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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008285
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】自動販売機システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240112BHJP
   G07F 9/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07F9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110023
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中谷 俊輔
【テーマコード(参考)】
3E044
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044CB06
3E044DB14
3E044DE01
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】ルートマンが商品入れ替え情報の登録作業を行わなくても商品入れ替え情報の登録ができるとともに、ルートマンの現地における商品入れ替え作業の作業結果と自動販売機への登録内容との食い違いを防止する。
【解決手段】管理サーバ31は、商品入れ替え情報D12を含む訪問計画を携帯端末10に通知するとともに商品入れ替え情報D12を自動販売機1に通知し、自動販売機1は、商品入れ替え情報D12をもとに入れ替えた商品見本に対応する商品選択ボタン番号と商品コードとの検出対情報を検出する商品入れ替え検出部26を有し、検出対情報と、自動販売機1に通知された商品入れ替え情報D12が示す商品選択ボタン番号と商品コードとの指示対情報とを照合し、全ての検出対情報と指示対情報とが一致する場合に商品入れ替え情報を自動販売機主制御部60に登録し、一致しない場合に照合結果を管理サーバ31に通知する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の自動販売機、所定の訪問ルートに従って各自動販売機に対する商品入れ替えを含む商品補充などの作業を行う訪問作業員の携帯端末、及び、前記作業を管理する管理者の端末装置に接続された管理サーバを有した自動販売機システムであって、
前記管理サーバは、商品入れ替え情報を前記携帯端末及び前記自動販売機に通知し、
前記自動販売機は、前記商品入れ替え情報をもとに入れ替えた商品見本に対応する商品選択ボタン番号と商品コードとの検出対情報を検出する商品入れ替え検出部を有し、前記検出対情報と、前記自動販売機に通知された前記商品入れ替え情報が示す商品選択ボタン番号と商品コードとの指示対情報とを照合し、全ての前記検出対情報と前記指示対情報とが一致する場合に前記商品入れ替え情報を前記自動販売機に登録し、一致しない場合に照合結果を前記管理サーバに通知することを特徴とする自動販売機システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、前記検出対情報と前記指示対情報とが一致しない通知を受けた場合、その旨及び不一致内容を前記携帯端末及び/又は前記端末装置に通知することを特徴とする請求項1に記載の自動販売機システム。
【請求項3】
前記自動販売機は、前記検出対情報と前記指示対情報とが一致しない場合、不一致の商品選択ボタン番号に対応する商品選択ボタンにその旨を示す表示を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動販売機システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、前記自動販売機から前記検出対情報と前記指示対情報とが一致しない通知を受けた場合であって前記携帯端末及び/又は前記端末装置から前記検出対情報と前記指示対情報との不一致に対する修正完了通知を受けない場合、その後、前記検出対情報と前記指示対情報との不一致を是正する訪問ルートを作成し、前記携帯端末に通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動販売機システム。
【請求項5】
前記商品見本には、該商品見本の商品コードを示す商品コード情報部を備え、
前記商品入れ替え検出部は、前記商品見本の取付を検知するスイッチと前記商品コード情報部を撮像する撮像部とを備え、該スイッチがオンになると、該スイッチに対応する商品選択ボタン番号を取得するとともに、前記撮像部により前記商品コード情報部を撮像し、前記商品選択ボタン番号と前記商品コードとの検出対情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動販売機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルートマンが商品入れ替え情報の登録作業を行わなくても商品入れ替え情報の登録ができるとともに、ルートマンの現地における商品入れ替え作業の作業結果と自動販売機への登録内容との食い違いを防止することができる自動販売機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機の設置業者である飲料メーカーでは、ルートマンが各自動販売機を巡回して、売上金の回収や釣り銭の補充を行うとともに、商品の補充及び入れ替えを行っている。ここで、自動販売機をオンライン化し、自動販売機の販売数データをもとに自動販売機への商品補充量を把握するものが提案されている。
【0003】
そして、特許文献1,2には、商品補充数をもとに訪問すべき自動販売機の訪問ルートを含む訪問計画を自動生成するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-245234号公報
【特許文献2】特開2013-11990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ルートマンの作業には、商品補充以外に商品入れ替えを行う場合がある。この商品入れ替え作業には、商品自体の入れ替え作業以外に商品見本の入れ替え作業が含まれる。管理サーバから自動販売機に商品入れ替え情報を配信して商品入れ替え作業を行う場合、ルートマンは商品入れ替え作業後、商品入れ替え情報を保持している自動販売機内の通信ユニットに備え付けられたボタンを押下して自動販売機に商品入れ替え情報を登録する作業を行う。このボタンの押下により、商品入れ替え情報が自動販売機主制御部のマスタデータとして登録される。このため、ルートマンが商品入れ替え作業後、ボタンの押下作業を忘れた場合、商品入れ替え作業が実施されているにもかかわらず、商品入れ替え情報が反映されていない販売処理が行われてしまうという問題があった。
【0006】
また、実際に商品コラムに対する商品入れ替え作業を行っていなくても、通信ユニットのボタンの押下作業を行うことが可能となり、この場合も、商品コラム内の商品と、自動販売機主制御部のマスタデータ内に登録された商品とが異なった状態で販売処理が行われてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ルートマンが商品入れ替え情報の登録作業を行わなくても商品入れ替え情報の登録ができるとともに、ルートマンの現地における商品入れ替え作業の作業結果と自動販売機への登録内容との食い違いを防止することができる自動販売機システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の自動販売機、所定の訪問ルートに従って各自動販売機に対する商品入れ替えを含む商品補充などの作業を行う訪問作業員の携帯端末、及び、前記作業を管理する管理者の端末装置に接続された管理サーバを有した自動販売機システムであって、前記管理サーバは、商品入れ替え情報を前記携帯端末及び前記自動販売機に通知し、前記自動販売機は、前記商品入れ替え情報をもとに入れ替えた商品見本に対応する商品選択ボタン番号と商品コードとの検出対情報を検出する商品入れ替え検出部を有し、前記検出対情報と、前記自動販売機に通知された前記商品入れ替え情報が示す商品選択ボタン番号と商品コードとの指示対情報とを照合し、全ての前記検出対情報と前記指示対情報とが一致する場合に前記商品入れ替え情報を前記自動販売機に登録し、一致しない場合に照合結果を前記管理サーバに通知することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の発明において、前記管理サーバは、前記検出対情報と前記指示対情報とが一致しない通知を受けた場合、その旨及び不一致内容を前記携帯端末及び/又は前記端末装置に通知することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記自動販売機は、前記検出対情報と前記指示対情報とが一致しない場合、不一致の商品選択ボタン番号に対応する商品選択ボタンにその旨を示す表示を行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記管理サーバは、前記自動販売機から前記検出対情報と前記指示対情報とが一致しない通知を受けた場合であって前記携帯端末及び/又は前記端末装置から前記検出対情報と前記指示対情報との不一致に対する修正完了通知を受けない場合、その後、前記検出対情報と前記指示対情報との不一致を是正する訪問ルートを作成し、前記携帯端末に通知することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記商品見本には、該商品見本の商品コードを示す商品コード情報部を備え、前記商品入れ替え検出部は、前記商品見本の取付を検知するスイッチと前記商品コード情報部を撮像する撮像部とを備え、該スイッチがオンになると、該スイッチに対応する商品選択ボタン番号を取得するとともに、前記撮像部により前記商品コード情報部を撮像し、前記商品選択ボタン番号と前記商品コードとの検出対情報を取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ルートマンが商品入れ替え情報の登録作業を行わなくても商品入れ替え情報の登録ができるとともに、ルートマンの現地における商品入れ替え作業の作業結果と自動販売機への登録内容との食い違いを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施の形態である自動販売機システムの概要構成を示す模式図である。
図2図2は、商品構成情報の一例を示す図である。
図3図3は、図1に示した自動販売機の外観構成を示す図である。
図4図4は、図1に示した自動販売機システムにおける自動販売機の制御系を示すブロック図である。
図5図5は、商品入れ替え検出部の構成を示す模式図である。
図6図6は、自動販売機による商品入れ替え登録処理手順を示すフローチャートである。
図7図7は、管理サーバによる商品入れ替え不一致通知に対する処理手順を示すフローチャートである。
図8図8は、商品入れ替え検出部の変形例1を説明する説明図である。
図9図9は、商品入れ替え検出部の変形例2を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
【0016】
<自動販売機システムの概要構成>
図1は、本発明の実施の形態である自動販売機システムの概要構成を示す模式図である。この自動販売機システムは、複数の自動販売機1,2の各通信ユニット11,12、所定の訪問ルートRに従って各自動販売機1,2に商品入れ替えを含む商品補充などの作業を行う訪問作業員であるルートマン100の携帯端末10、訪問計画を管理する管理者であるルートマネージャー200の端末装置50に接続される管理サーバ31を有する。ルートマン100の作業には、商品補充の他に、商品入れ替え、故障対応、商品計数、売上締め、売上金回収、釣銭補充などがある。なお、自動販売機1,2は、複数の自動販売機の一例を示している。
【0017】
<訪問の概要処理>
管理サーバ31は、各自動販売機1,2から随時送られる一件明細をもとに商品売上を集計し、各自動販売機1,2に対する商品コラムごとに補充日の前々日までの補充数を集計するとともに、補充日の前日の補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した補充数を算出する。ここで、予測する補充数とは、例えば、過去1か月間の各曜日の売上実績の平均値をもとにした補充数である。
【0018】
そして、管理サーバ31は、訪問計画D4を作成する。この際、訪問ルートR上の自動販売機に商品補充を行う場合、上記の補充数を訪問計画D4に含める。そして、管理サーバ31は、携帯端末10に訪問計画D4を通知する。一方、ルートマン100は、訪問計画D4に商品補充が含まれる場合、設置場所LOの食品管理庫101において、通知された補充数の補充商品を補充日の前日にピッキングして配送車20に積載し、訪問当日に配送車20で各自動販売機1,2を訪問する。これにより、各自動販売機1,2に対する商品補充処理などを行うことができる。
【0019】
商品入れ替えを含む商品補充を行う場合、ルートマン100は、訪問当日に、補充商品が詰め込まれた配送車20を訪問ルートRに沿って巡回し、各自動販売機1,2に対する商品入れ替えを含む商品補充作業を行う。最初の自動販売機1の設置場所LP1の近くの駐車場PP1に配送車20が到着すると、ルートマン100は、配送車20から補充商品の荷卸しを行い、台車40などにより自動販売機1まで補充商品を搬送する。そして、余剰商品や商品入れ替えに伴う引き出し商品を配送車20まで運搬して積載する。そして、ルートマン100は、携帯端末10を介して自動販売機1に対する作業終了通知を管理サーバ31に送る。
【0020】
その後、ルートマン100は、次の自動販売機2の設置場所LP2の近くの駐車場PP2に配送車20が到着すると、自動販売機1に対する商品補充作業と同様の作業を自動販売機2に対して行う。そして、ルートマン100は、携帯端末10を介して自動販売機2に対する作業終了通知を管理サーバ31に送る。
【0021】
<管理サーバ>
管理サーバ31は、クラウド30上のサーバであり、売上算出部32、訪問計画作成部33、管理部34、及びデータベース部36を有する。データベース部36は、自販機データD1、売上データD2、自販機在庫データD3、訪問計画D4を有する。自販機データD1は、自動販売機1,2の静的な情報であり、自動販売機1,2の設置場所、商品構成情報D11などを記憶する。売上データD2は、自動販売機1,2から送られる一件明細をもとに売上を更新して記憶する。自販機在庫データD3は、各自動販売機の動的な在庫情報であり、例えば、自動販売機ごと、商品名、在庫数、補充数がほぼリアルタイムで随時更新される。在庫数は、自動販売機から送られる一件明細をもとに更新し、補充数はルートマン100による商品入れ替えを含む商品補充の完了の際、携帯端末10あるいは通信ユニット11,12を介して通知されて更新される。訪問計画D4は、訪問ルート、訪問日、訪問数、配送車、商品積み込み数(ピッキング数)、商品入れ替え情報、補充作業時間、移動時間などが含まれる。訪問計画D4は、訪問日前々日までに携帯端末10に通知され、ルートマン100は、訪問日前日に、商品の補充数をもとに、食品管理庫101において商品をピッキングして配送車20に積み込む。商品入れ替え作業を行う場合、入れ替える商品見本を積み込む。
【0022】
商品構成情報D11は、各自動販売機の情報であり、図2に示すように、商品コード、冷温設定、商品コラム番号、商品価格、商品選択ボタン番号、商品販売期間などであり、商品入れ替え情報は、入れ替える商品に関する商品構成情報D11の一部である。
【0023】
売上算出部32は、逐次、自動販売機側から送られる一件明細をもとに売上データD2を算出する。この売上データD2により自販機在庫データD3も更新される。なお、売上算出部32は、過去の売上データD2及び外部から取得したイベントデータなどをもとに、商品の需要を予測する機能も有する。
【0024】
訪問計画作成部33は、補充数の多い自動販売機を優先した訪問ルートRの訪問計画を作成して、訪問前々日までに携帯端末10に通知する。商品入れ替えを行う場合、商品入れ替え情報を含む訪問計画を作成する。
【0025】
管理部34は、商品入れ替えを含む訪問計画を携帯端末10に通知した場合、商品入れ替え作業を行う自動販売機に予め商品入れ替え情報を配信しておく。配信された商品入れ替え情報は、自動販売機の通信ユニット11,12に保持される。
【0026】
<自動販売機>
図3は、図1に示した自動販売機1の外観構成を示す図である。また、図4は、図1に示した自動販売機システムにおける自動販売機1の制御系を示すブロック図である。図3に示すように、自動販売機1は、本体キャビネット1aの前面開口を閉塞する外扉1bが配置される。
【0027】
外扉1bの前面右側中程には、ポップアップハンドル111が設けてある。ポップアップハンドル111は、外扉1bを閉塞した状態で施錠するためのものである。自動販売機1は、外扉1bを閉塞した状態でポップアップハンドル111を押し込むことにより施錠され、解錠操作するとポップアップハンドル111がポップアップ(突出)することにより、外扉1bの開放操作が可能となる。
【0028】
また、外扉1bの前面上部域には、展示室112が設けてある。展示室112は、自動販売機1が販売する商品の商品見本DMを展示するためのものである。展示室112は、外扉1bの後方側に開閉可能に取り付けられた中扉と外扉1bの前面側に嵌め込んだ透明な電照板114とにより画成され、利用者が自動販売機1の前面側から展示室112の内部を視認可能である。
【0029】
展示室112の内部には、商品を展示するためのステージ115が上下方向に三つ並べて設置してあり、それぞれのステージ115において商品見本DMが横並びに展示される。
【0030】
商品選択ボタン23は、商品を選択するためのもので、商品見本DMと対応するように、複数の商品選択ボタン23を備えている。なお、各商品選択ボタン23は、LED表示が可能であり、投入金額に対して商品購入が可能な商品に対応する場合、点灯表示される。また、商品選択ボタン23は、キャッシュレス決済の場合、商品選択ボタン23の押下に連動して点灯表示される。
【0031】
また、展示室112の下方となる外扉1bの中程には、硬貨投入口81、紙幣挿入口83、表示部25、返却レバー82、電子マネーリーダライタ76が設けてある。なお、表示部25は、販売中、釣り切れ、準備中、お札中止のほか、投入金額、各種設定時の情報等の各種情報を表示するためのものである。
【0032】
また、外扉1bの下方となる位置には、取出口84が設けてある。取出口84は、商品収納ラックから搬出された商品を取り出すための開口である。
【0033】
また、外扉1bの内側には、リモコン75が配設してある。リモコン75は、各種設定操作、各種売上データの確認操作を行うためのもので、書込みキーや終了キーなどの操作キーのほか、各種設定データや確認データが表示される液晶表示器を備えている。リモコン75から設定入力された設定データは、自動販売機主制御部60に送信される。そして、リモコン75は、この自動販売機主制御部60から送信された確認データを受信する。
【0034】
<自動販売機の制御系>
図4に示すように、自動販売機1は、自動販売機主制御部60を有し、自動販売機主制御部60には、通信ユニット11、本体制御部70、冷熱装置71、搬出装置72、コインメカニズム73、ビルバリデータ74、リモコン75、電子マネーリーダライタ76、商品選択ボタン23、商品情報表示部24、表示部25が接続される。また、自動販売機1は、商品入れ替え検出部26を有し、通信ユニット11に接続される。
【0035】
商品情報表示部24は、各商品選択ボタン23の上部に、各商品選択ボタン23に対応して設けられ、価格表示や冷温設定、販売停止や売切などを表示するデバイスである。なお、各商品情報表示部24の機能は、各商品選択ボタン23に集約してもよい。
【0036】
通信ユニット11は、例えばLTE(登録商標)などの通信方式により、クラウド30上の管理サーバ31に接続する通信インタフェースであるとともに、通信処理を行った各種情報を保持する機能を有する。特に、通信ユニット11は、商品入れ替えがある場合、管理サーバ31から配信された商品入れ替え情報D12を保持し、商品入れ替え検出部26が検出した商品選択ボタン番号と商品コードとの検出対情報と、自動販売機1に通知された商品入れ替え情報D12が示す商品選択ボタン番号と商品コードとの指示対情報とを照合し、全ての検出対情報と指示対情報とが一致する場合に商品入れ替え情報D12を自動販売機主制御部60の自動販売機構成情報D10の一部として登録し、一致しない場合に照合結果を管理サーバ31に通知する処理を行う。
【0037】
なお、通信ユニット11は、WiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などの近距離通信機能をさらにもたせてもよい。
【0038】
本体制御部70には、冷熱装置71、搬出装置72が接続される。本体制御部70は、自動販売機主制御部60の制御のもと、冷熱装置71、搬出装置72を制御する。
【0039】
冷熱装置71は、本体キャビネット内の商品収納庫を設定された状態に管理するためのものである。冷熱装置71は、冷却設定された商品収納庫の内部を冷却する一方、加温設定された商品収納庫の内部を加温する。
【0040】
搬出装置72は、ラックごとに設けられたベンドソレノイド、売切スイッチを管理するためのものである。本体制御部70は、自動販売機主制御部60から送信された搬出命令に従ってラックから商品を搬出する。また、搬出装置72は、ラックに収納された商品のすべてを搬出した場合に売切信号を本体制御部70に出力する。
【0041】
自動販売機主制御部60は、販売制御部61、管理部62及び記憶部63を有する。販売制御部61は、商品選択ボタン23によって選択された商品の払い出し、決済処理等を行う。また、自動販売機主制御部60は、通信ユニット11を介して管理サーバ31との間で、売上データ、設定データなどの通知やダウンロードを行う。
【0042】
管理部62は、上記の売上データ、設定データなどの通知やダウンロードの管理を行う。記憶部63は、自動販売機構成情報D10を有する。自動販売機構成情報D10は、自動販売機1の商品構成情報D11である。
【0043】
<商品入れ替え検出部>
図5は、商品入れ替え検出部26の構成を示す模式図である。図5に示すように、商品入れ替え検出部26は、スイッチSWと撮像部としての撮像カメラ28とを含み、スイッチSWと撮像カメラ28とが商品入れ替え検出部26に接続される。
【0044】
スイッチSWは、電照板114と中扉1cとの間に配置される商品見本DMがステージ115に取り付けられるのを検出するスイッチであり、ステージ115の挿入部115aの側面に取り付けられる。また、撮像カメラ28は、取り付けられる商品見本DMに貼付あるいは印刷された商品コードを示す商品コード情報部D20を撮像する。商品コード情報部D20は、例えば、QRコード(登録商標)などの図形化情報である。商品見本DMは、例えば半円筒状であり、商品コード情報部D20は、商品見本DMの裏面に配置される。このため、撮像カメラ28は、商品コード情報部D20を撮像できる位置に配置される。
【0045】
商品入れ替え検出部26は、スイッチSWが商品見本DMの挿入部115aへの挿入を検出してオンになると、撮像カメラ28を起動して商品コード情報部D20を撮像させて撮像画像を取得する。商品入れ替え検出部26は、オンになったスイッチSWに対応する商品選択ボタン番号と、撮像画像から読み取った商品コードとの検出対情報を取得して通信ユニット11に逐次送信する。
【0046】
通信ユニット11は、受信した検出対情報と、商品入れ替え情報D12が示す商品選択ボタン番号と商品コードとの指示対情報とを照合し、全ての検出対情報と指示対情報とが一致する場合に商品入れ替え情報D12を自動販売機主制御部60の自動販売機構成情報D10の一部として登録し、一致しない場合に照合結果を管理サーバ31に通知する。また、通信ユニット11は、検出対情報と指示対情報とが一致しない場合、自動販売機主制御部60を介して、一致しない商品選択ボタン23を赤色点灯などにより、一致しない旨を表示し、ルートマン100に不一致を知らしめる。なお、通信ユニット11は、検出対情報と指示対情報とが一致しない場合、管理サーバ31に通知し、管理サーバ31は、ルートマン100の携帯端末10及び/又は端末装置50に検出対情報と指示対情報との不一致を通知する。
【0047】
<商品入れ替え登録処理>
図6は、自動販売機1による商品入れ替え登録処理手順を示すフローチャートである。図6に示すように、自動販売機1の通信ユニット11は、管理サーバ31から配信された商品入れ替え情報D12を受信し(ステップS101)、保持する。
【0048】
その後、ルートマン100による商標見本の入れ替え作業ごとに、商品入れ替え検出部26は、検出対情報を逐次取得して通信ユニット11に送信する(ステップS102)。その後、通信ユニット11は、検出対情報と指示対情報とを照合する(ステップS103)。そして、通信ユニット11は、全ての検出対情報と指示対情報とが一致するか否かを判定する(ステップS104)。
【0049】
通信ユニット11は、全ての検出対情報と指示対情報とが一致する場合(ステップS104:Yes)、商品入れ替え情報D12を自動販売機主制御部60の自動販売機構成情報D10の一部として登録し(ステップS105)、本処理を終了する。
【0050】
一方、全ての検出対情報と指示対情報とが一致していない場合(ステップS104:No)、すなわち、少なくとも1つの検出対情報と指示対情報とが一致していない場合、通信ユニット11は、不一致情報を管理サーバ31に通知するとともに、自動販売機主制御部60を介して、不一致の商品選択ボタン23に対してその旨を示す表示を行わせ(ステップS106)、本処理を終了する。
【0051】
なお、通信ユニット11は、照合が一致した検出対情報に対する商品コラム番号を問い合わせ、商品コード及び商品選択ボタン番号のみならず、対応する商品コラム番号を自動販売機主制御部60に問い合わせ、これら全ての商品入れ替え情報D12に一致しているか否かを確認するようにしてもよい。また、その他の商品入れ替え情報D12、例えば、冷温設定や商品価格などを含めた一致を確認するようにしてもよい。
【0052】
また、通信ユニット11は、1つの商品選択ボタン番号に複数の商品コラム番号が対応している場合、複数の全ての商品コラム番号に対する検出対情報が一致していない場合は、不一致とし、一致していない商品選択ボタン23に不一致を示す旨の表示を行う。
【0053】
さらに、上記の実施の形態では、全ての検出対情報を検出して、全ての検出対情報が指示対情報に一致しているか否かを判定していたが、検出対情報の検出の都度、一致するか否かを判定するようにしてもよい。
【0054】
<商品入れ替え不一致通知に対する処理>
図7は、管理サーバ31による商品入れ替え不一致通知に対する処理手順を示すフローチャートである。図7に示すように、まず、管理サーバ31は、自動販売機1から不一致通知があったか否かを判定する(ステップS201)。不一致通知がない場合(ステップS201:No)、そのまま本処理を終了する。
【0055】
不一致通知があった場合(ステップS201:Yes)、不一致情報を携帯端末10及び/又は端末装置50に通知する(ステップS202)。管理サーバ31は、その後、携帯端末10あるいは端末装置50から、不一致の修正完了通知があったか否かを判定する(ステップS203)。
【0056】
管理サーバ31は、不一致の修正完了通知があった場合(ステップS203:Yes)、そのまま本処理を終了し、不一致の修正完了通知がなかった場合(ステップS203:No)、不一致を修正するための訪問計画を作成するとともに、この訪問計画を携帯端末10及び/又は端末装置50に通知し(ステップS204)、本処理を終了する。なお、本処理は、所定期間ごとに繰り返し行う。
【0057】
<変形例1>
図8は、商品入れ替え検出部26の変形例1を説明する説明図である。本変形例1では、商品コード情報部として、商品見本DMに商品コードを示す切り込みを設けている。商品コードは14桁の整数であるが、これを図8に示すように47ビットの2進数に変換し、この2進数に対応する凹凸の切り込みを商品見本DMに形成しておく。撮像カメラ28は、この切り込みの凹凸を検出することにより、商品コードを取得する。
【0058】
<変形例2>
図9は、商品入れ替え検出部26の変形例2を説明する説明図である。本変形例2では、商品コード情報部D21として、実施の形態の商品コード情報部D20と同様な図形化情報を商品見本DMの前面に配置している。そして、撮像カメラ28に対応する撮像カメラ91,92は、自動販売機1の天面に設けて前面に延びる庇部90の下面に設けられる。
【0059】
撮像カメラ91,92は、自動販売機1の電照板114を俯瞰して、複数の商品コード情報部D21及び複数の商品選択ボタン23を撮像し、各商品コード情報部D21の内容及び配置、並びに各商品選択ボタン23の配置を取得し、これらの配置情報をもとに、商品コード情報部D21が示す商品コードと、商品選択ボタ番号との対応関係を取得する。
【0060】
本実施の形態及び変形例によれば、商品入れ替え検出部26が商品見本DMの入れ替えを検出するのみで、検出対情報と指示対情報とが一致する場合に、自動で商品入れ替え情報の登録が行われるので、ルートマン100による商品入れ替え情報の登録作業がなくなり、商品入れ替え作業時における商品入れ替え情報の登録忘れをなくすことができ、しかも、ルートマンの現地における商品入れ替え作業の作業結果と自動販売機への登録内容との食い違いを防止することができる。
【0061】
また、通信ユニット11は、検出対情報と指示対情報とが不一致の場合、不一致情報が携帯端末10あるいは端末装置50に通知されるとともに、不一致の商品選択ボタンが不一致である旨を表示するようにしているので、商品入れ替え作業の間違いを迅速に認識でき、ルートマンの現地における商品入れ替え作業の作業結果と自動販売機への登録内容との食い違いを防止することができる。
【0062】
さらに、ルートマンの現地における商品入れ替え作業の作業結果と自動販売機への登録内容との食い違いが修正されない場合、管理サーバ31がこれを修正するための訪問計画を作成して携帯端末10あるいは端末装置50に通知するようにしているので、食い違いを確実に修正することができる。
【0063】
なお、通信ユニット11のボタンではなく、リモコン75を用いた商品入れ替え情報の登録作業を行う場合も、本実施の形態及び変形例を適用することにより、登録作業を行う必要がない。
【0064】
また、上述した実施の形態及び変形例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置及び構成要素の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0065】
1,2 自動販売機
1a 本体キャビネット
1b 外扉
1c 中扉
10 携帯端末
11,12 通信ユニット
20 配送車
23 商品選択ボタン
24 商品情報表示部
25 表示部
26 商品入れ替え検出部
28,91,92 撮像カメラ
30 クラウド
31 管理サーバ
32 売上算出部
33 訪問計画作成部
34,62 管理部
36 データベース部
40 台車
50 端末装置
60 自動販売機主制御部
61 販売制御部
63 記憶部
70 本体制御部
71 冷熱装置
72 搬出装置
73 コインメカニズム
74 ビルバリデータ
75 リモコン
76 電子マネーリーダライタ
81 硬貨投入口
82 返却レバー
83 紙幣挿入口
84 取出口
90 庇部
100 ルートマン
101 食品管理庫
111 ポップアップハンドル
112 展示室
114 電照板
115 ステージ
115a 挿入部
200 ルートマネージャー
D1 自販機データ
D2 売上データ
D3 自販機在庫データ
D4 訪問計画
D10 自動販売機構成情報
D11 商品構成情報
D12 商品入れ替え情報
D20,D21 商品コード情報部
DM 商品見本
LO,LP1,LP2 設置場所
PP1,PP2 駐車場
R 訪問ルート
SW スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9