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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082836
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】重量検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/36 20060101AFI20240613BHJP
   G01G 11/00 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
G01G23/36 J
G01G11/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196978
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】須田 昇嗣
(57)【要約】
【課題】本体部において排水が適切になされる重量検査装置を提供する。
【解決手段】重量検査装置100は、被検査物Pを搬送しながら被検査物Pの重量を計量する搬送計量部20と、搬送計量部20が行う計量に関する制御を行う制御部42を収納した本体部40と、を備え、本体部40には、画面43aから窪んだ窪み部71が設けられ、窪み部71は、本体部40の奥から手前にかけて下方に傾斜する下傾斜面71eを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物を搬送しながら前記被検査物の重量を計量する搬送計量部と、
前記搬送計量部が行う計量に関する制御を行う制御部を収納した本体部と、を備え、
前記本体部には、表面から窪んだ窪み部が設けられ、
前記窪み部は、前記本体部の奥から手前にかけて下方に傾斜する傾斜面を有する、重量検査装置。
【請求項2】
前記本体部は、前記表面を含む前面部と、前記窪み部を塞ぐ蓋部とを有し、
前記窪み部には、外部機器を接続するための接続端子部又は外部から情報を入力するための入力部が設けられている、請求項1に記載の重量検査装置。
【請求項3】
前記窪み部の奥に位置する底面には、前記接続端子部又は前記入力部を露出させる開口が形成され、
前記開口の周囲には、前記底面から突出する筒状の防水リブが設けられ、前記防水リブの上部は、前記底面の法線方向から見て山形状をなしている、請求項2に記載の重量検査装置。
【請求項4】
前記本体部は、前記重量検査装置の前方に向けられると共に鉛直面を基準として後傾する表示操作部を有し、
前記窪み部を取り囲む前記表面は、前記表示操作部と同一の面に設けられている、請求項1~3の何れか一項に記載の重量検査装置。
【請求項5】
前記蓋部は、ラッチロック機構により前記前面部に固定される、請求項2又は3に記載の重量検査装置。
【請求項6】
前記蓋部は、ヒンジを介して前記前面部に接続されており、前記ヒンジは、前記前面部よりも脆弱な脆弱部を含む、請求項2又は3に記載の重量検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベアにより被検査物を搬送しつつ、コンベア上の被検査物の重量を計量する重量検査装置が知られている(例えば、特許文献1)。この装置では、計量部がフレームによって支持される。計量部の後方には、制御部及びディスプレイ等を有する本体部が設けられており、この本体部も、フレームに取り付けられている。本体部の上部に設けられた画面が前方に向けられ、画面には、被検査物の良否に関する判定結果等が表示される。装置の前で作業を行う作業者は、画面を容易に視認できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-29782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記装置では、作業者が画面を視認しやすいように、画面は鉛直面に対してやや上方を向くように傾斜している。例えば、この画面の周囲における何れかの部分(領域)に、外部機器を接続するための端子部等が設けられる場合がある。ここで、コンベア等が被検査物に触れるため、重量検査装置のあらゆる部分を清掃する必要がある。作業者は、しばしば水を本体部にかけて洗浄するため、本体部においては防水性が確保されている。端子部等においても防水性が確保される必要があるため、端子部等は、画面の表面よりも窪んだ部分に設けられることがある。その窪んだ部分に水が侵入した場合、排水が適切になされないという課題があった。
【0005】
本発明は、本体部において排水が適切になされる重量検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様に係る重量検査装置は、被検査物を搬送しながら被検査物の重量を計量する搬送計量部と、搬送計量部が行う計量に関する制御を行う制御部を収納した本体部と、を備え、本体部には、表面から窪んだ窪み部が設けられ、窪み部は、本体部の奥から手前にかけて下方に傾斜する傾斜面を有する。
【0007】
この重量検査装置によれば、窪み部に水が侵入した場合でも、水は傾斜面に沿って本体部の手前(表面)に向けて流れ、窪み部から排出される。すなわち傾斜面は排水路を構成する。よって、窪み部に水が溜まることを防止でき、本体部において排水が適切になされる。
【0008】
(2)上記(1)に係る重量検査装置では、本体部は、表面を含む前面部と、窪み部を塞ぐ蓋部とを有し、窪み部には、外部機器を接続するための接続端子部又は外部から情報を入力するための入力部が設けられていてもよい。この場合、接続端子部又は入力部への水の侵入を防止できる。
【0009】
(3)上記(2)に係る重量検査装置では、窪み部の奥に位置する底面には、接続端子部又は入力部を露出させる開口が形成され、開口の周囲には、底面から突出する筒状の防水リブが設けられ、防水リブの上部は、底面の法線方向から見て山形状をなしていてもよい。この場合、防水リブにより、接続端子部又は入力部への水の侵入をより確実に防止できる。また防水リブの上部上に水が溜まらず、水は、防水リブから流下して傾斜面を通じて排出される。
【0010】
(4)上記(1)~(3)の何れか1つに係る重量検査装置では、蓋部は、ラッチロック機構により前面部に固定されてもよい。この場合、蓋部をワンタッチで固定することができ、蓋部の開閉操作が容易である。接続端子部又は入力部を利用する際の利便性又は作業性が向上する。
【0011】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに係る重量検査装置では、蓋部は、ヒンジを介して前面部に接続されており、ヒンジは、前面部よりも脆弱な脆弱部を含んでもよい。この場合、蓋部に過大な力がかかった場合でも、前面部又は前面部に対する接続部分が破損するよりも前に、脆弱部が破損又は破断する。前面部及び蓋部は破損せずに保護される。ヒンジを交換するのみで復旧が可能となる。ヒンジは、前面部及び蓋部に比べて比較的安価な部品であるため、装置全体としてのコストダウンにつながり、また破損時の早急な復旧が可能である。
【0012】
(6)上記(1)~(5)の何れか1つに係る重量検査装置では、本体部は、重量検査装置の前方に向けられると共に鉛直面を基準として後傾する表示操作部を有し、窪み部を取り囲む表面は、表示操作部と同一の面に設けられていてもよい。この場合、窪み部を取り囲む表面も後傾するので、窪み部には水が侵入しやすい傾向にある。しかしながら窪み部に傾斜面が設けられているので、窪み部に侵入した水は傾斜面を通じて排出される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、窪み部に水が溜まることを防止でき、本体部において排水が適切になされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、一実施形態に係る重量検査装置の斜視図である。
図2図2は、本体部の表示操作部付近を拡大して示す斜視図である。
図3図3は、ディスプレイパネルの周辺構成を示す分解斜視図である。
図4図4は、窪み部及び接続端子部の縦断面図であり、蓋部を省略した図である。
図5図5は、窪み部、接続端子部、及び蓋部の縦断面図である。
図6図6は、ディスプレイパネルと、蓋部及びヒンジ65とを示す斜視図である。
図7図7は、ディスプレイパネルの正面図であり、蓋部を省略した図である。
図8図8(a)はヒンジの斜視図、図8(b)はヒンジの軸線方向に垂直な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して一実施形態に係る重量検査装置100について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。以下の説明において、「上」及び「下」の語は、図1に示されるように、鉛直方向の上下方向に対応し、「上流」及び「下流」の語は、被検査物Pの搬送方向TDにおける上流及び下流を意味する。
【0016】
重量検査装置100は、上流側から供給される被検査物Pを下流側へ搬送しつつ、当該被検査物Pの重量が、許容範囲内であるか否かの検査を行う装置である。図1に示されるように、重量検査装置100は、主に、搬送計量部20と、本体部40と、架台50と、を備える。搬送計量部20は、架台50に取り付けられており、上流側(図示左側)に配置された取込部10と、下流側(図示右側)に配置された計量装置30とを有する。
【0017】
搬送計量部20の取込部10は、上流側から被検査物Pを受け入れて搬送し、下流側にある計量装置30へ被検査物Pを受け渡す。取込部10は、取込コンベア11を備える。取込コンベア11は、無端状の搬送ベルト14を有する。モータボックス17に収容された駆動モータ(図示せず)が取込コンベア11を駆動させる。駆動モータは、タイミングベルト18を介して搬送ベルト14を移動させ、これによって搬送ベルト14上の被検査物Pが搬送計量部20へ搬送される。
【0018】
搬送計量部20の計量装置30は、取込部10から受け渡された被検査物Pを搬送しながら被検査物Pの重量を計量する。計量装置30は、搬送部20Aと、計量部20Bと、を備えている。搬送部20Aは、被検査物Pを搬送する。搬送部20Aは、搬送コンベア21を備える。搬送コンベア21における搬送方向TDは、本実施形態では水平方向であり、取込コンベア11における搬送方向TDと同じである。搬送コンベア21は、無端状の搬送ベルト24を有する。駆動モータ(図示せず)が搬送コンベア21を駆動させる。駆動モータは、タイミングベルト28を介して搬送ベルト24を移動させ、これによって搬送ベルト24上の被検査物Pが下流側に搬送される。
【0019】
計量部20Bは、搬送部20A上の被検査物Pの重量を計量する。計量部20Bは、ロードセル(図示せず)と、計量ボックス32と、を備えている。ロードセルは、搬送部20Aに被検査物Pが載置されることで生じる歪みの変化を検出して、搬送部20Aに載置された被検査物Pの重量を計量する。計量ボックス32は、架台50に固定されており、ロードセルを収容している。
【0020】
架台50は、重量検査装置100の設置面(地面)上に立設された4つの支柱部51,52を有する。詳細には、架台50は、上流側に配置された一対の左支柱部51と、下流側に配置された一対の右支柱部52とを有する。一対の左支柱部51は、搬送方向TDに直交する幅方向(前後方向)に所定の間隔をおいて離間するように配置されている。一対の右支柱部52は、搬送方向TDに直交する幅方向(前後方向)に所定の間隔をおいて離間するように配置されている。また架台50は、搬送方向TDに並ぶ左支柱部51及び右支柱部52に接続される一対の上ビーム部53及び一対の下ビーム部55を有する。上ビーム部53の高さは、例えば、搬送面14a及び搬送面24aの高さと同じであるか、又は当該高さより高い。
【0021】
本体部40は、計量装置30の後方に配置されている。本体部40は、筐体部41と、制御部42と、表示操作部43と、電源スイッチ44と、を有している。本体部40は、架台50の下ビーム部55に固定されている。詳細には、筐体部41がブラケット47を介して下ビーム部55に固定されている。
【0022】
筐体部41は、上下方向に延びる縦長の筐体である。制御部42は、筐体部41の内部に収容されている。制御部42は、重量検査装置100の各部の動作を制御する。制御部42は、例えば、CPU、ROM及びRAM等から構成されている。制御部42は、搬送計量部20が行う計量に関する制御を行う。例えば、制御部42は、ロードセル31から出力された計量信号を受信し、計量信号により示される計量値が所定の許容範囲内にあるかどうかを判定する。
【0023】
表示操作部43は、筐体部41の上部に設けられている。表示操作部43の画面43aには、計量装置30が行う計量に関する内容が表示される。例えば、表示操作部43の画面43aには、制御部42における判定の結果等が表示される。電源スイッチ44は、重量検査装置100の電源のオンオフを行う。
【0024】
本体部40は、筐体部41の上部に設けられ、重量検査装置100の前方に向けられた表示操作部43を有する。表示操作部43は、上ビーム部53の上方に配置され、架台50の作業者にとって視認容易な位置に設けられている。表示操作部43は、例えば、矩形の平坦な画面43aを含む。表示操作部43は、例えばタッチパネルディスプレイであり、重量検査装置100の前に立った作業者の指先等によって操作される。本実施形態において、表示操作部43(すなわち画面43a)は、鉛直面を基準として後傾している(図5参照)。鉛直面に対して表示操作部43(画面43a)がなす角度は、適宜に設定されてよいが、例えば、10°~15°程度である。
【0025】
重量検査装置100では、表示操作部43の下方に、外部機器等を接続するための接続部60が設けられている。図2図5を参照して、接続部60の構成について説明する。図2及び図3に示されるように、表示操作部43は、画面43aと、画面43aを取り囲む前面部45とを含んだディスプレイパネル43Aを有する。本体部40には、その前面部45の表面45aから窪んだ窪み部71が設けられている。本体部40は、窪み部71と、窪み部71を塞ぐ蓋部61とを有する。蓋部61は、ヒンジ65を介して前面部45に連結されている。
【0026】
図3及び図4に示されるように、窪み部71には、USB(Universal Serial Bus)式の外部機器を接続するための接続端子部83が設けられている。接続端子部83は、例えば、窪み部71の底面71aから更に窪んだ(奥まった)位置に設けられており、作業者(操作者)は、指を窪み部71内のスペースSに挿入して、外部機器などを抜き差しできる。なお、接続端子部83は、底面71aと同じ位置に設けられてもよい。接続端子部83は、窪み部71に設けられる限りにおいて、底面71aより突出した位置に設けられてもよい。
【0027】
図3及び図4を参照して、ディスプレイパネル43Aに備わる構成について説明する。図3及び図4に示されるように、ディスプレイパネル43Aの背面側には、差込口81aが形成された接続部用フレーム81がねじ88等により固定されている。接続部用フレーム81には、接続端子部83が、ベース板82を介してねじ84によって固定されている。窪み部71の奥に位置する底面71aには、接続端子部83を露出させる開口71fが形成されている。開口71f及び差込口81aを通じて、外部機器が接続端子部83に接続される。
【0028】
本体部40において、窪み部71を取り囲む表面45aは、例えば、表示操作部43の画面43aと同一の面に設けられている。
【0029】
蓋部61は、窪み部71内にちょうど収まる大きさ及び形状を有する。蓋部61の表面は、例えば、前面部45の表面45aと面一であるか、又は表面45aよりも僅かに引っ込んでいる(図5参照)。蓋部61は、ヒンジ65を介して窪み部71に連結される。ピン67が、蓋部61の基端部61bに形成されたピン孔61dと、ヒンジ65の軸筒部65bに形成されたピン孔65d(図8(a)及び図8(b)参照)とに挿通される。蓋部61は、ピン67を中心に回動自在である。ヒンジ65及びピン67は窪み部71の例えば左端部に設けられ、蓋部61の先端部61aが、窪み部71の右端部に配置される。開口71fの右方にはラッチ部62が取り付けられる。ラッチ部62は、公知のワンタッチ式ラッチ機構である。蓋部61の先端部61aの背面側には係合部63(図2参照)が取り付けられている。蓋部61の先端部61aが窪み部71に押し込まれることで、係合部63がラッチ部62に係合し、蓋部61の閉鎖状態が維持される。すなわち、蓋部61は、ラッチロック機構により前面部45に固定される。
【0030】
窪み部71内において、開口71fの周囲には、底面71aから突出する筒状の防水リブ72が設けられている。防水リブ72は、例えば、五角形筒状をなしており、全周にわたって底面71aに垂直に立設されている。窪み部71及び窪み部71内の防水リブ72は、前面部45と共に一体に成形される(図7参照)。図7に示されるように、防水リブ72の上部は、底面71aの法線N(図4参照)の方向から見て山形状を成している。より詳細には、防水リブ72の上部は、防水リブ72のうち位置が最も高い頂部72aと、頂部72aの右側に延びる右斜面72bと、頂部72aの左側に延びる左斜面72cとを含む。なお、図7では、表示操作部43を(法線Nの方向ではなく)水平方向前方より見た図が示されている。防水リブ72は、右斜面72b、左斜面72c、及び頂部72aからなる屋根構造を有する。
【0031】
図2及び図3に示されるように、蓋部61の裏面側には、防水リブ72を法線Nの方向から見た形状とほぼ同一形状のガスケット66が取り付けられている。底面71aに平行な方向におけるガスケット66の厚み(幅)は、例えば防水リブ72の厚み(幅)よりも大きい。図5に示されるように、蓋部61の上記閉鎖状態において、ガスケット66は防水リブ72に当接し、防水リブ72の内部(接続端子部83)の防水性を高める。ガスケット66の材質は、例えばゴム又は発泡性の樹脂等であり、公知の材料から適宜に選ばれる。
【0032】
図3図6及び図7に示されるように、窪み部71内において、防水リブ72の外部であって防水リブ72の左側には、2つのインサートナット68が埋設されている。図8(a)に示されるように、ヒンジ65は、固定板部65aと軸筒部65bとを含んでいる。固定板部65aが底面71a上に重ねられ、固定板部65aに設けられた2つのビス孔65cとインサートナット68の位置が合わされた後、ビス等(図示せず)によって、固定板部65aが底面71aに固定される。軸筒部65bのピン孔65d及び蓋部61のピン孔61dが一直線上に並んだ状態でピン67がこれらの孔に挿通されることで、蓋部61が底面71aに連結される。蓋部61は窪み部71を開閉自在である。
【0033】
また図8(b)に示されるように、ヒンジ65は、固定板部65aと軸筒部65bの間において、その厚みtminがヒンジ65全体の中で最小と(もっとも薄く)された脆弱部65eを含む。脆弱部65eは、ディスプレイパネル43Aの前面部45よりも脆弱である。言い換えれば、脆弱部65eの靭性は、前面部45の靭性よりも低い。
【0034】
図2図3図4及び図7に示されるように、窪み部71は、本体部40の奥(底面71a)から手前にかけて下方に傾斜する下傾斜面71eを有する。下傾斜面71eは、本体部40が洗浄された際に、窪み部71内に入り込んだ水の排水を促進する。また窪み部71は、左右の端部において、本体部40の奥(底面71a)から手前にかけて広がる左傾斜面71c及び右傾斜面71bを有する。これら左傾斜面71c及び右傾斜面71bは、本体部40の正面から水がかけられた際に、水の向きを防水リブ72の方へ向けさせ、防水リブ72に沿って水を下傾斜面71eから排水させる。
【0035】
重量検査装置100によれば、窪み部71に水が侵入した場合でも、水は下傾斜面71eに沿って本体部40の手前(表面)に向けて流れ、窪み部71から排出される。すなわち下傾斜面71eは排水路を構成する。よって、窪み部71に水が溜まることを防止でき、本体部40において排水が適切になされる。蓋部61が開いていても閉じていても、排水が適切になされるので、衛生面での問題も生じない。
【0036】
窪み部71には、外部機器を接続するための接続端子部83が設けられている。窪み部71の上記構成によれば、接続端子部83への水の侵入を防止できる。
【0037】
防水リブ72の上部は、底面71aの法線Nの方向から見て山形状をなしている。防水リブ72により、接続端子部83への水の侵入をより確実に防止できる。また防水リブ72の上部上に水が溜まらず、水は、防水リブ72から流下して下傾斜面71eを通じて排出される。
【0038】
表示操作部43が後傾しているが、窪み部71を取り囲む表面45aも後傾するので、窪み部71には水が侵入しやすい傾向にある。しかしながら窪み部71に下傾斜面71eが設けられているので、窪み部71に侵入した水は下傾斜面71eを通じて排出される。
【0039】
蓋部61は、ラッチロック機構によってワンタッチで前面部45に固定することができ、蓋部61の開閉操作が容易である。接続端子部83を利用する際の利便性又は作業性が向上する。
【0040】
ヒンジは、脆弱部65eを含むので、何らかの要因により蓋部61に過大な力がかかった場合でも、前面部45又は前面部45に対する接続部分(インサートナット68に固定されたビス等、固定板部65a、又は軸筒部65b)が破損するよりも前に、脆弱部65eが破損又は破断する。よって、前面部45及び蓋部61は破損せずに保護される。この場合、ヒンジ65を交換するのみで復旧が可能となる。ヒンジ65は、前面部45及び蓋部61に比べて比較的安価な部品であるため、装置全体としてのコストダウンにつながり、また破損時の早急な復旧が可能である。仮に、破損に伴ってピン67が脱落してしまった場合でも、金属製のピン67は異物として検出しやすい。
【0041】
また図6に示されるように、固定板部65aと軸筒部65bの間に孔部等が設けられておらず、これら2つの部分が板状に連続しているので、蓋部61の基端部61bにおける防水性が高められている。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、表示操作部43の画面43a、及び、前面部45の表面45aが鉛直面に沿って設けられると共に、窪み部71の下傾斜面71eが本体部40の奥から手前にかけて下方に傾斜してもよい。
【0043】
窪み部71に、USB(Universal Serial Bus)式の外部機器を接続するための接続端子部83が設けられる態様に限られない。接続端子部は、USB式以外のあらゆる形式の外部機器が接続される端子部であってもよい。窪み部71に、外部から情報を入力するための入力部が設けられてもよい。入力部は、例えば、赤外線信号を受信する部分であってもよい。入力部は、例えば、操作ボタン等を含んでもよい。底面71aには、入力部を露出させる開口が形成されてもよい。
【0044】
表示操作部43の画面43aが、窪み部71を取り囲む表面45aよりも僅かに引っ込んだ位置に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0045】
20…搬送計量部、20A…搬送部、20B…計量部、30…計量装置、40…本体部、41…筐体部、43…表示操作部、43a…画面、45…前面部、45a…表面、50…架台、60…接続部、61…蓋部、62…ラッチ部、65…ヒンジ、65e…脆弱部、71…窪み部、71a…底面、71e…下傾斜面、71f…開口、72…防水リブ、72b…右斜面(山形状の右の斜面)、72c…左斜面(山形状の左の斜面)、83…接続端子部、N…法線、P…被検査物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8