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特開2024-82675情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082675
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20240613BHJP
   G06T 11/80 20060101ALI20240613BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20240613BHJP
【FI】
G06T1/00 340A
G06T11/80 A
G06F3/04845
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196687
(22)【出願日】2022-12-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月30日に株式会社デコルテが運営するウェディングフォトスタジオに配布
(71)【出願人】
【識別番号】307010096
【氏名又は名称】フリュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】嵐 呂美
(72)【発明者】
【氏名】松原 菜津美
(72)【発明者】
【氏名】荒木 卓
(72)【発明者】
【氏名】華岡 千尋
【テーマコード(参考)】
5B050
5B057
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA09
5B050BA06
5B050BA12
5B050CA01
5B050DA04
5B050EA09
5B050EA12
5B050FA02
5B050FA05
5B057BA26
5E555AA04
5E555BA02
5E555BA66
5E555BA84
5E555BB02
5E555BC07
5E555BC18
5E555CA02
5E555CA18
5E555CB02
5E555CB33
5E555CB40
5E555CB45
5E555CC03
5E555DB04
5E555DB20
5E555DB22
5E555DB54
5E555DC05
5E555DC40
5E555DD11
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】撮影画像に写る被写体の写りの調整を効率的に行うようにする。
【解決手段】本技術の一側面の情報処理装置は、第1のモードが選択された場合、加工対象とする画像を撮影済みの画像の中から選択することに用いられる選択画面を表示させ、加工対象とする画像である選択画像が被写体の人物自身によって選択された後、それぞれの選択画像に対する加工の内容の選択に用いられる加工画面を表示させ、加工画面に対する人物の操作に応じて、それぞれの選択画像に加工を施し、第1のモードを用いた加工が行われた後に第2のモードが選択された場合、人物により選択された加工の内容を、撮影済みの画像のうちの、選択画像として選択されなかった他の画像に反映させる。本技術は、撮影スタジオに設置されたコンピュータに適用することができる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモードが選択された場合、加工対象とする画像を撮影済みの画像の中から選択することに用いられる選択画面を表示させ、加工対象とする画像である選択画像が被写体の人物自身によって選択された後、それぞれの前記選択画像に対する加工の内容の選択に用いられる加工画面を表示させる表示制御部と、
前記加工画面に対する前記人物の操作に応じて、それぞれの前記選択画像に加工を施す画像処理部と
を備え、
前記画像処理部は、前記第1のモードを用いた加工が行われた後に第2のモードが選択された場合、前記人物により選択された加工の内容を、撮影済みの画像のうちの、前記選択画像として選択されなかった他の画像に反映させる反映処理を実行する
情報処理装置。
【請求項2】
前記人物により選択された加工の内容を表すパラメータを含む管理ファイルを加工対象となった前記選択画像のファイルと紐付けて記録する管理部をさらに備え、
前記画像処理部は、前記管理ファイルに含まれる情報に基づいて前記反映処理を実行する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記選択画像に写る前記人物の顔を認識する認識部をさらに備え、
前記管理部は、前記パラメータが前記人物の顔の識別情報と紐付けられた前記管理ファイルを記録する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1のモードを用いた加工が第1の人物により行われた後に、自身の撮影を終えた他の人物である第2の人物を対象とした前記第1のモードが選択された場合、
前記表示制御部は、前記第2の人物が被写体として写る画像を対象とした前記選択画面と前記加工画面を表示させ、
前記画像処理部は、前記加工画面に対する前記第2の人物の操作に応じてそれぞれの前記選択画像に加工を施す処理を、前記第1の人物が被写体として写る前記他の画像に対する前記反映処理の前に行う
請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像処理部は、前記第2の人物の操作に応じてそれぞれの前記選択画像に加工を施した後、前記第1の人物が被写体として写る前記他の画像を対象とした前記反映処理と、前記第2の人物が被写体として写る前記他の画像を対象とした前記反映処理を、前記第2のモードが選択される毎に続けて実行する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記画像処理部は、前記選択画像の特徴と前記他の画像の特徴とに基づいて、それぞれの前記他の画像に加工の内容を反映させる反映元の前記選択画像を選択する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記画像処理部は、加工の内容の反映先となる前記他の画像に複数の前記人物が写っている場合、それぞれの前記人物と同じ人物が写る複数の前記選択画像を反映元として選択する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記画像処理部は、横顔の前記人物が写る前記選択画像以外の前記選択画像を反映元として選択する
請求項6または7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が、
第1のモードが選択された場合、加工対象とする画像を撮影済みの画像の中から選択することに用いられる選択画面を表示させ、
加工対象とする画像である選択画像が被写体の人物自身によって選択された後、それぞれの前記選択画像に対する加工の内容の選択に用いられる加工画面を表示させ、
前記加工画面に対する前記人物の操作に応じて、それぞれの前記選択画像に加工を施し、
前記第1のモードを用いた加工が行われた後に第2のモードが選択された場合、前記人物により選択された加工の内容を、撮影済みの画像のうちの、前記選択画像として選択されなかった他の画像に反映させる
情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
第1のモードが選択された場合、加工対象とする画像を撮影済みの画像の中から選択することに用いられる選択画面を表示させ、
加工対象とする画像である選択画像が被写体の人物自身によって選択された後、それぞれの前記選択画像に対する加工の内容の選択に用いられる加工画面を表示させ、
前記加工画面に対する前記人物の操作に応じて、それぞれの前記選択画像に加工を施し、
前記第1のモードを用いた加工が行われた後に第2のモードが選択された場合、前記人物により選択された加工の内容を、撮影済みの画像のうちの、前記選択画像として選択されなかった他の画像に反映させる
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関し、特に、多くの撮影画像の写りの調整を効率的に行うことができるようにした情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
証明写真機やゲームセンターに設置されるプリントシール機などの撮影装置においては、撮影後の画像の写りをユーザが自分で調整できるようになっている。ユーザは、シール紙などに印刷された状態で受け取ることになる画像の写りを1枚ずつ好みに応じて調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-120654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
50枚や100枚といったような多くの画像の写りを1枚ずつ調整することは煩雑である。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、多くの撮影画像の写りの調整を効率的に行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一側面の情報処理装置は、第1のモードが選択された場合、加工対象とする画像を撮影済みの画像の中から選択することに用いられる選択画面を表示させ、加工対象とする画像である選択画像が被写体の人物自身によって選択された後、それぞれの前記選択画像に対する加工の内容の選択に用いられる加工画面を表示させる表示制御部と、前記加工画面に対する前記人物の操作に応じて、それぞれの前記選択画像に加工を施す画像処理部とを備え、前記画像処理部は、前記第1のモードを用いた加工が行われた後に第2のモードが選択された場合、前記人物により選択された加工の内容を、撮影済みの画像のうちの、前記選択画像として選択されなかった他の画像に反映させる反映処理を実行する。
【0007】
本技術の一側面においては、第1のモードが選択された場合、加工対象とする画像を撮影済みの画像の中から選択することに用いられる選択画面が表示され、加工対象とする画像である選択画像が被写体の人物自身によって選択された後、それぞれの選択画像に対する加工の内容の選択に用いられる加工画面が表示される。また、加工画面に対する人物の操作に応じて、それぞれの選択画像に加工が施され、第1のモードを用いた加工が行われた後に第2のモードが選択された場合、人物により選択された加工の内容が、撮影済みの画像のうちの、選択画像として選択されなかった他の画像に反映される。
【発明の効果】
【0008】
本技術によれば、多くの撮影画像の写りの調整を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】撮影スタジオにおける作業の流れを示す図である。
図2】撮影画像の提供の例を示す図である。
図3】レタッチ画面の例を示す図である。
図4】レタッチ選択領域の表示を拡大して示す図である。
図5】レタッチパラメータの適用の例を示す図である。
図6】動作モードの選択画面の例を示す図である。
図7】作業の流れを示す図である。
図8】作業の流れを示す他の図である。
図9】レタッチ用PCの構成例を示すブロック図である。
図10】レタッチ用PCの機能構成例を示すブロック図である。
図11】管理ファイルの例を示す図である。
図12】接客モード時の処理を説明するフローチャートである。
図13】書き出しモード時の処理について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<<撮影スタジオでの作業の流れ>>
図1は、撮影スタジオにおける作業の流れを示す図である。
【0011】
本技術は、例えばウェディングの記念撮影を行う撮影スタジオにおいて用いられる。本技術は、入学/卒業の記念写真、成人式の記念写真、七五三の記念写真などの、各種のイベントの記念写真の撮影を行う場合にも適用可能である。
【0012】
図1の左側に示すように、撮影スタジオにおける撮影はカメラマンにより行われる。図1の例においては、背景スクリーンの前に立つ新郎と新婦を被写体として撮影が行われている。新郎はタキシード姿であり、新婦はウェディングドレス姿である。新郎と新婦の周りには、カメラマンによる撮影にあわせて発光するストロボ装置などの機材が配置される。新郎新婦などの撮影が撮影スタジオの外で行われるようにしてもよい。
【0013】
カメラマンによる撮影は、構図を変えて、50枚、100枚などの多くの枚数の静止画像(写真)を撮影するようにして行われる。静止画像の構図は、新郎と新婦のポーズ、新郎、新婦とカメラマンとの位置関係、焦点距離などのカメラパラメータなどにより決定される。カメラマンにより撮影された静止画像である撮影画像は、カメラに接続された図示せぬPCに転送され、保存される。
【0014】
撮影が終了した後、新郎と新婦は、撮影スタジオに用意されたレタッチスペースに移動し、図1の右側に示すように、レタッチ用PC1を利用して、カメラマンに撮影してもらった撮影画像を確認する。
【0015】
また、新郎と新婦は、レタッチ用PC1のユーザとして、例えば最終的に印刷してもらう枚数の撮影画像を選択し、自らレタッチすることによって、それぞれの撮影画像の写りを調整する。カメラマンにより撮影してもらった撮影画像の中から選択された一部の撮影画像を対象としてレタッチが行われる。例えば、ユーザが申し込んだプランに応じた、5枚、10枚などの所定の枚数の撮影画像がレタッチ対象の画像として選択される。レタッチ(加工)には、撮影画像の写りを調整するための各種の画像処理が含まれる。
【0016】
レタッチスペースには、1台、または複数台のレタッチ用PC1が用意される。保存用のPCに保存された撮影画像がレタッチ用PC1に転送され、レタッチ用PC1のディスプレイ11に表示される。レタッチ用PC1には、カメラマンに撮影してもらった撮影画像をレタッチすることに用いられるアプリケーションであるレタッチアプリ1Aがインストールされている。
【0017】
このように、本技術を適用したレタッチ用PC1が設置された撮影スタジオにおいては、カメラマンに撮影してもらった撮影画像のレタッチがユーザ(新郎と新婦)自身により行われる。ユーザは、レタッチアプリ1Aの機能を利用して、自分の好みの写りとなるように撮影画像のレタッチを行うことができる。タブレット端末などの、PCとは異なる端末にレタッチアプリ1Aがインストールされ、レタッチに用いられるようにしてもよい。
【0018】
図2は、撮影画像の提供の例を示す図である。
【0019】
レタッチアプリ1Aによるレタッチ済みの撮影画像は、撮影スタジオの運営会社により印刷され、矢印#1に示すように、例えばアルバムなどの形で後日ユーザに渡される。
【0020】
また、レタッチ済みの撮影画像は、矢印#2に示すように、レタッチ用PC1から画像管理サーバ2にアップロードされ、画像管理サーバ2において管理される。画像管理サーバ2は、例えばインターネット上のサーバである。撮影スタジオの運営会社により、または、撮影スタジオの運営会社とは異なる事業者により画像管理サーバ2が管理される。
【0021】
ユーザは、スマートフォンなどの自分の携帯端末3を操作し、画像管理アプリ3Aを操作することによって、矢印#3に示すように、自分たちが被写体となって撮影してもらった撮影画像を閲覧したり、ダウンロードしたりすることができる。画像管理アプリ3Aは、画像管理サーバ2において管理されている撮影画像の閲覧等を行うためのアプリケーションである。画像管理アプリ3Aは、例えば、画像管理サーバ2を管理する事業者により提供される。
【0022】
撮影スタジオにおいて撮影された撮影画像の提供は、アルバムの形で行われるとともに、適宜、データの形で行われることになる。データでの撮影画像の提供が、アルバムの料金とは別料金で可能となるようにしてもよい。
【0023】
データでの撮影画像の提供は、ユーザによりレタッチが行われた撮影画像だけでなく、レタッチ対象としてユーザにより選択されなかった撮影画像をも提供するようにして行われる。レタッチ対象としてユーザにより選択されなかった撮影画像については、後述するように、ユーザの操作によらずに、レタッチアプリ1Aによって自動的にレタッチが行われる。
【0024】
ユーザは、レタッチ対象として選択しなかった撮影画像についても、データの形で受け取ることが可能となる。画像管理アプリ3Aを用いるのではなく、ブラウザを利用して所定のサイトにアクセスし、画像管理サーバ2において管理されている撮影画像を受け取ることができるようにしてもよい。例えば、画像管理サーバ2の管理者が提供する画像提供サービスの会員登録を行うことにより、ユーザは、画像管理サーバ2において管理されている撮影画像を、画像管理アプリ3Aを利用して、または、ブラウザを利用して受け取ることが可能となる。
【0025】
携帯端末3ではなく、タブレット端末やPCなどの他の端末を利用して撮影画像を受け取ることができるようにしてもよい。
【0026】
<<レタッチアプリについて>>
<画面表示>
・レタッチ画面
図3は、レタッチ画面の例を示す図である。
【0027】
撮影画像のレタッチに用いられる画面であるレタッチ画面の中央上方には表示領域31が形成される。表示領域31は、いまレタッチ対象となっている1枚の撮影画像が拡大表示される領域である。表示領域31の左側に形成されたサムネイル領域32には、ユーザにより選択された撮影画像のサムネイル画像が表示される。図3の例においては、撮影画像P1乃至P5の5枚の撮影画像のサムネイル画像が表示されている。サムネイル画像を用いて選択された撮影画像P1が、表示領域31に拡大表示される。
【0028】
レタッチ画面の下には横長のレタッチ選択領域33が形成される。レタッチ選択領域33に表示されたボタンを用いて、レタッチの内容が選択される。レタッチ選択領域33に表示されたボタンを用いてレタッチの内容が選択される毎に、選択された内容が表示領域31の表示に反映される。ユーザは、表示領域31の表示を見ながら、いまレタッチ対象となっている撮影画像に施すレタッチの内容をレタッチ選択領域33の表示を用いて選択することになる。
【0029】
図4は、レタッチ選択領域33の表示を拡大して示す図である。
【0030】
レタッチ選択領域33は、顔・体全体の調整に用いられる情報の表示領域である領域33-1、目元・メイクの調整に用いられる情報の表示領域である領域33-2、および、明るさの調整に用いられる情報の表示領域である領域33-3から形成される。
【0031】
レタッチ選択領域33の左側に形成された領域33-1には、小顔感の調整に用いられる調整ボタン51、顔の形の調整に用いられる調整ボタン52、肌質の調整に用いられる調整ボタン53、あごの長さの調整に用いられる調整ボタン54、スタイルの調整(スタイルアップ)に用いられる調整ボタン55が表示される。
【0032】
小顔感として、5段階のレベル(調整度合い)が用意される。小顔感の「0」は、顔の大きさを変えないで、オリジナルの大きさのままとすることを表す。また、小顔感の「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、顔の大きさを1段階小さくすることを表す。ユーザは、「1」乃至「4」のいずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の顔の大きさを調整することができる。
【0033】
顔の形として、「まる」、「たまご」、「ほっそり」が用意される。ユーザはいずれかの形を選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の顔の形を調整することができる。「レタッチなし」を選択することにより、顔の形を変えないことも可能とされる。
【0034】
肌質として、5段階のレベルが用意される。肌質の「0」は、肌質を変えないで、オリジナルの肌質のままとすることを表す。また、肌質の「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、肌質のレベルを1段階上げることを表す。ユーザは、「1」乃至「4」のいずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の肌質の滑らかさの程度を調整することができる。
【0035】
あごの長さとして、3段階のレベルが用意される。あごの長さの「0」は加工なし、すなわちあごの長さを変えないで、オリジナルの長さのままとすることを表す。また、あごの長さの「短い」は、「短い」に対応するパラメータに基づいて加工を行い、あごの長さを1段階短くすることを表す。ユーザは、いずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分のあごの長さを調整することができる。
【0036】
スタイルアップとして、3段階のレベルが用意とされる。スタイルアップの「0」は加工なし、すなわちスタイルを変えないで、オリジナルのスタイルのままとすることを表す。また、スタイルアップの「弱い」は、「弱い」に対応するパラメータに基づいて、足を長くするなどの加工を行い、全身のバランスを1段階よくすることを表す。ユーザは、いずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分のスタイルを調整することができる。
【0037】
レタッチ選択領域33の中央に形成された領域33-2には、目の大きさの調整に用いられる調整ボタン56、目の形の調整に用いられる調整ボタン57、メイクの濃さの調整に用いられる調整ボタン58、鼻筋の調整に用いられる調整ボタン59、ひげ消しの調整に用いられる調整ボタン60が表示される。
【0038】
目の大きさとして、5段階のレベルが用意される。目の大きさの「0」は加工なし、すなわち目の大きさを変えないで、オリジナルの大きさのままとすることを表す。また、目の大きさの「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、目の大きさを1段階大きくすることを表す。ユーザは、「1」乃至「4」のいずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の目の大きさを調整することができる。
【0039】
目の形として、「まる目」、「たれ目」、「ねこ目」が用意される。ユーザは、いずれかの形を選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の目の形を調整することができる。「加工なし」を選択することにより、目の形を変えないことも可能とされる。
【0040】
メイクの濃さとして、5段階のレベルが用意される。メイクの濃さの「0」は、メイクの濃さを変えないで、オリジナルの濃さのままとすることを表す。また、メイクの濃さの「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、メイクの濃さを1段階濃くすることを表す。ユーザは、「1」乃至「4」のいずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分のメイクの濃さを調整することができる。
【0041】
鼻筋として、オン/オフを選択することが可能とされる。ユーザは、オンまたはオフを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の鼻筋のハイライト部分を強調するか、オリジナルの状態のままとするかを選択することができる。
【0042】
ひげ消しとして、3段階のレベルが用意される。ひげ消しの「0」は、ひげを変えないで、オリジナルのひげのままとすることを表す。また、ひげ消しの「弱い」は、「弱い」に対応するパラメータに基づいて加工を行い、ひげを1段階薄くすることを表す。ユーザは、いずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分のひげの濃さを調整することができる。ひげ消しの機能は、レタッチ対象の人物が新郎である場合に有効となる。
【0043】
レタッチ選択領域33の右側に形成された領域33-3には、肌の明るさの調整に用いられる調整ボタン61、全体の明るさの調整に用いられる調整ボタン62、背景のみの明るさの調整に用いられる調整ボタン63が表示される。
【0044】
肌の明るさとして、3段階のレベルが用意される。肌の明るさの「0」は、肌の明るさを変えないで、オリジナルの明るさのままとすることを表す。また、肌の明るさの「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、肌の明るさのレベルを1段階上げることを表す。ユーザは、いずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の肌の明るさを調整することができる。
【0045】
全体の明るさとして、3段階のレベルが用意される。全体の明るさの「0」は、全体の明るさを変えないで、オリジナルの明るさのままとすることを表す。また、全体の明るさの「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、全体の明るさのレベルを1段階上げることを表す。ユーザは、いずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る全体の明るさを調整することができる。
【0046】
背景の明るさとして、3段階のレベルが用意される。背景の明るさの「0」は、背景の明るさを変えないで、オリジナルの明るさのままとすることを表す。また、背景の明るさの「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、背景の明るさのレベルを1段階上げることを表す。ユーザは、いずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る背景の明るさを調整することができる。
【0047】
図3の説明に戻り、表示領域31の左側には一括レタッチに用いられる一括レタッチボタン34が表示される。一括レタッチは、上述したような各種のレタッチ内容の組み合わせを一括して選択する機能である。
【0048】
図3の例においては、レタッチ内容のレベルの組み合わせが異なる3種類のレベルの一括レタッチの中からいずれかのレベルを選択することができるようになっている。ユーザは、一括レタッチの機能を利用することにより、それぞれのレタッチ内容をレタッチ選択領域33の表示を用いて選択することなく、一度の操作で選択することができる。
【0049】
表示領域31の右側には加工前ボタン35が表示される。加工前ボタン35は、表示領域31の表示を、レタッチ前の状態に切り替えるときに操作されるボタンである。加工前ボタン35が押下されている間、レタッチ前の状態の撮影画像が表示領域31に表示される。ユーザは、加工前ボタン35を用いることにより、レタッチ後の状態とレタッチ前の状態とを見比べ、レタッチの度合いが強すぎないかどうかなどを確認することができる。
【0050】
加工前ボタン35の下には、レタッチ対象とする人物の選択に用いられる人物選択ボタン36が表示される。ユーザは、人物選択ボタン36を用いることにより、撮影画像の左側に写る人物のみ、右側に写る人物のみ、2人とも、のいずれかを選択してレタッチを施すことができる。撮影画像に対して顔認識などが行われ、レタッチの画像処理の対象となる人物がユーザの操作に応じて選択される。
【0051】
ユーザは、このような各種の機能を用いて、表示領域31に表示させている撮影画像に施すレタッチの内容を選択することができる。このように、レタッチアプリ1Aを用いて行うことができるレタッチには、顔・体全体の調整、目元・メイクの調整、明るさの調整が少なくとも含まれる。
【0052】
レタッチ対象とする撮影画像がサムネイル画像を用いて切り替えられ、撮影画像P1乃至P5のそれぞれのレタッチが順次行われる。撮影画像P1乃至P5のそれぞれのレタッチが終わったとき、レタッチ画面を用いたレタッチが終了となる。
【0053】
<全数反映>
図5は、レタッチパラメータの適用の例を示す図である。
【0054】
図5に示すように、ユーザによる操作によって撮影画像P1乃至P5のそれぞれに施されたレタッチの内容が全ての未選択画像に反映される。未選択画像は、レタッチ対象として選択されなかった撮影画像である。画像選択画面においてレタッチ対象として選択された撮影画像は、選択画像となる。例えば、100枚の撮影画像の中から5枚の撮影画像が選択画像として選択された場合、残りの95枚の撮影画像が未選択画像となる。
【0055】
すなわち、プランに応じた枚数の分だけレタッチ対象として選択された撮影画像(選択画像)のレタッチが、レタッチ画面を用いてユーザにより直接選択された内容に従って行われるのに対して、レタッチ対象として選択されなかった未選択画像のレタッチは、違う画像である選択画像を対象として選択された内容を自動的に反映させるようにして行われる。例えば、全ての未選択画像に対して、選択画像のレタッチの内容が反映される。
【0056】
このように、ユーザ自身によるレタッチの後、選択画像のレタッチの内容を未選択画像に反映させる機能である全数反映の機能がレタッチアプリ1Aに用意される。
【0057】
ブライダル写真などのイベントの撮影においては、通常、数百枚分などの多くの撮影が行われる。カメラマンに撮影してもらった全ての画像のレタッチをユーザが自ら手動で行うのは負担が大きい。選択画像のレタッチの内容が全ての未選択画像に反映されるようにすることにより、ユーザは、撮影してもらった全ての画像を、自分の好みの写りに調整された状態で受け取ることができる。
【0058】
レタッチ済みの撮影画像P1乃至P5のうちのどの撮影画像のレタッチの内容をどの未選択画像に対して反映させるかが、同じ人物が写っているかどうか、顔の大きさが同程度の大きさであるかどうかなどの、選択画像と未選択画像のそれぞれの特徴によって選択される。例えば、ある未選択画像に対しては、その未選択画像に写っている人物と同じ人物の顔が同程度の大きさで写っている選択画像のレタッチの内容が反映される。
【0059】
この場合、それぞれの撮影画像(選択画像と未選択画像)に写る人物の人数、顔のサイズなどの特徴が認識される。それぞれの未選択画像に対して、同じ特徴を有する選択画像のレタッチの内容が反映される。
【0060】
レタッチアプリ1Aには、このような撮影画像の特徴を認識する機能も搭載される。サイズだけでなく、顔の向きなどの他の顔の状態が認識されるようにしてもよい。また、人物の性別、年齢、撮影場所(屋外/屋内)などの、他の種類の特徴が認識されるようにしてもよい。
【0061】
<接客モードと書き出しモード>
レタッチアプリ1Aの動作モードとして接客モードと書き出しモードが用意される。接客モードは、レタッチ画面を用いたレタッチをユーザが行うときに選択される動作モードである。書き出しモードは、全数反映を行うときに選択される動作モードである。
【0062】
図6は、動作モードの選択画面の例を示す図である。
【0063】
選択画面には、接客モードを選択するときに操作されるボタン81と、書き出しモードを選択するときに操作されるボタン82が表示される。あるユーザにレタッチを行ってもらう場合、例えば撮影スタジオのスタッフは、図6に示すような選択画面を用いて接客モードを選択し、ユーザにレタッチを行ってもらうことになる。また、ユーザによるレタッチの終了後、撮影スタジオのスタッフは、書き出しモードを選択し、全数反映を行うことになる。
【0064】
図7は、あるユーザを対象とした作業の流れを示す図である。
【0065】
図7に示すように、ユーザを被写体としたカメラマンによる撮影が行われ、その後、レタッチアプリ1Aの接客モードを利用して、ユーザによるレタッチが行われる。ユーザによるレタッチの終了後、書き出しモードを利用して、スタッフによる全数反映が行われる。
【0066】
上述したように、1回の撮影で数百枚の撮影が行われるため、全数反映は、レタッチ用PC1の処理負担が大きく、かつ、時間がかかる処理となる。書き出しモードを用意し、書き出しモードが選択されてから全数反映が行われるようにすることにより、レタッチの終了直後に全数反映が自動的に開始されてしまい、それによって次のユーザのレタッチを開始させることができないといった状態になるのを防ぐことが可能となる。
【0067】
すなわち、図8に示すように、複数のユーザ(新郎新婦の複数のペア)の分の全数反映を、全てのユーザのレタッチの終了後に行うことが可能となる。
【0068】
図8の例においては、ある新郎新婦のペアであるユーザ#1の撮影後にユーザ#1によるレタッチが行われ、その後、違う新郎新婦のペアであるユーザ#2の撮影と、ユーザ#2によるレタッチが行われている。ユーザ#2のレタッチの後、さらに、違う新郎新婦のペアをユーザとした撮影と、そのユーザによるレタッチが行われる。ユーザ#1によるレタッチとユーザ#2の撮影が並行して行われるといったように、あるユーザの作業は、適宜、他のユーザの作業と並行して行われる。
【0069】
例えば全てのユーザの撮影とレタッチが終了した後、書き出しモードを利用して、それぞれのユーザの分の全数反映が行われる。図8の例においては、ユーザ#1の分の全数反映の後に、ユーザ#2の分の全数反映が行われている。
【0070】
このように、複数のユーザの分の全数反映をまとめて実行させることができるようにすることにより、レタッチが行われる毎に全数反映を実行する場合と較べて、全体のオペレーションの効率化を図ることが可能となる。
【0071】
<<レタッチ用PC1の構成と動作>>
<レタッチ用PC1の構成>
図9は、レタッチ用PC1の構成例を示すブロック図である。
【0072】
CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続される。
【0073】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続される。入出力インタフェース105には、入力部106、出力部107、記録部108、通信部109、およびドライブ110が接続される。
【0074】
入力部106は、キーボード、マウスなどにより構成される。
【0075】
出力部107は、ディスプレイ11などにより構成される。
【0076】
記録部108は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどにより構成される。記録部108は、CPU101が実行するレタッチアプリ1Aなどのプログラム、撮影画像などの各種の情報を記録する。
【0077】
通信部109は、インターネット、LANなどのネットワークに対するインタフェースである。例えば、通信部109は、撮影スタジオのカメラに接続された保存用のPCと通信を行い、保存用のPCから送信されてきた、レタッチを始めようとするユーザが被写体として写る撮影画像を受信する。また、通信部109は、画像管理サーバ2との間でインターネットを介して通信を行い、レタッチ済みの撮影画像を画像管理サーバ2に送信する。
【0078】
ドライブ110は、リムーバブルメディア111に対するデータの書き込み、リムーバブルメディア111からのデータの読み出しを制御する。保存用のPCからの撮影画像の取り込みがリムーバブルメディア111を介して行われるようにしてもよい。
【0079】
図10は、レタッチ用PC1の機能構成例を示すブロック図である。
【0080】
図10に示すように、レタッチ用PC1においては、レタッチアプリ1Aが実行されることにより情報処理部121が実現される。情報処理部121は、画像取得部131、表示制御部132、認識部133、レタッチ処理部134、およびファイル管理部135により構成される。
【0081】
画像取得部131は、接客モード時、全ての撮影画像を記録部108から読み出して取得する。撮影が終了した場合、1組のユーザを被写体として撮影された数百枚などの全ての撮影画像が保存用のPCから転送され、記録部108に記録されている。画像取得部131により取得された撮影画像は、表示制御部132と認識部133に供給される。
【0082】
また、画像取得部131は、書き出しモード時、未選択画像を含む全ての撮影画像を記録部108から読み出して取得し、認識部133に出力する。
【0083】
表示制御部132は、接客モード時、画像取得部131から供給された撮影画像に基づいて画像選択画面を表示させる。また、表示制御部132は、選択画像とする撮影画像が画像選択画面を用いて選択された後、レタッチ画面を表示させ、レタッチ画面の表示を制御する。レタッチ画面を用いたレタッチが行われている間、画像処理の結果の情報がレタッチ処理部134から供給されてくる。
【0084】
認識部133は、接客モード時、画像選択画面を用いて選択されたそれぞれの選択画像の特徴を認識する。具体的には、認識部133は、選択画像に被写体として写るユーザの顔を認識し、認識した顔毎(人物毎)に、性別、年齢などの属性を認識する。顔と属性の認識は、機械学習によって生成された推論モデルを用いて行われる。
【0085】
例えば、認識部133には、撮影画像を入力とし、認識した顔の特徴点の情報を出力とする顔認識用の推論モデルが用意される。顔の特徴点には、顔の輪郭を示す特徴点だけでなく、顔の各部位の位置を示す特徴点も含まれる。また、認識部133には、撮影画像を入力とし、それぞれの人物の属性の情報を出力とする属性認識用の推論モデルが用意される。
【0086】
認識部133による認識が推論モデルを用いて行われるのではなく、画像を解析することによって行われるようにしてもよい。
【0087】
選択画像の特徴の情報は、認識対象となった選択画像とともにレタッチ処理部134とファイル管理部135に供給される。選択画像の特徴には、顔ID、顔の特徴点、顔サイズ、顔の向きの情報が含まれる。顔IDは、認識された顔の識別情報である。顔サイズと顔の向きは、例えば顔の特徴点に基づいて特定される。
【0088】
また、認識部133は、書き出しモード時、それぞれの未選択画像を対象として、接客モード時と同様にして特徴を認識する。認識部133による認識結果の情報は、認識対象となった未選択画像とともにレタッチ処理部134とファイル管理部135に供給される。
【0089】
レタッチ処理部134は、接客モード時、レタッチ画面に対するユーザの操作に応じて、レタッチに関する各種の画像処理を行う。例えば、レタッチ処理部134は、目の大きさや目の形の調整に関する操作が行われた場合、目の輪廓の位置をユーザによる選択内容に応じてずらすなどの画像処理を行う。
【0090】
具体的には、レタッチ処理部134は、調整ボタン56(図4)を用いて、「1」、「2」、「3」、「4」のいずれかのレベルが選択された場合、レタッチ対象となっている人物の目の領域をマスク処理などを行うことによって抽出する。レタッチ処理部134は、抽出した目の領域の画像を、選択されたレベルに応じて拡大させ、拡大後の目の領域の画像を抽出元の位置に貼り付けるようにして目の拡大処理を行う。
【0091】
また、レタッチ処理部134は、メイクの濃さの調整に関する操作が行われた場合、頬の部分に所定の色のチークの画像を合成したり、唇の部分に所定の色の口紅の画像を合成したりする画像処理を行う。
【0092】
レタッチ処理部134は、肌質の調整に関する操作が行われた場合、肌の明るさを調整するなどの画像処理を行う。レタッチ処理部134は、顔の大きさ(小顔感)や顔の形の調整に関する操作が行われた場合、顔の輪廓の位置をユーザによる選択内容に応じてずらすなどの画像処理を行う。
【0093】
具体的には、レタッチ処理部134は、調整ボタン51(図4)を用いて、「1」、「2」、「3」、「4」のいずれかのレベルが選択された場合、レタッチ対象となっている人物の顔の輪郭の各位置を、選択されたレベルに応じて顔の中心方向にずらし、顔を小さくする画像処理を行う。
【0094】
レタッチ処理部134による画像処理の結果を表す情報は、表示制御部132に供給され、レタッチ画面の表示に用いられる。全ての選択画像のレタッチが終了した場合、レタッチ処理部134による画像処理によって生成されたレタッチ済みのそれぞれの選択画像は、レタッチの内容を示す情報とともにファイル管理部135に供給される。
【0095】
また、レタッチ処理部134は、書き出しモード時、レタッチ済みの選択画像に施したレタッチの内容を全ての未選択画像に反映させる。どの選択画像に施したレタッチの内容をどの未選択画像に反映させるのかは、例えば認識部133により認識された特徴に基づいて選択される。全ての未選択画像のレタッチが終了した場合、レタッチ処理部134による画像処理によって生成されたレタッチ済みのそれぞれの未選択画像は、レタッチの内容を示す情報とともにファイル管理部135に供給される。
【0096】
ファイル管理部135は、接客モード時、ユーザによる操作に応じてレタッチが施された選択画像を保存する。レタッチ済みの選択画像のファイルには、認識部133から供給された情報などに基づいて管理ファイルが紐付けられる。
【0097】
図11は、管理ファイルの例を示す図である。
【0098】
図11に示すように、管理ファイルには、画像サイズ、選択フラグ、レタッチ済みフラグの情報が含まれる。選択フラグは、選択画像として選択された撮影画像であるか否かを示すフラグである。レタッチ済みフラグは、レタッチ済みの撮影画像であるか否かを示すフラグである。
【0099】
また、管理ファイルには、顔IDが含まれるとともに、それぞれの顔IDと紐付けて、レタッチパラメータ、性別、年齢、顔サイズ、輪郭点、顔の向きの情報が含まれる。
【0100】
また、ファイル管理部135は、書き出しモード時、レタッチ済みの選択画像の管理ファイルを読み出し、レタッチ処理部134に出力する。レタッチ処理部134に出力された管理ファイルは、選択画像に対して施されたレタッチの内容を特定するために用いられる。また、ファイル管理部135は、全数反映によってレタッチが施された未選択画像を保存する。レタッチ済みの未選択画像のファイルにも、認識部133から供給された情報などに基づいて管理ファイルが紐付けられる。
【0101】
<<レタッチ用PC1の動作>>
ここで、以上のような構成を有するレタッチ用PC1の動作について説明する。
【0102】
<接客モード>
はじめに、図12のフローチャートを参照して、接客モード時の処理について説明する。図12に示す処理は、動作モードの選択画面において接客モードが選択されたときに開始される。
【0103】
ステップS1において、画像取得部131は、レタッチを行うユーザが被写体として写る撮影画像を記録部108から読み出す。例えば数百枚の撮影画像が読み出される。
【0104】
ステップS2において、表示制御部132は画像選択画面を表示する。画像選択画面には、レタッチを行うユーザが被写体として写る全ての撮影画像が表示される。ユーザは、どの撮影画像に対してレタッチを行うかを選択する。
【0105】
ステップS3において、表示制御部132は、画像選択画面に対するユーザによる画像選択を受け付ける。
【0106】
ステップS4において、表示制御部132は、レタッチ対象とする撮影画像の選択が終了したか否かを判定する。5枚、10枚などの規定の枚数の撮影画像が選択されていないことから、レタッチ対象とする撮影画像の選択が終了してないと判定された場合、ステップS2に戻り、レタッチ対象とする撮影画像の選択が続けられる。
【0107】
レタッチ対象とする撮影画像の選択が終了したとステップS4において判定された場合、ステップS5において、認識部133は、レタッチ対象としてユーザにより選択された撮影画像(選択画像)の特徴を認識する。
【0108】
ステップS6において、表示制御部132はレタッチ画面を表示する。
【0109】
ステップS7において、レタッチ処理部134は、レタッチ画面に対するユーザの操作を受け付け、レタッチ対象として選択中の撮影画像に対してユーザの操作に応じた画像処理を施す。
【0110】
ステップS8において、レタッチ処理部134は、レタッチの終了か否かを判定する。全ての選択画像のレタッチが終了していない判定された場合、ステップS6に戻り、レタッチが続けられる。
【0111】
レタッチの終了であるとステップS8において判定された場合、ステップS9において、ファイル管理部135は、それぞれの選択画像の管理ファイルにレタッチパラメータを記録する。ファイル管理部135は、レタッチパラメータが記録された管理ファイルを選択画像と紐付けて記録部108に記録させる。これにより、接客モードの処理が終了となる。
【0112】
<書き出しモード>
次に、図13のフローチャートを参照して、書き出しモード時の処理について説明する。図13に示す処理は、動作モードの選択画面において書き出しモードが選択されたときに開始される。
【0113】
ステップS21において、画像取得部131は、未選択画像を含む全ての撮影画像を記録部108から読み出す。
【0114】
ステップS22において、認識部133は、レタッチパラメータの反映先とする1枚の未選択画像を選択する。
【0115】
ステップS23において、認識部133は未選択画像の特徴を認識する。
【0116】
ステップS24において、レタッチ処理部134は、レタッチパラメータの反映元とする選択画像を、レタッチ済みのそれぞれの選択画像の特徴と、未選択画像の特徴とに基づいて選択する。それぞれの特徴が比較され、例えば、反映先とする未選択画像と同じ人物が写っている選択画像、同じ人数の人物が写っている選択画像、同じ大きさの顔が写っている選択画像などが、レタッチパラメータの反映元とする選択画像として選択される。
【0117】
ブライダル写真などの撮影においては、同じような構図で何枚もの撮影が行われる。通常、未選択画像と同じような構図で新郎や新婦が写る選択画像がレタッチ済みの選択画像の中に含まれており、そのような選択画像が、レタッチパラメータの反映元とする選択画像として選択される。
【0118】
後述するように、レタッチパラメータの反映元とする選択画像として複数枚の選択画像が適宜選択される。
【0119】
ステップS25において、レタッチ処理部134は、反映元として選択した選択画像のレタッチパラメータを未選択画像に反映させる。これにより、反映元として選択した選択画像に対して施された画像処理と同じ処理が、反映先の未選択画像に対して施される。レタッチパラメータが反映された未選択画像は、レタッチパラメータを記録した管理ファイルとともに記録される。
【0120】
ステップS26において、レタッチ処理部134は、全ての未選択画像への反映が終了したか否かを判定する。全ての未選択画像への反映が終了していないと判定された場合、ステップS22に戻り、未選択画像を切り替えて上述した処理が続けられる。
【0121】
全ての未選択画像への反映が終了したとステップS26において判定された場合、書き出しモードの処理は終了となる。
【0122】
・レタッチパラメータの反映の具体例
それぞれの未選択画像を反映先としたときの反映元の選択画像の選択の具体例について説明する。以下のように、画像A乃至Eの5枚のレタッチ済みの選択画像があり、画像#1乃至#6の6枚の未選択画像に対する反映元を選択する場合について説明する。実際には、さらに多くの未選択画像が存在する。
【0123】
レタッチ済みの選択画像
画像A:男性(顔サイズ20%)、女性(顔サイズ18%)
画像B:男性(顔サイズ10%)、女性(顔サイズ8%)
画像C:女性(顔サイズ13%)
画像D:男性(顔サイズ15%)
画像E:男性(横顔)、女性(横顔)
【0124】
未選択画像(一部)
画像#1:男性(顔サイズ22%)、女性(顔サイズ20%)
画像#2:男性(顔サイズ11%)、女性(顔サイズ9%)
画像#3:男性(顔サイズ12%)、女性(顔サイズ12%)
画像#4:男性(顔サイズ17%)、女性(顔サイズ17%)
画像#5:女性(顔サイズ5%)
画像#6:男性(顔サイズ25%)
【0125】
例えば、画像Aは、男性(新郎)と女性(新婦)が写っており、画像全体のサイズに対するそれぞれの顔のサイズが20%、18%の画像である。また、画像Cは、女性(新婦)が1人で写っており、画像全体のサイズに対する顔のサイズが13%の画像である。画像Eは、男性(新郎)と女性(新婦)が写っており、それぞれの顔が横を向いている画像である。それぞれの画像に写っている内容が、それぞれの画像の特徴に基づいて特定される。
【0126】
この場合、画像#1に写る男性のレタッチは、画像Aに写る男性に対して施されたレタッチと同じ内容のレタッチを施すようにして行われる。また、画像#1に写る女性のレタッチは、画像Aに写る女性に対して施されたレタッチと同じ内容のレタッチを施すようにして行われる。画像Aを反映元とすることは、例えば、画像Aに写る新郎と新婦のそれぞれの顔サイズが、反映先の画像#1に写る同一人物の顔サイズに近いことに基づいて選択される。
【0127】
同様に、画像#2に写る男性のレタッチは、画像Bに写る男性に対して施されたレタッチと同じ内容のレタッチを施すようにして行われる。また、画像#2に写る女性のレタッチは、画像Bに写る女性に対して施されたレタッチと同じ内容のレタッチを施すようにして行われる。画像Bを反映元とすることは、例えば、画像Bに写る新郎と新婦のそれぞれの顔サイズが、反映先の画像#2に写る同一人物の顔サイズに近いことに基づいて選択される。
【0128】
画像#3に写る男性のレタッチは、画像Bに写る男性に対して施されたレタッチと同じ内容のレタッチを施すようにして行われる。また、画像#3に写る女性のレタッチは、画像Cに写る女性に対して施されたレタッチと同じ内容のレタッチを施すようにして行われる。画像B、画像Cを反映元とすることは、例えば、画像Bに写る新郎と画像Cに写る新婦のそれぞれの顔サイズが、反映先の画像#3に写る同一人物の顔サイズに近いことに基づいて選択される。
【0129】
画像#4に写る男性のレタッチは、画像Dに写る男性に対して施されたレタッチと同じ内容のレタッチを施すようにして行われる。また、画像#4に写る女性のレタッチは、画像Aに写る女性に対して施されたレタッチと同じ内容のレタッチを施すようにして行われる。画像D、画像Aを反映元とすることは、例えば、画像Dに写る新郎と画像Aに写る新婦のそれぞれの顔サイズが、反映先の画像#4に写る同一人物の顔サイズに近いことに基づいて選択される。
【0130】
画像#5に写る女性のレタッチは、画像Bに写る女性に対して施されたレタッチと同じ内容のレタッチを施すようにして行われる。画像Bを反映元とすることは、例えば、画像Bに写る新婦の顔サイズが、反映先の画像#5に写る同一人物の顔サイズに近いことに基づいて選択される。
【0131】
画像#6に写る男性のレタッチは、画像Aに写る男性に対して施されたレタッチと同じ内容のレタッチを施すようにして行われる。画像Aを反映元とすることは、例えば、画像Aに写る新郎の顔サイズが、反映先の画像に写る同一人物の顔サイズに近いことに基づいて選択される。
【0132】
このように、横顔が写っているレタッチ済みの選択画像である画像Eは、レタッチパラメータの反映元の画像としては用いられない。横顔の人物が写る選択画像以外の選択画像が反映元の画像として選択される。
【0133】
同一人物の顔サイズが最も近い選択画像が反映元として選択されるものとしたが、未選択画像に写る人物の顔のサイズを基準として、所定の範囲内のサイズの顔が写る選択画像が反映元として選択されるようにしてもよい。
【0134】
また、反映元とする選択画像が性別、顔サイズ、顔の向きに基づいて選択される場合について説明したが、構図、画像の明るさなどの、画像の他の種類の特徴に基づいて選択されるようにしてもよい。
【0135】
このようにして全数反映によってレタッチが施された撮影画像は、ユーザが手動でレタッチを施した撮影画像(選択画像)とともに保存される。保存されたレタッチ済みの全ての撮影画像は、例えば画像管理サーバ2に送信され、画像管理サーバ2経由でユーザに提供される。
【0136】
<<その他>>
接客モードの処理と書き出しモードの処理が同じ装置であるレタッチ用PC1により行われるものとしたが、それぞれの処理が異なる装置により行われるようにしてもよい。また、接客モードの処理と書き出しモードの処理のうちの少なくとも一方が、インターネット上のサーバにおいて行われるようにしてもよい。
【0137】
・プログラムについて
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、汎用のパーソナルコンピュータなどにインストールされる。
【0138】
インストールされるプログラムは、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)や半導体メモリなどよりなる図10に示されるリムーバブルメディア111に記録して提供される。また、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供されるようにしてもよい。プログラムは、ROM102や記録部108に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0139】
コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0140】
本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0141】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0142】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0143】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0144】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【符号の説明】
【0145】
1 レタッチ用PC, 2 画像管理サーバ, 3 携帯端末, 11 ディスプレイ, 121 情報処理部, 131 画像取得部, 132 表示制御部, 133 認識部, 134 レタッチ処理部, 135 ファイル管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13