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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082845
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20240613BHJP
   A61M 25/098 20060101ALI20240613BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20240613BHJP
【FI】
A61M25/00 560
A61M25/098
A61M25/10 510
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197000
(22)【出願日】2022-12-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】594170727
【氏名又は名称】日本ライフライン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502394243
【氏名又は名称】小山 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】小山 淳一
(72)【発明者】
【氏名】大川 靖洋
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA05
4C267AA09
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB07
4C267BB09
4C267BB11
4C267BB26
4C267BB30
4C267BB40
4C267BB43
4C267CC08
4C267EE01
4C267GG03
4C267GG04
4C267GG05
4C267GG34
4C267HH03
4C267HH08
(57)【要約】
【課題】カテーテルを鎖骨下動脈を通過させて所定の血管に挿入する手技に好適なカテーテルを提供する。
【解決手段】カテーテル1は、少なくとも先端側が体内に挿入される可撓性のシャフト2であって、ガイド部材が挿通されるルーメン、およびルーメンにガイド部材が挿通されていない状態で曲がった形状の曲部14を有するシャフト2と、シャフト2における曲部14より先端側に設けられる拡張可能なバルーン4と、シャフト2に設けられて曲部14と位置が対応付けられた放射線造影部8と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
右鎖骨下動脈または左鎖骨下動脈を通過して所定の血管に挿入されて医療用デバイスをガイドするカテーテルであって、
少なくとも先端側が体内に挿入される可撓性のシャフトであって、ガイド部材が挿通されるルーメン、および前記ルーメンに前記ガイド部材が挿通されていない状態で曲がった形状の曲部を有するシャフトと、
前記シャフトにおける前記曲部より先端側に設けられる拡張可能なバルーンと、
前記シャフトに設けられて前記曲部と位置が対応付けられた放射線造影部と、を備える、
カテーテル。
【請求項2】
前記放射線造影部は、前記曲部の頂点に配置される、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記カテーテルは、少なくとも2つの前記放射線造影部を備え、
一方の前記放射線造影部は、前記曲部の頂点から所定距離だけ前記シャフトの先端側にずれた位置に配置され、
他方の前記放射線造影部は、前記頂点から前記所定距離だけ前記シャフトの基端側にずれた位置に配置される、
請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項4】
少なくとも前記放射線造影部および前記シャフトの境界を被覆するカバーを備える、
請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項5】
右鎖骨下動脈または左鎖骨下動脈を通過して所定の血管に挿入されて医療用デバイスをガイドするカテーテルであって、
少なくとも先端側が体内に挿入される可撓性のシャフトであって、前記医療用デバイスが挿通されるルーメン、および前記シャフトの基端側に設けられるハンドルの操作により曲がった形状となる曲部を有するシャフトと、
前記シャフトにおける前記曲部より先端側に設けられる拡張可能なバルーンと、
前記シャフトに設けられて前記曲部と位置が対応付けられた放射線造影部と、を備える、
カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、診断や処置のために体内に挿入される部材である。例えば特許文献1には、血管に挿入されてステントを血管の目的部位へガイドするガイディングカテーテルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-357805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステント等の医療用デバイスをガイドするカテーテルを右または左の鎖骨下動脈から右または左の総頸動脈に挿入する手技が知られている。本発明者は鋭意検討の結果、カテーテルを鎖骨下動脈を通過させて総頸動脈を含む所定の血管に挿入する手技に好適なカテーテルを見出した。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、カテーテルを鎖骨下動脈を通過させて所定の血管に挿入する手技に好適なカテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある態様は、右鎖骨下動脈または左鎖骨下動脈を通過して所定の血管に挿入されて医療用デバイスをガイドするカテーテルである。このカテーテルは、少なくとも先端側が体内に挿入される可撓性のシャフトであって、ガイド部材が挿通されるルーメン、およびルーメンにガイド部材が挿通されていない状態で曲がった形状の曲部を有するシャフトと、シャフトにおける曲部より先端側に設けられる拡張可能なバルーンと、シャフトに設けられて曲部と位置が対応付けられた放射線造影部と、を備える。
【0007】
本開示の他の態様も、右鎖骨下動脈または左鎖骨下動脈を通過して所定の血管に挿入されて医療用デバイスをガイドするカテーテルである。このカテーテルは、少なくとも先端側が体内に挿入される可撓性のシャフトであって、医療用デバイスが挿通されるルーメン、およびシャフトの基端側に設けられるハンドルの操作により曲がった形状となる曲部を有するシャフトと、シャフトにおける曲部より先端側に設けられる拡張可能なバルーンと、シャフトに設けられて曲部と位置が対応付けられた放射線造影部と、を備える。
【0008】
以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、カテーテルを鎖骨下動脈を通過させて所定の血管に挿入する手技に好適なカテーテルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係るカテーテルの側面図である。
図2図2(A)は、シャフトの断面図である。図2(B)は、曲部の拡大図である。
図3】ガイド部材の側面図である。
図4図4(A)~図4(I)は、第1手技を説明する図である。
図5図5(A)~図5(H)は、第2手技を説明する図である。
図6図6(A)~図6(H)は、第2手技を説明する図である。
図7図7(A)~図7(H)は、第3手技を説明する図である。
図8図8(A)~図8(E)は、第3手技を説明する図である。
図9図9(A)~図9(H)は、第4手技を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、本開示を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも本開示の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。また、本明細書または請求項中に「第1」、「第2」等の用語が用いられる場合には、特に言及がない限りこの用語はいかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0012】
図1は、実施の形態に係るカテーテル1の側面図である。図2(A)は、シャフト2の断面図である。図2(B)は、曲部14の拡大図である。図1では、バルーン4が拡張した状態を示している。また、図1では、カバー10の図示を省略している。図2(A)は、シャフト2の軸と直交する断面を示している。図2(B)では、カバー10を透視した状態を示している。
【0013】
本実施の形態に係るカテーテル1は、右鎖骨下動脈28または左鎖骨下動脈30を通過して所定の血管に挿入されて医療用デバイス(図示せず)をガイドするカテーテルである。所定の血管としては、総頸動脈、外頸動脈、内頸動脈、鎖骨下動脈、腕頭動脈または椎骨動脈等が例示される。本実施の形態では、右総頸動脈32または左総頸動脈34を所定の血管の例に挙げて、カテーテルを血管に挿入する手技について説明する。カテーテル1は、長尺のシャフト2と、バルーン4と、ハンドル6と、放射線造影部8と、カバー10とを備える。本実施の形態における「長尺」とは、長手方向の第1長さと長手方向に垂直な方向の第2長さとの比(第1長さ/第2長さ)が一例として5以上であることをいう。第1長さは、シャフト2の全体を直線状に延ばしたときに、シャフト2の軸が延びる方向の長さである。
【0014】
シャフト2は、可撓性を有する管状体で構成され、少なくとも先端側が体内に挿入される。シャフト2は、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルブロックアミド、ポリアミド、ポリウレタン、シリコーンといった樹脂を含む、公知の可撓性材料で構成される。シャフト2の第1長さは、例えば600mm~1800mmである。シャフト2は、ルーメン12と、曲部14とを有する。ルーメン12は、シャフト2の一端側から他端側まで延び、後述するガイド部材18(図3参照)と医療用デバイスとが挿通される。曲部14は、ルーメン12にガイド部材18が挿通されていない状態(シャフト2に外力が加わっていない状態)で曲がった形状である。
【0015】
例えば曲部14は、V字状(屈曲形状)あるいはU字状(湾曲形状)である。シャフト2におけるバルーン4から曲部14の手前までの領域と、ハンドル6から曲部14の手前までの領域とは、ルーメン12にガイド部材18が挿通されていない状態でそれぞれ直線状であり、互いに交わる方向に延びる。例えば2つの領域のなす角度は鋭角である。
【0016】
バルーン4は、シャフト2における曲部14より先端側(遠位端側)でシャフト2の軸周りに設けられる。バルーン4は、おおよそ球形である。以下では適宜、カテーテル1あるいはシャフト2におけるバルーン4が設けられる側を単に「先端側」という。バルーン4は、シャフト2の基端側(近位端側)から供給される流体によって拡張可能である。流体は、例えば生理食塩水である。バルーン4は、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルブロックアミド、ポリアミド、ポリウレタン、シリコーンといった樹脂を含む、公知の可撓性材料で構成される。
【0017】
ハンドル6は、シャフト2の基端側に設けられる。以下では適宜、カテーテル1あるいはシャフト2におけるハンドル6が設けられる側を単に「基端側」という。ハンドル6は、カテーテル1の使用時に体外に配置され、操作者によって把持あるいは操作される。ハンドル6は、第1ポート6aと、第2ポート6bとを有する。
【0018】
第1ポート6aは、シャフト2に設けられる流体用ルーメン(図示せず)の基端に接続される。流体用ルーメンの先端は、バルーン4に接続される。第1ポート6aに流体を流し入れることで、バルーン4に流体が供給されてバルーン4が拡張する。また、第1ポート6aから流体を排出させることで、バルーン4から流体が排出されてバルーン4が収縮する。第2ポート6bは、ルーメン12の基端に接続される。ガイド部材18および医療用デバイスは、第2ポート6bを介してルーメン12に挿抜される。
【0019】
放射線造影部8は、シャフト2に設けられるとともに、曲部14との位置が所定の規則に従って対応付けられている。つまり、放射線造影部8は、曲部14からの距離が決められている。したがって、カテーテル1の操作者は、曲部14と放射線造影部8との位置関係に関する規則を予め把握しておくことで、放射線造影部8の位置から曲部14の位置を知ることができる。放射線造影部8は、いわゆる造影マーカであり、AuやPt等の放射線不透過材料で構成される。放射線は、例えばX線である。カテーテル1の操作者は、放射線画像に基づいて放射線造影部8の位置、ひいては曲部14の位置を確認することができる。
【0020】
好ましくは、放射線造影部8の位置と曲部14の頂点の位置とが対応付けられている。本実施の形態のカテーテル1は、1つの放射線造影部8を有し、当該放射線造影部8は曲部14の頂点に配置される。つまり、放射線造影部8は、頂点からの距離が実質的に0である。この場合、放射線造影部8と頂点との距離が0であることが、上述の規則に相当する。曲部14の頂点は、V字あるいはU字の最も底の部分(最も突出した部分)である。なお、カテーテル1は、複数の放射線造影部8を有してもよい。例えば、図2(B)において二点鎖線で示すように、カテーテル1は2つの放射線造影部8を有する。そして、一方の放射線造影部8は、頂点から所定距離Lだけ先端側にずれた位置に設けられる。他方の放射線造影部8は、頂点から同じ距離Lだけ基端側にずれた位置に設けられる。つまり、曲部14の頂点を頂角とし、2つの放射線造影部8を2つの底角とする2等辺三角形が形成されるように、頂点に対して2つの放射線造影部8が配置される。この場合、2つの放射線造影部8が頂点から互いに逆方向に所定距離Lだけずれていることが、上述の規則に相当する。
【0021】
カバー10は、少なくとも放射線造影部8およびシャフト2の境界16a,16bを被覆する。カバー10は、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルブロックアミド、ポリアミド、ポリウレタン、シリコーンといった樹脂を含む、公知の可撓性材料で構成される。本実施の形態のカバー10は、カバー10およびシャフト2の基端側の境界16a、カバー10およびシャフト2の先端側の境界16b、ならびに放射線造影部8の全体を覆っている。曲部14が弾性変形した際、放射線造影部8のエッジ部分がシャフト2の表面から突出し得る。カバー10が境界16a,16bを覆うことで、放射線造影部8のエッジ部分が血管の内壁等に直に接触することを抑制することができる。なお、カテーテル1が複数の放射線造影部8を有する場合、各放射線造影部8に対してカバー10が設けられることが好ましい。
【0022】
図3は、ガイド部材18の側面図である。ガイド部材18は、ガイドワイヤ20と、子カテーテル22とを含む。ガイドワイヤ20は、ステンレススチール等で構成される長尺体であり、柔軟性および曲げ剛性を有する。子カテーテル22は、長尺のシャフト24と、ハンドル26とを有する。シャフト24は、可撓性を有する管状体で構成される。シャフト24は、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルブロックアミド、ポリアミド、ポリウレタン、シリコーンといった樹脂を含む、公知の可撓性材料で構成される。シャフト24は、シャフト2と同様にルーメン(図示せず)と、曲部25とを有する。ルーメンには、ガイドワイヤ20が挿通される。
【0023】
ハンドル26は、シャフト24の基端側に設けられる。ハンドル26は、カテーテル1の使用時に体外に配置され、操作者によって把持あるいは操作される。ハンドル26は、第3ポート26aを有する。第3ポート26aは、ルーメンの基端に接続される。ガイドワイヤ20は、第3ポート26aを介してルーメンに挿抜される。
【0024】
続いて、カテーテル1の使用態様について説明する。カテーテル1は、右鎖骨下動脈28または左鎖骨下動脈30から右総頸動脈32または左総頸動脈34に挿入される。そして、各種の医療用デバイスがルーメン12に挿入され、カテーテル1によってガイドされながら頸動脈内、さらには頸動脈の先の血管内に送られる。医療用デバイスとしては、ステント、バルーン、コイル、血栓除去カテーテル、造影カテーテル、マイクロカテーテル、ガイディングカテーテル等が例示される。
【0025】
以下、カテーテル1を右鎖骨下動脈28を通過させて右総頸動脈32または左総頸動脈34に挿入する第1手技~第4手技を説明する。第1手技は、カテーテル1を右鎖骨下動脈28を通過させて右総頸動脈32に挿入する手技(Push-in法)である。第2手技は、カテーテル1を右鎖骨下動脈28を通過させて右総頸動脈32に挿入する手技であって第1手技とは手順が異なる手技(DAT/Pull-back法)である。第3手技は、カテーテル1を右鎖骨下動脈28を通過させて左総頸動脈34に挿入する手技(DAT/Pull-back法)である。第4手技は、カテーテル1を右鎖骨下動脈28を通過させて左総頸動脈34に挿入する手技であって第3手技とは手順が異なる手技(Push-in法)である。
【0026】
各手技では、一例としてTRA(Trans-Radial-Approach)法が用いられ、右の橈骨動脈(Radial artery)からガイド部材18およびカテーテル1が体内に挿入される。なお、尺骨動脈または上腕動脈からガイド部材18およびカテーテル1が挿入される場合もある。
【0027】
いずれの手技においても、操作者による挿入操作により、カテーテル1は、体内に挿入されたガイド部材18に沿って曲部14を弾性変形させながら体内を進行する。この過程で、曲部14は直線状になる場合がある。そして、所定位置においてガイド部材18がルーメン12から抜かれると、曲部14の形状が復元する。形状の復元した曲部14は、2つの血管の接続部において、当該2つの血管に沿って延びる。例えば右鎖骨下動脈28と右総頸動脈32との接続部、換言すれば腕頭動脈33から右鎖骨下動脈28および右総頸動脈32への分岐部において、右鎖骨下動脈28および右総頸動脈32に沿うように配置される。これにより、カテーテル1の位置ずれを抑制することができる。
【0028】
(第1手技)
図4(A)~図4(I)は、第1手技を説明する図である。なお、図4(A)~図4(I)では、放射線造影部8およびカバー10の図示を省略している。図4(A)に示すように、カテーテル1に先だってガイドワイヤ20および子カテーテル22を右橈骨動脈から右鎖骨下動脈28を経て上行大動脈36に進入させる。少なくとも一時において、子カテーテル22は、ガイドワイヤ20よりも先行する。子カテーテル22は曲部25を有するため、ハンドル26の回転操作等により、子カテーテル22の先端の向きを変えることができる。これにより、ガイドワイヤ20の進む方向を制御することができる。ガイドワイヤ20および子カテーテル22が上行大動脈36内に進入した状態で、カテーテル1を子カテーテル22に沿って右鎖骨下動脈28に進入させる。
【0029】
次に、図4(B)に示すように、子カテーテル22およびガイドワイヤ20を大動脈弓38に進入させる。次に、図4(C)に示すように、子カテーテル22およびガイドワイヤ20の先端を右総頸動脈32の入口に移動させる。次に、図4(D)に示すように、子カテーテル22およびガイドワイヤ20を右総頸動脈32に進入させる。次に、図4(E)に示すように、ガイドワイヤ20を右外頸動脈40に進入させる。次に、図4(F)に示すように、子カテーテル22を右外頸動脈40に進入させる。
【0030】
続いて、図4(G)に示すように、ガイドワイヤ20を引き抜き、ガイドワイヤ20より硬いガイドワイヤ20aを挿入する。次に、図4(H)に示すように、カテーテル1を右総頸動脈32に進入させる。次に、図4(I)に示すように、子カテーテル22およびガイドワイヤ20aを後退させる。以上の手順により、カテーテル1を右鎖骨下動脈28から右総頸動脈32に挿入することができる。カテーテル1が右鎖骨下動脈28から右総頸動脈32に挿入され、ガイドワイヤ20および子カテーテル22が引き抜かれた状態で、曲部14は、右鎖骨下動脈28と右総頸動脈32との接続部において両血管に沿って配置される。
【0031】
その後、バルーン4が拡張される。これにより、カテーテル1の位置を固定することができる。また、バルーン4よりも先への血流を止めることができる。そして、ガイド部材18に代えて医療用デバイスがルーメン12に挿入される。医療用デバイスは、バルーン4よりも脳側に案内されて、各種の処置に供される。例えば、医療用デバイスがステントである場合、ステントは、バルーン4よりも先の血管内で展開され、狭窄した血管の拡張等に用いられる。
【0032】
カテーテル1が子カテーテル22に沿って右鎖骨下動脈28から右総頸動脈32に進入する際、曲部14は、子カテーテル22に沿って変形する。したがって、曲部14の位置をその形状に基づいて確認することは困難である。曲部14が配置されるべき位置からずれていると、子カテーテル22が引き抜かれて曲部14の形状が復元した際に曲部14が血管の内壁に引っかかり、血管が損傷するおそれがある。また、曲部14が血管の内壁に押されて、カテーテル1の位置がずれたり、右総頸動脈32から脱落したりするおそれがある。また、シャフト2の曲部14以外の部分、つまり直線部分が右鎖骨下動脈28および右総頸動脈32の接続部において無理に曲げられてしまい、当該部分がキンクするおそれがある。また、直線部分が無理に曲げられた状態で、当該部分に剛性の高い医療用デバイスが挿通された場合も、当該部分がキンクするおそれがある。
【0033】
これに対し、カテーテル1は、曲部14と位置が対応付けられた放射線造影部8を有する。このため、放射線造影部8の位置を体外から確認することで、曲部14の位置を把握することができる。よって、所望の位置に曲部14をより正確に配置することができる。この結果、血管やカテーテル1の損傷を抑制することができる。また、カテーテル1の位置ずれや脱落等に起因する手技のやり直しを回避することができる。よって、カテーテル1は、第1手技に好適に用いることができる。
【0034】
(第2手技)
図5(A)~図5(H)および図6(A)~図6(H)は、第2手技を説明する図である。なお、図5(A)~図5(H)および図6(A)~図6(H)では、放射線造影部8およびカバー10の図示を省略している。図5(A)に示すように、カテーテル1に先だってガイドワイヤ20および子カテーテル22を右橈骨動脈から右鎖骨下動脈28を経て上行大動脈36に進入させる。ガイドワイヤ20および子カテーテル22が上行大動脈36内に進入した状態で、カテーテル1を子カテーテル22に沿って右鎖骨下動脈28に進入させる。
【0035】
次に、図5(B)に示すように、子カテーテル22およびガイドワイヤ20を大動脈弓38に進入させる。次に、図5(C)に示すように、ガイドワイヤ20を下行大動脈42に進入させる。次に、図5(D)および図5(E)に示すように、子カテーテル22を下行大動脈42に進入させる。次に、図5(F)に示すように、ガイドワイヤ20を引き抜き、ガイドワイヤ20より硬いガイドワイヤ20aを挿入する。次に、図5(G)に示すように、カテーテル1を大動脈弓38に進入させる。このとき、カテーテル1は、曲部14が上行大動脈36の下流、あるいは大動脈弓38の上流に到達するまで進入させる。次に、図5(H)に示すように、子カテーテル22およびガイドワイヤ20aを曲部14よりも基端側まで後退させる。これにより、曲部14の形状が復元し、曲部14の頂点が上行大動脈36の上流側に進入する。つまり、曲部14が上行大動脈36内に落とし込まれる。
【0036】
続いて、図6(A)、図6(B)、図6(C)および図6(D)に示すように、ハンドル6の回転操作等により、カテーテル1の先端を大動脈弓38内から右総頸動脈32の入口に移動させる。次に、図6(E)に示すように、子カテーテル22およびガイドワイヤ20を右総頸動脈32に進入させる。次に、図6(F)および図6(G)に示すように、カテーテル1を右総頸動脈32に進入させる。次に、図6(H)に示すように、ガイドワイヤ20および子カテーテル22を後退させる。以上の手順により、カテーテル1を右鎖骨下動脈28から右総頸動脈32に挿入することができる。カテーテル1が右鎖骨下動脈28から右総頸動脈32に挿入され、ガイドワイヤ20および子カテーテル22が引き抜かれた状態で、曲部14は、右鎖骨下動脈28と右総頸動脈32との接続部において両血管に沿って配置される。以降の作業は、第1手技の場合と同様である。
【0037】
第2手技においても、放射線造影部8の位置を確認することで、曲部14をより正確に右鎖骨下動脈28と右総頸動脈32との接続部に沿わせることができる。また、曲部14をより確実に上行大動脈36に落とし込むことができる。この結果、血管やカテーテル1の損傷を抑制することができる。また、カテーテル1の位置ずれや脱落等に起因する手技のやり直しを回避することができる。よって、カテーテル1は、第2手技に好適に用いることができる。
【0038】
(第3手技)
図7(A)~図7(H)および図8(A)~図8(E)は、第3手技を説明する図である。なお、図7(A)~図7(H)および図8(A)~図8(E)では、放射線造影部8およびカバー10の図示を省略している。図7(A)に示すように、カテーテル1に先だってガイドワイヤ20および子カテーテル22を右橈骨動脈から右鎖骨下動脈28を経て上行大動脈36に進入させる。ガイドワイヤ20および子カテーテル22が上行大動脈36内に進入した状態で、カテーテル1を子カテーテル22に沿って右鎖骨下動脈28に進入させる。
【0039】
次に、図7(B)に示すように、子カテーテル22およびガイドワイヤ20を大動脈弓38に進入させる。次に、図7(C)に示すように、ガイドワイヤ20を下行大動脈42に進入させる。次に、図7(D)および図7(E)に示すように、子カテーテル22を下行大動脈42に進入させる。次に、図7(F)に示すように、ガイドワイヤ20を引き抜き、ガイドワイヤ20より硬いガイドワイヤ20aを挿入する。次に、図7(G)に示すように、カテーテル1を大動脈弓38に進入させる。このとき、カテーテル1は、曲部14が上行大動脈36の下流、あるいは大動脈弓38の上流に到達するまで進入させる。次に、図7(H)に示すように、子カテーテル22およびガイドワイヤ20aを曲部14よりも基端側まで後退させる。これにより、曲部14の形状が復元し、曲部14の頂点が上行大動脈36の上流側に進入する。つまり、曲部14が上行大動脈36内に落とし込まれる。
【0040】
続いて、図8(A)および図8(B)に示すように、ハンドル6の回転操作等により、カテーテル1の先端を大動脈弓38内から左総頸動脈34の入口に移動させる。次に、図8(C)に示すように、子カテーテル22およびガイドワイヤ20を左総頸動脈34に進入させる。次に、図8(D)に示すように、カテーテル1を左総頸動脈34に進入させる。次に、図8(E)に示すように、ガイドワイヤ20および子カテーテル22を後退させる。以上の手順により、カテーテル1を右鎖骨下動脈28から左総頸動脈34に挿入することができる。カテーテル1が右鎖骨下動脈28から左総頸動脈34に挿入され、ガイドワイヤ20および子カテーテル22が引き抜かれた状態で、曲部14は、腕頭動脈33および左総頸動脈34に沿って配置される。以降の作業は、第1手技の場合と同様である。
【0041】
第3手技においても、放射線造影部8の位置を確認することで、曲部14をより正確に腕頭動脈33および左総頸動脈34に沿わせることができる。また、曲部14をより確実に上行大動脈36に落とし込むことができる。この結果、血管やカテーテル1の損傷を抑制することができる。また、カテーテル1の位置ずれや脱落等に起因する手技のやり直しを回避することができる。よって、カテーテル1は、第3手技に好適に用いることができる。
【0042】
(第4手技)
図9(A)~図9(H)は、第4手技を説明する図である。なお、図9(A)~図9(H)では、放射線造影部8およびカバー10の図示を省略している。図9(A)に示すように、カテーテル1に先だってガイドワイヤ20および子カテーテル22を右橈骨動脈から右鎖骨下動脈28を経て上行大動脈36に進入させる。ガイドワイヤ20および子カテーテル22が上行大動脈36内に進入した状態で、カテーテル1を子カテーテル22に沿って右鎖骨下動脈28に進入させる。次に、図9(B)に示すように、子カテーテル22の先端を左総頸動脈34の入口に移動させる。次に、図9(C)に示すように、子カテーテル22を左総頸動脈34に進入させる。
【0043】
続いて、図9(D)に示すように、ガイドワイヤ20を左外頸動脈44に進入させる。次に、図9(E)に示すように、子カテーテル22を左外頸動脈44に進入させる。次に、図9(F)に示すように、ガイドワイヤ20を引き抜き、ガイドワイヤ20より硬いガイドワイヤ20aを挿入する。次に、図9(G)に示すように、カテーテル1を左総頸動脈34に進入させる。次に、図9(H)に示すように、子カテーテル22およびガイドワイヤ20aを後退させる。以上の手順により、カテーテル1を右鎖骨下動脈28から左総頸動脈34に挿入することができる。カテーテル1が右鎖骨下動脈28から左総頸動脈34に挿入され、ガイドワイヤ20および子カテーテル22が引き抜かれた状態で、曲部14は、腕頭動脈33および左総頸動脈34に沿って配置される。以降の作業は、第1手技の場合と同様である。
【0044】
第4手技においても、放射線造影部8の位置を確認することで、曲部14をより正確に腕頭動脈33および左総頸動脈34に沿わせることができる。この結果、血管やカテーテル1の損傷を抑制することができる。また、カテーテル1の位置ずれや脱落等に起因する手技のやり直しを回避することができる。よって、カテーテル1は、第4手技に好適に用いることができる。
【0045】
左鎖骨下動脈30から右総頸動脈32または左総頸動脈34にカテーテル1を挿入する場合も、第1手技~第4手技と同様の手技を用いることができる。したがって、第1手技~第4手技の場合と同様の課題が生じ得る。これに対し、本実施の形態のカテーテル1によれば、第1手技~第4手技の場合と同様の効果を奏することができる。
【0046】
また、右総頸動脈32および左総頸動脈34以外の血管、例えば外頸動脈、内頸動脈、鎖骨下動脈、腕頭動脈または椎骨動脈等にカテーテル1を挿入する場合も、第1手技~第4手技と同様の手技を用いることができる。したがって、第1手技~第4手技の場合と同様の課題が生じ得る。これに対し、本実施の形態のカテーテル1によれば、第1手技~第4手技の場合と同様の効果を奏することができる。
【0047】
以上、本開示の実施の形態について詳細に説明した。前述した実施の形態は、本開示を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施の形態の内容は、本開示の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された本開示の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。設計変更が加えられた新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形それぞれの効果をあわせもつ。前述の実施の形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「本実施の形態の」、「本実施の形態では」等の表記を付して強調しているが、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。各実施の形態に含まれる構成要素の任意の組み合わせも、本開示の態様として有効である。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【0048】
実施の形態で説明した曲部14は、ルーメン12にガイド部材18が挿通されていない状態、つまりシャフト2に外力が加わっていない状態で曲がった形状を有する。つまり、シャフト2の成形段階で曲部14が設けられている。しかしながら、曲部14はこの構成に限定されない。例えば、シャフト2は外力が加わっていない状態では直線状であり、ハンドル6の操作によりシャフト2が曲げ変形することで曲部14が出現してもよい。ハンドル6の操作によるシャフト2の変形は、従来公知の構造、例えばシャフト2に挿通されたプルワイヤをハンドル6で引っ張る構造等により実現することができる。また、ハンドル6の操作により曲部14を出現させるカテーテル1においては、ガイド部材18が用いられない場合もある。この場合、ルーメン12には医療用デバイスのみが挿通され得る。
【0049】
実施の形態は、以下に記載する項目によって特定されてもよい。
[第1項目]
右鎖骨下動脈(28)または左鎖骨下動脈(30)を通過して所定の血管(32,34)に挿入されて医療用デバイスをガイドするカテーテル(1)であって、
少なくとも先端側が体内に挿入される可撓性のシャフト(2)であって、ガイド部材(18)が挿通されるルーメン(12)、およびルーメン(12)にガイド部材(18)が挿通されていない状態で曲がった形状の曲部(14)を有するシャフト(2)と、
シャフト(2)における曲部(14)より先端側に設けられる拡張可能なバルーン(4)と、
シャフト(2)に設けられて曲部(14)と位置が対応付けられた放射線造影部(8)と、を備える、
カテーテル(1)。
[第2項目]
放射線造影部(8)は、曲部(14)の頂点に配置される、
第1項目に記載のカテーテル(1)。
[第3項目]
カテーテル(1)は、少なくとも2つの放射線造影部(8)を備え、
一方の放射線造影部(8)は、曲部(14)の頂点から所定距離だけシャフト(2)の先端側にずれた位置に配置され、
他方の放射線造影部(8)は、頂点から所定距離だけシャフト(2)の基端側にずれた位置に配置される、
第1項目または第2項目のいずれかに記載のカテーテル(1)。
[第4項目]
少なくとも放射線造影部8およびシャフト2の境界を被覆するカバー(10)を備える、
第1項目乃至第3項目のいずれかに記載のカテーテル(1)。
[第5項目]
右鎖骨下動脈(28)または左鎖骨下動脈(30)を通過して所定の血管(32,34)に挿入されて医療用デバイスをガイドするカテーテル(1)であって、
少なくとも先端側が体内に挿入される可撓性のシャフト(2)であって、医療用デバイスが挿通されるルーメン(12)、およびシャフト(2)の基端側に設けられるハンドル(6)の操作により曲がった形状となる曲部(14)を有するシャフト(2)と、
シャフト(2)における曲部(14)より先端側に設けられる拡張可能なバルーン(4)と、
シャフト(2)に設けられて曲部(14)と位置が対応付けられた放射線造影部(8)と、を備える、
カテーテル(1)。
【符号の説明】
【0050】
1 カテーテル、 2 シャフト、 4 バルーン、 8 放射線造影部、 10 カバー、 12 ルーメン、 14 曲部、 16 境界、 18 ガイド部材、 28 右鎖骨下動脈、 30 左鎖骨下動脈、 32 右総頸動脈、 34 左総頸動脈。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
右鎖骨下動脈または左鎖骨下動脈を通過して所定の血管に挿入されて医療用デバイスをガイドするカテーテルであって、
少なくとも先端側が体内に挿入される可撓性のシャフトであって、ガイド部材および前記医療用デバイスが挿通されるルーメン、および前記ルーメンに前記ガイド部材が挿通されていない状態で曲がった形状の曲部を有するシャフトと、
前記シャフトにおける前記曲部より先端側に設けられる拡張可能なバルーンと、
前記シャフトに設けられて前記曲部と位置が対応付けられた放射線造影部と、を備える、
カテーテル。
【請求項2】
前記放射線造影部は、前記曲部の頂点に配置される、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記カテーテルは、少なくとも2つの前記放射線造影部を備え、
一方の前記放射線造影部は、前記曲部の頂点から所定距離だけ前記シャフトの先端側にずれた位置に配置され、
他方の前記放射線造影部は、前記頂点から前記所定距離だけ前記シャフトの基端側にずれた位置に配置される、
請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項4】
少なくとも前記放射線造影部および前記シャフトの境界を被覆するカバーを備える、
請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項5】
右鎖骨下動脈または左鎖骨下動脈を通過して所定の血管に挿入されて医療用デバイスをガイドするカテーテルであって、
少なくとも先端側が体内に挿入される可撓性のシャフトであって、前記医療用デバイスが挿通されるルーメン、および前記シャフトの基端側に設けられるハンドルの操作により曲がった形状となる曲部を有するシャフトと、
前記シャフトにおける前記曲部より先端側に設けられる拡張可能なバルーンと、
前記シャフトに設けられて前記曲部と位置が対応付けられた放射線造影部と、を備える、
カテーテル。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
右鎖骨下動脈または左鎖骨下動脈を通過して所定の血管に挿入されて医療用デバイスをガイドするカテーテルであって、
少なくとも先端側が体内に挿入される可撓性のシャフトであって、ガイド部材および前記医療用デバイスが挿通されるルーメン、および前記ルーメンに前記ガイド部材が挿通されていない状態で曲がった形状の曲部を有するシャフトと、
前記シャフトにおける前記曲部より先端側に設けられる拡張可能なバルーンと、
前記シャフトに設けられて前記曲部と位置が対応付けられた放射線造影部と、を備える、
カテーテル。
【請求項2】
前記放射線造影部は、前記曲部の頂点に配置され、
前記所定の血管は、総頚動脈、外頸動脈、内頸動脈、鎖骨下動脈、腕頭動脈または椎骨動脈である、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記カテーテルは、少なくとも2つの前記放射線造影部を備え、
一方の前記放射線造影部は、前記曲部の頂点から所定距離だけ前記シャフトの先端側にずれた位置に配置され、
他方の前記放射線造影部は、前記頂点から前記所定距離だけ前記シャフトの基端側にずれた位置に配置され、
前記所定の血管は、総頚動脈、外頸動脈、内頸動脈、鎖骨下動脈、腕頭動脈または椎骨動脈である、
請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項4】
少なくとも前記放射線造影部および前記シャフトの境界を被覆するカバーを備える、
請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項5】
右鎖骨下動脈または左鎖骨下動脈を通過して所定の血管に挿入されて医療用デバイスをガイドするカテーテルであって、
少なくとも先端側が体内に挿入される可撓性のシャフトであって、前記医療用デバイスが挿通されるルーメン、および前記シャフトの基端側に設けられるハンドルの操作により曲がった形状となる曲部を有するシャフトと、
前記シャフトにおける前記曲部より先端側に設けられる拡張可能なバルーンと、
前記シャフトに設けられて前記曲部と位置が対応付けられた放射線造影部と、を備える、
カテーテル。