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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082725
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】オゾン供給システム
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/20 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
A61L2/20 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196772
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】593048294
【氏名又は名称】石原 吉己
(74)【代理人】
【識別番号】100099047
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】石原 吉己
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA28
4C058BB07
4C058CC05
4C058DD13
4C058DD16
4C058JJ14
4C058JJ30
(57)【要約】
【課題】予定したオゾンの効果が得られるオゾン濃度に達した後に、速やかに安全なオゾン濃度域まで濃度を下げることができるオゾン供給システムを提供すること。
【解決手段】オゾン発生装置12と、オゾン測定器9と、オゾンを分解するための深紫外線灯7とを備え、オゾン発生装置12のオゾン放出口、オゾン測定器9及び深紫外線灯7は密閉空間内に配置され、オゾン測定器9によってオゾン発生装置12から放出されるオゾンの濃度が所定の第1の濃度であることが検出された場合に、オゾン発生装置12を停止させ、同時に深紫外線灯7から深紫外線が照射されるように制御し、オゾン測定器9によってオゾンの濃度が第1の濃度よりも低い所定の第2の濃度であることが検出された場合に、オゾン発生装置12からオゾンを放出させ、同時に深紫外線灯7からの深紫外線の照射が停止されるように制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾン発生装置と、前記オゾン発生装置から放出されるオゾンの濃度を検出するオゾン濃度検出手段と、前記オゾン発生装置から放出されるオゾンを分解するための波長の電磁波を照射可能な電磁波照射装置とを備え、
前記オゾン発生装置のオゾン放出口、前記オゾン濃度検出手段及び前記電磁波照射装置は壁面によって包囲された密閉空間内に配置され、
前記オゾン濃度検出手段によって前記オゾン発生装置から放出されるオゾンの濃度が所定の第1の濃度であることが検出された場合に、前記オゾン発生装置からのオゾンの放出を停止又は抑制するとともに前記電磁波照射装置から電磁波が照射されるように制御され、前記オゾン濃度検出手段によってオゾンの濃度が前記第1の濃度よりも低い所定の第2の濃度であることが検出された場合に、前記オゾン発生装置からオゾンの放出がされるとともに前記電磁波照射装置からの電磁波の照射が停止又は抑制されるように制御することを特徴とするオゾン供給システム。
【請求項2】
前記前記電磁波照射装置はオゾンを分解するための波長の波長の深紫外線を含む波長域の深紫外線を照射可能な深紫外線照射装置であることを特徴とする請求項1に記載のオゾン供給システム。
【請求項3】
前記密閉空間には空気撹拌装置が配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のオゾン供給システム。
【請求項4】
前記密閉空間内において前記オゾン放出口は上方に向いて配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のオゾン供給システム。
【請求項5】
前記密閉空間内において前記深紫外線照射装置は天井に設置され、下方に向かって紫外線が照射されることを特徴とする請求項2に記載のオゾン供給システム。
【請求項6】
電磁波照射装置の照射方向には電磁波を遮蔽するための遮蔽体が配置されることを特徴とする請求項1に記載のオゾン供給システム。
【請求項7】
前記制御は制御手段によって実行されることを特徴とする請求項1又は2に記載のオゾン供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は密閉空間にオゾンを安定して供給するためのオゾン供給システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オゾンは3つの酸素原子から構成される強い酸化力を有する物質である。高濃度においては有毒であるが、低濃度であればその酸化力による殺菌・脱臭作用が得られることから有益である。例えば、森林浴は樹木からのオゾンによる殺菌力によって空気が除菌・脱臭がされることを利用していると考えられている。このようなオゾンの殺菌力を有効に活用するためのオゾンを供給する装置等が従来から提案されている。例えば、特許文献1の空気及び室内の衛生化装置や特許文献2の車両除菌消臭ユニットはオゾンの殺菌力や脱臭力を利用した装置の一種である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2009-517175号公報
【特許文献2】特開2022-115527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにオゾンは強い酸化力を有し有毒であるものの、生体に対する殺菌・除菌効果もあるため近年では人や動物について医療目的でも使用されるようになっている。例えば、ある種の感染症、皮膚病、免疫不全、アレルギー等にオゾンの有効性が示されている。
生体に対する使用方法として密閉された雰囲気中に人を含め動物が滞在するようことが考えられている。但し、このような使用方法はオゾンが十分低濃度でなければ勧められるものではない。一方であまり低濃度では効果が得られないというジレンマもある。つまり、十分なオゾンの効果が得られるような濃度の雰囲気を創出しながらも、その高濃度での雰囲気を継続させないような密閉空間を提供することが求められていた。
ところが、単にオゾン発生装置をON・OFFしてオゾン濃度を調整するような場合では、濃度が高くなってきてその段階でオゾンの放出を停止しても、オゾン濃度は維持されたままとなるため、オゾン濃度を速やかに下げることは困難であった。
そのため予定したオゾンの効果が得られるオゾン濃度に達した後に、速やかに安全なオゾン濃度域までオゾン濃度を下げることができるオゾン供給システムが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、手段1として、オゾン発生装置と、前記オゾン発生装置から放出されるオゾンの濃度を検出するオゾン濃度検出手段と、前記オゾン発生装置から放出されるオゾンを分解するための波長の電磁波を照射可能な電磁波照射装置とを備え、前記オゾン発生装置のオゾン放出口、前記オゾン濃度検出手段及び前記電磁波照射装置は壁面によって包囲された密閉空間内に配置され、前記オゾン濃度検出手段によって前記オゾン発生装置から放出されるオゾンの濃度が所定の第1の濃度であることが検出された場合に、前記オゾン発生装置からのオゾンの放出を停止又は抑制するとともに前記電磁波照射装置から電磁波が照射されるように制御され、前記オゾン濃度検出手段によってオゾンの濃度が前記第1の濃度よりも低い所定の第2の濃度であることが検出された場合に、前記オゾン発生装置からオゾンの放出がされるとともに前記電磁波照射装置からの電磁波の照射が停止又は抑制されるように制御するようにした。
これによって、所定の第1の濃度と第2の濃度の間でオゾン濃度が反復するように変化することとなり、高いオゾン濃度が維持されることがなくなるため生体に負荷が少なく、かつオゾンによる大きな殺菌・除菌効果を期待することができる。
【0006】
「壁面によって包囲された密閉空間」はオゾンが充満して保持できる空間であればその大きさは問わない。壁面の材質や形状も問わない。例えば、人や動物が収容可能な部屋であってもよく、例えば人や動物の全体ではなく一部を収容するような小さな箱であってもよい。
「オゾン発生装置」オゾン放出口が密閉空間内にあれば装置自体は密閉空間内に配置されていてもいなくともよい。オゾン発生装置もオゾン放出口も1つでも複数でもよい。オゾン発生方式は一般に、無声放電方式、紫外線ランプ方式、コロナ放電方式等があるが、いずれの方式であってもよい。特に無声放電方式とコロナ放電方式がよい。
「電磁波照射装置」が照射するオゾンを分解するための波長の電磁波としては、波長の短くエネルギーの大きな深紫外線、X線、β線等であるが、特に深紫外線やX線がよい。X線、β線を用いる場合では電磁波が漏れないような遮蔽をしてオゾンを分解することがよい。深紫外線は一般に100~280nm付近の波長の電磁波をいうが、オゾンを分解するための波長として特異的に254nm付近の波長を含む電磁波を照射することができるとよい。オゾンは分解されて酸素分子と励起状態の酸素原子(活性酸素)を生成する。電磁波照射装置は電源部と制御部と照射部とを有する
「オゾン発生装置からのオゾンの放出を停止又は抑制する」における抑制とは、電磁波照射装置から電磁波を照射して分解されるオゾン量よりも十分少ない量であればオゾン発生装置からのオゾンの放出は許容される意である。例えば、オゾン発生装置の出力をごく絞ってわずかなオゾンを放出するような場合である。
「電磁波照射装置からの電磁波の照射が停止又は抑制される」における抑制とは、オゾン発生装置から放出されるオゾン量よりも電磁波照射装置から電磁波を照射して分解されるオゾン量が十分少ない量であれば電磁波照射装置からの電磁波の照射は許容される意である。例えば、電磁波照射装置の出力をごく絞ってわずかにオゾンを分解するような場合である。
【0007】
また、手段2として、前記電磁波照射装置はオゾンを分解するための波長の波長の深紫外線を含む波長域の深紫外線を照射可能な深紫外線照射装置であるようにした。
X線、β線等の高エネルギーの電磁波では遮蔽しないと生体によくないため、必ずしも遮蔽をしなくともよい深紫外線を照射する深紫外線照射装置であることがよい。電磁波照射装置は254nmの深紫外線を含む波長域の深紫外線を照射可能であることがよい。深紫外線照射装置は電源部と制御部と照射部とを有する。照射部の形態として例えば蛍光灯形状状がよい。
また、手段3として、前記密閉空間には空気撹拌装置が配設されているようにした。
これによって、密閉空間内のオゾン密度の均質化に貢献するからである。そのため、空気撹拌装置は密閉空間内で放出されたオゾンが分散するように配置されることがよい。空気撹拌装は複数配置されてもよい。
また、手段4として、前記密閉空間内において前記オゾン放出口は上方に向いて配置されるようにした。
このような配置であるとオゾンが循環しやすくなる。
また、手段5として、前記密閉空間内において前記深紫外線照射装置は天井に設置され、下方に向かって紫外線が照射されるようにした。
オゾン放出口と対向する位置となり、発生するオゾンに対して深紫外線をまんべんなく照射することが可能となる。
また、手段6として、電磁波照射装置の照射方向には電磁波を遮蔽するための遮蔽体が配置されるようにした。
高エネルギーの電磁波が生体に及ばないようにするためである。遮蔽体は電磁波照射装置の電磁波の種類や照射スタイルに依存し、壁状の遮蔽体であってもよく、磁波照射装置自体を包囲してしまうような形態でもよい。
また、手段7として、前記制御は制御手段によって実行されるようにした。
制御手段は具体的には例えば演算能力を備えたCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)や各種メモリ各種周辺回路及びインタフェース等から構成されるコンピュータ装置がよい。
上述した手段1~手段7の各発明は、任意に組み合わせることができる。手段1~手段7の各発明の任意の構成要素を抽出し、他の構成要素と組み合わせてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所定の第1の濃度と第2の濃度の間でオゾン濃度が反復するように変化することとなり、高いオゾン濃度が維持されることがなくなるため生体に負荷が少なく、かつオゾンによる大きな殺菌・除菌効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態のオゾン供給システムの斜視図。
図2】同じ実施形態のオゾン供給システムの概念を説明する説明図。
図3】同じ実施形態のオゾン供給システムの電気的構成を説明するためのブロック図。
図4】同じ実施形態のオゾン供給システムのオゾン供給ルーチンを説明するフローチャート。
図5】他の実施形態のオゾン供給システムの概念を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態であるオゾン供給システムについて図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態のオゾン供給システムは壁面1、天井面2、床面3によって包囲された部屋5に配設されている。四方の壁面1の一面には扉6が取り付けられている。
深紫外線照射装置としての3つの深紫外線灯7は間隔を空けて天井面2に紫外線の照射方向が下側となるように取り付けられている。天井面2の深紫外線灯7の間には空気撹拌装置としての2つのファン8が下向きに送風するように取り付けられている。四方の壁面1の一面の上下方向の中間位置付近にはオゾン測定器9が配設されている。オゾン測定器9はオゾンの濃度を測定するオゾンセンサを備えており連続的にオゾンの濃度を測定する。
床面3は二重底になっており、床面3とその上面の内部床面10の間の収容部11内にはオゾン発生装置12が収容されている。オゾン発生装置12のオゾン放出口は内部床面10に形成された放出口13に接続されている。深紫外線灯7、ファン8、オゾン測定器9及びオゾン発生装置12はコントローラ15に接続されている。
【0011】
次に、図3に基づいて本実施の形態のオゾン供給システムの電気的構成について説明する。尚、本発明と直接関係のない電気的構成については説明を省略する。
コントローラ15は周知のCPU(中央処理装置)16やROM及びRAM等の等の記憶装置17等から構成されている。CPU16は記憶装置17に保存されているプログラムに基づいて演算処理を行う。コントローラ15のROM内にはオゾン測定器9からのオゾン濃度の検出値に基づいて深紫外線灯7の出力の制御とオゾン発生装置12からのオゾン発生量を制御するためのプログラムが記憶されている。
深紫外線灯7は254nmの波長の深紫外線を含む人が目視できない光を照射する電灯である。
オゾン発生装置12は本実施の形態では無声放電方式を用いている。本実施の形態のオゾン発生装置12の定格出力は80Wで最大オゾン発生量は10000mg/hである。
オゾン測定器9は0.05~20.00ppmのオゾン濃度を測定し、測定データをコントローラ15に出力する。コントローラ15はオゾン測定器9の測定データに基づいてオゾン濃度が20.00ppmに達したこととオゾン濃度が5.00ppm以下に達したことを判断し、深紫外線灯7とファン8とオゾン発生装置12を制御する。
【0012】
次に、図4のフローチャートに基づいてコントローラ15が実行するオゾン供給のルーチンについて説明する。
メインスイッチの電源が投入されると、ステップS1においてコントローラ15はオゾン発生装置12を駆動させてオゾンを発生させ、部屋5内にオゾンを充満させていく。同時にファン8を駆動させて室内に空気の循環環境を発生させる。次いで、ステップS2において、コントローラ15はオゾン測定器9からの測定データに基づいてオゾン濃度が20.00ppmに達したかどうかを判断する。ステップS2においてオゾン濃度が20.00ppmに達していなければオゾン発生装置12からのオゾン発生は継続される。一方、ステップS2においてオゾン濃度が20.00ppmに達したと判断されると、オゾン濃度が最高域に達したとしてステップS3において、コントローラ15は、オゾン発生装置12の電源を遮断し、同時に深紫外線灯7の電源を投入させる(深紫外線灯7を点灯させ深紫外線を照射する)。これによって部屋5内のオゾン濃度は部屋5の扉6を開けなくとも速やかに下がっていく。
【0013】
次いで、ステップS4において、コントローラ15はオゾン測定器9からの測定データに基づいてオゾン濃度が5.00ppm以下に達したかどうかを判断する。ステップS4においてオゾン濃度が5.00ppm以下に達していなければオゾン発生装置12の電源のOFF状態は維持され、深紫外線灯7の深紫外線の照射も維持される。つまり、部屋5内のオゾン濃度は下がり続けることとなる。
一方、ステップS4においてオゾン濃度が5.00ppm以下に達したと判断されると、オゾン濃度が最低域に達したとしてコントローラ15は、ステップS5でオゾン発生装置12の電源を再度投入し、同時に深紫外線灯7の電源を遮断し、ルーチンをステップS2へと移行させる。以後は、メインスイッチの電源が遮断されるまでルーチンが繰り返され部屋5内部のオゾン濃度は20.00ppmと5.00ppmの間をほぼ一定の時間間隔で反復することとなる。
【0014】
このような構成オゾン供給システムでは次のような効果が奏される。
(1)部屋5内部のオゾン濃度が20.00ppm~5.00ppmの間で繰り返されることとなり、20.00ppm付近ではオゾンの殺菌・除菌効果が期待できることとなる。そしてそのような高濃度状態は維持されずに速やかに下がるため、部屋5内に滞在する人が高濃度のオゾン雰囲気にさらされ続けることがなく、殺菌・除菌効果が期待できるとともに従来に比べて比較的長時間部屋5内に滞在することが可能となる。
(2)深紫外線灯7によって急速にオゾン濃度を下げることができるため、20.00ppmという最高域の濃度が維持されるのを比較的短い時間内に収めることができる。
(3)ファン8によって部屋5内部が撹拌されるため部屋5内部のオゾン濃度が均質化される。
【0015】
上記実施の形態は本発明の原理およびその概念を例示するための具体的な実施の形態として記載したにすぎない。つまり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明は、例えば次のように変更した態様で具体化することも可能である。
・上記では人が入室できるような大きな空間の部屋5を例示したが、オゾンによる殺菌・除菌は例えば皮膚の一部への施療でもよいため、密閉空間としてこのような大型でなくともよい。また、多くの人を同時に入室させるような更に大きな空間の部屋であってもよい。
・上記は人が殺菌・除菌を予定して部屋5に入室することで説明したが、密閉された部屋として人以外の動物のための例えばニワトリや豚等の家禽舎であってもよい。
・上記ではオゾン測定器9を部屋5内に配置したが、オゾン測定器9全体ではなくオゾンセンサだけを部屋5内に配置し、例えば測定器自体は外部に配置してもよい。オゾンセンサは複数あってもよい。
・上記実施の形態ではコントローラ15がオゾン濃度が20.00ppmや5.00ppm以下に達したことを判断したが、そのような判断はオゾン測定器9側で実行し、コントローラ15へは制御信号を出力するような構成でもよい。また、オゾン濃度は20.00ppmや5.00ppmの値は一例であり、他の濃度を上限と下限に設定してもよい。
・オゾン発生装置12を部屋5内に配設するようにしてもよい。
・オゾン発生装置12の数やオゾン測定器9の数は複数でもよい。
・ファン8の位置は上記以外でもよい。
・上記ではオゾンの分解のために深紫外線灯7を使用したが、深紫外線灯7以外の例えばX線を照射する放射線灯を用いるようにしてもよい。その場合にはX線はエネルギーが大きいため、例えば放射線灯の前面に遮蔽壁を配置して直接X線を被曝しないようにしたり、図5のようにオゾン発生装置31の下流に放射線灯32を収容した遮蔽室33を配置し、オゾンはこの遮蔽室33を経由して部屋5内に充満するように構成し、放射線灯32によって遮蔽室33を通過するオゾンを分解する際にX線が遮蔽室33から漏れないように構成してもよい。図5において上記と同じ構成については同じ符号を付している。
・上記実施の形態のオゾン供給のルーチンではオゾン濃度が上限(ここでは20.00ppm)に達するとオゾン発生装置12の電源を遮断するようにしていたが、遮断ではなく低いレベルのオゾン放出となるように制御するようにしてもよい。また、下限((ここでは5.00ppm以下)に達した場合では深紫外線灯7の電源を遮断するようにしていたが、遮断ではなく低いレベルの深紫外線の照射となるように制御するようにしてもよい。
【0016】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成には限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
また、意匠出願への変更出願により、全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としてもよいし、その部材の部分としてもよい。
【符号の説明】
【0017】
5…密閉空間としての部屋、7…電磁波照射装置としての深紫外線灯、9…オゾン濃度検出手段としてのオゾン測定器、12…オゾン発生装置、13…放出口。
図1
図2
図3
図4
図5