(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082635
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】金属含浸セラミックス焼成体の製造方法
(51)【国際特許分類】
C04B 41/88 20060101AFI20240613BHJP
C04B 41/91 20060101ALI20240613BHJP
C04B 35/577 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
C04B41/88 U
C04B41/91 Z
C04B35/577
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196611
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000237868
【氏名又は名称】エヌジーケイ・アドレック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】後藤 空
(72)【発明者】
【氏名】久野 修平
(72)【発明者】
【氏名】松葉 浩臣
(57)【要約】
【課題】製品の歩留まり向上に寄与することのできる金属含浸セラミックス焼成体の製造方法を提供する。
【解決手段】金属の融点以上に加熱することで、当該金属をセラミックス成形体内に含浸することを含む第一金属含浸セラミックス焼成体の作製工程1と、第一金属含浸セラミックス焼成体を前記金属の融点以上に再加熱することで、第一金属含浸セラミックス焼成体に含浸されている前記金属の一部を除去することを含む、第一金属含浸セラミックス焼成体よりも金属含浸量の少ない第二金属含浸セラミックス焼成体の作製工程2と、を含む金属含浸セラミックス焼成体の製造方法。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属の融点以上に加熱することで、当該金属をセラミックス成形体内に含浸することを含む第一金属含浸セラミックス焼成体の作製工程1と、
第一金属含浸セラミックス焼成体を前記金属の融点以上に再加熱することで、第一金属含浸セラミックス焼成体に含浸されている前記金属の一部を除去することを含む、第一金属含浸セラミックス焼成体よりも金属含浸量の少ない第二金属含浸セラミックス焼成体の作製工程2と、
を含む金属含浸セラミックス焼成体の製造方法。
【請求項2】
第一金属含浸セラミックス焼成体は、前記金属が表面に浮き出ることによって形成された一つ又は二つ以上の凸部を有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
作製工程2の再加熱時における最高温度は作製工程1の加熱時における最高温度よりも高い請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
作製工程2の再加熱時における周囲ガスの圧力は作製工程1の加熱時における周囲ガスの圧力よりも低い請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
作製工程2は、第一金属含浸セラミックス焼成体に、吸収体を接触させながら再加熱することで、第一金属含浸セラミックス焼成体に含浸されている前記金属を前記吸収体に吸い取らせることを伴う請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記吸収体が多孔質である請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
作製工程2の再加熱は、第一金属含浸セラミックス焼成体の上及び/又は下に、前記吸収体を載置した状態で行われる請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
前記吸収体は、炭化珪素、カーボン、及び前記セラミックス成形体に含まれるセラミックス材料から選択される一種又は二種以上を合計で80質量%以上含有する請求項5に記載の製造方法。
【請求項9】
前記セラミックス成形体は、外周壁と、外周壁の内周側に配設され、一方の端面から他方の端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有するハニカム構造部を備える請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
前記セラミックス成形体が炭化珪素を含有し、前記金属が金属珪素を含有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
前記金属含浸セラミックス焼成体が熱交換器である請求項1に記載の製造方法。
【請求項12】
前記金属含浸セラミックス焼成体の気孔率は30%以下である請求項1に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属含浸セラミックス焼成体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックス成形体に溶融金属を含浸させながら焼成することで金属含浸セラミックス焼成体を製造する方法が知られている。金属含浸セラミックス焼成体の例としては、シリコン含浸型の炭化珪素が挙げられる。シリコン含浸型の炭化珪素は、高熱伝導率、低熱膨張、高強度、耐熱性、耐酸化性を持つ材料として知られており、従来、熱交換器、ヒートシンク、半導体装置向け部材、耐火物、排ガス浄化用フィルター等の用途に用いられている。
【0003】
特許文献1(国際公開第2011/145387号)には、SiCを含む被含浸体とSiを含む含浸金属供給体とを用い、該被含浸体及び該含浸金属供給体のうち少なくとも一方にAlを含み、常圧の不活性ガス雰囲気、1200℃以上1600℃以下の温度範囲で前記含浸金属供給体からのSiを含む溶融金属を前記被含浸体へ含浸処理する含浸工程、を含むことを特徴とする、Si-SiC系複合材料の製造方法が記載されている。特許文献1には、具体的な含浸処理の方法として、成形体である被含浸体の上にプレス成形された含浸金属供給体を載置して加熱処理を行い、含浸金属供給体を溶融して被含浸体に含浸させることが記載されている。
【0004】
特許文献2(国際公開第2021/171670号)には、Si含浸SiC複合材料を主成分とするハニカム成形体を製造する方法が記載されており、金属Siを含む塊とハニカム成形体とが接触するように配置して焼成する方法が図示されている。
【0005】
特許文献3(特開2017-218342号公報)には、成形体を得る成形工程と、成形体に含まれる有機バインダを除去して脱脂体を得る脱脂工程と、脱脂体の周壁及び区画壁の内部に金属珪素を含浸させる含浸工程とを有するハニカム構造体の製造方法が記載されている。特許文献3には、含浸工程においては、脱脂体に対して金属珪素の塊を接触させた状態で加熱することが好ましいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2011/145387号
【特許文献2】国際公開第2021/171670号
【特許文献3】特開2017-218342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1~3に記載されているように、従来の金属含浸セラミックス焼成体の製造方法においては、被含浸セラミックス成形体と含浸金属供給成形体を接触させた状態、典型的には被含浸セラミックス成形体の上に含浸金属供給成形体を載置した状態で加熱処理することで含浸工程を行っていた。
【0008】
しかしながら、従来の含浸工程では過剰量の含浸金属供給成形体の積載を行うと接触面にて含浸金属供給成形体の残渣が被含浸セラミックス成形体に固着するこびりつきが発生する場合がある。こびりつきは含浸金属供給成形体が溶融することで強固に結合しているため、除去する際に被含浸セラミックス成形体の破損を伴うことがあり、歩留まりが低下する原因となっていた。
【0009】
また、従来の含浸工程では、こびりつきが発生するほどではないものの、金属含浸セラミックス焼成体の含浸量が過剰となる場合があった。しかしながら、過剰に含浸された場合に含浸量を調整する方法がこれまで存在しなかったため、歩留まりが低下する原因となっていた。このため、含浸量を調整する方法が提供されることが望ましい。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、一側面において、製品の歩留まり向上に寄与することのできる金属含浸セラミックス焼成体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、金属含浸セラミックス焼成体を再加熱することでこびりつきの除去や含浸量の調整ができることを見出した。本発明は当該知見に基づき創作されたものであり、以下に例示される。
[態様1]
金属の融点以上に加熱することで、当該金属をセラミックス成形体内に含浸することを含む第一金属含浸セラミックス焼成体の作製工程1と、
第一金属含浸セラミックス焼成体を前記金属の融点以上に再加熱することで、第一金属含浸セラミックス焼成体に含浸されている前記金属の一部を除去することを含む、第一金属含浸セラミックス焼成体よりも金属含浸量の少ない第二金属含浸セラミックス焼成体の作製工程2と、
を含む金属含浸セラミックス焼成体の製造方法。
[態様2]
第一金属含浸セラミックス焼成体は、前記金属が表面に浮き出ることによって形成された一つ又は二つ以上の凸部を有する態様1に記載の製造方法。
[態様3]
作製工程2の再加熱時における最高温度は作製工程1の加熱時における最高温度よりも高い態様1又は2に記載の製造方法。
[態様4]
作製工程2の再加熱時における周囲ガスの圧力は作製工程1の加熱時における周囲ガスの圧力よりも低い態様1~3の何れか一つに記載の製造方法。
[態様5]
作製工程2は、第一金属含浸セラミックス焼成体に、吸収体を接触させながら再加熱することで、第一金属含浸セラミックス焼成体に含浸されている前記金属を前記吸収体に吸い取らせることを伴う態様1~4の何れか一つに記載の製造方法。
[態様6]
前記吸収体が多孔質である態様5に記載の製造方法。
[態様7]
作製工程2の再加熱は、第一金属含浸セラミックス焼成体の上及び/又は下に、前記吸収体を載置した状態で行われる態様5又は6に記載の製造方法。
[態様8]
前記吸収体は、炭化珪素、カーボン、及び前記セラミックス成形体に含まれるセラミックス材料から選択される一種又は二種以上を合計で80質量%以上含有する態様5~7の何れか一つに記載の製造方法。
[態様9]
前記セラミックス成形体は、外周壁と、外周壁の内周側に配設され、一方の端面から他方の端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有するハニカム構造部を備える態様1~8の何れか一つに記載の製造方法。
[態様10]
前記セラミックス成形体が炭化珪素を含有し、前記金属が金属珪素を含有する態様1~9の何れか一つに記載の製造方法。
[態様11]
前記金属含浸セラミックス焼成体が熱交換器である態様1~10の何れか一つに記載の製造方法。
[態様12]
前記金属含浸セラミックス焼成体の気孔率は30%以下である態様1~11の何れか一つに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施形態に係る金属含浸セラミックス焼成体の製造方法によれば、金属含浸セラミックス焼成体を再加熱することでこびりつきの除去や含浸量の調整ができる。このため、金属含浸セラミックス焼成体に含浸金属によるこびりつきが発生した場合や、金属含浸セラミックス焼成体の含浸量が過剰となった場合でも、含浸量が適正化された金属含浸セラミックス焼成体に是正可能である。
【0013】
よって、本発明の一実施形態に係る金属含浸セラミックス焼成体の製造方法は、金属含浸セラミックス焼成体を製造する際の歩留まり向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】セラミックス成形体の一例に係る模式的な斜視図を示す。
【
図2】セラミックス成形体の別例に係る模式的な斜視図を示す。
【
図3A】第一金属含浸セラミックス焼成体上に吸収体が置かれた状態を示す模式的な側面断面図である。
【
図3B】吸収体上に第一金属含浸セラミックス焼成体が置かれた状態を示す模式的な側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
【0016】
本発明の一実施形態に係る金属含浸セラミックス焼成体の製造方法は、
金属の融点以上に加熱することで、当該金属をセラミックス成形体内に含浸することを含む第一金属含浸セラミックス焼成体の作製工程1と、
第一金属含浸セラミックス焼成体を前記金属の融点以上に再加熱することで、第一金属含浸セラミックス焼成体に含浸されている前記金属の一部を除去することを含む、第一金属含浸セラミックス焼成体よりも金属含浸量の少ない第二金属含浸セラミックス焼成体の作製工程2と、
を含む。
【0017】
(作製工程1)
第一金属含浸セラミックス焼成体の作製工程1は、金属の融点以上に加熱することで、当該金属をセラミックス成形体内に含浸することを含む。
図1にはセラミックス成形体100の一例に係る模式的な斜視図が示されている。
図2にはセラミックス成形体100の別例に係る模式的な斜視図が示されている。セラミックス成形体100の形状には特段の制約はないが、一実施形態において、セラミックス成形体100は、外周壁112と、外周壁112の内周側に配設され、一方の端面114から他方の端面116まで流体の流路を形成する複数のセル115を区画形成する隔壁113とを有するハニカム構造部110を備える。セラミックス成形体100の外形は典型的には柱状である。
【0018】
セラミックス成形体100の端面形状に制限はないが、例えば円形状、楕円形状、レーストラック形状及び長円形状等のラウンド形状、三角形状及び四角形状等の多角形状、並びに、その他の異形形状とすることができる。
図1に示すセラミックス成形体100は、端面形状が円形状であり、全体として円柱状である。
【0019】
また、
図2に示すように、セラミックス成形体100は、一方の端面114から他方の端面116まで延びる中空部117を有してもよい。中空部117はハニカム構造部110のセル115の延びる方向の中心軸と同軸状に形成することが好ましい。この場合、セラミックス成形体100は、外周壁112と、内周壁119と、外周壁112及び内周壁119の間に配設され、一方の端面114から他方の端面116まで流体の流路を形成する複数のセル115を区画形成する隔壁113とを有するハニカム構造部110を備える。
【0020】
セラミックス成形体100の高さ(一方の端面から他方の端面までの長さ)は特に制限はなく、用途や要求性能に応じて適宜設定すればよい。セラミックス成形体100の高さと各端面の最大径(セラミックス成形体の各端面の重心を通る径のうち、最大長さを指す)の関係についても特に制限はない。従って、セラミックス成形体100の高さが各端面の最大径よりも長くてもよいし、セラミックス成形体100の高さが各端面の最大径よりも短くてもよい。
【0021】
セル115の延びる方向に垂直な断面におけるセルの形状に制限はないが、四角形、六角形、八角形、又はこれらの組み合わせであることが好ましい。これらのなかでも、四角形及び六角形が好ましい。セル形状をこのようにすることにより、セル115に流体を流したときの圧力損失が小さくなる。
図1に示すセラミックス成形体100のハニカム構造部110において、セルの流路に直交する断面におけるセルの形状は正方形が大半を占める。
【0022】
セル115の延びる方向に垂直な断面において、複数のセルを放射状に配列してもよい。このような構成とすることで、セル115を流通する流体の熱をハニカム構造体の外部に効率よく伝達することができるので、金属含浸セラミックス焼成体を熱交換器として利用する際に有利である。
図2に示すセラミックス成形体100のハニカム構造部110においては、複数のセル115が放射状に配列されている。セル115の延びる方向に垂直な断面において、
図2に示すセラミックス成形体100の複数のセル115はそれぞれ、ハニカム構造部110の中心側から外周側に向かって伸びる一対の隔壁面113aと、当該一対の隔壁面113aを連結する中心側及び外周側の隔壁面113bと、によって区画形成される。より詳細には、
図2に示すセラミックス成形体100の複数のセル115はそれぞれが、ハニカム構造部110の中心側から外周側に向かって伸びる一対の直線状隔壁面113aと、同心の一対の弧状隔壁面113bとによって区画形成されている。
【0023】
セル115は一方の端面114から他方の端面116まで貫通していてもよい。また、セル115は、一方の端面114が目封止されており他方の端面116が開口を有する第1セルと、一方の端面114が開口を有し他方の端面116が目封止されている第2セルとが隔壁113を挟んで交互に隣接配置されていてもよい。
【0024】
セラミックス成形体100の材質は、セラミックスであれば特に制限はないが、金属含浸セラミックス焼成体を熱交換器、フィルター又は触媒担体として利用する場合は、炭化珪素、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物、窒化珪素、窒化ホウ素等の窒化物から選択される一種以上を含有することが好ましく、炭化珪素を含有することがより好ましい。セラミックス成形体100は、セラミックス成分を一種のみ含有してもよいし、二種以上組み合わせて含有してもよい。セラミックス成形体100は、セラミックス成分中、炭化珪素を50質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましく、90質量%以上含有することが更により好ましい。
【0025】
ハニカム構造部110を備えるセラミックス成形体100の作製方法について説明する。ハニカム構造部110を備えるセラミックス成形体100の作製は、公知のハニカム構造体の製造方法に準じて行うことができる。例えば、まず、炭化珪素粉末に、バインダ、界面活性剤、造孔材、水等を添加して成形原料を作製する。必要に応じて成形原料に金属珪素粉末を添加してもよい。
【0026】
次に、得られた成形原料を混練して坏土を形成した後、坏土を押出成形してハニカム構造部を有する未乾燥セラミックス成形体を作製する。押出成形に際しては、所望の全体形状、セル形状、隔壁厚み、セル密度等を有する口金を用いることができる。
【0027】
次いで、得られた未乾燥セラミックス成形体を乾燥することで、ハニカム構造部110を備える乾燥したセラミックス成形体が得られる。乾燥工程においては、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の従来公知の乾燥方法を用いることができる。目封止部が必要な場合は、乾燥したセラミックス成形体の両底面の所定位置に目封止部を形成した上で目封止部を乾燥することで形成可能である。
【0028】
このようにして得られたセラミックス成形体内に金属を含浸することができる。含浸は、セラミックス成形体を金属と接触させた状態で、金属の融点以上の温度に加熱することで実施可能である。作製工程1の対象となるセラミックス成形体は、脱脂前のものでもよいし、脱脂後のものでもよいし、脱脂後に更に焼成した後のものでもよい。しかしながら、生産効率やエネルギー費等の観点から、作製工程1は脱脂前のセラミックス成形体に対して実施することが好ましい。セラミックス成形体が脱脂前のものである場合は、脱脂と焼成を連続的に実施することで効率的に金属含浸セラミックス焼成体を製造可能である。使用する焼成炉は、特に限定されないが、電気炉、ガス炉等を用いることができる。
【0029】
脱脂は、例えば、セラミックス成形体に含まれる成形助剤の種類及び添加量、一窯当たりのセラミックス成形体の詰め量に応じた雰囲気及び温度、時間で適宜設定すればよいが、成形助剤の分解温度以上であることが必要である。焼成は、例えば、セラミックス成形体に含まれるセラミックスの種類に応じた雰囲気及び温度、時間で適宜設定すればよいが、含浸用の金属の融点以上であることが必要である。含浸用の金属の融点をM℃とし、作製工程1の加熱時における最高温度をT1℃とすると、例えば、M≦T1≦M+300とすることが好ましく、M+20≦T1≦M+200とすることがより好ましく、M+40≦T1≦M+150とすることが更により好ましい。ただし、この範囲にあってもT1はセラミックス成形体を構成するセラミックスの焼結温度未満となるべきである。例えば、セラミックス成形体が炭化珪素を含有し、含浸用の金属として金属珪素を使用するときは、最高温度T1を1420~1720℃とすることが好ましく、1440~1620℃とすることがより好ましく、1460~1570℃とすることが更により好ましい。融点以上に加熱された含浸用の金属は融解し、毛細管現象によってセラミックス成形体中の気孔に次々に入り込むことで含浸処理が行われる。加熱後、得られた第一金属含浸セラミックス焼成体を室温まで冷却する。
【0030】
セラミックス成形体を含浸用の金属と接触させる際の当該金属の形態としては、限定的ではないが、例えば、金属の成形体及び粉粒体などが挙げられる。
【0031】
本明細書において、“粉粒体”とは粉体、粒体、又は両者の混合物を指し、レーザー回折法で粒度分布を測定したときの体積基準によるメジアン径(D50)が5000μm以下である粒子の集合体を指す。粉粒体状の金属のメジアン径の下限は、100μm以上であることが好ましく、200μm以上であることがより好ましく、800μm以上であることが更により好ましい。このように粉粒体状の金属のメジアン径を大きくすることで、含浸時に粉粒体状の金属に由来する付着物がセラミックス成形体の表面に強固にこびり付くのを抑制しやすくなる。また、粉粒体状の金属のメジアン径の上限は、3000μm以下であることが好ましく、2000μm以下であることがより好ましく、1000μm以下であることが更により好ましい。従って、粉粒体状の金属のメジアン径は、例えば100~3000μmであることが好ましく、200~2000μmであることがより好ましく、800~1000μmであることが更により好ましい。
【0032】
含浸用の金属の種類には特段の制約はないが、金属珪素、モリブデン、タングステン、ベリリウム、クロム、鉄、アルミニウム、ニッケル、マンガン、銀、銅、バナジウム、コバルト、タンタル、ニオブ、チタン、及びマグネシウムなどから選択される一種以上を含有することが好ましく、金属珪素を含有することがより好ましい。含浸用の金属は、金属を一種のみ含有してもよいし、二種以上組み合わせて含有してもよい。含浸用の金属は、単体金属を含有してもよいし、合金を含有してもよい。
【0033】
また、粉粒体状の金属を使用する場合は、計量時の流動性を高めたり、載置時に粉粒体同士の過剰な接触を防いだりするために、粉粒体状の金属の30質量%以下程度の助剤を含んでいてもよい。助剤としては、例えば炭素数が20個以下の糖類、あるいは炭素などが望ましい。
【0034】
特に、セラミックス成形体が炭化珪素を含有するときは、含浸用の金属が金属珪素を含有することが好ましい。含浸用の金属は、含浸用の金属中、金属珪素を50質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましく、90質量%以上含有することが更により好ましく、99質量%以上含有してもよい。
【0035】
含浸用の金属の全量がセラミックス成形体に接触している必要はなく、一部のみが接触していればよい。加熱により含浸用の金属が溶融すると、毛細管現象によりセラミックス成形体の内部に順次染み込んでいくからである。含浸用の金属が成形体である場合は、例えばセラミックス成形体の上及び/又は下に載置して含浸を実施することが好ましい。含浸用の金属が粉粒体である場合は、例えばセラミックス成形体の下に含浸用の金属を載置して含浸を実施する方法、セラミックス成形体の中空部内に含浸用の金属を載置して含浸を実施する方法、及び、セラミックス成形体のハニカム構造部のセル内に含浸用の金属を載置して含浸を実施する方法が好ましい。
【0036】
含浸用の金属の量は、焼成時のセラミックス成形体の内部の気孔容積を考慮して適宜設定すればよいが、気孔容積の50%以上とすることが好ましく、70%以上とすることがより好ましく、90%以上とすることが更により好ましい。上限は120%以下、好ましくは110%以下、さらに好ましくは105%以下とすれば、含浸後の付着物の生成を抑えられ、ひいては含浸量が過剰となる事態そのものを回避することができる。なお、含浸量が過剰ではなくこびりつきが発生していない場合でも、後述する作製工程2を実施することで含浸量が減少するように調整することは差し支えない。
【0037】
以上の作製工程を経て得られた第一金属含浸セラミックス焼成体は一実施形態において、含浸用の金属が表面に浮き出ることによって形成された一つ又は二つ以上の凸部、すなわちこびりつきを有する。また、第一金属含浸セラミックス焼成体は別の一実施形態において、こびりつきを有しなくてもよい。
【0038】
(作製工程2)
第二金属含浸セラミックス焼成体の作製工程2は、第一金属含浸セラミックス焼成体を含浸用の金属の融点以上に再加熱することで、第一金属含浸セラミックス焼成体に含浸されている金属の一部を除去することを含む。これにより、第二金属含浸セラミックス焼成体は第一金属含浸セラミックス焼成体よりも金属含浸量が少なくなる。第一金属含浸セラミックス焼成体がこびりつきを有していた場合にはこびりつきを低減、更には消滅させることも可能である。第一金属含浸セラミックス焼成体がこびりつきを有していない場合でも、含浸量を減少させることで物性を調整することが可能である。
【0039】
第一金属含浸セラミックス焼成体を含浸用の金属の融点以上に再加熱すると、当該金属の気化が進展しやすくなるので、加熱を継続することで第一金属含浸セラミックス焼成体に含浸されている金属が徐々に除去される。この際、再加熱時間を調整することで、得られる第二金属含浸セラミックス焼成体の熱伝導率等の精密な物性コントロールが可能となる。
【0040】
除去速度を高めるため、作製工程2は、作製工程2の再加熱時における最高温度を作製工程1の加熱時における最高温度よりも高くすることが好ましい。具体的には、作製工程2の再加熱時における最高温度を作製工程1の加熱時における最高温度よりも20℃以上高くすることが好ましく、40℃以上高くすることがより好ましく、60℃以上高くすることが更により好ましい。但し、作製工程2の再加熱時における最高温度を高く設定し過ぎると除去速度が高くなりすぎて含浸量の微調整が難しくなったり、焼成体が変形するおそれが生じたりするので、例えば含浸用の金属の融点をM℃とし、作製工程2の再加熱時における最高温度をT2℃とすると、例えば、M+20≦T2≦M+360とすることが好ましく、M+40≦T2≦M+340とすることがより好ましく、M+60≦T2≦M+320とすることが更により好ましい。ただし、この範囲にあってもT2はセラミックス成形体を構成するセラミックスの焼結温度未満となるべきである。例えば、セラミックス成形体が炭化珪素を含有し、含浸用の金属として金属珪素を使用するときは、最高温度T2を1440~1780℃とすることが好ましく、1460~1760℃とすることがより好ましく、1480~1740℃とすることが更により好ましい。
【0041】
気化した金属は速やかに第一金属含浸セラミックス焼成体から離れたところに移動させることが当該金属の再付着を防止する観点で望ましい。また、雰囲気中の気化金属の分圧を下げることで気化を促進することができる。そのため、作製工程2の再加熱時における周囲ガスの圧力は作製工程1の加熱時における周囲ガスの圧力よりも低いことが好ましい。より具体的には、外部から周囲ガスを吸引することにより負圧環境下で作製工程2の再加熱を実施することが好ましい。
【0042】
また、作製工程2は、第一金属含浸セラミックス焼成体に、吸収体を接触させながら再加熱することで、第一金属含浸セラミックス焼成体に含浸されている金属を吸収体に吸い取らせることを伴うことが好ましい。吸収体を接触させながら再加熱すると、溶融した金属が毛細管力によって吸収体に吸収されるので、金属の除去速度を加速することが可能となる。また、吸収体の寸法を変化させることによって吸収量を調整することも可能である。
【0043】
効率良く金属を吸収するために、吸収体は多孔質であることが好ましい。吸収体の気孔率の下限は、限定的ではないが、例えば、20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、40%以上であることが更により好ましい。吸収体の気孔率の上限は特段設定されないが、強度や気孔径の拡大による毛細管力の減少の観点から、80%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましく、60%以下であることが更により好ましい。気孔率は、例えばJIS R1655:2003に準拠した水銀圧入法によって測定される。
【0044】
また、吸収体は、含浸に使用した金属に対して良好な濡れ性を有することが望ましい。従って、吸収体は、例えば炭化珪素、カーボン、及び前記セラミックス成形体に含まれるセラミックス材料から選択される一種又は二種以上を合計で80質量%以上含有することが好ましく、90質量%以上含有することがより好ましく、95質量%以上含有することが更により好ましい。
【0045】
作製工程2の再加熱時、第一金属含浸セラミックス焼成体に吸収体を接触させる方法としては、特に制約はない。従って、第一金属含浸セラミックス焼成体の上及び/又は下に、吸収体を載置した状態で再加熱してもよいし、第一金属含浸セラミックス焼成体の側面に吸収体を載置した状態で再加熱してもよい。但し、第一金属含浸セラミックス焼成体の上に吸収体を載置すると毛細管力のみで金属を吸い上げるため、金属が吸われすぎて物性が予期せず低下する事態が起こりにくいという利点がある。また、第一金属含浸セラミックス焼成体の下に吸収体を載置すると毛細管力に加えて重力によっても金属を吸い出すことが可能になるため、一度に多くの金属分を除去することができるという利点がある。従って、好ましい実施形態においては、作製工程2の再加熱は、第一金属含浸セラミックス焼成体の上及び/又は下に、前記吸収体を載置した状態で行われ、より好ましい実施形態においては、作製工程2の再加熱は、第一金属含浸セラミックス焼成体の上に、前記吸収体を載置した状態で行われる。
【0046】
ここで、
図3Aには、中空部117及びハニカム構造部110を有する第一金属含浸セラミックス焼成体100Aの上に、吸収体200を載置した状態の側面断面図が模式的に示されている。また、
図3Bには、吸収体200の上に、中空部117及びハニカム構造部110を有する第一金属含浸セラミックス焼成体100Aを載置した状態の側面断面図が模式的に示されている。
【0047】
吸収体200の形状には特段の制約はないが、例えば、板状とすることができ、中空板状としてもよい。また、吸収体200と第一金属含浸セラミックス焼成体100Aとの固着を防ぐため、第一金属含浸セラミックス焼成体100Aと吸収体200が接触する面積は小さい方が好ましい。
図3A及び
図3Bに示す実施形態では、吸収体200は、一つ又は複数の突起部210を有しており、突起部210の頂点が第一金属含浸セラミックス焼成体100Aと接触している。突起部210の形状には特段の制約はないが、例えば、第一金属含浸セラミックス焼成体100Aと点接触が可能な形状の他、線接触が可能な形状でもよい。具体的には、吸収体200が、第一金属含浸セラミックス焼成体100Aと向かい合う面の面積(投影面積)を100%としたときに、第一金属含浸セラミックス焼成体100Aと吸収体200の接触部分の面積は、例えば40%以下、好ましくは30%以下である。なお、接触部分の面積の下限は、代表的には1%以上である。また、一か所当たりの接触面積は、例えば1~30mm
2とすることができ、典型的には2~10mm
2とすることができる。
【0048】
(金属含浸セラミックス焼成体)
作製工程2を行うことで得られる第二金属含浸セラミックス焼成体は、そのまま製品である金属含浸セラミックス焼成体として使用可能である。また、第二金属含浸セラミックス焼成体に対して所要の加工を加えて、製品である金属含浸セラミックス焼成体としてもよい。
【0049】
金属含浸セラミックス焼成体の気孔率は含浸量が多くなるほど低下する。金属含浸セラミックス焼成体の気孔率は、強度、熱伝導率の確保のため、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更により好ましい。金属含浸セラミックス焼成体の気孔率は0%でもよい。気孔率は、JIS R1634:1998に規定する開気孔率の測定方法(アルキメデス法)により測定するが、気孔率が10%を超えるときは、JIS R1655:2003に準拠した水銀圧入法によって測定される。
【0050】
金属含浸セラミックス焼成体がハニカム構造部を有する場合、セルの延びる方向に垂直な断面におけるセル密度(単位面積当たりのセルの数)は、特に限定されないが、好ましくは4~320セル/cm2である。セル密度を4セル/cm2以上とすることにより、隔壁113の強度、ひいては金属含浸セラミックス焼成体自体の強度及び有効GSA(幾何学的表面積)を十分に確保することができる。また、セル密度を320セル/cm2以下とすることにより、セル内に流体が流れる際の圧力損失の増大を抑制することができる。セル密度は、金属含浸セラミックス焼成体のハニカム構造部が有するセル数を中空部、外周壁及び内周壁を除く一方の端面の面積で除することで算出される。
【0051】
隔壁113の厚みは、特に限定されないが、例えば金属含浸セラミックス焼成体を熱交換器として使用する場合、好ましくは0.1~1.0mm、より好ましくは0.2~0.6mmである。隔壁113の厚みを0.1mm以上とすることにより、金属含浸セラミックス焼成体の機械的強度を十分なものとすることができる。また、隔壁113の厚さを1.0mm以下とすることにより、開口面積の低下によってセル115に流体を流した時の圧力損失が大きくなったり、流体との接触面積の低下によって熱回収効率が低下したりするなどの問題を抑制することができる。
【0052】
外周壁112及び内周壁119の厚みは、特に限定されないが、隔壁113の厚みよりも大きいことが好ましい。このような構成とすることにより、流体間の温度差による熱応力などによって破壊(例えば、ひび、割れなど)が起こり易い外周壁112及び内周壁119の強度を高めることができる。外周壁112及び内周壁119の厚みは、特に限定されず、用途などに応じて適宜調整すればよい。例えば、外周壁112及び内周壁119の厚みは、金属含浸セラミックス焼成体を一般的な熱交換用途に用いる場合は、好ましくは0.3mm~10mm、より好ましくは0.5mm~5mm、更に好ましくは1mm~3mmである。また、金属含浸セラミックス焼成体を蓄熱用途に用いる場合は、外周壁112の厚みを10mm以上として外周壁112の熱容量を増大させてもよい。
【実施例0053】
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を例示するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0054】
(1.円柱状の坏土の作製)
炭化珪素(SiC)粉末にバインダ、造孔材等の成形助剤を添加すると共に、水を添加して成形原料とした。そして、成形原料を真空土練機により混練し、円柱状の坏土を作製した。
【0055】
(2.セラミックス成形体の作製)
得られた円柱状の坏土を所定の口金構造を有する押出成形機を用いて成形し、セルの延びる方向に垂直な断面における各セル形状が
図2に示すように、各セルが中心側から外周側に向かって伸びる一対の直線状隔壁面と、同心の一対の弧状隔壁面とによって区画形成されるハニカム構造部を有する中空円柱状の未乾燥セラミックス成形体を得た。この未乾燥セラミックス成形体を熱風乾燥機を用いて120℃で12時間以上乾燥し、両端面を所定量切断した。これにより、高さ25mm×内径66mm×外径86mmの中空円柱状の乾燥したセラミックス成形体を作製した。
【0056】
(3.含浸焼成)
上記で作製した中空円柱状の乾燥したセラミックス成形体を、中空部及びセルの延びる方向が鉛直方向に平行となるような向きとし、セラミックス成形体の端面形状に合わせて中空円板状に成形した金属珪素を中空円柱状のセラミックス成形体の上面(一方の端面)に載置した。その状態で、中空円柱状のセラミックス成形体を焼成炉の棚板に載置し、窒素雰囲気下で600℃×24hrの加熱条件で脱脂した。脱脂後は冷却することなくそのまま温度を上昇させてアルゴン雰囲気下で1500℃×2hrの加熱条件で含浸焼成した。焼成後は、第一Si含浸炭化珪素焼成体を室温まで冷却し、焼成炉から取り出した。
【0057】
得られた第一Si含浸炭化珪素焼成体は以下の仕様を有する。
全体形状:高さ25mm×内径66mm×外径86mmの中空円柱状
外周壁厚み:2mm
内周壁厚み:2mm
セル密度:56セル/cm2
隔壁の厚み:0.3mm
気孔率:0%
また、得られた第一Si含浸炭化珪素焼成体を観察したところ、端面や外周側面に複数の凸部(こびりつき)が確認された。
【0058】
(4.再加熱によるこびりつきの除去)
上記で得られた第一Si含浸炭化珪素焼成体を中空部及びセルの延びる方向が鉛直方向に平行となるような向きとし、第一Si含浸炭化珪素焼成体の端面形状に合わせて中空円板状(気孔率45%、外径寸法に基づく体積23800mm3)に成形した前記セラミックス成形体と同素材の吸収体を中空円柱状の第一Si含浸炭化珪素焼成体の上面(一方の端面)に載置した。この吸収体は下方に突出する4つの突起部を有しており、第一Si含浸炭化珪素焼成体とは点接触(一か所当たりの接触面積=約9mm2)させた。また、吸収体が、第一Si含浸炭化珪素焼成体と向かい合う面の面積(投影面積)を100%としたときに、第一Si含浸炭化珪素焼成体と吸収体の接触部分の面積は1.5%であった。
【0059】
その状態で、中空円柱状の第一Si含浸炭化珪素焼成体を焼成炉の棚板に載置し、アルゴン雰囲気下で1500℃×2hrの加熱条件で再加熱し、第二Si含浸炭化珪素焼成体を得た。再加熱後は、第二Si含浸炭化珪素焼成体を室温まで冷却し、焼成炉から取り出した。得られた第二Si含浸炭化珪素焼成体を観察したところ、第一Si含浸炭化珪素焼成体に確認された端面や外周側面の複数の凸部(こびりつき)が消失していた。また、第二Si含浸炭化珪素焼成体の気孔率は3~7%であった。