(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082866
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、実装システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/00 20060101AFI20240613BHJP
H05K 13/08 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
H05K13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197037
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 諭
(72)【発明者】
【氏名】山中 大輔
(72)【発明者】
【氏名】森 大輔
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353AA01
5E353CC01
5E353CC04
5E353CC23
5E353CC25
5E353CC30
5E353EE34
5E353EE36
5E353EE37
5E353GG02
5E353HH01
5E353HH13
5E353HH25
5E353HH40
5E353HH71
5E353HH80
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353LL01
5E353LL04
5E353LL06
5E353QQ03
(57)【要約】
【課題】生産ラインの稼働率の低下をより低減する。
【解決手段】情報処理装置は、部材を装着する装着部を1以上備え処理対象物に部品を実装する処理に関連する1以上の実装関連装置と、実装関連装置へ移動し部材を実装関連装置の装着部に自動着脱する移動型作業装置と、を含み実装関連装置により生産ラインを構成する実装システムに用いられる。この情報処理装置は、移動型作業装置による部材の装着が間に合わないときに、装着すべき部材がある現在位置とこの部材を装着する装着位置とを含む作業情報を作業者へ報知させる制御部、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材を装着する装着部を1以上備え処理対象物に部品を実装する処理に関連する1以上の実装関連装置と、前記実装関連装置へ移動し前記部材を前記実装関連装置の装着部に自動着脱する移動型作業装置と、を含み前記実装関連装置により生産ラインを構成する実装システムに用いられる情報処理装置であって、
前記移動型作業装置による前記部材の装着が間に合わないときに、装着すべき部材がある現在位置と該部材を装着する装着位置とを含む作業情報を作業者へ報知させる制御部、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記部材の準備エリア、前記生産ラインとは異なる他の生産ライン、前記生産ラインに配設され前記部材を着脱可能に構成された前記実装関連装置としての保管装置、前記実装関連装置としての実装装置が備える前記装着部に含まれる前記部品を採取可能な実装用装着部及び前記装着部に含まれる前記部品を採取できないバッファ用装着部のうち1以上の位置を前記現在位置として含む前記作業情報を報知させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、装着が間に合わない前記部材を装着する実装関連装置において前記作業情報を作業者へ報知させる、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記現在位置の情報と前記装着位置の情報と、前記作業者が前記部材を前記装着部に装着する旨の情報とを含む報知画面を表示部に表示させる、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記部材の装着が間に合わない実装関連装置のうち優先して前記部材を装着させる前記実装関連装置を抽出し、抽出された該実装関連装置に配設されたシグナルタワーを点灯させる、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記移動型作業装置による前記部材の装着が間に合わないときに、前記移動型作業装置の作業リストに基づいて、前記移動型作業装置の動作範囲と前記作業者の作業範囲とを分け、前記作業者が作業する前記作業情報を作業者へ報知させる、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記実装システムは、前記生産ラインに配設され前記部材を着脱可能に構成され該部材を保管する保管装置と、前記部品を採取可能な実装用装着部及び前記部品を採取できないバッファ用装着部とを含む前記装着部を備えた実装装置とを前記実装関連装置として含み、
前記制御部は、前記作業リストにおいて前記保管装置と前記実装装置との間で前記移動型作業装置が移動を伴うときは該装置間を前記動作範囲とすると共に該装置間以外の前記実装関連装置を前記作業範囲とし該実装関連装置における前記現在位置と前記装着位置とを含む前記作業情報を報知させる一方、前記作業リストにおいて前記保管装置と前記実装装置との間で前記移動型作業装置が移動を伴わないときは、その範囲を前記動作範囲とすると共に該動作範囲以外の該装置間をも含む範囲を前記作業範囲とし該作業範囲内の前記実装関連装置の前記現在位置と前記装着位置とを含む前記作業情報を報知させる、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
部材を装着する装着部を1以上備え処理対象物に部品を実装する処理に関連する1以上の実装関連装置と、
前記実装関連装置へ移動し前記部材を前記実装関連装置の装着部に自動着脱する移動型作業装置と、
請求項1又は2に記載の情報処理装置と、
を備えた実装システム。
【請求項9】
前記移動型作業装置は、複数の前記実装関連装置の間で移動し前記部材を前記装着部に自動着脱するローダ及び/又は前記部材の準備エリアと前記生産ラインとの間で前記部材を移動する自動搬送車である、請求項8に記載の実装システム。
【請求項10】
部材を装着する装着部を1以上備え処理対象物に部品を実装する処理に関連する1以上の実装関連装置と、前記実装関連装置へ移動し前記部材を前記実装関連装置の装着部に自動着脱する移動型作業装置と、を含み前記実装関連装置により生産ラインを構成する実装システムに用いられるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
前記移動型作業装置による前記部材の装着が間に合わないときに、装着すべき部材がある現在位置と該部材を装着する装着位置とを含む作業情報を作業者へ報知させるステップ、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、情報処理装置、実装システム及び情報処理方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、基板などの処理対象物に対して部品を実装する実装システムでは、複数の実装機を有する実装ラインと実装機で用いられる部材を搬送して実装機に供給する移動型作業装置と、移動型作業装置によって部材が実装機へ供給されない場合に警告を報知する報知部とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1など参照)。この装置では、部材が実装機へ供給されないことを報知することによって、実装ラインの稼働率の低下を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1では、移動型作業装置による部材の供給が停滞した場合に、警告を報知して、作業者がその部材を供給するものとすることができるが、情報が足りないため、作業者の作業効率をより向上させることが課題としてあった。上述した生産ラインでは、稼働率の低下を抑制することができるが、まだ十分でなく、稼働率の向上が求められていた。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、生産ラインの稼働率の低下をより低減することができる情報処理装置、実装システム及び情報処理方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示する情報処理装置、実装システム及び情報処理方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の情報処理装置は、
部材を装着する装着部を1以上備え処理対象物に部品を実装する処理に関連する1以上の実装関連装置と、前記実装関連装置へ移動し前記部材を前記実装関連装置の装着部に自動着脱する移動型作業装置と、を含み前記実装関連装置により生産ラインを構成する実装システムに用いられる情報処理装置であって、
前記移動型作業装置による前記部材の装着が間に合わないときに、装着すべき部材がある現在位置と該部材を装着する装着位置とを含む作業情報を作業者へ報知させる制御部、
を備えたものである。
【0008】
この情報処理装置では、装着すべき部材がある現在位置と、この部材を装着する装着位置とが作業者へ報知されるため、作業者は、移動型作業装置に代わって、この部材を装置へ装着することができる。この情報処理装置では、生産ラインの稼働率の低下をより低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】実装装置15及びローダ18の構成の概略を示す説明図。
【
図4】実装処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【
図5】自動交換管理処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【
図6】生産ライン11の動作範囲71と作業範囲72との一例の説明図。
【
図8】交換ラッシュ時が経過する際の作業リスト46の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。
図1は、本開示である実装システム10の一例を示す概略説明図である。
図2は、実装装置15及び移動型作業装置であるローダ18の構成の概略を示す説明図である。
図3は、管理装置40の記憶部43に記憶された作業リスト46の一例を示す説明図である。なお、本実施形態において、左右方向(X軸)、前後方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)は、
図1~2に示した通りとする。
【0011】
実装システム10は、部品Pを処理対象物としての基板Sに実装する処理を実行する複数の生産ライン11A~11Cを含んで構成されている。なお、ここでは、処理対象物を基板Sとして説明するが、部品を実装するものであれば特に限定されず、3次元形状の基材としてもよい。また、ここでは、生産ライン11A~11Cを生産ライン11と総称する。この実装システム10は、例えばLANなどのネットワーク99に接続された生産ライン11と、ネットワーク99に接続され生産ライン11の全体の情報を管理する統括装置60とを備えている。生産ライン11は、印刷装置12と、印刷検査装置13と、保管装置14と、実装装置15と、図示しない実装検査装置、リフロー装置及びリフロー検査装置、基板搬送装置などが含まれている。また、生産ライン11には、自動搬送車16や、移動型作業装置としてのローダ18、管理装置40などが含まれて構成されている。これらの装置は、生産エリアに配置されている。また、この生産ライン11には、生産エリアのほか、フィーダ17など、実装処理に関する部材を準備する準備エリア19などがある。
【0012】
印刷装置12は、基板Sにはんだペーストなどの粘性流体を印刷する装置である。印刷検査装置13は、印刷されたはんだや基板Sの状態を検査する装置である。実装検査装置は、基板Sに配置された部品Pの状態を検査する装置である。
【0013】
保管装置14は、
図1に示すように、生産ライン11に配設され、実装装置15で用いられる部品供給装置としてのフィーダ17を一時的に着脱可能に保管する保管場所である。保管装置14は、基板Sを搬送する搬送装置と、生産ライン11の情報を管理する管理装置40とを有し、印刷検査装置13と実装装置15との間に設けられている。保管装置14は、供給部27と同様の装着部を有している。フィーダ17がこの装着部に接続されると、フィーダ17のコントローラは、保管装置14に接続された管理装置40へフィーダ17の情報を出力する。なお、保管装置14では、自動搬送車16によりフィーダ17が運ばれるほか、作業者Mによりフィーダ17が運ばれてもよい。
【0014】
管理装置40は、保管装置14などに保管されたフィーダ17の管理を行う装置として構成されており、保管装置14の近傍に配設されている。管理装置40は、ローダ18が実行する実行データなどを記憶し、保管装置14やローダ18を管理する。管理装置40は、
図1に示すように、管理制御部41と、記憶部43と、通信部47と、表示部48と、入力装置49とを備えている。管理制御部41は、CPU42を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。記憶部43には、保管装置14やローダ18を制御するために用いられる情報として、複数の実装条件情報44や、フィーダ17の交換に関する交換管理情報45などが記憶されている。実装条件情報44は、特定の基板Sを生産する実装処理に関する情報を含み、統括装置60から送信されて記憶部43に記憶される。交換管理情報45は、交換を要するフィーダ17の交換用の新たなフィーダ17の現在位置とそれを装着する装着位置との情報を含む。この交換管理情報45には、ローダ18が実行する作業内容を含む作業リスト46が含まれている。作業リスト46は、
図3に示すように、新たなフィーダ17への交換予定時刻と、フィーダ17が有する部品Pの種別の情報と、交換用のフィーダ17の現在位置と、この交換用のフィーダ17を装着する交換先としての装着位置と、時間的にローダ18による自動配膳が可能であるか否かを示す情報とが対応付けられている。なお、作業リスト46において、Mはモジュール、BSは保管装置14を表す。通信部47は、実装装置15やローダ18などの外部機器との通信を行うインタフェースである。表示部48は、各種情報を表示する液晶画面である。入力装置49は、作業者Mが各種指令を入力するキーボード及びマウス等を含む。
【0015】
実装装置15は、部品Pを採取して基板Sへ配置する装置である。実装装置15は、
図2に示すように、実装制御部21と、記憶部23と、基板処理部26と、供給部27と、実装部30と、撮像部34と、操作パネル35と、シグナルタワー36と、通信部37とを備える。実装制御部21は、
図2に示すように、CPU22を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。この実装制御部21は、基板処理部26や供給部27、実装部30、撮像部34、操作パネル35、シグナルタワー36へ制御信号を出力する一方、基板処理部26や供給部27、実装部30、操作パネル35からの信号や撮像部34からの撮像画像を入力する。記憶部23には、実装条件情報24などが記憶されている。実装条件情報24は、生産ジョブであり、部品Pの情報や部品Pを基板Sへ実装する配置順、配置位置などの情報が含まれている。この実装条件情報24は、実装効率と装着部数とをバランスさせたフィーダ17の装着位置の情報を統括装置60が作成し、統括装置60から送信されて記憶部23に記憶される。
【0016】
基板処理部26は、基板Sの搬入、搬送、実装位置での固定、搬出を行うユニットである。基板処理部26は、前後方向に間隔を開けて設けられ左右方向に架け渡された1対のコンベアベルトを有している。基板Sはこのコンベアベルトにより搬送される。基板処理部26は、このコンベアベルトを2対備えており、同時に2つの基板Sを搬送固定することができる。
【0017】
供給部27は、実装部30へ部品Pを供給するユニットである。この供給部27は、部品供給装置としてのフィーダ17を1以上の装着部に装着している。供給部27は、実装装置15の前方に、フィーダ17を装着可能な上下2つの装着部を有する。上段は実装部30が部品を採取可能な実装用装着部28であり、下段は実装部30が部品を採取できないバッファ用装着部29である。ここでは、実装用装着部28及びバッファ用装着部29を装着部と総称する。実装用装着部28は、実装ヘッド32によって部品が採取されるフィーダ17が装着される。また、実装用装着部28は、空きがあるときには、次の生産に使用する段取替え用のフィーダ17などが事前に配膳される。バッファ用装着部29は、次に使用されるフィーダ17や、使用後のフィーダ17を一時的に保管するときに用いられる。このバッファ用装着部29には、部品切れで交換する補給用のフィーダ17や次の生産に使用する段取替え用のフィーダ17などが事前に配膳される。この供給部27は、所定間隔でX方向に複数配列されフィーダ17が挿入されるスロット38と、フィーダ17の先端に設けられたコネクタが挿入される接続部39とを備えた装着部が配設されている。なお、この供給部27では、例えば、実装用装着部28には#1~50のスロット番号が付与され、バッファ用装着部29には#51~100のスロット番号が付与されている。
【0018】
実装部30は、部品Pを供給部27から採取し、基板処理部26に固定された基板Sへ配置するユニットである。実装部30は、ヘッド移動部31と、実装ヘッド32と、採取部材33とを備えている。ヘッド移動部31は、ガイドレールに導かれてXY方向へ移動するスライダと、スライダを駆動するモータとを備えている。実装ヘッド32は、1以上の部品Pを採取してヘッド移動部31によりXY方向へ移動するものである。この実装ヘッド32は、スライダに取り外し可能に装着されている。実装ヘッド32の下面には、1以上の採取部材33としてのノズルが取り外し可能に装着されている。ノズルは、負圧を利用して部品Pを採取するものである。なお、部品Pを採取する採取部材33は、ノズルのほか、部品Pを機械的に保持するメカニカルチャックなどとしてもよい。
【0019】
撮像部34は、実装ヘッド32に採取され保持された1以上の部品Pの画像を下方から撮像する装置である。撮像部34は、部品Pを採取した実装ヘッド32が撮像部34の上方を通過する際、部品Pの画像を撮像し、撮像画像を実装制御部21へ出力する。実装制御部21は、この撮像画像を用いて、部品Pの採取状態を検出する。操作パネル35は、画面を表示する表示部と、作業者からの入力操作を受け付ける操作部との機能を備えたタッチパネルとして構成されており、実装装置15の作動状態や設定状態を画面表示する。
シグナルタワー36は、複数色のランプ(例えば、緑、黄色、赤など)を備えており、装置や処理対象の状態に応じて所定の態様(例えば、点灯色ごとの点灯、点滅、消灯など)で点灯される。通信部37は、管理装置40や統括装置60などの外部機器と情報のやりとりを行うインタフェースである。
【0020】
自動搬送車16は、実装システム10で用いられる部材、例えば、実装装置15が用いるフィーダ17の搬送を行う。この自動搬送車16は、フィーダ17などを準備エリア19と保管装置14との間、あるいは、準備エリア19と実装装置15との間、ある実装ラインの保管装置と別の実装ラインの保管装置との間、で自動搬送する。あるいはある実装装置と別の実装装置との間で自動搬送してもよい。自動搬送車16は、準備エリア19に配設された準備装置75や、保管装置14の装着部へフィーダ17を着脱可能に構成されている。なお、自動搬送車16は、装着部を複数備えた収容体ごとフィーダ17を取り替えるものとしてもよい。この自動搬送車16は、予め定められた走路を移動するAGV(Automatic Guided Vehicle)としてもよいし、周囲を検知して自由なルートで目的地まで移動するAMR(Autonomous Mobile Robot)としてもよい。
【0021】
ローダ18は、移動型作業装置であり、生産ライン11の正面の移動領域内(
図1の点線参照)で移動し、実装装置15のフィーダ17を自動で回収及び補給する装置である。このローダ18は、
図2に示すように、移動制御部50と、記憶部52と、収容部54と、交換部55と、移動部56と、通信部57とを備えている。移動制御部50は、CPU51を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。この移動制御部50は、フィーダ17を供給部27から回収し又はフィーダ17を供給部27へ補給し、フィーダ17を保管装置14と実装装置15との間、あるいは、実装用装着部28とバッファ用装着部29との間、あるバッファ用装着部と別のバッファ用装着部との間、ある実装用装着部と別の実装用装着部との間で移動させるよう装置全体を制御する。記憶部52は、例えばHDDなど、処理プログラムなど各種データを記憶するものである。収容部54は、フィーダ17を収容する収容空間を有する。この収容部54は、例えば、4つのフィーダ17を収容可能に構成されている。交換部55は、フィーダ17を出し入れすると共に上下段に移動させる機構である(
図2参照)。交換部55は、フィーダ17をクランプするクランプ部と、クランプ部をY軸方向(前後方向)に移動させるY軸スライダと、クランプ部をZ軸方向(上下方向)に移動させるZ軸スライダとを有している。交換部55は、実装用装着部28でのフィーダ17の装着及び装着解除と、バッファ用装着部29でのフィーダ17の装着及び装着解除を実行する。移動部56は、実装装置15の正面に配設されたX軸レール20に沿ってローダ18をX軸方向(左右方向)へ移動させる機構である。通信部57は、管理装置40や実装装置15などの外部機器と情報のやりとりを行うインタフェースである。このローダ18は、現在位置や実行した作業内容を管理装置40へ出力する。
【0022】
準備エリア19には、部品を収容し実装装置15に装着されるリールを保管するリール収納装置や、準備したフィーダ17を収容する準備装置75などが配置されており、在庫部品が保管されている。準備エリア19には、ネットワーク99に接続され、準備エリア19での情報を管理する準備PC70が配設されている。リールには、部品を収容したテープが巻き付けられている。作業者Mは、部品Pを有するリールに識別子(ID)を貼付したのち、識別子(ID)が付されたフィーダ17に装着し、それらの識別子を対応付ける作業などを行う。準備エリア19では、フィーダ17が準備され、保管される。準備エリア19では、近日中に使用される部品Pを収容したテープをフィーダ17のまま保管してもよいし、使用予定のないテープではリールをフィーダ17から取り外した状態で保管してもよい。作業者Mは、基板の生産開始前などに、リールをフィーダ17に取り付け自動搬送車16によって保管装置14へ移動させる。
【0023】
統括装置60は、実装システム10の各装置が用いる情報、例えば、実装条件情報65を複数含むデータベースとしての生産計画情報64などを作成、管理するサーバとして構成されている。統括装置60は、
図1に示すように、統括制御部61と、記憶部63と、通信部67と、表示部68と、入力装置69とを備えている。統括制御部61は、CPU62を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。記憶部63には、実装システム10で用いられる情報として、生産計画情報64が記憶されている。この生産計画情報64には、実装システム10が基板Sを生産するために必要な複数の実装条件情報65が含まれる。実装条件情報65は、実装条件情報24,44と同様の情報である。通信部67は、外部機器との通信を行うインタフェースである。表示部68は、各種情報を表示する液晶画面である。入力装置69は、作業者Mが各種指令を入力するキーボード及びマウス等を含む。
【0024】
次に、こうして構成された本実施形態の実装システム10の動作、まず、実装装置15が部品Pを基板Sへ実装する処理について説明する。
図4は、実装装置15が備える実装制御部21のCPU22により実行される実装処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、実装装置15の記憶部23に記憶され、作業者Mによる開始指示により実行される。このルーチンを開始すると、まず、CPU22は、今回生産する基板Sの実装条件情報24を読み出して取得する(S100)。CPU22は、統括装置60から取得して記憶部23に記憶された実装条件情報24を読み出すものとする。次に、CPU22は、基板処理部26によって基板Sを実装位置まで搬送、固定させ(S110)、実装ヘッド32によって部品Pを採取させる(S120)。次に、CPU22は、部品Pの消費数などを含む部品情報の部品Pの使用数を更新し、更新した部品情報を管理装置40へ出力する(S130)。
【0025】
次に、CPU22は、採取中の部品Pを撮像部34に撮像させ、部品Pの採取状態を取得し(S140)、採取状態が許容範囲内であれば、ヘッド移動部31及び実装ヘッド32によって、部品Pを基板Sへ配置させる(S150)。なお、部品Pの採取状態が許容範囲外の場合は、CPU22は、部品Pを廃棄し、直後又は事後に部品Pの再採取を実行する。続いて、CPU22は、この基板Sに配置すべき次の部品Pの有無を判定し(S160)、次の部品Pがあるときには、S120以降の処理、即ち、部品Pの採取、使用数の更新、採取状態の確認及び基板Sへの配置を実行する。一方、S160でこの基板Sに配置すべき部品Pがないときには、CPU22は、生産種の生産が完了したか否かを判定し(S170)、生産が完了していないときには、S110以降の処理、即ち基板Sを排出し、次の基板Sを搬送、固定し、実装処理を実行する。一方、S170で生産が完了したときには、CPU22は、このルーチンを終了する。このように、実装装置15は、部品Pの使用数を更新しながら部品Pの実装処理を実行する。
【0026】
次に、管理装置40により実行される、ローダ18による自動交換処理を管理する処理について説明する。管理装置40は、実装装置15での部品Pの消費を管理し、補給を要するフィーダ17の情報を準備エリア19の準備PC70へ出力する。
図5は、管理装置40が備える管理制御部41のCPU42により実行される自動交換管理処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、管理装置40の記憶部43に記憶され、生産ライン11の起動後に実行される。このルーチンを開始すると、まず、CPU42は、交換管理情報45を記憶部43から読み出して取得する(S200)。次に、CPU42は、フィーダ17を交換する予定が現時刻の近傍にあるか否かを判定する(S210)。CPU42は、部品情報に基づいて、フィーダ17の部品切れがどの時刻に起きるかを計算により求め、作業リスト46を管理している。CPU42は、作業リスト46を交換管理情報45から読み出すことによって、S210の判定を行う。
【0027】
フィーダ17の交換予定が現時刻近傍にあるときには、CPU42は、交換に用いるフィーダ17が自動配膳可能な装着部に準備済みであるか否かを判定する(S220)。CPU42は、例えば、管理装置40の配設された生産ライン11の保管装置14や実装用装着部28、バッファ用装着部29にこのフィーダ17が存在するかを確認する。交換に用いるフィーダ17が準備済みでないときには、CPU42は、交換に間に合わない蓋然性があるものとして、統括装置60や準備エリア19の準備PC70、他の生産ライン11の管理装置などに問い合わせて、このフィーダ17を検索し、存在位置を記憶すると共に、作業者Mへ報知させる(S230)。交換に用いるフィーダ17が存在しないときには、CPU42は、準備エリア19の準備PC70へその旨の情報を報知させる。作業者Mは、準備エリア19でこのフィーダ17を準備する作業を行う。
【0028】
一方、S220で、交換に用いるフィーダ17が準備済みであるときには、CPU42は、交換に用いるフィーダ17の現在位置及び装着位置を含む交換指令をローダ18へ出力する(S240)。交換指令を受けたローダ18は、フィーダ17の現在位置へ移動し、フィーダ17を格納したのち、必要に応じて装着位置へ移動し、先に装着されているフィーダ17を回収し、装着部に交換用のフィーダ17を装着させる。S240のあと、CPU42は、ローダ18が交換を終了したか否かを、ローダ18からの信号に基づいて判定する(S250)。ローダ18が交換を終了していないときには、CPU42は、そのまま待機する。一方、ローダ18が交換を終了したときには、CPU42は、部品Pの使用状況に応じて、フィーダ17の交換時期を計算する(S260)。また、CPU42は、計算した内容を用いて、交換管理情報45、特に、作業リスト46の内容を更新する(S270)。
【0029】
S270のあと、またはS210でフィーダの交換予定がないとき、あるいは、S230のあと、CPU42は、装着が間に合わないフィーダ17があるか否かを、作業リスト46の内容に基づいて判定する(S280)。この装着に間に合わないフィーダ17には、準備済みでないフィーダ17も含まれるものとする。CPU42は、ローダ18の移動時間と交換作業に要する時間とを用いて各フィーダ17の交換タイミングを求めることにより、装着が間に合うか否かを判定することができる。続いて、CPU42は、ローダ18が直近に作業する動作範囲を求め、この動作範囲外を作業者Mの作業範囲に設定し、その作業範囲内に現在位置と装着位置とを有するフィーダ17の最上位を作業者Mが交換するフィーダ17に設定する(S290)。
図3に示すように、自動配膳の間に合わないフィーダ17が存在するとき、CPU42は、そのうち最も交換時刻が現在に近い最上位のフィーダ17を優先して作業者Mに交換させることが望ましい。一方、自動配膳可能なフィーダ17においても、ローダ18の移動範囲内に作業者Mが存在すると、その作業ができない場合が生じうる。そこで管理装置40は、ローダ18の移動を妨げない領域を作業者Mの作業範囲に設定し、その範囲内にある最上位のフィーダ17の交換を作業者Mへ促すものとした。このように、CPU42は、フィーダ17の装着が間に合わない実装装置15のうち優先してフィーダ17を装着させる実装装置15の装着部を抽出するのである。
【0030】
図6は、生産ライン11の動作範囲71と作業範囲72との一例の説明図であり、
図6Aが保管装置14側に動作範囲71がある説明図、
図6Bが保管装置14側に作業範囲72がある説明図である。
図6Aに示すように、ローダ18が保管装置14、実装装置15のモジュール1~2で作業する場合(
図3参照)、これら装置の前方が動作範囲71に設定され、残りのモジュールの前が作業範囲72に設定される。一方、ローダ18は、バッファ用装着部29と実装用装着部28との上下での交換を主とする場合、左右方向への移動が不要である。
図6Bに示すように、ローダ18が実装装置15のモジュール4~5で作業する場合、これら装置の前方が動作範囲71に設定され、残りのモジュール及び保管装置14の前が作業範囲72に設定される。なお、動作範囲71の範囲が大きく、作業範囲72を設定できない場合は、やむを得ないため、動作範囲71内に作業範囲72を設定してもよい。
【0031】
S290のあと、CPU42は、設定した作業者が交換するフィーダ17の情報、例えば、部品種、現在位置及び装着位置などの情報を含む作業情報を作業者Mへ報知する報知指令を該当する実装装置15へ出力する。この報知指令には、シグナルタワー36の警告灯を点灯させる処理も含むものとする。報知指令を取得した実装装置15は、シグナルタワー36を点灯すると共に、作業者Mによるフィーダ17の交換作業の情報を操作パネル35の表示部に表示出力する。
【0032】
図7は、実装装置15の操作パネル35に表示する報知画面80の一例を示す説明図である。報知画面80は、ローダ18を作業者Mが補佐する作業内容を表示する画面であり、作業情報表示欄81を含む。作業情報表示欄81には、状態表示欄82、現在位置表示欄83、装着位置表示欄84、予定表示欄85、作業内容表示欄86、コメント表示欄87などが配置されている。状態表示欄82は、作業状態として、補給アイコンや異常アイコン及び遅延アイコンのうち1以上を含むアイコンが表示される欄である。補給アイコンは、交換用のフィーダ17を作業者が交換することを意味するアイコンである。異常アイコンは、ローダ18の未起動状態や異常停止状態など、ローダ18の異常状態を示すアイコンである。遅延アイコンは、ローダ18の作業過剰状態や移動中断などによるローダ18の作業遅延状態を示すアイコンである。現在位置表示欄83は、交換すべきフィーダ17の交換用のフィーダ17が現在装着されている位置を示す欄である。現在位置表示欄83には、保管装置14やバッファ用装着部29、準備エリア19の装着部などの装置ID及びスロット番号が表示される。装着位置表示欄84は、交換すべきフィーダ17の装着位置を示す欄である。装着位置表示欄84には、実装用装着部28の装置ID及びスロット番号が表示される。この表示によって、作業者Mは、どのフィーダ17をどこに装着するかを把握可能である。予定表示欄85は、作業実行する予告時間が表示される欄である。作業内容表示欄86は、フィーダ17で起きる事象及びその対処作業などの作業内容が表示される欄である。作業内容としては、例えば、作業者Mがフィーダ17を手動交換する作業のほか、交換用のフィーダ17がなく準備する作業や、ローダ18の未起動、異常停止への対処作業、ローダ18の移動中断に対処する障害物の除去作業などが含まれる。コメント表示欄87は、作業内容のコメントを表示する欄である。このコメントには、部品IDやフィーダIDなどの情報を含むものとしてもよい。このように、報知情報表示欄71には、報知指令に沿った作業内容が表示される。なお、
図7では、作業者Mによる作業内容を1つ示したが、複数の作業を作業者Mに割り当て、報知画面80に表示出力してもよい。作業者Mは、シグナルタワー36の警告灯の点灯によって該当する実装装置15へ移動し、操作パネル35に表示された報知画面80の内容を確認し、指示された作業を実施する。
【0033】
S300のあと、CPU42は、交換管理情報45、特に作業リスト46を更新し、全ての処理が完了したか否かを判定する(S320)。全ての処理が完了していないときには、S200以降の処理を繰り返し実行する。即ち、CPU42は、フィーダ17を交換する作業をローダ18へ指令する一方、ローダ18が交換に間に合わないときには、作業者Mへその間に合わない作業を実行するよう実装装置15に報知させる。一方、S320で全ての処理を完了したときには、このルーチンを終了する。
図8は、交換ラッシュ時が経過する際の作業リスト46の一例を示す説明図である。上述した処理を繰り返し行うと、生産ライン11では、ローダ18がフィーダ17の交換を行うことを基本としつつも、ローダ18による交換作業が間に合わないフィーダ17については、作業者Mが交換作業を手動で行う。このため、
図8に示すように、生産ライン11では、例えば、交換ラッシュ時を過ぎると、ローダ18による交換作業が間に合うようになる。
【0034】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の実装システム10が実装システムの一例を示し、生産ライン11が生産ラインの一例を示し、印刷装置12、印刷検査装置13、保管装置14、実装装置15、実装検査装置、リフロー装置、リフロー検査装置及び基板搬送装置が実装関連装置の一例を示し、管理装置40や統括装置60が情報処理装置の一例を示し、ローダ18や自動搬送車16が移動型作業装置の一例を示す。また、管理制御部41や統括制御部61が制御部の一例を示し、フィーダ17が部材の一例を示し、基板Sが処理対象物の一例を示す。なお、本実施形態では、管理装置40のCPU42の動作を説明することにより本開示の情報処理方法の一例も明らかにしている。
【0035】
以上説明した情報処理装置としての管理装置40は、部材としてのフィーダ17を装着する装着部を1以上備え処理対象物としての基板Sに部品Pを実装する処理に関連する1以上の実装関連装置としての実装装置15と、実装装置15へ移動しフィーダ17を装着部に自動着脱する移動型作業装置としてのローダ18と、を含み生産ライン11を構成する実装システム10に用いられる。この管理装置40は、ローダ18によるフィーダ17の装着が間に合わないときに、装着すべきフィーダ17がある現在位置とこのフィーダ17を装着する装着位置とを含む作業情報を作業者Mへ報知させる管理制御部41を備える。この管理装置40では、装着すべきフィーダ17がある現在位置と、このフィーダ17を装着する装着位置とが作業者Mへ報知されるため、作業者Mは、ローダ18に代わって、このフィーダ17を装置へ装着することができる。したがって、この管理装置40では、生産ライン11の稼働率の低下をより低減することができる。
【0036】
また、管理制御部41は、フィーダ17の準備エリア19、生産ライン11とは異なる他の生産ライン11、生産ライン11に配設されフィーダ17を着脱可能に構成された保管装置14、実装装置15が備える装着部に含まれる実装用装着部28やバッファ用装着部29のうち1以上の位置を現在位置として含む作業情報を報知させる。この管理装置40では、準備エリア19や、他の生産ライン11、保管装置14、実装装置15の装着部などのいずれかに、装着に用いられるフィーダ17があることが報知されるため、作業者Mは、フィーダ17のある場所へ無駄なく向かうことができる。更に、管理制御部41は、装着の間に合わないフィーダ17材を装着する実装装置15において作業情報を作業者Mへ報知させる。この管理装置40では、フィーダ17の装着が間に合わない装置において、フィーダ17の手動装着が必要であることを認識することができる。更にまた、管理制御部41は、現在位置の情報と装着位置の情報と、作業者Mがフィーダ17を装着部に手動装着する旨の情報とを含む報知画面80を操作パネル35の表示部に表示させる。この管理装置40では、作業者Mが報知画面80を確認することによって、フィーダ17の現在位置や装着位置などを認識することができる。
【0037】
また、管理制御部41は、フィーダ17の装着が間に合わない実装装置15のうち優先してフィーダ17を装着させる実装装置15を抽出し、抽出された実装装置15に配設されたシグナルタワー36を点灯させる。この管理装置40では、シグナルタワー36の点灯によって、作業者Mへ作業を要する実装装置15をより容易に報知することができる。更に、管理制御部41は、ローダ18によるフィーダ17の装着が間に合わないときに、ローダ18の作業リスト46に基づいて、ローダ18の動作範囲71と作業者Mの作業範囲72とを分け、作業者Mが作業する作業情報を作業者Mへ報知させる。この管理装置40では、ローダ18の動作範囲71と、作業者Mの作業範囲72とを分けるため、双方の作業効率の低下をより抑制することができる。更にまた、実装システム10は、保管装置14と、部品Pを採取可能な実装用装着部28及び部品Pを採取できないバッファ用装着部29とを含む装着部を備えた実装装置15とを含み、管理制御部41は、作業リスト46において保管装置14と実装装置15との間でローダ18が移動を伴うときは、これらの装置間を動作範囲71とすると共にこれらの装置間以外の実装装置15を作業者Mの作業範囲72とし、実装装置15における現在位置と装着位置とを含む作業情報を報知させる。一方、管理制御部41は、作業リスト46において保管装置14と実装装置15との間でローダ18が移動を伴わないときは、その範囲を動作範囲71とすると共にこの動作範囲71以外の装置間をも含む範囲を作業者Mの作業範囲72とし、この作業範囲内の実装装置15の現在位置と装着位置とを含む作業情報を報知させる。この管理装置40では、ローダ18の動作範囲と作業者Mの作業範囲とを分けることができ、これら双方の作業効率の低下をより抑制することができる。
【0038】
実装システム10は、フィーダ17を装着する装着部を1以上備え基板Sに部品Pを実装する処理に関連する1以上の実装装置15と、実装装置15へ移動しフィーダ17を装着部に自動着脱するローダ18と、上述した管理装置40と、を備える。この実装システム10では、上述した管理装置40を備えるため、上述した管理装置40と同様に、生産ライン11の稼働率の低下をより低減することができる。また、実装システム10において、ローダ18は、保管装置14や複数の実装装置15の間で移動しフィーダ17を装着部に自動着脱する装置であり、この実装システムでは、ローダ18による作業が間に合わないフィーダ17を作業者Mが装着部に装着することができる。
【0039】
なお、本開示の情報処置装置及び実装システム及び情報処理方法は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0040】
例えば、上述した実施形態では、管理装置40の管理制御部41が、作業者Mが行うべき作業情報を報知させるものとしたが、特にこれに限定されず、統括装置60の統括制御部61が実行してもよいし、準備PC70が実行してもよい。なお、ローダ18の作業を作業者Mが代行するものである場合は、管理装置40が実行することが好ましい。
【0041】
上述した実施形態では、装着が間に合わない装着位置のある実装装置15において、報知画面80を表示するものとしたが、特にこれに限定されず、交換用のフィーダ17がある現在位置の実装装置15において報知画面80を表示するものとしてもよいし、他の実装装置15に報知画面80を表示出力してもよいし、管理装置40の表示部48に表示出力してもよい。また、上述した実施形態では、装着が間に合わない実装装置15のシグナルタワー36の警告灯を点灯させるものとしたが、特にこれに限定されず、交換用のフィーダ17がある現在位置の実装装置15のシグナルタワー36を点灯するものとしてもよいし、シグナルタワー36の点灯自体を省略してもよい。
【0042】
上述した実施形態では、作業情報表示欄81を有する報知画面80を表示出力するものとして説明したが、特にこれに限定されず、作業情報表示欄81のうち、現在位置表示欄83及び装着位置表示欄84以外の表示欄を省略してもよいし、他の表示欄を加えてもよいし、装置IDとスロット番号の表示態様を他の表示態様に変更してもよい。報知画面80は、作業者Mが作業内容を確認できるように適宜変更してもよい。
【0043】
上述した実施形態では、動作範囲71と作業範囲72とに分け、その中で作業者Mが作業するフィーダ17を設定するものとしたが、特にこれに限定されず、動作範囲71と作業範囲72とに分けることを省略してもよい。このとき、管理制御部41は、間に合わない最先のフィーダ17の手動交換を作業者Mへ報知させるものとしてもよい。この管理装置40では、最も間に合わないフィーダ17を作業者Mが交換するため、生産効率の低下をより抑制することができると思われる。なお、生産ライン11では、ローダ18の動作範囲71と作業者Mの作業範囲72とを分ける方が作業効率の観点からはより望ましい。
【0044】
上述した実施形態では、移動型作業装置をローダ18として説明したが、特にこれに限定されず、移動型作業装置を、準備エリア19と生産ライン11との間、あるいは、生産ライン11の各装置間でフィーダ17を移動する自動搬送車16としてもよい。この実装システム10では、自動搬送車16による作業が間に合わないフィーダ17を作業者Mが装着部に装着することができる。この場合、作業が間に合わないフィーダの内、ライン外から搬入するフィーダを、優先して作業者が手動交換するフィーダとして報知させるとよい。
【0045】
上述した実施形態では、実装装置15は、実装用装着部28とバッファ用装着部29とを有する供給部27を備え、ローダ18によりフィーダ17を移動するものとしたが、これらを省略してもよい。
【0046】
上述した実施形態では、自動着脱を行う部材をフィーダ17として説明したが、実装処理に関連する実装関連装置が用いる部材であれば特にこれに限定されず、例えば、印刷装置12の清掃部材や粘性流体のカートリッジ、スクリーンマスクなどとしてもよいし、実装装置15の採取部材33や、実装ヘッド32、基板Sを下方で支えるバックアップピン、トレイユニットに収納される部品Pを収容したトレイなどとしてもよい。
【0047】
上述した実施形態では、管理装置40が本開示の情報処理装置の機能を有するものとして説明したが、特にこれに限定されず、例えば、統括装置60の統括制御部61、準備PC70の制御部のうち1以上や、その他の装置に本開示の情報処理装置の機能を持たせるものとしてもよい。
【0048】
また、上述した実施形態では、本開示を実装システム10、管理装置40の形態に適用して説明したが、本開示を情報処理方法としてもよいし、この情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラムとしてもよい。
【0049】
ここで、本開示の情報処理方法は、以下のように構成してもよい。例えば、本開示の情報処理方法は、
部材を装着する装着部を1以上備え処理対象物に部品を実装する処理に関連する1以上の実装関連装置と、前記実装関連装置へ移動し前記部材を前記実装関連装置の装着部に自動着脱する移動型作業装置と、を含み前記実装関連装置により生産ラインを構成する実装システムに用いられるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
前記移動型作業装置による前記部材の装着が間に合わないときに、装着すべき部材がある現在位置と該部材を装着する装着位置とを含む作業情報を作業者へ報知させるステップ、
を含むものである。
【0050】
この情報処理方法は、上述した情報処理装置と同様に、作業者が移動型作業装置に代わって部材を装置へ装着することができるため、生産ラインの稼働率の低下をより低減することができる。なお、この情報処理方法において、上述した情報処理装置の種々の態様を採用してもよいし、また上述した情報処理装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【0051】
本明細書では、出願当初の請求項4において「請求項1又は2に記載の情報処理装置」を「請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置」に変更した技術思想や、出願当初の請求項5において「請求項1又は2に記載の情報処理装置」を「請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置」に変更した技術思想、出願当初の請求項6において「請求項1又は2に記載の情報処理装置」を「請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置」に変更した技術思想、出願当初の請求項8において「請求項1又は2に記載の情報処理装置」を「請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置」に変更した技術思想も開示されている。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本開示は、部品を実装処理する装置の技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 実装システム、11,11A,11B,11C 生産ライン、12 印刷装置、13 印刷検査装置、14 保管装置、15 実装装置、16 自動搬送車、17 フィーダ、18 ローダ(移動型作業装置)、19 準備エリア、20 X軸レール、21 実装制御部、22 CPU、23 記憶部、24 実装条件情報、26 基板処理部、27 供給部、28 実装用装着部、29 バッファ用装着部、30 実装部、31 ヘッド移動部、32 実装ヘッド、33 採取部材、34 撮像部、35 操作パネル、36 シグナルタワー。37 通信部、38 スロット、39 接続部、40 管理装置、41 管理制御部、42 CPU、43 記憶部、44 実装条件情報、45 交換管理情報、46 作業リスト、47 通信部、48 表示部、49 入力装置、50 移動制御部、51 CPU、52 記憶部、54 収容部、55 交換部、56 移動部、57 通信部、60 統括装置、61 統括制御部、62 CPU、63 記憶部、65 実装条件情報、67 通信部、68 表示部、69 入力装置、70 準備PC、71 動作範囲、72 作業範囲、75 準備装置、80 報知画面、81 作業情報表示欄、82 状態表示欄、83 現在位置表示欄、84 装着位置表示欄、85 予定表示欄、86 作業内容表示欄、87 コメント表示欄、99 ネットワーク、P 部品、S 基板、M 作業者。