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特開2024-82672延滞催促支援装置、延滞催促支援方法、及び延滞催促支援プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082672
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】延滞催促支援装置、延滞催促支援方法、及び延滞催促支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240613BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196683
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】波多野 一樹
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】債権の延滞催促の担当者を割り振る場合の負荷を低減すると共に、各担当者のレベルに合わせながら延滞催促の業務負荷を平準化すること。
【解決手段】本実施形態の延滞催促支援装置は、基準日以前の回収予定日の債権について、支払いが延滞している債権の債務者、延滞月数、延滞催促の架電平均時間を含む延滞債務者データを取得する延滞債務者取得手段と、催促を行う担当者毎に、債務者の注意度を示す債務者区分、延滞月数を担当者割振設定として設定し、前記担当者割振設定及び前記債務者データを参照して、前記延滞債務者データに基づいて、債務者毎に催促を行う担当者を割り振る延滞担当者割振手段と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部及び記憶部を備え、回収が延滞している債権の債務者に対して催促を行う担当者を割り振るための延滞催促支援装置であって、
前記記憶部には、
債務者と、当該債務者の注意度を示す債務者区分を含む債務者データが格納されており、
前記制御部は、
基準日以前の回収予定日の債権について、支払いが延滞している債権の債務者、延滞月数、延滞催促の架電平均時間を含む延滞債務者データを取得する延滞債務者取得手段と、
催促を行う担当者毎に、債務者の注意度を示す債務者区分、延滞月数を担当者割振設定として設定し、前記担当者割振設定及び前記債務者データを参照して、前記延滞債務者データに基づいて、債務者毎に催促を行う担当者を割り振る延滞担当者割振手段と、
を備えたことを特徴とする延滞催促支援装置。
【請求項2】
前記延滞担当者割振手段は、
前記担当者割振設定に基づいて、その債務者区分、延滞月数の各値の組み合わせを展開し、展開した各組合せに対して、該当する担当者を割り振った第1のデータを生成し、
前記延滞債務者データの債務者、延滞月数、延滞催促の架電平均時間のデータと、債務者データの債務者区分のデータを展開した後、債務者区分及び延滞月数毎に、延滞催促の架電平均時間を昇順で並び替え、債務者区分及び延滞月数毎に、前記第1のデータにおいて、債務者区分及び延滞月数が一致する担当者を順番に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の延滞催促支援装置。
【請求項3】
前記延滞債務者データは、債務者毎の延滞している債権の回収回数である延滞回収回数を含み、
前記担当者割振設定は、債務者毎の延滞回収回数を含むことを特徴とする請求項1に記載の延滞催促支援装置。
【請求項4】
前記延滞担当者割振手段は、
前記担当者割振設定に基づいて、その債務者区分、延滞月数、延滞回収回数の各値の組み合わせを展開し、展開した各組合せに対して、該当する担当者を割り振った第1のデータを生成し、
前記延滞債務者データの債務者、延滞月数、延滞回収回数、延滞催促の架電平均時間のデータと、債務者データの債務者区分のデータを展開した後、債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数毎に、延滞催促の架電平均時間を昇順で並び替え、債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数毎に、前記第1のデータにおいて、債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数が一致する担当者を順番に割り当てることを特徴とする請求項3に記載の延滞催促支援装置。
【請求項5】
前記記憶部には、
催促を行う担当者毎に、債務者の注意度を示す債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数を関連付けて設定したマスタが格納されており、
前記延滞担当者割振手段は、前記マスタの設定を前記担当者割振設定の初期値として読み出し、当該初期値に対して追加・削除・編集を行って前記担当者割振設定を設定することを特徴とする請求項1又は3に記載の延滞催促支援装置。
【請求項6】
前記債権は、金融債権を含むことを特徴とする請求項1又は3に記載の延滞催促支援装置。
【請求項7】
制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行される延滞催促支援方法であって、
前記記憶部には、
債務者と、当該債務者の注意度を示す債務者区分を含む債務者データが格納されており、
前記制御部において実行される、
基準日以前の回収予定日の債権について、支払いが延滞している債権の債務者、延滞月数、延滞催促の架電平均時間を含む延滞債務者データを取得する延滞債務者取得工程と、
催促を行う担当者毎に、債務者の注意度を示す債務者区分、延滞月数を担当者割振設定として設定し、前記担当者割振設定及び前記債務者データを参照して、前記延滞債務者データに基づいて、債務者毎に催促を行う担当者を割り振る延滞担当者割振工程と、
を含むことを特徴とする延滞催促支援方法。
【請求項8】
制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための延滞催促支援プログラムであって、
前記記憶部には、
債務者と、当該債務者の注意度を示す債務者区分を含む債務者データが格納されており、
前記制御部において、
基準日以前の回収予定日の債権について、支払いが延滞している債権の債務者、延滞月数、延滞催促の架電平均時間を含む延滞債務者データを取得する延滞債務者取得工程と、
催促を行う担当者毎に、債務者の注意度を示す債務者区分、延滞月数を担当者割振設定として設定し、前記担当者割振設定及び前記債務者データを参照して、前記延滞債務者データに基づいて、債務者毎に催促を行う担当者を割り振る延滞担当者割振工程と、
を実行させるための延滞催促支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、延滞催促支援装置、延滞催促支援方法、及び延滞催促支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、融資やクレジットなどの金融債権について、債務者が返済を延滞した場合、督促を行う業務がある。金融債権の延滞催促に関するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-17106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、債権の延滞催促の担当者を割り振る場合の負荷を低減すると共に、各担当者のレベルに合わせながら延滞催促の業務負荷を平準化することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、債権の延滞催促の担当者を割り振る場合の負荷を低減すると共に、各担当者のレベルに合わせながら延滞催促の業務負荷を平準化することが可能な延滞催促支援装置、延滞催促支援方法、及び延滞催促支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備え、回収が延滞している債権の債務者に対して催促を行う担当者を割り振るための延滞催促支援装置であって、前記記憶部には、債務者と、当該債務者の注意度を示す債務者区分を含む債務者データが格納されており、前記制御部は、基準日以前の回収予定日の債権について、支払いが延滞している債権の債務者、延滞月数、延滞催促の架電平均時間を含む延滞債務者データを取得する延滞債務者取得手段と、催促を行う担当者毎に、債務者の注意度を示す債務者区分、延滞月数を担当者割振設定として設定し、前記担当者割振設定及び前記債務者データを参照して、前記延滞債務者データに基づいて、債務者毎に催促を行う担当者を割り振る延滞担当者割振手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記延滞担当者割振手段は、前記担当者割振設定に基づいて、その債務者区分、延滞月数の各値の組み合わせを展開し、展開した各組合せに対して、該当する担当者を割り振った第1のデータ生成し、前記延滞債務者データの債務者、延滞月数、延滞催促の架電平均時間のデータと、債務者データの債務者区分のデータを展開した後、債務者区分及び延滞月数毎に、延滞催促の架電平均時間を昇順で並び替え、債務者区分及び延滞月数毎に、前記第1のデータにおいて、債務者区分及び延滞月数が一致する担当者を順番に割り当てることにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記延滞債務者データは、債務者毎の延滞している債権の回収回数である延滞回収回数を含み、前記担当者割振設定は、債務者毎の延滞回収回数を含むことにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記延滞担当者割振手段は、前記担当者割振設定に基づいて、その債務者区分、延滞月数、延滞回収回数の各値の組み合わせを展開し、展開した各組合せに対して、該当する担当者を割り振った第1のデータ生成し、前記延滞債務者データの債務者、延滞月数、延滞回収回数、延滞催促の架電平均時間のデータと、債務者データの債務者区分のデータを展開した後、債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数毎に、延滞催促の架電平均時間を昇順で並び替え、債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数毎に、前記第1のデータにおいて、債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数が一致する担当者を順番に割り当てることにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記記憶部には、催促を行う担当者毎に、債務者の注意度を示す債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数を関連付けて設定したマスタが格納されており、前記延滞担当者割振手段は、前記マスタの設定を前記担当者割振設定の初期値として読み出し、当該初期値に対して追加・削除・編集を行って前記担当者割振設定を設定することにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記債権は、金融債権を含むことにしてもよい。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行される延滞催促支援方法であって、前記記憶部には、債務者と、当該債務者の注意度を示す債務者区分を含む債務者データが格納されており、前記制御部において実行される、基準日以前の回収予定日の債権について、支払いが延滞している債権の債務者、延滞月数、延滞催促の架電平均時間を含む延滞債務者データを取得する延滞債務者取得工程と、催促を行う担当者毎に、債務者の注意度を示す債務者区分、延滞月数を担当者割振設定として設定し、前記担当者割振設定及び前記債務者データを参照して、前記延滞債務者データに基づいて、債務者毎に催促を行う担当者を割り振る延滞担当者割振工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための延滞催促支援プログラムであって、前記記憶部には、債務者と、当該債務者の注意度を示す債務者区分を含む債務者データが格納されており、前記制御部において、基準日以前の回収予定日の債権について、支払いが延滞している債権の債務者、延滞月数、延滞催促の架電平均時間を含む延滞債務者データを取得する延滞債務者取得工程と、催促を行う担当者毎に、債務者の注意度を示す債務者区分、延滞月数を担当者割振設定として設定し、前記担当者割振設定及び前記債務者データを参照して、前記延滞債務者データに基づいて、債務者毎に催促を行う担当者を割り振る延滞担当者割振工程と、を実行させるための延滞催促支援プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、債権の延滞催促の担当者を割り振る場合の負荷を低減すると共に、各担当者のレベルに合わせながら延滞催促の業務負荷を平準化することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施の形態における延滞催促支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、担当者割振設定マスタの構成例を示す図である。
図3図3は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
図4図4は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図5図5は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図6図6は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図7図7は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図8図8は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図9図9は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図10図10は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図11図11は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図12図12は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図13図13は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図14図14は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図15図15は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図16図16は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するため図である。
図17図17は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図18図18は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図19図19は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図20図20は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図21図21は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図22図22は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図23図23は、本実施の形態における延滞催促支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
例えば、融資やクレジットなどの金融債権について、債務者が返済を延滞した場合、督促を行う業務がある。この督促業務について以下の課題1~3がある。
【0018】
課題1:担当者が督促を行う債務者について、手動により日次で割り振りをおこなっていたため、割振作業自体に負荷が掛かっていた。
【0019】
課題2:担当者のスキルやレベルに合わせて債務者の割振が必要であること。
【0020】
課題3:督促に要する時間が担当者毎に偏ってしまうこと。
【0021】
そこで、本実施の形態では、延滞の度合いや債務者の評価等の指標に基づいて、担当者のレベルに合わせた担当者の割り振りをシステム化することで、延滞催促の担当者を割り振る場合の負荷を低減すると共に、各担当者のレベルに合わせながら延滞催促の業務負荷を平準化する。具体的には、本実施の形態によれば、以下の効果1~3がある。
【0022】
効果1:システムで自動的に割り振り処理を行うことにより、割り振り自体の作業時間を削減できる。
【0023】
効果2:債務者区分、延滞月数、延滞回収回数などの指標を利用することにより、担当者のレベルに合わせた割り振りができる。
【0024】
効果3:架電平均時間などの指標を利用することにより、担当者毎の督促時間を平準化することができる。
【0025】
本実施の形態の延滞催促支援装置は、金融業界全般(ノンバンク、金融機関)や金融事業(融資、クレジット)を行う全業種に適用でき、また、これ以外の業界や業種にも適用でき、金融債権以外の他の債権の延滞催促にも適用可能である。
【0026】
[2.構成]
図1は、本実施の形態に係る延滞催促支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。延滞催促支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、延滞催促支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。図1において、延滞催促支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。延滞催促支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0027】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、延滞催促支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、延滞催促支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0028】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、および、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。
【0029】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および、ファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等を用いることができる。
【0030】
記憶部106は、担当者割振設定マスタ106aと、データテーブル106bと、ワークテーブル106cと、を備えている。図2は、担当者割振設定マスタ106aの構成例を示す図である。
【0031】
担当者割振設定マスタ106aは、延滞担当者割振処理の担当者割振設定を行うための初期表示用のデータである。担当者割振設定マスタ106aは、図2に示すように、担当者コード、債務者区分(0:通常、1:注意)、延滞月数、延滞回収回数を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。同図に示す例では、1行目は、担当者コード「AAA:担当者1」、債務者区分「0:通常」、延滞月数「1~1」、延滞回収回数「1~2」となっている。
【0032】
データテーブル106bは、回収予定データ、回収実績データ、取引履歴データ、口座振替依頼データ、債務者・債権紐付データ、債務者データ、交渉履歴データ、延滞債権データ、延滞債務者データ等の各種データを格納するためのテーブルである。
【0033】
回収予定データは、債務者から回収する予定の情報であり、債権番号、回収SEQ、回収予定年月、回収予定日、回収予定額を含んでいてもよい。
【0034】
回収実績データは、債務者から回収した実績の情報であり、債権番号、回収SEQ、取引SEQ、回収日、回収額、回収が延滞している債権を回収したか否かを示す延滞回収FLG(「0:未回収」、「1:回収」)、債権を回収したか示す回収完了FLG(「0:未回収」、「1:回収」)を含んでいてもよい。
【0035】
取引履歴データは、債権番号、取引SEQ、取引区分(「1:融資実行」、「2:回収」)、取引日、融資金額、回収額、次回回収予定日を含んでいてもよい。
【0036】
口座振替依頼データは、債権番号、口座振替日、請求額、振替結果コード(「0:振替中、「Z:依頼中」)を含んでいてもよい。
【0037】
債務者・債権紐付データは、債務者と債権を紐付けるためのデータであり、債権番号、債務者番号を含んでいてもよい。
【0038】
交渉履歴データは、債務者番号、交渉日、交渉開始時刻、交渉終了時刻、交渉区分(「1:架電」、「2:催告状」)を含んでいてもよい。
【0039】
延滞債権データは、債権番号、延滞月数、延滞回収回数、延滞総額を含んでいてもよい。
【0040】
延滞債務者データは、債務者番号、延滞月数、延滞回収回数、架電平均時間、延滞総額、催促担当者を含んでいてもよい。このうち、「債務者番号」、「延滞月数」、「延滞回収回数」、「架電平均時間」、「延滞総額」は、延滞債務者抽出処理で設定される。「催促担当者」は、延滞担当者割振処理で設定される。
【0041】
ワークテーブル106cは、制御部102のワークエリアとして使用するためのテーブルであり、ワークデータ(中間データ)等が生成され、例えば、後述する延滞債務者割振処理において、延滞債務者データの担当者を割り振るまでの中間データである第1~第3のデータ等が生成(展開)される。
【0042】
制御部102は、延滞催促支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0043】
制御部102は、記憶部106に格納されている、担当者割振設定マスタ106a、データテーブル106b、ワークテーブル106c等にアクセス可能に構成されている。なお、担当者割振設定マスタ106a、データテーブル106b、ワークテーブル106cは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0044】
制御部102は、機能概念的に、データ登録部102aと、延滞債務者取得部102bと、担当者割振部102cと、画面表示制御部103cと、を備えている。
【0045】
データ登録部102aは、データテーブル106bに対して、回収予定データ、回収実績データ、取引履歴データ、口座振替依頼データ、債務者・債権紐付データ、交渉履歴データ等の各種データの登録・更新を行う。
【0046】
延滞債務者取得部102bは、例えば、モニタ114に表示される延滞債務者抽出処理画面において、オペレータにより指定される基準日以前の回収予定日の債権について、支払いが延滞している債権の債務者、延滞月数、延滞催促の架電平均時間を含む延滞債務者データを取得する。
【0047】
担当者割振部102cは、催促を行う担当者毎に、債務者の注意度を示す債務者区分、延滞月数を担当者割振設定として設定し、当該担当者割振設定及び債務者データを参照して、取得した延滞債務者データに基づいて、債務者毎に催促を行う担当者を割り振る。
【0048】
具体的には、担当者割振部102cは、担当者割振設定に基づいて、その債務者区分、延滞月数の各値の組み合わせを展開し、展開した各組合せに対して、該当する担当者を割り振った第1のデータ生成し、延滞債務者データの債務者、延滞月数、延滞催促の架電平均時間のデータと、債務者データの債務者区分のデータを展開した後、債務者区分及び延滞月数毎に、延滞催促の架電平均時間を昇順で並び替え、債務者区分及び延滞月数毎に、第1のデータにおいて、債務者区分及び延滞月数が一致する担当者を順番に割り当てることにしてもよい。
【0049】
延滞債務者データは、債務者毎の延滞している債権の回収回数である延滞回収回数を含むことにしてもよい。担当者割振設定は、債務者毎の延滞回収回数を含むことにしてもよい。
【0050】
この場合、担当者割振部102cは、担当者割振設定に基づいて、その債務者区分、延滞月数、延滞回収回数の各値の組み合わせを展開し、展開した各組合せに対して、該当する担当者を割り振った第1のデータ生成し、延滞債務者データの債務者、延滞月数、延滞回収回数、延滞催促の架電平均時間のデータと、債務者データの債務者区分のデータを展開した後、債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数毎に、延滞催促の架電平均時間を昇順で並び替え、債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数毎に、第1のデータにおいて、債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数が一致する担当者を順番に割り当てることにしてもよい。
【0051】
担当者割振部102cは、担当者割振設定マスタ106aの設定を担当者割振設定の初期値として読み出し、当該初期値に対して追加・削除・編集を行って担当者割振設定を行うことにしてもよい。
【0052】
画面表示制御部102dは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、延滞債務者抽出処理画面や延滞担当者割振処理画面)の表示や入力の受付を制御する。
【0053】
[3.具体例]
図1図23を参照して、本実施の形態における延滞催促支援装置100の制御部102の処理の具体例について説明する。
【0054】
(3-1.全体の処理)
図3は、本実施の形態における延滞催促支援装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。図3を参照して、延滞催促支援装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明する。
【0055】
図3において、延滞債務者取得部102bは、延滞債務者抽出処理を実行する(ステップS1)。具体的には、延滞債務者抽出処理では、延滞債務者取得部102bは、例えば、モニタ114に表示される延滞債務者抽出処理画面において、オペレータにより指定される基準日以前の回収予定日の債権について、データテーブル106bの回収予定データ、回収実績データ、取引履歴データ、口座振替依頼データ、債務者・債権紐付データ、交渉履歴データを参照して、支払いが延滞している債権の債務者、延滞月数、延滞している債権の回収回数である延滞回収回数、延滞催促の架電平均時間を含む延滞債務者データを取得する。
【0056】
担当者割振部102cは、延滞担当者割振処理を実行する(ステップS2)。具体的には、延滞担当者割振処理では、担当者割振部102cは、催促を行う担当者毎に、債務者の注意度を示す債務者区分、延滞月数、延滞回収回数を担当者割振設定として設定し、当該担当者割振設定及び債務者データを参照して、取得した延滞債務者データに基づいて、債務者毎に催促を行う担当者を割り振る。
【0057】
この場合、担当者割振部102cは、ワークテーブル106cを使用して、担当者割振設定に基づいて、その債務者区分、延滞月数、延滞回収回数の各値の組み合わせを展開し、展開した各組合せに対して、該当する担当者を割り振った第1のデータ生成し、延滞債務者データの債務者、延滞月数、延滞回収回数、延滞催促の架電平均時間のデータと、債務者データの債務者区分のデータを展開した後、債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数毎に、延滞催促の架電平均時間を昇順で並び替え、債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数毎に、第1のデータにおいて、債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数が一致する担当者を順番に割り当てることにしてもよい。
【0058】
(3-2.サンプルデータ)
図4図23は、本実施の形態における延滞催促支援装置100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。図4図23を参照して、本実施の形態における延滞催促支援装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0059】
(S1:延滞債務者抽出処理)
図4図12を参照して、延滞債務者抽出処理を具体的に説明する。延滞債務者取得部102bは、例えば、モニタ114に表示される延滞債務者抽出処理画面において、オペレータにより指定される延滞抽出基準日以前の回収予定日の債権について、データテーブル106bの回収予定データ、回収実績データ、取引履歴データ、口座振替依頼データ、債務者・債権紐付データ、交渉履歴データを参照して、支払いが延滞している債権の債務者、延滞月数、延滞している債権の回収回数である延滞回収回数、延滞催促の架電平均時間を含む延滞債務者データを取得する。
【0060】
(債務者のデータ例)
以下の説明では、2022/11/1に債務者抽出処理を行った場合を説明する。
【0061】
図4は、債務者(1)~(4)のデータ例を示す図である。例えば、図4(A)に示すように、債務者(1)は、債務者番号「100」、対象の債権(1)は、債権番号「1000」、融資日「2022/7/1」、融資金「140,000円」、約定日「26日」、返済方法「振込」で、2022/11時点で未延滞状態である。
【0062】
図4(B)に示すように、債務者(2)は、債務者番号「200」、対象の債権(2)は、債権番号「2000」、融資日「2022/7/1」、融資金「140,000円」、約定日「26日」、返済方法「口座振替」で、2022/11時点で延滞状態(口座振替依頼中)である。
【0063】
図4(C)に示すように、債務者(3)は、債務者番号「300」であり、対象の債権(3)は、債権番号「3000」、融資日「2022/7/1」、融資金「140,000円」、約定日「26日」、返済方法「振込」で、2022/11時点で延滞状態、対象の債権(4)は、債権番号「4000」、融資日「2022/7/1」、融資金「140,000円」、約定日「26日」、返済方法「振込」で、2022/11時点で延滞状態である。
【0064】
(前提データ)
以下の説明では、図5図9に示すデータがデータテーブル106bに登録されているものとして説明する。
【0065】
図5(A)は、回収予定データ、図5(B)は、回収実績データのデータ例を示している。図5において、説明のため、回収予定データと回収実績データは、債権番号と回収SEQが同じものを同一の行としており、回収が延滞しているか否かの説明を付記している。
【0066】
回収予定データは、債権番号、回収SEQ、回収予定年月、回収予定日、回収予定額の項目を備えている。
【0067】
回収実績データは、債権番号、回収SEQ、取引SEQ、回収日、回収額、延滞回収FLG、回収完了FLGの項目を備えている。
【0068】
例えば、1行目の債権番号「1000」、回収SEQ「1」については、回収予定データの回収予定年月「2022/8」、回収予定日「2022/8/26」、回収予定額「30,000円」であり、回収実績データの取引SEQ「2」、回収日「2022/8/26」、回収額「30,000円」、延滞回収FLG「0」、回収完了FLG「1」であり、回収予定日通りの日付で回収できている。
【0069】
また、12行目の債権番号「3000」、回収SEQ「2」については、回収予定データの回収予定年月「2022/9」、回収予定日「2022/9/26」、回収予定額「30,000円」であり、回収実績データの取引SEQ「3」、回収日「2022/9/30」、回収額「20,000円」、延滞回収FLG「1」、回収完了FLG「0」であり、回収予定日通りの日付で回収できず、一部延滞回収となっている。この延滞については、回収実績データの取引SEQ「4」、回収日「2022/10/3」、回収額「10,000円」、延滞回収FLG「1」、回収完了FLG「1」となっており、残りを延滞回収している。
【0070】
図6は、取引履歴データのデータ例を示す図である。取引履歴データは、債権番号、取引SEQ、取引区分、取引日、融資金額、回収額、次回回収予定日の項目を備えている。
【0071】
回収額が、回収予定データの回収予定額に満たない場合は、次回回収予定日は、前回と同じ日付とする。例えば、10行目の債権番号「3000」、取引SEQ「3」、取引区分「2:回収」、取引日「2022/9/30」、回収額「20,000円」については、回収が全て充当済みでないため、次回回収予定日は、「2022/9/26」のままとする。
【0072】
図7は、口座振替依頼データのデータ例を示す図である。口座振替依頼データは、債権番号、依頼年月、口座振替日、請求額、振替結果コードの項目を備えている。
【0073】
図8は、債務者・債権紐付データのデータ例を示す図である。債務者・債権紐付データは、債権番号と債務者番号を紐付けるためデータであり、債権番号、債務者番号の項目を備えている。
【0074】
図9は、交渉履歴データのデータ例を示す図である。交渉履歴データは、債務者番号、交渉日、交渉開始時刻、交渉終了時刻、交渉区分の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、債務者番号「300」、交渉日「2022/9/29」、交渉開始時刻「12:30:05」、交渉終了時刻「12:35:10」、交渉区分「1:架電」となっている。
【0075】
図10は、延滞債務者抽出処理画面の表示例を示す図である。延滞債務者抽出処理画面は、延滞抽出基準日を指定する欄と、実行ボタンを備えている。延滞抽出基準日を指定して、実行ボタンが押下されると、延滞債務者取得部102bは、指定した延滞抽出基準日を基準として、延滞債務者抽出処理を実行する。同図に示す例では、延滞抽出基準日「2022/11/1」が指定されており、以下の例では、延滞抽出基準日「2022/11/1」を基準とした延滞債務者抽出処理を実行する。
【0076】
図11図12を参照して、延滞債務者抽出処理の流れ(1)~(5)を説明する。
【0077】
(1)取引履歴データの次回回収予定日<延滞抽出基準日となる債権を抽出する。
図11において、今回の例では、延滞抽出基準日「2022/11/1」より前の次回回収予定日となっている債権を抽出する。次回回収予定日=延滞抽出基準日の場合は未延滞扱いとなるため、抽出対象外とする。
【0078】
例えば、債権番号「1000」の次回回収予定日「2022/11/28」は、延滞抽出基準日「2022/11/1」より後になるので、抽出対象外となる。債権番号「2000」の次回回収予定日「2022/10/26」は、延滞抽出基準日「2022/11/1」より前になるので、抽出対象となる。
【0079】
(2)延滞月数、延滞回収回数を算出する。
「延滞月数」は、図11(A)に示すように、取引履歴データの次回回収予定日の翌日を起算日として、延滞基準日まで、1から開始し、約定日毎にカウントアップする。「延滞回収回数」は、回収実績データの延滞回収フラグFLG=1の回収SEQの数を集計する。
【0080】
例えば、債権番号「2000」の次回回収予定日「2022/10/26」については、延滞抽出基準日「2022/11/1」の時点で回収されていないので、延滞月数は「1」となり、延滞回収回数は、「0」(延滞回収FLG=1の回収SEQの合計は「0」のため)となる。
【0081】
債権番号「4000」の次回回収予定日「2022/9/26」については、延滞抽出基準日「2022/11/1」の時点で回収されていないので、延滞月数は「2」となり、延滞回収回数は、「0」(延滞回収FLG=1の回収SEQの合計は「0」のため)となる。
【0082】
(3)口座振替依頼データで口座振替依頼中の場合は延滞月数を1か月減じる。
図12において、債権番号「2000」の次回回収予定日「2022/10/26」については、口座振替依頼中のため、延滞月数を1か月減じて「0」とする。
【0083】
(4)延滞月数>0の債権について、延滞債権データを作成する。
延滞債権データの「延滞月数」は、同一債務者内の債権の最大値を更新する。延滞債権データの「延滞回収回数」は、同一債務者内の延滞回収回数の合計値を更新する。
【0084】
この例では、図12(A)に示すような延滞債権データが生成される。同図に示す例では、1行目は、債権番号「3000」、延滞月数「1」、延滞回収回数「1」、延滞総額「30,000円」、2行目は、債権番号「4000」、延滞月数「2」、延滞回収回数「0」、延滞総額「60,000円」となっている。
【0085】
(5)延滞債権データに基づいて、債務者・債権紐付データ及び交渉履歴データを参照して、延滞債務者データを作成する。
延滞債務者データの「債務者番号」は、図8の延滞債務者データの「債権番号」を債務者・債権紐付データを参照して変換する。延滞債務者データの「架電平均時間」は、交渉履歴データを参照して、同一債務者の1か月あたりの平均の架電時間を計算して算出する。
【0086】
図12(B)は、交渉履歴データのデータ例を示している。同図において、債務者「300」の架電平均時間は、(00:05:05+00:05:19+00:02:28)÷2(2ヶ月のため2で除算)=00:06:26となる。
【0087】
図12(C)は、作成される延滞債務者データのデータ例を示している。同図に示す例では、債務者番号「300」、延滞月数「2」、延滞回収回数「1」、架電平均時間「00:06:26」、延滞総額「90,000」となる。
【0088】
(S2:延滞担当者割振処理)
図13図23を参照して、延滞担当者割振処理の具体例を説明する。担当者割振部102cは、催促を行う担当者毎に、債務者の注意度を示す債務者区分、延滞月数、延滞回収回数を担当者割振設定として設定し、当該担当者割振設定及び債務者データを参照して、取得した延滞債務者データに基づいて、債務者毎に催促を行う担当者を割り振る。
【0089】
(前提データ)
ここでは、上記と異なるデータ例を使用して延滞担当者割振処理を行う場合を説明する。
【0090】
図13は、延滞債務者データのデータ例を示す図である。延滞担当者割振処理では、延滞債務者データの「延滞担当者」を割り振る(設定する)。図14は、債務者データのデータ例を示す図である。図15は、担当者割振設定マスタ106aのデータ例を示す図である。担当者割振設定マスタ106aは、担当者割振設定の初期表示用のマスタである。
【0091】
図16は、延滞担当者割振処理画面500の表示例を示す図である。延滞担当者割振処理画面500は、「全債務者の延滞担当者を全てクリアし、新規に割り振り」又は「延滞担当者が割り振りされていない債務者に割り振り」を選択するボタンと、確定ボタン601を備えたヘッダエリア501と、担当者割振設定するためのエリア502と、担当者割振結果を表示するためのエリア503と、債務者割振結果を表示するためのエリア504と、新規ボタンと、削除ボタンと、編集ボタンと、割振実行ボタンと、登録ボタンと、を備えている。
【0092】
ヘッダエリア501において、「全債務者の延滞担当者を全てクリアし、新規に割り振り」のボタンが選択された場合は、債務者データの延滞担当者を全てクリアし、延滞担当者割振処理を実行する。「延滞担当者が割り振りされていない債務者に割り振り」のボタンが選択された場合は、債務者データの延滞担当者が未割振の債務者に対して、延滞担当者割り振る処理を実行する。
【0093】
(1)オペレータが「全債務者の延滞担当者を全てクリアし、新規に割り振り」のボタン又は「延滞担当者が割り振りされていない債務者に割り振り」のボタンを選択して、確定ボタンを押下すると、エリア502に担当者割振設定マスタ106aに登録されているデータが初期表示される。以下では、「全債務者の延滞担当者を全てクリアし、新規に割り振り」が選択された場合を説明する。
【0094】
(2)エリア502で担当者割振設定のデータを設定する。新規に登録したい場合は、新規ボタン602を押下すると、図17に示すような担当者割振設定画面600が起動される。担当者割振設定画面600は、担当者コード、債務者区分、延滞月数、延滞回収回数の項目を入力する欄と、確定ボタンを備えている。
【0095】
担当者割振設定画面600で、各項目を入力し、確定ボタンを入力すると、エリア502に設定が追加される。これを必要な分繰り返す。
【0096】
なお、エリア502のデータの内容を削除したい場合は、削除ボタンを押下することで、データを削除することができる。エリア502のデータの内容を編集したい場合は、編集ボタンを押下した後、データを編集する。現時点で担当者割振設定マスタ106aに登録されているデータで問題がない場合は、このままとする。
【0097】
(3)割振実行ボタンが押下されると、以下で詳細を説明するような延滞担当者割振処理が実行され、エリア503に担当者割振結果(担当者毎の割振件数、架電平均時間合計、残高合計)が表示され、エリア504に債務者割振結果(債務者区分、延滞月数、延滞回収回数、延滞債務者数、未割振件数)が表示される。架電平均時間合計で、各担当者の時間(負荷)が平準化された状態が確認できる(上記効果3)。
【0098】
(4)登録ボタン606が押下されると、割振結果が登録される。具体的には、延滞担当者が設定された延滞債務者データがデータテーブル106bに登録され、担当者割振設定マスタ106aがエリア502の担当者割振設定の内容に更新される。
【0099】
図18図23を参照して、上記(3)の延滞担当者割振処理の具体例を説明する。
【0100】
(1.延滞月数、延滞回収回数、債務者区分を設定した場合)
図18図20を参照して、担当者割振設定で延滞月数、延滞回収回数、債務者区分を設定した場合を説明する。
【0101】
(1)債務者区分、延滞月数、延滞回収回数毎に、担当者を決定する。
図18(A)は、担当者割振設定の例を示す図である。図18(B)は、ワークテーブル106cに展開する第1のデータ(中間データ)の例を示す図である。
【0102】
図18(A)において、担当者割振設定にて担当者のレベルやスキルに応じて、債務者区分、延滞月数、延滞回収回数を設定することで、担当者のレベルやスキルに合わせた割り振りが可能となる(上記効果2)。例えば、回収が困難な債務者は債務者区分を「1:注意」で設定する。例えば、レベル的に習熟度が低い担当者は、債務者区分を「0:通常」で設定することで、回収が困難と評価された債務者の割り振りがされなくなる。
【0103】
図18(B)に示すように、担当者割振設定に基づいて、その債務者区分、延滞月数、延滞回収回数の各値の組み合わせを展開し、展開した各組合せに対して、該当する担当者を割り振った第1のデータを生成(展開)する。
【0104】
(2)延滞債務者を債務者区分、延滞月数、延滞回収回数、架電平均時間の順に並び替え、担当者を割り振りする。
【0105】
図19(A)及び(B)は、ワークテーブル106cに展開する第2のデータ(中間データ)及び第3のデータ(中間データ)の例を示す図である。
【0106】
図19(A)に示すように、延滞債務者データの債務者番号、延滞月数、延滞回収回数、架電平均時間のデータと、債務者データの債務者区分のデータを第2のデータとしてワークテーブル106cに展開した後、図19(B)に示すように、債務者区分、延滞月数、及び延滞回収回数毎に、架電平均時間を昇順で並び替えし、債務者区分、延滞月数、延滞回収回数毎に、第1のデータにおいて、債務者区分、延滞月数、延滞回収回数が一致する担当者を順番に割り振りして第3のデータを生成する。これにより、担当者毎の督促時間を平準化することができる(上記効果3)。
【0107】
例えば、図19(B)に示す例では、1行目は、債務者番号「100」、債務者区分「0:通常」、延滞月数「1」、及び延滞回収回数「0」となっており、第1のデータで一致する担当者が設定されていないので、未割振とする。
【0108】
2行目は、債務者番号「100」、債務者区分「0:通常」、延滞月数「1」、及び延滞回収回数「1」となっており、第1のデータの1行目において一致する担当者「AAA:担当者1」を割り振る。
【0109】
(3)次に、第3のデータに基づいて、延滞債務者データの延滞担当者を更新する。図20は、更新後の延滞債務者データのデータ例を示す図である。また、延滞債務者データに基づいて、図16の延滞担当者割振処理画面のエリア503の担当者割振結果と、エリア504の債務者割振結果を表示する。
【0110】
(2.延滞月数、債務者区分を設定した場合(延滞回収回数未設定))
図21図23を参照して、担当者割振設定で延滞月数、債務者区分を設定(延滞回収回数を未設定)とした場合を説明する。
【0111】
(1)債務者区分、延滞月数毎に、担当者を決定する。
図21(A)は、担当者割振設定の例を示す図である。図21(B)は、ワークテーブル106cに展開する第1のデータの例を示す図である。
【0112】
図21(A)において、担当者割振設定で延滞回収回数が設定されていない。延滞回収回数は、必須の項目ではなく、任意の項目である。担当者割振設定にて担当者のレベルやスキルに応じて、債務者区分、延滞月数を設定することで、担当者のレベルやスキルに合わせた割り振りが可能となる(上記効果2)。例えば、回収が困難な債務者は債務者区分を「1:注意」で設定する。例えば、レベル的に習熟度が低い担当者は、債務者区分を「0:通常」で設定することで、回収が困難と評価された債務者の割り振りはされなくなる。
【0113】
図21(B)に示すように、担当者割振設定に基づいて、その債務者区分、延滞月数の各値の組み合わせを展開し、展開した各組合せに対して、それぞれ担当者(担当者コード)を割り振った第1のデータを生成(展開)する。
【0114】
(2)延滞債務者を債務者区分、延滞月数、架電平均時間の順に並び替え、担当者を割り振りする。
【0115】
図22(A)及び(B)は、ワークテーブル106cに展開する第2のデータ(中間データ)及び第3のデータ(中間データ)の例を示す図である。図22(A)に示すように、延滞債務者データの債務者番号、延滞月数、架電平均時間のデータと、債務者データの債務者区分のデータを第2のデータとして、ワークテーブル106cに展開した後、図22(B)に示すように、債務者区分、延滞月数毎に、架電平均時間を昇順で並び替えし、債務者区分、延滞月数毎に、第1のデータにおいて、債務者区分、延滞月数が一致する担当者を順番に割り振りして第3のデータを生成する。これにより、担当者毎の催促時間を平準化することができる(上記効果3)。
【0116】
例えば、図22(B)に示す例では、1行目は、債務者番号「100」、債務者区分「0:通常」、延滞月数「1」となっており、第1のデータの1行目において一致する担当者「AAA:担当者1」を割り振る。
【0117】
2行目は、債務者番号「100」、債務者区分「0:通常」、延滞月数「1」滞回収回数「1」となっており、第1のデータの2行目において一致する担当者「BBB:担当者2」を割り振る。
【0118】
(3)次に、第3のデータに基づいて、延滞債務者データの延滞担当者を更新する。
図23は、更新後の延滞債務者データのデータ例を示す図である。
【0119】
以上説明したように、本実施の形態によれば、基準日以前の回収予定日の債権について、支払いが延滞している債権の債務者、延滞月数、延滞催促の架電平均時間を含む延滞債務者データを取得する延滞債務者取得部102bと、催促を行う担当者毎に、債務者の注意度を示す債務者区分、延滞月数を担当者割振設定として設定し、前記担当者割振設定及び前記債務者データを参照して、前記延滞債務者データに基づいて、債務者毎に催促を行う担当者を割り振る担当者割振部102cと、債権の延滞催促の担当者を割り振る場合の負荷を低減すると共に、各担当者のレベルに合わせながら延滞催促の業務負荷を平準化することが可能となる。
【0120】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0121】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0122】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0123】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0124】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0125】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0126】
また、延滞催促支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0127】
例えば、延滞催促支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて延滞催促支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0128】
また、このコンピュータプログラムは、延滞催促支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0129】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0130】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0131】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0132】
また、延滞催促支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、延滞催促支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0133】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0134】
100 延滞催促支援装置
102 制御部
102a データ登録部
102b 延滞債務者取得部
102c 担当者割振部
102d 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 担当者割振設定マスタ
106b データテーブル
106c ワークテーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
300 ネットワーク
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