(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082868
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】物体検知装置
(51)【国際特許分類】
H04R 17/00 20060101AFI20240613BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20240613BHJP
G01S 7/521 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
H04R17/00 330G
H04R1/02 330
G01S7/521 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197040
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中俣 景太
(72)【発明者】
【氏名】小山 優
(72)【発明者】
【氏名】上月 康平
【テーマコード(参考)】
5D019
5J083
【Fターム(参考)】
5D019BB14
5D019EE03
5D019FF01
5J083AB13
5J083AC19
5J083AD04
5J083AD17
5J083CA01
5J083CA38
5J083CB01
(57)【要約】
【課題】壁部の不要な振動を抑制することが可能な超音波センサを提供する。
【解決手段】超音波センサ10に複数の接続部19が設けられている。その複数の接続部19はそれぞれ、周囲構成部17の外側部171と保持部27の内側部271との間に介在し、その外側部171の一部と内側部271の一部とを接続する。従って、センサ軸方向Daにおける接続部19のそれぞれの位置に、保持部27の振動での節が形成される。そのため、振動子14の超音波振動に伴った保持部27の共振が発生しにくくなるので、壁部94の不要な振動を抑制することが可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一軸心(CL)の軸方向(Da)に厚みを有する壁部(94)に取り付けられる物体検知装置(10)であって、
前記一軸心を中心として配置され、前記壁部のうち前記軸方向の一方側に形成された一方面(94a)との間で振動が伝達されるように該一方面に対して連結する振動子(14)と、
前記壁部の前記一方面に固定され、該一方面上で前記振動子を囲む周囲構成部(17)と、
前記振動子に対し前記軸方向の前記一方側に配置され、該振動子に前記軸方向の前記一方側から接触する一方側構成部(24)と、
前記周囲構成部に対し前記一軸心の径方向(Dr)の外側に配置され、前記一方側構成部と前記一方面との間に介在し、前記一方側構成部を前記壁部に固定する保持部(27)と、
接続部(19、191、192、193、194)とを備え、
前記振動子は、該振動子に生じる振動と電気信号との一方を他方に変換する変換機能を有し、
前記周囲構成部は、該周囲構成部のうち前記径方向の外側に位置する外側部(171)を有し、
前記保持部は、該保持部のうち前記径方向の内側に位置し前記外側部に対し前記径方向に相互間隔をあけて対向する内側部(271)を有し、
前記接続部は、前記外側部と前記内側部との間に介在し、前記外側部の一部と前記内側部の一部とを接続する、物体検知装置。
【請求項2】
前記接続部は前記外側部に固定され、前記内側部の一部に対して接触する、請求項1に記載の物体検知装置。
【請求項3】
前記接続部は前記外側部に固定され、
前記内側部は、前記径方向に凹み前記接続部が嵌め入れられ該接続部に接触する内側凹状部(271b)を有する、請求項1に記載の物体検知装置。
【請求項4】
前記接続部は前記内側部に固定され、前記外側部の一部に対して接触する、請求項1に記載の物体検知装置。
【請求項5】
前記接続部は前記内側部に固定され、
前記外側部は、前記径方向に凹み前記接続部が嵌め入れられ該接続部に接触する外側凹状部(171b)を有する、請求項1に記載の物体検知装置。
【請求項6】
前記接続部は、前記周囲構成部および前記保持部とは別の部品として構成され、前記外側部の一部と前記内側部の一部とのそれぞれに対し接触する、請求項1に記載の物体検知装置。
【請求項7】
前記接続部は複数設けられ、
複数の前記接続部のうち、或る接続部(191)は前記外側部に固定され且つ前記内側部の一部に対して接触し、前記或る接続部とは別の接続部(192)は前記内側部に固定され且つ前記外側部の一部に対して接触する、請求項1に記載の物体検知装置。
【請求項8】
前記外側部から前記内側部へ向かって突き出るように形成され前記外側部に固定された第1突部(193)と、前記内側部から前記外側部へ向かって突き出るように形成され前記内側部に固定された第2突部(194)とが設けられ、
前記第2突部は、前記第1突部に対し前記軸方向の前記一方側に配置され、前記第1突部に前記軸方向の前記一方側から当接し、
前記第1突部と前記第2突部との少なくとも何れかは前記接続部に該当する、請求項1に記載の物体検知装置。
【請求項9】
前記接続部は、前記外側部と前記内側部との一方である固定対象部に固定され、且つ、前記外側部と前記内側部との他方である接触対象部の一部に対して接触し、
前記接続部のうち前記接触対象部に接触する接触面の面積(A1)は、前記接続部と前記固定対象部との境目の断面積(A2)よりも小さい、請求項1に記載の物体検知装置。
【請求項10】
前記内側部は、前記外側部に対し前記径方向に近づく向きの前記内側部の変位が前記接続部、前記一方側構成部、または前記壁部によって阻止される変位規制部位(271a)を3つ以上有し、
3つ以上の前記変位規制部位は、互いに前記軸方向に間隔をあけて配置され、
前記変位規制部位同士の前記軸方向の間隔(G1、G2、G3、G4)は不均一とされる、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の物体検知装置。
【請求項11】
前記内側部は、前記外側部に対し前記径方向に近づく向きの前記内側部の変位が前記接続部、前記一方側構成部、または前記壁部によって阻止される変位規制部位(271a)を3つ以上有し、
3つ以上の前記変位規制部位は、互いに前記軸方向に間隔をあけて配置され、前記変位規制部位同士の前記軸方向の間隔である規制部位間隔(G1、G2、G3、G4)を複数形成し、
前記複数の規制部位間隔は、該複数の規制部位間隔のうちの或る規制部位間隔である第1の規制部位間隔(Ga)と、該第1の規制部位間隔よりも大きく且つ該第1の規制部位間隔を整数倍した大きさからずれた大きさの第2の規制部位間隔(Gb)とを含む、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の物体検知装置。
【請求項12】
前記接続部は、前記一軸心の周方向(Dc)へ断続的に延伸している、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の物体検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁部に取り付けられる物体検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の物体検知装置として、例えば特許文献1に記載された障害物検出装置が従来から知られている。この特許文献1に記載された障害物検出装置は、バンパの内面に超音波振動子を含む超音波センサを取り付けたものである。この障害物検出装置は、バンパの内面から突き出た複数の突起から構成された突起構造を、バンパの一部分として備えている。
【0003】
この複数の突起は超音波振動子の周囲に配置されている。そして、超音波振動子の振動と共に複数の突起が振動させられ、これにより、バンパにおける不要な振動が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の障害物検出装置を設けるためには、バンパの形状の一部として複数の突起が形成される必要があるので、複数の突起を形成するための加工をバンパ自体に施す必要がある。そのため、発明者らは、その特許文献1の障害物検出装置などの物体検知装置の組付け性向上を図るため、例えばバンパ自体の加工を省き、バンパなどの壁部へ物体検知装置を固定することを考えた。
【0006】
しかしながら、その場合、物体検知装置に含まれる振動子の駆動時の反動で、物体検知装置のうち振動子まわりに設けられる一部が共振するおそれが生じる。そして、そのように物体検知装置の一部に共振が生じると、例えばバンパの一部である壁部が揺らされ、不要放射が発生する。発明者らの詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、壁部の不要な振動を抑制することが可能な物体検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の物体検知装置は、
一軸心(CL)の軸方向(Da)に厚みを有する壁部(94)に取り付けられる物体検知装置(10)であって、
一軸心を中心として配置され、壁部のうち軸方向の一方側に形成された一方面(94a)との間で振動が伝達されるように一方面に対して連結する振動子(14)と、
壁部の一方面に固定され、その一方面上で振動子を囲む周囲構成部(17)と、
振動子に対し軸方向の一方側に配置され、その振動子に軸方向の一方側から接触する一方側構成部(24)と、
周囲構成部に対し一軸心の径方向(Dr)の外側に配置され、一方側構成部と一方面との間に介在し、一方側構成部を壁部に固定する保持部(27)と、
接続部(19、191、192、193、194)とを備え、
振動子は、その振動子に生じる振動と電気信号との一方を他方に変換する変換機能を有し、
周囲構成部は、その周囲構成部のうち径方向の外側に位置する外側部(171)を有し、
保持部は、その保持部のうち径方向の内側に位置し外側部に対し径方向に相互間隔をあけて対向する内側部(271)を有し、
接続部は、外側部と内側部との間に介在し、外側部の一部と内側部の一部とを接続する。
【0009】
このようにすれば、上記軸方向における接続部の位置に、保持部の振動での節が形成される。そのため、振動子の振動に伴った保持部の共振が発生しにくくなるので、壁部の不要な振動を抑制することが可能である。
【0010】
なお、出願書類中の各欄において、各要素に括弧付きの参照符号が付されている場合がある。この場合、参照符号は、同要素と後述する実施形態に記載の具体的構成との対応関係の単なる一例を示すものであるにすぎない。よって、本発明は、参照符号の記載によって、何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態において、超音波センサを搭載した車両の外観を示した斜視図である。
【
図2】第1実施形態において、超音波センサを用いた物体検知システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】第1実施形態において、超音波センサの概略構成を模式的に示した縦断面図である。
【
図4】第1実施形態において
図3のIV-IV断面を示した断面図である。
【
図5】第1実施形態において、超音波センサから外部空間へ放射される超音波振動のイメージを模式的に表した図であって、
図3に相当する図である。
【
図6】第1実施形態と対比される比較例において、超音波センサから外部空間へ放射される超音波振動のイメージを模式的に表した図であって、
図3に相当する図である。
【
図7】第2実施形態において、超音波センサの概略構成を模式的に示した縦断面図であって、
図3に相当する図である。
【
図8】第3実施形態において、超音波センサの概略構成を模式的に示した縦断面図であって、
図3に相当する図である。
【
図9】第4実施形態において、超音波センサの概略構成を模式的に示した縦断面図であって、
図3に相当する図である。
【
図10】第5実施形態において、超音波センサが有する制振部材を単体で模式的に示した斜視図である。
【
図11】第6実施形態において、超音波センサの概略構成を模式的に示した縦断面図であって、
図3に相当する図である。
【
図12】第7実施形態において、超音波センサの概略構成を模式的に示した縦断面図であって、
図3に相当する図である。
【
図13】第8実施形態において、超音波センサの概略構成を模式的に示した縦断面図であって、
図3に相当する図である。
【
図14】第9実施形態において、超音波センサの概略構成を模式的に示した縦断面図であって、
図3に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0013】
(第1実施形態)
図1、
図2に示すように、本実施形態の超音波センサ10は、例えば、移動体としての車両90に搭載される。そして、その超音波センサ10は、車両90に搭載されることで、その車両90の周囲の外部空間SGに存在する物体B(例えば障害物)の存在状態に対応する検知信号を生成および出力するように構成されている。すなわち、超音波センサ10は、車両90を取付対象とする車載型のクリアランスソナーとしての構成を有している。この超音波センサ10は、本開示の物体検知装置に対応する。
【0014】
車両90は、典型的には、いわゆる四輪自動車であって、箱状の車体91を備えている。車体91は、外板を構成する板状のボディ部品である、車体パネル92およびバンパ93を備えている。バンパ93は、車体91の前端部および後端部のそれぞれに設けられている。本実施形態においては、超音波センサ10は、バンパ93に取り付けられるように構成されている。超音波センサ10がバンパ93に取り付けられることで車両90に搭載された状態を、以下「搭載状態」と称する。
【0015】
具体的に、複数(例えば4つ)の超音波センサ10が、搭載状態にて、フロントバンパすなわち車体91における前面側のバンパ93に取り付けられている。そのフロントバンパに取り付けられた複数の超音波センサ10は、それぞれ、少なくとも車幅方向について異なる位置に配置されている。これと同様に、複数(例えば4つ)の超音波センサ10が、搭載状態にて、リアバンパすなわち車体91における後面側のバンパ93にも取り付けられている。
【0016】
なお、
図1にて超音波センサ10が、隠れ線である破線で示されていることから判るように、超音波センサ10はバンパ93の外観に表れずにバンパ93の内側に取り付けられている。
【0017】
図2に示すように、超音波センサ10は、物体Bを検知する物体検知システム70の一部を構成するものである。その物体検知システム70は、複数の超音波センサ10に加えて、送信部701と、受信部702と、信号生成部703と、信号処理部704と、物体検知部705と、制御部706とを備えている。
【0018】
送信部701は、超音波センサ10に駆動信号を入力するように、超音波センサ10に電気接続されている。具体的に、送信部701は、デジタル/アナログ変換回路等を有している。すなわち、送信部701は、信号生成部703から出力された送信信号に対してデジタル/アナログ変換等の処理を施し、これにより生成された駆動信号としての交流電圧を超音波センサ10の振動子14に印加するように構成されている。
【0019】
受信部702は、超音波センサ10における超音波の受信結果に対応して振動子14にて生成された受信信号に対して増幅やアナログ/デジタル変換等の信号処理を行って信号処理部704に出力するように設けられている。具体的に、受信部702は、増幅回路やアナログ/デジタル変換回路等を有している。送信部701および受信部702は、複数の超音波センサ10の各々に対応して設けられ得る。
【0020】
信号生成部703は、所定周波数の送信波(言い換えると、探査波)を超音波センサ10にて出力するための送信信号を生成して送信部701に入力するように設けられている。具体的に、信号生成部703は、制御部706から出力された送信指示を示す電気信号に基づいて、駆動信号の周波数を変更可能に構成されている。
【0021】
信号処理部704は、受信部702から出力された受信信号に対してフィルタ処理等の各種信号処理を行うように設けられている。また、信号処理部704は、各種信号処理の結果である処理信号を物体検知部705に出力するように設けられている。
【0022】
物体検知部705は、車両90(
図1参照)の周囲に存在する物体Bに探査波が反射して生じた反射波を含む受信波の受信結果に基づいて、かかる物体Bの形状を計測するようになっている。そして、物体検知部705は、その反射波の受信結果に基づいて得た物体Bの形状等を示す検知結果を制御部706へ出力する。
【0023】
例えば、信号生成部703、信号処理部704、および物体検知部705はそれぞれ、所定のプログラムに従って動作するDSPを含んで構成されている。DSPはDigital Signal Processorの略である。また、信号生成部703、信号処理部704、および物体検知部705は、複数の超音波センサ10に対し共通して設けられ得る。
【0024】
制御部706は、図示しないCPU、RAM、ROM、不揮発性リライタブルメモリ等を備えた車載マイクロコンピュータとしての構成を有している。すなわち、制御部706は、非遷移的実体的記録媒体であるROMまたは不揮発性リライタブルメモリに格納されたコンピュータプログラムを読み出して実行する。このコンピュータプログラムが実行されることで、コンピュータプログラムに対応する方法が実行される。
【0025】
例えば、制御部706は、所定の制御プログラムを読み出して実行することにより、複数の超音波センサ10の各々における送受信動作を含む、物体検知システム70の種々の動作を制御する。また、制御部706は、物体検知部705から得られた検知結果を外部装置に出力する。なお、制御部706は、複数の超音波センサ10に対し共通して設けられている。
【0026】
図3、
図4に示す超音波センサ10は、超音波を送受信可能に構成されている。その
図3、
図4は、バンパ93に取り付けられた複数の超音波センサ10のうちの1つを、搭載状態にて示している。
【0027】
超音波センサ10は、バンパ93のうちの一部分である壁部94に取り付けられる。例えば、超音波センサ10は、超音波である送信波を送信する場合には、駆動信号に応じて壁部94を所定のセンサ軸心CLの軸方向Daに超音波振動させることにより、その送信波を送信する。また、超音波センサ10は、車両90(
図1参照)の周囲に存在する物体B(
図2参照)に送信波が反射して生じた反射波を含む受信波を外部空間SGから受信して、その受信波の受信結果に応じた受信信号を生成および出力するように構成されている。
【0028】
なお、本実施形態の説明では、センサ軸心CLの軸方向Daはセンサ軸方向Daと称される場合があり、センサ軸心CLの径方向Drはセンサ径方向Drと称される場合があり、センサ軸心CLの周方向Dcはセンサ周方向Dcと称される場合がある。また、センサ軸心CLは本開示の一軸心に対応する。また、
図3は、センサ軸心CLを含む縦断面、具体的には、
図4のIII-III断面を示している。
【0029】
図3、
図4に示すように、超音波センサ10が取り付けられる壁部94は、センサ軸方向Daに厚みを有する平板状に形成されている。すなわち、壁部94は、センサ径方向Drに拡がるように形成されている。
【0030】
また、壁部94は、センサ軸方向Daの一方側に形成された一方面94aと、センサ軸方向Daの一方側とは反対側である他方側に形成された他方面94bとを有している。壁部94はバンパ93のうちの一部分であるので、壁部94の他方面94bは、バンパ93の表面(言い換えれば、意匠面)の一部を構成し、外部空間SGに面している。例えば
図3のバンパ93がフロントバンパであれば、壁部94の他方面94bは、車両前方を向いた面になる。従って、壁部94の一方面94aは、車両90の外観に表れないバンパ93の内面になる。なお、バンパ93は、例えばポリプロピレンなどの樹脂で構成されている。
【0031】
超音波センサ10は、振動子14と制振部材16と介在接着層22と固定部材24と保持部27とを備えている。超音波センサ10は壁部94の一方面94aに取り付けられる。すなわち、その壁部94の一方面94aは、超音波センサ10が取り付けられる取付面である。そのため、振動子14、制振部材16、介在接着層22、固定部材24、および保持部27など、超音波センサ10の構成要素は全て、壁部94に対しセンサ軸方向Daの一方側に配置される。
【0032】
振動子14は、センサ軸心CLを振動子14の中心として配置され、壁部94の一方面94aに対し連結している。具体的には、振動子14は、介在接着層22と制振部材16の収容空間蓋部18とを介して壁部94の一方面94aに接着固定されている。この接着固定により、振動子14と壁部94との間で振動が伝達可能となっている。
【0033】
そして、超音波センサ10が送信波を送信する場合に、振動子14は、壁部94の一方面94aに超音波振動を印加する。逆に、壁部94が外部空間SGから反射波を受けた場合には、その反射波による壁部94の振動が壁部94から振動子14へ伝達される。
【0034】
具体的には
図3、
図4に示すように、振動子14は、センサ軸方向Daの超音波振動と電気信号との一方から他方への変換機能を奏する、電気-機械エネルギー変換素子としての駆動素子を含んで構成されている。例えば、その駆動素子は、積層された複数の圧電素子(言い換えれば、ピエゾ素子)によって構成されている。
【0035】
このような構成から、振動子14は、送信部701(
図2参照)から駆動信号としての電気信号が与えられることにより、センサ軸方向Daに伸縮する超音波振動を発生する。また、振動子14は、センサ軸方向Daの超音波振動を受けることにより、その超音波振動に応じた受信信号としての電気信号を発生し、その電気信号を受信部702(
図2参照)へ出力する。
【0036】
すなわち、本実施形態の振動子14は、電気信号を超音波振動に変換しその超音波振動を発する送信機能と、振動子14が受けた超音波振動を電気信号に変換しその電気信号を出力する受信機能との両方を有している。要するに、振動子14は、電気信号と振動子14に生じる超音波振動との一方を他方に変換する変換機能を有している。
【0037】
また、振動子14は、その振動子14のうちセンサ軸方向Daの一方側に形成された一端面141と、振動子14のうちセンサ軸方向Daの他方側に形成された他端面142とを有している。振動子14の他端面142は壁部94の一方面94aに対向し、介在接着層22と制振部材16の収容空間蓋部18とを介して壁部94の一方面94aに接着固定されている。
【0038】
制振部材16は、周囲構成部17と収容空間蓋部18とを有している。周囲構成部17は、壁部94に発生する不要な振動を抑制する制振部である。この周囲構成部17は、壁部94の一方面94a上で振動子14をその振動子14の全周にわたって囲むように環状に形成されている。詳細には、周囲構成部17は、センサ軸心CLを中心とした円環状に形成されている。そのため、周囲構成部17の内側には、振動子14を収容する収容空間16aが形成されている。例えば、制振部材16は、PBTなどの樹脂で構成されている。PBTとは、polybutylene terephthalateの略である。
【0039】
また、周囲構成部17は、その周囲構成部17のうちセンサ径方向Drの外側に位置する外側部171を有している。具体的に、この外側部171は、周囲構成部17においてセンサ径方向Drの外側を向いた外周側面として形成されている。
【0040】
制振部材16の収容空間蓋部18は、センサ軸方向Daに厚みを有する平板状に形成されている。収容空間蓋部18は、周囲構成部17に対しセンサ径方向Drの内側に設けられ、その収容空間蓋部18の周縁部分にて周囲構成部17に連結している。
【0041】
また、収容空間蓋部18は、制振部材16の収容空間16aに対しセンサ軸方向Daの他方側に配置され、その収容空間16aに面している。そして、収容空間蓋部18は、その収容空間16aをセンサ軸方向Daの他方側から塞いでいる。そのため、制振部材16の単体での収容空間16aは、センサ軸方向Daの他方側では塞がれ、センサ軸方向Daの一方側では開放されている。
【0042】
また、収容空間16a内に配置された振動子14の他端面142は、収容空間蓋部18に対し接着などによって接合されている。すなわち、その振動子14は、収容空間蓋部18と介在接着層22とを介して壁部94の一方面94aに接合されている。
【0043】
本実施形態では、振動子14が印加する超音波振動は、振動子14から、収容空間蓋部18、介在接着層22、壁部94の順に伝達される。そのため、収容空間蓋部18は、振動子14と壁部94との間での超音波振動の伝達を妨げないように薄い厚みで形成されている。例えば、収容空間蓋部18の音響インピーダンスは、振動子14の他端面142における音響インピーダンスと壁部94の音響インピーダンスとの間の大きさとされるのがよい。そして、介在接着層22の音響インピーダンスは、収容空間蓋部18の音響インピーダンスと壁部94の音響インピーダンスとの間の大きさとされるのがよい。
【0044】
制振部材16は、その制振部材16のうちセンサ軸方向Daの一方側に形成された一端面16bと、制振部材16のうちセンサ軸方向Daの他方側に形成された他端面16cとを有している。制振部材16の一端面16bも他端面16cも、センサ軸方向Daを法線方向とした平面状に広がっている。制振部材16の一端面16bは、周囲構成部17に形成されるので、周囲構成部17のうちセンサ軸方向Daの一方側に形成された端面、要するに周囲構成部17の一端面でもある。制振部材16の他端面16cは、周囲構成部17と収容空間蓋部18との両方に及ぶように広がっている。
【0045】
また、制振部材16の他端面16cは、壁部94の一方面94aに貼り付けられる貼付面である。具体的に、制振部材16の他端面16cは壁部94の一方面94aに対向し、介在接着層22を介して壁部94の一方面94aに接着されている。要するに、制振部材16は、介在接着層22によって壁部94の一方面94aに貼り付けられ、これにより、その一方面94aに接着固定されている。
【0046】
介在接着層22は、制振部材16および保持部27のそれぞれと壁部94との間に介在する接着層である。具体的に、介在接着層22は制振部材16の他端面16cと壁部94の一方面94aとの間に配置され、制振部材16と壁部94とを接着固定する。それと共に、介在接着層22は保持部27の他端面27bと壁部94の一方面94aとの間にも配置され、保持部27と壁部94とを接着固定する。
【0047】
例えば、介在接着層22は、接着テープで構成されていてもよいし、壁部94の一方面94aに塗布された接着剤が固化することにより接着作用を奏するものであってもよい。
【0048】
介在接着層22の構成材料としては、例えば、エポキシ系樹脂など種々の合成樹脂材料を採用することができる。この介在接着層22の厚みは、送受信波の波長に対して充分小さい厚さ(例えば、100μm以下あるいは波長の8分の1未満となるような厚さ)に形成されている。
【0049】
なお、本実施形態の説明において、超音波振動の伝達に関与し且つ厚みについての説明が省略された、介在接着層22以外の接着層があれば、その接着層も、介在接着層22と同様に、送受信波の波長に対して充分小さい厚さに形成されているものとする。
【0050】
図3、
図4に示すように、固定部材24は、振動子14に対しセンサ軸方向Daの一方側に配置された一方側構成部である。固定部材24は、固定基盤部241と固定突出部242とを有している。この固定基盤部241と固定突出部242は一体構成になっている。例えば、固定部材24は、PBTなどの高剛性の樹脂材料で構成されている。
【0051】
固定基盤部241は、センサ軸心CLを中心とした円盤形状を成している。固定基盤部241は、制振部材16よりもセンサ径方向Drの外側へ拡がっている。すなわち、固定基盤部241の外径は制振部材16の外径よりも大きくなっている。固定基盤部241は、制振部材16と振動子14との両方に対しセンサ軸方向Daの一方側に配置されている。
【0052】
固定基盤部241は、固定基盤部241のうちセンサ軸方向Daの一方側に形成された一端面241aと、固定基盤部241のうちセンサ軸方向Daの他方側に形成された他端面241bとを有している。
【0053】
固定基盤部241の他端面241bは制振部材16の一端面16bに対向し、その一端面16bに対しセンサ軸方向Daの一方側から接触している。例えば、制振部材16の一端面16bは、その一端面16bの全面にわたって固定基盤部241の他端面241bに接触していてもよいし、その一端面16bの一部分にて固定基盤部241の他端面241bに接触していてもよい。
【0054】
また、固定基盤部241は、制振部材16の収容空間16aに面しており、その収容空間16aをセンサ軸方向Daの一方側から塞いでいる。そして、その収容空間16aにおけるセンサ軸方向Daの他方側は、上記したように制振部材16の収容空間蓋部18によって塞がれている。従って、本実施形態の収容空間16aは、外部から水などが侵入しない閉じた空間になっている。
【0055】
固定突出部242は、固定基盤部241の他端面241bからセンサ軸方向Daの他方側へ突き出ており、制振部材16の収容空間16a内に入り込むように設けられている。そして、固定突出部242は、センサ軸方向Daの他方側に形成された先端面242aを有している。
【0056】
その固定突出部242の先端面242aは、振動子14の一端面141に対向して突き当たっている。すなわち、その固定突出部242は、振動子14に対しセンサ軸方向Daの一方側から接触している。例えば、固定突出部242の先端面242aは振動子14の一端面141に対し接着などによって接合されていてもよいし、その一端面141に対し接合されずに押し付けられているだけでもよい。
【0057】
保持部27は、固定部材24を壁部94に固定する部材である。例えば、保持部27は、PBTなどの高剛性の樹脂材料で構成されている。保持部27は、センサ軸心CLを中心とした円筒状に形成され、周囲構成部17に対しセンサ径方向Drの外側に配置されている。また、保持部27は、固定部材24と壁部94の一方面94aとの間に介在している。
【0058】
保持部27は、その保持部27のうちセンサ軸方向Daの一方側に形成された一端面27aと、保持部27のうちセンサ軸方向Daの他方側に形成された他端面27bとを有している。固定基盤部241は保持部27の外径と同程度の位置にまでセンサ径方向Drに拡がっている。保持部27の一端面27aは、固定基盤部241の他端面241bに対向し、例えばネジ止めによって固定基盤部241の他端面241bに対して固定されている。
【0059】
保持部27の一端面27aは、その全面にわたって固定基盤部241の他端面241bに接触していてもよいし、あるいは、部分的に固定基盤部241の他端面241bに接触していてもよい。本実施形態では、ネジ止めによる保持部27と固定基盤部241との結合箇所がセンサ周方向Dcに並んで複数個所に設けられ、その結合箇所同士の相互間では、保持部27と固定基盤部241との間に隙間が形成されている。
【0060】
保持部27の他端面27bは、壁部94の一方面94aに貼り付けられる貼付面である。具体的に、保持部27の他端面27bは壁部94の一方面94aに対向し、介在接着層22を介して壁部94の一方面94aに接着されている。要するに、保持部27は、介在接着層22によって壁部94の一方面94aに貼り付けられている。これにより、保持部27は、固定基盤部241を、制振部材16および振動子14を介することなく壁部94に固定する。そして、固定部材24は保持部27を介して壁部94に固定されることで、振動子14をセンサ軸方向Daの一方側から壁部94の一方面94aに押し付けることができる。
【0061】
また、保持部27は、その保持部27のうちセンサ径方向Drの内側に位置する内側部271を有している。具体的に、この内側部271は、保持部27においてセンサ径方向Drの内側を向いた内周側面として形成されている。
【0062】
そして、内側部271は、周囲構成部17の外側部171に対しセンサ径方向Drに相互間隔をあけて対向する。そのため、その内側部271と外側部171との間には、隙間空間10aが形成されている。この隙間空間10aは、例えば保持部27と固定基盤部241との間に部分的に形成された隙間を介して超音波センサ10の外部へ連通している。
【0063】
図3、
図4に示すように、制振部材16は複数の接続部19を有している。その複数の接続部19は、周囲構成部17の外側部171に固定された突部としてそれぞれ設けられ、外側部171から保持部27の内側部271へ向かってセンサ径方向Drに突き出るように形成されている。例えば、接続部19は周囲構成部17と一体に成形されている。
【0064】
複数の接続部19はそれぞれ、周囲構成部17の全周にわたって、外側部171から突き出ながらセンサ周方向Dcに延伸している。また、複数の接続部19は、介在接着層22および固定基盤部241から離れ、互いの間に間隔をあけてセンサ軸方向Daに並んで配置されている。
【0065】
また、複数の接続部19はそれぞれ、センサ径方向Drの外側に設けられた外側端19aを有している。複数の接続部19はそれぞれ、その外側端19aにて、内側部271の一部に対して接触する。このようにして、複数の接続部19はそれぞれ、周囲構成部17の外側部171と保持部27の内側部271との間に介在し、その外側部171の一部と内側部271の一部とを接続する。
【0066】
ここで、保持部27の弾性変形のしやすさについて着目すると、保持部27では、外側部171に対しセンサ径方向Drに近づく向きの内側部271の変位が、複数の接続部19と固定部材24と壁部94とによって阻止されている。
【0067】
すなわち、保持部27において内側部271は、3つ以上(具体的に本実施形態では5つ)の変位規制部位271aを有している。そして、その変位規制部位271aは、外側部171に対しセンサ径方向Drに近づく向きの内側部271の変位が接続部19、固定部材24、または壁部94によって阻止される部位とされる。
【0068】
5つの変位規制部位271aは互いにセンサ軸方向Daに間隔をあけて配置され、その変位規制部位271a同士のセンサ軸方向Daの相互間隔である規制部位間隔G1~G4を複数形成している。例えば本実施形態では、5つの変位規制部位271aは、その規制部位間隔G1~G4を4つ形成している。
【0069】
そして、本実施形態では、複数の規制部位間隔G1~G4は不均一とされている。その規制部位間隔G1~G4の不均一とは、全ての規制部位間隔G1~G4が相互に異なることであってもよいし、全ての規制部位間隔G1~G4のうちの1つの間隔だけが他の間隔と異なることであってもよい。なお、規制部位間隔G1~G4とは、規制部位間隔G1、G2、G3、G4の略である。
【0070】
規制部位間隔G1~G4について詳細に言うと、複数の規制部位間隔G1~G4は、所定の相互関係を備えた第1の規制部位間隔Gaと第2の規制部位間隔Gbとを含んでいる。この場合、その第1の規制部位間隔Gaは、複数の規制部位間隔G1~G4のうちから選択される或る規制部位間隔である。そして、第2の規制部位間隔Gbは、複数の規制部位間隔G1~G4のうちその第1の規制部位間隔Gaよりも大きく且つ第1の規制部位間隔Gaを整数倍した大きさからずれた大きさの規制部位間隔である。その「整数倍」という記載の中の整数とは1以上の整数である。
【0071】
例えば
図3の複数の規制部位間隔G1~G4のうち規制部位間隔G1、G3に着目すると、規制部位間隔G3は規制部位間隔G1よりも大きい。そして、この規制部位間隔G3は規制部位間隔G1の整数倍の大きさではない。従って、本実施形態では一例として、規制部位間隔G1が第1の規制部位間隔Gaに該当し、規制部位間隔G3が第2の規制部位間隔Gbに該当する。この場合、規制部位間隔G2またはG4が仮に規制部位間隔G1の整数倍の大きさになっていても、複数の規制部位間隔G1~G4は、規制部位間隔G1である第1の規制部位間隔Gaと、規制部位間隔G3である第2の規制部位間隔Gbとを含むことに変わりはない。
【0072】
上述したように、本実施形態によれば、複数の接続部19はそれぞれ、周囲構成部17の外側部171と保持部27の内側部271との間に介在し、その外側部171の一部と内側部271の一部とを接続する。従って、
図5に示すように、センサ軸方向Daにおける接続部19のそれぞれの位置に、保持部27の振動での節27xが形成される。そのため、その節27xが無い場合に比して保持部27の共振周波数が高くなり、振動子14の超音波振動に伴った保持部27の共振が発生しにくくなるので、壁部94の不要な振動を抑制することが可能である。別言すると、振動子14の駆動時の反動によって共振する保持部27の共振経路を複数設け、保持部27の振動を打ち消すことができる。なお、
図5の破線B1と後述の
図6の破線Bcは、保持部27の共振時の撓みを模式的に示している。
【0073】
ここで、本実施形態の超音波センサ10に対し接続部19が設けられていない点が異なる比較例の超音波センサ80を想定する。
図6に示すこの比較例の超音波センサ80は接続部19を有していないので、比較例の超音波センサ80では、
図5の節27xは形成されず、保持部27の共振が発生しやすい。そのため、振動子14の駆動時(言い換えると、超音波振動の発信時)に壁部94の不要な振動が生じやすいので、
図6に示すように振動子14からの超音波振動SWは、例えば壁部94の他方面94bから複数の経路に分かれて外部空間SGへ放射される。
【0074】
これに対し、本実施形態の超音波センサ10では接続部19が設けられているので、振動子14の駆動時に、比較例の超音波センサ80よりも保持部27の共振が発生しにくく、壁部94の不要な振動が抑制される。そのため、
図5に示すように振動子14からの超音波振動SWは、例えば壁部94の他方面94bからその他方面94bの法線方向に沿った向きで外部空間SGへまとまって放射される。
【0075】
(1)また、本実施形態によれば、接続部19は周囲構成部17の外側部171に固定され、内側部271の一部に対して接触する。従って、接続部19を制振部材16の一部として構成し、接続部19を設けるために部品点数を増やす必要がない。
【0076】
(2)また、本実施形態によれば、
図3に示すように、保持部27において内側部271は複数の変位規制部位271aを有し、その複数の変位規制部位271aが形成する複数の規制部位間隔G1~G4は不均一とされている。従って、保持部27における振動の節27x(
図5参照)同士の相互間隔が異なるので、例えばその節27x同士の相互間隔が全て同じ場合に比して保持部27の共振を抑制することができる。
【0077】
(3)また、本実施形態によれば、複数の規制部位間隔G1~G4は、第1の規制部位間隔Gaと第2の規制部位間隔Gbとを含んでいる。この場合、その第1の規制部位間隔Gaは、複数の規制部位間隔G1~G4のうちから選択される或る規制部位間隔である。そして、第2の規制部位間隔Gbは、複数の規制部位間隔G1~G4のうちその第1の規制部位間隔Gaよりも大きく且つ第1の規制部位間隔Gaを整数倍した大きさからずれた大きさの規制部位間隔である。
【0078】
これにより、保持部27において第1の規制部位間隔Gaと同じ長さの腹を形成する振動と、第2の規制部位間隔Gbと同じ長さの腹を形成する振動との間では共振周波数が一致しない。従って、第2の規制部位間隔Gbに該当するものが規制部位間隔G1~G4に全く含まれない場合に比して、保持部27の共振を抑制することができる。
【0079】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
【0080】
図7に示すように、本実施形態では、制振部材16は接続部19を有していない。その替わりに、超音波センサ10は、複数の接続部19と保持部27とを有する外側配置部材26を備えている。例えば、その複数の接続部19と保持部27は一体成形され、単一の部品である外側配置部材26を構成している。この点において、本実施形態は第1実施形態と異なっている。なお、本実施形態の保持部27は、外側配置部材26の一部を構成していることを除き第1実施形態の保持部27と同様である。外側配置部材26は、例えば、PBTなどの高剛性の樹脂材料で構成されている。
【0081】
具体的に本実施形態では、複数の接続部19は、保持部27の内側部271に固定された突部としてそれぞれ設けられ、内側部271から周囲構成部17の外側部171へ向かってセンサ径方向Drに突き出るように形成されている。
【0082】
複数の接続部19はそれぞれ、周囲構成部17まわりの全周にわたって設けられ、内側部271からセンサ径方向Drの内側へ突き出ながらセンサ周方向Dcに延伸している。また、複数の接続部19は、介在接着層22および固定基盤部241から離れ、互いの間に間隔をあけてセンサ軸方向Daに並んで配置されている。
【0083】
また、複数の接続部19はそれぞれ、センサ径方向Drの内側に設けられた内側端19bを有している。複数の接続部19はそれぞれ、その内側端19bにて、外側部171の一部に対して接触する。このようにして、本実施形態の複数の接続部19はそれぞれ、周囲構成部17の外側部171と保持部27の内側部271との間に介在し、その外側部171の一部と内側部271の一部とを接続する。
【0084】
(1)上述したように、本実施形態によれば、接続部19は保持部27の内側部271に固定され、周囲構成部17の外側部171の一部に対して接触する。従って、保持部27と接続部19とを単一の部品として構成し、接続部19を設けるために部品点数を増やす必要がない。
【0085】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0086】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0087】
図8に示すように、本実施形態では、制振部材16は接続部19を有していない。その替わりに、超音波センサ10は、制振部材16および保持部27とは別の部品として構成された複数の接続部19を備えている。
【0088】
具体的に本実施形態では、複数の接続部19はそれぞれ、周囲構成部17まわりの全周にわたって設けられている。また、複数の接続部19は、介在接着層22および固定基盤部241から離れ、互いの間に間隔をあけてセンサ軸方向Daに並んで配置されている。
【0089】
また、複数の接続部19はそれぞれ、センサ径方向Drの外側に設けられた外側端19aと、センサ径方向Drの内側に設けられた内側端19bとを有している。複数の接続部19はそれぞれ、その外側端19aにて内側部271の一部に対して接触し、内側端19bにて外側部171の一部に対して接触する。このようにして、本実施形態の複数の接続部19はそれぞれ、周囲構成部17の外側部171と保持部27の内側部271との間に介在し、その外側部171の一部と内側部271の一部とを接続する。
【0090】
なお、本実施形態の接続部19としては、Oリングなど種々の部品を採用することができる。
【0091】
(1)上述したように、本実施形態によれば、接続部19は、制振部材16および保持部27とは別の部品として構成され、外側部171の一部と内側部271の一部とのそれぞれに対し接触する。従って、接続部19の構成材料として、制振部材16および保持部27とは異なる材料を容易に採用することが可能である。
【0092】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0093】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0094】
図9に示すように、本実施形態でも第1実施形態と同様に、接続部19は複数設けられている。但し、その複数の接続部19のうち、或る接続部19は、周囲構成部17の外側部171に固定され且つ保持部27の内側部271の一部に対して接触している。そして、複数の接続部19のうち、上記或る接続部19とは別の接続部19は、内側部271に固定され且つ外側部171の一部に対して接触している。本実施形態の説明では、明確な説明を行うため、上記或る接続部19を第1接続部191と称し、上記別の接続部19を第2接続部192と称する。
【0095】
具体的に、本実施形態の第1接続部191は、第1実施形態の接続部19(
図3参照)と同様の構成である。また、第2接続部192は、第2実施形態の接続部19(
図7参照)と同様の構成である。
【0096】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0097】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0098】
図10に示すように、本実施形態では、制振部材16の複数の接続部19はそれぞれ、センサ周方向Dcへ断続的に延伸している。
【0099】
具体的に、本実施形態の接続部19は、センサ周方向Dcの一部に接続部19が途切れた接続部間隔19cを形成しながら、周囲構成部17の全周にわたってセンサ周方向Dcに延伸している。別言すれば、接続部19は、周囲構成部17の全周にわたって、センサ周方向Dcに途切れ途切れに延伸している。例えば、接続部間隔19cは、接続部19毎に1つだけ設けられていてもよいし、接続部19毎に複数設けられていてもよい。
【0100】
(1)上述したように、本実施形態によれば、接続部19はセンサ周方向Dcへ断続的に延伸している。これにより、隙間空間10aが接続部19で仕切られることに起因して密閉空間が形成されることを防止することができる。例えば、保持部27を壁部94に貼り付けた後に制振部材16を壁部94に貼り付ける場合に、隙間空間10aから空気が抜ける経路が確保されるので、制振部材16を壁部94に貼り付ける作業を安定して実施することが可能である。
【0101】
また、振動子14の駆動時や車両走行時に、隙間空間10aの密閉空気の熱変動に伴う膨張および圧縮に起因した応力が周囲構成部17や保持部27に掛かるといった事態を回避することが可能である。
【0102】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0103】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2~第4実施形態の何れかと組み合わせることも可能である。
【0104】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第2実施形態と異なる点を主として説明する。
【0105】
図11に示すように、本実施形態では、外側配置部材26は、第2実施形態と同じ接続部19を有していない。その替わりに、制振部材16は複数の第1突部193を有し、外側配置部材26は複数の第2突部194を有している。
【0106】
複数の第1突部193はそれぞれ、周囲構成部17の外側部171から保持部27の内側部271へ向かって突き出るように形成され、外側部171に固定されている。そして、複数の第1突部193はそれぞれ、内側部271の一部に対して接触する。従って、本実施形態の第1突部193は、外側部171と内側部271との間に介在し外側部171の一部と内側部271の一部とを接続する接続部に該当する。
【0107】
また、複数の第1突部193はそれぞれ、センサ軸方向Daの他方側に形成された斜面193aを有している。その斜面193aは、センサ径方向Drの外側ほどセンサ軸方向Daの一方側に位置するテーパ面となっている。
【0108】
複数の第2突部194はそれぞれ、保持部27の内側部271から周囲構成部17の外側部171へ向かって突き出るように形成され、内側部271に固定されている。そして、複数の第2突部194はそれぞれ、外側部171の一部に対して接触する。従って、従って、本実施形態の第2突部194も、外側部171と内側部271との間に介在し外側部171の一部と内側部271の一部とを接続する接続部に該当する。
【0109】
また、複数の第2突部194はそれぞれ、センサ軸方向Daの一方側に形成された斜面194aを有している。その斜面194aは、センサ径方向Drの外側ほどセンサ軸方向Daの一方側に位置するテーパ面となっている。
【0110】
また、複数の第2突部194はそれぞれ、第1突部193に対しセンサ軸方向Daの一方側に配置され、その第1突部193にセンサ軸方向Daの一方側から当接している。
【0111】
本実施形態において、上記した構成以外の第1突部193の構成は、第1実施形態の接続部19(
図3参照)と同様である。また、上記した構成以外の第2突部194の構成は、第2実施形態の接続部19(
図7参照)と同様である。
【0112】
なお、本実施形態では、超音波センサ10を壁部94に取り付ける作業において、外側配置部材26が壁部94に貼り付けられた後に、制振部材16が壁部94に貼り付けられる。その際、例えば、第1、第2突部193、194およびその周辺部分の弾性変形を利用しつつ、制振部材16は、保持部27の内側に圧入されるようにして挿入される。
【0113】
(1)上述したように、本実施形態によれば、外側配置部材26の第2突部194は、制振部材16の第1突部193に対しセンサ軸方向Daの一方側に配置され、その第1突部193にセンサ軸方向Daの一方側から当接している。従って、外側配置部材26は、センサ軸方向Daの一方側への制振部材16の変位を第1、第2突部193、194を介して防止することができる。これにより、例えば、制振部材16が振動子14の駆動時や車両走行時に位置ズレや摩擦ズレを生じてしまうことを防止することが可能である。
【0114】
以上説明したことを除き、本実施形態は第2実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第2実施形態と共通の構成から奏される効果を第2実施形態と同様に得ることができる。
【0115】
なお、本実施形態は第2実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第5実施形態と組み合わせることも可能である。
【0116】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0117】
図12に示すように、保持部27の内側部271は、センサ径方向Drの内側から外側へ凹んだ複数の内側凹状部271bを有している。要するに、その複数の内側凹状部271bは、内側部271にてセンサ径方向Drに凹むように形成されている。複数の内側凹状部271bはそれぞれ、周囲構成部17まわりの全周にわたって設けられている。
【0118】
そして、複数の内側凹状部271bにはそれぞれ、接続部19の外側端19aが嵌め入れられている。これにより、その複数の内側凹状部271bはそれぞれ接続部19に接触する。
【0119】
なお、本実施形態では、超音波センサ10を壁部94に取り付ける取付作業において、保持部27が壁部94に貼り付けられた後に、制振部材16が壁部94に貼り付けられる。その際、例えば、接続部19およびその周辺部分の弾性変形を利用しつつ、制振部材16は、保持部27の内側に圧入されるようにして挿入される。
【0120】
(1)上述したように、本実施形態によれば、複数の内側凹状部271bはそれぞれ接続部19に接触し、その複数の内側凹状部271bにはそれぞれ接続部19が嵌め入れられている。従って、接続部19と内側凹状部271bとが互いにセンサ軸方向Daの位置ズレを制限し合うので、壁部94に対し制振部材16および保持部27を強固に固定することが可能である。
【0121】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0122】
なお、本実施形態は1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第5実施形態と組み合わせることも可能である。
【0123】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第2実施形態と異なる点を主として説明する。
【0124】
図13に示すように、周囲構成部17の外側部171は、センサ径方向Drの外側から内側へ凹んだ複数の外側凹状部171bを有している。要するに、その複数の外側凹状部171bは、外側部171にてセンサ径方向Drに凹むように形成されている。複数の外側凹状部171bはそれぞれ、周囲構成部17まわりの全周にわたって設けられている。
【0125】
そして、複数の外側凹状部171bにはそれぞれ、接続部19の内側端19bが嵌め入れられている。これにより、その複数の外側凹状部171bはそれぞれ接続部19に接触する。
【0126】
なお、本実施形態では、超音波センサ10を壁部94に取り付ける取付作業において、外側配置部材26が壁部94に貼り付けられた後に、制振部材16が壁部94に貼り付けられる。その際、例えば第7実施形態と同様に、接続部19およびその周辺部分の弾性変形を利用しつつ、制振部材16は、保持部27の内側に圧入されるようにして挿入される。
【0127】
(1)上述したように、本実施形態によれば、複数の外側凹状部171bはそれぞれ接続部19に接触し、その複数の外側凹状部171bにはそれぞれ接続部19が嵌め入れられている。従って、上記した第7実施形態と同様に、壁部94に対し制振部材16および保持部27を強固に固定することが可能である。
【0128】
以上説明したことを除き、本実施形態は第2実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第2実施形態と共通の構成から奏される効果を第2実施形態と同様に得ることができる。
【0129】
なお、本実施形態は第2実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第5実施形態と組み合わせることも可能である。
【0130】
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0131】
図14に示すように、本実施形態では、センサ軸心CLを含む縦断面における接続部19の断面形状が第1実施形態と異なっている。
【0132】
具体的に、本実施形態の接続部19は、センサ軸方向Daの幅がセンサ径方向Drの外側ほど狭くなるように形成されている。そのため、接続部19のうち保持部27の内側部271に接触する接触面の面積A1(すなわち、外側端19aにおける端面の面積A1)は、接続部19と外側部171との境目19dの断面積A2よりも小さい。
【0133】
なお、本実施形態では、周囲構成部17の外側部171は、接続部19が固定された固定対象部に対応する。また、保持部27の内側部271は、接続部19が接触する接触対象部に対応する。
【0134】
(1)上述したように、本実施形態によれば、接続部19のうち、接触対象部である内側部271に接触する接触面の面積A1は、接続部19と固定対象部である外側部171との境目19dの断面積A2よりも小さい。従って、接続部19と内側部271との接触部分での共振を生じにくくすると共に、接続部19と外側部171とを強固に結合することが可能である。
【0135】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0136】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2、第4~第8実施形態の何れかと組み合わせることも可能である。
【0137】
例えば、本実施形態が第2実施形態と組み合わされた変形例では、
図7から判るように、外側部171が上記接触対象部に対応し、内側部271が上記固定対象部に対応する。そのため、この変形例の接続部19は、センサ軸方向Daの幅がセンサ径方向Drの内側ほど狭くなるように形成される。そのため、接続部19のうち上記接触対象部(具体的には、外側部171)に接触する接触面の面積A1は、接続部19と上記固定対象部(具体的には、内側部271)との境目の断面積A2よりも小さくなる。
【0138】
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態では、
図1に示すように、超音波センサ10は樹脂製のバンパ93の一部に取り付けられるが、これは一例である。例えば、超音波センサ10は、車体パネル92など金属板の一部に取り付けられても差し支えない。
【0139】
(2)上述の各実施形態では、
図2に示すように、振動子14は、電気信号を超音波振動に変換しその超音波振動を発する送信機能と、振動子14が受けた超音波振動を電気信号に変換しその電気信号を出力する受信機能との両方を有しているが、これは一例である。例えば、その振動子14は、その送信機能と受信機能との一方を有するが他方を有さない構成であってもよい。
【0140】
(3)上述の各実施形態では、例えば
図2、
図3の振動子14が送受信する振動は超音波振動であるが、超音波振動よりも周波数が低い振動であっても差し支えない。
【0141】
(4)上述の各実施形態では、例えば
図3に示すように、振動子14が配置された制振部材16の収容空間16aは、空気で満たされた空間であるが、これは一例である。例えば、その収容空間16aは、例えば発泡材など、振動子14の振動を妨げない部材で満たされていても差し支えない。
【0142】
(5)上述の各実施形態では、例えば
図2、
図3の振動子14は、超音波振動と電気信号との一方から他方への変換機能を奏するために、例えば積層された複数の圧電素子で構成された駆動素子を有するが、これは一例である。例えば、その駆動素子は、1つの圧電素子によって構成されていても差し支えない。更に言えば、その駆動素子は、振動を発生させるものであれば圧電素子以外の構成要素で構成されていても差し支えない。
【0143】
(6)上述の各実施形態では、例えば
図3に示すように、固定部材24は、例えば単一の部品として構成されているが、これは一例である。例えば、固定部材24は、複数の部品が組み立てられることによって構成されるものであっても差し支えない。このことは、例えば制振部材16、保持部27などについても同様である。
【0144】
(7)上述の各実施形態では、
図3、
図4に示すように、制振部材16の周囲構成部17は、振動子14をその振動子14の全周にわたって囲むように環状に形成されているが、これは一例である。周囲構成部17は振動子14を囲んでいればよく、振動子14の全周にわたっている必要はない。例えば、周囲構成部17は、振動子14まわりでセンサ周方向Dcに断続して並ぶように配置されていても差し支えない。
【0145】
(8)上述の各実施形態では、例えば
図3に示すように、固定基盤部241の他端面241bは制振部材16の一端面16bに接触しているが、これは一例である。例えば、固定基盤部241の他端面241bは制振部材16の一端面16bに対し接触せずに、その一端面16bとの間に隙間を形成していても差し支えない。
【0146】
(9)上述の各実施形態では、例えば
図3に示すように、保持部27と固定基盤部241はネジ止めによって互いに固定されているが、接着や融着などによって互いに固定されても差し支えない。
【0147】
(10)上述の各実施形態では、保持部27と制振部材16との間の隙間空間10aは、例えば保持部27と固定基盤部241との間に形成された隙間を介して超音波センサ10の外部へ連通しているが、これは一例である。例えば、保持部27または固定基盤部241に連通孔が形成され、その連通孔を介して隙間空間10aは超音波センサ10の外部へ連通していても差し支えない。
【0148】
(11)上述の第6実施形態では、
図11に示すように、超音波センサ10を壁部94に取り付ける取付作業において、制振部材16は、保持部27の内側に圧入されるようにして挿入されるが、これは一例である。
【0149】
例えば、第1突部193が雄ネジの山として形成され、第2突部194が雌ネジの山として形成されていることも想定される。その場合には、超音波センサ10の取付作業において、制振部材16は、保持部27の内側に圧入されるのではなく、保持部27の内側に螺合されながら挿入される。
【0150】
(12)上述の第6実施形態では、
図11に示すように、第1突部193は内側部271の一部に対して接触し、第2突部194は外側部171の一部に対して接触するが、これは一例である。
【0151】
例えば、第1突部193は内側部271の一部に対して接触するが、第2突部194は外側部171に接触せずに外側部171から離れていてもよい。その場合には、その第2突部194は本開示の接続部に該当しないことになる。
【0152】
また逆に、第2突部194は外側部171の一部に対して接触するが、第1突部193は内側部271に接触せずに内側部271から離れていてもよい。その場合には、その第1突部193は本開示の接続部に該当しないことになる。
【0153】
(13)上述の第7実施形態では、
図12に示すように、超音波センサ10を壁部94に取り付ける取付作業において、制振部材16は、保持部27の内側に圧入されるようにして挿入されるが、これは一例である。
【0154】
例えば、接続部19が雄ネジの山として形成され、内側凹状部271bが雌ネジの谷として形成されていることも想定される。その場合には、超音波センサ10の取付作業において、制振部材16は、保持部27の内側に圧入されるのではなく、保持部27の内側に螺合されながら挿入される。
【0155】
また、これと同様のことは、第8実施形態でも言える。すなわち、第8実施形態の変形例として、例えば、接続部19が雌ネジの山として形成され、外側凹状部171bが雄ネジの谷として形成されていることも想定される。その場合には、上記と同様に、超音波センサ10の取付作業において、制振部材16は、保持部27の内側に圧入されるのではなく、保持部27の内側に螺合されながら挿入される。
【0156】
(14)上述の第1実施形態では、
図3に示すように、接続部19は、例えば周囲構成部17と一体に成形されているが、これは一例である。例えば、接続部19は、接着または融着などによって周囲構成部17の外側部171に固定されても差し支えない。
【0157】
(15)上述の各実施形態では、例えば
図3に示すように、接続部19は複数設けられているが、1つであっても差し支えない。
【0158】
(16)上述の各実施形態では、例えば
図3に示すように、振動子14と壁部94との間に制振部材16の収容空間蓋部18が設けられているが、この収容空間蓋部18は無くてもよい。その場合、振動子14は壁部94に対し介在接着層22を介して接着固定されることになる。また、その介在接着層22も無ければ、振動子14は、例えば固定部材24に保持されるなどして、壁部94に対し直接接続されることになる。
【0159】
(17)なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
【0160】
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0161】
(本発明の特徴)
[請求項1]
一軸心(CL)の軸方向(Da)に厚みを有する壁部(94)に取り付けられる物体検知装置(10)であって、
前記一軸心を中心として配置され、前記壁部のうち前記軸方向の一方側に形成された一方面(94a)との間で振動が伝達されるように該一方面に対して連結する振動子(14)と、
前記壁部の前記一方面に固定され、該一方面上で前記振動子を囲む周囲構成部(17)と、
前記振動子に対し前記軸方向の前記一方側に配置され、該振動子に前記軸方向の前記一方側から接触する一方側構成部(24)と、
前記周囲構成部に対し前記一軸心の径方向(Dr)の外側に配置され、前記一方側構成部と前記一方面との間に介在し、前記一方側構成部を前記壁部に固定する保持部(27)と、
接続部(19、191、192、193、194)とを備え、
前記振動子は、該振動子に生じる振動と電気信号との一方を他方に変換する変換機能を有し、
前記周囲構成部は、該周囲構成部のうち前記径方向の外側に位置する外側部(171)を有し、
前記保持部は、該保持部のうち前記径方向の内側に位置し前記外側部に対し前記径方向に相互間隔をあけて対向する内側部(271)を有し、
前記接続部は、前記外側部と前記内側部との間に介在し、前記外側部の一部と前記内側部の一部とを接続する、物体検知装置。
[請求項2]
前記接続部は前記外側部に固定され、前記内側部の一部に対して接触する、請求項1に記載の物体検知装置。
[請求項3]
前記接続部は前記外側部に固定され、
前記内側部は、前記径方向に凹み前記接続部が嵌め入れられ該接続部に接触する内側凹状部(271b)を有する、請求項1に記載の物体検知装置。
[請求項4]
前記接続部は前記内側部に固定され、前記外側部の一部に対して接触する、請求項1に記載の物体検知装置。
[請求項5]
前記接続部は前記内側部に固定され、
前記外側部は、前記径方向に凹み前記接続部が嵌め入れられ該接続部に接触する外側凹状部(171b)を有する、請求項1に記載の物体検知装置。
[請求項6]
前記接続部は、前記周囲構成部および前記保持部とは別の部品として構成され、前記外側部の一部と前記内側部の一部とのそれぞれに対し接触する、請求項1に記載の物体検知装置。
[請求項7]
前記接続部は複数設けられ、
複数の前記接続部のうち、或る接続部(191)は前記外側部に固定され且つ前記内側部の一部に対して接触し、前記或る接続部とは別の接続部(192)は前記内側部に固定され且つ前記外側部の一部に対して接触する、請求項1に記載の物体検知装置。
[請求項8]
前記外側部から前記内側部へ向かって突き出るように形成され前記外側部に固定された第1突部(193)と、前記内側部から前記外側部へ向かって突き出るように形成され前記内側部に固定された第2突部(194)とが設けられ、
前記第2突部は、前記第1突部に対し前記軸方向の前記一方側に配置され、前記第1突部に前記軸方向の前記一方側から当接し、
前記第1突部と前記第2突部との少なくとも何れかは前記接続部に該当する、請求項1に記載の物体検知装置。
[請求項9]
前記接続部は、前記外側部と前記内側部との一方である固定対象部に固定され、且つ、前記外側部と前記内側部との他方である接触対象部の一部に対して接触し、
前記接続部のうち前記接触対象部に接触する接触面の面積(A1)は、前記接続部と前記固定対象部との境目の断面積(A2)よりも小さい、請求項1に記載の物体検知装置。
[請求項10]
前記内側部は、前記外側部に対し前記径方向に近づく向きの前記内側部の変位が前記接続部、前記一方側構成部、または前記壁部によって阻止される変位規制部位(271a)を3つ以上有し、
3つ以上の前記変位規制部位は、互いに前記軸方向に間隔をあけて配置され、
前記変位規制部位同士の前記軸方向の間隔(G1、G2、G3、G4)は不均一とされる、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の物体検知装置。
[請求項11]
前記内側部は、前記外側部に対し前記径方向に近づく向きの前記内側部の変位が前記接続部、前記一方側構成部、または前記壁部によって阻止される変位規制部位(271a)を3つ以上有し、
3つ以上の前記変位規制部位は、互いに前記軸方向に間隔をあけて配置され、前記変位規制部位同士の前記軸方向の間隔である規制部位間隔(G1、G2、G3、G4)を複数形成し、
前記複数の規制部位間隔は、該複数の規制部位間隔のうちの或る規制部位間隔である第1の規制部位間隔(Ga)と、該第1の規制部位間隔よりも大きく且つ該第1の規制部位間隔を整数倍した大きさからずれた大きさの第2の規制部位間隔(Gb)とを含む、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の物体検知装置。
[請求項12]
前記接続部は、前記一軸心の周方向(Dc)へ断続的に延伸している、請求項1ないし11のいずれか1つに記載の物体検知装置。
【符号の説明】
【0162】
10 超音波センサ(物体検知装置)
14 振動子
17 周囲構成部
19 接続部
24 固定部材(一方側構成部)
27 保持部
94 壁部
94a 一方面
171 外側部
271 内側部