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特開2024-82678配線ダクト、プラグ装置、及び配線システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082678
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】配線ダクト、プラグ装置、及び配線システム
(51)【国際特許分類】
   H01R 41/00 20060101AFI20240613BHJP
   H01R 25/14 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
H01R41/00 G
H01R25/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196693
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】322003732
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野 紳一郎
(72)【発明者】
【氏名】笹田 基弘
(72)【発明者】
【氏名】草川 隆司
(72)【発明者】
【氏名】山本 純輝
(72)【発明者】
【氏名】石田 亮介
(72)【発明者】
【氏名】宮本 賢吾
(57)【要約】
【課題】ダクト部の厚みを薄くすることができる配線ダクトを提供する。
【解決手段】配線ダクト100は、長尺であるハウジング10と、ハウジング10内に保持されている複数の導体20と、を備える。ハウジング10の外面が、長さ方向と平行な設置面14を含み、かつハウジング10は、2つのダクト部12を備える。2つのダクト部12は、長さ方向と、設置面14と直交する方向とのいずれとも直交する方向に間隔を空けて並ぶ。ダクト部12の各々は、保持空間17と、ダクト部12における長さ方向と設置面14と直交する方向とのいずれとも直交する方向の一方を向く面で開口し、保持空間と前記ダクト部の外部とを通じさせる連通口18と、を備える。導体20は、2つのダクト部12の各々における保持空間17に保持されている伝送用導体201を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺であるハウジングと、前記ハウジング内に保持されている複数の導体と、を備え、
前記ハウジングの外面が、長さ方向と平行な設置面を含み、かつ前記ハウジングは、2つのダクト部を備え、
前記ダクト部の各々は、前記ハウジングの長さ方向に長尺であり、
前記2つのダクト部は、前記長さ方向と、前記設置面と直交する方向とのいずれとも直交する方向に間隔を空けて並び、
前記ダクト部の各々は、保持空間と、前記ダクト部における前記長さ方向と前記設置面と直交する方向とのいずれとも直交する方向の一方を向く面で開口し、前記保持空間と前記ダクト部の外部とを通じさせる連通口と、を備え、
前記導体は、前記2つのダクト部の各々における前記保持空間に保持されている伝送用導体を含む、
配線ダクト。
【請求項2】
前記ダクト部の前記保持空間に保持されている前記伝送用導体の各々は、前記設置面と直交する方向に対向し合う2つの板バネを備える、
請求項1に記載の配線ダクト。
【請求項3】
前記伝送用導体の各々は、1つの導体板で構成されている、
請求項1に記載の配線ダクト。
【請求項4】
配線ダクトに接続されるプラグ装置であり、
前記プラグ装置は、取付面を有する本体ハウジングと、前記取付面を介して前記本体ハウジングと対向する位置にある2つの端子部と、を備え、
前記端子部の各々は、基部と、前記基部から突出する接続端子とを備え、
前記接続端子は、前記取付面と平行な一方向の同じ向きに突出し、
前記本体ハウジングに対する前記端子部の、前記接続端子が突出する方向における位置は、互いに異なる、
プラグ装置。
【請求項5】
前記2つの端子部は、前記取付面と平行であり、かつ前記接続端子が突出する方向とは直交しない方向に沿って並ぶ、
請求項4に記載のプラグ装置。
【請求項6】
前記2つの端子部は、前記取付面と直交する方向と、前記接続端子が突出する方向との、いずれとも直交する方向における位置が異なる、
請求項4に記載のプラグ装置。
【請求項7】
前記端子部の各々は、1つの導体板で構成されている、
請求項4に記載のプラグ装置。
【請求項8】
前記端子部の各々は、前記取付面と直交する方向に対向し合う2つの板バネを各々備える、
請求項4に記載のプラグ装置。
【請求項9】
請求項1に記載の配線ダクトと、請求項4に記載のプラグ装置と、を備える、
配線システム。
【請求項10】
前記配線ダクトに前記プラグ装置が接続された接続状態で前記本体ハウジングが前記配線ダクトの外側に配置され、
前記接続状態で、前記接続端子は、それぞれ前記伝送用導体と電気的に接続される、
請求項9に記載の配線システム。
【請求項11】
前記接続状態において、
前記プラグ装置は、
前記ダクト部のうち前記連通口が開口する向きとは反対向き側にあるダクト部に接続する前記端子部の、前記ダクト部が並ぶ方向における寸法が、前記2つのダクト部の間隙の、前記長さ方向と前記設置面と直交する方向とのいずれとも直交する方向における寸法以下であり、
かつ前記端子部間の、前記長さ方向と前記設置面と直交する方向とのいずれとも直交する方向における距離が、前記ダクト部のうち前記連通口が開口する向きと同じ側にあるダクト部の、前記長さ方向と前記設置面と直交する方向とのいずれとも直交する方向における寸法以上である、
請求項9に記載の配線システム。
【請求項12】
前記接続状態において、
前記端子部の各々は、前記長さ方向と前記設置面と直交する方向とのいずれとも直交する方向の位置、及び前記長さ方向と平行な方向の位置が互いに異なり、
前記設置面と直交し、かつ前記ダクト部が並ぶ方向とは異なる方向に傾斜する少なくとも1つの方向である傾斜方向における上側の端子部の寸法が、前記2つのダクト部の間隙の、前記長さ方向と前記設置面と直交する方向とのいずれとも直交する方向における寸法以下であり、
前記端子部間の、前記傾斜方向における距離は、前記ダクト部のうち下方側にあるダクト部の、前記上下方向における寸法以上である、
請求項9に記載の配線システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に配線ダクト、プラグ装置、及び配線システムに関し、詳細には電力又は電気信号等の供給経路を構成する配線ダクト、及びプラグ装置、並びに配線ダクトとこれに接続されるプラグ装置とを備える配線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、長手方向に沿った開口を前面に有した配線ダクト本体と、前記配線ダクト本体の一対の内側面に沿って延在する一対の導体と、前記配線ダクト本体の前記開口に対向する底面に当接し前記導体を覆う導体カバーと、を備え、前記開口側から前記底面側へ押圧された前記導体カバーの弾性変形によって前記導体への取付部品の接触を可能とする配線ダクトに、電源用コンセントプラグを接続することが、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-302665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の課題は、ダクト部の厚みを薄くすることができる配線ダクト、及びプラグ装置、並びにこの配線ダクトとこれに接続されるプラグ装置とを備える配線システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る配線ダクトは、長尺であるハウジングと、前記ハウジング内に保持されている複数の導体と、を備える。前記ハウジングの外面が、長さ方向と平行な設置面を含み、かつ前記ハウジングは、2つのダクト部を備える。前記ダクト部の各々は、前記ハウジングの長さ方向に長尺である。前記2つのダクト部は、前記長さ方向と、前記設置面と直交する方向とのいずれとも直交する方向に間隔を空けて並ぶ。前記ダクト部の各々は、保持空間と、前記ダクト部における前記長さ方向と前記設置面と直交する方向とのいずれとも直交する方向の一方を向く面で開口し、前記保持空間と前記ダクト部の外部とを通じさせる連通口と、を備える。前記導体は、前記2つのダクト部の各々における前記保持空間に保持されている伝送用導体を含む。
【0006】
本開示の一態様に係るプラグ装置は、配線ダクトに接続される。前記プラグ装置は、取付面を有する本体ハウジングと、前記取付面を介して前記本体ハウジングと対向する位置にある2つの端子部と、を備える。前記端子部の各々は、基部と、前記基部から突出する接続端子とを備える。前記接続端子は、前記取付面と平行な一方向の同じ向きに突出する。前記本体ハウジングに対する前記端子部の、前記接続端子が突出する方向における位置は、互いに異なる。
【0007】
本開示の一態様に係る配線システムは、前記配線ダクトと、前記配線ダクトに接続されるプラグ装置とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ダクト部の厚みを薄くしうる配線ダクト、及びプラグ装置、並びにこの配線ダクトとこれに接続されるプラグ装置とを備える配線システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る配線ダクトの概略的な正面図である。
図2図2は、同上の配線ダクトの長さ方向の一方向(右側面)から見た概略的な断面図である。
図3図3Aは、第1の実施形態に係るプラグ装置の概略的な正面斜視図である。図3Bは、同上のプラグ装置の概略的な側面図である。図3Cは、同上のプラグ装置の概略的な平面図である。図3Dは、同上のプラグ装置の概略的な背面図である。
図4図4は、第1の実施形態に係るプラグ装置の配線ダクトへの接続状態を示す概略の正面図である。
図5図5は、同上のプラグ装置の配線ダクトへの接続状態を配線ダクトの長さ方向の一方向(右側面)から見た概略的な断面図である。
図6図6は、同上のプラグ装置のロック状態の側面断面図である。
図7図7は、同上のプラグ装置の解除状態の側面断面図である。
図8図8Aから図8Cは、同上の配線システムにおいて、プラグ装置を配線ダクトへ接続する状態を示す概略の右側面断面図である。図8Aは、同上のプラグ装置を配線ダクト内へ配置する前の状態を示す。図8Bは、同上のプラグ装置を配線ダクト内へ配置し接続途中の状態を示す。図8Cは、同上のプラグ装置を配線ダクトに接続した後の状態を示す。
図9図9は、第2の実施形態に係るプラグ装置の概略的な背面図である。
図10図10A及び図10Bは、配線システムにおいて、同上のプラグ装置を配線ダクトへ接続する状態を示す概略の正面図である。図10Aは、同上のプラグ装置を配線ダクト内へ配置した前の状態を示す。図10Bは、同上のプラグ装置を配線ダクト内で回転させる状態の1つを示す。
図11図11A及び図11Bは、同上の配線システムにおいて、同上のプラグ装置を配線ダクトへ接続する状態を示す概略の正面図である。図11Aは、同上のプラグ装置を配線ダクト内で回転させる状態の1つを示す。図11Bは、同上のプラグ装置を配線ダクトに接続した状態を示す。
図12図12は、配線システムの変形例における配線ダクト及びプラグ装置を示す概略の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明者は、配線ダクトの開発にあたり、配線ダクトを固定部材としての壁面又は天井面等の固定面に設置する際の固定面に対する固定面方向のスペースをより確保するために、配線ダクトの固定面に対する固定面方向の厚みをより低減できないかという点に着目した。
【0011】
そこで、本開示は、ダクト部の厚みを薄くしうる配線ダクト、及びプラグ装置、並びにこの配線ダクトとこれに接続されるプラグ装置とを備える配線システムを提供する。
【0012】
本開示の実施形態及び変形例について、図1から図12を参照して説明する。なお、下記の実施形態及び変形例は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。また、下記の実施形態及び変形例は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、変形例の構成を適宜組み合わせることも可能である。以下において参照する図は、いずれも模式的な図であり、図中の構成要素の寸法比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0013】
実施形態に係る配線ダクト100は、長尺であるハウジング10と、複数の導体20と、を備える。複数の導体20は、ハウジング10内に保持されている。ハウジング10の外面が、長さ方向と平行な設置面14を含み、かつハウジング10は、2つのダクト部12を備える。ダクト部12の各々は、ハウジング10の長さ方向に長尺である。2つのダクト部12は、長さ方向と、設置面14と直交する方向とのいずれとも直交する方向に間隔を空けて並んでいる。ダクト部12の各々は、保持空間17と、ダクト部12における長さ方向と設置面14と直交する方向とのいずれとも直交する方向の一方を向く面で開口し、保持空間17とダクト部12の外部とを通じさせる連通口18と、を備える。導体20は、2つのダクト部12の各々における保持空間17に保持されている伝送用導体201を含む。
【0014】
このように、本実施形態の配線ダクト100によれば、2つのダクト部12は、長さ方向と、設置面14と直交する方向とのいずれとも直交する方向に間隔を空けて並んでいることで、ダクト部12が配線ダクト100を設置する面を向く方向に並ばないようにでき、また2つのダクト部12各々に伝送用導体201を保持させることができる。このため、実施形態に係る配線ダクト100によれば、配線ダクト100を設置する面を向く方向における厚みを小さくすることができる。
【0015】
配線ダクト100とプラグ装置200とを備える配線システム300は、例えば電気機器等に電力又は電気信号等を供給するために用いられる。
【0016】
配線ダクト100は、例えば建物等の施設内に設置され、電力又は電気信号等の供給経路を構成する。配線ダクト100における適宜の位置に、プラグ装置200を接続することで、配線ダクト100からプラグ装置200へ電力又は電気信号等を供給でき、プラグ装置200に適宜の電気機器等を接続することで電気機器等へ電力又は電気信号等を供給できる。
【0017】
配線ダクト100は、壁、又は天井等の固定部材50の表面に設置されうる。配線ダクト100が壁面に設置される場合は、例えば配線ダクト100の設置面14が壁面に重ねられ、2つのダクト部12と内部空間11とが上下方向上側から順に、一方のダクト部12、内部空間11、及び他方のダクト部12の順に、並んでいる。なお、内部空間11とは、2つのダクト部12の間の間隙を含む空間のことである。この場合、2つのダクト部12のうち上側にある一方のダクト部12における連通口18は内部空間11へ下向きに開口し、2つのダクト部12のうち下側にある他方のダクト部12におけるもう一方の連通口18は、ダクト部12の下方の開放空間110に開口する。この配線ダクト100にプラグ装置200が接続されうる。配線ダクト100を壁面に設置する場合においては、各々の連通口18は下方を向いている。そのため、配線ダクト100内に開口部16から粉塵等が侵入しても、粉塵等はダクト部12に保持されている導体20までは到達しにくい。これにより、粉塵等に起因する導体20間の短絡、プラグ装置200との接触不良などの不具合の発生が抑制される。以下、主として配線ダクト100が壁面に設置され、この配線ダクト100にプラグ装置200が接続される場合の、本実施形態の構成を説明する。ただし、配線ダクト100は、必ずしも壁面に設置されなくてもよく、例えば天井面に設置されることもありうる。
【0018】
以下の説明では、配線ダクト100が壁面に設置され、かつこの配線ダクト100にプラグ装置200が接続された状態での、水平面に対して垂直な方向を「上下方向」、「上下方向」と直交しかつ壁面と平行な方向を「左右方向」、「上下方向」と「左右方向」とのいずれとも直交する方向を「前後方向」と規定する。「上下方向」における上方側の向きを「上向き」、下方側の向きを「下向き」と規定する。「前後方向」における壁面に対する配線ダクト100側の向きを「前向き」、「前向き」とは反対側の向きを「後向き」と規定する。観測者にとっての上及び前が前記の「上向き」及び「前向き」によって定まった場合の、観測者にとっての「左右方向」における左側の向きを「左向き」、右側の向きを「右向き」と、規定する。図面中の「上下方向」、「前後方向」、及び「左右方向」を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。これらの方向の規定は、配線システム300の設置状態を限定する趣旨ではない。
【0019】
なお、壁面に設置されている配線ダクト100におけるハウジング10の長手方向は、「左右方向」と一致する。
【0020】
壁面に設置されている配線ダクト100における設置面14と直交する方向、及びこの配線ダクト100に接続されたプラグ装置200における本体ハウジング30の取付面31が向く側は「前向き」と一致し、端子部32の連結部33と基部34とが並ぶ方向は、「前後方向」と一致する。設置面14と直交する方向における設置面14の向く向きは「後向き」と一致し、この向きとは反対向きは「前向き」と一致する。連結部33と基部34とが並ぶ方向における連結部33に対する基部34側の向きは「後向き」と一致し、基部34に対する連結部33側の向きは「前向き」と一致する。
【0021】
壁面に設置されている配線ダクト100の2つのダクト部12(以下、第1のダクト部12a、及び第2のダクト部12b、ともいう。詳細は後述する。)において、第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間にある内部空間11とが並ぶ方向、及びこの配線ダクト100に接続されたプラグ装置200における接続端子35の突出する方向は、「上下方向」と一致する。2つのダクト部12と内部空間11とが並ぶ方向における内部空間11に対する2つのダクト部12側の向きは「上向き」と一致し、2つのダクト部12に対する内部空間11側の向きは「下向き」と一致する。接続端子35の突出する方向における接続端子35の突出する向きは「上向き」と一致し、この向きとは反対側の向きは「下向き」と一致する。
【0022】
配線ダクト100の実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
【0023】
本実施形態の配線ダクト100は、ハウジング10と、複数の導体20とを備える。複数の導体20は、ハウジング10内に保持されている。複数の導体20は、複数の伝送用導体201と、アース用導体202とを含む。
【0024】
なお、伝送用導体201とは、配線ダクト100が伝送すべき電力又は電気信号等を伝送するための導体である。例えば配線ダクト100が電力を伝送する場合において、送電方式が単相2線式である場合は伝送用導体201の数は2つであり、送電方式が単相3線式又は三相3線式である場合には伝送用導体201の数は3つであり、送電方式が三相4線式である場合は伝送用導体201の数は4つである。本実施形態では伝送用導体201の数は2つである。具体的には、本実施形態では、伝送用導体201は、第1伝送用導体120と、第2伝送用導体220とを含む。
【0025】
ハウジング10は、左右方向に長尺である。ハウジング10は、その外面が、長さ方向と平行な設置面14と、設置面14とは反対側にあり、かつ前方を向く接続面15と、を有している。設置面14は、例えば壁等の固定部材50の壁面等に接触させる面である。接続面15は、プラグ装置200を取り付けて接続状態とする際に、プラグ装置200の本体ハウジング30の取付面31と接触しうる面である。
【0026】
本実施形態では、ハウジング10は、上述のとおり、2つのダクト部12を備えている。ダクト部12の各々は、ハウジング10の長さ方向に長尺である。2つのダクト部12は、左右方向と、設置面14と直交する方向(前後方向)とのいずれとも直交する方向(上下方向)に間隔を空けて並んでいる。また、2つのダクト部12は、ハウジング10の設置面14の向く後向き側とは反対側(前向き側)にある。言い換えれば、2つのダクト部12は、設置面14が設置される固定部材50に対して反対側にある。
【0027】
以下では、2つのダクト部12のうち、上下方向において上方側にあるダクト部12を「第1のダクト部12a」、第1のダクト部12aよりも下方側にあるダクト部12を「第2のダクト部12b」ともいう。第1のダクト部12aの下方の空間で、第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間の間隔に内部空間11がある。本実施形態では、第2のダクト部12bよりも下方には開放空間110があるが、プラグ装置200と接続可能に構成されていれば、これに限定されない。例えば、第2のダクト部12bの下方に、ハウジング10の長さ方向と平行な受け部(不図示)があり、かつこの受け部と第2のダクト部12bとの間の空間が、第2のダクト部12bにおける内部空間(不図示)として形成されていてもよい。なお、開放空間110とは、第2のダクト部12bの下側にあり、第2のダクト部12bの連通口18よりも下側にある空間である。また、開放空間110は、配線ダクト100の構成要素ではない。ただし、上述のように、第2のダクト部12bがその下方に、ハウジング10の長さ方向と平行な受け部を有する場合の上記第2のダクト部12bにおける内部空間は、第2内部空間として配線ダクト100の構成要素となりうる。
【0028】
ダクト部12の各々は、伝送用導体201を保持している。本実施形態では、第1のダクト部12aが、第1伝送用導体120を保持し、第2のダクト部12bが、第2伝送用導体220を保持している。第1伝送用導体120、及び第2伝送用導体220は、各々左右方向に長尺である。
【0029】
ダクト部12の各々は、保持空間17と、ダクト部12における長さ方向(左右方向)と設置面14と直交する方向(上下方向)とのいずれとも直交する方向(前後方向)の一方を向く面で開口し、かつ保持空間17とダクト部12の外部とを通じさせる連通口18と、を備えている。ダクト部12の各々の保持空間17内に伝送用導体201が配置される。各保持空間17は、左右方向に長尺な空間であり、各連通口18は、左右方向に長い開口である。ダクト部12の各々において、各保持空間17は、上下方向に並び、そのため、連通口18も上下方向に並ぶ。このため、保持空間17の各々に保持されている伝送用導体201も上下方向に並んでいる。
【0030】
第1のダクト部12aにおける保持空間17(以下、「第1保持空間117」ともいう。)及び連通口18(以下、「第1連通口118」ともいう。)は、内部空間11と繋がっている。
【0031】
第2のダクト部12bにおける保持空間17(以下、「第2保持空間217」ともいう。)及び連通口18(以下、「第2連通口218」ともいう。)は、第2のダクト部12bの開放空間110と繋がっている。
【0032】
各ダクト部12は、伝送用導体201を保持するための保持部121を各々有していてもよい。この場合、ダクト部12が保持部121を含み、保持部121は、保持空間17、及び連通口18を含む。すなわち、上述のダクト部12に含まれる保持空間17、及び連通口18が保持部121に形成されていればよい。これにより、各ダクト部12において、保持部121が伝送用導体201を保持しうる。以下の説明では、2つのダクト部12において、第1のダクト部12aにおける保持部121を「第1保持部121a」、第2のダクト部12bにおける保持部121を「第2保持部121b」ということがある。
【0033】
ハウジング10は、上述のとおり、接続面15を有し、接続面15には、第1のダクト部12aの第1接続面115と、第2のダクト部12bの第2接続面215とが含まれる。また、ハウジング10は、設置面14を有し、設置面14には、第1のダクト部12aにおける第1設置面114と、第2のダクト部12bにおける第2設置面214とが含まれる。本実施形態では、ダクト部12の各々は、保持部121と外殻部13とを備えている。
【0034】
保持部121には、第1のダクト部12aにおける第1保持部121aと、第2のダクト部12bにおける第2保持部121bとが含まれる。また、外殻部13には、第1のダクト部12aにおける第1外殻部113と、第2のダクト部12bにおける第2外殻部213とが含まれる。外殻部13は左右方向に長尺な筒状である。外殻部13において、第1外殻部113の外面における後向きを向く面が第1設置面114であり、第1設置面114とは反対側にあり、前向きを向く面が第1接続面115である。第2外殻部213の外面における後向きを向く面が第2設置面214であり、第2設置面214とは反対側にあり、前向きを向く面が第2接続面215である。第1のダクト部12aの第1外殻部113の内部における、第1保持部121aより下方の空間が内部空間11である。すなわち、第1保持部121aと内部空間11とが上下方向に並んでいる。
【0035】
なお、例えば図2においては、設置面14は、壁等の固定部材50の壁面を向く面(後向きの面)が面一に構成されているが、これに限られない。
【0036】
本実施形態では、各ダクト部12の外殻部13の外面(ハウジング10の外面)の、左右方向と直交する断面の形状は、前後方向寸法より上下方向寸法が長い矩形状である。各ダクト部12において保持部121は、左右方向に長尺であり、外殻部13の内部における上部に保持されている。第1のダクト部12aの第1外殻部113は、第2のダクト部12bの第2外殻部213よりも上方にある。第1外殻部113、内部空間11、及びと第2外殻部213とは、上側からこの順に並んでいる。また、本実施形態では、第1外殻部113の外面の第1設置面114と、第2外殻部213の外面の第2設置面214とは、上下方向に並んでいる。なお、図2等では、第1設置面114と第2設置面214とは、繋がって一体に形成されているが、これに限られない。
【0037】
なお、第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとは、別部材であってもよく、破壊を伴わずに分離できない一つの部材であってもよく、また外殻部13と保持部121とは、別部材であってもよく、破壊を伴わずに分離できない一つの部材であってもよい。
【0038】
ダクト部12の保持空間17に保持されている伝送用導体201の各々は、設置面14と直交する方向に対向し合う2つの板バネ19を備えている。2つの板バネ19の、上下方向の上方側の端部同士は、連結している。伝送用導体201の各々における2つの板バネ19は、一つの板材で構成されていてもよく、すなわち屈曲した形状の板材の一方の端部側の部分と他方の端部側の部分との各々が、板バネ19であってもよい。後述するとおり、2つの板バネ19の間にプラグ装置200の接続端子35が挟まれることで、伝送用導体201の各々と接続端子35の各々との間での安定した電気的接続が実現されうる。
【0039】
第1伝送用導体120は、第1のダクト部12aにおける第1保持空間117に保持されている。第1のダクト部12aは、第1保持部121a内に第1保持空間117があるため、第1伝送用導体120は、第1のダクト部12aにおける第1保持部121a内にあるともいえる。
【0040】
第2伝送用導体220は、第2のダクト部12bにおける第2保持空間217に保持されている。第2のダクト部12bは、第2保持部121b内に第2保持空間217があるため、第2伝送用導体220は、第2のダクト部12bにおける第2保持部121b内にあるともいえる。
【0041】
ハウジング10は、例えばプラスチックなどの電気絶縁性の材料から作製されるが、これに制限されない。例えば、導体20間の短絡が防止されるならば、ハウジング10の一部が金属などの電気伝導性の材料から作製されていてもよい。
【0042】
ハウジング10は、第1のダクト部12aの第1接続面115と第2のダクト部12bの第2接続面215との間において開口し、内部空間11に通じ、かつ左右方向に沿って長い開口部16を有している。開口部16は、第1のダクト部12aの第1接続面115と第2のダクト部12bの第2接続面215との間で前方に開口し、すなわち配線ダクト100の外部と内部空間11とを前後方向に通じさせる。開口部16は、第1のダクト部12aの接続面15(以下、「第1接続面115」ともいう。)よりも上下方向の下方、及び第2のダクト部12bの接続面15(以下、「第2接続面215」ともいう。)よりも上下方向の上方の位置で開口している。
【0043】
ハウジング10は、アース用導体202を、接続面15で露出するように保持する。本実施形態では、第2のダクト部12bの第2外殻部213がアース用導体202を保持し、アース用導体202は、第2接続面215に露出している。第2接続面215には、凹凸が形成されていている。例えば、第2外殻部213の第2接続面215には、前向きに開口する凹部(第1凹部213b)が形成されており、この第1凹部213bに、アース用導体202が配置される。また、第2外殻部213の第2接続面215には、アース用導体202の下方に、前向きに開口する凹部(第2凹部213d)が形成されている。具体的には、例えば、図2等では、第2外殻部213は、第2のダクト部12bの上下方向における上端側から順に、第1凸部213a、第1凹部213b、第2凸部213c、第2凹部213d、及び第3凸部213eが連続的に形成されている。第1凸部213a、第1凹部213b、第2凸部213c、第2凹部213d、及び第3凸部213eは、いずれも左右方向に長く形成されている。この場合、第2のダクト部12bにおいて、第1凹部213bに、左右方向に長い帯状の形状を有するアース用導体202を配置することができる。さらに、第1凹部213bにアース用導体202が配置されていると、後述のプラグ装置200におけるアース端子335を、アース用導体202に接続させるようにして、配線システム300を構成することができる。なお、アース用導体202を配置する位置は、これに限られない。例えば、アース用導体202を配置する位置は、プラグ装置200の態様に応じて、第1のダクト部12aの外面であってもよい。接続の方法は、配線システム300の説明において詳述する。
【0044】
ハウジング10の外殻部13は、取付孔41を有する。取付孔41は、第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間、すなわち内部空間11の内面における、開口部16と対向する位置に開口し、内部空間11と配線ダクト100の外部とを通じさせる。取付孔41は、配線ダクト100の外部側では、設置面14で開口している。この取付孔41にビスなどの固定具51を挿入することで配線ダクト100を壁面などの構造材の表面に設置できる。また、固定具51を壁などの構造材に打ち込む際、開口部16から工具を配線ダクト100内に入れて作業を行うことが容易である。
【0045】
本実施形態では、配線ダクト100が上記の構成を備えることで、ダクト部12の各々は、ダクト部12が保持する導体120である伝送用導体201を内部空間11又は開放空間110に通じさせる連通口18を各々備え、各々の連通口18は、内部空間11又は開放空間110に向けて、ハウジング10の長さ方向と設置面14と直交する方向とのいずれとも直交する方向に開口する。このため、特に配線ダクト100を上記のように壁面に設置した場合、各々の連通口18は下方を向く。そのため、配線ダクト100内に開口部16から粉塵等が侵入しても、粉塵等はダクト部12に保持されている導体20までは到達しにくい。これにより、粉塵等に起因する導体20間の短絡、プラグ装置200との接触不良などの不具合の発生が抑制される。また、本実施形態では、配線ダクト100を壁等の固定部材50などの構造材に設置する際、構造材に埋め込んでも、開口部16を構造材から露出させることができる。
【0046】
プラグ装置200、及び配線システム300の実施形態について説明する。この実施形態は、下記の第1の実施形態、及び第2の実施形態を含む。
【0047】
本実施形態のプラグ装置200は、上述の配線ダクト100に接続される。例えば、プラグ装置200は、配線ダクト100に接続するために用いられる。
【0048】
プラグ装置200は、本体ハウジング30と、2つの端子部32とを備える。本体ハウジング30は、取付面31を有する。取付面31とは、本体ハウジング30の向く側(前向き側)とは反対側の面である。2つの端子部32は、取付面31を介して本体ハウジング30と対向する位置にある。端子部32の各々は、基部34と、基部34から突出する接続端子35と、を備える。接続端子35は、取付面31と平行な一方向の同じ向きに突出している。本体ハウジング30に対する2つの接続端子35が突出する方向における位置は、互いに異なっている。
【0049】
プラグ装置200は、取付面31において各端子部32と本体ハウジング30とを連結させる連結部33も備える。連結部33は、端子部32に含まれる。すなわち、各端子部32は、連結部33と基部34と接続端子35とを含む。実施形態では、各端子部32における基部34は、連結部33を介して、本体ハウジング30に連結されている。本開示において、2つの端子部32のうち、上下方向において、上方向寄りにある端子部32を「第1の端子部132」、下方向寄りにある端子部32を「第2の端子部232」ともいう。また、第1の端子部132における基部34を「第1基部134」、接続端子35を「第1接続端子135」、第2の端子部232における基部34を「第2基部234」、接続端子35を「第2接続端子235」ともいう。また、第1の端子部132において本体ハウジング30と連結する連結部33を「第1連結部133」、第2の端子部232において本体ハウジング30と連結する連結部33を「第2連結部233」ともいう。第1の端子部132は、第1連結部133と、第1基部134と、第1接続端子135とを有しており、第1連結部133を介して本体ハウジング30と連結している。第2の端子部232は、第2連結部233と、第2基部234と、第2接続端子235とを有しており、第2連結部233を介して本体ハウジング30と連結している。
【0050】
プラグ装置200は、端子部32が設けられている面である取付面31とは反対側(前向き側)の面にコネクタ36、及び差込口136を備える。コネクタ36は、本体ハウジング30に対して固定され、本体ハウジング30における前後方向の前方側を向く面に、コネクタ36の差込口136が開口している。コネクタ36は、このコネクタ36に接続された外部のプラグ(不図示)を通じて、配線システム300が伝送する電力又は電気信号等を配線システム300の外部へ出力しうる。実施形態におけるコネクタ36は、給電用の外部のプラグが接続されるように構成されているが、コネクタ36は、USBポートなどの、電気信号の伝送のためのポートであってもよい。
【0051】
プラグ装置200の本体ハウジング30は、配線ダクト100にプラグ装置200が接続された状態(以下、「接続状態」という。)で、配線ダクト100の外側に配置される。これにより、配線システム300を構成しうる。すなわち、配線システム300は、配線ダクト100と、プラグ装置200と、を備える。この実施形態では、接続状態において、プラグ装置200の第1の端子部132における第1基部134は、配線ダクト100の第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間の内部空間11内に配置される。第2の端子部232における第2基部234は、上下方向において第2のダクト部の第2接続面215の下端よりも下方側に配置される。
【0052】
各端子部32における接続端子35は、接続状態で、配線ダクト100における対応する伝送用導体201の各々と電気的に接続される。本実施形態では、接続端子35の各々の上下方向の上側の端部は、本体ハウジング30の上端よりも突出しないように構成されている。第1接続端子135の上下方向の寸法は、例えば第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間の間隔よりも小さい。接続端子35の各々は、前後方向に厚みを有する一つの導体板である。
【0053】
接続端子35と伝送用導体201とは一対一で対応しており、接続状態において、各接続端子35は、対応する連通口18から対応する保持空間17内に挿入され、対応する伝送用導体201と電気的に接続されている。接続端子35は、伝送用導体201における2つの板バネ19の間に挟まれることで、伝送用導体20に安定して接続されている(図5参照)。
【0054】
図5等に示すように、この実施形態では、本体ハウジング30の上下方向の寸法は、ハウジング10の上下方向の寸法以下である。ここで、ハウジング10の上下方向の寸法とは、ハウジング10の第1接続面115の上向き側の端部(上端)から第2接続面215の下向き側の端部(下端)までの長さをいう。接続状態において、本体ハウジング30の上向き側の端部は、ハウジング10の上向き側の端部よりも上向き側の位置へは配置されず、本体ハウジング30の下向き側の端部は、ハウジング10の下向き側の端部よりも下向き側の位置へは配置されない。このため、接続状態において、プラグ装置200は配線ダクト100に対して収まりよく配置される。
【0055】
第1の実施形態の詳細について、図3Aから図3Dを参照して説明する。
【0056】
第1の実施形態に係るプラグ装置200を、図3Aから図3Dに示す。第1の実施形態では、本体ハウジング30は直方体状であり、本体ハウジング30における6つの面は、接続状態においてそれぞれ上下左右前後を向く。
【0057】
各接続端子35は、いずれも基部24から上向き側に突出している。本実施形態では、端子部32における各々の接続端子35が、取付面31と平行な一方向の同じ向きに突出している。より具体的には、本実施形態では、各々の接続端子35は、配線ダクト100の連通口18と対向する方向に突出している。また、2つの端子部32は、取付面31と平行であり、かつ接続端子35が突出する方向とは直交しない方向に沿って並ぶ。本実施形態では、各々の接続端子35は、接続端子35が突出する方向と同じ軸線上に並んでいる。
【0058】
プラグ装置200は、嵌合凸部37、付勢機構371、操作部38及び変換機構381も備える。
【0059】
嵌合凸部37は、本体ハウジング30の後向き側を向く面から、前後方向の後向きに突出する。接続状態において、嵌合凸部37は、上下方向において、第1の端子部132と第2の端子部232との間に位置する。接続状態において、嵌合凸部37をプラグ装置200の後向き側から前向きに見ると、嵌合凸部37は矩形状であり、嵌合凸部37の上下方向寸法は、開口部16の上下方向寸法以下である。嵌合凸部は37、本体ハウジング30に対して、前後方向に沿って移動可能に構成されている。このため、嵌合凸部37は、前後方向に沿って移動させることにより、配線ダクト100の開口部16に収まるように構成されている。
【0060】
図6及び図7等に示されるように、プラグ装置200は、嵌合部137を備え、この嵌合部137の後向き側の端部が嵌合凸部37である。嵌合部137は本体ハウジング30に保持されている。
【0061】
本体ハウジング30は、後向き側を向く面で開口する凹所311を備える。この凹所311に嵌合部137が挿入され、凹所311の開口から嵌合凸部37が突出している。嵌合部137は凹所311に挿入された状態で前後方向に移動可能であり、そのために嵌合凸部37も前後方向に移動可能である。凹所311の内周面には、凹所311の開口の縁から内側に突出するリブ312が形成されている。嵌合部137の外周面の、嵌合凸部37よりも前向き側の位置には、外側に向かうリブ372が形成されている。凹所311のリブ312にその前向き側から嵌合部137のリブ372が突き当たることが、嵌合部137及び嵌合凸部37の、本体ハウジング30に対する後向き側への移動限界位置を規定する。嵌合凸部37が移動限界位置にあるとき、嵌合凸部37が本体ハウジング30から後向き側に向けて突出する。
【0062】
付勢機構371は、嵌合凸部37に後向きの力をかける。第1の実施形態では、付勢機構371はコイルバネ316で構成される。コイルバネ316は凹所311の底面に形成された保持凹所313と、嵌合部137の前向き側の端面に形成された保持凹所374との間に、前後方向に伸びようとするように保持される。これにより、コイルバネ316が、嵌合部137及び嵌合凸部37に後向き側に向けて力をかける。
【0063】
操作部38及び変換機構381は、操作部38を押す力が変換機構381によって嵌合凸部37を前向き側に向けて移動させる力に変換するように、構成される。第1の実施形態において、操作部38は本体ハウジング30に保持されており、本体ハウジング30の外面から外部に露出している。操作部38は本体ハウジング30に対して前後方向と直交する方向に移動可能であり、かつ本体ハウジング30に向けて押される。第1の実施形態では、操作部38が本体ハウジング30の上向き側を向く面に形成された開口39で露出し、かつ本体ハウジング30に対して上下方向に移動可能である。すなわち、操作部38の移動方向は「上下方向」に一致し、操作部38が押される向きは「下向き」に一致する。開口39の内周面には開口39の内側へ向けて突出するリブ315が形成され、操作部38の外周面には操作部38の外側に向けて突出するリブ318が形成されている。開口39のリブ315にその上向き側から操作部38のリブ318が突き当たることが、操作部38の、本体ハウジング30に対する上向き側への移動限界位置を規定する。
【0064】
操作部38は、その上向き側の端面が、本体ハウジング30内で嵌合部137の外周面に、操作部38の移動する方向に突き当たるように、配置されている。操作部38における嵌合部137と突き当たる面(以下、当接面382という)と、嵌合部137における操作部38の当接面382と突き当たる面(以下、当接面373という)とは、いずれも、操作部38の移動方向と直交する仮想面に対して、嵌合凸部37が突出する側の位置ほど操作部38とは反対側に位置するように、傾斜している。
【0065】
操作部38がプラグ装置200の外部から本体ハウジング30の内側に向けて押されると、それに応じて、図7に示すように、操作部38が上下方向の下向き側に移動し、操作部38の当接面382が嵌合部137の当接面373を押圧する。当接面373及び当接面382が上述のとおり傾斜し、かつ嵌合部137及び嵌合凸部37の移動可能な方向が凹所311によって規制されているため、嵌合部137及び嵌合凸部37には、その移動方向の、嵌合凸部37が突出する向きとは反対向きの力が加えられる。このため、嵌合部137及び嵌合凸部37、付勢機構371がかける力に抗して、嵌合凸部37が突出する向きとは反対向き側に移動する。これにより、嵌合凸部37が本体ハウジング30内に押し込まれる。また、操作部38が押されなくても、プラグ装置200の外部から嵌合凸部37に嵌合凸部37が突出する向きとは反対向きの力がかけられたら、嵌合部137及び嵌合凸部37は、付勢機構371がかける力に抗して、嵌合凸部37が突出する向きとは反対向き側に移動し、嵌合凸部37が本体ハウジング30内に押し込まれる。
【0066】
第1の実施形態では、プラグ装置200は、2つの端子部32とは別に、取付面31にアース端子335を更に備えている。アース端子335の位置は、適宜設定可能であるが、接続状態において、アース端子335がアース用導体202に対応する位置に配置することが好ましい。例えば、配線ダクト100における第2のダクト部12bの接続面215の前側にアース用導体202がある場合には、アース端子335は、第2のダクト部12bの第2接続面215と前後方向で対向する位置にあればよい。
【0067】
第1の実施形態では、アース端子335は、本体ハウジング30の取付面31における、前後方向の前向き側の面に配置されている。接続状態において、アース端子335は、配線ダクト100のアース用導体202に突き当てられて接触している。これにより、接続状態でアース端子335がアース用導体202と電気的に接続している。アース端子335の上下方向の位置は、特に制限されないが、例えば2つの端子部32の並ぶ方向と平行で、かつ上下方向において第2の端子部232寄り側に位置する。この場合、上述の配線ダクト100の第2のダクト部12bにおける接続面215に設けられたアース用導体202と電気的に接続させやすい。
【0068】
第1の実施形態における、配線ダクト100にプラグ装置200を接続して接続状態を実現する方法、及び接続状態において配線ダクト100からプラグ装置200を取り外す方法について、図8Aから図8Cを参照して説明する。
【0069】
配線ダクト100にプラグ装置200を接続する場合、第1の端子部132が開口部16を通してハウジング10の第1のダクト部12aの内部空間11に入れられ、かつ第1連結部133が開口部16に配置され、また第2の端子部232がハウジング10の第2のダクト部12bの第2接続面215の下端よりも下方にある開放空間110に位置する状態で、プラグ装置200を上方に移動させることで、接続状態が実現する。
【0070】
具体的には、まず、図8Aに示すように、プラグ装置200を配線ダクト100に対して前向き側の位置に配線ダクト100に対するプラグ装置200の全体の姿勢が、プラグ装置200の2つの接続端子35が上下方向において上向きを向くようにして、プラグ装置200の第1の端子部32の下端部が第2のダクト部12bの上端よりも上側で、かつプラグ装置200の第1の端子部132の上端(すなわち第1接続端子135の上端)が第1のダクト部12aにおける第1接続面115の下端よりも下側となるように配置する。
【0071】
次に、プラグ装置200の第1の端子部132を開口部16から内部空間11内に入れ、かつ第1の端子部132の下端部を開口部16に配置する。開口部16の上下方向の寸法と比較して、接続状態での第1の端子部132の上下方向での寸法は小さく、かつ2つのダクト部のうちの下方側にある第2のダクト部12bの上下方向寸法と比較して、第2の端子部232の上下方向での寸法は大きい。そのため、プラグ装置200を後ろ方向に押し込めば、第1の端子部132は、開口部16を通って内部空間11内の後ろ側まで入りうる。このとき、プラグ装置200が内部空間11に入った状態で、アース端子335は第2のダクト部12bの第2凹部213dに収められる(図8B参照)。また、この状態において、嵌合凸部37は、第2のダクト部12bに、前向きに押されて、本体ハウジング30の内側に入り込む。
【0072】
次に、図8B及び図8Cに示すように、プラグ装置200全体を、第1の端子部132の連結部133が第1のダクト部12aにおける第1接続面115の下端、及び第2の端子部232の連結部233が第2のダクト部12bにおける第2接続面215の下端に、それぞれ突き当たるまで上下方向上向きに移動させる。このとき、嵌合凸部37が開口部16のある位置に到達すると、嵌合凸部37は本体ハウジング30の外側へ突出しうる。このようにすることで、第1接続端子135は、第1のダクト部12aの内部空間11から第1連通口118を介して第1保持空間117内に挿入され、第2接続端子235は、第2のダクト部12b下側の開放空間110から第2連通口218を介して第2保持空間217内に挿入される。これにより、第1接続端子135は、対応する第1伝送用導体120の2つの板バネ119の間に挟まれて、第1接続端子135が第1伝送用導体120と電気的に接続され、かつ第2接続端子235は、対応する第2伝送用導体220の2つの板バネ219の間に挟まれて、第2接続端子235が第2伝送用導体220と電気的に接続される(図8C参照)。
【0073】
また、操作部38を操作することにより嵌合凸部37を内側に引っ込めたり、外側に突出させたりしてもよい。例えば、操作部38を本体ハウジング30の内側へ押し込む操作をすることにより、上述のとおり、嵌合凸部37が本体ハウジング30の内側に入り込むこととなるため、プラグ装置200を上下方向への上向きの移動をさせやすい。続いて、プラグ装置200を上向きに移動させ、接続端子35の各々を対応する伝送用導体201と電気的に接続させてから、操作部38の押し込みを解除すれば、開口部16の上下方向寸法より小さい寸法を有する嵌合凸部37が、本体ハウジング30に対して後向き方向に再度突出する。これにより、嵌合凸部37は、第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間の開口部16に収まることで、嵌合凸部37が開口部16で嵌め合わされうる。すなわち、嵌合凸部37には付勢機構371に抗する力がかからなくなり、そのため、プラグ装置200の上下方向の移動が禁止される。プラグ装置200が配線ダクト100に接続された状態でロックされる。これにより、接続端子35の各々の電気的な接続状態を安定に維持でき、また配線ダクト100からプラグ装置200が不用意に脱落しにくくなる。
【0074】
配線ダクト100からプラグ装置200を取り外す場合には、まず人がプラグ装置200の操作部38を押すことで、嵌合凸部37を前向き側に移動させ、嵌合凸部37と開口部16との嵌め合いを解除する。この状態を維持したまま、プラグ装置200の全体を配線ダクト100に対して、下方に移動させる。これにより、端子部32の各々が対応する伝送用導体201から離れ、ダクト部12の各々の連通口18を通って、第1の端子部132を内部空間11内に、第2の端子部232を開放空間110内にそれぞれ移動させうる。続いて、この状態で、配線ダクト100に対してプラグ装置200を前向き側へ移動させると、各々の端子部32は、配線ダクト100の外部へ移動する。これにより、プラグ装置200が取り外される。
【0075】
図3Dでは、本体ハウジング30に対する2つ端子部32が、取付面31の左右方向における中心を通る上下方向に沿って並んで配置されているが、2つ端子部32は、前記の中心以外を通る上下方向に沿って並んでいてもよい。例えば、本体ハウジング30に対する2つの端子部32は、左右方向における中心よりも左寄側を通る上下方向に沿って並んで配置されたり、左右方向における中心よりも左寄側を通る上下方向に沿って並んで配置されたりして、本体ハウジング30に対する2つの端子部32が、上下方向において互いに異なる位置に配置され、かつ左右方向における中心以外を通る上下方向の、接続端子35が突出する方向と同じ軸線上に並ぶように配置されてもよい。
【0076】
第1の実施形態では、配線ダクト100にプラグ装置200が接続された接続状態において、プラグ装置200は、2つのダクト部12(12a,12b)のうち連通口18が開口する向きとは反対向き側にあるダクト部12(すなわち第1のダクト部12a)に接続する端子部32(第1の端子部132)の、2つのダクト部12(12a,12b)が並ぶ方向における寸法が、2つのダクト部12(12a,12b)の間隙の、ハウジング10の長さ方向(左右方向)と設置面14と直交する方向とのいずれとも直交する方向における寸法以下である。さらに、2つの端子部32(132,232)間の、ハウジング10の長さ方向(左右方向)と設置面14と直交する方向とのいずれとも直交する方向における距離は、2つのダクト部12(12a,12b)のうち下方側にあるダクト部12(すなわち第2のダクト部12b)の、ハウジング10の長さ方向(左右方向)と設置面14と直交する方向とのいずれとも直交する方向における寸法以上である。図5等を参照して言い換えれば、2つのダクト部12(12a,12b)のうち上下方向上向き側にある第1のダクト部12aに接続する第1の端子部132の上下方向における寸法は、2つのダクト部12の間隙の上下方向における寸法以下であり、2つの端子部32(132,232)間の上下方向における距離は、第2のダクト部12bの上下方向における寸法以上である。このため、プラグ装置200を配線ダクト100に配置して接続するにあたり、第1のダクト部12aの内部空間11に第1の端子部32を配置する作業がしやすい。
【0077】
第2の実施形態について、図9から図11Bを参照して説明する。
【0078】
第2の実施形態に係るプラグ装置200、及び配線システム300を、図9、及び図10Aから図11Bに示す。第2の実施形態では、第1の実施形態との関係において、取付面31における2つの端子部32の位置関係が異なる。すなわち、第1の実施形態では、2つの端子部32(132,232)は、取付面31と平行であり、かつ接続端子35(135,235)が突出する方向(上下方向)とは直交しない方向に沿って並ぶのに対し、第2の実施形態では、2つの端子部32(132,232)は、取付面31と直交する方向と、接続端子35(135,235)が突出する方向との、いずれとも直交する方向における位置が異なる。したがって、第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0079】
第2の実施形態のプラグ装置200は、本体ハウジング30と、2つの端子部32とを備える。本体ハウジング30は、取付面31を有する。取付面31とは、本体ハウジング30の向く側(前向き側)とは反対側の面である。2つの端子部32(第1の端子部132,第2の端子部232)は、取付面31を介して本体ハウジング30と対向する位置にある。また、2つの端子部32(第1の端子部132,第2の端子部232)の各々は、基部34(第1基部134,第2基部234)と、基部34から突出する接続端子35(第1接続端子135,第2接続端子235)とを備えている。
【0080】
接続端子35の各々は、取付面31と平行な一方向の同じ向きに突出している。具体的には、接続端子35の各々は、いずれも基部24(134,234)から上向き側に突出している。
【0081】
本体ハウジング30に対して2つの接続端子35が突出する方向(上向き方向)における位置は、互いに異なっている。さらに、第2の実施形態では、2つの端子部32(132,232)は、取付面31と直交する方向と、接続端子35が突出する方向との、いずれとも直交する方向の位置が異なるように配置されている。そのため、2つの端子部32は、本体ハウジング30に対する上下方向の位置と左右方向の位置とのいずれも異なっている。
【0082】
また、第2の実施形態では、配線ダクト100にプラグ装置200が接続された接続状態において、以下の構成を備える。
【0083】
端子部32(132,232)の各々は、長さ方向と設置面14と直交する方向とのいずれとも直交する方向の位置、及びハウジング10長さ方向と平行な方向の位置のいずれもが互いに異なる。
【0084】
ダクト部12(12a,12b)のうち、設置面14と直交し、かつダクト部12が並ぶ方向とは異なる方向に傾斜する少なくとも1つの方向である傾斜方向における上側の端子部32(第1の端子部132)の寸法が、2つのダクト部12の間隙の長さ方向と設置面14と直交する方向とのいずれとも直交する方向における寸法以下である。具体的には、第1の端子部132の上下方向における寸法が、第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間の間隙の上下方向寸法以下である。ここでいう第1の端子部132の上下方向における寸法とは、第1接続端子135を上下方向上向きに配置した場合における第1基部134の下端から第1接続端子135の上端までの距離である。また、第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間の間隙の上下方向寸法とは、上下方向における第1のダクト部12aの第1接続面115の下端から第2のダクト部12bの第2接続面215の上端までの距離である。
【0085】
端子部32(132,232)間の、傾斜方向における距離は、ダクト部12(12a,12b)のうち下方側にあるダクト部12(第2のダクト部12b)の、上下方向における寸法以上である。具体的には、第1の端子部132と第2の端子部232とを斜めに位置するように配置した場合の第1の端子部132と第2の端子部232との距離が、第2のダクト部12bの第2接続面215の上下方向長さ以上である。ここでいう、第1の端子部132と第2の端子部232との距離とは、第1接続端子135及び第2接続端子235を左右方向の一方向向きに配置した場合における第1の端子部132の上下方向での下端から第2の端子部232の上下方向での上端までの距離をいう。
【0086】
これにより、第2の実施形態のプラグ装置200では、配線ダクト100にプラグ装置200を接続するにあたり、配線ダクト100内でプラグ装置200を、回転させることによって接続状態を実現することができる。
【0087】
なお、本実施形態では、ダクト部12(12a,12b)のうち連通口18が開口する向きとは反対向き側にあるダクト部12(すなわち第1のダクト部12a)に接続する端子部32(第1の端子部132)の、ハウジング10の長さ方向と設置面14と直交する方向とのいずれとも直交する方向における寸法は、2つのダクト部12の間隙の、長さ方向と設置面14と直交する方向とのいずれとも直交する方向における寸法よりも大きい。具体的には、第1のダクト部12aに接続される第1の端子部132の前後方向における寸法が、第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間の間隙の前後方向の寸法よりも大きい。ここでいう第1の端子部132の前後方向における寸法とは、取付面31から第1基部134の後向き側端部までの距離である。また、第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間の間隙の前後方向の寸法とは、開口部16から内部空間11の後方側の端部までの距離である。
【0088】
以下では、第2の実施形態における、配線ダクト100にプラグ装置200を接続して接続状態を実現する方法、及び接続状態において配線ダクト100からプラグ装置200を取り外す方法について、より具体的に説明する。
【0089】
第2の実施形態では、2つの端子部32(132,232)が、取付面31と直交する方向と、接続端子35が突出する方向との、いずれとも直交する方向の位置が異なるように配置されている。そのため、第1の実施形態とは異なる方法で、配線ダクト100にプラグ装置200を接続して接続状態を実現することができる。すなわち、第2の実施形態においては、プラグ装置200全体を、回転させることによって、第1接続端子135を第1伝送用導体120に、第2接続端子235を第2伝送用導体220に、それぞれ電気的に接続させることができる。
【0090】
具体的には、例えば、本体ハウジング30の上下方向に対して同じ寸法を有する第1接続端子135と第2接続端子235とを、取付面31の中心点に対して対向するように配置したプラグ装置200を用意する。
【0091】
続いて、図10Aに示すように、プラグ装置200を配線ダクト100に対して前向き側の位置に、配線ダクト100に対するプラグ装置200の全体の姿勢が、プラグ装置200の2つの接続端子35(135,235)が配線ダクト100の長さ方向と平行で、かつプラグ装置200の第1接続端子135が上下方向において上側に、第2接続端子235が上下方向において第1接続端子135よりも下側にそれぞれ位置する状態で、また第1の端子部132の下端部が第2のダクト部12bの上端よりも上側で、かつ第2の端子部232の上端が第2のダクト部12bにおける第2接続面215の下端よりも下側となるように配置する。このようにすることで、まずプラグ装置200の第1の端子部132を、配線ダクト100の第1のダクト部12aの開口部16を介して内部空間11に配置しうる。なお、第1の端子部132の第1接続端子135、及び第2の端子部232の第2接続端子235の向きは、左右方向において同じ向きを向いているのであれば、左右方向のいずれの向きであってもよい。具体的には、第1接続端子135が第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間の開口部16を通じて内部空間11に配置できるように、第1接続端子135が上下方向の上側に、第2接続端子235の上下方向の下側にそれぞれ位置するようになる向きであればよい。
【0092】
続いて、第1の端子部132を内部空間11に配置した状態で、この状態での第1の端子部132の上端の上下方向位置が変化しないようにプラグ装置200を回転させる。つまり、第1の端子部132が内部空間11にある状態において、第1の端子部132の上端の位置が第1のダクト部12aの第1連通口118よりも下側にある状態でプラグ装置200を回転させる(図10B)。また、この場合において、第2の端子部232の上下方向上端は、第2のダクト部12bの第2連通口218よりも下側にあるため、第2の端子部232はプラグ装置200を回転させても、第2のダクト部12bの第2外殻部213にプラグ装置200の回転は妨げられない。
【0093】
これにより、プラグ装置200の第1接続端子135及び第2接続端子235が左右方向のいずれか一方を向いた状態から、上向きを向く状態へと変更される。そして、第1接続端子135が第1のダクト部12aの第1連通口118と上下方向で対向する位置に、第2接続端子235が第2のダクト部12bの第2連通口218と上下方向で対向する位置に、それぞれ配置しうる。この場合、上述のとおり、第1の端子部132の上下方向における寸法が、第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間の間隙の上下方向寸法以下であり、かつ第1の端子部132と第2の端子部232とを斜めに位置するように配置した場合の第1の端子部132と第2の端子部232との距離が、第2のダクト部12bの第2接続面215の上下方向長さ以上であるので、プラグ装置200を、配線ダクト100の内部空間11内に第1の端子部132がある状態で回転させても、第1の端子部132が第1のダクト部12aの第1外殻部113及び第2のダクト部12bの第2外殻部213に干渉されにくい。
【0094】
このとき、プラグ装置200を回転する際に、各端子部32の接続端子35の各々は、対応する保持空間17(117,217)の連通口18(118,218)から保持空間17内に挿入され、更に対応する伝送用導体201(120,220)の板バネ19(119,119)(219,219)の間に侵入しうる。これにより、接続端子35が伝送用導体201の板バネ19に挟まれて、接続端子35の各々が伝送用導体201の各々と電気的に接続される(図11A)。このように、プラグ装置200を回転させることにより、配線ダクト100に接続させると、プラグ装置200を嵌合させるにあたっての荷重をかけやすくできる。
【0095】
プラグ装置200を回転させるにあたり、プラグ装置200が嵌合凸部37を備える場合には、操作部38をプラグ装置200の内側に押し込んだ状態で回転させてもよい。この場合、嵌合凸部37が第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとに干渉されることなくプラグ装置200を容易に回転させうる。このとき、嵌合凸部37が開口部16のある位置に到達すると、嵌合凸部37は本体ハウジング30の外側へ突出しうる。
【0096】
また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、操作部38を操作することにより嵌合凸部37を内側に引っ込めたり、外側に突出させたりしてもよい。例えば、操作部38を本体ハウジング30の内側へ押し込む操作をすることにより、上述のとおり、嵌合凸部37が本体ハウジング30の内側に入り込むこととなるため、プラグ装置200を上下方向への上向きの移動をさせやすい。続いて、プラグ装置200を上向きに移動させ、接続端子35の各々を対応する伝送用導体201と電気的に接続させてから、操作部38の押し込みを解除すれば、開口部16の上下方向寸法より小さい寸法を有する嵌合凸部37が、本体ハウジング30に対して後向き方向に再度突出する。これにより、嵌合凸部37は、第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間の開口部16に収まることで、嵌合凸部37が開口部16で嵌め合わされうる。そのため、プラグ装置200の上下方向の移動が禁止される。すなわち、プラグ装置200が配線ダクト100に接続された状態でロックされる。これにより、接続端子35の各々の電気的な接続状態を安定に維持でき、また配線ダクト100からプラグ装置200が不用意に脱落しにくくなる。
【0097】
なお、図9及び図10Aから図11Bにおいては、取付面31において、第1の端子部132が左右方向の左寄り側に、第2の端子部232が左右方向の右寄り側に配置されているが、これに限られない。例えば、第1の端子部132と第2の端子部232とは、設置面14と直交し、かつダクト部12(12a,12b)が並ぶ方向とは異なる方向に傾斜している少なくとも1つの方向である傾斜方向にそれぞれが位置するように配置されていればよい。また、図10Aから図11Aにおいて図面上は時計回りの矢印で示す方向に回転させているが、回転の方向は、端子部32の向く方向に応じて変更可能である。
【0098】
本開示の変形例について説明する。変形例において、上記実施形態と同じ構成については、図に実施形態と同じ符号を付する。また、上記実施形態と同じ構成については、適宜説明を省略する。
【0099】
配線ダクト100におけるアース用導体202の位置、及びプラグ装置200におけるアース端子335の位置は、上記の説明に制限されない。
【0100】
例えば、配線ダクト100において、伝送用導体201の各々は、1つの導体板で構成されていてもよい。また、プラグ装置200において、端子部32の各々は、前後方向に対向し合う2つの板バネ419を備えてもよい。具体的には、図12に示すように、配線ダクト100における、2つのダクト部12に保持されている導体20(伝送用導体201)の各々は、前後方向に厚みを有する一つの導体板435であってよい。一方、プラグ装置200における、ダクト部12に保持されている導体20に電気的に接続される端子部132の各々が、接続端子として、前後方向に対向し合う2つの板バネ419を備えてもよい。この場合、接続状態では、2つの板バネ419の間に配線ダクト100の導体120が挟まれることで、導体120と端子部32の接続用の端子との間の安定した電気的接続が実現されうる。なお、図11においては、第1のダクト部12a及び第2のダクト部12bの各々が前後方向に厚みを有する導体板435を各々有し、かつ第1の端子部132及び第2の端子部232の各々が2つの板バネ419を備えているが、これに限られない。例えば、第1のダクト部12と第2のダクト部12bのいずれか一方が前後方向に厚みを有する導体板435を備えてもよいし、これに対応する第1の端子部132と第2の端子部232とのうちの一方が接続端子として、前後方向に対向し合う2つの板バネ419を備えてもよい。
【0101】
プラグ装置200におけるコネクタ36及び差込口136の位置も、上記説明に制限されない。
【0102】
配線ダクト100は、例えば2つのダクト部12(12a,12b)とが並ぶ方向(上下方向)において、アース用導体202を保持する第3のダクト部を備えてもよい。この場合、例えば第3のダクト部は、第1のダクト部12a及び第2のダクト部12bにおける伝送用導体201をアース用導体202に変更した構成を有しうる。アース用導体202を保持する第3のダクト部を備える場合、第1のダクト部12aと第2のダクト部12bと第3のダクト部との上下方向における位置関係は適宜調整しうる。
【0103】
接続端子35の各々は、接続端子35の厚み方向と接続端子35の突出する方向とのいずれとも直交する方向の各端部における、接続端子251の厚み方向の両側の各縁部に、面取り状の傾斜面を有していてもよい。この場合、傾斜面は、例えば平面、曲面であってもよい。接続端子35の各々が上記の傾斜面を有すると、例えば配線システム300の第2の実施形態において、プラグ装置200全体をダクト100に対して回転させることにより接続状態を実現する場合において、接続端子35は板バネ19の間に円滑に進入しうる。
【0104】
また、例えば第2の実施形態において、プラグ装置200の端子部32の寸法と配線ダクト100の第1のダクト部12aとダクト部12bとの間の間隙とを調整することで、第1の実施形態と同様の方法で、配線ダクト100にプラグ装置200を接続して接続状態を実現してもよい。すなわち、配線ダクト100にプラグ装置200を接続する場合、第1の端子部132が開口部16を通してハウジング10の第1のダクト部12aの内部空間11に入れられ、かつ第1連結部133が開口部16に配置され、また第2の端子部232がハウジング10の第2のダクト部12bの第2接続面215の下端よりも下方にある開放空間110に位置する状態で、プラグ装置200を上方に移動させることで、接続状態が実現する。なお、第2の実施形態では、上述のとおり、第1の実施形態とは、2つの端子部32の位置関係が異なっているが、側面側(左右方向の一方向側)から見たときの断面は、図8Aから図8Cと同じようになりうる。そのため、第1の実施形態で説明した手順と同様にして配線ダクト100にプラグ装置200を接続することが可能である。
【0105】
また、第2の実施形態において、プラグ装置200の端子部32の寸法と配線ダクト100の第1のダクト部12aとダクト部12bとの間の間隙とを調整することで、上記とは異なる方法でプラグ装置200を回転させてから上下方向上側に移動させることでプラグ装置200を配線ダクト100に接続させてもよい。例えば、まず、プラグ装置200を配線ダクト100に対して前向き側の位置に、配線ダクト100に対するプラグ装置200の全体の姿勢が、プラグ装置200の2つの接続端子35(135,235)が配線ダクト100の長さ方向と平行で、かつプラグ装置200の第1接続端子135が上下方向において上側に、第2接続端子235が上下方向において第1接続端子135よりも下側にそれぞれ位置する状態で、また第1の端子部132の下端部が第2のダクト部12bの上端よりも上側で、かつ第2の端子部232の上端が第2のダクト部12bにおける第2接続面215の下端よりも下側となるように配置する。このようにすることで、まずプラグ装置200の第1の端子部132を、配線ダクト100の第1のダクト部12aの開口部16を介して内部空間11に配置しうる。なお、第1の端子部132の第1接続端子135、及び第2の端子部232の第2接続端子235の向きは、長さ方向(左右方向)のいずれの向きであってもよい。例えば、第1接続端子135が第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとの間の開口部16を通じて内部空間11に配置できるように、第1接続端子135が上下方向の上側に、第2接続端子235の上下方向の下側にそれぞれ位置するようになる向きであればよい。
【0106】
次に、プラグ装置200の取付面31と、配線ダクト100の接続面15(第1接続面115及び第2接続面215)とが接触するまで後ろ方向に押し込む。この場合、プラグ装置200の第1の端子部132が開口部16から内部空間11内に入り、かつ第1の端子部132の下端部が開口部16に配置されうる。
【0107】
続いて、プラグ装置200の全体を第1の端子部132が内部空間11内にある状態で回転させる。これにより、プラグ装置200の第1接続端子135及び第2接続端子235が左右方向のいずれか一方を向いた状態から、上下方向における上向きを向く状態へと変更される。このように回転させることで、第1接続端子135が第1のダクト部12aの第1連通口118と上下方向で対向する位置に、第2接続端子235が第2のダクト部12bの第2連通口218と上下方向で対向する位置に、それぞれ配置しうる。このとき、嵌合凸部37が開口部16のある位置に到達すると、嵌合凸部37は本体ハウジング30の外側へ突出しうる。なお、プラグ装置200を回転させる方向は、上記に限られず、第1の端子部132の位置、及び第1接続端子135の向く方向に応じて適宜変更すればよい。
【0108】
このとき、プラグ装置200を回転させるにあたり、プラグ装置200が嵌合凸部37を備える場合には、操作部38をプラグ装置200の内側に押し込んだ状態で回転させてもよい。この場合、嵌合凸部37が第1のダクト部12aと第2のダクト部12bとに干渉されることなくプラグ装置200を容易に回転させうる。
【0109】
続いて、第1接続端子135及び第2接続端子235が上を向く状態で、プラグ装置200全体を、第1の端子部132の第1連結部133(133)が第1のダクト部12aにおける第1接続面115の下端、及び第2の端子部232の第2連結部33(233)が第2のダクト部12bにおける第2接続面215の下端に、それぞれ突き当たるまで上下方向上向きに移動させる。このとき、嵌合凸部37が開口部16のある位置に到達すると、嵌合凸部37は本体ハウジング30の外側へ突出しうる。嵌合凸部37を有する場合には、操作部38の押し込みを解除する。このようにすることで、第1接続端子135は、第1のダクト部12a内の内部空間11から第1連通口118を介して第1保持空間117内に挿入され、第2接続端子235は、第2のダクト部12b下側の開放空間110から第2連通口218を介して第2保持空間217内に挿入される。
【0110】
これにより、第1接続端子135は、対応する第1伝送用導体120の2つの板バネ119の間に挟まれて、第1接続端子135が第1伝送用導体120と電気的に接続され、かつ第2接続端子235は、対応する第2伝送用導体220の2つの板バネ219の間に挟まれて、第2接続端子235が第2伝送用導体220と電気的に接続される。
【0111】
また、本変形例でも、第1の実施形態と同様に、操作部38を操作することにより嵌合凸部37を内側に引っ込めたり、外側に突出させたりしてもよい。この場合も、接続端子35の各々の電気的な接続状態を安定に維持でき、また配線ダクト100からプラグ装置200が不用意に脱落しにくくなる。
【0112】
上記以外に、配線ダクト100の有するダクト部12、導体20の数、種類及び位置は適宜設定されうる。それに応じて、プラグ装置200の有する端子部32の数、種類及び位置も、適宜設定されうる。また、配線ダクト100が備える導体20の形状、及びプラグ装置200が備える端子部32の形状は、上記説明に制限されない。
【0113】
(まとめ)
上述の実施形態から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
【0114】
第1の態様の配線ダクト(100)は、長尺であるハウジング(10)と、前記ハウジング(10)内に保持されている複数の導体(20)と、を備える。前記ハウジング(10)の外面が、長さ方向と平行な設置面(14)を含み、かつ前記ハウジング(10)は、2つのダクト部(12)を備える。前記ダクト部(12)の各々は、前記ハウジング(10)の長さ方向に長尺である。前記2つのダクト部(12)は、前記長さ方向と、前記設置面(14)と直交する方向とのいずれとも直交する方向に間隔を空けて並ぶ。前記ダクト部(12)の各々は、保持空間(17)と、前記ダクト部(12)における前記長さ方向と前記設置面(14)と直交する方向とのいずれとも直交する方向の一方を向く面で開口し、前記保持空間(17)と前記ダクト部(12)の外部とを通じさせる連通口(18)と、を備える。前記導体(20)は、前記2つのダクト部(12)の各々における前記保持空間(17)に保持されている伝送用導体(201(120,220))を含む。
【0115】
この態様によれば、配線ダクト(100)におけるダクト部(12)の厚みを薄くすることができる。
【0116】
第2の態様の配線ダクト(100)では、第1の態様において、前記ダクト部(12)の前記保持空間(17)に保持されている伝送用導体(201)の各々は、前記設置面(14)と直交する方向に対向し合う2つの板バネ(19)を備える。
【0117】
第3の態様の配線ダクト(100)では、第1の態様において、前記伝送用導体(201(120,220))の各々は、1つの導体板で構成されている。
【0118】
この態様によれば、配線ダクト(100)におけるダクト部(12)の厚みを薄くすること寄与しうる。
【0119】
第4の態様に係るプラグ装置(200)は、配線ダクト(100)に接続される。前記プラグ装置(200)は、本体ハウジング(30)と、2つの端子部(32(132,232))とを備える。前記本体ハウジング(30)は、取付面(31)を有する。前記2つの端子部(32(132,232))は、前記取付面(31)を介して前記本体ハウジング(30)と対向する位置にある。前記端子部(32)の各々は、基部(34)と、前記基部(34)から突出する接続端子(35)とを備える。前記接続端子(35)は、前記取付面(31)と平行な一方向の同じ向きに突出する。前記本体ハウジング(30)に対する前記2つの接続端子(35(135,235))が突出する方向における位置は、互いに異なる。
【0120】
この態様によれば、プラグ装置(200)の厚みを薄くしうる。これにより、配線ダクト(100)のダクト部(12)の厚みを薄くした配線システム(300)を提供しうる。
【0121】
第5の態様に係るプラグ装置(200)では、第4の態様において、前記2つの端子部(32(132,232))は、前記取付面(31)と平行であり、かつ前記接続端子(35(135,235))が突出する方向とは直交しない方向に沿って並ぶ。
【0122】
この態様によれば、プラグ装置(200)を配線ダクト(100)に接続するにあたり、プラグ装置(200)をプラグ装置(200)の接続端子(35)の向く方向に移動させることによってのみ接続状態を実現しうる。
【0123】
第6の態様に係るプラグ装置(200)では、第4又は第5の態様において、前記2つの端子部(32(132,232))は、前記取付面(31)と直交する方向と、前記接続端子(35)が突出する方向との、いずれとも直交する方向の位置が異なる。
【0124】
この態様によれば、プラグ装置(200)を配線ダクト(100)に接続するにあたり、プラグ装置(200)を回転させることによって接続状態を実現しうる。
【0125】
第7の態様のプラグ装置(200)は、第4から第6のいずれか一の態様において、前記端子部(32(132,232))の各々は、1つの導体板で構成されている。
【0126】
この態様によれば、プラグ装置(200)の厚みを薄くしうるため、配線ダクト(100)におけるダクト部(12)の厚みを薄くした配線ダクト(100)に適用しうる。
【0127】
第8の態様のプラグ装置(200)は、第4から第7のいずれか一の態様において、前記端子部(32(132,232))の各々は、前記取付面(31)と直交する方向に対向し合う2つの板バネ(19)を各々備える。
【0128】
第9の態様に係る配線システム(300)は、第1の態様の配線ダクト(100)と、第4から第8のいずれか一の態様のプラグ装置(200)と、を備える。
【0129】
この態様によれば、配線ダクト(100)の厚みを薄くしうる配線システム(300)を提供しうる。
【0130】
第10の態様の配線システム(300)では、第9の態様において、前記プラグ装置(200)は、前記配線ダクト(100)に前記プラグ装置(200)が接続された接続状態で前記本体ハウジング(30)が前記配線ダクト(100)の外側に配置される。前記接続端子(35)は、それぞれ前記伝送用導体(201)と電気的に接続される。
【0131】
この態様によれば、プラグ装置(200)を配線ダクト(100)に接続するにあたり、プラグ装置(200)をプラグ装置(200)の接続端子(35)の向く方向に移動させることによってのみ接続状態を実現しうる。
【0132】
第11の態様の配線システム(300)では、第9又は第10の態様において、前記接続状態において、前記プラグ装置(200)は、前記ダクト部(12)のうち前記連通口(18)が開口する向きとは反対向き側にあるダクト部(12)に接続する前記端子部(32)の、前記ダクト部(12)が並ぶ方向における寸法は、前記2つのダクト部(12(12a,12b))の間隙の、前記長さ方向と前記設置面(14)と直交する方向とのいずれとも直交する方向における寸法以下である。さらに、前記端子部(32(132,232))間の、前記長さ方向と前記設置面(14)と直交する方向とのいずれとも直交する方向における距離は、前記ダクト部(12)のうち前記連通口(18)が開口する向きと同じ側にあるダクト部(12)の、前記長さ方向と前記設置面(14)と直交する方向とのいずれとも直交する方向における寸法以上である。
【0133】
この態様によれば、プラグ装置(200)を配線ダクト(100)に接続するにあたり、プラグ装置(200)をプラグ装置(200)の接続端子(35)の向く方向に移動させることによってのみ接続状態を実現しうる。
【0134】
第12の態様の配線システム(300)では、第9から第11のいずれか一の態様において、前記接続状態において、前記端子部(32(132,232))の各々は、前記長さ方向と前記設置面(14)と直交する方向とのいずれとも直交する方向の位置、及び前記長さ方向と平行な方向の位置が互いに異なる。前記設置面(14)と直交し、かつ前記ダクト部(12)が並ぶ方向とは異なる方向に傾斜する少なくとも1つの方向である傾斜方向における上側の端子部(32)の寸法が、前記2つのダクト部(12(12a,12b))の間隙の前記長さ方向と前記設置面(14)と直交する方向とのいずれとも直交する方向における寸法以下である。前記端子部(32(132,232))間の、前記傾斜方向における距離は、前記ダクト部(12(12a,12b))のうち下方側にあるダクト部(12)の、前記上下方向における寸法以上である。
【0135】
この態様によれば、プラグ装置(200)を配線ダクト(100)に接続するにあたり、プラグ装置(200)を回転することによってのみ接続状態を実現しうる。
【0136】
第2から第3の態様に係る構成については、配線ダクト(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。また、第5から第8の態様に係る構成については、プラグ装置(200)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。また、第9から第12の態様については、それ単独でも実施し得る態様であって、第9から第12のいずれかの態様の配線システム(300)に適用可能であればよい。
【符号の説明】
【0137】
100 配線ダクト
10 ハウジング
11 内部空間
12 ダクト部
14 設置面
17 保持空間
18 連通口
19 板バネ
20 導体
201 伝送用導体
200 プラグ装置
30 本体ハウジング
31 取付面
32 端子部
34 基部
35 接続端子
300 配線システム
図1
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図12