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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082773
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】ワーク支持システム
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/06 20060101AFI20240613BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
B23Q3/06 303Z
B25J13/08 Z
B23Q3/06 304K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196870
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】砂川 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】林 浩一郎
【テーマコード(参考)】
3C016
3C707
【Fターム(参考)】
3C016CA08
3C016CB04
3C016CC01
3C016EA01
3C707AS12
3C707DS01
3C707ES05
3C707ES06
3C707EU01
3C707KS05
3C707KW06
(57)【要約】
【課題】ワークのクランプ作業を簡素化すること。
【解決手段】ワーク支持システム100は、ワークWの複数の第1位置L1を把持する複数のクランプ12と、ワークWの複数の第2位置L2における変位量を計測する複数のセンサ13と、制御装置50であって、クランプ12のうちの1つと、センサ13のうちの1つと、の各組合せについて、クランプ12の締め付け量およびセンサ13によって計測された変位量に基づいて、弾性係数を算出することと、各クランプ12に対してある締め付け量が付与された場合の複数の第2位置L2におけるワークWの推定変位量を、当該クランプ12を含む各組み合わせについて算出された弾性係数に基づいて算出することと、各クランプ12に対して算出された推定変位量に基づいて、複数のクランプ12の中から、次に操作するクランプ12を選択することと、を実行するように構成される制御装置50と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの複数の第1位置を把持する複数のクランプと、
前記ワークの複数の第2位置における変位量を計測する複数のセンサと、
制御装置であって、
前記複数のクランプのうちの1つと、前記複数のセンサのうちの1つと、の各組合せについて、前記クランプの締め付け量および前記センサによって計測された変位量に基づいて、前記ワークの弾性係数を算出することと、
各クランプに対してある締め付け量が付与された場合の前記複数の第2位置における前記ワークの推定変位量を、当該クランプを含む各組み合わせについて算出された前記弾性係数に基づいて算出することと、
各クランプに対して算出された前記複数の第2位置における前記推定変位量に基づいて、前記複数のクランプの中から、次に操作するクランプを選択することと、
を実行するように構成される制御装置と、
を備える、
ワーク支持システム。
【請求項2】
前記次に操作するクランプを選択することは、各クランプに対して算出された前記複数の第2位置における前記推定変位量と、当該推定変位量の算出に使用された前記締め付け量と、の双方に基づいて実行される、請求項1に記載のワーク支持システム。
【請求項3】
前記複数のクランプの数は、前記複数のセンサの数よりも多い、請求項1または2に記載のワーク支持システム。
【請求項4】
前記弾性係数を算出することは、最小二乗法を使用することを含み、
前記制御装置は、
最小二乗法における残差平方和が所定の閾値よりも大きい場合には、前記弾性係数の算出を中止することと、
前記弾性係数の算出が中止されたことをオペレータに通知することと、
を実行するように構成される、請求項1または2に記載のワーク支持システム。
【請求項5】
前記弾性係数を算出することは、最小二乗法を使用することを含み、
前記制御装置は、
最小二乗法における残差平方和が所定の閾値よりも大きい場合には、前記弾性係数の算出を中止することと、
前記弾性係数の算出が中止されたことをオペレータに通知することと、
を実行するように構成される、請求項3に記載のワーク支持システム。
【請求項6】
ワークの複数の第1位置を複数のクランプで把持することと、
前記ワークの複数の第2位置における変位量を複数のセンサで計測することと、
前記複数のクランプのうちの1つと、前記複数のセンサのうちの1つと、の各組合せについて、前記クランプの締め付け量および前記センサによって計測された変位量に基づいて、弾性係数を算出することと、
各クランプに対してある締め付け量が付与された場合の前記複数の第2位置における前記ワークの推定変位量を、当該クランプを含む各組み合わせについて算出された前記弾性係数に基づいて算出することと、
各クランプに対して算出された前記複数の第2位置における前記推定変位量に基づいて、前記複数のクランプの中から、次に操作するクランプを選択することと、
を含む、ワーク支持方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワーク支持システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ワークは、加工の際に複数のクランプに支持される場合がある。例えば、特許文献1は、ワークを基台上に固定する複数のクランプ手段と、ワークの変形状態を検出する手段と、検出されたワークの変形状態に基づいて、クランプ手段の力を調整する制御手段と、を開示する。このような構成によれば、ワークの変形を許容範囲内に抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-308933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ワークは、寸法誤差を有し得る。例えば、複数のワークの間で寸法誤差が大きく変動する場合、クランプを締め付ける順番および各クランプの締め付け力を決定するのに、相当の経験が必要とされ得る。
【0005】
本開示は、ワークのクランプ作業を簡素化できる、ワーク支持システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るワーク支持システムは、ワークの複数の第1位置を把持する複数のクランプと、ワークの複数の第2位置における変位量を計測する複数のセンサと、制御装置であって、複数のクランプのうちの1つと、複数のセンサのうちの1つと、の各組合せについて、クランプの締め付け量およびセンサによって計測された変位量に基づいて、ワークの弾性係数を算出することと、各クランプに対してある締め付け量が付与された場合の複数の第2位置におけるワークの推定変位量を、当該クランプを含む各組み合わせについて算出された弾性係数に基づいて算出することと、各クランプに対して算出された複数の第2位置における推定変位量に基づいて、複数のクランプの中から、次に操作するクランプを選択することと、を実行するように構成される制御装置と、を備える。
【0007】
次に操作するクランプを選択することは、各クランプに対して算出された複数の第2位置における推定変位量と、当該推定変位量の算出に使用された締め付け量と、の双方に基づいて実行されてもよい。
【0008】
複数のクランプの数は、複数のセンサの数よりも多くてもよい。
【0009】
弾性係数を算出することは、最小二乗法を使用することを含んでもよく、制御装置は、最小二乗法における残差平方和が所定の閾値よりも大きい場合には、弾性係数の算出を中止することと、弾性係数の算出が中止されたことをオペレータに通知することと、を実行するように構成されてもよい。
【0010】
本開示の他の態様は、ワーク支持方法であって、ワークの複数の第1位置を複数のクランプで把持することと、ワークの複数の第2位置における変位量を複数のセンサで計測することと、複数のクランプのうちの1つと、複数のセンサのうちの1つと、の各組合せについて、クランプの締め付け量およびセンサによって計測された変位量に基づいて、弾性係数を算出することと、各クランプに対してある締め付け量が付与された場合の複数の第2位置におけるワークの推定変位量を、当該クランプを含む各組み合わせについて算出された弾性係数に基づいて算出することと、各クランプに対して算出された複数の第2位置における推定変位量に基づいて、複数のクランプの中から、次に操作するクランプを選択することと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、ワークのクランプ作業を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係るワーク支持システムを示す概略図である。
図2図2は、実施形態に係るワーク支持方法およびワーク支持システムの動作を示すフローチャートである。
図3図3は、図2の続きのフローチャートである。
図4図4は、実施形態に係るワーク支持システムの物理モデルの例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す具体的な寸法、材料および数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
図1は、実施形態にワーク支持システム100を示す概略図である。本開示において、ワーク支持システム100は、単にシステム100とも称され得る。システム100では、ワークWが治具10に取り付けられ、治具10は例えば工作機械または溶接機等の不図示の加工機にセットされる。ワークWは、様々なタイプのワークとすることができる。例えば、ワークWは、複雑な形状、または、数式で表現できない自由曲面を含んでもよい。システム100は、治具10と、制御装置50と、を備える。
【0015】
治具10は、ベース11と、複数のクランプ12と、複数のセンサ13と、1または複数の位置決めピン14と、を備える。
【0016】
ベース11は、例えば、平板形状を有する。ベース11はこれに限定されず、例えば、直方体形状または円筒形状等の他の形状を有してもよい。ベース11は、治具10の他の構成要素を支持する。例えば、ベース11は、ワークWが治具10に取り付けられた後に、加工機のテーブル上に配置される。
【0017】
クランプ12の各々は、ワークWの第1位置L1を把持するように配置される。本実施形態では、治具10は、4つのクランプ12を含む。クランプ12の数はこれに限定されず、例えば、2つ、3つ、または、5つ以上であってもよい。例えば、クランプ12は、ねじ式、液圧式、空圧式または電気式等の様々なタイプのクランプであることができる。本実施形態では、クランプ12は、ねじ式である。
【0018】
本実施形態では、オペレータが、クランプ12の各々の締め付け量を確認し、確認した締め付け量を制御装置50に入力する。クランプ12の締め付け量は、様々なパラメータによって表現されてもよい。例えば、締め付け量は、ねじの回転量または回転角度で表現されてもよい。また、例えば、クランプ12の各々に対してロードセル等の荷重計が設けられてもよく、締め付け量は、荷重で表現されてもよい。また、例えば、クランプ12が液圧式である場合には、締め付け量は、液体の圧力で表現されてもよい。また、例えば、クランプ12が電気式である場合には、締め付け量は、電流値または電圧値で表現されてもよい。クランプ12の各々に対して締め付け量を計測するためのセンサが設けられる場合には、センサから制御装置50に計測値が入力されてもよい。
【0019】
第1位置L1の各々は、例えば、ワークWの形状等の様々な要因を考慮して、予め決定されてもよい。本実施形態では、複数の第1位置L1は、ワークWの水平方向における両端部の上面および下面に設定されており、複数のクランプ12は、上方および下方から第1位置L1を把持するように配置される。第1位置L1はこれに限定されず、ワークWにおける他の位置であってもよい。また、複数のクランプ12の把持方向はこれに限定されず、例えば、複数のクランプ12の一部または全部が、水平方向または斜め方向からワークWを把持してもよい。
【0020】
センサ13の各々は、ワークWの第2位置L2における変位量を計測するように配置される。本実施形態では、治具10は、2つのセンサ13を含む。すなわち、本実施形態では、クランプ12の数は、センサ13の数よりも大きい。他の実施形態では、クランプ12の数は、センサ13の数と等しくてもよく、または、小さくてもよい。センサ13の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。例えば、センサ13は、接触式または非接触式の様々な変位計であることができる。
【0021】
本実施形態では、センサ13は、制御装置50と有線または無線で通信可能に接続されており、計測値を制御装置50に送信する。他の実施形態では、オペレータが、センサ13の各々の計測値を確認してもよく、確認した計測値を制御装置50に入力してもよい。例えば、センサ13は、後の加工でセンサ13が工具と干渉しないように、治具10から取り外し可能であってもよい。
【0022】
第2位置L2の各々は、例えば、ワークWの形状、および、計測される位置の重要性等の様々な要因を考慮して予め決定されてもよい。本実施形態では、第2位置L2は、第1位置L1と異なる。例えば、第2位置L2は、後で加工される箇所であってもよい。この場合、センサ13は、ワークWの取り付けが完了した後に、治具10から取り外されてもよい。本実施形態では、複数の第2位置L2は、ワークWの水平方向における両端面に設定されており、複数のセンサ13は、水平方向におけるワークWの変位量を計測するように配置される。第2位置L2はこれに限定されず、ワークWにおける他の位置であってもよい。また、複数のセンサ13の計測方向はこれに限定されず、例えば、複数のセンサ13の一部または全部が、鉛直方向または斜め方向に変位量を計測してもよい。また、本実施形態では、センサ13の計測方向は、クランプ12の把持方向に対して垂直である。他の実施形態では、例えば、後述する弾性係数の算出において線形独立が成立する限りにおいて、センサ13の計測方向は、クランプ12の把持方向に対して平行であってもよく、または、傾斜してもよい。
【0023】
本実施形態では、治具10は、2つの位置決めピン14を含む。位置決めピン14の数はこれに限定されず、1つまたは3つ以上であってもよい。位置決めピン14は、治具10に対するワークWの位置決めをサポートする。例えば、本実施形態では、位置決めピン14は、ベース11から上方に突出する突起であり、ワークWの第3位置L3を下方から支持する。位置決めピン14はこれに限定されず、例えば、複数の位置決めピン14の一部または全部が、ワークWを水平方向または斜め方向から支持してもよい。第3位置L3の各々は、ワークWの形状等の様々な要因を考慮して予め決定されてもよい。
【0024】
制御装置50は、例えば、PCまたはPLC等のコンピュータであることができる。制御装置50は、例えば、プロセッサ50a、記憶装置50b、コネクタ50cおよびディスプレイ50d等の構成要素を含み、これらの構成要素はバスを介して互いに接続される。例えば、プロセッサ50aは、CPU(Central Processing Unit)等を含む。例えば、記憶装置50bは、ハードディスク、プログラム等が格納されるROM、および、ワークエリアとしてのRAM等を含む。制御装置50は、コネクタ50cを介してセンサ13等の構成要素と通信する。例えば、ディスプレイ50dは、液晶ディスプレイまたはタッチパネル等を含む。例えば、制御装置50は、キーボード、ボタンまたはタッチパネル等の入力装置等、不図示の他の構成要素を更に含んでもよい。例えば、以下に示される制御装置50の動作は、記憶装置50bに記憶されるプログラムをプロセッサ50aに実行することによって、実現されてもよい。
【0025】
続いて、実施形態に係るワーク支持方法およびワーク支持システム100の動作について説明する。
【0026】
図2は、実施形態に係るワーク支持方法およびワーク支持システム100の動作を示すフローチャートである。図3は、図2の続きのフローチャートである。図2および図3において、左の列は、オペレータの動作を示し、右の列は、制御装置50の動作を示す。例えば、図2および図3に示される動作は、システム100に新しいワークWが搬送されるときに開始されてもよい。
【0027】
図2を参照して、オペレータは、治具10にワークWをセットする(ステップH100)。図1を参照して、例えば、オペレータは、第3位置L3が位置決めピン14上に位置するように、ワークWを位置決めピン14上に置く。
【0028】
図2を参照して、オペレータは、全てのクランプ12を締め付ける(ステップH102)。本実施形態では、クランプ12は、クランプ12を締め付ける方向にのみ回転され、クランプ12を緩める方向には回転されない。したがって、本実施形態では、ステップH102において、オペレータは、全てのクランプ12を、最終的な締め付け量よりも低い締め付け量で軽く締め付ける。他の実施形態では、クランプ12は、クランプ12を緩める方向に回転されてもよい。
【0029】
オペレータは、ワークWに対して、全てのセンサ13をセットする(ステップH104)。図1を参照して、例えば、センサ13が接触式である場合、オペレータは、センサ13のプローブを第2位置L2においてワークWに接触させ、センサ13の出力値をゼロにリセットする。
【0030】
図2を参照して、オペレータは、i番目のクランプ12を操作する(i=1~j)(ステップH106)。jは、クランプ12の数を表す(すなわち、本実施形態ではj=4)。上記のように、本実施形態では、クランプ12は、クランプ12を締め付ける方向にのみ回転され、クランプ12を緩める方向には回転されない。したがって、本実施形態では、ステップH106において、オペレータは、i番目のクランプを締め付ける。
【0031】
制御装置50のプロセッサ50aは、ステップH106で操作されたi番目のクランプ12の締め付け量、および、全てのセンサ13の変位量を収集する(ステップC100)。例えば、締め付け量がねじの回転量で表現される場合、オペレータは、ステップH106におけるねじの回転量を制御装置50に入力する。また、上記のように、変位量は、各センサ13から制御装置50に送信される。制御装置50は、収集されたi番目のクランプ12に対する締め付け量および変位量を、記憶装置50bに関連付けて記憶する。例えば、プロセッサ50aは、締め付け量および変位量が記憶装置50bに記憶された場合に、i番目のクランプ12に対するフラグをオンにしてもよい。
【0032】
プロセッサ50aは、全てのクランプ12が操作されたか否かを確認する(ステップC102)。例えば、プロセッサ50aは、「全てのクランプが操作されたか」等のメッセージ、ならびに、「YES」ボタンおよび「NO」ボタンをディスプレイ50dに表示してもよい。オペレータは、「YES」ボタンまたは「NO」ボタンをタッチしてもよい。代替的に、プロセッサ50aは、全てのクランプ12のフラグがオンである場合には、全てのクランプ12を操作したと判定してもよい。
【0033】
ステップC102において、全てのクランプ12が操作されていない場合(NO)、全てのクランプ12が操作されるまで、オペレータは、ステップH106を繰り返し、制御装置50は、ステップC100,C102を繰り返す。例えば、プロセッサ50aは、「次のクランプを操作せよ」等のメッセージをディスプレイ50dに表示してもよい。
【0034】
ステップC102において、全てのクランプ12が操作されている場合(YES)、プロセッサ50aは、N個のデータセットが収集されたか否かを判定する(ステップC104)。例えば、プロセッサ50aは、上記の「YES」ボタンがN回タッチされたか否かを判定してもよい。代替的に、プロセッサは、1個のデータセットが収集される毎に、1個のフラグをオンにしてもよく、N個のフラグがオンである場合には、N個のデータセットが収集されたと判定してもよい。1個のデータセットは、各クランプ12について、1個の締め付け量、および、この締め付け量に対応する全てのセンサ13の変位量を含む。例えば、データセットの個数Nは、後述する弾性係数の算出における信頼性等の様々な因子に基づいて予め定められた値であることができ、記憶装置50bに記憶されてもよい。
【0035】
ステップC104において、N個のデータセットが収集されていない場合(NO)、N個のデータセットが収集されるまで、オペレータは、ステップS106を繰り返し、制御装置50は、ステップC100,C102,C104を繰り返す。例えば、プロセッサ50aは、「次のデータセットを収集せよ」等のメッセージをディスプレイ50dに表示してもよい。
【0036】
ステップC104において、N個のデータセットが収集されている場合(YES)、プロセッサ50aは、図3に示される動作に移る。
【0037】
図3を参照して、プロセッサ50aは、収集されたデータセットに基づいて、ワークWの弾性係数を算出する(ステップC200)。
【0038】
図4は、実施形態に係るワーク支持システム100の物理モデルの例である。本実施形態では、ワークWに対して締め付け量xがクランプによって入力され、変位量yがセンサ13によって計測される。変位量yには、ノイズεが加わる。添え字nは、締め付け量x、変位量yおよびノイズεが、n番目のデータセットに含まれることを意味する。
【0039】
クランプ12の数をjで表し、センサ13の数をkで表す。n番目のデータセットは、以下の式(1)から(3)によって表される。
【0040】
【数1】
【0041】
式(1)において、x(n,i)(i=1~j)は、n番目のデータセット内のi番目のクランプ12の締め付け量を示す。式(2)において、y(n,m)(m=1~k)は、n番目のデータセット内のm番目のセンサ13によって計測される変位量を示す。式(3)において、ε(n,m)(m=1~k)は、n番目のデータセット内のm番目のセンサ13の変位量に加わるノイズを示す。
【0042】
また、N個のデータセットは、以下の式(4)から(6)によって表される
【0043】
【数2】
【0044】
プロセッサ50aは、上記のN個のデータセットに基づいて、弾性係数マトリクスAを算出する。例えば、最小二乗法を用いる場合、推定の弾性係数マトリクスAは、以下の式(7)によって表される。なお、ノイズε(n,m)が白色ノイズと仮定される場合、ノイズε(n,m)は、弾性係数マトリクスAの算出の際に相殺されると見なすことができる。
【0045】
【数3】
【0046】
式(7)において、Xで示される部分は、ムーア・ペンローズの擬似逆行列を示し、j≧kの場合、X=(XX)-1で求められる。
【0047】
弾性係数マトリクスAは、j行k列の行列であり、行列中の各要素Aim(不図示)は、i番目のクランプ12の締め付け量xと、m番目のセンサ13によって計測される変位量yと、の組み合わせに対する弾性係数を示す。すなわち、本開示において、「弾性係数Aim」とは、i番目のクランプ12の締め付け量xと、m番目のセンサ13によって計測される変位量yとの間の関係が、1次関数で近似できるとみなした際の傾き(変化の割合)に相当する値である。
【0048】
例えば、弾性係数マトリクスAの算出において、以下の点(a),(b)および(c)に留意してもよい。
【0049】
(a)クランプの数jは、センサの数kよりも大きいこと
クランプの数jがセンサの数kよりも小さい場合、センサの計測値を独立して調整することが困難である。この場合、図2および図3に示される要求を全て満たす操作手順を見出すことができない可能性がある。
【0050】
(b)弾性係数マトリクスAの全ての行ベクトルは、互いに線形独立であること
これが成立しない場合、あるセンサ13に同様に影響する2個以上のクランプ12が存在する。これはrank(A)=kであるか否かを確認することによって、判定可能である。
【0051】
(c)弾性係数マトリクスAの各列ベクトルにおいて、全要素Aimの正負が互いに一致しないこと
例えば、ある列ベクトルにおいて全要素Aimがすべて正である場合,どのクランプ12が操作されても変位量が増え続ける距離センサがある。この場合、図2および図3に示される要求を全て満たす操作手順を見出すことができない可能性がある。これは、クランプ12の位置を変更する、または、クランプの数jを増やすことによって、回避できる可能性がある。
【0052】
また、プロセッサ50aは、式(7)による弾性係数マトリクスAの算出おいて、最小二乗法における残差平方和を計算してもよい。残差平方和が大きい場合には、ある変位量y(n,m)が、クランプ12またはセンサ13のスリップ等の様々な要因に起因して、大きな誤差を含んでいる可能性がある。したがって、残差平方和がある閾値よりも大きい場合には、プロセッサ50aは、弾性係数マトリクスAの算出を中止し、このことをオペレータに通知してもよい。例えば、閾値は、ワークおよび治具の特性に基づいて実験または解析によって予め定められてもよく、記憶装置50bに記憶されてもよい。このような構成によれば、例えば、オペレータは、データセットを確認することによって、問題を有するクランプ12またはセンサ13を見つけることができる。
【0053】
弾性係数の算出は、最小二乗法に限定されず、例えば、最尤推定法、または、SVM(サポートベクターマシン)もしくはニューラルネットワーク等の機械学習など、他の手法を用いてもよい。
【0054】
図3に戻り、プロセッサ50aは、算出された弾性係数に基づいて、各クランプ12をある締め付け量で操作した場合の、複数の第2位置L2におけるワークWの推定変位量を算出する(ステップC202)。本開示において、「推定変位量」とは、仮にあるクランプ12をある締め付け量で操作した場合の、各第2位置L2におけるワークWの変位量の推定値を意味する。
【0055】
例えば、ステップC202において、プロセッサ50aは、以下の制約条件(i)から(iv)を使用する。
【0056】
(i)クランプ12は、クランプ12を締め付ける方向にのみ回転され、クランプ12を緩める方向には回転されない。また、クランプ12のうちの1つが操作される場合に、他のクランプ12は操作されない。
【0057】
(ii)1回の操作における各クランプ12の締め付け量x(n+1,i)は、前回の締め付け量x(n,i)以上であり、かつ、今回の締め付け量x(n+1,i)と前回の締め付け量x(n,i)との間の差分が、最大増加量Δxmaxを超えない。これは、以下の式(8)によって表される。
【0058】
【数4】
【0059】
式(8)において、x(n,i)は、i番目のクランプ12のn回目の操作における締め付け量を示し、x(n+1,i)は、i番目のクランプ12のn+1回目の操作における締め付け量を示す。例えば、最大増加量Δxmaxは、ワークおよび治具の特性に基づいて実験または解析によって予め定められてもよく、記憶装置50bに記憶されてもよい。
【0060】
(iii)1回の操作における各センサ13の推定変位量yh(n+1,m)は、下限値yminおよび上限値ymaxの間の範囲内である。これは、以下の式(9)によって表される。
【0061】
【数5】
【0062】
式(9)において、yh(n+1,m)は、m番目のセンサ13のn+1回目の操作における推定変位量を示す。例えば、下限値yminおよび上限値ymaxは、ワークおよび治具の特性に基づいて実験または解析によって予め定められてもよく、記憶装置50bに記憶されてもよい。
【0063】
(iv)各クランプ12の締め付け量x(n+1,i)は、センサ13の推定変位量yh(n+1,m)の二乗和平方根を最小とする値として決定される。推定変位量yh(n+1,m)の二乗和平方根は、以下の式(10)によって表される。なお、i番目のクランプ12以外のクランプ12の締め付け量は、x(n)=x(n+1)で表されることができる、何故ならば、上記の制約条件(i)に示されるように、これらのクランプ12は操作されないからである。
【0064】
【数6】
【0065】
したがって、本実施形態では、各クランプ12に付与される「ある締め付け量x(n+1,i)」とは、今回の締め付け量x(n+1,i)と前回の締め付け量x(n,i)との間の差分が最大増加量Δxmaxを超えない範囲で最も大きく、かつ、その締め付け量x(n+1,i)がそのクランプ12に付与される場合に、推定変位量yh(n+1,m)が下限値yminおよび上限値ymaxの間の範囲内であり、かつ、二乗和平方根が最小であるような値を意味してもよい。
【0066】
ステップC202において変位量の算出に使用される制約条件は、これら(i)から(iv)に限定されない。例えば、制約条件(i)から(iv)の少なくとも1つが使用されなくてもよい。また、他の制約条件が追加的にまたは代替的に使用されてもよい。
【0067】
プロセッサ50aは、次に操作するクランプ12を選択する(ステップS204)。例えば、プロセッサ50aは、今回の締め付け量x(n+1,i)と前回の締め付け量x(n,i)との間の差分が可能な限り大きいこと、および、センサ13の推定変位量が可能な限り小さいこと、の双方を考慮して、次に操作するクランプ12を選択してもよい。例えば、プロセッサ50aは、以下の式(11)で表される指標f(x(n+1,i))を各クランプ12について算出し、最も大きい指標f(x(n+1,i))を有するクランプ12を、次に操作するクランプ12として選択してもよい。
【0068】
【数7】
【0069】
式(11)において、右辺の第1項は、今回の締め付け量x(n+1,i)と前回の締め付け量x(n,i)との間の差分を含み、第2項は、推定変位量yh(n+1,m)の二乗和平方根を含む。例えば、αおよびβは、ワークおよび治具の特性に基づいて実験または解析によって予め定められた係数であってもよく、記憶装置50bに記憶されてもよい。
【0070】
オペレータは、ステップC204において制御装置50によって選択されたクランプ12を操作する(ステップH200)。例えば、プロセッサ50aは、選択されたクランプ12およびその締め付け量をディスプレイ50dに表示してもよく、オペレータは、ディスプレイ50dの表示にしたがってクランプ12を操作してもよい。
【0071】
プロセッサ50aは、ステップH200で操作されたクランプ12の締め付け量、および、全てのセンサ13の変位量を収集する(ステップC206)。例えば、オペレータは、ステップH200におけるねじの回転量を制御装置50に入力する。また、変位量は、各センサ13から制御装置50に送信される。制御装置50は、操作されたクランプ12に対する締め付け量および変位量を、記憶装置50bに関連付けて記憶する。例えば、プロセッサ50aは、クランプ12の締め付け量が所定の閾値を超えた場合には、そのクランプ12の締め付け量のフラグをオンにしてもよい。
【0072】
プロセッサ50aは、全てのクランプ12が十分に締め付けられたか否かを判定する(ステップS208)。例えば、プロセッサ50aは、「全てのクランプが十分に締め付けられたか」等のメッセージ、ならびに、「YES」ボタンおよび「NO」ボタンをディスプレイ50dに表示してもよい。例えば、オペレータは、トルクレンチによって各クランプ12に規定トルクが付与されているか否かを判定してもよい。また、例えば、クランプ12の各々に対して荷重計が設けられる場合には、オペレータは、荷重計によって各クランプ12に規定荷重が付与されているか否かを判定してもよい。オペレータは、「YES」ボタンまたは「NO」ボタンをタッチしてもよい。代替的に、プロセッサ50aは、全てのクランプ12の締め付け量のフラグがオンである場合には、全てのクランプ12が十分に締め付けられたと判定してもよい。
【0073】
ステップS208において、全てのクランプ12が十分に締め付けられていない場合(NO)、全てのクランプ12が十分に締め付けられるまで、プロセッサ50aは、ステップC200からステップS208を繰り返し、オペレータは、ステップH200を繰り返す。ステップC200では、ステップC206で得られたデータを考慮して、弾性係数マトリクスAが更新される。
【0074】
ステップS208において、全てのクランプ12が十分に締め付けられている場合(YES)、プロセッサ50aは、全てのセンサ13の変位量は所定の範囲内か否かを判定する(ステップS210)。例えば、プロセッサ50aは、全てのセンサ13の変位量が、上記の下限値yminおよび上限値ymaxの間の範囲内である場合には、全てのセンサ13の変位量が所定の範囲内であると判定してもよい。
【0075】
ステップS210において、全てのセンサ13の変位量が所定の範囲内ではない場合(NO)、全てのセンサ13の変位量が所定の範囲内になるまで、プロセッサ50aは、ステップC200からステップS210を繰り返し、オペレータは、ステップH200を繰り返す。ステップC200では、ステップC206で得られたデータを考慮して、弾性係数マトリクスAが更新される。
【0076】
ステップS210において、全てのセンサ13の変位量が所定の範囲内である場合(YES)、プロセッサ50aは、動作を終了する。例えば、プロセッサ50aは、「ワークのセットは完了」等のメッセージをディスプレイ50dに表示してもよい。
【0077】
オペレータは、センサ13を治具10から取り外し(ステップH202)、動作を終了する。
【0078】
以上のようなシステム100は、ワークWの複数の第1位置L1を把持する複数のクランプ12と、ワークWの複数の第2位置L2における変位量を計測する複数のセンサ13と、制御装置50と、を備える。制御装置50は、複数のクランプ12のうちの1つと、複数のセンサ13のうちの1つと、の各組合せについて、クランプ12の締め付け量xおよびセンサ13によって計測された変位量yに基づいて、ワークWの弾性係数Aimを算出することと、各クランプ12に対してある締め付け量x(n+1,i)が付与された場合の複数の第2位置L2におけるワークWの推定変位量yh(n+1,m)を、当該クランプ12を含む各組み合わせについて算出された弾性係数Aimに基づいて算出することと、各クランプ12に対して算出された複数の第2位置L2における推定変位量yh(n+1,m)に基づいて、複数のクランプ12の中から、次に操作するクランプ12を選択することと、を実行するように構成される。このような構成によれば、経験の少ないオペレータであっても、制御装置50による選択にしたがって、複数のクランプ12を容易に操作することができる。したがって、ワークWのクランプ作業を簡素化できる。
【0079】
また、システム100では、次に操作するクランプ12を選択することは、各クランプ12に対して算出された複数の第2位置L2における推定変位量yh(n+1,m)と、当該推定変位量yh(n+1,m)の算出に使用された締め付け量x(n+1,i)と、の双方に基づいて実行される。このような構成によれば、より適切なクランプ12を選択することができる。
【0080】
また、システム100では、クランプの数jは、センサの数kよりも多い。このような構成によれば、センサの計測値を柔軟に調整することができる。したがって、図2および図3に示される要求を全て満たす操作手順を見出す可能性を向上することができる。
【0081】
また、システム100では、弾性係数Aimを算出することは、最小二乗法を使用することを含み、制御装置50は、最小二乗法における残差平方和が所定の閾値よりも大きい場合には、弾性係数Aimの算出を中止することと、弾性係数Aimの算出が中止されたことをオペレータに通知することと、を実行するように構成される。このような構成によれば、例えば、オペレータは、データセットを確認することによって、問題を有するクランプ12またはセンサ13を見つけることができる。
【0082】
他の観点では、本実施形態に係るワーク支持方法は、ワークWの複数の第1位置L1を複数のクランプ12で把持することと、ワークWの複数の第2位置L2における変位量yを複数のセンサ13で計測することと、複数のクランプ12のうちの1つと、複数のセンサ13のうちの1つと、の各組合せについて、クランプ12の締め付け量xおよびセンサ13によって計測された変位量yに基づいて、弾性係数Aimを算出することと、各クランプ12に対してある締め付け量x(n+1,i)が付与された場合の複数の第2位置L2におけるワークWの推定変位量yh(n+1,m)を、当該クランプ12を含む各組み合わせについて算出された弾性係数Aimに基づいて算出することと、各クランプ12に対して算出された複数の第2位置L2における推定変位量yh(n+1,m)に基づいて、複数のクランプ12の中から、次に操作するクランプ12を選択することと、を含む。このような構成によれば、経験の少ないオペレータであっても、選択にしたがって複数のクランプ12を容易に操作することができる。したがって、ワークWのクランプ作業を簡素化できる。
【0083】
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0084】
例えば、上記の実施形態では、次に操作するクランプ12を選択するための式(11)において、今回の締め付け量x(n+1,i)と前回の締め付け量x(n,i)との間の差分、および、センサ13の推定変位量yh(n+1,m)の二乗和平方根、の双方が考慮される。すなわち、上記の実施形態の式(11)では、次に操作するクランプ12の選択にあたり、締め付け量と、推定変位量と、の双方が考慮される。他の実施形態では、締め付け量および推定変位量の少なくとも一方が考慮されてもよい。
【0085】
例えば、他の実施形態では、今回の締め付け量x(n+1,i)と前回の締め付け量x(n,i)との間の差分が可能な限り大きいことのみが考慮されてもよい。なお、この場合においても、締め付け量x(n+1,i)を決定するための式(10)において、各クランプ12に対して算出される推定変位量yh(n+1,m)が考慮される。すなわち、この場合においても、次に操作するクランプ12の選択にあたり、各クランプ12に対して算出される推定変位量yh(n+1,m)が考慮される。
【0086】
また、例えば、他の実施形態では、センサ13の推定変位量が可能な限り小さいことのみが考慮されてもよい。当然、この場合には、次に操作するクランプ12の選択にあたり、各クランプ12に対して算出される推定変位量yh(n+1,m)が考慮される。
【0087】
また、上記の実施形態では、図2に示される全ての動作が実行された後に、弾性係数が算出される(図3のステップC200を参照)。しかしながら、同じワークWが繰り返し治具10に固定される場合には、前回算出された弾性係数マトリクスAが、初期値として用いられてもよい。この場合、図2および図3に示されるいくつかの動作を省略することができる。
【0088】
また、上記の実施形態では、クランプ12の操作は、オペレータによって手動で実施される。他の実施形態では、各クランプ12は、制御装置50と有線または無線で通信可能に接続されていてもよく、制御装置50によって自動で制御されてもよい。この場合、例えば、複数のクランプ12を同時に操作することができる。また、この場合、例えば、オペレータによる締め付け量の入力を省略することができる。
【0089】
また、上記の実施形態では、オペレータへの通知手段として、ディスプレイ50dが使用される。他の実施形態では、例えばスピーカ等の他の装置がオペレータへの通知手段として使用されてもよい。
【0090】
本開示は、労働集約型産業における生産性の向上に寄与するので、持続可能な開発目標(SDGs)の目標8「働きがいも経済成長も」に貢献することができる。
【符号の説明】
【0091】
12 クランプ
13 センサ
50 制御装置
100 ワーク支持システム
im 弾性係数
j クランプの数
k センサの数
L1 第1位置
L2 第2位置
W ワーク
x 締め付け量
y 変位量
図1
図2
図3
図4