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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082722
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】制御装置および制御システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20240613BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240613BHJP
【FI】
E05B49/00 J
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196769
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】神野 雅幸
【テーマコード(参考)】
2E250
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB04
2E250BB47
2E250BB65
2E250FF36
2E250HH01
2E250LL01
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】より効率的なシェアリングサービスを実現する。
【解決手段】移動体に備えられる制御装置であって、前記移動体の位置の推定に用いられる第1の通信規格に準拠した信号を送信する第1の通信部と、前記移動体の位置の推定結果に基づいてモバイルアプリケーションに配信される鍵情報を前記モバイルアプリケーションから第2の通信規格に準拠した無線通信により受信する第2の通信部と、前記第2の通信部が受信した前記鍵情報に基づいて前記移動体に備えられる錠装置の解錠を制御する制御部と、を備える、制御装置が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に備えられる制御装置であって、
前記移動体の位置の推定に用いられる第1の通信規格に準拠した信号を送信する第1の通信部と、
前記移動体の位置の推定結果に基づいてモバイルアプリケーションに配信される鍵情報を前記モバイルアプリケーションから第2の通信規格に準拠した無線通信により受信する第2の通信部と、
前記第2の通信部が受信した前記鍵情報に基づいて前記移動体に備えられる錠装置の解錠を制御する制御部と、
を備える、
制御装置。
【請求項2】
前記鍵情報は、前記モバイルアプリケーションがインストールされるモバイル機器の位置情報にさらに基づいて配信される、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記移動体の位置は、前記第1の通信部が送信する前記第1の通信規格に準拠した信号を受信した基地局に基づいて推定される、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1の通信規格は、LPWA通信を含む、
請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第2の通信規格は、BLE通信を含む、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
移動体に備えられる制御装置、
ユーザにより利用されるモバイル機器にインストールされるモバイルアプリケーション、および
前記移動体の位置の推定の結果に基づいて前記モバイルアプリケーションに前記移動体に備えられる錠装置の解錠に用いられる鍵情報を配信する鍵配信サーバ、
を備え、
前記制御装置は、
前記移動体の位置の推定に用いられる第1の通信規格に準拠した信号を送信する第1の通信部と、
前記モバイルアプリケーションから前記鍵情報を第2の通信規格に準拠した無線通信により受信する第2の通信部と、
前記第2の通信部が受信した前記鍵情報に基づいて前記錠装置の解錠を制御する制御部と、
を備える、
制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置および制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のユーザで車両を共同利用する、いわゆるカーシェアリングと呼ばれるサービスが展開されている。また、例えば特許文献1に開示されるように、カーシェアリングを支援するシステムが開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-77211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるシステムでは、利用者からの要求に応じて予約可能な車両の情報が当該利用者に対して提示される。しかし、ここで、予約可能な車両が複数存在する場合、利用者は、複数の車両の中から目的の車両を選択することを求められる。予約可能な車両が多いほど、当該選択に要する手間が増えることとなる。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、より効率的なシェアリングサービスを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、移動体に備えられる制御装置であって、前記移動体の位置の推定に用いられる第1の通信規格に準拠した信号を送信する第1の通信部と、前記移動体の位置の推定結果に基づいてモバイルアプリケーションに配信される鍵情報を前記モバイルアプリケーションから第2の通信規格に準拠した無線通信により受信する第2の通信部と、前記第2の通信部が受信した前記鍵情報に基づいて前記移動体に備えられる錠装置の解錠を制御する制御部と、を備える、制御装置が提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、移動体に備えられる制御装置、ユーザにより利用されるモバイル機器にインストールされるモバイルアプリケーション、および前記移動体の位置の推定の結果に基づいて前記モバイルアプリケーションに前記移動体に備えられる錠装置の解錠に用いられる鍵情報を配信する鍵配信サーバ、を備え、前記制御装置は、前記移動体の位置の推定に用いられる第1の通信規格に準拠した信号を送信する第1の通信部と、前記モバイルアプリケーションから前記鍵情報を第2の通信規格に準拠した無線通信により受信する第2の通信部と、前記第2の通信部が受信した前記鍵情報に基づいて前記錠装置の解錠を制御する制御部と、を備える、制御システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明によれば、より効率的なより効率的なシェアリングサービスを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る制御システム1の構成例を示すブロック図である。
図2】同実施形態に係る移動体10の位置の推定例について説明するための模式図である。
図3】同実施形態に係る制御システム1の処理例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
また、本明細書及び図面においては、複数存在する同種の構成を区別して説明する場合に、符号の末尾にアルファベットを付す場合がある。一方、複数存在する同種の構成を区別する必要がない場合、上記アルファベットを省略し、複数存在する同種の構成のすべてに共通する説明がなされる場合がある。
【0012】
<1.実施形態>
<<1.1.システム構成例>>
まず、本発明の一実施形態に係る制御システム1の構成例について述べる。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る制御システム1の構成例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る制御システム1は、錠装置110および制御装置120が搭載される移動体10、基地局20、中継サーバ30、鍵配信サーバ40、およびモバイル機器55にインストールされるモバイルアプリケーション50を含んでもよい。
【0015】
(移動体10)
本実施形態に係る移動体10は、例えば、車両、船舶、航空機などであってもよい。
【0016】
本実施形態に係る移動体10は、複数のユーザに共同利用される。
【0017】
本実施形態に係る制御システム1は、複数の移動体10を含む。すなわち、本実施形態に係る制御システム1は、複数の錠装置110および複数の制御装置120を含む。
【0018】
(錠装置110)
本実施形態に係る錠装置110は、移動体10に設けられるドアの施錠および解錠を実施する電子錠装置であってもよい。
【0019】
(制御装置120)
本実施形態に係る制御装置120は、同一の移動体10に備えられる錠装置110によるドアの施錠および解錠を制御する。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係る制御装置120は、第1の通信部121、第2の通信部122、および制御部123を備える。
【0021】
(第1の通信部121)
本実施形態に係る第1の通信部121は、第1の通信規格に準拠した無線通信を行う。
【0022】
本実施形態に係る第1の通信部121が送信する第1の通信規格に準拠した信号は、移動体10の位置の推定に用いられる。
【0023】
本実施形態に係る第1の通信規格の一例としては、例えば、LPWA(Low Power Wide Area-network)通信が挙げられる。
【0024】
LPWA通信は、低消費電力で長距離のデータ通信を可能とする通信規格であり、本実施形態に係る移動体10のように、移動する物体の位置推定に適している。
【0025】
ただし、本実施形態に係る第1の通信規格は、LPWA通信に限定されない。本実施形態に係る第1の通信規格には、移動体10の位置の推定が可能な任意の通信規格が採用可能である。
【0026】
本実施形態に係る第1の通信規格は、例えば、LTE(Long Term Evolution)等であってもよい。
【0027】
(第2の通信部122)
本実施形態に係る第2の通信部122は、モバイルアプリケーション50との間において、第1の通信規格とは異なる第2の通信規格に準拠した無線通信を行う。
【0028】
例えば、本実施形態に係る第2の通信部122は、移動体10の位置の推定の結果に基づいてモバイルアプリケーション50に配信される鍵情報をモバイルアプリケーション50から第2の通信規格に準拠した無線通信により受信する。
【0029】
本実施形態に係る第2の通信規格の一例としては、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信が挙げられる。
【0030】
ただし、本実施形態に係る第2の通信規格は、BLE通信に限定されない。本実施形態に係る第2の通信規格には、任意の無線通信規格が採用可能である。
【0031】
本実施形態に係る第2の通信規格は、例えば、Wi-Fi(登録商標) Direct等であってもよい。
【0032】
(制御部123)
本実施形態に係る制御部123は、第2の通信部122が受信した鍵情報に基づいて同一の移動体10に備えられる錠装置110による施解錠を制御する。
【0033】
制御部123は、例えば、上記鍵情報に基づき認証を実施し、当該認証において鍵情報の真正性が認められた場合、錠装置110に解錠を指示してもよい。
【0034】
また、制御部123は、鍵情報の認証に加えて、鍵情報の送信元であるモバイルアプリケーション50の認証を実施してもよい。
【0035】
制御部123による認証の対象、解錠指示の条件は、適宜設計されてよい。
【0036】
本実施形態に係る制御部123が有する機能は、各種のプロセッサにより実現される。
【0037】
(基地局20)
本実施形態に係る基地局20は、制御装置120の第1の通信部121により送信される第1の通信規格に準拠した信号を受信する。
【0038】
本実施形態に係る基地局20は、第1の通信部121との第1の通信規格に準拠した無線通信の履歴(以下、通信履歴、と称する)を中継サーバ30に送信する。
【0039】
本実施形態に係る制御システム1は、異なる場所に設置される複数の基地局20を含む。
【0040】
(中継サーバ30)
本実施形態に係る中継サーバ30は、基地局20から受信した通信履歴を鍵配信サーバ40に送信する。
【0041】
本実施形態に係る中継サーバ30は、例えば、MQTT(Message Queueing Telemetry Transport)ブローカーであってもよい。
【0042】
プロトコルとしてMQTTを採用する場合、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)と比較してトラフィックを1/10程度に抑えることができ、通信量、処理負荷、電力消費量を効果的に低減することが可能となる。
【0043】
本実施形態に係る中継サーバ30が有する機能は、各種のプロセッサにより実現される。
【0044】
(鍵配信サーバ40)
本実施形態に係る鍵配信サーバ40は、中継サーバ30から受信した通信履歴を蓄積・管理する。
【0045】
また、本実施形態に係る鍵配信サーバ40は、通信履歴に基づき移動体10の位置を推定してもよい。
【0046】
本実施形態に係る鍵配信サーバ40は、移動体10の位置の推定結果に基づいてモバイルアプリケーション50に鍵情報を配信する。
【0047】
また、本実施形態に係る鍵配信サーバ40は、モバイル機器55の位置情報にさらに基づいて鍵情報を配信してもよい。
【0048】
本実施形態に係る鍵配信サーバ40が有する機能は、各種のプロセッサにより実現される。
【0049】
(モバイルアプリケーション50)
本実施形態に係るモバイルアプリケーション50は、ユーザにより利用されるモバイル機器55にインストールされるアプリケーションである。
【0050】
モバイルアプリケーション50は、モバイル機器55に搭載される通信モジュールおよびインターネット等を介して鍵配信サーバ40に対して鍵情報配信要求を送信し、鍵配信サーバ40から鍵情報等を受信する。
【0051】
また、モバイルアプリケーション50は、モバイル機器55に搭載される通信モジュールを介して制御装置120に対して鍵情報を送信する。
【0052】
上記鍵情報の送信は、第2の通信規格に準拠した無線通信により実現される。
【0053】
本実施形態に係るモバイルアプリケーション50が有する機能は、各種のプロセッサにより実現される。
【0054】
(モバイル機器55)
本実施形態に係るモバイル機器55は、例えば、スマーフォン、タブレット、ウェアラブル機器等であってもよい。
【0055】
以上、本実施形態に係る制御システム1の構成例について述べた。なお、図1を参照して説明した上記の構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る制御システム1の構成はかかる例に限定されない。本実施形態に係る制御システム1の構成は、仕様、運用等に応じて柔軟に変形可能である。
【0056】
<<1.2.詳細>>
次に、本実施形態に係る制御システム1が有する機能について詳細に説明する。
【0057】
上述したように、カーシェアリングを支援するシステムには、予約可能な車両をユーザに提示し、ユーザに任意の車両を選択させるものがある。
【0058】
しかし、この場合、ユーザは、多くの車両を比較しながら条件に合致する車両を選択することを求められるため、予約可能な車両の数が多いほどユーザの負荷が高くなってしまう。
【0059】
さらには、予約可能な車両の数が多い場合、ユーザが自身に最も近い車両を直感的に選択できない可能性もある。
【0060】
本発明に係る技術思想は主に上記のような点に着目して発想されたものであり、より効率的なシェアリングサービスを実現することを可能とする。
【0061】
このために、本実施形態に係る制御装置120は、移動体10の位置の推定に用いられる第1の通信規格に準拠した信号を送信する第1の通信部121を備える。
【0062】
また、本実施形態に係る制御装置120は、移動体10の位置の推定結果に基づいてモバイルアプリケーション50に配信される鍵情報をモバイルアプリケーション50から第2の通信規格に準拠した無線通信により受信する第2の通信部122を備える。
【0063】
また、本実施形態に係る制御装置120は、第2の通信部122が受信した鍵情報に基づいて移動体10に備えられる錠装置110の解錠を制御する制御部123を備える。
【0064】
まず、本実施形態に係る移動体10の位置の推定について一例を挙げて説明する。
【0065】
図2は、本実施形態に係る移動体10の位置の推定例について説明するための模式図である。
【0066】
移動体10に搭載される制御装置120の第1の通信部121は、移動体10の移動時および停止時において、移動体10、制御装置120、または第1の通信部121を識別可能な情報を含む識別情報を例えば定められた頻度でブロードキャストする。
【0067】
上記のようにブロードキャストされる識別情報は、各地に設置される複数の基地局20により受信され得る。
【0068】
図2に示す一例の場合、地点Zにおいて移動体10Cに搭載される第1の通信部121によりブロードキャストされる識別情報は、例えば、基地局20G、基地局20H、基地局20Iにより受信され得る。この場合、移動体10Cは、基地局20G~20Iに囲まれたエリアに位置すると推定される。
【0069】
また、地点Yにおいて移動体10Bに搭載される第1の通信部121によりブロードキャストされる識別情報は、例えば、基地局20D、基地局20E、基地局20Fにより受信され得る。この場合、移動体10Bは、基地局20D~20Fに囲まれたエリアに位置すると推定される。
【0070】
また、地点Xにおいて移動体10Aに搭載される第1の通信部121によりブロードキャストされる識別情報は、例えば、基地局20A、基地局20B、基地局20Cにより受信され得る。この場合、移動体10Aは、基地局20A~20Cに囲まれたエリアに位置すると推定される。
【0071】
基地局20A~20Iは、受信した識別情報に基づく通信履歴を中継サーバ30に送信する。中継サーバ30は、基地局20A~20Iから受信した通信履歴を鍵配信サーバ40に送信する。
【0072】
鍵配信サーバ40は、中継サーバ30から受信した通信履歴を蓄積し、当該通信履歴に基づき移動体10の位置を推定する。
【0073】
本実施形態に係る通信履歴には、例えば、第1の通信規格に準拠した信号を送信する移動体10、制御装置120、または第1の通信部121の識別情報、当該信号を受信した基地局20の識別情報、基地局20による上記信号の受信強度、受信時刻等が含まれてもよい。
【0074】
鍵配信サーバ40は、上記のような情報に基づいて、少なくともある時刻(基地局20による上記信号の受信時刻)において移動体10がどの基地局20に囲まれたエリアにあるかを推定することが可能である。
【0075】
例えば、図2に示す一例の場合、鍵配信サーバ40は、移動体10Cと基地局20G~20Iの各々との通信履歴に基づいて、移動体10Cが基地局20G~20Iに囲まれたエリアに位置すると推定することができる。
【0076】
また、鍵配信サーバ40は、移動体10Bと基地局20D~20Fの各々との通信履歴に基づいて、移動体10Bが基地局20D~20Fに囲まれたエリアに位置すると推定することができる。
【0077】
また、鍵配信サーバ40は、移動体10Aと基地局20A~20Cの各々との通信履歴に基づいて、移動体10Aが基地局20A~20Cに囲まれたエリアに位置すると推定することができる。
【0078】
このように、本実施形態に係る制御システム1によれば、複数の移動体10の位置をほぼリアルタイムに把握することが可能となる。
【0079】
なお、上記では、鍵配信サーバ40が移動体10の位置の推定を行う場合を例に説明したが、移動体10の位置の推定を行う主体はかかる例に限定されない。
【0080】
移動体10の位置の推定は、移動体10に搭載される制御装置120により実施されてもよい。
【0081】
この場合、制御装置120の第1の通信部121は、上述した識別情報に加え、移動体10の位置情報を定められた頻度で送信してもよい。
【0082】
以上、本実施形態に係る移動体10の位置の推定について一例を挙げて説明した。
【0083】
続いて、本実施形態に係る制御システム1の処理の流れについて詳細に述べる。
【0084】
図3は、本実施形態に係る制御システム1の処理例を示すシーケンス図である。
【0085】
図3に示す一例の場合、まず、制御装置120の第1の通信部121が識別情報をブロードキャストする(S102)。
【0086】
ステップS102において識別情報を受信した基地局20は、当該識別情報に基づいて生成した通信履歴を中継サーバ30に送信する(S104)。
【0087】
ステップS104において通信履歴を受信した中継サーバ30は、当該通信履歴を鍵配信サーバ40に送信する(S106)。
【0088】
ステップS106において通信履歴を受信した鍵配信サーバ40は、当該通信履歴に基づき移動体10の位置を推定する(S108)。
【0089】
ステップS102~S108における処理は、繰り返し実行されてよい。
【0090】
次に、モバイルアプリケーション50は、例えば、ユーザによる操作に基づいて、鍵配信サーバ40に対し鍵情報配信要求およびモバイルアプリケーション50がインストールされるモバイル機器55の位置情報を送信する(S110)。
【0091】
ステップS110において鍵情報配信要求およびモバイル機器55の位置情報を受信した鍵配信サーバ40は、鍵情報配信要求に基づき、モバイルアプリケーション50に割り当てる移動体10を決定する(S112)。
【0092】
具体的には、鍵配信サーバ40は、モバイル機器55の位置情報、および複数の移動体10の位置情報に基づき、モバイル機器55に最も近い移動体10を割り当ててもよい。
【0093】
また、鍵配信サーバ40は、モバイル機器55の位置情報に代えてユーザの自宅等の予め登録された拠点の位置情報に基づき移動体10を割り当てることも可能である。この場合、モバイルアプリケーション50は、モバイル機器55の位置情報を必ずしも送信する必要はない。
【0094】
続いて、鍵配信サーバ40は、ステップS112において決定した移動体10に係る鍵情報をモバイルアプリケーション50に配信する(S114)。
【0095】
その後、モバイルアプリケーション50は、ユーザによる解錠操作を受け付けると(S116)、ステップS114において受信した鍵情報を制御装置120に送信する(S118)。
【0096】
なお、鍵配信サーバ40は、鍵情報に加え、割り当てた移動体10の位置情報をモバイルアプリケーション50に送信してもよい。
【0097】
ステップS118において鍵情報を受信した制御装置120は、当該鍵情報に基づき認証を実施する(S120)。
【0098】
ここで、鍵情報の真正性が認められた場合、制御装置120は、錠装置110に対して解錠指示を送信する(S122)。
【0099】
ステップS122において解錠指示を受信した錠装置110は、当該解錠指示に基づき解錠を行う(S124)。
【0100】
以上、本実施形態に係る制御システム1の処理の流れについて具体例を挙げて説明した。
【0101】
上記で述べたような一連の処理によれば、ユーザが移動体10を選択する手間がなくなり、より効率的なシェアリングサービスを実現することが可能となる。
【0102】
また、上記で述べたような一連の処理によれば、ユーザに最も近い移動体10を容易に割り当てることができる。このため、ユーザは事前の予約なしに気軽に移動体10を利用することができる。
【0103】
ただし、図3を参照して説明した一連の処理はあくまで一例である。
【0104】
例えば、上記では、通信履歴を中継サーバ30が中継する場合を例示したが、中継サーバ30による通信履歴の中継は必ずしも必要ない。
【0105】
また、例えば、上記では、基地局20が通信履歴を生成・送信する場合を例示した。一方、第1の通信部121が通信履歴を生成し、当該通信履歴を送信することも可能である。
【0106】
また、例えば、鍵配信サーバ40は、予約情報にさらに基づいて移動体10を決定してもよい。鍵配信サーバ40は、あるユーザ(モバイルアプリケーション50)から鍵情報配信要求を受信した場合、他のユーザによる予約が入っていない移動体10から、割り当てる移動体10を決定してもよい。
【0107】
また、例えば、移動体10に搭載される第1の通信部121は、移動体10に係る走行履歴、施解錠履歴、バッテリー残量等の情報をさらに送信してもよい。上記のような情報は、鍵配信サーバ40に蓄積され、移動体10の管理等に活用される。
【0108】
本実施形態に係る制御システム1の処理は柔軟に変形可能である。
【0109】
<2.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0110】
また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、コンピュータにより読み取り可能な非一過性の記憶媒体(non-transitory computer readable storage medium)に格納されるプログラムにより実現されてもよい。各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記憶媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のプログラムは、記憶媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1:制御システム、10:移動体、110:錠装置、120:制御装置、121:第1の通信部、122:第2の通信部、123:制御部、20:基地局、30:中継サーバ、40:鍵配信サーバ、50:モバイルアプリケーション、55:モバイル機器
図1
図2
図3