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特開2024-82651表示装置、表示装置の色校正方法、表示装置の色校正プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082651
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】表示装置、表示装置の色校正方法、表示装置の色校正プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/40 20060101AFI20240613BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240613BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240613BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240613BHJP
   G01J 3/50 20060101ALI20240613BHJP
   H04N 17/04 20060101ALI20240613BHJP
   H04N 1/60 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
G09F9/40 302
G09G5/00 X
G09G5/00 550C
G09G5/00 510V
G09G5/02 B
G09F9/00 366Z
G09F9/00 350Z
G01J3/50
H04N17/04 Z
H04N1/60
G09G5/00 550B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196630
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】唐橋 大樹
【テーマコード(参考)】
2G020
5C061
5C079
5C094
5C182
5G435
【Fターム(参考)】
2G020AA08
2G020DA13
2G020DA15
2G020DA32
2G020DA63
2G020DA65
5C061EE19
5C079HB01
5C079HB08
5C079JA25
5C079LB01
5C079MA04
5C079MA10
5C079MA17
5C079PA05
5C094AA41
5C094BA21
5C094BA43
5C094DA08
5C182AA02
5C182AA03
5C182AA12
5C182AB02
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA25
5C182BA26
5C182BA45
5C182BB02
5C182BB12
5C182BB13
5C182CA12
5C182CA21
5C182CB44
5C182CC25
5C182DA02
5C182DA63
5C182DA64
5C182DA70
5G435AA19
5G435BB01
5G435BB12
5G435EE02
5G435EE49
(57)【要約】
【課題】表示装置の色校正を行うユーザの負担を軽減する。
【解決手段】表示装置(1)は、主画像を表示する主表示画面(11)と、色校正のための校正用画像を表示する校正用画像表示画面(12)と、表示された校正用画像の色を測定する測色計(13)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主画像を表示する主表示画面と、
色校正のための校正用画像を表示する校正用画像表示画面と、
表示された前記校正用画像の色を測定する測色計と、
を備える表示装置。
【請求項2】
前記表示装置は、主表示画面の周囲を取り囲む筐体である額縁部を備え、
前記校正用画像表示画面は、前記額縁部の内側に設けられており、前記測色計は、前記校正用画像表示画面に相対する位置に設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記校正用画像表示画面は、前記主表示画面の背面側に設けられており、前記測色計は、前記校正用画像表示画面に相対する位置に設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記校正用画像表示画面は、前記主表示画面の周縁部の一部であり、前記測色計は、前記校正用画像表示画面に相対する位置に設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記校正用画像表示画面は、前記主表示画面の周縁部の一部の画面であり、前記校正用画像表示画面からの光を前記測色計に導光する導光体を備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記校正用画像表示画面は、前記主表示画面とは物理的に独立した表示画面である、請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記校正用画像表示画面は、前記測色計による測定期間以外であって、前記主表示画面の表示期間には、前記主表示画面の中央部分に表示される画像が前記校正用画像表示画面に表示される、請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
環境光の明るさを測定する測光計をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記主表示画面と前記校正用画像表示画面は、液晶表示パネル上の画面又は、自発光表示パネル上の画面である、請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
少なくとも1つのプロセッサが、
表示装置の主表示画面に主画像を表示する、主画像表示ステップと、
前記主表示画面の周縁部の一部の画面、又は前記主表示画面とは独立して設けられた校正用画像表示画面に、前記主表示画面に表示される前記主画像の少なくとも一部を、前記主表示画面における前記主画像の表示と並行して表示する、部分表示ステップと、
前記校正用画像表示画面に校正用画像を表示する、校正用画像表示ステップと、
表示された前記校正用画像の色を測定する、測色ステップと、
を含む、表示装置の色校正方法。
【請求項11】
前記部分表示ステップにおいて、前記校正用画像表示画面に前記主表示画面の中央部分に表示される画像を表示する、請求項10に記載の色校正方法。
【請求項12】
前記校正用画像表示ステップと前記測色ステップは、前記主画像表示ステップと前記部分表示ステップとが終了した後に実行される、請求項10又は11に記載の色校正方法。
【請求項13】
前記校正用画像表示ステップと前記測色ステップは、予め定めた期日において、前記主画像表示ステップと前記部分表示ステップとが終了した後に実行される、請求項10又は11に記載の色校正方法。
【請求項14】
前記校正用画像の色を表示するための制御信号と、測定された前記校正用画像の色とを比較して、新たなICC(International Color Consortium)プロファイルを生成する生成ステップをさらに含む、請求項10又は11に記載の色校正方法。
【請求項15】
環境光の明るさを測定する測光ステップをさらに含み、前記生成ステップは、前記環境光の明るさを参照して前記新たなICCプロファイルを生成する、請求項14に記載の色校正方法。
【請求項16】
コンピュータに、
表示装置の主表示画面に主画像を表示する手順と、
前記主表示画面の周縁部の一部の画面、又は前記主表示画面とは独立して設けられた校正用画像表示画面に、前記主表示画面に表示される前記主画像の少なくとも一部を、前記主表示画面における前記主画像の表示と並行して表示する手順と、
前記校正用画像表示画面に校正用画像を表示する手順と、
表示された前記校正用画像の色を測定する測色計を起動する手順と、
を実行させる、表示装置の色校正プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載の色校正プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、表示装置の色校正方法、表示装置の色校正プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、長期間の使用によりバックライト又は表示素子の劣化が生じ、次第に表示される色合いが変化する場合があることが知られている。パーソナルコンピュータと表示装置を用いてさまざまな色を含むデザインを行う職場においては、表示装置に表示される色合いが変化するとデザインの色合いも変化し、不都合が生じる。そのため、表示装置の色校正が随時行なわれることがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、小型で安価な光学系を持たない広受光角のセンサを用いるにあたって、インターフェイスを介して液晶ディスプレイ側から階調情報を取得し、CPUの演算・補正部がセンサの測定結果を階調情報に基づいて補正して、狭受光角のセンサに相当する輝度値および色度値を求める技術が開示されている。この技術により、受光角の広いセンサを用いても、液晶特有の階調による視野角変化の影響を受けることなく、受光角の狭いセンサを用いた場合と同様に、液晶ディスプレイの輝度値および色度値を測定することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-168466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術は、校正を開始する際にユーザがディスプレイ用カラーセンサをディスプレイに配置して校正を実施し、校正が終了するとディスプレイ用カラーセンサを外して収納するという作業が必要となる。このような作業は、校正の頻度、又は校正するディスプレイの台数が多くなるとユーザの負担も大きくなる。本開示の一態様は、表示装置の色校正を行うユーザの負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る表示装置は、主画像を表示する主表示画面と、色校正のための校正用画像を表示する校正用画像表示画面と、表示された前記校正用画像の色を測定する測色計と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る表示装置の色校正方法は、少なくとも1つのプロセッサが、表示装置の主表示画面に主画像を表示する主画像表示ステップと、前記主表示画面の周縁部の一部の画面、又は前記主表示画面とは独立して設けられた校正用画像表示画面に、前記主表示画面に表示される前記主画像の少なくとも一部を、前記主表示画面における前記主画像の表示と並行して表示する部分表示ステップと、前記校正用画像表示画面に校正用画像を表示する校正用画像表示ステップと、表示された前記校正用画像の色を測定する測色ステップと、を含む。
【0008】
本開示の一態様に係る表示装置の色校正プログラムは、コンピュータに、表示装置の主表示画面に主画像を表示する手順と、前記主表示画面の周縁部の一部の画面、又は前記主表示画面とは独立して設けられた校正用画像表示画面に、前記主表示画面に表示される前記主画像の少なくとも一部を、前記主表示画面における前記主画像の表示と並行して表示する手順と、前記校正用画像表示画面に校正用画像を表示する手順と、表示された前記校正用画像の色を測定する測色計を起動する手順と、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、表示装置の色校正を行うユーザの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態1に係る表示装置1とその色校正用の制御装置2の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1に係る表示装置1の外観を示す正面図である。
図3図2の2A-2A断面を示す模式図である。
図4図2の2B-2B断面を示す模式図である。
図5】校正時に校正用画像表示画面に表示される、校正用画像としてのカラーパターンの一例を示す模式図である。
図6】校正時に校正用画像表示画面に表示される、他の校正用画像としてのカラーパターンの一例を示す模式図である。
図7】実施形態1に係る色校正方法S1の流れを示すフロー図である。
図8】本開示の実施形態2に係る表示装置1Aの縦断面図である。
図9】本開示の実施形態3に係る表示装置1Bの正面図である。
図10図9の9A-9A断面図であり、2つの異なる外形状を有する表示装置1B1と表示装置1B2の横断面図である。
図11図9の9B-9B断面図であり、表示装置1B1と表示装置1B2の縦断面図である。
図12】本開示の実施形態4に係る表示装置1Cの縦断面図である。
図13】本開示の実施形態5に係る表示装置1Dの縦断面図である。
図14図13の13A-13A断面図である。
図15】本開示の実施形態6に係る表示装置1Eの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、実施形態1に係る表示装置1とその制御装置2の構成を示すブロック図である。図2は、実施形態1に係る表示装置1の外観を示す正面図である。図3は、図2の2A-2A断面(横断面)を示す模式図である。図4は、図2の2B-2B断面(縦断面)を示す模式図である。
【0012】
(表示装置1)
図1に示すように、表示装置1は、主表示画面11、校正用画像表示画面12、測色計13、測光計14を備える。表示装置1は、主表示画面11の周囲を取り囲む筐体である額縁部15を備えている。
【0013】
主表示画面11は、主画像を表示する表示画面である。主画像とは、通常作業時に表示される画像である。図2及び図4に示すように、主表示画面11は、その周縁部の外周が額縁部15に接するように設けられている。額縁部15は、正面から見た表示装置1の筐体の外周部分である。主表示画面11の種類は特に限定されず、例えば、バックライトを備えた透過型液晶表示パネル上の画面でもよく、バックライトを備えていない反射型の液晶表示パネル上の画面でもよく、OLED(Organic Light Emitting Diode:有機発光ダイオード)、QLED(Quantum dot Light Emitting Diode:量子ドット発光ダイオード)、マイクロLEDなどを備えた自発光表示パネル上の画面であってもよい。
【0014】
校正用画像表示画面12は、色校正のための校正用画像を表示する表示画面である。つまり、校正用画像表示画面12は、表示装置1の色校正を実行する場合に、校正用画像を表示するための表示画面である。ただし後述するように、校正用画像表示画面12には、校正時以外の通常作業時には主画像の一部が表示される。校正用画像表示画面12は、図2図3及び図4に示すように、表示装置1の上部の額縁部15の内側(表示装置1の内部側)に設けられており、外観上は見えない位置にある。校正用画像表示画面12の種類については、上述の主表示画面11と同じ方式の表示画面を用いることができる。校正用画像の詳細については後述する。
【0015】
本実施形態においては、校正用画像表示画面12は、主表示画面11とは物理的に独立した表示画面として構成されている。校正用画像表示画面12が物理的に独立して構成されているとは、校正用画像表示画面12が主表示画面11とは別体として構成されているということである。そのため、校正用画像表示画面12の位置を自由に設計することができ、表示装置1の設計自由度が向上する。つまり、校正用画像表示画面12の位置は、図2又は図4に示すような上部の額縁部15の内側に限定されず、側部、又は下部の額縁部15の内側であってもよい。校正用画像表示画面12は主表示画面11の劣化を模擬するものであるため、同じ製造方法で製造された表示装置であることが好ましい。本実施形態における劣化とは、表示装置1の使用による経時的な劣化を指す。校正用画像表示画面12は、主表示画面11とは別体に構成される必要はなく、校正用画像表示画面12を、主表示画面11の周縁部の一部の画面とする構成としてもよい。この構成については後述する。以下では、「色校正」を単に「校正」とも称する。
【0016】
測色計13は、校正用画像表示画面12に表示された校正用画像の色を測定する計器である。測色計13は、校正用画像表示画面12に表示された校正用画像の色を測定するため、校正用画像表示画面12に相対する位置に設けられている。本実施形態では、校正用画像表示画面12は額縁部15の内側(表示装置1の内部)に設けられているため、測色計13も額縁部15の内側に設けられている。本実施形態では、校正用画像表示画面12と測色計13は表示装置1の額縁部15の内側に設けられているが、校正用画像表示画面12の位置は額縁部15の内側に限定されない。そして、測色計13の位置は校正用画像表示画面12の位置によって決まるため、測色計13の位置もまた額縁部15の内側に限定されない。測色計13は、画像の色校正に用いられている従来技術の測色計を用いることができる。
【0017】
測光計14は、表示装置1が置かれている環境光の明るさを測定する計器である。そのため、測光計14は、図2に示すように、主表示画面11の上部の額縁部15の表面に設けられている。測光計14の位置は図2に示す位置に限定されず、任意である。主表示画面11に表示される色の見え方は、その場所での環境光の明るさによって変わる。そのため、環境光の明るさは、制御装置2が校正を実行する際に、ユーザがその環境光の中で主表示画面11を見ることを前提とする校正情報として用いられる。測光計14は、従来技術の測光計を用いることができる。表示装置1は、必ずしも測光計14を備えなくてもよい。その場合、制御装置2は、標準的な明るさの中でユーザが主表示画面11を見ることを前提として校正する。
【0018】
(制御装置2)
制御装置2は、表示装置1の主表示画面11と校正用画像表示画面12とにそれぞれ所定の画像を表示する制御と、表示装置1の校正を行う制御を行う。制御装置2は、少なくとも1つのプロセッサ21、少なくとも1つのメモリ22、主画像表示部23、部分画像表示部24、校正用画像表示部25、測色部26、測光部27を備える。制御装置2は、パーソナルコンピュータの本体に組み込まれていてもよい。その場合、パーソナルコンピュータは、表示装置1に画像を表示させるコンピュータであってもよい。
【0019】
メモリ22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の複数種類のメモリを備えていてもよい。また、メモリ22は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の内蔵又は外付けのメモリを含んでいてもよい。一例として、プロセッサ21は、メモリ22のROMに記録された各種の制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、主画像表示部23、部分画像表示部24、校正用画像表示部25、測色部26、測光部27としての機能を実現する。プロセッサ21は、少なくとも1つのMPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサを用いて構成することができる。また、プロセッサ21は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はPLD(Programmable Logic Device)等で構成される専用プロセッサを含んでいてもよい。
【0020】
主画像表示部23は、主表示画面11に主画像を表示させる。一例として、主画像表示部23は、外部から入力された画像情報に基づいて、主表示画面11の各表示素子に所定の電流を流すように制御する。
【0021】
部分画像表示部24は、測色計13による測定期間以外であって、主表示画面11の表示期間には、主表示画面11に表示される画像の一部(部分画像)を校正用画像表示画面12に表示させる。部分画像は主画像の少なくとも一部であればよく、その一部の位置は限定されない。つまり、部分画像表示部24は、主表示画面11に表示される主画像の少なくとも一部を、主表示画面11における主画像の表示と並行して表示する。校正用画像表示画面12に主画像の部分画像を表示させることにより、主表示画面11の劣化を校正用画像表示画面12に模擬させることができる。部分画像は、例えば、主画像の中央部分に表示される画像であってもよい。一般にユーザは、主表示画面11の中央付近を見て作業することが多く、校正用画像表示画面12に、主表示画面11の中央付近の劣化を模擬させるためである。また、従来技術においても、表示装置の色校正を行う位置は、表示画面の中央部で行うことが多い。
【0022】
校正用画像表示部25は、校正時に、校正用画像表示画面12に校正用画像を表示させる。上述のように、校正用画像表示画面12は、主表示画面11の劣化を模擬している。そのため、主表示画面11に代えて、校正用画像表示画面12に校正用画像を表示させて校正を行うことができる。
【0023】
測色部26は、校正時に測色計13を起動させ、測色計13から出力された測色データを取得し、色解析と校正を行う。校正時には、校正用画像表示画面12に校正用画像が表示され、測色部26はその校正用画像の色を測定して校正を行うことができる。測色部26が行う校正方法は、従来技術で用いられる校正方法を用いることができる。
【0024】
測光部27は、校正時に測光計14を起動させ、測光計14から出力された環境光データを取得し、測色部26に送信する。測色部26は、測光部27から送信された環境光データを取得し、校正に使用する。前述のように、測光計14はなくてもよく、その場合は測光部27もなくてもよい。
【0025】
(校正用画像)
図5は、校正時に校正用画像表示画面12に表示される、校正用画像としてのカラーパターンの一例を示す模式図である。図5は白色と黒色のパターンを示している。図5に示す例では、HEX値♯000000で規定される真っ黒から、HEX値♯FFFFFFで規定される真っ白まで11段階で表示される。測色部26は、真っ黒から真っ白までの11段階の階調データから、γ曲線の測定と補正を行うことができる。また、測色部26は、真っ白のパターンデータから、白色点の測定と補正を行うことができる。
【0026】
図6は、校正時に校正用画像表示画面12に表示される、他の校正用画像としてのカラーパターンの一例を示す模式図である。図6の上半分は表示されるカラーパターンを示しており、1~24までの数字でそのマスに表示される色が指定されている。図6の下半分は、1~24の数字のマスに表示される色の詳細を示している。図示するように、色は、例えばRGB(Red, Green, Blue)値又はHEX値(hexadecimal number)♯で規定することができる。RGB値は、RGBそれぞれの色を0~255までの階調で規定したものである。HEX値は、RGBそれぞれの色を16進法で規定したものである。
【0027】
校正時は、校正用画像表示部25が、図5に示す白黒のパターンを校正用画像表示画面12に表示させる。次に、測色部26が測色計13を起動させ、測色計13から出力された白黒の階調データと白色パターンデータを取得する。そして、測色部26はγ曲線と白色点を補正したICC(International Color Consortium)プロファイルデータを生成する。ICCプロファイルデータは、制御装置2のメモリに内蔵された、色空間を特徴付けるデータであり、一般的な表示装置1の色校正に用いられるデータである。
【0028】
校正用画像表示部25は、各表示素子に図6に示すRGB値で指定される校正用画像の色を表示するための制御信号を送って、カラーパターンを校正用画像表示画面12に表示させる。次に、測色部26が測色計13を起動させ、測色計13によって測定された当該校正用画像の色データをL*a*b*値として取得する。校正用画像表示部25が所定のRGB値のカラーパターンごとに彩度と明度を変化させたカラーパターンを表示させることにより、測色部26はより詳細な測色データを得ることができる。測色部26は、測色データから、表示された色がそれぞれどのようなRGB値で指定される色であるかを算出し、算出された表示色のRGB値と、表示するように指定されたRGB値との差を求め、この差をさらに補正したICCプロファイルデータを生成し、主画像表示部23に送信する。
【0029】
具体的には、例えば以下のようにして校正することができる。例えば、液晶表示装置の場合、経年劣化により、ディスプレイの色が「真っ黒、真っ白、赤い、紫、ピンク、オレンジ、緑、虹色」のような色変化を起こす。そのため、経年劣化による変化を確認する色として、Black,White,Red,Green,Blueを選択する。そして、例えばBlack(R,G,B=52,52,52)、White(R,G,B=243,243,242)、Red(R,G,B=175,54,60)、Green(R,G,B=70,143,73)、Blue(R,G,B=56,61,150)の5つの色において、測色部26は、入力信号のRGB値に対して、測色計13から取得した測定データを用いて、実際に校正用画像表示部25に出力された色のL*a*b*値を算出する。また、測色部26は、上記の5色について彩度・明度を変化させた色測定を行う。そして測色部26は、γ曲線と白色点を補正するとともに、入力信号のRGB値に対して測色計13で測定されたデータから実際のディスプレイ出力L*a*b*値を算出し、相関の確認と補正用のプロファイルデータ(ICCプロファイル)を作成する。
【0030】
主画像表示部23は、生成されたICCプロファイルデータを用いることで、校正された主画像を表示することができる。校正用画像としてのカラーパターンは上述の例に限定されず、校正方法も従来技術で用いられる公知の方法(カラーパターンとそのプロファイルデータなど)を用いることができる。
【0031】
以上に説明した表示装置1によれば、通常作業時においては、校正用画像表示画面12に主表示画面11に表示される画像の一部を表示させる。これにより、校正用画像表示画面12に主表示画面11の劣化を模擬させる。校正時においては、校正用画像表示部25に校正用画像が表示され、その校正用画像を測色計13が測定する。そして測色部26が色校正された新たなICCプロファイルを生成する。これにより、ユーザは制御装置2に対して校正を実行する操作をするだけで表示装置1の校正を実行することができ、表示装置1の色校正を行うユーザの負担を軽減することができる。
【0032】
(色校正方法)
次に、本実施形態に係る色校正方法について、図面を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る色校正方法S1の流れを示すフロー図である。図7に示すように、色校正方法S1は、ステップS11からステップS15を含んでもよい。色校正方法S1は、プロセッサ21により実行される。
【0033】
ステップS11において、プロセッサ21(主画像表示部23)は、表示装置1の主表示画面11に主画像を表示する(主画像表示ステップ)。主画像は、前述したとおりである。
【0034】
ステップS12において、プロセッサ21(部分画像表示部24)は、主表示画面11の周縁部の一部の画面、又は主表示画面11とは独立して設けられた校正用画像表示画面12に、主表示画面11に表示される主画像の少なくとも一部を、主表示画面11における主画像の表示と並行して表示する(部分表示ステップ)。部分表示ステップにおいて、校正用画像表示画面12に主表示画面11の中央部分に表示される画像を表示してもよい。つまり、主画像の一部は、主画像の中央部分の画像であってもよい。これにより、校正用画像表示画面12に、主表示画面11の中央部分の劣化を模擬させることができる。
【0035】
ステップS11とステップS12は、通常作業時に実行されるステップである。また、主表示画面11と校正用画像表示画面12の使用履歴を同等にする、つまり両者の劣化の程度を同等にするため、ステップS11とステップS12は、並行して実行される。
【0036】
ステップS13において、プロセッサ21(校正用画像表示部25)は、校正用画像表示画面12に校正用画像を表示する(校正用画像表示ステップ)。校正用画像は、前述したとおりである。
【0037】
ステップS14において、プロセッサ21(測色部26)は、ステップS13において表示された校正用画像の色を測定する(測色ステップ)。
【0038】
ステップS13とステップS14は、校正時に実行されるステップである。つまり、校正用画像表示ステップと測色ステップは、主画像表示ステップと部分表示ステップとが終了した後に実行される。ここでいう「終了した後」とは、終了した直後だけではなく、終了後の任意の時である。ユーザは、主画像表示ステップと部分表示ステップの終了後の任意の時に制御装置2に対して、校正を実行させる指示を行えばよい。
【0039】
例えば、校正用画像表示ステップと測色ステップは、予め定めた期日において、主画像表示ステップと部分表示ステップとが終了した後に実行されてもよい。つまり、校正する期日を予め設定(予約)してもよい。そして、その期日の作業が終了した後、例えばユーザが、制御装置2が組み込まれているパーソナルコンピュータのシャットダウンを選択した際に、校正作業を実行してもよい。ユーザは、シャットダウンした後は表示装置1と制御装置2(パーソナルコンピュータ)を操作する必要はなく、制御装置2が校正用画像表示ステップ(ステップS13)と測色ステップ(ステップS14)の校正作業を実行する。
【0040】
また、前述のように、色校正方法S1は、プロセッサ21(測色部26)が、校正用画像の色を表示するための制御信号と、測定された前記校正用画像の色とを比較して、新たなICCプロファイルを生成する生成ステップをさらに含んでもよい(図7のステップS15)。生成ステップは、測色ステップの後に実行される。
【0041】
また、色校正方法S1は、環境光の明るさを測定する測光ステップをさらに含み、生成ステップは、環境光の明るさを参照して新たなICCプロファイルを生成してもよい。これにより、ユーザの作業環境により適した校正を実行することができる。測光ステップは、測色ステップの前までに実行されればよい。
【0042】
以上の色校正方法S1によれば、通常作業時においては、校正用画像表示画面12に主表示画面11に表示される画像の一部が表示される。これにより、校正用画像表示画面12に主表示画面11の劣化を模擬させる。校正時においては、校正用画像表示部25に校正用画像が表示され、その校正用画像が測色される。そしてその測色結果に基づいて色校正された新たなICCプロファイルが生成される。これにより、表示装置1の色校正を行うユーザの負担を軽減することができる。
【0043】
また、ユーザの作業の終了後にプロセッサ21が校正を実行することで、ユーザの負担がより軽減される。また、プロセッサ21が実行する校正の期日を予め設定しておくことで、ユーザの負担がさらに軽減される。
【0044】
〔実施形態2〕
本開示の実施形態2について、以下に説明する。説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0045】
図8は、実施形態2に係る表示装置1Aの縦断面図である。つまり、図8は、図2に示す表示装置1の2B-2B断面に相当する位置の断面図であり、図4に示す表示装置1の断面に対応する位置における表示装置1Aの断面図である。図8に示すように、表示装置1Aは、額縁部15の上部が表示装置1に比べて狭い。つまり、主表示画面11が正面のほとんどの面積を占めている。これに伴い、図8に示すように校正用画像表示画面12は、主表示画面11の背面側に設けられている。そして、測色計13は、校正用画像表示画面12に相対する位置に設けられている。測色計13と校正用画像表示画面12の位置又は向きは図示の位置又は向きに限定されず、任意である。
【0046】
実施形態2に係る表示装置1Aの構成によれば、表示装置1Aの筐体に対する主表示画面11の面積の割合を大きくすることができる。そのため、ユーザに対してスマートな表示装置の印象を与えることができる。
【0047】
〔実施形態3〕
本開示の実施形態3について、図面を参照して以下に説明する。図9は、実施形態3に係る表示装置1Bの正面図である。実施形態3に係る表示装置1Bは2つの形態があり、図9の9A-9A断面図である図10と、図9の9B-9B断面図である図11にそれぞれの形態を示す。
【0048】
表示装置1Bは、校正用画像表示画面17が、主表示画面11の周縁部の一部として構成されている。つまり、主表示画面11と校正用画像表示画面17とは、共通の基板上で形成されている。また、測色計13は、校正用画像表示画面17に相対する位置に設けられている。
【0049】
図9では、校正用画像表示画面17が点線で示されているが、これは校正用画像表示画面17が額縁部15の内側にあるためであり、主表示画面11と校正用画像表示画面17とは切れ目なく繋がっている。図10は、図9の9A-9A断面図であり、2つの異なる外形状を有する表示装置1B1と表示装置1B2の横断面を、それぞれ1001と1002で示している。図11は、図9の9B-9B断面図であり、表示装置1B1と表示装置1B2の縦断面を1101と1102で示している。
【0050】
表示装置1B1は、図10の1001と図11の1101に示すように、額縁部15が平坦な形状に形成されている。測色計13は、額縁部15の直下であって、校正用画像表示画面17とする位置に配置されている。ただし、校正用画像表示画面17の表示方向は図10に向かって上側であるため、校正用画像表示画面17は、図11の1101に示すように、主表示画面11を表示装置1B1の内部方向に湾曲した段差を設けて形成する必要がある。
【0051】
一方、表示装置1B2は、図10の1002と図11の1102に示すように、額縁部15が部分的に突出した突出部16を有する形状に形成されている。突出部16の内側に測色計13が配置されているため、校正用画像表示画面17は、平坦な主表示画面11の周縁部の一部の画面に形成されている。
【0052】
図9に示す例では、校正用画像表示画面17は主表示画面11の上辺の周縁部の全体に形成されている。しかし、校正用画像表示画面17は、主表示画面11の周縁部の一部に形成されていてもよい。具体的には、校正用画像表示画面17は、主表示画面11の周縁部のうち、測色計13に対向する部分のみに形成されていてもよい(図示せず)。
【0053】
実施形態3に係る表示装置1Bの構成によれば、主表示画面11と校正用画像表示画面17とが共通の基板上で形成されている。つまり、主表示画面11と校正用画像表示画面17とが同じ製造条件で製造されているため、主表示画面11の劣化をより忠実に校正用画像表示画面17で模擬することができる。
【0054】
〔実施形態4〕
本開示の実施形態4について、図面を参照して以下に説明する。図12は、実施形態4に係る表示装置1Cの縦断面図である。表示装置1Cでは、主表示画面11の上辺の周縁部に湾曲部19を設けて内部方向にほぼ180度に折り曲げ、校正用画像表示画面18を形成している。そして、測色計13を校正用画像表示画面18に相対する位置に配置している。校正用画像表示画面18は、主表示画面11の周縁部の全体ではなく、一部に形成されていてもよい。以上の構成を有する表示装置1Cによれば、測色計13を額縁部15の直下ではなく表示装置1Cの内部に配置することができるため、実施形態3に係る表示装置1Bに比べて額縁部15の大きさを小さくすることができる。一方で、実施形態3と同様に、主表示画面11と校正用画像表示画面18とが共通の基板上で形成されている。したがって、主表示画面11の劣化をより忠実に校正用画像表示画面17で模擬することができる。湾曲させる角度は180度に限らず、任意である。
【0055】
表示装置1Cにおいては、湾曲部19には表示画素を形成する必要はない。また、実施形態3と同様に、校正用画像表示画面18は、主表示画面11の周縁部のうち、測色計13にする部分のみに形成されていてもよい(図示せず)。
【0056】
〔実施形態5〕
本開示の実施形態5について、図面を参照して以下に説明する。図13は、実施形態5に係る表示装置1Dの縦断面図である。表示装置1Dでは、校正用画像表示画面17が主表示画面11の周縁部の一部の画面として設けられている。つまり、主表示画面11と校正用画像表示画面17は同じ表示パネルであり、それぞれに表示される画像が異なるだけである。
【0057】
図14は、図13の13A-13A断面図である。図13図14に示すように、校正用画像表示画面17に接する位置の額縁部15の内側には、導光体32が配置されている。導光体32は、校正用画像表示画面17に表示される校正用画像からの光を測色部31に導光する。図14に示すように、校正用画像表示画面17に対向する位置に、ミラー33が設けられている。ミラー33は、校正用画像表示画面17からの光を反射して導光体32に向ける役割を果たす。図13では、校正用画像表示画面17の手前側にミラー33が重なる位置にある。そのため、図13では分かりやすさのためミラー33の記載は省略している。また、校正用画像表示画面17の位置は、図14に示す例では主表示画面11の右上部に配置されているが、この例に限定されず、任意である。
【0058】
以上の構成を有する表示装置1Dによれば、校正用画像表示画面17を主表示画面11の一部として最小限の領域で構成できる。また、測色部31を校正用画像表示画面17に対向させて配置する必要がないため、測色部31の配置設計の自由度が向上する。測色部31は導光体32によって導光された校正用画像表示画面17からの光を測定するため、測定された光を補正する補正係数を予め取得しておくことが好ましい。
【0059】
〔実施形態6〕
本開示の実施形態6について、図面を参照して以下に説明する。図15は、実施形態6に係る表示装置1Eの構成を示すブロック図である。図示するように、表示装置1Eは、主表示画面11、校正用画像表示画面12、測色計13、測光計14、及び制御部2を備える。主表示画面11、校正用画像表示画面12、測色計13、測光計14は、実施形態1から5で説明した各部材と同様の構成を有する。
【0060】
制御部2は、少なくとも1つのプロセッサ21、少なくとも1つのメモリ22、主画像表示部23、部分画像表示部24、校正用画像表示部25、測色部26、測光部27を備える。プロセッサ21、メモリ22、主画像表示部23、部分画像表示部24、校正用画像表示部25、測色部26、測光部27は、実施形態1の制御装置2において説明した各部と同様の構成と機能を有する。つまり、表示装置1Eは実施形態1から5のいずれかの表示装置1と制御装置2とが1つの表示装置として組み合わされた構成を有する。
【0061】
表示装置1Eは、本体に表示装置が内蔵され、当該表示装置の校正を実行するプログラムを記憶したメモリとプログラムを実行するプロセッサとを含むパーソナルコンピュータとも言える。表示装置1Eは、インターネット等と情報通信を行う通信部(図示せず)を備えていてもよく、校正を実行するプログラムを、通信部を介して取得してもよい。これにより、改良されたプログラムを適時に取得することができる。
【0062】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御装置2、又は制御部2(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(主画像表示部23、部分画像表示部24、校正用画像表示部25、測色部26及び測光部27)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0063】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0064】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0065】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0066】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る表示装置は、主画像を表示する主表示画面11と、色校正のための校正用画像を表示する校正用画像表示画面12と、表示された前記校正用画像の色を測定する測色計13と、を備えている。
上記の構成によれば、表示装置1の色校正を行うユーザの負担を軽減することができる。
【0067】
本開示の態様2に係る表示装置は、上記態様1において、主表示画面の周囲を取り囲む筐体である額縁部を備え、前記校正用画像表示画面は、額縁部の内側に設けられており、前記測色計は、前記校正用画像表示画面に相対する前記額縁部の内側に設けられていてもよい。
上記の構成によれば、額縁部の内側に校正用画像表示画面と測色計が配置されているため、外観上目立たない構成とすることができる。
【0068】
本開示の態様3に係る表示装置は、上記態様1において、前記校正用画像表示画面は、前記主表示画面の背面側に設けられており、前記測色計は、前記校正用画像表示画面に相対する位置に設けられていてもよい。
上記の構成によれば、額縁部を狭くすることができ、ユーザに対してスマートな表示装置の印象を与えることができる。
【0069】
本開示の態様4に係る表示装置は、上記態様1において、前記校正用画像表示画面は、前記主表示画面の周縁部の一部であり、前記測色計は、前記校正用画像表示画面に相対する位置に設けられていてもよい。
上記の構成によれば、校正用画像表示画面を主表示画面の一部として設けることができ、主表示画面から独立して設ける必要がない。
【0070】
本開示の態様5に係る表示装置は、上記態様1において、前記校正用画像表示画面は、前記主表示画面の周縁部の一部の画面であり、前記校正用画像表示画面からの光を前記測色計に導光する導光体を備えていてもよい。
上記の構成によれば、校正用画像表示画面を主表示画面の最小限の一部として構成することができる。また、測色部を校正用画像表示画面に対向させて配置する必要がないため、測色部の配置設計の自由度が向上する。
【0071】
本開示の態様6に係る表示装置は、上記態様1から3のいずれか1つにおいて、前記校正用画像表示画面は、前記主表示画面とは物理的に独立した表示画面であってもよい。
上記の構成によれば、校正用画像表示画面とそれに対向させる測色部の配置設計の自由度が向上する。
【0072】
本開示の態様7に係る表示装置は、上記態様1から6のいずれか1つにおいて、前記校正用画像表示画面は、前記測色計による測定期間以外であって、前記主表示画面の表示期間には、前記主表示画面の中央部分に表示される画像が前記校正用画像表示画面に表示される構成であってもよい。
上記の構成によれば、校正用画像表示画面に主表示画面の中央部分の劣化を模擬させることができる。
【0073】
本開示の態様8に係る表示装置は、上記態様1から7のいずれか1つにおいて、環境光の明るさを測定する測光計をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、表示装置の使用時の環境光の明るさを考慮した校正を行うことが可能となる。
【0074】
本開示の態様9に係る表示装置は、上記態様1から8のいずれか1つにおいて、前記主表示画面と前記校正用画像表示画面は、液晶表示パネル上の画面又は、自発光表示パネル上の画面であってもよい。
上記の構成によれば、幅広い種類の表示装置に対する校正が可能となる。
【0075】
本開示の態様10に係る表示装置の色校正方法は、少なくとも1つのプロセッサが、表示装置の主表示画面に主画像を表示する主画像表示ステップと、前記主表示画面の周縁部の一部の画面、又は前記主表示画面とは独立して設けられた校正用画像表示画面に、前記主表示画面に表示される前記主画像の少なくとも一部を、前記主表示画面における前記主画像の表示と並行して表示する部分表示ステップと、前記校正用画像表示画面に校正用画像を表示する校正用画像表示ステップと、表示された前記校正用画像の色を測定する測色ステップと、を含む。
上記の構成によれば、態様1の効果と同様の効果を得ることができる。
【0076】
本開示の態様11に係る色校正方法は、上記態様10において、前記部分表示ステップにおいて、前記校正用画像表示画面に前記主表示画面の中央部分の画像を表示してもよい。
上記の構成によれば、校正用画像表示画面に主表示画面の中央部分の劣化を模擬させることができる。
【0077】
本開示の態様12に係る色校正方法は、上記態様10または11において、前記校正用画像表示ステップと前記測色ステップは、前記主画像表示ステップと前記部分表示ステップとが終了した後に実行されてもよい。
上記の構成によれば、ユーザは、主画像表示ステップと部分表示ステップの終了後の任意の時に制御装置に対して、校正を実行させる指示を行うことができる。
【0078】
本開示の態様13に係る色校正方法は、上記態様10から12のいずれか1つにおいて、前記校正用画像表示ステップと前記測色ステップは、予め定めた期日において、前記主画像表示ステップと前記部分表示ステップとが終了した後に実行されてもよい。
上記の構成によれば、ユーザが、予め定めた期日において、制御装置が組み込まれているパーソナルコンピュータのシャットダウンを選択した際に、校正作業が実行される。そのため、ユーザの色校正の負担を軽減することができる。
【0079】
本開示の態様14に係る色校正方法は、上記態様10から13のいずれか1つにおいて、前記校正用画像の色を表示するための制御信号と、測定された前記校正用画像の色とを比較して、新たなICCプロファイルを生成する生成ステップをさらに含んでもよい。
上記の構成によれば、新たなICCプロファイルを生成することができる。
【0080】
本開示の態様15に係る色校正方法は、上記態様10から14のいずれか1つにおいて、環境光の明るさを測定する測光ステップをさらに含み、前記生成ステップは、前記環境光の明るさを参照して前記新たなICCプロファイルを生成してもよい。
上記の構成によれば、環境光の明るさを考慮したICCプロファイルを生成することができる。
【0081】
本開示の態様16に係る色校正プログラムは、コンピュータに、表示装置の主表示画面に主画像を表示する手順と、前記主表示画面の周縁部の一部の画面、又は前記主表示画面とは独立して設けられた校正用画像表示画面に、前記主表示画面に表示される前記主画像の少なくとも一部を、前記主表示画面における前記主画像の表示と並行して表示する手順と、前記校正用画像表示画面に校正用画像を表示する手順と、表示された前記校正用画像の色を測定する測色計を起動する手順と、を実行させる。
上記の構成によれば、態様1と同様の効果を得ることができる。
【0082】
本開示の態様17に係る記録媒体は、上記態様16に記載の色校正プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体である。
【0083】
本開示の各態様に係る制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記制御装置をコンピュータにて実現させる制御装置の色校正プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本開示の範疇に入る。
【0084】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 表示装置
11 主表示画面
12 校正用画像表示画面
13 測色計
14 測光計
2 制御装置(制御部)
21 プロセッサ
22 メモリ
23 主画像表示部
24 部分画像表示部
25 校正用画像表示部
26 測色部
27 測光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15