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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082805
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】プロセスカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20240613BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
G03G21/18 121
G03G21/18 132
G03G15/08 229
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196913
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】板橋 奈緒
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AB03
2H077AB12
2H077AC04
2H077AD13
2H077BA07
2H077CA12
2H077EA15
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA09
2H171FA13
2H171GA03
2H171JA23
2H171JA29
2H171JA31
2H171JA40
2H171JA45
2H171JA48
2H171JA59
2H171KA06
2H171KA24
2H171KA25
2H171LA08
2H171LA13
2H171QA08
2H171QB32
2H171QB35
2H171QB37
2H171QB41
(57)【要約】      (修正有)
【課題】通常状態では感光ドラムと現像ローラとが離間した離間状態とする離間当接機構であって、感光ドラムと現像ローラを離間状態から当接状態へ切り替える離間当接機構と、開口からシールを回収する回収機構と、を備え、かつ、小型化が可能なプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】プロセスカートリッジ1は、ドラムユニット10、現像ユニット20、離間当接機構40、および回収機構50を備える。離間当接機構40は、外力を受けることにより、感光ドラムと現像ローラとが離れた離間状態から、感光ドラムに現像ローラが当接する当接状態へ切り替える。回収機構50は、シール29を巻き取って回収することにより、開口を、シール29に塞がれた封止状態からシール29が取り除かれた開放状態へ変化させる。離間当接機構40は、現像筐体21の端部の外表面に位置する。回収機構50は、現像筐体21の内部に位置する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びるドラム軸について回転可能な感光ドラムを有するドラムユニットと、
現像ユニットであって、
前記第1方向に延びる現像軸について回転可能な現像ローラと、
トナーを収容するトナー収容室と、前記現像ローラを収容する現像室と、前記トナー収容室と前記現像室とをつなぐ開口と、を有する現像筐体と、
前記現像筐体に貼り付けられて前記開口を塞ぐシールと、
を有する現像ユニットと、
前記シールを巻き取って回収することにより、前記開口を、前記シールに塞がれた封止状態から前記シールが取り除かれた開放状態へ切り替える回収機構と、
前記現像筐体に一端が支持されたスペーサであって、前記現像ローラが前記感光ドラムに向かって移動することを規制する離間保持位置と、前記現像ローラが前記感光ドラムに向かって移動することを許容する離間解除位置との間で、前記一端について回動可能なスペーサと、
前記現像ローラが前記感光ドラムに向かって移動する向きに前記現像筐体を付勢する第1付勢部材と、
前記現像筐体に対して、第1位置と第2位置との間で移動可能なレバーであって、前記第2位置のときに移動することで前記スペーサを押圧し、前記スペーサを前記離間保持位置から前記離間解除位置へ移動させるレバーと、
前記レバーを前記第2位置から前記第1位置へ向けて付勢する第2付勢部材と、
を備え、
前記レバーおよび前記スペーサは、前記第1方向における前記現像筐体の端の外表面に位置し、
前記回収機構は、前記トナー収容室の内部に位置することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
前記回収機構は、前記トナー収容室の内部の前記第1方向における一端に位置することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項3】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
前記トナー収容室は、
前記トナーが収容されるトナー室と、
前記第1方向において前記トナー室と隣り合う回収室であって、前記回収機構が配置される回収室と、
を有し、
前記現像筐体は、
前記トナー室と前記回収室を仕切る仕切壁
を有することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項4】
請求項3に記載のプロセスカートリッジであって、
前記現像筐体は、
前記現像筐体の内面と前記仕切壁との間に、前記回収機構に回収される前記シールが通過するスリット
を有し、
前記スリットに配置された弾性体であって、前記回収機構に回収される前記シールと接触する弾性体
をさらに有することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項5】
請求項3に記載のプロセスカートリッジであって、
前記トナー収容室内において、前記第1方向に延びるアジテータ軸について回転するアジテータ
をさらに備え、
前記回収機構は、
前記シールを巻き取る巻き取りローラと、
前記アジテータから前記巻き取りローラへ駆動を伝達する伝達ギア部と、
を有することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項6】
請求項3に記載のプロセスカートリッジであって、
前記仕切壁は、前記現像筐体とは別部品であることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
前記回収機構は、
前記トナー収容室内において、前記第1方向に延びるアジテータ軸について回転するアジテータであって、前記シールを巻き取るアジテータ
を有することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項7に記載のプロセスカートリッジであって、
前記アジテータは、
前記アジテータ軸に沿って延びるアジテータシャフトと、
前記アジテータシャフトから前記現像筐体の内面へ向けて延びる突出部であって、前記シールよりも硬い突出部と、
を有することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項9】
請求項8に記載のプロセスカートリッジであって、
前記突出部の前記第1方向の長さは、前記シールの前記第1方向の長さよりも、長いことを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項10】
請求項8に記載のプロセスカートリッジであって、
前記突出部は、前記第1方向の一端から他端まで、連続的に延びることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項8に記載のプロセスカートリッジであって、
前記アジテータに前記シールが巻き取られた状態において、前記シールの周方向の長さは、前記アジテータの外接円の周長よりも短いことを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項12】
請求項8に記載のプロセスカートリッジであって、
前記アジテータに前記シールが巻き取られた状態において、前記シールの周方向の長さは、前記アジテータの外接円の周長よりも長いことを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項13】
請求項7に記載のプロセスカートリッジであって、
前記開口は、
第1開口と、
前記第1開口から前記第1方向に離れた第2開口と、
を有し、
前記シールは、
前記第1開口を塞ぐ第1シールと、
前記第2開口を塞ぐ第2シールと、
を有することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項14】
請求項13に記載のプロセスカートリッジであって、
前記開口は、
前記第2開口から前記第1方向に離れた第3開口
をさらに有し、
前記第2開口は、前記第1方向において、前記第1開口と前記第3開口との間に位置し、
前記シールは、
前記第3開口を塞ぐ第3シール
をさらに有することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項15】
請求項14に記載のプロセスカートリッジであって、
前記第1方向における前記第2開口の長さは、前記第1方向における前記第1開口の長さよりも長く、かつ、前記第1方向における前記第3開口の長さよりも長いことを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項16】
請求項14に記載のプロセスカートリッジであって、
前記第2シールの巻き取り方向の長さは、前記第1シールの巻き取り方向の長さよりも長く、かつ、前記第3シールの巻き取り方向の長さよりも長く、
前記シールの巻き取りが開始される前の状態において、前記第2シールは、前記第2開口と前記アジテータとの間に、弛みを有することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項17】
請求項14に記載のプロセスカートリッジであって、
前記第2シールの巻き取り方向の長さは、前記第1シールの巻き取り方向の長さよりも短く、かつ、前記第3シールの巻き取り方向の長さよりも短いことを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項18】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
前記シールは、前記現像筐体の内面に貼り付けられていることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項19】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
前記開口は、
第1開口と、
前記第1開口から前記第1方向に離れた第2開口と、
を有し、
前記現像筐体は、
前記第1開口と前記第2開口の間に位置するリブ
を有し、
前記シールは、前記リブには貼り付けられていないことを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項20】
請求項1から請求項19のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジであって、
前記第1方向における前記現像筐体の端部を覆うサイドカバー
をさらに備え、
前記レバーおよび前記スペーサは、前記第1方向において、前記現像筐体と前記サイドカバーとの間に位置することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項21】
請求項5に記載のプロセスカートリッジであって、
前記巻き取りローラは、前記アジテータ軸とは異なる方向に延びる巻き取り軸について回転可能であり、
前記伝達ギア部は、
前記アジテータとともに前記アジテータ軸について回転する第1ヘリカルギアと、
前記第1ヘリカルギアと噛み合い、前記巻き取り軸と平行な軸について回転する第2ヘリカルギアと、
前記第2ヘリカルギアから前記巻き取りローラへ動力を伝達するアイドルギアと、
を有することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項22】
請求項1から請求項19のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジであって、
前記現像筐体は、
前記トナー収容室内へトナーを充填するための充填口と、
前記充填口を閉鎖するキャップと、
を有することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項23】
請求項22に記載のプロセスカートリッジであって、
前記充填口および前記キャップは、前記第1方向における前記現像筐体の端部に位置することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項24】
請求項22に記載のプロセスカートリッジであって、
前記現像ローラは、前記第1方向に対して交差する第2方向における前記現像筐体の一端に位置し、
前記現像筐体は、
前記第2方向における前記現像筐体の他端において、前記現像ローラから離れる向きに突出する凸状部
を有し、
前記充填口および前記キャップは、前記第1方向における前記凸状部の端部に位置することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項25】
請求項22に記載のプロセスカートリッジであって、
前記現像ローラは、前記第1方向に対して交差する第2方向における前記現像筐体の一端に位置し、
前記充填口および前記キャップは、前記第1方向および前記第2方向に対して交差する第3方向における前記現像筐体の端部に位置することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項26】
請求項22に記載のプロセスカートリッジであって、
前記開口は、前記第1方向に対して交差する第2方向において、前記充填口と前記現像ローラとの間に位置することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項27】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
前記第1方向に延びる供給軸について回転可能な供給ローラであって、前記現像ローラへトナーを供給する供給ローラ
をさらに備え、
前記現像室は、前記供給ローラをさらに収容することを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置に使用されるプロセスカートリッジが知られている。プロセスカートリッジは、感光ドラムを有するドラムユニットと、現像ローラを有する現像ユニットと、を備える。従来のプロセスカートリッジについては、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1のプロセスカートリッジは、感光ドラムと現像ローラとが離れた状態から、感光ドラムと現像ローラが当接する状態へ切り替えるための離間当接機構を有する。離間当接機構は、通常状態では感光ドラムと現像ローラとが離間した離間状態とし、プロセスカートリッジが画像形成装置に装着された状態において外力が加えられると、離間状態から感光ドラムと現像ローラとが当接する当接状態とする。離間当接機構は、現像ユニットの長手方向の両端部の外表面に位置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-050262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、従来、現像ユニットのトナー収容室と現像室とを繋ぐ開口が、テープ状のシールで塞がれたプロセスカートリッジが知られている。この種のプロセスカートリッジは、開口からシールを剥がす回収機構を有する。画像形成装置にプロセスカートリッジが装着されると、画像形成装置から供給される駆動力により、回収機構が動作する。これにより、シールが回収されて、開口が開放される。
【0006】
しかしながら、上述した離間当接機構と回収機構とを、いずれも、現像ユニットの長手方向の端部の外表面に配置すると、現像ユニットの端部の面積を広くとる必要がある。これにより、プロセスカートリッジを小型化することが困難となる。
【0007】
本開示は、通常状態では感光ドラムと現像ローラとが離間した離間状態とする離間当接機構であって、感光ドラムと現像ローラを離間状態から当接状態へ切り替える離間当接機構と、開口からシールを回収する回収機構と、を備え、かつ、小型化が可能なプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1開示は、 第1方向に延びるドラム軸について回転可能な感光ドラムを有するドラムユニットと、現像ユニットであって、前記第1方向に延びる現像軸について回転可能な現像ローラと、トナーを収容するトナー収容室と、前記現像ローラを収容する現像室と、前記トナー収容室と前記現像室とをつなぐ開口と、を有する現像筐体と、前記現像筐体に貼り付けられて前記開口を塞ぐシールと、を有する現像ユニットと、前記シールを巻き取って回収することにより、前記開口を、前記シールに塞がれた封止状態から前記シールが取り除かれた開放状態へ切り替える回収機構と、前記現像筐体に一端が支持されたスペーサであって、前記現像ローラが前記感光ドラムに向かって移動することを規制する離間保持位置と、前記現像ローラが前記感光ドラムに向かって移動することを許容する離間解除位置との間で、前記一端について回動可能なスペーサと、前記現像ローラが前記感光ドラムに向かって移動する向きに前記現像筐体を付勢する第1付勢部材と、前記現像筐体に対して、第1位置と第2位置との間で移動可能なレバーであって、前記第2位置のときに移動することで前記スペーサを押圧し、前記スペーサを前記離間保持位置から前記離間解除位置へ移動させるレバーと、前記レバーを前記第2位置から前記第1位置へ向けて付勢する第2付勢部材と、を備え、前記レバーおよび前記スペーサは、前記第1方向における前記現像筐体の端の外表面に位置し、前記回収機構は、前記トナー収容室の内部に位置することを特徴とする。
【0009】
第2開示は、第1開示のプロセスカートリッジであって、前記回収機構は、前記トナー収容室の内部の前記第1方向における一端に位置することを特徴とする。
【0010】
第3開示は、第1開示または第2開示のプロセスカートリッジであって、前記トナー収容室は、前記トナーが収容されるトナー室と、前記第1方向において前記トナー室と隣り合う回収室であって、前記回収機構が配置される回収室と、を有し、前記現像筐体は、前記トナー室と前記回収室を仕切る仕切壁を有することを特徴とする。
【0011】
第4開示は、第3開示のプロセスカートリッジであって、前記現像筐体は、前記現像筐体の内面と前記仕切壁との間に、前記回収機構に回収される前記シールが通過するスリットを有し、前記スリットに配置された弾性体であって、前記回収機構に回収される前記シールと接触する弾性体をさらに有することを特徴とする。
【0012】
第5開示は、第1開示から第4開示のいずれか一開示のプロセスカートリッジであって、前記トナー収容室内において、前記第1方向に延びるアジテータ軸について回転するアジテータをさらに備え、前記回収機構は、前記シールを巻き取る巻き取りローラと、前記アジテータから前記巻き取りローラへ駆動を伝達する伝達ギア部と、を有することを特徴とする。
【0013】
第6開示は、第3開示または第4開示のプロセスカートリッジであって、前記仕切壁は、前記現像筐体とは別部品であることを特徴とする。
【0014】
第7開示は、第1開示のプロセスカートリッジであって、前記回収機構は、前記トナー収容室内において、前記第1方向に延びるアジテータ軸について回転するアジテータであって、前記シールを巻き取るアジテータを有することを特徴とする。
【0015】
第8開示は、第7開示のプロセスカートリッジであって、前記アジテータは、前記アジテータ軸に沿って延びるアジテータシャフトと、前記アジテータシャフトから前記現像筐体の内面へ向けて延びる突出部であって、前記シールよりも硬い突出部と、を有することを特徴とする。
【0016】
第9開示は、第8開示のプロセスカートリッジであって、前記突出部の前記第1方向の長さは、前記シールの前記第1方向の長さよりも、長いことを特徴とする。
【0017】
第10開示は、第8開示または第9開示のプロセスカートリッジであって、前記突出部は、前記第1方向の一端から他端まで、連続的に延びることを特徴とする。
【0018】
第11開示は、第8開示から第10開示のいずれか一開示のプロセスカートリッジであって、前記アジテータに前記シールが巻き取られた状態において、前記シールの周方向の長さは、前記アジテータの外接円の周長よりも短いことを特徴とする。
【0019】
第12開示は、請求項8から第10開示のいずれか一開示のプロセスカートリッジであって、前記アジテータに前記シールが巻き取られた状態において、前記シールの周方向の長さは、前記アジテータの外接円の周長よりも長いことを特徴とする。
【0020】
第13開示は、第7開示から第12開示のいずれか一開示に記載のプロセスカートリッジであって、前記開口は、第1開口と、前記第1開口から前記第1方向に離れた第2開口と、を有し、前記シールは、前記第1開口を塞ぐ第1シールと、前記第2開口を塞ぐ第2シールと、を有することを特徴とする。
【0021】
第14開示は、第13開示のプロセスカートリッジであって、前記開口は、前記第2開口から前記第1方向に離れた第3開口をさらに有し、前記第2開口は、前記第1方向において、前記第1開口と前記第3開口との間に位置し、前記シールは、前記第3開口を塞ぐ第3シールをさらに有することを特徴とする。
【0022】
第15開示は、第14開示のプロセスカートリッジであって、前記第1方向における前記第2開口の長さは、前記第1方向における前記第1開口の長さよりも長く、かつ、前記第1方向における前記第3開口の長さよりも長いことを特徴とする。
【0023】
第16開示は、第14開示または第15開示のプロセスカートリッジであって、前記第2シールの巻き取り方向の長さは、前記第1シールの巻き取り方向の長さよりも長く、かつ、前記第3シールの巻き取り方向の長さよりも長く、前記シールの巻き取りが開始される前の状態において、前記第2シールは、前記第2開口と前記アジテータとの間に、弛みを有することを特徴とする。
【0024】
第17開示は、第14開示または第15開示のプロセスカートリッジであって、前記第2シールの巻き取り方向の長さは、前記第1シールの巻き取り方向の長さよりも短く、かつ、前記第3シールの巻き取り方向の長さよりも短いことを特徴とする。
【0025】
第18開示は、第1開示から第17開示のいずれか一開示のプロセスカートリッジであって、前記シールは、前記現像筐体の内面に貼り付けられていることを特徴とする。
【0026】
第19開示は、第1開示から第18開示のいずれか一開示のプロセスカートリッジであって、前記開口は、第1開口と、前記第1開口から前記第1方向に離れた第2開口と、を有し、前記現像筐体は、前記第1開口と前記第2開口の間に位置するリブを有し、前記シールは、前記リブには貼り付けられていないことを特徴とする。
【0027】
第20開示は、第1開示から第19開示のいずれか一開示のプロセスカートリッジであって、前記第1方向における前記現像筐体の端部を覆うサイドカバーをさらに備え、前記レバーおよび前記スペーサは、前記第1方向において、前記現像筐体と前記サイドカバーとの間に位置することを特徴とする。
【0028】
第21開示は、第5開示のプロセスカートリッジであって、前記巻き取りローラは、前記アジテータ軸とは異なる方向に延びる巻き取り軸について回転可能であり、前記伝達ギア部は、前記アジテータとともに前記アジテータ軸について回転する第1ヘリカルギアと、前記第1ヘリカルギアと噛み合い、前記巻き取り軸と平行な軸について回転する第2ヘリカルギアと、前記第2ヘリカルギアから前記巻き取りローラへ動力を伝達するアイドルギアと、を有することを特徴とする。
【0029】
第22開示は、第1開示から第21開示のいずれか一開示のプロセスカートリッジであって、前記現像筐体は、前記トナー収容室内へトナーを充填するための充填口と、前記充填口を閉鎖するキャップと、を有することを特徴とする。
【0030】
第23開示は、第22開示のプロセスカートリッジであって、前記充填口および前記キャップは、前記第1方向における前記現像筐体の端部に位置することを特徴とする。
【0031】
第24開示は、第22開示のプロセスカートリッジであって、前記現像ローラは、前記第1方向に対して交差する第2方向における前記現像筐体の一端に位置し、前記現像筐体は、前記第2方向における前記現像筐体の他端において、前記現像ローラから離れる向きに突出する凸状部を有し、前記充填口および前記キャップは、前記第1方向における前記凸状部の端部に位置することを特徴とする。
【0032】
第25開示は、第22開示のプロセスカートリッジであって、前記現像ローラは、前記第1方向に対して交差する第2方向における前記現像筐体の一端に位置し、前記充填口および前記キャップは、前記第1方向および前記第2方向に対して交差する第3方向における前記現像筐体の端部に位置することを特徴とする。
【0033】
第26開示は、第22開示から第25開示のいずれか一開示のプロセスカートリッジであって、前記開口は、前記第1方向に対して交差する第2方向において、前記充填口と前記現像ローラとの間に位置することを特徴とする。
【0034】
第27開示は、第1開示から第26開示のいずれか一開示のプロセスカートリッジであって、前記第1方向に延びる供給軸について回転可能な供給ローラであって、前記現像ローラへトナーを供給する供給ローラをさらに備え、前記現像室は、前記供給ローラをさらに収容することを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
第1開示~第27開示によれば、レバーおよびスペーサを、第1方向における現像筐体の端の外表面に配置し、回収機構を、トナー収容室の内部に配置する。これにより、レバーおよびスペーサと回収機構とを、いずれも第1方向における現像筐体の端の外表面に配置する場合よりも、プロセスカートリッジを小型化できる。
【0036】
また、第3開示によれば、トナー室と回収室を分けることで、回収機構にトナーが付着することを抑制できる。
【0037】
また、第4開示によれば、回収室にトナーが侵入することを、より抑制できる。
【0038】
また、第5開示によれば、アジテータへの駆動入力とは別に、回収機構へ駆動を入力する必要がない。
【0039】
また、第6開示によれば、現像筐体内に仕切壁を容易に配置できる。
【0040】
また、第7開示によれば、アジテータとは別に、シールを巻き取る巻き取りローラを設ける必要がない。また、回収後のシールを、アジテータの羽根として利用できる。
【0041】
また、第8開示によれば、現像筐体からシールを剥がしやすくなる。
【0042】
また、第9開示によれば、シールの変形を抑制しつつ、シールを巻き取ることができる。
【0043】
また、第10開示によれば、シールの変形を抑制しつつ、シールを巻き取ることができる。
【0044】
また、第11開示によれば、アジテータシャフトと突出部の隙間に、トナーが残ることを抑制できる。
【0045】
また、第12開示によれば、突起を短くすることにより、シールを巻き取るときにアジテータにかかるトルクを抑制できる。
【0046】
また、第13開示によれば、シールを第1シールと第2シールに分けることで、シールの回収時にアジテータにかかる負荷を減らすことができる。
【0047】
また、第15開示によれば、撓みが生じやすいアジテータの中央部にかかる負荷を低減できる。
【0048】
また、第16開示によれば、駆動が入力される前に、アジテータの中央部の撓みによって、第2シールが剥がれることを抑制できる。
【0049】
また、第17開示によれば、中央に位置する第1開口を、最初に開くことができる。
【0050】
また、第18開示によれば、トナーの圧力でシールが剥がれることを抑制できる。
【0051】
また、第19開示によれば、シールを剥がすときに回収機構にかかる負荷を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】プロセスカートリッジの斜視図である。
図2】プロセスカートリッジの第1方向に直交する断面図である。
図3】現像ユニットの第1方向における一端付近の分解斜視図である。
図4】第1サイドカバーおよびギアカバーが取り外されたプロセスカートリッジを、第1サイドカバー側から第1方向に視た図である。
図5】プロセスカートリッジの第1方向に直交する断面図である。
図6】プロセスカートリッジの第1方向に直交する断面図である。
図7】プロセスカートリッジの第1方向に直交する断面図である。
図8】プロセスカートリッジの、第5現像壁を取り外した状態の斜視図である。
図9図8のプロセスカートリッジの、回収機構付近の拡大図である。
図10】プロセスカートリッジの第3方向に直交する断面図である。
図11】プロセスカートリッジの第3方向に直交する断面図である。
図12】プロセスカートリッジの第3方向に直交する断面図である。
図13】シールの回収が完了した状態における、第5現像壁を取り外したプロセスカートリッジの斜視図である。
図14】第2実施形態のプロセスカートリッジの、第5現像壁を取り外した状態の斜視図である。
図15】回収機構の付近におけるプロセスカートリッジの部分断面図である。
図16】第2実施形態のプロセスカートリッジの、回収機構の近における分解斜視図である。
図17】第3実施形態のプロセスカートリッジの、第5現像壁を取り外した状態の斜視図である。
図18】第3実施形態のプロセスカートリッジの、第1方向に直交する断面図である。
図19】第3実施形態のプロセスカートリッジの、第1方向に直交する断面図である。
図20】第3実施形態のプロセスカートリッジの、第1方向に直交する断面図である。
図21】第1方向におけるシールの両端部付近における、アジテータおよびシールの第2方向に視た平面図である。
図22】第3実施形態の他の例のプロセスカートリッジの、第1方向に直交する断面図である。
図23】第4実施形態のプロセスカートリッジの、第2方向に対して直交する断面図である。
図24】第4実施形態のプロセスカートリッジの、第5現像壁を取り外した状態の斜視図である。
図25】充填口およびキャップの配置に関する他の例を示した図である。
図26】充填口およびキャップの配置に関する他の例を示した図である。
図27】充填口およびキャップの配置に関する他の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0054】
なお、以下では、感光ドラムのドラム軸が延びる方向を「第1方向」と称する。また、現像筐体の現像ローラが位置する一端部と現像筐体の他端部とが並ぶ方向を「第2方向」と称する。また、感光ドラムと現像ローラとが並ぶ方向を「第3方向」と称する。
【0055】
第1方向と第2方向とは互いに交差する。好ましくは、第1方向と第2方向とは互いに直交する。第1方向と第3方向とは互いに交差する。好ましくは、第1方向と第3方向とは互いに直交する。第2方向と第3方向とは互いに交差する。
【0056】
<1.プロセスカートリッジの構成>
図1は、プロセスカートリッジ1の斜視図である。図2は、プロセスカートリッジ1の第1方向に直交する断面図である。このプロセスカートリッジ1は、電子写真方式の画像形成装置に使用される。具体的には、プロセスカートリッジ1は、レーザプリンタまたはLEDプリンタに使用される。プロセスカートリッジ1は、図示を省略したドロワに対して装着される。また、プロセスカートリッジ1は、ドロワに装着された状態で、画像形成装置のフレームに装着される。
【0057】
図1に示すように、プロセスカートリッジ1は、ドラムユニット10、現像ユニット20、第1サイドカバー31、および第2サイドカバー32を備える。
【0058】
ドラムユニット10は、ドラム筐体11および感光ドラム12を有する。
【0059】
ドラム筐体11は、感光ドラム12を支持する筐体である。ドラム筐体11は、第3方向におけるプロセスカートリッジ1の一端に位置する。
【0060】
感光ドラム12は、第1方向に延びるドラム軸について回転可能なドラムである。感光ドラム12は、第2方向におけるドラム筐体11の一端部に位置する。第1方向における感光ドラム12の一端部は、第1方向におけるドラム筐体11の一端部に、軸受を介して支持される。第1方向における感光ドラム12の他端部は、第1方向におけるドラム筐体11の他端部に、軸受を介して支持される。感光ドラム12は、ドラム軸を中心とする円筒状の外周面を有する。感光ドラム12の外周面は、感光材料に覆われている。
【0061】
また、ドラムユニット10は、ドラムカップリング13を有する。ドラムカップリング13は、第1方向における感光ドラム12の一端に取り付けられている。プロセスカートリッジ1が装着されたドロワが、画像形成装置に装着された状態において、ドラムカップリング13は、画像形成装置から駆動力を受ける。これにより、ドラムカップリング13および感光ドラム12は、ドラム軸について回転する。
【0062】
現像ユニット20は、現像筐体21、アジテータ22、現像ローラ23、供給ローラ24、およびギアユニット25を有する。
【0063】
現像筐体21は、トナーが収容された筐体である。現像筐体21は、第3方向におけるプロセスカートリッジ1の他端に位置する。現像筐体21は、トナー供給口210を有する。トナー供給口210は、第2方向における現像筐体21の一端に位置する。また、現像筐体21は、第1現像壁211、第2現像壁212、第3現像壁213、第4現像壁214、第5現像壁215、および凸状部216を有する。
【0064】
第1現像壁211は、第1方向における現像筐体21の一端に位置する。第2現像壁212は、第1方向における現像筐体21の他端に位置する。第3現像壁213は、第3方向における現像筐体21の一端に位置する。第4現像壁214は、第3方向における現像筐体21の他端に位置する。第5現像壁215は、第2方向における現像筐体21の他端に位置する。凸状部216は、第5現像壁215から、現像筐体21の外側へ向けて、第2方向に突出する。すなわち、凸状部216は、第2方向における現像筐体21の他端において、現像ローラ23から離れる向きに突出する。凸状部216の内側は、後述するトナー収容室26の一部である。
【0065】
図2に示すように、現像筐体21は、トナー収容室26と、現像室28とを有する。トナー収容室26は、プロセスカートリッジ1が未使用の状態において、トナーを収容する。現像室28は、現像ローラ23および供給ローラ24を収容する。具体的には、現像筐体21は、隔壁217を有する。隔壁217は、現像筐体21の内部に位置する。隔壁217は、第2方向における現像筐体21の一端部と他端部との間に位置する。トナー収容室26は、第1現像壁211、第2現像壁212、第3現像壁213、第4現像壁214、第5現像壁215、凸状部216、および隔壁217に囲まれた空間である。現像室28は、隔壁217とトナー供給口210との間に位置する。
【0066】
隔壁217は、開口27を有する。開口27は、隔壁217を、第2方向に貫通する。開口27は、トナー収容室26と現像室28とをつなぐ。開口27は、第2方向において、後述する充填口61と現像ローラ23との間に位置する。プロセスカートリッジ1が未使用の状態では、開口27に、シール29(ピールシール)が貼り付けられている。シール29は、柔軟に変形可能なシート状のテープである。シール29は、合成樹脂によって構成される、所謂イージーピール式のテープである。シール29の片面には、接着剤が塗布されている。シール29は、開口27の周囲において、隔壁217の表面に貼り付けられる。これにより開口27が塞がれている。
【0067】
本実施形態では、シール29が、隔壁217の内面に貼り付けられている。すなわち、シール29は、隔壁217のアジテータ22と向かい合う面に貼り付けられている。トナーの圧力は、シール29を、隔壁217に対して押し付ける方向にはたらく。これにより、トナーの圧力で、隔壁217からシール29が剥がれることを、抑制できる。また、シール29の接着剤の強度を抑えることができる。
【0068】
プロセスカートリッジ1が装着されたドロワが、画像形成装置に装着されると、シール29は、後述する回収機構50により回収される。これにより、開口27が開放される。そして、トナー収容室26内のトナーが、開口27を介して、現像室28へ移動可能となる。
【0069】
アジテータ22は、トナー収容室26内に位置する。アジテータ22は、第1方向に延びるアジテータ軸について回転する。アジテータ22は、アジテータシャフト221と、突出部222とを有する。アジテータシャフト221は、アジテータ軸に沿って、第1方向に延びる。突出部222は、アジテータシャフト221から現像筐体21の内面へ向けて延びる。プロセスカートリッジ1が装着されたドロワが、画像形成装置に装着された状態において、アジテータ22は、画像形成装置から受ける駆動力により回転する。これにより、トナー収容室26内のトナーが攪拌される。
【0070】
現像ローラ23は、現像室28内に位置する。現像ローラ23は、第1方向に延びる現像軸について回転可能なローラである。現像ローラ23は、現像筐体21のトナー供給口210に位置する。すなわち、現像ローラ23は、第2方向における現像筐体21の一端に位置する。現像ローラ23は、現像軸を中心とする円筒状の外周面を有する。現像ローラ23の外周面は、例えば、弾性を有するゴムにより形成される。プロセスカートリッジ1が装着されたドロワが、画像形成装置に装着された状態において、現像ローラ23は、画像形成装置から受ける駆動力により回転する。
【0071】
供給ローラ24は、現像室28内に位置する。供給ローラ24は、現像ローラ23へトナーを供給するローラである。供給ローラ24は、第1方向に延びる供給軸について回転可能である。供給ローラ24は、現像ローラ23と隔壁217との間に位置する。供給ローラ24は、供給軸を中心とする円筒状の外周面を有する。供給ローラ24の外周面は、現像ローラ23の外周面と接触する。プロセスカートリッジ1が装着されたドロワが、画像形成装置に装着された状態において、供給ローラ24は、画像形成装置から受ける駆動力により回転する。
【0072】
ギアユニット25は、第1方向における現像筐体21の一端に位置する。図3は、現像ユニット20の第1方向における一端付近の分解斜視図である。図3に示すように、ギアユニット25は、ギアカバー251、現像カップリング252、および複数のギア253を有する。
【0073】
ギアカバー251は、第1方向における第1現像壁211の外側に位置する。具体的には、現像ユニット20は、軸受プレート254を有する。軸受プレート254は、第1現像壁211に固定されている。ギアカバー251は、軸受プレート254に固定されている。ギアカバー251は、複数のギア253を覆う。
【0074】
現像カップリング252は、ギアカバー251から露出する。プロセスカートリッジ1が装着されたドロワが、画像形成装置に装着されると、画像形成装置の駆動シャフトが、現像カップリング252に接続される。
【0075】
複数のギア253は、第1現像壁211とギアカバー251との間に位置する。画像形成装置から現像カップリング252へ入力された駆動力は、複数のギア253を介して、アジテータ22、現像ローラ23、および供給ローラ24へ伝達される。
【0076】
第1サイドカバー31は、第1方向におけるプロセスカートリッジ1の一端に位置する。第1サイドカバー31は、第1方向におけるドラム筐体11の一端部を覆う。また、第1サイドカバー31は、第1方向における現像筐体21の一端部を覆う。
【0077】
第1サイドカバー31は、ドラムカラー311および現像カラー312を有する。ドラムカラー311は、第1方向に延びる円筒状である。ドラムカラー311は、ドラムカップリング13を回転可能に支持する。すなわち、ドラムカラー311は、ドラムカップリング13を介して、感光ドラム12を回転可能に支持する。現像カラー312は、第1方向に延びる円筒状である。現像カラー312は、現像カップリング252を回転可能に支持する。
【0078】
第2サイドカバー32は、第2方向におけるプロセスカートリッジ1の他端に位置する。第1サイドカバー31と第2サイドカバー32とは、第1方向に離れている。第2サイドカバー32は、第1方向におけるドラム筐体11の他端部を覆う。また、第2サイドカバー32は、第1方向における現像筐体21の他端部を覆う。
【0079】
第2サイドカバー32は、図示を省略したドラムカラーを有する。ドラムカラーは、第1方向に延びる円筒状である。ドラムカラーは、感光ドラム12を回転可能に支持する。
【0080】
また、図3に示すように、現像筐体21は、充填口61およびキャップ62を有する。充填口61は、現像筐体21内のトナー収容室26へ、トナーを充填するための開口である。本実施形態では、現像筐体21の第1現像壁211に、充填口61が設けられている。充填口61は、第1現像壁211を第1方向に貫通する。キャップ62は、充填口61を閉鎖する部品である。キャップ62は、充填口61に対して着脱可能である。
【0081】
<2.離間当接機構について>
感光ドラム12と現像ローラ23とは、第3方向に並ぶ。プロセスカートリッジ1が画像形成装置に装着されていない状態では、現像ローラ23は、感光ドラム12から離れた位置に配置される。すなわち、感光ドラム12と現像ローラ23とが、互いに離れた離間状態となる。プロセスカートリッジ1が装着されたドロワが、画像形成装置に装着されると、現像ローラ23は、感光ドラム12に当接する。すなわち、感光ドラム12に現像ローラ23が当接する当接状態となる。
【0082】
プロセスカートリッジ1は、画像形成装置から外力を受けることにより、上述した離間状態から当接状態へ切り替える離間当接機構40を有する。離間当接機構40は、第1方向における現像筐体21の両端部の外表面に位置する。一方の離間当接機構40は、第1方向において、現像筐体21の第1現像壁211と第1サイドカバー31との間に位置する。他方の離間当接機構40は、第1方向において、現像筐体21の第2現像壁212と第2サイドカバー32との間に位置する。以下では、上記の一方の離間当接機構40について説明するが、他方の離間当接機構40も同等の構造を有する。
【0083】
図4は、第1サイドカバー31およびギアカバー251が取り外されたプロセスカートリッジ1を、第1サイドカバー31側から第1方向に視た図である。図5図7は、プロセスカートリッジ1の断面図である。図5図7は、ドラムカラー311を含む第1方向の位置における、プロセスカートリッジ1の第1方向に対して直交する断面を示している。図4図7示すように、離間当接機構40は、第1付勢部材41、スペーサ42、レバー43、および第2付勢部材44を有する。
【0084】
第1付勢部材41は、現像ローラ23を感光ドラム12へ向けて付勢する部材である。具体的には、第1付勢部材41は、現像ローラ23が感光ドラム12に向かって移動する向きに、現像筐体21を付勢する部材である。第1付勢部材41は、ドラム筐体11と現像筐体21との間に位置する。第1付勢部材41は、第3方向に伸縮可能である。第1付勢部材41は、例えば、コイルばねである。第3方向における第1付勢部材41の一端は、ドラム筐体11に接続される。第3方向における第1付勢部材41の他端は、軸受プレート254に接続される。すなわち、第3方向における第1付勢部材41の他端は、軸受プレート254を介して現像筐体21に接続される。ただし、第1付勢部材41は、コイルばねに限らず、板ばねなどであってもよい。
【0085】
現像筐体21は、第1サイドカバー31および第2サイドカバー32に対して、回動可能となっている。具体的には、現像筐体21は、現像カップリング252の中心軸である回動軸X1について回動可能となっている。回動軸X1は、第2方向において、現像ローラ23と、第3方向における第1付勢部材41の他端との間に位置する。現像ローラ23は、現像筐体21とともに、回動軸X1について回動可能である。
【0086】
第1付勢部材41は、自然長よりも第3方向に圧縮されている。このため、第1付勢部材41は、弾性反発力により、現像筐体21の回動軸X1よりも現像ローラ23から離れた部分を、第3方向に、かつ、ドラム筐体11から離れる向きに、付勢する。これにより、現像カップリング252を中心とする現像筐体21の回動によって、現像ローラ23が、感光ドラム12へ向けて、第3方向に付勢される。
【0087】
スペーサ42は、現像ローラ23が感光ドラム12に向かって移動することを規制し、現像ローラ23が感光ドラム12から離れた離間状態を保持するための部材である。スペーサ42は、一端421と他端422とを有する。一端421と他端422とは、第3方向に離れている。スペーサ42は、回動孔420を有する。回動孔420は、スペーサ42の一端421を、第1方向に貫通する。回動孔420には、ギアカバー251から延びる突起が挿入される。これにより、現像筐体21に対してスペーサ42が、一端421について回動可能に支持される。
【0088】
また、スペーサ42は、スペーサ突起423を有する。スペーサ突起423は、スペーサ42の一端421と他端422との間から、第2方向に突出する。
【0089】
スペーサ42は、図5および図6に示す離間保持位置と、図7に示す離間解除位置との間で、一端421について回動する。離間保持位置では、図5および図6のように、スペーサ42の他端422が、ドラムカラー311に接触する。より具体的には、ドラムカラー311は、スペーサ42へ向けて第3方向に突出するカラー突起313を有する。離間保持位置では、スペーサ42の他端422は、カラー突起313に接触する。この状態では、第2方向における現像筐体21の一端部が、ドラムカラー311に近づくことが制限される。したがって、現像ローラ23が感光ドラム12に向かって移動することが規制される。これにより、現像ローラ23が感光ドラム12から離れた離間状態が保持される。
【0090】
一方、離間解除位置では、図7のように、スペーサ42の他端422が、ドラムカラー311から離れる。より具体的には、離間解除位置では、スペーサ42の他端422が、カラー突起313から離れる。この状態では、第2方向における現像筐体21の一端部が、離間保持位置の場合よりも、ドラムカラー311に近づくことが可能となる。これにより、現像ローラ23が感光ドラム12に向かって移動することが許容される。したがって、第1付勢部材41の付勢力により、現像ローラ23が、感光ドラム12に当接することが可能となる。
【0091】
レバー43は、現像筐体21に対して第2方向に移動可能な部品である。レバー43は、第1端部431と第2端部432とを有する。第1端部431は、第2方向におけるレバー43の一端部である。第2端部432は、第2方向におけるレバー43の他端部である。レバー43は、第1端部431から第2端部432まで、第2方向に延びる。
【0092】
図3および図4に示すように、レバー43は、第2方向に延びる長孔433を有する。長孔433は、第2方向において、第1端部431と第2端部432との間に位置する。長孔433には、ギアカバー251から延びる突起が挿入される。第2方向における長孔433の長さは、第2方向におけるギアカバー251の突起の長さよりも長い。これにより、レバー43は、現像筐体21に対して、図5に示す第1位置と、図6および図7に示す第2位置との間で、第2方向に移動可能となっている。
【0093】
レバー43の第1端部431は、レバー孔434とレバー突起435とを有する。レバー孔434は、レバー43の第1端部431を、第2方向に貫通する。スペーサ突起423は、レバー孔434に挿入される。レバー突起435は、レバー43の第1端部431において、第2方向に延びる。上述した第1位置のときには、レバー突起435が、第2方向における現像筐体21の一端部から第2方向に突出しない。上述した第2位置のときには、レバー突起435が、第2方向における現像筐体21の一端部から第2方向に突出する。
【0094】
第2付勢部材44は、レバー43の第1端部431とスペーサ42との間に位置する。第2付勢部材44は、第2方向に伸縮可能である。第2付勢部材44は、例えば、コイルばねである。第2方向における第2付勢部材44の一端は、レバー突起435に接続される。第2方向における第2付勢部材44の他端は、スペーサ42に接続される。ただし、第2付勢部材44は、コイルばねに限らず、板ばねなどであってもよい。
【0095】
第2付勢部材44は、自然長よりも第2方向に伸びている。このため、第2付勢部材44は、弾性収縮力により、レバー43の第1端部431を、スペーサ42へ向けて引き寄せる。これにより、レバー43が、第2位置から第1位置へ向けて付勢される。また、第2付勢部材44は、弾性収縮力により、スペーサ42を、レバー43の第1端部431へ向けて引き寄せる。これにより、スペーサ42が、離間解除位置から離間保持位置へ向けて付勢される。
【0096】
プロセスカートリッジ1が画像形成装置に装着されていない状態では、離間当接機構40に外力が作用しない。この状態では、第2付勢部材44の弾性収縮力により、レバー43は第1位置に配置される。また、第2付勢部材44の弾性収縮力により、スペーサ42は離間保持位置に配置される。したがって、感光ドラム12と現像ローラ23とが、互いに離れた離間状態となる。
【0097】
プロセスカートリッジ1が装着されたドロワが、画像形成装置に装着されると、画像形成装置は、レバー43の第2端部432を押す。これにより、レバー43が、図5に示す第1位置から、図6に示す第2位置へ移動する。レバー43が第2位置に配置されると、レバー突起435が、現像筐体21からドロワへ向けて突出する。この状態で、画像形成装置は、図7の破線矢印のように、レバー突起435を、感光ドラム12へ向けて第3方向に押す。これにより、レバー43の第1端部431が、感光ドラム12へ向けて第3方向に移動する。そうすると、レバー43がスペーサ突起423を押圧し、レバー孔434とともにスペーサ突起423も、感光ドラム12へ向けて第3方向へ傾く。その結果、スペーサ42が、図6に示す離間保持位置から、図7に示す離間解除位置へ、一端421について回動する。すなわち、レバー43の第1端部431がスペーサ42を押圧することで、スペーサ42が離間保持位置から離間解除位置へ移動する。
【0098】
そして、スペーサ42が離間解除位置に配置されると、第1付勢部材41の付勢力により、現像ローラ23が、感光ドラム12へ向けて、第3方向に移動する。その結果、現像ローラ23が、感光ドラム12に当接する。すなわち、感光ドラム12と現像ローラ23とが、離間状態から当接状態へ切り替わる。
【0099】
また、画像形成装置は、現像ローラ23を感光ドラム12から離間させる場合、レバー突起435を、感光ドラム12から離れる向きに押す。これにより、レバー43の第1端部431が、第3方向において、感光ドラム12から離れる向きに移動する。そうすると、レバー43がスペーサ突起423を押圧し、レバー孔434とともにスペーサ突起423も、第3方向において、感光ドラム12から離れる向きに移動する。その結果、スペーサ42が、図7に示す離間解除位置から、図6に示す離間保持位置へ、一端421について回動する。その結果、現像ローラ23が感光ドラム12から離れる。すなわち、感光ドラム12と現像ローラ23とが、当接状態から離間状態へ切り替わる。
【0100】
<3.回収機構について>
プロセスカートリッジ1は、開口27からシール29を回収する回収機構50を有する。以下では、回収機構50について説明する。
【0101】
<3-1.第1実施形態>
図8は、現像筐体21の第5現像壁215を取り外した状態の、プロセスカートリッジ1の斜視図である。図9は、図8のプロセスカートリッジ1の、回収機構50付近の拡大図である。図8および図9に示すように、回収機構50は、現像筐体21の内部に位置する。具体的には、回収機構50は、現像筐体21のトナー収容室26の内部に位置する。より具体的には、回収機構50は、トナー収容室26の内部の第1方向における一端に位置する。
【0102】
図9に示すように、回収機構50は、巻き取りローラ51と、伝達ギア部52とを有する。巻き取りローラ51は、シール29を巻き取るローラである。巻き取りローラ51は、現像筐体21に、軸受を介して支持されている。これにより、巻き取りローラ51は、第3方向に延びる巻き取り軸X2について回転可能となっている。
【0103】
伝達ギア部52は、アジテータ22から巻き取りローラ51へ、駆動を伝達する機構である。伝達ギア部52は、第1ヘリカルギア521、第2ヘリカルギア522、第1アイドルギア523、第2アイドルギア524、および巻き取りギア525を有する。
【0104】
第1ヘリカルギア521は、第1方向におけるアジテータシャフト221の一端に固定されている。第1ヘリカルギア521は、アジテータ22とともに、アジテータ軸について回転する。第2ヘリカルギア522は、巻き取り軸X2と平行な軸について回転可能に支持されている。第2ヘリカルギア522は、第1ヘリカルギア521と噛み合う。このため、第1ヘリカルギア521が回転すると、第2ヘリカルギア522も回転する。
【0105】
第2ヘリカルギア522と第1アイドルギア523とは、同一のシャフトに取り付けられている。このため、第2ヘリカルギア522が回転すると、第1アイドルギア523も回転する。第2アイドルギア524は、巻き取り軸X2と平行な軸について回転可能に支持されている。第2アイドルギア524は、第1アイドルギア523と噛み合う。このため、第1アイドルギア523が回転すると、第2アイドルギア524も回転する。
【0106】
巻き取りギア525は、第3方向における巻き取りローラ51の一端に固定されている。巻き取りギア525は、第2アイドルギア524と噛み合う。このため、第2アイドルギア524が回転すると、巻き取りギア525も回転する。そして、巻き取りギア525とともに巻き取りローラ51も、巻き取り軸X2について回転する。
【0107】
図10図12は、プロセスカートリッジ1の第3方向に対して直交する断面図である。プロセスカートリッジ1が装着されたドロワが、画像形成装置に装着されると、画像形成装置は、現像カップリング252へ駆動力を入力する。そして、現像カップリング252に入力された駆動力は、複数のギア253を介して、アジテータ22へ伝達される。また、アジテータ22の回転が、伝達ギア部52を介して、巻き取りローラ51へ伝達される。これにより、巻き取りローラ51が、巻き取り軸X2について回転する。
【0108】
第1方向におけるシール29の一端は、巻き取りローラ51に接続されている。このため、巻き取りローラ51が回転すると、図10図12のように、シール29が隔壁217から引き剥がされて、巻き取りローラ51に巻き取られる。これにより、開口27が、シール29に塞がれた封止状態から、シール29が取り除かれた開放状態へ切り替わる。
【0109】
上述の通り、離間当接機構40は、第1方向における現像筐体21の両端部の外表面に配置されている。このため、仮に、回収機構50を、第1方向における現像筐体21の端部の外表面に配置しようとすると、現像筐体21の第1現像壁211および第2現像壁212を大きくする必要がある。これにより、プロセスカートリッジ1が大型化する。しかしながら、このプロセスカートリッジ1では、上記のように、回収機構50が、現像筐体21の内部に位置する。このため、離間当接機構40と回収機構50の両方を、第1方向における現像筐体21の端部の外表面に配置する場合よりも、第1現像壁211および第2現像壁212の大きさを抑えることができる。したがって、プロセスカートリッジ1を小型化できる。
【0110】
また、本実施形態では、アジテータ22の回転を、伝達ギア部52を介して巻き取りローラ51へ伝達する。このようにすれば、アジテータ22への駆動入力とは別に、巻き取りローラ51へ駆動を入力する必要がない。これにより、プロセスカートリッジ1をより小型化できる。
【0111】
図13は、シール29の回収が完了した状態における、第5現像壁215を取り外したプロセスカートリッジ1の斜視図である。図13の例では、開口27が、第1開口271と第2開口272を含む複数の開口を有する。第2開口272は、第1開口271から第1方向に離れている。他の開口も、隣り合う開口と第1方向に間隔をあけて配列されている。隔壁217は、第1開口271と第2開口272の間に、リブ270を有する。また、隔壁217は、他の隣り合う開口の間にも、リブ270を有する。リブ270を有することにより、隔壁217の変形が抑制される。すなわち、リブ270がなくて、第1方向に連続した開口27となっている場合よりも、隔壁217の変形が抑制される。
【0112】
これらのリブ270には、シール29が貼り付けられていないことが望ましい。すなわち、隔壁217にシール29が貼り付けられた状態において、リブ270はシール29に覆われるが、リブ270とシール29の間には、接着剤が介在しないことが望ましい。特に、シール29が、隔壁217のアジテータ22と向かい合う面に貼り付けられている場合、トナーの圧力は、シール29を、隔壁217に対して押し付ける方向にはたらく。このため、リブ270とシール29の間に接着剤が介在していなくても、隔壁217に対して十分な強度でシール29を貼り付けることができる。また、リブ270とシール29の間に接着剤を介在させないことで、回収機構50によりシール29を弱い力で剥がすことができる。その結果、回収機構50にかかる負荷を低減できる。
【0113】
<3-2.第2実施形態>
図14は、第2実施形態のプロセスカートリッジ1の、第5現像壁215を取り外した状態の斜視図である。第2実施形態では、現像筐体21のトナー収容室26が、トナー室261と回収室262とを有する。トナー室261は、トナーが収容される空間である。回収室262は、回収機構50が配置される空間である。トナー室261と回収室262とは、第1方向において隣り合う。現像筐体21は、トナー室261と回収室262とを仕切る仕切壁218を有する。
【0114】
図15は、回収機構50の付近におけるプロセスカートリッジ1の部分断面図である。図15は、第3方向に対して直交する断面を示している。図15に示すように、現像筐体21は、第2方向における仕切壁218の一端と、隔壁217との間に、スリット219を有する。スリット219は、トナー室261と回収室262とを繋ぐ。また、図15示すように、プロセスカートリッジ1は、弾性体30をさらに有する。弾性体30は、スリット219に配置されている。弾性体30には、例えば、ウレタンスポンジまたはゴムが使用される。
【0115】
回収機構50を動作させると、シール29は、トナー室261から、スリット219を通って、回収室262へ移動し、巻き取りローラ51に巻き取られる。このとき、シール29は、弾性体30と接触する。具体的には、シール29の隔壁217に貼り付けられていなかった面が、弾性体30に接触する。これにより、シール29の隔壁217に貼り付けられていなかった面に付着したトナーが、弾性体30に掻き落とされる。その結果、回収室262にトナーが侵入することを抑制できる。
【0116】
このように、トナー室261と回収室262を分けることで、回収機構50にトナーが付着することを抑制できる。
【0117】
図16は、第2実施形態のプロセスカートリッジ1の、回収機構50付近における分解斜視図である。図16に示すように、仕切壁218は、現像筐体21とは別部品であってもよい。仕切壁218を、現像筐体21から取り外すことができれば、仕切壁218に弾性体30を容易に取り付けることができる。したがって、スリット219に弾性体30を、容易に配置できる。
【0118】
<3-3.第3実施形態>
図17は、第3実施形態のプロセスカートリッジ1の、第5現像壁215を取り外した状態の斜視図である。図18図20は、第3実施形態のプロセスカートリッジ1の、第1方向に直交する断面図である。第3実施形態では、アジテータ22がシール29を巻き取る。すなわち、第3実施形態では、回収機構50がアジテータ22を有する。アジテータ22は、現像筐体21のトナー収容室26内において、第1方向に延びるアジテータ軸について回転する。第3方向におけるシール29の端部は、アジテータ22に接続されている。
【0119】
プロセスカートリッジ1が装着されたドロワが、画像形成装置に装着されると、画像形成装置は、現像カップリング252へ駆動力を入力する。そして、現像カップリング252に入力された駆動力は、複数のギア253を介して、アジテータ22へ伝達される。そして、アジテータ22が回転すると、図18図20のように、シール29がアジテータ22に巻き取られて回収される。これにより、開口27が、シール29に塞がれた封止状態から、シール29が取り除かれた開放状態へ変化する。
【0120】
このようにすれば、アジテータ22とは別に、シール29を巻き取る巻き取りローラを設ける必要がない。したがって、プロセスカートリッジ1をより小型化できる。また、回収されたシール29を、アジテータ22の羽根として利用できる。これにより、トナー収容室26内のトナーを、良好に攪拌できる。また、回収したシール29を収容するためのスペースを現像筐体21の内部に設ける必要がなく、プロセスカートリッジ1を小型化できる。
【0121】
図17図20に示すように、アジテータ22は、アジテータシャフト221と、突出部222とを有する。アジテータシャフト221は、アジテータ軸に沿って、第1方向に延びる。突出部222は、アジテータシャフト221から現像筐体21の内面へ向けて延びる。突出部222は、シール29よりも硬い。アジテータ22は、図18における時計周りに回転する。言い換えると、図18に示す状態から、突出部222が開口27に近づく方向に回転する。
【0122】
アジテータ22は、突出部222を有することにより、突出部222が無い場合よりも開口27の近くで、シール29に引き剥がす方向の力を加えることができる。これにより、突出部222が無い場合よりも、開口27からシール29を引き剥がしやすくなる。
【0123】
本実施形態では、アジテータシャフト221と突出部222とが、単一の部材である。ただし、アジテータシャフト221と突出部222とは、別部材であってもよい。例えば、突出部222は、アジテータシャフト221に固定されたフィルムであってもよい。その場合、フィルムは、シール29よりも硬ければよい。
【0124】
図21は、第1方向におけるシール29の両端部付近における、アジテータ22およびシール29の第2方向に視た平面図である。図21に示すように、突出部222の第1方向の長さd1は、シール29の第1方向の長さd2よりも、長いことが望ましい。また、突出部222は、第1方向の一端から他端まで、連続的に延びていることが望ましい。これにより、シール29を、第1方向の一端から他端まで、変形を抑制しつつ巻き取ることができる。
【0125】
図20の例では、アジテータ22にシール29が巻き取られた状態において、シール29の周方向の長さが、アジテータ22の外接円の周長よりも短い。このため、シール29は、アジテータ22の全周に巻かれない。このようにすれば、アジテータシャフト221と突出部222の隙間Sに、トナーが残ることを抑制できる。
【0126】
図22は、第3実施形態の他の例のプロセスカートリッジ1の、第1方向に直交する断面図である。図22の例では、アジテータ22の突出部222における、突出方向の基端と先端との間の長さが、図20の例よりも短い。このため、図22の例では、アジテータ22にシール29が巻き取られた状態において、シール29の周方向の長さが、アジテータ22の外接円の周長よりも長くなる。突出部222の長さが長すぎると、シール29を巻き取るときにアジテータ22にかかるトルクが大きくなる。しかしながら、図22のように、アジテータ22にシール29が巻き取られた状態において、シール29の周方向の長さが、アジテータ22の外接円の周長よりも長くなる程度に、突出部222の長さを短くすることで、シール29を巻き取るときにアジテータ22にかかるトルクを抑制できる。
【0127】
<3-4.第4実施形態>
図23は、第4実施形態のプロセスカートリッジ1の、第2方向に対して直交する断面図である。図24は、第4実施形態のプロセスカートリッジ1の、第5現像壁215を取り外した状態の斜視図である。第4実施形態では、第3実施形態と同様に、アジテータ22がシール29を巻き取る。ただし、第4実施形態では、開口27が、第1開口271、第2開口272、および第3開口273を有する。第1開口271、第2開口272、および第3開口273は、第1方向に間隔をあけて並んでいる。第2開口272は、第1方向において、第1開口271と第3開口273の間に位置する。
【0128】
また、第4実施形態では、シール29が、第1シール291、第2シール292、および第3シール293を有する。第1シール291、第2シール292、および第3シール293は、第1方向に間隔をあけて並んでいる。第2シール292は、第1方向において、第1シール291と第3シール293との間に位置する。
【0129】
第1シール291は、第1開口271を塞ぐ。第2シール292は、第2開口272を塞ぐ。第3シール293は、第3開口273を塞ぐ。このように、シール29を複数に分けることで、シール29の回収時にアジテータ22にかかる負荷を減らすことができる。また、アジテータ22に巻かれた複数のシール291,292,293により、トナー収容室26内のトナーをより良好に撹拌できる。
【0130】
図23の例では、第1方向における第2開口272の長さd4が、第1方向における第1開口271の長さd3よりも長い。また、第1方向における第2開口272の長さd4が、第1方向における第3開口273の長さd5よりも長い。第1方向におけるアジテータ22の中央部は、軸受に支持されているアジテータ22の両端部付近に比べて、撓みが生じやすい。しかしながら、図23のように、第1方向における第2開口272の長さd4を長くすれば、シール29を巻き取るときに、第1方向におけるアジテータ22の中央部にかかる負荷を低減できる。
【0131】
第2シール292の巻き取り方向の長さは、第1シール291の巻き取り方向の長さよりも長く、かつ、第3シール293の巻き取り方向の長さよりも長くてもよい。また、シール29の巻き取りが開始される前の状態において、第2シール292は、第2開口272とアジテータ22との間に、弛みを有していてもよい。このようにすれば、アジテータ22に駆動が入力される前に、第1方向におけるアジテータ22の中央部が撓んだとしても、撓みによる変位が、第2シール292の弛みによって吸収される。したがって、アジテータ22の中央部の撓みによって、第2シール292が剥がれることを抑制できる。
【0132】
また、第2シール292の巻き取り方向の長さは、第1シール291の巻き取り方向の長さよりも短く、かつ、第3シール293の巻き取り方向の長さよりも短くてもよい。また、シール29の巻き取りが開始される前の状態において、第1シール291は、第1開口271とアジテータ22との間に、弛みを有していてもよい。また、シール29の巻き取りが開始される前の状態において、第3シール293は、第3開口273とアジテータ22との間に、弛みを有していてもよい。このようにすれば、アジテータ22を回転させたときに、第1シール291および第3シール293よりも先に、第2シール292を隔壁217から剥がすことができる。したがって、第1開口271、第2開口272、および第3開口273のうち、中央に位置する第2開口272を、最初に開くことができる。
【0133】
図23および図24の例では、第3方向における第1シール291の先端が、第1方向に対して傾斜している。より具体的には、第3方向における第1シール291の先端が、第1方向において第2シール292へ近づくにつれて、第3方向においてドラムユニット10へ徐々に近づくように傾斜している。また、第3方向における第3シール293の先端も、第1方向に対して傾斜している。より具体的には、第3方向における第3シール293の先端が、第1方向において第2シール292へ近づくにつれて、第3方向においてドラムユニット10へ徐々に近づくように傾斜している。
【0134】
このように、第1シール291および第3シール293の先端を傾斜させることにより、アジテータ22に回収された第1シール291および第3シール293により、トナー収容室26内のトナーを、より良好に撹拌できる。特に、図23および図24の例では、第1シール291の先端の傾斜と、第3シール293の先端の傾斜とが、第2シール292に対して対称となっている。これにより、第1方向におけるアジテータ22の一端にかかる負荷と、第1方向におけるアジテータ22の他端にかかる負荷との差を、小さくすることができる。したがって、アジテータ22の変形を抑制できる。
【0135】
<4.変形例>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0136】
<4-1.充填口およびキャップの位置について>
上記の実施形態では、充填口61およびキャップ62が、現像筐体21の第1現像壁211に配置されていた。しかしながら、充填口61およびキャップ62は、現像筐体21の第2現像壁212に配置されていてもよい。すなわち、充填口61およびキャップ62は、第1方向における現像筐体21の端部に配置することができる。
【0137】
図25は、充填口61およびキャップ62の配置に関する他の例を示した図である。図25の例では、充填口61およびキャップ62が、凸状部216に配置されている。より具体的には、充填口61およびキャップ62が、第1方向における凸状部216の端部に配置されている。
【0138】
図26は、充填口61およびキャップ62の配置に関する他の例を示した図である。図26の例では、充填口61およびキャップ62が、現像筐体21の第5現像壁215に配置されている。すなわち、充填口61およびキャップ62が、第2方向における現像筐体21の他端に位置する。
【0139】
図27は、充填口61およびキャップ62の配置に関する他の例を示した図である。図27の例では、充填口61およびキャップ62が、現像筐体21の第3現像壁213に配置されている。また、充填口61およびキャップ62は、現像筐体21の第4現像壁214に配置されていてもよい。このように、充填口61およびキャップ62は、第3方向における現像筐体21の端部に配置することもできる。
【0140】
<4-2.他の変形例>
上記の第1実施形態および第2実施形態では、回収機構50が、第1方向におけるトナー収容室26の一端に位置していた。しかしながら、回収機構50は、第1方向におけるトナー収容室26の他端に位置していてもよい。
【0141】
1つのドロワに、2つ以上のプロセスカートリッジ1が装着されてもよい。また、プロセスカートリッジ1は、ドロワに装着されることなく、画像形成装置に直接装着されるものであってもよい。
【0142】
また、上記の実施形態および変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、任意に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0143】
1 プロセスカートリッジ
10 ドラムユニット
11 ドラム筐体
12 感光ドラム
20 現像ユニット
21 現像筐体
22 アジテータ
23 現像ローラ
26 トナー収容室
27 開口
28 現像室
29 シール
40 離間当接機構
50 回収機構
261 トナー室
262 回収室

図1
図2
図3
図4
図5
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