(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082729
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】配管シール構造および給湯器
(51)【国際特許分類】
F16L 21/06 20060101AFI20240613BHJP
F24H 9/00 20220101ALI20240613BHJP
F16L 23/036 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
F16L21/06
F24H9/00 G
F16L23/036
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196783
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柿崎 友助
(72)【発明者】
【氏名】北川 国義
【テーマコード(参考)】
3H015
3H016
3L036
【Fターム(参考)】
3H015DA06
3H015DA08
3H016AC05
3H016AD04
3L036AC18
(57)【要約】
【課題】バックアップリングを圧入部に圧入する圧入作業の作業性を向上する。
【解決手段】配管シール構造50は、第1配管と、第1配管の端部の外周側に嵌合する第2配管と、を備えた配管シール構造50であって、第1配管の端部は、筒状部53と、筒状部53の外周側に嵌合するバックアップリング51と、を含んで構成され、筒状部53は、バックアップリング51の内径D3より小さい外径D1を有するガイド部54と、ガイド部54に連なって設けられバックアップリング51の内径D3と同じかこれよりやや大きい外径D2を有する圧入部55と、圧入部55に連なって設けられバックアップリング51の端面56とともにシール面58を構成するシール装着部57と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1配管と、前記第1配管の端部の外周側に嵌合する第2配管と、を備えた配管シール構造であって、
前記第1配管の端部は、筒状部と、前記筒状部の外周側に嵌合するバックアップリングと、を含んで構成され、
前記筒状部は、前記バックアップリングの内径より小さい外径を有するガイド部と、前記ガイド部に連なって設けられ前記バックアップリングの内径と同じかこれよりやや大きい外径を有する圧入部と、前記圧入部に連なって設けられ前記バックアップリングの端面とともにシール面を構成するシール装着部と、を有する、配管シール構造。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記圧入部に向かうにつれて外径が大きくなるテーパ面を有している、請求項1に記載の配管シール構造。
【請求項3】
バーナユニット及び熱交換器と、
前記熱交換器に接続される給水管と、
前記熱交換器に接続される出湯管と、
前記給水管に接続される戻り管と、を備え、
前記出湯管と前記戻り管を外部配管で接続することで、前記出湯管から出湯される湯水が前記外部配管を介して前記戻り管に戻り、前記給水管から前記熱交換器に至る循環経路が形成される給湯器であって、
前記戻り管は、第2配管を有する循環ポンプと、前記循環ポンプの前記第2配管の内周側に嵌合する第1配管と、を備え、
前記第1配管の端部は、筒状部と、前記筒状部の外周側に嵌合するバックアップリングと、を含んで構成され、
前記筒状部は、前記バックアップリングの内径より小さい外径を有するガイド部と、前記ガイド部に連なって設けられ前記バックアップリングの内径と同じかこれよりやや大きい外径を有する圧入部と、前記圧入部に連なって設けられ前記バックアップリングの端面とともにシール面を構成するシール装着部と、を有する、給湯器。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記湯水の流入端から前記圧入部に向かうにつれて外径が大きくなるテーパ面を有している、請求項3に記載の給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配管シール構造および給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯器における配管シール構造として、例えば特開2020-8217号公報(下記特許文献1)に記載の給湯器が知られている。この給湯器は、熱交換器と、熱交換器に接続される給水管と、熱交換器に接続される出湯管と、給水管に接続される戻り管と、を備え、出湯管と戻り管を外部配管で接続することで、出湯管から出湯される湯水が外部配管を介して戻り管に戻り、給水管から熱交換器に至る循環経路が形成されるように構成されている。戻り管は、循環ポンプと、循環ポンプの吐出管の内周側に嵌合する横管と、を備える。
【0003】
横管の上流端部には、Oリング装着用の溝が形成されている。溝は横管の全周に亘って形成されているため、横管を一体成形すると、溝のシール面にパーティングラインが発生し、シール性を悪化させる。そのため、溝の一方の壁面を別体部品としてバックアップリングにより構成し、このバックアップリングを管本体に取り付けることで横管が構成されるようにすると、スライド型を追加する必要はあるが、パーティングラインがシール面に発生しないようにできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、バックアップリングを管本体に取り付けるには、脱落防止のためにバックアップリングを管本体に圧入する必要がある。圧入時の締め代はある程度必要だが、締め代を大きくしすぎると圧入がしにくくなる。また、横管を構成する樹脂材料が柔らかい場合には樹脂が削れてシール面に付着するなどしてシール性が損なわれるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配管シール構造は、第1配管と、前記第1配管の端部の外周側に嵌合する第2配管と、を備えた配管シール構造であって、前記第1配管の端部は、筒状部と、前記筒状部の外周側に嵌合するバックアップリングと、を含んで構成され、前記筒状部は、前記バックアップリングの内径より小さい外径を有するガイド部と、前記ガイド部に連なって設けられ前記バックアップリングの内径と同じかこれよりやや大きい外径を有する圧入部と、前記圧入部に連なって設けられ前記バックアップリングの端面とともにシール面を構成するシール装着部と、を有する、配管シール構造である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、バックアップリングを圧入部に圧入する圧入作業の作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、フロントカバーを外した状態の即湯機能付給湯器の正面図である。
【
図3】
図3は、循環路形成ユニットの正面図である。
【
図4】
図4は、配管シール構造の内部構造を示す断面図である。
【
図5】
図5は、戻り管と中継管の接続構造を示す正面図である。
【
図6】
図6は、戻り管と中継管の接続構造を示す平面図である。
【
図8】
図8は、
図7の断面図において、バックアップリングを圧入部に圧入する前の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
(1)本開示の配管シール構造は、第1配管と、前記第1配管の端部の外周側に嵌合する第2配管と、を備えた配管シール構造であって、前記第1配管の端部は、筒状部と、前記筒状部の外周側に嵌合するバックアップリングと、を含んで構成され、前記筒状部は、前記バックアップリングの内径より小さい外径を有するガイド部と、前記ガイド部に連なって設けられ前記バックアップリングの内径と同じかこれよりやや大きい外径を有する圧入部と、前記圧入部に連なって設けられ前記バックアップリングの端面とともにシール面を構成するシール装着部と、を有する、配管シール構造である。
【0010】
ガイド部の外径がバックアップリングの内径よりも小さいから、バックアップリングをガイド部の外周に嵌合する作業がしやすくなり、ガイド部によってバックアップリングが安定した状態となる。バックアップリングが安定した状態で圧入部に圧入することになるため、圧入作業の作業性が向上する。
【0011】
(2)前記ガイド部は、前記圧入部に向かうにつれて外径が大きくなるテーパ面を有していることが好ましい。
ガイド部がテーパ面を有しているため、バックアップリングがガイド部のテーパ面から圧入部へ円滑に移行し、バックアップリングの内面が削れるのを防ぐことができる。
【0012】
(3)本開示の給湯器は、バーナユニット及び熱交換器と、前記熱交換器に接続される給水管と、前記熱交換器に接続される出湯管と、前記給水管に接続される戻り管と、を備え、前記出湯管と前記戻り管を外部配管で接続することで、前記出湯管から出湯される湯水が前記外部配管を介して前記戻り管に戻り、前記給水管から前記熱交換器に至る循環経路が形成される給湯器であって、前記戻り管は、第2配管を有する循環ポンプと、前記循環ポンプの前記第2配管の内周側に嵌合する第1配管と、を備え、前記第1配管の端部は、筒状部と、前記筒状部の外周側に嵌合するバックアップリングと、を含んで構成され、前記筒状部は、前記バックアップリングの内径より小さい外径を有するガイド部と、前記ガイド部に連なって設けられ前記バックアップリングの内径と同じかこれよりやや大きい外径を有する圧入部と、前記圧入部に連なって設けられ前記バックアップリングの端面とともにシール面を構成するシール装着部と、を有する、給湯器である。
【0013】
(4)前記ガイド部は、前記湯水の流入端から前記圧入部に向かうにつれて外径が大きくなるテーパ面を有していることが好ましい。
【0014】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
<実施形態>
本開示の実施形態について、
図1から
図8を参照しつつ説明する。以下の説明において上下方向、および左右方向は、各図において矢印で示す方向を基準とする。
【0015】
[給湯器の全体構造]
図1は、即湯機能付給湯器(以下、単に「給湯器」という)1の一例を示す正面図であり、
図2は、即湯システムの概略図である。この給湯器1は、前面を除く5面を閉塞した箱本体3と、箱本体3の前面を閉塞するフロントカバー(図示せず)と、からなる筐体2を有する。筐体2内には、下方からバーナユニット6、熱交換器7、排気フード8を備えた燃焼装置5が設置されて、排気フード8の上端に設けた排気筒9が、箱本体3の上板を貫通して上方へ突出している。箱本体3の背面上下には、屋内の壁等に設置するための取付金具10,10が設けられ、箱本体3の背板には、複数の給気口(図示せず)が形成されている。
【0016】
箱本体3の底面には、外部のガス配管が接続される管状のガス接続口12と、外部の給水配管が接続される管状の給水接続口13と、外部の給湯配管が接続される管状の給湯接続口14及び管状の戻り接続口15と、が設けられている。
【0017】
バーナユニット6は、内部に図示しない複数のバーナを備え、ここにはガス接続口12と接続されてバーナへ燃料ガスを供給し、図示しない元弁や比例制御弁等を備えたガス管16が接続されると共に、バーナへ燃焼用空気を供給するためのファン17が設けられている。
【0018】
熱交換器7は、
図2に示すように、複数のフィンを蛇行状に貫通する伝熱管18を有し、伝熱管18の入側端部には、給水接続口13と接続される給水管19が接続され、伝熱管18の出側端部には、給湯接続口14と接続される出湯管20が接続されている。
【0019】
そして、戻り接続口15と給水管19との間には、戻り管21が接続されている。この戻り管21は、
図3にも示すように、管状の戻り接続口15と、戻り接続口15に下向きの吸込管22aが接続される循環ポンプ22と、循環ポンプ22の横向きの吐出管22bに上流端が接続される横管23と、横管23の下流端に接続され、給水管19の一部を形成する中継管24から横向きに分岐形成された分岐管部25とからなる。各管の端部同士をクリップ26,26・・で接続することで、戻り接続口15から中継管24に繋がる戻り管21が形成される。中継管24の上下端もクリップ26でそれぞれ接続される。
【0020】
また、横管23には、下向きの分岐管27が設けられている。この分岐管27は、箱本体3の底板に下端が接続されて下端を外部に開口させており、当該下端には、下方からプラグ28がねじ込み固定されて、任意に下端を開放可能となっている。
【0021】
さらに、横管23の下流端には、
図4に示すように、逆止弁29が設けられて、給水管19から循環ポンプ22側への水の逆流を防止している。
【0022】
横管23と分岐管27は一体形成されて、横管23に逆止弁29を組み込んでT字状のユニットとなっているため、給湯器内への取り付け及び取り外しが容易に行える。特に、中継管24も給水管19の一部として別体で取り付けられるので、循環ポンプ22とT字状の缶体(逆止弁29付の横管23及び分岐管27)と中継管24とを循環路形成ユニットUとして既存の給湯器に組み込むことで即湯機能を簡単に付与できる。
【0023】
図1に示すように、給湯器1は、各サーミスタやセンサ等の検出信号を受けて各弁等を動作させて出湯温制御等を行うコントローラ4、コントローラ4と通信可能に接続されるリモコン(図示せず)等を備えている。コントローラ4はバーナユニット6の下側に設置されている。コントローラ4は、例えば、公知のマイクロコンピュータ等として構成されており、給湯器1に設けられた様々なセンサからの信号を取得可能に構成されており、給湯器1に設けられた様々なアクチュエータを制御し得る構成となっている。
【0024】
図2は、給湯器1を用いた即湯システム40の概略を示すもので、循環経路に係る構成以外は省略している。30は、給水管19と出湯管20との間を接続して熱交換器7をバイパスするバイパス管である。
【0025】
この即湯システム40は、給湯接続口14と戻り接続口15との間に、複数の給湯栓42,42・・を備えた外部配管41を接続することで構築される。これにより、出湯管20から出湯される湯水が、外部配管41を通って戻り管21に戻り、給水管19を介して熱交換器7に戻る循環経路が形成される。よって、循環ポンプ22の運転により循環経路内で湯水を循環させながらバーナユニット6でバーナを燃焼させることで、コントローラ4で設定された設定温度での保温運転が可能となる。すなわち、給湯栓42のいずれかを開栓することで即時給湯が可能となっている。
【0026】
[バックアップリングを用いた配管シール構造]
次に、バックアップリング51を用いた配管シール構造50について
図4から
図8を参照しながら説明する。配管シール構造50は、
図4に示すように、横管23と、循環ポンプ22の吐出管22bと、これらの間をシールするシールリング52と、を備えている。横管23の上流端部は、筒状部53と、筒状部53の外周側に嵌合する円筒状のバックアップリング51と、を含んで構成されている。
【0027】
筒状部53は、
図8に示すように、バックアップリング51の内径D3より小さい外径D1を有するガイド部54と、ガイド部54の下流端(逆止弁29側の端部)に連なって設けられバックアップリング51の内径D3と同じかこれよりやや大きい外径D2を有する圧入部55と、圧入部55の下流端(逆止弁29側の端部)に連なって設けられバックアップリング51の端面56とともにシール面58を構成するシール装着部57と、を有する。バックアップリングの端面56とシール装着部57の底面及び側面とによってシールリング52を三方から囲んで装着するための溝が形成されている。
【0028】
ガイド部54は、湯水の流入端から圧入部55に近づくにつれて外径D1が大きくなるように傾斜したテーパ面Tを有している。ガイド部54の下流端は、圧入部55の上流端(ガイド部54側の端部)と同一の外径を有している。圧入部55は、ガイド部54の下流端からシール装着部57に至る間、外径D2が一定となるように形成されている。ガイド部54のテーパ面Tの圧入部55の外周面に対する傾斜角度は45度未満とされている。ガイド部54の圧入方向の寸法は、圧入部55の圧入方向の寸法(例えば1mm以上)よりも長い。このため、ガイド部54に対してバックアップリング51を自然に挿入でき、圧入開始時のバックアップリング51の位置及び姿勢が安定する。
【0029】
シール装着部57は、圧入部55の外径D2よりも一回り大きく形成され、圧入部55とシール装着部57の間には段差59が形成されている。バックアップリング51を圧入部55に圧入していくと、
図7に示すように、バックアップリング51の端面56が段差59に当接することで圧入方向への移動が停止され、圧入作業が完了する。これにより、バックアップリング51が筒状部53に装着される。
【0030】
バックアップリング51が筒状部53に装着された状態では、バックアップリング51の上流端(端面56と反対側の端部)とガイド部54の上流端(逆止弁29と反対側の端部)とが横管23の径方向に揃うように配されている。また、バックアップリング51の外周面と横管23の外周面とは、横管23の軸方向に揃うように配されている。
【0031】
ガイド部54は、バックアップリング51を筒状部53に装着する際に、バックアップリング51の傾きを矯正し、圧入部55への圧入方向に対して直交する姿勢に案内する。これにより、圧入部55への圧入作業が安定した姿勢で行われるとともに圧入作業が容易になり、作業性が向上する。さらに、バックアップリング51が傾いた姿勢のまま無理に圧入が行われ、バックアップリング51もしくは圧入部55の一部が圧入の際に削られてシール面58に付着するなどしてシール性が損なわれることを回避できる。
【0032】
筒状部53にバックアップリング51が装着された横管23を、循環ポンプ22の吐出管22bの内周側に嵌合すると、
図4に示すように、シールリング52が吐出管22bの内周面とシール面58との間に挟持される。これにより、吐出管22bと横管23の間がシールされる。ここで、シール装着部57は、バックアップリング51の装着前には横管23の軸方向(逆止弁29と反対方向)に開放されているから、シール装着部57を成形するスライド型を横管23の軸方向に型抜きすることでシール装着部57を形成できる。したがって、シール装着部57のシール面58にパーティングラインが形成されることはなく、シール性を損なうおそれがない。
【0033】
[実施形態の作用効果]
以上のように、実施形態にかかる配管シール構造50は、横管23と、横管23の端部の外周側に嵌合する吐出管22bと、を備えた配管シール構造50であって、横管23の端部は、筒状部53と、筒状部53の外周側に嵌合するバックアップリング51と、を含んで構成され、筒状部53は、バックアップリング51の内径D3より小さい外径D1を有するガイド部54と、ガイド部54に連なって設けられバックアップリング51の内径D3と同じかこれよりやや大きい外径D2を有する圧入部55と、圧入部55に連なって設けられバックアップリング51の端面56とともにシール面58を構成するシール装着部57と、を有する、配管シール構造50である。
【0034】
実施形態にかかる即湯機能付給湯器1は、バーナユニット6及び熱交換器7と、熱交換器7に接続される給水管19と、熱交換器7に接続される出湯管20と、給水管19に接続される戻り管21と、を備え、出湯管20と戻り管21を外部配管41で接続することで、出湯管20から出湯される湯水が外部配管41を介して戻り管21に戻り、給水管19から熱交換器7に至る循環経路が形成される即湯機能付給湯器1であって、戻り管21は、吐出管22bを有する循環ポンプ22と、循環ポンプ22の吐出管22bの内周側に嵌合する横管23と、を備え、横管23の端部は、筒状部53と、筒状部53の外周側に嵌合するバックアップリング51と、を含んで構成され、筒状部53は、バックアップリング51の内径D3より小さい外径D1を有するガイド部54と、ガイド部54に連なって設けられバックアップリング51の内径D3と同じかこれよりやや大きい外径D2を有する圧入部55と、圧入部55に連なって設けられバックアップリング51の端面56とともにシール面58を構成するシール装着部57と、を有する、即湯機能付給湯器1である。
【0035】
ガイド部54の外径D1がバックアップリング51の内径D3よりも小さいから、バックアップリング51をガイド部54の外周に嵌合する作業がしやすくなり、ガイド部54によってバックアップリング51が安定した状態となる。バックアップリング51が安定した状態で圧入部55に圧入することになるため、圧入作業の作業性が向上する。
【0036】
ガイド部54は、湯水の流入端から圧入部55に向かうにつれて外径D1が大きくなるテーパ面Tを有していることが好ましい。
ガイド部54がテーパ面Tを有しているため、バックアップリング51がガイド部54のテーパ面Tから圧入部55へ円滑に移行し、バックアップリング51の内面が削れるのを防ぐことができる。
【0037】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、循環ポンプ22の吐出管22bと横管23との配管シール構造50を例示したが、これに限定されることはなく、例えば横管23と分岐管部25との配管シール構造に適用してもよい。
【0038】
(2)上記実施形態では、正面視で環状をなすバックアップリング51を例示したが、正面視でC字状をなすバックアップリングを用いてもよい。
【0039】
(3)上記実施形態では、テーパ面Tを有するガイド部54を例示したが、ガイド部は圧入部55よりも小径であればよく、テーパ面を有していないものでもよい。また、上記実施形態では、筒状部53を軸方向に切断した断面視で直線形状をなすテーパ面Tを例示したが、曲線形状をなすテーパ面でもよい。
【0040】
(4)上記実施形態では、即湯機能付給湯器1を例示したが、これに限定されることはなく、即湯機能を備えていない給湯器の配管シール構造に適用してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1:即湯機能付給湯器 2:筐体 2A:一方の側板 2B:他方の側板 3:箱本体 4:コントローラ 5:燃焼装置 6:バーナユニット 7:熱交換器 8:排気フード 9:排気筒 10:取付金具
12:ガス接続口 13:給水接続口 14:給湯接続口 15:戻り接続口 16:ガス管 17:ファン 18:伝熱管 19:給水管 20:出湯管
21:戻り管 22:循環ポンプ 22a:吸込管 22b:吐出管(第2配管) 23:横管(第1配管) 24:中継管 25:分岐管部 26:クリップ 27:分岐管 28:プラグ 29:逆止弁 30:バイパス管
40:即湯システム 41:外部配管 42:給湯栓
50:配管シール構造 51:バックアップリング 52:シールリング 53:筒状部 54:ガイド部 55:圧入部 56:端面 57:シール装着部 58:シール面 59:段差
D1:ガイド部の外径 D2:圧入部の外径 D3:バックアップリングの内径 T:テーパ面 U:循環路形成ユニット