(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008278
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】塵芥収集車
(51)【国際特許分類】
B65F 3/04 20060101AFI20240112BHJP
B65F 3/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B65F3/04
B65F3/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110015
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤松 幸也
(72)【発明者】
【氏名】木村 隆寿
【テーマコード(参考)】
3E024
【Fターム(参考)】
3E024AA01
3E024AA04
3E024BA04
3E024CA04
3E024HA02
3E024HB01
3E024HB03
3E024HB04
3E024HB07
3E024HC01
3E024HC03
3E024HD03
3E024HD05
3E024HD10
3E024HE02
(57)【要約】
【課題】コンテナ反転装置を備えた塵芥収集車において、コンテナ反転装置を自動で動作させるためのタイミングを適切に判断することが可能な塵芥収集車を提供する。
【解決手段】塵芥が塵芥投入口から投入される塵芥投入箱6と、塵芥投入箱に設けられる塵芥積込装置と、塵芥が収容されたコンテナ90を塵芥投入口の上で反転させて塵芥を塵芥投入口に投入するコンテナ反転装置70と、塵芥積込装置及びコンテナ反転装置70を制御する制御装置と、を備えた塵芥収集車であって、コンテナ90がコンテナ反転装置70に接続されたことを検知するコンテナ接続センサ部56を有し、制御装置が、コンテナ接続センサ部56からの検知信号に基づいて、コンテナ反転装置70を動作させるように構成した。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵芥が塵芥投入口から投入される塵芥投入箱と、
前記塵芥投入箱に設けられる塵芥積込装置と、
塵芥が収容されたコンテナを前記塵芥投入口の上で反転させて塵芥を前記塵芥投入口に投入するコンテナ反転装置と、
前記塵芥積込装置及び前記コンテナ反転装置を制御する制御装置と、
を備えた塵芥収集車であって、
前記コンテナが前記コンテナ反転装置に接続されたことを検知するコンテナ接続センサ部を有し、
前記制御装置は、前記コンテナ接続センサ部からの検知信号に基づいて、前記コンテナ反転装置を動作させるように構成した
ことを特徴とする塵芥収集車。
【請求項2】
前記コンテナ反転装置は、
前記コンテナを反転させるリフトアームと、
前記リフトアームを回動させるリフトアーム用アクチュエータと、
前記コンテナを前記リフトアームに保持するコンテナロック装置と、を備え、
前記コンテナロック装置は、
前記コンテナをロック状態とロック解除状態に切り換えるためのコンテナロック用アクチュエータを有し、
前記制御装置は、
前記コンテナ接続センサ部からの検知信号に基づいて、前記リフトアーム用アクチュエータ及び/又は前記コンテナロック用アクチュエータを動作させるように構成した
ことを特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車。
【請求項3】
前記コンテナ接続センサ部は、
前記コンテナロック装置の近傍に設けられると共に、前記コンテナの車幅方向に延びるキャッチバーの端部を検知するように構成した
ことを特徴とする請求項2に記載の塵芥収集車。
【請求項4】
前記コンテナロック装置は、
前記コンテナロック用アクチュエータによって上下回動されるロックアームと、
前記ロックアームが前記ロック状態まで回動されたときに前記コンテナの前記キャッチバーを囲む長孔領域を前記ロックアームと共に形成するストッパ部と、を有し、
前記長孔領域は、上下方向に延びるように形成され、
前記コンテナ接続センサ部は、
前記長孔領域の上下間距離に相当する上下方向の長さに形成されると共に前記ロック状態で前記コンテナのキャッチバーの端部によって押される当接部材と、
前記当接部材の動きを検知する検知部と、を有している、
ことを特徴とする請求項3に記載の塵芥収集車。
【請求項5】
前記コンテナ接続センサ部は、
前記コンテナロック装置の近傍に設けられる支持部材を有し、
前記支持部材は、
前記当接部材が上下方向の軸心回りに回動自在となるように前記当接部材と連結する連結部と、
前記当接部材が前記キャッチバーによって押されたときに元に戻ろうとする付勢力を発生させる付勢部材を取り付けるための付勢部材取付部と、
前記当接部材に設けられた検出片の動きが検知可能となるように前記検知部を取り付けるための検知部取付部と、を有している
ことを特徴とする請求項4に記載の塵芥収集車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥投入箱にコンテナ反転装置を有する塵芥収集車に関し、特にコンテナを接続するためのコンテナ接続センサ部の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塵芥収集車による塵芥収集は、塵芥収集車の塵芥投入口に直接塵芥を投入する方法と、塵芥が入ったコンテナを塵芥投入口の上で反転させて塵芥を投入する方法の2種類が存在する。コンテナを使用した塵芥収集を行う塵芥収集車には、塵芥投入箱にコンテナ反転装置が設けられている(例えば、特許文献1参照)。コンテナ反転装置は、コンテナを反転させるリフトアームと、コンテナをリフトアームに保持するコンテナロック装置とを備えている。リフトアームの操作部と、コンテナロック装置の操作部とは、塵芥投入口の近傍に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、世界中で生じたコロナ禍によって、ウイルスや病原菌の感染対策が重要視されている。塵芥収集の現場では、作業者は、多くの使用済みマスク等が入った塵芥袋を扱うことになる。複数の塵芥袋の中には、感染者が触った塵芥袋が混じっているおそれがある。また、塵芥袋の中の塵芥には、ウイルスや病原菌が含まれている場合がある。そのため、作業者の塵芥収集時の精神的、身体的負担は大きなものとなっており、作業者の負担を減らす対策が望まれていた。
【0005】
前記従来の2種類の塵芥投入方法のうち、コンテナを使用する方法では、作業者が塵芥袋に直接手を触れることがないので、より好ましいと考えられる。
【0006】
しかしながら、従来のコンテナ反転装置では、作業者は、コンテナ反転装置にコンテナをセットしてコンテナロック装置でコンテナをロックさせる作業、リフトアームを回動させてコンテナを反転させる作業、コンテナ反転後にコンテナのロックを解除する作業等を全て手動で行っていた。作業者の負担軽減のためには、コンテナ反転装置を自動動作させればよい。しかし、コンテナ反転装置を自動動作させるためには、どのようなタイミングで動作させればよいかが問題となる。
【0007】
本発明は、上述の実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、コンテナ反転装置を備えた塵芥収集車において、コンテナ反転装置を自動で動作させるためのタイミングを適切に判断することが可能な塵芥収集車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、この発明では、コンテナ接続センサ部を使用してコンテナを自動で動作させるようにした。
【0009】
具体的には、第1の発明では、
塵芥が塵芥投入口から投入される塵芥投入箱と、
前記塵芥投入箱に設けられる塵芥積込装置と、
塵芥が収容されたコンテナを前記塵芥投入口の上で反転させて塵芥を前記塵芥投入口に投入するコンテナ反転装置と、
前記塵芥積込装置及び前記コンテナ反転装置を制御する制御装置と、
を備えた塵芥収集車であって、
前記コンテナが前記コンテナ反転装置に接続されたことを検知するコンテナ接続センサ部を有し、
前記制御装置は、前記コンテナ接続センサ部からの検知信号に基づいて、前記コンテナ反転装置を動作させるように構成している。
【0010】
前記の構成によると、コンテナがコンテナ反転装置に接続されたことを検知するコンテナ接続センサ部を有しているので、コンテナがコンテナ反転装置に正しくセットされたタイミングで、コンテナ接続センサ部は、検知信号を制御装置に送信することができる。制御装置は、コンテナ接続センサ部から検知信号を受信したことによって、コンテナがコンテナ反転装置に正しくセットされたと判断できる。これにより、制御装置は、コンテナを正しい姿勢に保持しながら、コンテナ反転動作を行うことができる。すなわち、コンテナ接続センサ部によって、制御装置は、コンテナ反転装置を自動で動作させるためのタイミングを適切に判断することができる。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、
前記コンテナ反転装置は、前記コンテナを反転させるリフトアームと、前記リフトアームを回動させるリフトアーム用アクチュエータと、前記コンテナを前記リフトアームに保持するコンテナロック装置と、を備え、
前記コンテナロック装置は、前記コンテナをロック状態とロック解除状態に切り換えるためのコンテナロック用アクチュエータを有し、
前記制御装置は、前記コンテナ接続センサ部からの検知信号に基づいて、前記リフトアーム用アクチュエータ及び/又は前記コンテナロック用アクチュエータを動作させるように構成している。
【0012】
前記の構成によると、制御装置は、コンテナ接続センサ部からの検知信号に基づいて、リフトアーム用アクチュエータとコンテナロック用アクチュエータの少なくとも一方を動作させることができる。これにより、従来手動操作だった塵芥投入作業(コンテナをロックさせる作業、リフトアームを回動させてコンテナを反転させる作業、コンテナ反転後にコンテナのロックを解除する作業等)の自動化を容易に行うことができ、作業者の負担を軽減できる。
【0013】
第3の発明では、第2の発明において、
前記コンテナ接続センサ部は、前記コンテナロック装置の近傍に設けられると共に、前記コンテナの車幅方向に延びるキャッチバーの端部を検知するように構成している。
【0014】
前記の構成によると、コンテナをコンテナ反転装置にセットする際に必ずコンテナロック装置によってロックされるコンテナのキャッチバーの端部をコンテナ接続センサ部によって検知するようにしたので、コンテナの本体形状が異なる様々なコンテナに対応することができる。これにより、コンテナ反転装置の動作の自動化をよりいっそう容易に行うことができる。
【0015】
第4の発明では、第3の発明において、
前記コンテナロック装置は、前記コンテナロック用アクチュエータによって上下回動されるロックアームと、前記ロックアームが前記ロック状態まで回動されたときに前記コンテナの前記キャッチバーを囲む長孔領域を前記ロックアームと共に形成するストッパ部と、を有し、
前記長孔領域は、上下方向に延びるように形成され、
前記コンテナ接続センサ部は、前記長孔領域の上下間距離に相当する上下方向の長さに形成されると共に前記ロック状態で前記コンテナのキャッチバーの端部によって押される当接部材と、前記当接部材の動きを検知する検知部と、を有している。
【0016】
前記の構成によると、コンテナロック装置は、コンテナのキャッチバーを囲む長孔領域があることによって、コンテナ反転装置近辺の地面に段差がある場合に容易に対応できる。すなわち、コンテナロック装置は、コンテナロック装置に対するコンテナのキャッチバーの高さ位置が段差のない状態から変動した場合であっても、長孔領域内にキャッチバーを納めることができる。また、キャッチバーの高さ位置が異なる複数種類のコンテナにも対応することができる。
【0017】
また、コンテナ接続センサ部は、長孔領域の上下間距離に相当する上下方向の長さに形成される当接部材を有している。コンテナをコンテナロック装置にセットするときにコンテナのキャッチバーが長孔領域内のどの高さ位置にあったとしても、確実に当接部材が押されるようにできる。これにより、コンテナ接続センサ部は、コンテナがコンテナロック装置にセットされたことを確実に検知できる。
【0018】
第5の発明では、第4の発明において、
前記コンテナ接続センサ部は、前記コンテナロック装置の近傍に設けられる支持部材を有し、
前記支持部材は、前記当接部材が上下方向の軸心回りに回動自在となるように前記当接部材と連結する連結部と、前記当接部材が前記キャッチバーによって押されたときに元に戻ろうとする付勢力を発生させる付勢部材を取り付けるための付勢部材取付部と、前記当接部材に設けられた検出片の動きが検知可能となるように前記検知部を取り付けるための検知部取付部と、を有している。
【0019】
前記の構成によると、当接部材が上下方向の軸心回りに回動自在となっているので、当接部材に対するコンテナのキャッチバーの高さ位置が変化したとしても、当接部材は、常に同じようにキャッチバーによって押されることができる。また、コンテナのキャッチバーが長孔領域の中になるロック状態から、キャッチバーを長孔領域の外に出したロック解除状態にした場合には、当接部材は、付勢部材の付勢力によって元の位置に戻る。これにより、コンテナ接続センサ部は、コンテナのコンテナロック装置に正しくセットされているかどうかを、よりいっそう確実に検知することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、コンテナ反転装置を備えた塵芥収集車において、制御装置がコンテナ反転装置を自動で動作させるためのタイミングを適切に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】本発明の実施形態に係る塵芥収集車のコンテナを載置した状態を示す側面図である。
【
図1B】本発明の実施形態に係る塵芥収集車のコンテナをロックした状態を示す側面図である。
【
図1C】本発明の実施形態に係る塵芥収集車のコンテナを反転させた状態を示す側面図である。
【
図1D】本発明の実施形態に係る塵芥収集車のコンテナを水平に戻した状態を示す側面図である。
【
図1E】本発明の実施形態に係る塵芥収集車の塵芥積込装置の概要構成を示す側面図である。
【
図2】塵芥収集車の油圧回路及び制御構成図である。
【
図4A】制御装置の制御フローの前半部分を示すフローチャートである。
【
図4B】制御装置の制御フローの後半部分を示すフローチャートである。
【
図5】制御装置と携帯端末機とのペアリング中の通信断絶時動作を示すフローチャートである。
【
図6】塵芥積込装置操作中の非常停止動作を示すフローチャートである。
【
図7】コンテナ反転自動動作中の非常停止動作を示すフローチャートである。
【
図8】携帯端末機のユーザ用設定画面を示す正面図である。
【
図9】携帯端末機の管理者用設定画面を示す正面図である。
【
図10】コンテナ反転装置の動作を説明する動作説明図であって、(a)はコンテナのロック前かつ反転前の状態を示す図、(b)はコンテナのロック後かつ反転前の状態を示す図、(c)は、コンテナを反転させている状態を示す図である。
【
図11】コンテナ接続前のコンテナ反転装置の背面図である。
【
図12】コンテナ接続後のコンテナ反転装置の背面図である。
【
図13】ロック解除状態のコンテナ接続センサ部及びその周辺を拡大して示し、(a)が平面図で、(b)が側面図である。
【
図14】ロック状態のコンテナ接続センサ部及びその周辺を拡大して示し、(a)が平面図で、(b)が側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
-塵芥収集車の構成-
図1A~
図1Dは本発明の実施形態に係る塵芥収集車1を示し、塵芥収集車1の運転室2a後方の車台2上に塵芥収容箱3が搭載されている。この塵芥収容箱3の後方開口部4には、その上方で投入箱支持ピン5により軸支された塵芥投入箱6が設けられている。塵芥投入箱6の内部には、塵芥積込装置20が設けられている(
図1E参照)。塵芥投入箱6は、投入箱支持ピン5を中心に回動自在に構成されている。塵芥収集車1は、塵芥積込作業及び塵芥排出作業を行う、各種アクチュエータにより動作する架装機器を備えている。
【0024】
図2は、塵芥収集車1の油圧回路及び制御構成図である。
図2に示すように、塵芥収集車1は、車台2のエンジン31に駆動される動力取出装置(PTO)32を備えている。この動力取出装置32の動力により、各種油圧アクチュエータを含む油圧機器30が駆動されるようになっている。
【0025】
図1Eは、塵芥収集車1の塵芥積込装置20の概要構成を示す側面図である。
図1A、
図1E及び
図2に示すように、本発明に係る回転式の塵芥積込装置20は、塵芥投入箱6内に塵芥投入口7を通じて投入された塵芥を圧縮して後方開口部4を通して塵芥収容箱3内に積込むためのものである。塵芥積込装置20は、中間部が塵芥投入箱6の側壁面に枢支されて一端側を前後方向に揺動させる押込板10と、この押込板10の他端にロッド13aの先端が回転自在に支持されて押込板10を作動させる押込シリンダ13と、回転軸15aを支点に回転可能な回転板15と、この回転板15の回転軸15aに減速機14aを介して連結され、回転板15を回転作動させる油圧モータ14とを備えている。このように構成した回転板15の回転動作と押込板10の揺動動作との協動によって塵芥投入箱6に投入された塵芥を圧縮して塵芥収容箱3に積込むようになっている。なお、塵芥積込装置20は、本実施形態の回転式のものに限定されず、摺動板及び圧縮板を備えた圧縮式のものとしてもよい。
【0026】
図2に示すように、塵芥収集車1は、塵芥収容箱3内の塵芥を排出するための排出作業のときに、塵芥収容箱3を傾動させる傾動用油圧シリンダ22を含む傾動機構18を備えている。また、塵芥収容箱3と塵芥投入箱6との間には、回動用油圧シリンダ9が設けられている。塵芥を排出する場合、回動用油圧シリンダ9を伸長させて塵芥投入箱6を開いた状態で、傾動用油圧シリンダ22を徐々に伸長させて塵芥収容箱3を傾動させ、塵芥をピットなどに排出するように構成されている。また、塵芥投入箱6は、ホッパロック装置19(
図2にのみ示す)によって、塵芥収容箱3に対して開かないようにロック可能に構成されている。このホッパロックとホッパロック解除とは、ホッパロック用油圧シリンダ24(
図2にのみ示す)の伸縮動作により行われるようになっている。
【0027】
また、
図1Eにも示すように、塵芥投入口7は、上下のスライド移動により、矩形板状のテールゲート8によって開閉されるようになっている。デールゲートは、例えば、アクチュエータとしての電動モータ23によって開閉駆動されるようになっている。
【0028】
図1Aに示すように、塵芥収集車1は、後方から見て塵芥投入口7の左側に塵芥積込装置20の操作を行うためのリヤ操作部27を備えている。リヤ操作部27には、積込スイッチ47a、逆転スイッチ48a、押込スイッチ49a、戻りスイッチ50a、及び、停止スイッチ51aが設けられている。また、塵芥収集車1は、後方から見て塵芥投入口7の右側に塵芥積込装置20の操作を行うためのリヤ操作部27を備えている。また、塵芥収集車1は、後方から見て塵芥投入口7の右側にテールゲート8の開閉操作を行うためのテールゲート操作部(図示省略)を備えている。このテールゲート操作部には、ゲート開スイッチ41a及びゲート閉スイッチ42aが設けられている。
【0029】
また、塵芥収集車1は、運転室2a内にも、塵芥収容箱3の傾動、塵芥投入箱6の開閉等の操作を行うフロント操作部28を備えている。フロント操作部28には、積込排出切替スイッチ53及びテールゲート電源スイッチ54が設けられている。運転室2a内には、フロント操作部28の近傍に、PTOスイッチ52が設けられている。
【0030】
-コンテナ反転装置及びコンテナロック装置の構成-
コンテナ反転装置70は、
図1A及び
図10~
図12に示すように、塵芥投入箱6の両側方下部に垂直に設けられた支持用ブラケット71と、コンテナ90を反転させるリフトアーム72と、コンテナ90をリフトアーム72に保持するコンテナロック装置73と、リフトアーム72を回動させる、リフトアーム用アクチュエータとしてのリフトアーム用油圧シリンダ26とを有する。
図1Aに示すように、塵芥投入箱6の側面には、反転装置操作部29が設けられている。反転装置操作部29には、
図2に示すように、反転装置電源スイッチ55と、リフトアーム用油圧シリンダ26を作動させるアーム上昇スイッチ45a及びアーム下降スイッチ46aと、コンテナロック装置73を開閉するためのロック開スイッチ43a及びロック閉スイッチ44aとが設けられている。
【0031】
アーム上昇スイッチ45a、アーム下降スイッチ46a、ロック開スイッチ43a、及びロック閉スイッチ44aは、例えば上下左右の4方向に操作レバー29aを傾けることが可能なジョイスティックを使用することにより、1本の操作レバー29aで入力を行うことができる。例えば、操作レバー29aは、車両前方側に傾ければロック閉スイッチ44aがオンになる一方、車両後方側に傾ければロック開スイッチ43aがオンになるように構成すればよい。また、操作レバー29aは、上方に傾ければアーム上昇スイッチ45aがオンになる一方、下方に傾ければアーム下降スイッチ46aがオンになるように構成すればよい。なお、操作レバー29aは、諸事情により、従来どおり塵芥投入口7の近くでリフトアーム72をコンテナ反転装置70の動作終了まで操作する場合に、使用される。
【0032】
コンテナ90は、市町村等によって定められた、樹脂成形品等よりなる汎用のもので、例えば、
図12に示すように、底部にキャスター91が設けられ、上部に左右に延びるキャッチバー92が設けられている。上部に広く空いた上部開口93から塵芥袋等が投入されるようになっている。コンテナ90は、例えば、容量が700リットルで高さが1600mm、幅が700mm、奥行き1000mm程度の外径を有し、キャッチバー92は、直径30mm程度で長さ1600mm程度の丸棒状である。コンテナ90の本体は、下側に向かって断面が小さくなって塵芥袋などが詰まりにくくはなっているが、塵芥袋を無理矢理押し込んだりすると1度ひっくり返しただけでは塵芥袋が出てこないこともある。
【0033】
図10に拡大して示すように、支持用ブラケット71は、塵芥投入箱6の両側方下部に後方に突出され、その先端が斜め上方向に延設されている。支持用ブラケット71の上端部にはリフトアーム72の上端部がリフトアーム回動軸72aによって回動自在に軸支されている。また、支持用ブラケット71の下端部にはリフトアーム用油圧シリンダ26の基端部がリフトアーム用下側ピン26aによって軸支されている。一方、リフトアーム用油圧シリンダ26のロッド端はリフトアーム72の上下方向の中途部にリフトアーム用上側ピン26bによって軸支されている。このリフトアーム用油圧シリンダ26の伸縮動作によりリフトアーム72はリフトアーム回動軸72aを中心に回動するようになっている。
【0034】
コンテナロック装置73は、左右一対の、コンテナ90をロック状態とロック解除状態に切り換えるためのコンテナロック用アクチュエータとしての、コンテナロック用油圧シリンダ25を備えている。
【0035】
図10~
図12に示すように、リフトアーム72には上下に延びる支持板73aが取り付けられている。この支持板73aの上端部には、第1ストッパ73bが取り付けられており、支持板73aの中央高さ位置には、第2ストッパ73cが取り付けられている。第1ストッパ73b及び第2ストッパ73cは、それぞれ支持板73aから突出する金属部分の下面にゴム部材73b’73c’が取り付けられており、これらがキャッチバー92の緩衝材の役割を果たしている。
【0036】
また、第1ストッパ73b及び第2ストッパ73cの間をつなぐように、棒状の第3ストッパ73hが支持板73aに取り付けられている。これら第1~第3ストッパ73b,73c,73hでストッパ部が構成されている。
【0037】
支持板73aには、動力伝達軸73dが、左右の伝達軸支持部73eによって車幅方向に延びるように回動可能に支持されている。
【0038】
動力伝達軸73dの一端は、ロックアーム73fに接続されている。動力伝達軸73dの他端は、リンク部材25aを介してコンテナロック用油圧シリンダ25のシリンダロッド先端に接続されている。
【0039】
コンテナロック用油圧シリンダ25は、上下方向に延びるように、リフトアーム72に設けられている。
図10(a)に示す、コンテナロック用油圧シリンダ25を伸長させたロック解除状態Aでは、ロックアーム73fは、下方回動してコンテナ90のキャッチバー92を受け入れる位置にある。
【0040】
図10(b)に示す、コンテナロック用油圧シリンダ25を収縮させたロック状態Bでは、ロックアーム73fは、上方回動して、第1ストッパ73b及び第2ストッパ73cに当接する。ロック状態Bでは、支持板73a、第1ストッパ73b、第2ストッパ73c、第3ストッパ73h、及び、ロックアーム73fで囲まれた長孔領域73gが形成される。この長孔領域73gに、コンテナ90のキャッチバー92が納まる。
【0041】
コンテナ反転装置70の支持板73aには、後述のコンテナ接続センサ部56が設けられている。
【0042】
リフトアーム72において、コンテナロック用油圧シリンダ25の位置には、アーム保護部材72bが取り付けられている。
【0043】
リフトアーム72は左右一対あるが、リフトアーム72の下端部同士は、アーム連結部材72cによって連結されている。アーム連結部材72cは、左右のリフトアーム72の回動を同調させることができる。アーム連結部材72cには、コンテナ90を支持するための支持ローラ72dが設けられている。
【0044】
このように構成されたコンテナロック装置73は、
図10(a)に示すコンテナロック用油圧シリンダ25が伸長したロック解除位置Aと、
図10(b)に示すコンテナロック用油圧シリンダ25が縮小した固縛位置Bとに切替可能に構成されており、固縛位置Bにおいて前記長孔領域73g内でコンテナ90の一側面に配設されたキャッチバー92を保持するように構成されている。
【0045】
-コンテナ接続センサ部の構成-
塵芥収集車1は、
図11~
図14に示すように、コンテナ90がコンテナ反転装置70に接続されたことを検知するコンテナ接続センサ部56を有する。コンテナ接続センサ部56は、コンテナロック装置73の近傍に設けられると共に、コンテナ90の車幅方向に延びるキャッチバー92の端部を検知するように構成している。
【0046】
上述したように、長孔領域73gは、上下方向に延びるように形成されており、コンテナ接続センサ部56は、長孔領域73gの上下間距離に相当する上下方向の長さに形成されると共にロック状態でコンテナ90のキャッチバー92の端部によって支持板73a側に押される当接部材76と、当接部材76の動きを検知する検知部56aと、を有している。なお、長孔領域73gの上下間距離に相当する長さとは、第1ストッパ73bの下端と第2ストッパ73cの上端との上下間距離の90%以上、かつ、第1ストッパ73bの上端と第2ストッパ73cの下端との上下間距離以下の長さをいう。
【0047】
また、コンテナ接続センサ部56は、コンテナロック装置73の近傍に設けられる支持部材77を有する。この支持部材77は、当接部材76が上下方向の軸心回りに回動自在となるように当接部材76と連結する第1連結部77a及び第2連結部77a’と、当接部材76がキャッチバー92によって押されたときに元に戻ろうとする付勢力を発生させる付勢部材78を取り付けるための付勢部材取付部77bと、当接部材76に設けられた検出片76aの動きが検知可能となるように検知部56aを取り付けるための検知部取付部77cと、を有している。付勢部材取付部77b及び検知部取付部77cは、それぞれ支持板73aに固定されている。検出片76a及び検出部56aは、当接部材76と支持板73aとの間に配置されている。そして、車両後方から見た場合に、検出片76a及び検出部56aは、当接部材76によって完全に覆われている。これにより、コンテナ90のキャッチバー92の端部によって当接部材76が押される際、キャッチバー92の端部が検出片76a及び検出部56aに接触することがない。これにより、当接部材76の動きが検知されなくなるトラブルを抑制している。
【0048】
第1連結部77a及び第2連結部77a’は、上下に間隔を開けるように支持板73aに取り付けられており、両者をつなぐ回動軸77a’’に当接部材76の基端側が回動可能に支持されている。
【0049】
-報知部の構成-
図2に示すように、塵芥収集車1は、報知部82を備えている。報知部82は、制御装置としての(プログラマブルロジックコントローラ)PLC40と電気的に接続されている。PLC40は、車台2の側部に設けられた制御ボックス2b(
図1A参照)の内部に設けられている。一方で、報知部82は、例えば運転室2a内のキャブ内ブザー(図示せず)を備えている。このキャブ内ブザーは、後述の携帯端末機80からは運転室2a内の運転手に操作の合図等を知らせるために鳴らすことができる。
【0050】
また、報知部82は、車両後部の後部ブザー(図示せず)も備えている。この後部ブザーは、塵芥収集車1の周囲に車両作動による注意を促すために鳴らすことができる。また、後述の携帯端末機80からもコンテナ反転装置70の自動動作を行うとき等に周りに注意を促すために鳴らすことができるようになっている。
【0051】
-油圧機器及び制御構成-
図2に示すように、油圧機器30は、前記動力取出装置32に駆動される油圧ポンプ33を備えている。油圧ポンプ33により、上述した塵芥積込装置20、傾動機構18等の油圧アクチュエータを駆動する油圧が提供されるようになっている。油圧機器30では、積込用油圧アクチュエータとしての押込シリンダ13及び油圧モータ14と、傾動機構18の傾動用油圧シリンダ22とがそれぞれ油圧制御されている。油圧機器30には、他にも、塵芥収容箱3に対して塵芥投入箱6を回動させるための回動用油圧シリンダ9や、塵芥収容箱3の後方開口部4を塵芥投入箱6により閉じた状態でロックするためのホッパロック用油圧シリンダ24が備えられている。
【0052】
油圧アクチュエータとしての各シリンダ9,13,22,24,25,26及び油圧モータ14は、油圧配管61cを介してコントロールバルブユニット63に接続されている。詳しくは図示しないが、コントロールバルブユニット63は、押込シリンダ13の縮小及び伸長を制御する押込板用電磁弁、油圧モータ14の正転及び逆転を制御する回転板用電磁弁、回動用油圧シリンダ9の縮小及び伸長を制御する回動用電磁弁、傾動用油圧シリンダ22の縮小及び伸長を制御する傾動用電磁弁等を備えている。これらの電磁弁の開閉ポートを切り換えることにより、PTO32を駆動して回転させた油圧ポンプ33から吐出された作動油を所望のシリンダ9,13,22又は油圧モータ14に対して供給するように構成されている。そして、PLC40から送られてきた信号により、コントロールバルブユニット63を介してシリンダ9,13,22,24,25,26の伸縮動作の切替、油圧モータ14及び電動モータ23の正転及び逆転が制御され、又は運転が停止されるようになっている。すなわち、制御装置としてのPLC40は、塵芥積込装置20及びコンテナ反転装置70を制御する。なお、場合によっては、このPLC40は、複数のPLCより構成されていてもよい。
【0053】
図2の左側に示すように、PLC40には、ゲート開スイッチ41a、ゲート閉スイッチ42a、ロック開スイッチ43a、ロック閉スイッチ44a、アーム上昇スイッチ45a、アーム下降スイッチ46a、積込スイッチ47a、逆転スイッチ48a、押込スイッチ49a、戻りスイッチ50a、停止スイッチ51a、PTOスイッチ52、積込排出切替スイッチ53、テールゲート電源スイッチ54、反転装置電源スイッチ55等からの信号が入力されるようになっている。
【0054】
また、PLC40には、各アクチュエータの動作状況を検出する複数のアクチュエータ位置センサ57やコンテナ90が接続されたことを検知するコンテナ接続センサ部56等の各種センサからの信号も入力されるようになっている。
【0055】
具体的には、PLC40は、コンテナ接続センサ部56からの検知信号に基づいて、コンテナ反転装置70を動作させるように構成している。つまり、PLC40は、コンテナ接続センサ部56からの検知信号に基づいて、リフトアーム用油圧シリンダ26及び/又はコンテナロック用油圧シリンダ25を動作させるように構成している。
【0056】
さらに、PLC40は、携帯端末機80と通信を行う、通信装置81とも接続されている。例えば、この通信装置81は、Bluetooth(登録商標)を用いた通信を制御するプリント基板で構成されている。
【0057】
PLC40には、記憶部58が設けられている。この記憶部58は、油圧機器30の稼働状況を記憶するように構成してもよい。
【0058】
油圧機器30は、作動油を貯留する作動油タンク62を塵芥収容箱3の外部に備え、作動油タンク62内の作動油を油圧ポンプ33で吸い上げて供給側の油圧配管61aに流通させてコントロールバルブユニット63に供給するように構成されている。そして、コントロールバルブユニット63を通過して戻ってくる作動油は、回収側の油圧配管61bを流通し、リターンフィルタ64で濾過された後、再び作動油タンク62に回収されるようになっている。
【0059】
-携帯端末機の構成-
図3に示すように、本実施形態の携帯端末機80は、塵芥収集車1の各部を遠隔操作するために設けられている。携帯端末機80は、タブレット、スマートフォンなどでもよく、送受信機、CPU、ヒューマンインターフェイス、各種メモリ、タッチパネル80aなどを備えている。
【0060】
携帯端末機80は、本実施形態に係るアプリが予めインストールされている。そのアプリを立ち上げると、例えば、
図3に示すようにタッチパネル80aに塵芥積込装置操作用画像が表示される。
【0061】
例えば、この画像の右側には、ボタン状の積込スイッチ47b、逆転スイッチ48b、押込スイッチ49b、戻りスイッチ50b、停止スイッチ51bが塵芥投入口7の近くのリヤ操作部27のスイッチと同じ配置で表示されている。また、左側には、ボタン状のボタンロック解除スイッチ59が表示されている。これらのスイッチに触れることでPLC40に信号が送られるようになっている。
【0062】
中央枠部80b内には、塵芥投入箱6が表示されており、例えば、実際の押込板10、回転板15の動きと連動させて画像が変化するように構成されている。特に、コンテナ90が接続されている場合には、コンテナ反転装置70を表示させてその動きと対応させてもよい。
【0063】
中央枠部80bの右上側には、ボタン状の反転自動スイッチ80c、ゲート開スイッチ41b、ゲート閉スイッチ42bが表示され、中央枠部80bの下側には、ボタン状のロック開スイッチ43b、ロック閉スイッチ44b、アーム上昇スイッチ45b、アーム下降スイッチ46bが表示されており、これらのスイッチに触れることでPLC40に信号が送られるようになっている。詳細は後述するが、コンテナ反転装置70の自動動作開始を指示する自動動作指示工程において、反転自動スイッチ80cが押される。本実施形態では、この反転自動スイッチ80cは、携帯端末機80のみに設けられている。
【0064】
例えば、ボタンロック解除スイッチ59を左手で押した状態でないと、携帯端末機80の他の操作スイッチを操作しても対応する操作が行われないようにするようにしてもよい。すなわち、ボタンロック解除スイッチ59は、安全対策ボタンの役割を果たすことができる。
【0065】
また、例えば、停止スイッチ51bは、携帯端末機80から操作できるアクチュエータの全てを緊急で停止させることができるボタンとしてもよい。例えば、停止スイッチ51bと他のスイッチとを同時に押しても停止スイッチ51bの停止信号のみがPLC40に送られるようにしてもよい。停止スイッチ51bの操作は、積込動作中の塵芥積込装置20、開閉動作中のテールゲート8、動作中のコンテナ反転装置70の停止を行うことができる。停止スイッチ51bは、緊急停止ボタンとしての機能を有するため、ボタンロック解除スイッチ59が押されてなくても単独で停止動作を行えるようにするのが好ましい。
【0066】
なお、携帯端末機80の停止スイッチ51bは、テールゲート8の開閉動作やコンテナ反転装置70の動作を途中で停止可能な点で、リヤ操作部27の停止スイッチ51aと機能が異なっている。リヤ操作部27の停止スイッチ51aは、塵芥積込装置20の動作を停止させるためだけに設けられている。
【0067】
本実施形態では、PLC40の記憶部58が、タッチパネル80aに表示する各種操作スイッチの設定情報を保存するように構成している。これにより、携帯端末機80に設定情報を保存するような仕組みを入れる必要がなく、設定情報を保存するサーバーのようなものを用意する必要もない。さらに、塵芥収集車1のPLC40そのものに記憶されるので、異なる携帯端末機80からアクセスしてもその塵芥収集車固有の設定として扱える。このため、塵芥収集車1の設定を異なる携帯端末機間で共有するサーバーのようなものを用意する必要がない。
【0068】
-塵芥積込装置の作動-
このように構成された塵芥積込装置20は、通常、上述したように
図1Eに実線で示すような、押込シリンダ13が伸長し、回転板15の先端が後方開口部4に臨む状態が規定停止位置となっている。この規定停止位置で、塵芥投入口7を通して塵芥を塵芥投入箱6内に投入する。
【0069】
次いで、作業者が携帯端末機80の積込スイッチ47b又はリヤ操作部27の積込スイッチ47aを押して積込動作を開始すると、PLC40から信号が送られ、油圧モータ14が回転して回転板15が駆動され、前記規定停止位置から時計回りに正転する。
【0070】
次いで、戻り作動が行われ、押込シリンダ13が縮小作動し、押込板10が後方へ回動する。そして、押込シリンダ13が最小縮小位置になると押込シリンダ13の縮小作動が停止して押込板10が戻り終了位置(
図1Eに想像線で示す)に達する。
【0071】
次いで、回転板15の正転作動が続き、回転板15の先端が後方開口部4に臨む位置になったところで、回転板15が停止される。この際、塵芥投入箱6に投入された塵芥が塵芥収容箱3の底面の高さに持ち上げられた状態になる。
【0072】
次いで、押込作動が行われ、押込シリンダ13が最小縮小位置から伸長作動して押込板10が前方に揺動して押込工程に移行し、押込シリンダ13が伸長作動しながら、回転板15上の塵芥を押込板10によって後方開口部4から塵芥収容箱3へ押し込む。そして、押込シリンダ13が最大伸長位置になると押込シリンダ13の伸長作動が停止して押込板10が押込終了位置(規定停止位置)に達する。これにより、一連の積込動作を終了する。そして、これらの工程を1サイクルとした塵芥積込動作を繰り返して行うことができる。作業者は、携帯端末機80の積込スイッチ47bを使用することにより、塵芥投入口7から離れた状態で、塵芥積込装置20による塵芥の積込動作を見守ることができる。
【0073】
-コンテナ反転装置の動作-
次に、前記構成のコンテナ反転装置70の動作について説明する。
【0074】
まず、コンテナロック装置73が
図10(a)のロック解除位置Aにある状態で、作業者が、塵芥を収容したコンテナ90をコンテナ反転装置70に近接配置する。この場合、作業者は、コンテナ90内部の塵芥袋に直接触れる必要はない。
【0075】
次いで、作業者による携帯端末機80のロック閉スイッチ44b、反転装置操作部29のロック閉スイッチ44a、携帯端末機80の反転自動スイッチ80cのいずれかのオン操作に基づいて、PLC40がコンテナロック用油圧シリンダ25を伸長状態から徐々に縮小させていく。すると、上述したように、ロックアーム73fが
図10(a)のロック解除位置Aから
図10(b)の固縛位置Bに反時計回りに回動し、コンテナ90のキャッチバー92がコンテナロック装置73に固縛される。
【0076】
この後、PLC40がリフトアーム用油圧シリンダ26を伸長させると、リフトアーム72が上方に回動し、コンテナロック装置73に固縛されたコンテナ90が若干後ろ下がりに傾斜し、コンテナ90の側面が支持ローラ72dに支持された状態で持ち上げられる。
【0077】
そして、さらに、リフトアーム72が上方に回動することで、
図10(c)に示すように、コンテナ90が反転し、このコンテナ90の上部開口93が下向き状態で塵芥投入箱6の塵芥投入口7に臨み、コンテナ90内の塵芥が塵芥投入箱6に投入される。
【0078】
このとき、コンテナ90の側面は支持ローラ72dに支持され、コンテナ90のキャッチバー92が長孔領域73g内で第2ストッパ73cの位置から第1ストッパ73bの位置まで滑ることで、コンテナ90が塵芥投入口7に向かって降下し、第1ストッパ73bに衝突する際の衝撃により、コンテナ90内の塵芥を塵芥投入口7に残らず投入できるようにしている。なお、第1ストッパ73b及び第2ストッパ73cには、ゴム部材73b’、73c’が設けられているので、反転動作の際にコンテナ90のキャッチバー92が第1ストッパ73b又は第2ストッパ73cに衝突した場合の衝撃による騒音や損傷が防止される。
【0079】
なお、後述するように、塵芥袋等がコンテナ90内に詰まって出にくいときのために、リフトアーム72の動作を繰り返す、詰まり解除動作を行ってもよい。
【0080】
-PLCの作用-
PLC40は、上述したように、塵芥積込装置20、傾動機構18、コンテナ反転装置70等の各種アクチュエータを制御する。PLC40は、アクチュエータ位置センサ57等の信号から、塵芥積込装置20が1サイクルのうち、どの作業を行っているかを判定できる。
【0081】
(コンテナによる塵芥積込作業)
図4A及び
図4Bを用いてコンテナによる塵芥積込作業におけるPLC40の具体的な制御フローについて説明する。
【0082】
まず、ステップS01で電源等を入れることにより、PLC40や携帯端末機80が起動する。
【0083】
次いで、ステップS02で携帯端末機80とPLC40とのペアリングが行われる。例えば、携帯端末機80の送受信機と通信装置81との間でBluetoothを用いた通信状態を確保する。
【0084】
次に、ステップS03で、PLC40は、コンテナ接続センサ部56からの検知信号の有無を判定する。コンテナ接続センサ部56は、コンテナ反転装置70の支持板73a、第1ストッパ73b、第2ストッパ73c、ロックアーム73f及び第3ストッパ73hで囲まれた長孔領域73gに、コンテナ90のキャッチバー92が納まったとき、オン状態となる。検知信号があると、ステップS04に進み、ないとステップS05に飛ぶ。
【0085】
このように、当接部材76を、長孔領域73gの上下間距離に相当する上下方向の長さに形成したので、コンテナ90をコンテナロック装置73にセットするときにコンテナ90のキャッチバー92が長孔領域73g内のどの高さ位置にあったとしても、確実に当接部材76が押されるようにできる。これにより、コンテナ接続センサ部56は、コンテナ90がコンテナロック装置73にセットされたことを確実に検知できる。
【0086】
本実施形態では、コンテナロック装置73は、コンテナ90のキャッチバー92を囲む長孔領域73gがあることによって、コンテナ反転装置70近辺の地面に段差がある場合に容易に対応できる。すなわち、コンテナロック装置73は、コンテナロック装置73に対するコンテナ90のキャッチバー92の高さ位置が段差のない状態から変動した場合であっても、長孔領域73a内にキャッチバー92を納めることができる。また、キャッチバー92の高さ位置が異なる複数種類のコンテナ90にも対応することができる。
【0087】
本実施形態では、コンテナ90をコンテナ反転装置70にセットする際に必ずコンテナロック装置73によってロックされるコンテナ90のキャッチバー92の端部をコンテナ接続センサ部56によって検知するようにしたので、コンテナ90の本体形状が異なる様々なコンテナ90に対応することができる。これにより、コンテナ反転装置70の動作の自動化をよりいっそう容易に行うことができる。
【0088】
ステップS04で、PLC40は、携帯端末機80へコンテナ接続中であることを報知する。
【0089】
次いで、ステップS05で、PLC40は、携帯端末機80から反転自動スイッチ80cの操作信号があるかを判定する。反転自動スイッチ80cは、塵芥投入口7から離れた作業者によって操作される。PLC40が反転自動スイッチ80cの操作信号があると判断した場合、ステップS06に進む。そして、PLC40は、作動中の塵芥積込装置20の作動を停止する。PLC40が反転自動スイッチ80cの操作信号がないと判断した場合には、後述するステップS20に飛ぶ。このように、コンテナ90の反転の動作が塵芥積込装置20の積込動作等と同時に行われないので、安全である上に、コンテナ90内の塵芥が飛散しにくい。
【0090】
次に、ステップS07で、PLC40は、PTO32がオンか、テールゲート電源スイッチ54がオンか、積込排出切替スイッチ53がONか、反転装置電源スイッチ55がオンか、コンテナ90が接続されているか、
図1Aに示すようにリフトアーム72が下端位置にあるか、コンテナロック装置73が
図10(a)に示すように解除状態Aかを判定する。これらを全て満たしていると、
図4Bに示すステップS08に進んで、PLC40は、
図10(b)に示すようにコンテナロック装置73を作動させてコンテナロック装置73をロック状態Bとする。一方、1つでも満たしていない場合には、PLC40は、コンテナ90を反転させる適切な状況ではないと判断し、ステップS19に飛ぶ。なお、コンテナ90は、地面に直接載置されている場合だけでなく、台、台車など他の部材を介して地面に載置されていてもよい。
【0091】
このように、自動動作指示工程により、コンテナ反転装置の動作開始が一度指示された後、上端位置までのアーム上昇動作開始前に、PLC40は、コンテナ90をコンテナ反転装置70(具体的にはリフトアーム72)にロックするコンテナロックを自動的に行うように構成されている。このため、コンテナ反転装置70の動作開始を指示した後は、コンテナロックが自動的に行われるので、作業者は、コンテナをロックするためにコンテナ90に近付く必要がない。
【0092】
次いで、ステップS09で、PLC40は、テールゲート8を開くように電動モータ23を駆動する。このように、コンテナ反転装置70の動作開始が一度指示された後、上端までアーム上昇動作開始前に、テールゲート8が閉じていればテールゲート8を開いてからアーム上昇動作をさせるように構成されている。こうすることで、コンテナ90を反転させたときにテールゲート8が確実に開いているので、コンテナ90内の塵芥を誤って飛散させることはない。
【0093】
次に、ステップS10で、PLC40は、
図1Cに示すようにリフトアーム用油圧シリンダ26を伸長させて上昇位置までリフトアーム72を上昇させる。これにより、コンテナ90が反転し、上部開口93が塵芥投入口7の方を向き、内部の塵芥が投入される。
【0094】
次いで、ステップS11で、PLC40は、所定の第1排出時間(例えば1.5秒)が経過するのを待った後、ステップS12に進んで、
図1Dに示すように所定時間(例えば1.0秒)だけリフトアーム72を下降させる。つまり、いったんコンテナ90を途中位置まで下げて詰まり解除動作を行う。
【0095】
次に、PLC40は、ステップS13で再びリフトアーム72を
図1Cに示す上端位置まで上昇させ、詰まってしまって出てこなかった塵芥袋等を塵芥投入口7に投入する。このように、コンテナ90内で塵芥が詰まってしまって出てこないような不都合を防ぐことができる。このため、作業者が手でコンテナ90内の詰まりを解消する作業を行うことなく確実にコンテナ90内の塵芥の収集を行える。
【0096】
次いで、PLC40は、ステップS14で所定の第2排出時間(例えば1.0秒)が経過するのを待った後、ステップS15で2回目の第2排出時間が経過したのを確認する。すなわち、1回目の第2排出時間が経過しただけのときは、ステップS12に戻って詰まり解除動作が繰り返される。PLC40は、2回目の詰まり解除動作が行われたのを確認すると、ステップS16に進んでリフトアーム用油圧シリンダ26を縮小させて
図1Aに示す下降位置までリフトアーム72を下降させ、コンテナ90を地面に載置する。詰まり解除動作は、1度も行わなくてもよいし、3回以上行ってもよい。
【0097】
次いで、ステップS17で、PLC40は、コンテナロック装置73を作動させて
図10(a)に示すようにロックを解除する。コンテナ90は、地面に既に載置されているので、コンテナ90が不安定になることはない。
【0098】
次に、PLC40は、ステップS18で電動モータ23を作動させてテールゲート8を閉じる。
【0099】
最後に携帯端末機80とのペアリングが解除されていなければ、PLC40は、ステップS03に戻って作業を繰り返す。一方、ペアリングが解除されていれば、制御フローを終了する。終了後は、例えば、次の塵芥収集場所に移動する。
【0100】
一方、
図4Aに再び戻って、ステップS20では、PLC40は、テールゲート関連スイッチの操作信号があったか判定する。具体的には、PLC40は、ゲート開スイッチ41a,41b、ゲート閉スイッチ42a,42bのいずれかから信号が送信されていないか判定する。このステップS20では、PLC40は、PTOスイッチ52がオンかどうかを判定しない。PLC40は、テールゲート関連スイッチからの操作信号があると、電動モータ23を駆動してテールゲート8の開閉動作を行う。そしてステップS19に進む。
【0101】
PLC40は、テールゲート関連スイッチからの操作信号がないと、ステップS22に進みPTOスイッチ52がオンでかつ反転装置関連スイッチ(具体的には、ロック開スイッチ43a,43b、ロック閉スイッチ44a,44b、アーム上昇スイッチ45a,45b、アーム下降スイッチ46a,46b)の操作信号の有無を判定する。PLC40は、反転装置関連スイッチの操作信号があると、コンテナロック装置73又はリフトアーム用油圧シリンダ26を駆動し、コンテナ90のロックを行ったり解除したりし、又は、リフトアーム72を上昇させたり下降させたりする。その後、ステップS19に進む。
【0102】
PLC40は、反転装置関連スイッチからの操作信号がないと、ステップS24に進みPTOスイッチ52がオンでかつ積込装置関連スイッチ(具体的には、積込スイッチ47a,47b、逆転スイッチ48a,48b、押込スイッチ49a,49b、戻りスイッチ50a,50b、停止スイッチ51a,51b)の操作信号の有無を判定する。PLC40は、積込装置関連スイッチからの操作信号があると、塵芥積込装置20の対応する作動を行う。その後、ステップS19に進む。
【0103】
作業者は、テールゲート関連スイッチ、反転装置関連スイッチ、積込関連スイッチの全てについて、携帯端末機80からの操作が可能である。携帯端末80からの操作により、作業者は、従来のように塵芥投入口7の近くのリヤ操作部27又は反転装置操作部29を操作しながら塵芥積込装置20やコンテナ反転装置70を動作させる必要がない。作業者は、携帯端末機80の反転自動スイッチ80cによってコンテナ反転装置70の自動動作開始を一度指示するだけで、コンテナ反転装置70の動作終了まで塵芥の投入を自動で行える。また、コンテナ反転装置70の自動動作開始を一度指示するだけで、テールゲート8の開閉動作とコンテナロック装置73の動作と詰まり解除動作も合わせて自動で行われる。このため、作業者は、塵芥袋を掴んで塵芥投入口7に投入することもなく、塵芥投入口7から離れた状態で、コンテナ反転装置70の動作終了まで塵芥の投入を見守ることができる。
【0104】
仮に、反転自動スイッチ80cが携帯端末機80ではなく塵芥投入箱6に設けられていた場合であっても、作業者は塵芥投入箱6の反転自動スイッチを操作した後すぐにその場所から退避できる。退避後、作業者は、塵芥投入口7から離れた状態で、コンテナ反転装置70の動作終了まで塵芥の投入を見守ることができる。
【0105】
このため、仮に塵芥投入口の外へウイルスや病原菌が飛散した場合であっても、作業者が感染するおそれが軽減される。
【0106】
本実施形態では、PLC40は、コンテナ接続センサ部56からの検知信号に基づいて、リフトアーム用油圧シリンダ26とコンテナロック用油圧シリンダ25の少なくとも一方を動作させることができる。これにより、従来手動操作だった塵芥投入作業(コンテナ90をロックさせる作業、リフトアーム72を回動させてコンテナ90を反転させる作業、コンテナ90反転後にコンテナ90のロックを解除する作業等)の自動化を容易に行うことができ、作業者の負担を軽減できる。
【0107】
本実施形態では、コンテナ90がコンテナ反転装置70に接続されたことを検知するコンテナ接続センサ部56を有しているので、コンテナ90がコンテナ反転装置70に正しくセットされたタイミングで、コンテナ接続センサ部56は、検知信号をPLC40に送信することができる。PLC40は、コンテナ接続センサ部56から検知信号を受信したことによって、コンテナ90がコンテナ反転装置70に正しくセットされたと判断できる。これにより、PLC40は、コンテナ90を正しい姿勢に保持しながら、コンテナ反転動作を行うことができる。すなわち、コンテナ接続センサ部56によって、PLC40は、コンテナ反転装置70を自動で動作させるためのタイミングを適切に判断することができる。
【0108】
本実施形態では、当接部材76が上下方向の軸心回りに回動自在となっているので、当接部材76に対するコンテナ90のキャッチバー92の高さ位置が変化したとしても、当接部材76は、常に同じようにキャッチバー92によって押されることができる。また、コンテナ90のキャッチバー92が長孔領域73aの中になるロック状態から、キャッチバー92を長孔領域73aの外に出したロック解除状態にした場合には、当接部材76は、付勢部材78の付勢力によって元の位置に戻る。これにより、コンテナ接続センサ部56は、コンテナ90のコンテナロック装置73に正しくセットされているかどうかを、よりいっそう確実に検知することができる。
【0109】
(ペアリング中の通信断絶時の動作フロー)
次いで、
図5に示す、PLC40と携帯端末機80とのペアリング中の通信断絶時の動作フローについて説明する。
【0110】
ステップS30で、PLC40は、ペアリング中に携帯端末機80との通信不能の有無について判定する。具体的には、携帯端末機80の送受信装置から通信確認信号兼アプリ操作信号を、通信装置81を介してPLC40に定期的に送信し、PLC40から状態データを携帯端末機80の送受信装置が受信する。PLC40は、通信装置81からの通信開始コマンドにより、「通信中」に移行し、通信装置81を介して携帯端末機80の通信確認信号を定期的に受信することで、「通信ができている」と判断する。一方、所定時間通信確認信号を受信できないとき、タイムアウト発生により「通信不能」と判断する。
【0111】
もし、通信不能が発見されると、ステップS31に進んでPLC40は塵芥積込装置20の積込動作、コンテナ反転装置70のリフトアーム72の昇降動作、及び、テールゲート8の開閉動作の全動作を停止させる。停止後、携帯端末機80の通信状態を回復できないときには、車載のリヤ操作部27、フロント操作部28、及び、反転装置操作部29からの操作は行えるようにするとよい。
【0112】
このように、通信断絶が生じた場合には、携帯端末機80から操作による架装機器の停止などの動作の制御が行えなくなる。しかし、本実施形態では、通信断絶が生じると架装機器を強制的に停止させるので、作業者等の安全性を確保できる。
【0113】
次に、
図6に示す、塵芥収集車1の架装機器の動作中の非常停止動作フローについて説明すると、PLC40は、ステップS40で携帯端末機80の停止スイッチ51bが操作されたかどうかを判定する。操作された場合には、PLC40は、テールゲート8の開閉動作、コンテナロック装置73のロック開閉動作、リフトアーム72の昇降動作、塵芥積込装置20の積込サイクル動作、反転動作、押込動作、戻り動作の全動作を停止させる。
【0114】
(自動動作中の非常停止動作フロー)
さらに、
図7に示す、コンテナ反転装置70の自動動作中の非常停止動作フローについて説明する。
【0115】
まず、ステップS50において、携帯端末機80の中央枠部80b内の反転自動スイッチ80cのオンをトリガとする反転自動動作を行う。
【0116】
次いで、ステップS51において、PLC40は、PTOスイッチ52のオフ、テールゲート電源スイッチ54のオフ、積込排出切替スイッチ53の排出側、反転装置電源スイッチ55のオフ、テールゲート関連スイッチ(ゲート開スイッチ41a,41b、ゲート閉スイッチ42a,42b)の操作、反転装置関連スイッチ(ロック開スイッチ43a,43b、ロック閉スイッチ44a,44b、アーム上昇スイッチ45a,45b、アーム下降スイッチ46a,46b)の操作、塵芥積込装置関連スイッチ(積込スイッチ47a,47b、逆転スイッチ48a,48b、押込スイッチ49a,49b、戻りスイッチ50a,50b、停止スイッチ51a,51b)の操作、反転自動スイッチ80cの操作のいずれかが行われたかを判定する。
【0117】
いずれかが行われた場合、PLC40は、ステップS52に進んで反転動作を途中で停止させる。いずれも行われない場合、フローを終了する。
【0118】
そして、ステップS53において、PLC40は、反転自動スイッチ80cによる途中停止であるか判定する。そうでない場合には、フローを終了するが、その場合には、PLC40は、ステップS54に進んで反転自動スイッチ80cの操作があったか判定し、操作があると、ステップS55で反転動作を再開する。
【0119】
-携帯端末機の設定画面-
図8に携帯端末機80にインストールされたアプリのユーザ設定画面を示す。例えば、コンテナ反転装置70の自動動作中に後部ブザーを鳴らしたいときには、タッチパネル80aに触れてチェックをする。その他、コンテナ90が上昇位置で積込動作を停止するか、携帯端末機80からの停止操作でキャブ内ブザー(前記後部ブザーと違う音)を鳴らすかを選択できるようになっている。
【0120】
また、携帯端末機80のユーザ設定画面は、PLC40と携帯端末機80とのペアリング中、リヤ操作部27の塵芥積込装置関連スイッチ(積込スイッチ47a、逆転スイッチ48a、押込スイッチ49a、戻りスイッチ50a、停止スイッチ51a)を無効にするかどうかを設定可能にしている。これを無効にした場合、作業者がリヤ操作部27の塵芥積込装置関連スイッチを操作しても何も反応しないので、作業者の意図しない塵芥積込装置20の作動が抑制できる。
【0121】
また、携帯端末機80のユーザ設定画面は、PLC40と携帯端末機80とのペアリング中、反転装置操作部29の反転装置関連スイッチ(アーム上昇スイッチ45a、アーム下降スイッチ46a、ロック開スイッチ43a、及びロック閉スイッチ44a)を無効にするかどうかを設定可能にしている。これを無効にした場合、作業者が反転装置操作部29の操作レバー29aを操作しても何も反応しないので、作業者の意図しないコンテナ反転装置70の作動が抑制できる。
【0122】
また、携帯端末機80のユーザ設定画面は、PLC40と携帯端末機80とのペアリング中、テールゲート操作部のテールゲート関連スイッチ(ゲート開スイッチ41a及びゲート閉スイッチ42a)を無効にするかどうかを設定可能にしている。これを無効にした場合、作業者が、テールゲート操作部のテールゲート関連スイッチを操作しても何も反応しないので、作業者の意図しないテールゲート8の作動が抑制できる。
【0123】
なお、上述のように、リヤ操作部27の塵芥積込装置関連スイッチ、反転装置操作部29の反転装置関連スイッチ、及び、テールゲート操作部のテールゲート関連スイッチを操作無効にした場合であっても、PLC40と携帯端末機80との間で通信断絶が生じた場合には、自動的これらのスイッチの操作を有効にするのが好ましい。
【0124】
また、携帯端末機80のユーザ設定画面は、上記の他に、ディップスイッチの操作を無効にするかなどを選択できるようになっている。
【0125】
図9に携帯端末機80にインストールされたアプリの管理者設定画面を示す。この管理者設定画面では、アプリから操作可能なボタンや表示する状態の項目を設定することができる。例えば、チェックを外してアプリから操作させたくないボタンを表示させないようにすることができる。それぞれの設定は、記憶部58に記憶される。PLC40の内部に存在するパラメータなので、アプリ以外からでもPLC40に直接アクセスして変更することもできる。また、PLC40のプログラムにより設定変更ができないようにすることもできる。管理者設定画面は、パスワードを入力しないと設定変更ができないようにするとよい。
【0126】
以上説明したように、本実施形態によれば、コンテナ反転装置70の自動動作開始を一度指示すれば、コンテナ反転装置70の一連の自動動作中、作業者が塵芥投入口7の傍に常時いる必要がない。このため、作業者の身体的及び精神的負担が軽減される。
【0127】
また、本実施形態によれば、携帯端末機80の複数の操作スイッチを操作することで、作業者が塵芥投入口7から離れて塵芥積込装置20、コンテナ反転装置70、及び、その他の塵芥収集車1に搭載された架装機器を操作することができる。
【0128】
そして、本実施形態によれば、PLC40は、コンテナ反転装置70を自動で動作させるためのタイミングを適切に判断することができる。
【0129】
(その他の実施形態)
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0130】
すなわち、前記実施形態では、制御装置の一例として、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)を説明した。ただし、制御装置は、「塵芥収集車1」を制御するものであれば、物理的にどのように構成してもよい。例えば、制御装置は、マイクロコンピュータを利用するものであってもよく、あるいは、制御装置は、ハードウェア(回路部品)を組み合わせて実現してもよい。
【0131】
また、上記実施形態では、反転自動スイッチ80cは、コンテナロック装置73、テールゲート8、及び、リフトアーム72をコンテナ反転装置70の動作完了まで自動的に動作させるものであった。本発明はこれに限らず、自動スイッチを一度操作すれば、コンテナ反転装置の動作完了に続いて塵芥積込装置も自動的に作動させるようにしてもよい。このように構成すれば、塵芥の塵芥投入口への投入だけでなく、塵芥の塵芥収容箱への積込みも自動で行うことができる。
【0132】
また、上記実施形態では、コンテナ反転装置70の自動動作は、携帯端末機80の反転自動スイッチ80cの操作をトリガにして行われていた。本発明はこれに限らず、コンテナ反転装置へのコンテナの接続をコンテナ接続センサ部が検知したことをトリガにして、制御装置がコンテナ反転装置の自動動作を行わせるようにしてもよい。この場合、コンテナ接続センサ部から制御装置に送られる信号が、自動動作開始の指示となる。
【0133】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0134】
1 塵芥収集車
6 塵芥投入箱
7 塵芥投入口
20 塵芥積込装置
25 コンテナロック用油圧シリンダ(コンテナロック用アクチュエータ)
26 リフトアーム用油圧シリンダ(リフトアーム用アクチュエータ)
40 PLC(制御装置)
56 コンテナ接続センサ部
56a 検知部
72 リフトアーム
73 コンテナロック装置
73a 支持板
73b 第1ストッパ(ストッパ部)
73c 第2ストッパ(ストッパ部)
73f ロックアーム
73g 長孔領域
73h 第3ストッパ(ストッパ部)
76 当接部材
76a 検出片
77 支持部材
77a 連結部
77b 付勢部材取付部
77c 検知部取付部
78 付勢部材
90 コンテナ
92 キャッチバー