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特開2024-82766情報処理装置、管理システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082766
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、管理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240613BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196860
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勲
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC24
5L050CC24
(57)【要約】
【課題】既存のシステムへの影響を抑えて外部サービスで受けた注文の取り込みを可能にした情報処理装置、管理システムおよびプログラムを、提供する。
【解決手段】情報処理装置は、店内で顧客の注文を受ける受注端末および前記受注端末が受けた注文を調理場に報知するキッチン端末と店内の通信手段を介して連携し、注文を管理するものであって、通信部と取得部と変換部とを備える。通信部は、店内の通信手段に接続されない外部サービスが受けた注文を格納したサーバと通信可能に接続する。取得部は、前記外部サービスが受けた注文を前記サーバから前記通信部経由で取得する。変換部は、前記取得部が取得した注文を、前記受注端末による注文に準じた形式に変換して前記キッチン端末に送信する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店内で顧客の注文を受ける受注端末および前記受注端末が受けた注文を調理場に報知するキッチン端末と店内の通信手段を介して連携し、注文を管理する情報処理装置であって、
店内の通信手段に接続されない外部サービスが受けた注文を格納したサーバと通信可能に接続する通信部と、
前記外部サービスが受けた注文を前記サーバから前記通信部経由で取得する取得部と、
前記取得部が取得した注文を、前記受注端末による注文に準じた形式に変換して前記キッチン端末に送信する変換部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記外部サービスは、店が提供する商品の店外への配送を受け付けるサービスと、店が提供する商品の持ち帰りの予約を受け付けるサービスと、店内で提供を受ける商品の注文を顧客が所持する端末から受け付けるサービスと、の少なくともいずれかである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記キッチン端末から、前記注文の進捗状況を示すステータスを受信すると、当該ステータスを前記サーバに送信する送受信部
を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
店内で顧客の注文を受ける受注端末と、前記受注端末が受けた注文を調理場に報知するキッチン端末と、前記受注端末および前記キッチン端末と店内の通信手段を介して連携し注文を管理する情報処理装置と、を含む管理システムにおいて、
店内の通信手段に接続されない外部サービスが受けた注文を格納したサーバと通信可能に接続する通信部と、
前記外部サービスが受けた注文を前記サーバから前記通信部経由で取得する取得部と、
前記取得部が取得した注文を、前記受注端末による注文に準じた形式に変換して前記キッチン端末に送信する変換部と、
を備える管理システム。
【請求項5】
店内で顧客の注文を受ける受注端末と、前記受注端末が受けた注文を調理場に報知するキッチン端末と、前記受注端末および前記キッチン端末と店内の通信手段を介して連携し注文を管理する情報処理装置と、を含む管理システムが備えるコンピュータを、
店内の通信手段に接続されない外部サービスが受けた注文を格納したサーバと通信可能に接続する通信部と、
前記外部サービスが受けた注文を前記サーバから前記通信部経由で取得する取得部と、
前記取得部が取得した注文を、前記受注端末による注文に準じた形式に変換して前記キッチン端末に送信する変換部と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、管理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店等では、ハンディターミナル等の受注端末や、調理場に設置されるキッチン端末、それらを総括するオーダステーション等を含む管理システムが、広く用いられている。その一方、近年は、クラウド経由で注文を受け付ける外部サービスが普及してきている。外部サービスによる受注は、例えば、当該サービスの運営側が契約店舗に提供する専用端末を介して、店舗スタッフに通知される。
【0003】
専用端末は、上述の従来用いられている管理システムには、含まれない。このため、管理システムが採用されている店舗では、外部サービスによる注文の情報を管理システムに乗せて調理場に伝達するために、店員が専用端末を目視して注文をハンディターミナルで入力する作業が発生している。
【0004】
仮に、外部サービスの専用端末の表示を調理場で確認できたり、専用端末を目視した店員が調理場に声掛けで伝えたりできるのであれば、調理場への伝達というタスクは不要になる。しかしながらその場合でも、管理システムが採用された店舗であれば、商品の状況(在庫状況や品切れ、受注の可/不可)を情報共有する都合上、外部サービスによる注文を入力する作業を、どこかのタイミングでやらざるを得ない。
【0005】
また、外部サービスと連携するにあたって、既存のシステムへの変更箇所が多くなるのは好ましくない。なぜなら、全く新規のシステムに入れ替えるよりは安価だとはいえ、変更箇所が多いほどコストが増して価格が高くなるので、店舗側が導入を決断しにくくなる。また、変更箇所が多いほど、不具合発生の危険は高まる。さらに、操作の流れやUI(User Interface、ユーザインタフェース)に変更が及べば、店員の再教育コストも要してしまう。以上のような理由から、既存のシステムをなるべく温存して、連携を実現させることが望ましい。
【0006】
複数の異なるシステムの連携については、例えば特許文献1等で触れられているが、上述の問題を解決する具体的手法を提供しているものがない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、既存のシステムへの影響を抑えて外部サービスで受けた注文の取り込みを可能にした情報処理装置、管理システムおよびプログラムを、提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の情報処理装置は、店内で顧客の注文を受ける受注端末および前記受注端末が受けた注文を調理場に報知するキッチン端末と店内の通信手段を介して連携し、注文を管理するものであって、通信部と取得部と変換部とを備える。通信部は、店内の通信手段に接続されない外部サービスが受けた注文を格納したサーバと通信可能に接続する。取得部は、前記外部サービスが受けた注文を前記サーバから前記通信部経由で取得する。変換部は、前記取得部が取得した注文を、前記受注端末による注文に準じた形式に変換して前記キッチン端末に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態における管理システムの構成と、外部との接続の一例を示す図である。
図2図2は、ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、オーダステーションのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、店舗情報テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図5図5は、商品管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図6図6は、注文管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図7図7は、制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、外部サービス経由の注文にかかる情報の流れと情報の伝達手段とを説明する図である。
図9図9は、装置間の情報の送受信および処理の流れについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(構成)
実施形態について図面を用いて説明する。図1は、実施形態における管理システムの構成と、外部との接続の一例を示す図である。ユーザ端末1、外部サーバ2および管理サーバ3は、管理システムの外部に存在し、管理システムは、オーダステーション5、キッチン端末6、受注端末7および支払端末8を含む。
【0011】
ユーザ端末1と外部サーバ2と管理サーバ3とオーダステーション5とは、公衆ネットワーク(公衆回線)9で通信可能に接続される。公衆ネットワーク9を介した通信に際しては、各々必要に応じて、暗号化やVPN(Virtual Private Network)接続が利用される。
【0012】
オーダステーション5、キッチン端末6、受注端末7および支払端末8は、店内で使用される装置であって、従来の管理システムから継続して使用されてきた装置である。これらの装置5~8は、例えばLAN(Local Area Network、ローカルエリアネットワーク)等の店内の通信手段により、通信可能に接続されている。
【0013】
ユーザ端末1は、例えば、顧客が所持するスマートフォンやPC(Personal Computer)等の端末装置である。
【0014】
外部サーバ2は、クラウド経由で注文を受け付けるサービス(外部サービス)の運営側が管理するサーバであって、外部サービスを利用した顧客のユーザ端末1から受信した注文や支払いの情報を記憶し、管理する。当該管理には、管理サーバ3との情報の共有(送受信)も含まれる。
【0015】
上述の外部サービスには、デリバリーサービスや持ち帰り予約の他、店内モバイルオーダがある。デリバリーサービスは、飲食店の商品を店外へ配送するサービスである。持ち帰り予約は、飲食店の商品を持ち帰りするにあたっての予約を受け付けるサービスである。また、店内モバイルオーダは、店内で飲食する商品の注文を、顧客が所持するユーザ端末1から受け付けるサービスである。
【0016】
なお、本実施形態で説明する店舗が、上述の全ての外部サービスを契約している必要はなく、店舗は、必要に応じた外部サービスを選択して利用する。
【0017】
管理サーバ3は、サーバの一例であって、外部サーバ2と店舗とのデータ連携を担う。より具体的には、外部サーバ2から外部サービス経由の注文を取得する。
【0018】
オーダステーション5は、情報処理装置の一例であって、キッチン端末6、受注端末7および支払端末8のデータ連携を担い、また、それらの端末6~8を管理する。具体的には、オーダステーション5は、受注端末7から受信した注文にかかる情報を、キッチン端末6に送信し、支払端末8からの問合せに対する応答として、注文或いは支払いにかかる情報を送信する。オーダステーション5は、上記データ連携および管理にあたって、各端末6~8と、ソケット通信やメモリ共有等で通信する。
【0019】
また、オーダステーション5は、管理サーバ3と店内との情報共有を行う。具体的には、オーダステーション5は、店内で行われた注文や支払いにかかる情報を管理サーバ3に送信し、外部サービス経由の注文や支払いにかかる情報を管理サーバ3から取得する。管理サーバ3等の店外の装置と店内との通信は、オーダステーション5が一手に引き受け、店内の他の端末6~8は店外の装置と通信しない。
【0020】
キッチン端末6は、例えばキッチンディスプレイやキッチンプリンタであって、調理場スタッフに向けた情報を報知する。当該報知は、画面表示やプリントアウト、音声出力により、実施される。キッチン端末6が出力する情報は、例えば注文の内容である。また、キッチン端末6は、調理完了などの情報の入力を受け付ける。
【0021】
受注端末7は、例えばハンディターミナルやテーブルオーダ端末である。ハンディターミナルは、店員が使用し、店内の顧客からの注文の入力を受け付ける。テーブルオーダ端末は、テーブル等に設置され、顧客が自身で注文の入力を行うため等に使用される。
【0022】
支払端末8は、例えばPOS(Point Of Sales)端末であって、店舗に設置され、操作者による操作に従い、注文や支払いに関する処理を行う。POS端末には、店員が商品登録(注文)および決済にかかる操作を行うことを前提とする最も一般的なものの他、フルセルフ端末やセミセルフ端末がある。フルセルフ端末は、顧客操作による注文および決済を受け付ける。セミセルフ端末は、店員が登録した商品の決済にかかる操作を、顧客から受け付ける。
【0023】
図2は、ユーザ端末1のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末1は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103とを備える。
【0024】
CPU101は、プロセッサの一例であり、ユーザ端末1の動作を統括的に制御する。ROM102は、各種プログラムを記憶する。RAM103は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。CPU101、ROM102、及びRAM103は、バス104を介して接続され、コンピュータ構成の制御部110を構成する。制御部110では、CPU101がROM102や記憶部120に記憶されRAM103に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0025】
制御部110は、バス104を介して記憶部120及び通信部106に接続される。記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部120は、CPU101が実行する各種のプログラムや、ユーザ端末1の動作に係る各種の設定情報を記憶する。例えば、記憶部120は、外部サーバ2から提供される商品情報の表示に係るアプリケーションプログラムを記憶する。
【0026】
通信部106は、公衆ネットワーク9に接続可能な通信インタフェースである。通信部106は、公衆ネットワーク9を介して外部サーバ2等と通信を行う。
【0027】
また、制御部110には、バス104を介して、表示部107、操作部108及び音声出力部109等が接続される。
【0028】
表示部107は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスであり、制御部110の制御に従って各種の情報を表示する。表示部107は、例えばタッチパネルディスプレイによって実現される。
【0029】
操作部108は、各種の操作キーを有し、操作者の操作に応じたキー情報を制御部110に出力する。操作部108は、表示部107の表示面に設けられるタッチパネルを含む。
【0030】
音声出力部109は、スピーカ等の音声出力デバイスであり、制御部110の制御に従って音声を出力する。
【0031】
なお、ユーザ端末1のハードウェア構成は、図2の例に限定されないものとする。例えば、ユーザ端末1がスマートフォンであれば、ユーザ端末1は、マイクロフォン等の音声入力部や、イメージセンサ等の撮像部を備える。
【0032】
キッチン端末6、受注端末7および支払端末8のハードウェア構成も、図2に示す例と略同様である。つまり、各端末6~8も、通信部や表示部、操作部、音声出力部、記憶部などを備え、これらを制御部が統括的に制御することで、各々の機能を果たす。
【0033】
図3は、オーダステーション5のハードウェア構成の一例を示す図である。オーダステーション5は、CPU501と、ROM502と、RAM503とを備えている。
【0034】
CPU501は、プロセッサの一例であり、オーダステーション5の動作を統括的に制御する。ROM502は、各種プログラムを記憶する。RAM503は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。CPU501、ROM502、及びRAM503は、バス504を介して接続され、コンピュータ構成の制御部510を構成する。制御部510では、CPU501がROM502や記憶部520に記憶されRAM503に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0035】
制御部510は、バス504を介して記憶部520及び通信部506に接続される。記憶部520は、HDDやフラッシュメモリ等で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部520は、CPU501が実行する各種のプログラムや、オーダステーション5の動作に係る各種の設定情報を記憶する。また、記憶部520は、店舗情報テーブル521、商品管理テーブル522および注文管理テーブル523等を記憶する。
【0036】
店舗情報テーブル521は、各店舗に関する情報を記憶する。図4は、店舗情報テーブル521のデータ構成の一例を示す図である。店舗情報テーブル521は、各店舗を識別するための店舗IDに関連付けて、店舗IDに対応する店舗に関する店舗情報を記憶する。
【0037】
店舗情報は、例えば、店舗名、店舗画像、アドレス等の項目を有する。ここで、店舗名は、店舗の店名や屋号、略称等を示す情報である。店舗画像は、店舗のロゴマークや店舗名等の店舗を表す画像データである。アドレスは、連絡先情報である。連絡先情報は、電話番号や住所でもよいし、オーダステーション5のIPアドレスやホスト名等、オーダステーション5との通信に係るものでもよい。
【0038】
商品管理テーブル522は、複数の店舗が取り扱う商品に関する情報を記憶する。図5
は、商品管理テーブル522のデータ構成の一例を示す図である。商品管理テーブル522は、各店舗の店舗IDに関連付けて、店舗IDに対応する店舗で販売される商品の情報(商品情報)を記憶する。
【0039】
商品情報は、例えば、商品ID、商品名、価格、商品説明、商品画像、及びオプション等の項目で構成される。商品IDは、各商品を識別するための識別情報である。商品名は、商品の名称や略称を示す情報である。価格は、商品の一品当たりの価格を示す情報である。商品説明には、商品に関する各種の情報が格納される。例えば、商品説明には、商品に含まれる食材に関する情報や、調理に要する調理時間等が格納される。
【0040】
商品画像は、商品を表す画像データである。オプションは、「大盛り」等の盛り付け量やトッピング等を指定することが可能な場合に付加される情報である。
【0041】
注文管理テーブル523は、注文情報を記憶する。注文情報は、商品管理テーブル522が記憶する商品の、注文にかかる情報である。図6は、注文管理テーブル523のデータ構成の一例を示す図である。注文管理テーブル523は、注文時間、注文番号、注文情報、ステータス、顧客ID、端末ID、および支払フラグ等の情報を、関連付けて記憶する。本実施形態の注文管理テーブル523は、店内の受注端末7で入力された注文情報の他、外部サービスを経由した注文情報も記憶する。
【0042】
ここで、注文時間は、オーダステーション5が注文情報を受信した日時を示す日時情報である。また、注文番号は、注文情報を受信した順序を示す番号情報であり、例えば注文情報を受信した順に昇順の番号が付与される。注文情報は、注文対象の商品の商品ID及び数量や、当該商品を販売する店舗の店舗ID等を含む。
【0043】
ステータスは、注文情報の状態を示すステータス情報である。ステータスには、注文受け付けから商品の受け渡しまでの複数段階の状態のうち、現在の状態が格納される。ここで、ステータスには、注文の受け付けから商品の受け渡しまでの複数段階の各状態を含む。例えば、注文受付直後の状態を示す「新規」、商品の調理中であることを示す「調理中」、調理が完了した状態を示す「調理完」、持ち帰り予約で商品を注文した顧客を呼び出し中であることを示す「呼出中」、デリバリーサービスの配送担当者が商品を運んでいる途中であることを示す「配送中」、商品を客に受け渡した状態であることを示す「受渡完」等の状態が格納される。
【0044】
顧客IDは、店舗の会員として登録がある顧客に付与されるIDである。また、端末IDは、送信元のユーザ端末1の端末情報である。
【0045】
支払フラグは、当該支払フラグが関連付けられた注文番号の注文にかかる支払いが済んでいるか否かを示す。本実施形態の支払フラグは、「0」か「1」のいずれかの値をとる。支払フラグの値「0」は支払いが未済であることを示し、「1」は支払いが済んでいることを示す。本実施形態では、顧客が自身の所持するユーザ端末1で支払操作を行うか、または、店員が店内の支払端末8で決済操作を行うかのいずれかによって、支払フラグが「0」から「1」に更新される。
【0046】
記憶部520はさらに、管理プログラム531や、エージェントプログラム532等のプログラムを記憶する。
【0047】
通信部506は、公衆ネットワーク9に接続可能な通信インタフェースである。通信部506は、公衆ネットワーク9を介して管理サーバ3等と通信を行う。
【0048】
図7は、制御部510の機能構成の一例を示すブロック図である。管理プログラム531は、オーダステーション5が従来から備える機能(店内での注文にかかる情報の伝達)を提供するためのプログラムであって、当該管理プログラム531を制御部510が実行することで、オーダステーション5は、従来と同様の管理機能部511として機能する。管理機能部511は、各端末6~8を管理する従来からの機能を果たす。つまり、制御部510は、管理プログラム531を実行することによって、店内の受注端末7に入力された注文を取得し、新規の注文の情報をキッチン端末6に出力させ、支払端末8で決済された注文の支払フラグを更新する。
【0049】
エージェントプログラム532は、外部サービスを管理機能部511に連携させるための、新たなプログラムである。制御部510は、エージェントプログラム532を実行することで、エージェント機能部512として機能する。エージェント機能部512は、送受信部5121と、取得部5122と、変換部5123とを含む。
【0050】
送受信部5121は、店内で注文に関する情報の変化があったとき、この変化を管理サーバ3に共有するための、情報の送受信を行う。この情報の送受信は、通信部506および公衆回線を経由する。例えば、送受信部5121は、受注端末7が受けた注文および当該注文の支払いに関する情報を、管理サーバ3に送信する。また、送受信部5121は、受け付け済みの注文の調理の進捗状況を示すステータス(例えば「調理中」や「調理完」)をキッチン端末6から受信すると、当該ステータスを前記サーバに送信する。
【0051】
取得部5122は、店内の通信手段に接続されない外部サーバ2が受けて管理サーバ3に格納された注文を、管理サーバ3から、通信部506および公衆回線を経由して取得する。
【0052】
管理サーバ3が外部サーバ2から取得する注文の情報は、外部サービスで定められた形式の情報であるので、店内の管理システムでのデータ形式に一致するとは限らない。そこで変換部5123は、取得部5122が取得した注文にかかる情報を、受注端末7による注文に準じた形式に変換して、キッチン端末6に送信する。これにより、店内の管理システムを実現する管理機能部511において、外部サービス経由の注文を、受注端末7による注文と変わりなく同様に扱うことが可能となる。
【0053】
外部サーバ2や管理サーバ3も、基本的には図3に示す例と略同様に、通信部や記憶部、制御部などを備えるハードウェア構成となっており、制御部が記憶部に記憶されたプログラムを実行することで、各々の機能を果たしている。
【0054】
また、管理サーバ3の記憶部は、オーダステーション5の店舗情報テーブル、商品管理テーブルおよび注文管理テーブルが記憶する情報と同様の情報を記憶している。ただし、オーダステーション5が記憶する各テーブルには当該オーダステーション5が設置された店舗の情報だけが書き込まれるのに対し、管理サーバ3の記憶部は複数の店舗の情報を記憶する。
【0055】
なお、管理サーバ3が記憶する情報の形式はオーダステーション5のものと同一とは限らない。しかしながら本実施形態では、説明を簡便にするために、管理サーバ3が、オーダステーション5が備える各テーブルに対応するテーブル群(店舗情報テーブル、商品管理テーブル、注文管理テーブル)を備えるとする。
【0056】
また、管理サーバ3は、自身以外の他の装置から利用できるWebAPI(Application Programming Interface)を、提供している。管理サーバ3が提供するWebAPIは、例えば、店舗IDを指定した問合せ(要求)に対し、自身の注文管理テーブルで店舗
IDが該当するレコードのうち、ステータスが「新規」の注文情報のレコードを、送信(応答)する。オーダステーション5のエージェント機能部512の取得部5122は、上述のWebAPIを利用する。
【0057】
また、管理サーバ3が提供する別のWebAPIは、例えば、注文情報の更新や追加の要求に対応する。具体的には、上記WebAPIは、注文番号および店舗IDを指定してステータスや支払フラグを更新した情報を受信すると、当該情報に合わせて、自身の注文管理テーブルで注文番号および店舗IDが該当するレコードのステータスや支払フラグを更新する。また、WebAPIは、新たな注文番号の情報を受信すると、送信元の店舗IDを関連付けて、自身の注文管理テーブルに追加する。オーダステーション5のエージェント機能部512の送受信部5121は、上述のWebAPIを利用する。
【0058】
図8は、外部サービス経由の注文にかかる情報の流れと情報の伝達手段とを説明する図である。ユーザ端末1が外部サービス経由で店舗の商品を注文する際、ユーザ端末1と外部サーバ2とは、公衆ネットワーク9を介して通信を行う。外部サービスによる注文が発生すると、外部サーバ2は、注文にかかる情報を、管理サーバ3に、公衆ネットワーク9を介して送信する。
【0059】
管理サーバ3は、外部サーバ2から受信した注文にかかる情報を、記憶部の注文管理テーブルに記憶する。また、管理サーバ3は、オーダステーション5のエージェント機能部512と、公衆ネットワーク9を介して通信する。
【0060】
エージェント機能部512は、管理機能部511と管理サーバ3との通信を仲介し、両者の情報を整合させる。つまり、管理サーバ3で増えた注文情報を管理機能部511に伝達し、また、オーダステーション5で増えた注文情報を管理サーバ3に送信する。また、オーダステーション5で更新された注文情報(例えばステータスや支払フラグにかかる情報)を、管理サーバ3に伝達する。
【0061】
エージェント機能部512と管理機能部511とは、いずれもオーダステーション5が備える機能部であるので、両者の通信は、メモリ共有にて行われる。なお、この通信がソケット通信で実現されても構わない。また、管理機能部511とキッチン端末6、受注端末7および支払端末8との通信は、従来と同様の手法で行われ、例えばソケット通信で行われる。
【0062】
(処理の流れ)
このような構成において、各装置は、図9に示す流れで、情報の送受信および処理を行う。図9は、装置間の情報の送受信および処理の流れについて説明する図である。
【0063】
まず、外部サービスの一つであるデリバリーサービスの例について説明する。持ち帰り予約にかかる処理は、デリバリーサービスと略同様である。店内モバイルオーダにかかる処理も、店内の受注端末7からの注文が併用されなければデリバリーサービスと略同様であるが、併用された場合には他のサービスと様子が異なる部分があるので、その異なる部分について最後に別途説明する。
【0064】
デリバリーサービスを利用する顧客が、ユーザ端末1を用いて、店舗の商品を注文する操作を行うと、ユーザ端末1は、外部サーバ2に、注文にかかる情報を送信する(ステップS11)。これを受けた外部サーバ2は、注文にかかる情報を記憶し(ステップS21)、続いて管理サーバ3に、注文にかかる情報を送信する(ステップS22)。管理サーバ3は、外部サーバ2から注文にかかる情報を受信すると、これを記憶部の注文管理テーブルに記憶する(ステップS31)。
【0065】
エージェント機能部512は、管理サーバ3に定期的に要求を送信し(ステップS41)、応答を得る(ステップS32)。ステップS41において、エージェント機能部512は、自身(オーダステーション5)が設置された店舗の店舗IDを指定して、注文管理テーブルから、ステータスが「新規」のレコード(情報)を要求する。ステップS32において、管理サーバ3は、要求に合致するレコードを送信する。なお、この要求に対する応答に、オーダステーション5が既に記憶しているレコードを含めないよう、例えば管理サーバ3においてフラグで管理する等してもよい。
【0066】
エージェント機能部512は、管理サーバ3から受信した注文にかかる情報を、受注端末7による注文に準じた形式に変換し(ステップS42)、変換したものを管理機能部511に送信する(ステップS43)。これにより、管理機能部511は、受注端末7から受信する情報と同様に、外部サービスからの注文を取り扱うことができる。
【0067】
管理機能部511は、エージェント機能部512から受信した注文にかかる情報を、記憶部520の注文管理テーブル523に記憶させる(ステップS51)。続いて管理機能部511は、注文にかかる情報をキッチン端末6に伝達する(ステップS52)。キッチン端末6は、注文にかかる情報を、画面表示やプリントアウトで出力する(ステップS61)。
【0068】
さらに管理機能部511は、キッチン端末6に注文を伝達済みであることをエージェント機能部512に連携する(ステップS55)。エージェント機能部512は管理サーバ3へ同様の連携を行い(ステップS45)、管理サーバ3は外部サーバ2に同様の連携を行う(ステップS35)。当該注文がファーストオーダーであった場合には、ステップS51においてチェックイン処理が行われ、ステップS55,S45,S35においてはチェックイン処理が済んだことも併せて連携される。
【0069】
また、キッチン端末6から、ステータスを「調理中」や「調理完」に変更する操作が入力された場合、キッチン端末6は、オーダステーション5に信号を出力する。オーダステーション5がキッチン端末6から信号を受信すると、当該信号が示す内容は、ステップS55,S45,S35に準じた流れで、管理サーバ3および外部サーバ2に連携される。
【0070】
ステップS55での情報連携にあたって、上記説明では管理機能部511がエージェント機能部512に働きかけているが、実施にあたって、管理機能部511の動作を従来から変更することを避けるのであれば、例えば下記が考えられる。
【0071】
例えば、エージェント機能部512側で、管理機能部511が注文記憶(ステップS51)で使用するメモリを、適切なタイミングで確認するなどにより、管理機能部511の動きを把握し、注文連携(ステップS55)があったとしてもよい。上記によれば、管理機能部511の動作を従来から変更することなく、エージェント機能部512からの働きかけによって、注文にかかる情報の連携を図ることができる。
【0072】
(サービスの併用)
次に、外部サービスの一つである店内モバイルオーダを顧客が利用し、さらに店内の受注端末7からの注文が併用された場合の動作について、説明する。この説明にあたっては、上で説明したものと共通する部分は省き、異なる部分について述べる。
【0073】
店内モバイルオーダは、着席した顧客に、識別情報や注文サイトの情報を含んだ二次元コードのプリントアウトを渡す等し、顧客が所持するユーザ端末1からの注文入力を受け付ける運用である。当該運用において、顧客は、ユーザ端末1に二次元コードを読み取ら
せることで注文サイトへのアクセスおよびログインを行い、外部サービスが提供するGUI(Graphical User Interface)を介して、商品の注文にかかる操作を行う。顧客がユーザ端末1を用いて店内モバイルオーダを利用した場合の情報の送受信および処理の流れは、既に説明したステップS11~S35と同様である。
【0074】
管理サーバ3は、店内モバイルオーダ経由の注文履歴のある顧客が、店内の受注端末7経由の注文をした場合には、支払いの処理の都合上、店内での注文の情報を外部サーバ2に共有する。この場合の情報の送受信および処理の流れ(図9のステップS71~S211)は、次に説明する通りである。
【0075】
受注端末7は、注文にかかる情報の入力を受けると、当該情報をオーダステーション5に送信する(ステップS71)。オーダステーション5が受注端末7から情報を受信すると、管理機能部511は、受注端末7から受信した注文にかかる情報を、記憶部520の注文管理テーブル523に記憶させる(ステップS511)。
【0076】
続いて管理機能部511は、注文にかかる情報をキッチン端末6に伝達する(ステップS521)。キッチン端末6は、注文にかかる情報を、画面表示やプリントアウトで出力する(ステップS611)。ステップS71~S611の処理は、エージェント機能部512をオーダステーション5が備えない従来のシステムでの処理と、同様である。
【0077】
次に、管理機能部511は、受注端末7からの注文内容を、エージェント機能部512に連携する(ステップS551)。エージェント機能部512は管理サーバ3へ同様の連携を行い(ステップS451)、管理サーバ3は、注文にかかる情報を自身の記憶部に記憶させる(ステップS311)とともに、外部サーバ2に同様の連携を行う(ステップS351)。外部サーバ2は、注文にかかる情報を自身の記憶部に記憶させる(ステップS211)。これにより、店内での注文も、管理サーバ3および外部サーバ2に連携される。
【0078】
ステップS551における情報連携にあたっては、ステップS55同様、エージェント機能部512側で、管理機能部511が注文記憶(ステップS511)で使用するメモリを、適切なタイミングで確認するなどにより、管理機能部511の動きを把握するようにしてもよい。
【0079】
上述の情報の送受信および処理の流れ(図9のステップS71~S211)により、店内での注文が外部サーバ2に共有される。
【0080】
このように、本実施形態のエージェント機能部512によれば、店舗のオーダステーション5は、外部サービスを利用する店舗の情報を束ねる管理サーバ3と、情報を共有できる。これにより、近年普及している外部サービスがユーザ端末1からクラウド経由で注文を受け付けた場合に、外部サービスの専用端末を目視して受注端末7(或いは支払端末8)に注文を入力し直すという、従来行わざるを得なかった作業をなくすことができる。
【0081】
また、近年普及している店内モバイルオーダの運用に際しても、本実施形態によれば、上記同様、外部サーバ2および管理サーバ3を経由して、従来の管理システムに、ユーザ端末1から入力された注文にかかる情報を、取り込むことができる。
【0082】
上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0083】
さらに、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1 …ユーザ端末、
101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…バス、
106…通信部、107…表示部、108…操作部、109…音声出力部、
110…制御部、120…記憶部、
2 …外部サーバ、
3 …管理サーバ(サーバの一例)、
5 …オーダステーション(情報処理装置の一例)、
501…CPU、502…ROM、503…RAM、504…バス、506…通信部、
510…制御部、511…管理機能部、512…エージェント機能部、
5121…送受信部、5122…取得部、5123…変換部、
520…記憶部、
521…店舗情報テーブル、522…商品管理テーブル、523…注文管理テーブル、
531…管理プログラム、532…エージェントプログラム、
6 …キッチン端末、
7 …受注端末、
8 …支払端末、
9 …公衆ネットワーク(公衆回線)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】特開2018-136747号公報
図1
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