面36から真っ直ぐ下方に延びている。支持部40Aの夫々において、第1端部42Aの下端は、第2端部44Aの下端と繋がっている。
【0043】
図9及び
図10を参照すると、操作部30は、支持部40Aを弾性変形させつつ、上下方向に移動可能である。本変形例によれば、弾性変形可能な2つの支持部40Aによって操作部30をバランスよく支持できる。また、支持部40Aの第1端部42Aの夫々がベース部20Aの下面24から下方に延びているため、2つの支持部40Aを水平面に投影した場合の面積を小さくできる。この構造により、支持部40Aに求められる弾性を確保しつつ、操作部30と支持部40Aの占める専有面積を小さくできる。即ち、本変形例によれば、小型化可能な新たな構造を有する押釦10Aを提供できる。
【0044】
図6を参照すると、本変形例によれば、支持部40Aの第2端部44Aの夫々は、上下方向に沿って真っ直ぐ延びており、操作部30の下面である被支持面36に繋がっている。この構造によれば、操作面34に加わる力に応じた操作部30の移動量を大きくできるとともに、支持部40Aの夫々を水平面に投影した場合の面積を小さくできる。
【0045】
図6、
図9及び
図10を参照すると、本変形例の支持部40Aの夫々は、ベース部20Aの上面22の下方にのみ位置している。本変形例によれば、操作部30のうち上面22を超えて突出する部位のサイズを小さくでき、これにより、比較的平坦な操作パネル(図示せず)を作製できる。
図6及び
図8を参照すると、本変形例の操作部30及び2つの支持部40Aは、上下方向に沿って見たとき、180度回転対称に配置されている。この配置によれば、操作部30を2つの支持部40Aによってバランスよく支持でき、操作部30を真っ直ぐ下方に移動させ易い。
【0046】
図8を
図3と比較すると、2つの支持部40Aを水平面に投影した場合の面積は、2つの支持部40を水平面に投影した場合の面積よりも小さい。また、水平面において、開口部28Aの内壁面29Aが囲む領域の面積は、開口部28の内壁面29が囲む領域の面積よりも小さい。押釦を小型化するという観点からは、押釦10に比べて押釦10Aが好ましい。但し、
図9を
図5と比較すると、押釦10の操作部30及び押釦10Aの操作部30に下方に向かう同じ大きさの力を加えたとき、支持部40Aの弾性変形に伴う操作部30の移動量は、支持部40の弾性変形に伴う操作部30の移動量よりも小さい。操作部30を大きく移動させるという観点からは、押釦10Aに比べて押釦10が好ましい。
【0047】
本変形例の押釦10Aは、上述した構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、押釦10Aの構造は、押釦10と同様に様々に変形可能である。
【0048】
図11を
図1と比較すると、第2変形例による押釦10Bは、ベース部20Bと、操作部30Bと、2つの支持部40Bとを有している。ベース部20Bは、水平面(XY平面)に沿って延びる平板形状を有しており、且つ、水平面と直交する上下方向(Z方向)における上面22と下面24とを有している。ベース部20Bには、開口部28と異なる形状の開口部28Bが形成されている。開口部28Bは、操作部30Bを受容している。操作部30Bは、上下方向に長く延びる頭部32Bと、頭部32Bから下方に短く延びる脚部38Bとを有している。操作部30Bは、操作面34を有している。操作面34は、上方を向いており、上方から加圧可能である。操作部30Bは、加圧に伴って上下方向に移動可能である。
【0049】
支持部40Bの夫々は、弾性変形可能であり、且つ、第1端部42Bと、第2端部44Bとを有している。第1端部42Bの夫々は、ベース部20Bの下面24に繋がっており、下面24から下方に延びている。本変形例の第1端部42Bの夫々は、下面24から、操作部30Bに近づくように曲がりつつ下方に延びている。第2端部44Bの夫々は、操作部30Bを支持している。より具体的には、本変形例の第2端部44Bの夫々は、操作部30Bの頭部32Bの円柱形状の側面に繋がっており、操作部30Bから第1端部42Bに向かって水平面(XY平面)外側に延びている。第1端部42Bの夫々の下端は、第2端部44Bの水平面外側の端と繋がっている。
【0050】
図12を
図1と比較すると、第3変形例による押釦10Cは、ベース部20Cと、操作部30Cと、2つの支持部40Cとを有している。ベース部20Cは、水平面(XY平面)に沿って延びる平板形状を有しており、且つ、水平面と直交する上下方向(Z方向)における上面22と下面24とを有している。ベース部20Cには、開口部28と異なる形状の開口部28Cが形成されている。開口部28Cは、操作部30Cを受容している。操作部30Cは、円盤形状の頭部32Cと、頭部32Cから下方に延びる脚部38Cとを有している。頭部32Cは、開口部28Cに受容されている。操作部30Cは、操作面34を有している。操作面34は、上方を向いており、上方から加圧可能である。操作部30Cは、加圧に伴って上下方向に移動可能である。
【0051】
支持部40Cの夫々は、弾性変形可能であり、且つ、第1端部42Cと、第2端部44Cと、連結部46Cとを有している。第1端部42Cの夫々は、ベース部20Cの下面24に繋がっており、下面24から真っ直ぐ下方に延びている。第2端部44Cの夫々は、操作部30Cを支持している。より具体的には、本変形例の第2端部44Cの夫々は、操作部30Cの頭部32Cの円盤形状の側面に繋がっており、操作部30Cから水平面外側に向かって延びている。即ち、第2端部44Cの夫々は、下面24の上方に位置している。連結部46Cの夫々は、第1端部42Cの下端と、第2端部44Cの水平面外側の端とを互いに連絡している。詳しくは、連結部46Cの夫々は、第1端部42Cの下端から円弧形状に曲がって上方に延びた後に、第2端部44Cの水平面外側の端に繋がっている。
【0052】
第2及び第3変形例によれば、前述した実施の形態や第1変形例と同様に、小型化可能な新たな構造を有する押釦10B及び押釦10Cを提供できる。
【符号の説明】
【0053】
10,10A,10B,10C 押釦
20,20A,20B,20C ベース部
22 上面
24 下面
28,28A,28B,28C 開口部
29,29A 内壁面
30,30B,30C 操作部
32,32B,32C 頭部
34 操作面
35 溝
36 被支持面
37 補強部
38,38B,38C 脚部
39 突当部
40,40A,40B,40C 支持部
42,42A,42B,42C 第1端部
44,44A,44B,44C 第2端部
46,46C 連結部