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特開2024-82714会議サーバー、サーバーの動作方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082714
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】会議サーバー、サーバーの動作方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/109 20230101AFI20240613BHJP
【FI】
G06Q10/109
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196751
(22)【出願日】2022-12-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】阿部 匠
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA11
5L010AA20
5L049AA11
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】会議が効率的に進行し、会議時間が長くなってしまうことを抑制することに寄与する会議サーバー、サーバーの動作方法、およびプログラムの提供。
【解決手段】発言者の発言開始からの時間を計時する計時部と、前記計時部の計時による所定時間が経過すると、予定される発言の長さに応じた情報である発言予定情報を受け付ける発言予定情報受付部と、前記発言予定情報に基づいて、予定されている発言時間である発言予定時間を算出する算出部と、前記発言予定時間を表示する表示部と、を有する会議サーバー等が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発言者の発言開始からの時間を計時する計時部と、
前記計時部の計時による所定時間が経過すると、予定される発言の長さに応じた情報である発言予定情報を受け付ける発言予定情報受付部と、
前記発言予定情報に基づいて、予定されている発言時間である発言予定時間を算出する算出部と、
前記発言予定時間を表示する表示部と、
を有する会議サーバー。
【請求項2】
前記発言予定情報受付部は、発言者自身の発言予定情報を受け付ける、
請求項1の会議サーバー。
【請求項3】
前記発言予定情報受付部は、発言者以外の者が入力する発言者の発言予定情報を受け付ける、
請求項1の会議サーバー。
【請求項4】
前記発言予定情報受付部は、前記発言予定情報として、推定される発言の進捗率である推定発言進捗率を入力し、
前記算出部は、前記推定発言進捗率に基づいて、発言予定時間を算出する、
請求項2の会議サーバー。
【請求項5】
前記発言予定情報受付部は、前記推定発言進捗率を発言予定時間に対する発言の進捗率を視覚化して入力が可能な進捗入力バーにより受け付ける、
請求項4の会議サーバー。
【請求項6】
前記表示部は、前記計時部の計時に応じて、現在継続している発言の発言予定時間に対する進捗率を視覚化した進捗出力バーにより提示する、
請求項1から5のいずれか一の会議サーバー。
【請求項7】
前記計時部により計時された時間に基づいて、発言予定時間を経過しているか否かを判断する判断部と、
前記判断部の判断結果に応じて、発言者に対して通知を行う通知部と、
をさらに有する、
請求項1から5のいずれか一の会議サーバー。
【請求項8】
前記算出部はさらに、発言者が過去に発言した発言の長さと、その発言について算出された発言予定時間との誤差に基づいて発言予定時間を算出する、
請求項1から5のいずれか一の会議サーバー。
【請求項9】
サーバーが発言者の発言開始からの時間を計時するステップと、
前記計時による所定時間が経過すると、前記サーバーが予定される発言の長さに応じた情報である発言予定情報を受け付けるステップと、
前記発言予定情報に基づいて、予定されている発言時間である発言予定時間を前記サーバーが算出するステップと、
前記サーバーが前記発言予定時間を表示するステップと、
を含むサーバーの動作方法。
【請求項10】
発言者の発言開始からの時間を計時する処理と、
前記計時による所定時間が経過すると、予定される発言の長さに応じた情報である発言予定情報を受け付ける処理と、
前記発言予定情報に基づいて、予定されている発言時間である発言予定時間を算出する処理と、
前記発言予定時間を表示する処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本装置は、ウェブ会議を効率的に運営するための会議サーバー、サーバーの動作方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、感染症のまん延などの世界情勢に鑑みウェブ会議システムによる遠隔会議が多数行われるようになった。ウェブ会議では、対面の会議と比べ、視線の動きや身振りなどの非言語的な周辺情報が伝わりにくく、発言者と他の参加者との間で互いに得ることのできる情報が限られる。
【0003】
特許文献1には、議事の進行結果を記録し、次回の会議に反映することの可能な会議進行支援装置が開示されている。具体的には議事の予定時間を入力し、その議事が完了すると終了時刻を記録し、議事の予定時間と議事の実績時間とを比較可能に表示することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-048628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の
分析は、本発明者らによってなされたものである。
【0006】
上記の通り、特許文献1の技術では、会議において議事の予定時間を入力しておき、議事終了時に記録された進行結果として議事毎に議事結果時間と前記議事予定時間を比較可能に表示することで、次回の会議に議事の進行結果をフィードバックすることができる。
【0007】
しかしながら、上記で述べたウェブ会議の特性上、会議の議論で参加者が発言をした際に、発言者はいつ話を切り上げるべきか、ほかの参加者は話がいつまで続くのかが分かりにくくなった。結果として発言者はまわりの雰囲気がわからず長く話してしまったり、発言の途中に割り込まれたり、他の参加者は発言がいつ終わるかが分からず、質問やコメントのタイミングが難しいといった問題がある。
【0008】
そこで、本発明の一視点において、会議が効率的に進行し、会議時間が長くなってしまうことを抑制することに寄与する会議サーバー、サーバーの動作方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一の視点によれば、発言者の発言開始からの時間を計時する計時部と、前記計時部の計時による所定時間が経過すると、予定される発言の長さに応じた情報である発言予定情報を受け付ける発言予定情報受付部と、前記発言予定情報に基づいて、予定されている発言時間である発言予定時間を算出する算出部と、前記発言予定時間を表示する表示部と、を有する会議サーバーが提供される。
【0010】
本発明の第二の視点によれば、サーバーが発言者の発言開始からの時間を計時するステップと、前記計時による所定時間が経過すると、前記サーバーが予定される発言の長さに応じた情報である発言予定情報を受け付けるステップと、前記発言予定情報に基づいて、予定されている発言時間である発言予定時間を前記サーバーが算出するステップと、前記サーバーが前記発言予定時間を表示するステップと、を含むサーバーの動作方法が提供される。
【0011】
本発明の第三の視点によれば、発言者の発言開始からの時間を計時する処理と、前記計時による所定時間が経過すると、予定される発言の長さに応じた情報である発言予定情報を受け付ける処理と、前記発言予定情報に基づいて、予定されている発言時間である発言予定時間を算出する処理と、前記発言予定時間を表示する処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0012】
なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の各視点によれば、会議が効率的に進行し、会議時間が長くなってしまうことを抑制することに寄与する会議サーバー、サーバーの動作方法、及びプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態の会議サーバーの構成を説明するための図である。
図2】第1の実施形態の会議サーバーが含まれる会議システムの概略を示す図である。
図3】第1の実施形態の会議サーバーの構成の一例を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態の会議サーバーの処理の流れを示すフローチャートである。
図5】第1の実施形態の会議サーバーのハードウエア構成の一例を示す図である。
図6】第2の実施形態のWeb会議システムの概略を示す図である。
図7】第2の実施形態のWeb会議システムにおける画面(発言予定時間設定画面(発言者が設定の場合))の概要図である。
図8】第2の実施形態のWeb会議システムにおける画面(発言予定時間表示画面)の概要図である。
図9】第2の実施形態のWeb会議システムにおける画面(発言予定時間設定画面(主催者が設定の場合))の概要図である。
図10】第2の実施形態のWeb会議システムにおいて、ユーザーAが発言者の状態で発言予定情報を入力するときの処理の流れを示す図である。
図11】第2の実施形態のWeb会議システムにおいて、会議の主催者であるユーザーCがユーザーAの発言予定時間を設定するときの処理の流れを示す図である。
図12】第2の実施形態のWeb会議システムにおいて、発言予定時間算出ロジックを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
初めに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
【0016】
一実施形態において、ウェブ会議システム等において発言時に発言予定情報を入力し、会議の進行中に会議画面上に発言予定時間の表示画面を表示することで、発言者及び参加者は発言者の発言時間がどれくらいの長さか、現在何割くらい話したかを視覚的に確認できるようにする。これにより、発言者の話しすぎを防ぎ、会議の進行を効率化し会議時間が長くなってしまうことを抑制することが可能である。
【0017】
図1に一実施形態の会議サーバーの構成の一例を示したブロック図を示す。一実施形態の会議サーバー01は、計時部02と、発言予定情報受付部03と、算出部04と、表示部05と、を有する。
【0018】
計時部02は、発言者の発言開始からの時間を計時する。発言予定情報受付部03は、計時部02の計時による所定時間が経過すると、予定される発言の長さに応じた情報である発言予定情報を受け付ける。算出部04は、発言予定情報に基づいて、予定されている発言時間である発言予定時間を算出する。表示部05は、発言予定時間を表示する。
【0019】
上記一実施形態の会議サーバーは、受け付けられた発言予定情報に基づいて、発言予定時間を算出することが可能である。発言予定時間は可視化され、表示デバイス等により表示される。発言予定情報は、発言者の発言開始から所定時間経過時、つまり発言者の発言中に受け付けられるため、より即時的に発言予定情報を取得可能であり、予めスケジュールされていない発言があっても対応することが可能である。
【0020】
このように、一実施形態の会議サーバーでは、より実際の会議の進行に合わせた発言予定情報を受け付け、発言予定時間を算出し、可視化することが可能である。このため、高精度に会議の進行状況を把握することが可能であり、ひいては会議の議事の内容及び進行の両面において飛躍的な効率化を達成することが可能である。
【0021】
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。なお、各実施形態において同一構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0022】
[第1の実施形態]
[装置の概略]
図2は本実施形態の会議サーバーが含まれる会議システムの概略を示す図である。会議サーバー01に、主催者23の端末21と、会議に参加して発言する参加者24A~24Cの端末22A~22Cと、が接続されている。会議サーバー01はCPU(中央演算処理装置)を有しており、記憶域上には会議プログラムが格納され、CPUに呼び出され、実行される。
【0023】
現在は会議の進行中であり、参加者24Aが発言者である。各参加者24A~24Cそれぞれの端末22A~22C及び主催者23の端末21には発言中の24Aの姿が映し出されており、その下に発言予定時間を可視化した棒グラフのような進捗バーが表示されている。この進捗バーは会議サーバー01により生成されており、参加者24Aが端末22Aに発言予定情報として入力したデータに基づいて算出された発言予定時間を可視化したものである。なお、本概略は本実施形態の会議サーバー01が含まれる会議システムの態様の一例であり、この構成に限定されない。
【0024】
[装置の構成]
図3は本実施形態の会議サーバーの構成の一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の会議サーバー01は、計時部02と、発言予定情報受付部03と、算出部04と、表示部05と、判断部06と、通知部07と、を有する。
【0025】
計時部02は、発言者の発言開始からの時間を計時する。計時は発言者毎に行われても良い。すなわち計時部02は発言者を認識し、区別して計時を実行しても良い。
【0026】
発言予定情報受付部03は、計時部02の計時による所定時間が経過すると、予定される発言の長さに応じた情報である発言予定情報を受け付ける。発言予定情報の受付が所定時間の経過を条件とするのは、ある程度の長さの発言に対して発言予定情報の入力を求めるという趣旨であるが、その所定時間の長さに関しては任意であり、ここでは限定しない。
【0027】
「予定される発言の長さに応じた情報」とは、算出部04において発言予定時間を算出するための情報であり、発言の長さの情報そのものとそれ以外の情報が含まれることを指している。つまり、この発言は何分何秒と予定する、といった情報と、それ以外の情報である、例えば現在どの程度の割合で発言が進んでいるのかといった、推定される発言の進捗率である推定発言進捗率が発言予定情報として受け付けられる構成であってもよい。
【0028】
上記推定発言進捗率の受付は、推定発言進捗率を発言予定時間に対する発言の進捗率を視覚化してキーボードや、マウス等のポインティングデバイス等で入力が可能である進捗入力バーのようなUI(User Interface)により受け付けられる態様であると、発言者が発言中に、より直感的な操作により発言予定情報を入力することが可能である。
【0029】
発言予定情報は、発言者自身により入力され、サーバーが受け付けるものであっても良いし、発言者以外の者により入力されても良い。例えば、会議の主催者により入力され、サーバーが受け付けるものであっても良い。また、発言者自身が入力し、これを主催者が修正するといった態様でも良い。さらに、予め主催者により発言予定情報を入力しておき、発言者自身がこれを修正するといった態様であっても良い。上記の通り、会議の主催者が発言予定情報の受付に関与することで、議事の進行の枠組みが明確となり、より構造化された会議の進行が可能である。
【0030】
算出部04は、発言予定情報受付部03により受け付けられた発言予定情報に基づいて、予定されている発言時間である発言予定時間を算出する。例えば、受け付けられた発言予定情報が推定発言進捗率20%であった場合において、計時部02で計時された発言開始からの時間が30秒であったとすると、算出される発言予定時間は30秒を0.2で除して150秒となる。
【0031】
発言予定時間の算出は、発言予定情報に基づいて行われるが、この発言予定情報は発言者等の主観的な評価であるため、当然ながら実際の発言予定時間との間で誤差が生じる場合がある。この誤差を考慮に入れて発言予定時間を算出する構成であっても良い。すなわち、既知である発言者が過去に発言した発言の長さと、その発言について算出された発言予定時間との誤差に基づいて算出を行っても良い。
【0032】
例えば、過去に発言した発言の長さと算出された発言予定時間との誤差の平均が+30秒であれば、算出された発言予定時間に30秒を追加するといった処理を行っても良いし、平均誤差が発言予定時間の+5%であった場合には、算出された発言予定時間に発言予定時間の5%を乗じた時間を付加するといった処理を行っても良い。
【0033】
表示部05は、算出部04で算出された発言予定時間を表示する。数字で発言予定時間を表示しても良いし、計時部02の計時に応じて、現在継続している発言の発言予定時間に対する進捗率を視覚化した進捗出力バー(図2 端末22A~22Cの画面に表示)により提示するものであっても良い。さらに、数字での表示と進捗出力バーによる表示とを併用しても良い。
【0034】
表示部05の表示は、常に表示されていても良いし、所定のイベントの発生時に表示を開始するものであっても良い。例えば、表示部05は、発言者の発言中は発言予定時間等を表示し、発言者の発言終了を検出すると、非表示とするといった処理を行っても良い。また、表示非表示の切り替えはサーバーが自動で行う他、発言者自身により行っても良いし、会議の主催者が切り替えを行っても良い。
【0035】
判断部06は、計時部02により計時された時間に基づいて、発言予定時間を経過しているか否かを判断する。算出部04により発言予定時間が算出された発言について、計時部02がその発言の開始からの時間を計時して、発言予定時間を超過しているか否かを判断する。超過しているとの判断結果となった場合には、後述する通知部07に対して通知を行うためのメッセージを送信する。
【0036】
通知部07は、判断部06の判断結果に応じて、発言者に対して通知を行う。通知は、表示部05に対して、発言予定時間を超過している旨の文字列を送ったり、表示画面上で色彩によって超過している旨の警告を行ったり、種々の方法で可能である。また、通知部07は発言者のみに通知を行うほか会議の主催者、他の参加者に対しても通知を送付しても良い。例えば初回の通知は発言者のみに行い、2回目の通知は発言者以外の者に対しても行うといった処理を行っても良い。
【0037】
[処理の流れ]
図4は本実施形態の会議サーバーの処理の流れを示すフローチャートである。会議サーバーは、まず発言者の発言開始からの時間を計時する(ステップS01)。次に所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS02)。所定期間を経過していない場合(ステップS02,N)には経過を待つ。所定期間を経過した場合(ステップS02,Y)には発言者予定情報を受け付ける(ステップS03)。受け付けた発言者予定情報に基づいて発言予定時間を算出する(ステップS04)。算出された発言予定時間は表示される(ステップS05)。次に発言の終了を検出したか否かの判断を行う(ステップS06)。発言の終了を検出したと判断された場合には(ステップS06、Y)、処理を終了する。このとき発言予定時間の表示を非表示へと切り替える処理が介在しても良い。発言の終了を検出しないと判断された場合には(ステップS06、N)、その発言が発言予定時間を超過しているか否かを判断する(ステップS07)。発言予定時間を超過しているとの判断結果の場合(ステップS07、Y)には発言予定時間を超過している旨の通知を行う(ステップS08)。通知の後、再び発言の終了の検出を判断する処理(ステップS06)を行い、発言予定時間を超過していないとの判断結果の場合(ステップS07、N)には再び発言の終了の検出を判断する処理(ステップS06)に戻る。
【0038】
[ハードウエア構成]
次に、第1の実施形態に係る会議サーバーを構成する各種装置のハードウエア構成を説明する。図5は、第1の実施形態に係る会議サーバー01のハードウエア構成の一例を示す図である。
【0039】
会議サーバー01は、情報処理装置(コンピュータ)により構成可能であり、図5に例示する構成を備える。例えば、会議サーバー01は、内部バス105により相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、入出力インタフェース103及び通信手段であるNIC(Network Interface Card)104等を備える。
【0040】
但し、図5に示す構成は、会議サーバー01のハードウエア構成を限定する趣旨ではない。会議サーバー01は、図示しないハードウエアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インタフェース103を備えていなくともよい。また、会議サーバー01に含まれるCPU等の数も図5の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のCPUが会議サーバー01に含まれていてもよい。
【0041】
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
【0042】
入出力インタフェース103は、図示しない表示装置や入力装置のインタフェースとなる手段である。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザー操作を受け付ける装置である。
【0043】
会議サーバー01の機能は、処理モジュールである計時プログラムと、発言予定情報受付プログラムと、算出プログラムと、表示プログラムと、判断プログラム、通知プログラム等、により実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ102に格納された計時プログラムをCPU101が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能を何らかのハードウエア、及び/又は、ソフトウエアで実行する手段があればよい。
【0044】
[ハードウエアの動作]
会議サーバー01は処理を開始すると、計時プログラムが、メモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。同プログラムは発言の開始を検出し、計時を開始する。計時を開始した時刻(=発言を開始した時刻)がメモリ102上に保持される。その後、計時された時刻は、必要に応じてメモリ102上に保持され、他プログラムが取得可能となる。
【0045】
次に発言予定情報受付プログラムがメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。同プログラムは計時プログラムより発言開始時刻と現在の時刻を取得し、所定時間の経過後、例えば端末のキーボードやマウス等の入出力インタフェースにより発言予定情報が入力され、NIC104等を介して取得されメモリ102に保持される。
【0046】
次に算出プログラムがメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。同プログラムはメモリ102上に保持されている発言予定情報を読み込み、計時プログラムより、現在の時刻を取得し、発言予定時間の算出を行う。算出結果は発言予定時間としてメモリ102上に保持される。
【0047】
その後、表示プログラムがメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。メモリ102に格納された発言予定時間を読み込み、表示のための表示データを生成する。生成された表示データはNIC104を介して端末等に送信され、端末等ではディスプレイ等の入出力インタフェースにて出力される。
【0048】
次に判断プログラムがメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。同プログラムはメモリ102に保持されている発言予定時間と、計時を開始した時刻と、を読み込み、計時プログラムが計時する現在の時刻を取得する。同プログラムは現在の時刻が発言予定時間を超過している時刻か否かを判断する。その結果、超過しているとの判断結果である場合には通知プログラムを起動させるためのトリガーを発する。
【0049】
判断プログラムよりトリガーが発せられると、通知プログラムがメモリ102から呼び出されてCPU101にて実行状態となる。同プログラムは発言予定時間を超過している旨の通知をするための通知データを生成し、NIC104を介して端末等に送信する。端末等では表示画面等の入出力インタフェースに通知が表示等される。
【0050】
計時プログラムは発言の終了を検出すると、表示プログラムにメッセージを送り、表示プログラムは表示をされている発言予定時間を非表示とするためにNIC104を介して端末等に制御データを送信するなどの処理を行っても良い。
[効果の説明]
【0051】
本実施形態の会議サーバーは、発言者が発言中に発言予定情報を受け付けることで、予定されていない発言であっても即時的に対応し、発言予定時間を算出し、端末等に表示することが可能である。また発言者以外の者、例えば会議の主催者が入力した発言予定情報を受け付けて、発言予定時間を算出して参加者の端末等に表示することも可能であり、効率的な会議の進行を促進することが可能である。
【0052】
[第2の実施形態]
本実施形態では特にWeb会議システムにより会議を開催した場合の会議サーバーを含めたシステムの構成及び動作について述べる。
【0053】
[システムの概略]
図6は、本実施形態のWeb会議システムの概略を示す図である。本実施形態のWeb会議システムはネットワークに接続しWeb会議の中継を行うWeb会議サーバーと、Web会議サーバーと同じネットワークに接続し情報のやり取りをする複数のユーザー端末で構成される。ユーザー端末はWeb会議サーバーと通信する機能を有し、Web会議サーバーを通じてユーザー端末間で相互にWeb会議を構成する情報の送受信を行う機能を有する。Web会議サーバーはユーザー端末から受信した情報を同時に会議の各参加者に送信する機能を有し、発言開始時刻、発言予定時間のデータを保存する機能を有する。
【0054】
[システムの概要]
図7~9は、本実施形態のWeb会議システムにおける画面の概要図である。Web会議画面はユーザー一覧部分と情報表示部分からなる。ユーザー一覧部分はWeb会議に参加しているユーザーの一覧を表示する機能、発言中、ミュート中といったマイクの状態を表示する機能及び、ユーザーごとの発言予定時間表示画面を表示する機能を有する。情報表示部分はPC画面の映像や参加者の映像の表示機能及び、発言予定時間設定画面を表示する機能を有する。
【0055】
図7図9に示される発言予定時間設定画面は、発言予定時間にかかわるパラメーターの設定及び表示をし、発言予定情報を入力する画面である。発言の進捗率を表示及び入力できる発言の進捗率欄、発言の進捗率の棒グラフ表示及び棒グラフから発言の進捗率を入力できる発言進捗バー(第1の実施形態における進捗入力バーに該当)、予定した発言の長さを表示及び入力できる発言予定時間欄、発言予定時間から計算される残り時間を表示する発言残り時間欄で構成される。
【0056】
図8に示される発言予定時間表示画面は、ユーザーごとの発言予定時間にかかわるパラメーターの表示をする画面である。発言の進捗率を表示する発言の進捗率欄、発言の進捗率を棒グラフ表示する発言進捗バー(第1の実施形態における進捗出力バーに該当)、発言予定時間を表示する発言予定時間欄、発言予定時間から計算された発言残り時間を表示する発言残り時間欄で構成される。
【0057】
[システムの動作]
図10は本発明でユーザーAが発言者の状態で発言予定情報を入力するときの処理の流れを示す図である。Web会議サーバーは、発言者が発言を開始し、一定時間以上(例えば3秒以上)連続して音声を送出し続けている場合、話し続けている状態と判定し、発言開始時刻を保存し、ユーザーA端末の画面に図7のような発言予定時間設定画面を表示させる。発言予定時間はあらかじめ決められた値(例えば1分40秒)としてもよい。
【0058】
発言者は発言予定時間設定画面が表示されると、発言予定情報を入力する。発言予定情報は、発言を現在何割くらい話したかを示す発言の進捗率又は、どれくらいの長さ話す予定かを示す発言予定時間のどちらか一方を入力する。一定時間入力が無い場合はあらかじめ決められた値を発言予定時間としてもよい。また、発言者は発言中いつでも発言予定情報を入力することができる。
【0059】
発言の進捗率で入力する場合は、図7の発言の進捗率欄に数字を直接入力するか、発言進捗バーの入力したい進捗率に応じた位置をクリックすることで発言の進捗率の入力とする。
【0060】
発言予定時間で入力する場合は、図7の発言予定時間欄に任意の時間を入力する。
【0061】
発言予定情報が入力されると発言予定情報がWeb会議サーバーに送信され、図12の発言予定時間算出ロジックによって発言予定時間が算出され、保存される。発言予定時間が決定されるとWeb会議サーバーは図8に示すように、発言予定時間表示画面を会議に参加しているすべての端末に表示する。発言予定時間表示画面は定期的に更新される。
【0062】
発言残り時間が0になると、音、表示色の変更、表示の点滅といった方法でユーザーに時間切れを通知する。発言予定時間表示画面は発言者の発言が終了するまで続ける。発言者の発言終了を検出するとWeb会議サーバーは、発言者ユーザーAの発言予定時間表示画面を非表示にする。発言者が発言を終了したことを入力してもよい。(進捗率に100を入力又は、発言進捗バーの右部をクリック。)
【0063】
図11は本発明で会議の主催者であるユーザーCがユーザーAの発言予定時間を設定するときの処理の流れを示す図である。会議の主催者権限をもったユーザー端末では、他の参加者が話し始める前に事前に任意の参加者の発言予定時間を設定することができる。
【0064】
図9のユーザー一覧のリストから任意のユーザーを指定すると、指定したユーザーの発言予定時間設定画面が主催者の画面に表示される。主催者が発言予定時間を入力すると発言予定情報がWeb会議サーバーへ送信され、Web会議サーバーは発言予定時間を保存しユーザーA端末へ送信する。発言予定時間を受信したユーザーA端末には主催者と同様に発言予定時間のみ入力された図9のような発言予定時間設定画面が表示される。
【0065】
発言予定時間が決定されると、Web会議サーバーは図8に示すように、発言予定時間表示画面を会議に参加しているすべての端末に表示する。この場合、発言者が話し始めるまでは0%で、発言者が話し始めると発言時間が増えていくように表示される。発言予定時間表示画面は定期的に更新される。
【0066】
発言残り時間が0になると、音や表示の点滅といった方法でユーザーに時間切れを通知する。発言予定時間表示画面は発言者の発言が終了するまで続ける。発言者の発言終了を検出するとWeb会議サーバーは、発言者ユーザーAの発言予定時間表示画面を非表示にする。
【0067】
[システムの変形例]
本実施例では発言予定時間表示画面は発言予定時間が決定されると表示するとしたが、発言者が一定時間以上発言すると表示するようにしてもよい。
【0068】
発言予定時間表示画面は、ユーザー一覧部分でなく、発言予定時間設定画面と共通にして情報表示部分に表示してもよい。なお、この場合、他の参加者は発言予定情報の入力操作はできない。
【0069】
発言予定時間表示画面の表示中は、主催者、発言者以外の参加者の音声が入力されても無視するようにしても良い。つまり、Web会議サーバーは、他の参加者の音声を合成して出力しないようにしても良い。
【0070】
発言の進捗率や発言予定時間の入力方法は、数字の直接入力だけでなく、いくつか固定の値をプリセットとして用意して提示する形でもよい。
【0071】
話し続けている状態の判定方法は、音声の連続して送出されている時間だけでなく、マイクミュートの解除時間や発言内容のリアルタイム解析の結果から判定してもよい。
【0072】
[効果の説明]
発言者の発言時間が可視化されることにより、発言者は、自分の発言時間を把握し、話す長さをコントロールしやすくなる。また、参加者にも発言予定時間が表示されるため、持ち時間内は他の参加者の割り込みを抑制でき、最後まで落ち着いて発言できる。
【0073】
発言者がマイクOFFのまま発言した場合、発言予定時間設定画面が表示されないため、マイクOFFに気づくことができる。
【0074】
会議の参加者は発言者の話がいつ終わるかの目安を進捗バーで確認できるため、聞いている話の全体構成がつかみやすくなり、話の内容を理解しやすくなる。また、質問やコメントのタイミングを把握することができる。
【0075】
発言者の発言時間が可視化されることにより、会議の進行がしやすくなり、会議時間が長くなることを防ぐことができる。
【0076】
会議の主催者から指定したユーザーに発言予定時間を設定できるため、発表や意見を求める場合に時間調整がやりやすくなり会議の進行がスムーズになる。
【0077】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得るが、以下には限られな
い。
[形態1]
上述の第一の視点に係る会議サーバーのとおりである。
[形態2]
発言予定情報受付部は、発言者自身の発言予定情報を受け付ける、好ましくは形態1に記載の会議サーバー。
[形態3]
発言予定情報受付部は、発言者以外の者が入力する発言者の発言予定情報を受け付ける、好ましくは形態1に記載の会議サーバー。
[形態4]
発言予定情報受付部は、発言予定情報として、推定される発言の進捗率である推定発言進捗率を入力し、算出部は、推定発言進捗率に基づいて、発言予定時間を算出する、好ましくは形態2に記載の会議サーバー。
[形態5]
発言予定情報受付部は、推定発言進捗率を発言予定時間に対する発言の進捗率を視覚化して入力が可能な進捗入力バーにより受け付ける、好ましくは形態4に記載の会議サーバー。
[形態6]
表示部は、計時部の計時に応じて、現在継続している発言の発言予定時間に対する進捗率を視覚化した進捗出力バーにより提示する、好ましくは形態1から形態5のいずれか一に記載の会議サーバー。
[形態7]
計時部により計時された時間に基づいて、発言予定時間を経過しているか否かを判断する判断部と、判断部の判断結果に応じて、発言者に対して通知を行う通知部と、をさらに有する、好ましくは形態1から形態5のいずれか一に記載の会議サーバー。
[形態8]
算出部はさらに、発言者が過去に発言した発言の長さと、その発言について算出された発言予定時間との誤差に基づいて発言予定時間を算出する、好ましくは形態1から形態5のいずれか一に記載の会議サーバー。
[形態9]
上記第二の視点に係る方法のとおりである。
[形態10]
上記第三の視点に係るプログラムのとおりである。
【符号の説明】
【0078】
01 :会議サーバー
02 :計時部
03 :発言予定情報受付部
04 :算出部
05 :表示部
06 :判断部
07 :通知部
21 :端末
22A~22C :端末
23 :主催者
24A~24C :参加者
101 :CPU
102 :メモリ
103 :入出力インタフェース
104 :NIC
105 :内部バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12