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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082872
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】弾性波デバイス
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/25 20060101AFI20240613BHJP
   H01L 23/08 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
H03H9/25 A
H01L23/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197044
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】518453730
【氏名又は名称】三安ジャパンテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信彦
(72)【発明者】
【氏名】熊 四輩
【テーマコード(参考)】
5J097
【Fターム(参考)】
5J097AA25
5J097BB02
5J097BB11
5J097DD24
5J097EE08
5J097FF04
5J097HA04
5J097JJ04
5J097JJ06
5J097JJ09
5J097KK10
(57)【要約】
【課題】弾性波デバイスの放熱性を適切且つ合理的に向上させる。
【解決手段】デバイスチップ3の一面3aに形成されたIDT電極7bを含む機能素子7と、デバイスチップ3の一面3aに形成されて機能素子7と電気的に接続された配線5と、デバイスチップ3の一面3aに基板面2aを向き合わせるようにしてデバイスチップ3と組み合わされたパッケージ基板2とを備える。配線5の少なくとも一部は、前記一面3aに直交する向きにおける厚さを機能素子7の前記向きでの厚さよりも大きくする厚膜配線部5bとなっている。デバイスチップ3の厚膜配線部5bとパッケージ基板2の基板面2a側とにそれぞれ接するようにして両者間に介在された絶縁膜10によって機能素子7の形成位置に機能素子7の厚さと厚膜配線部5bの厚さとの差分のエアギャップ12を形成させてなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスチップと、
前記デバイスチップの一面に形成されたIDT電極を含む機能素子と、
前記デバイスチップの前記一面に形成されて前記機能素子と電気的に接続された配線と、
前記デバイスチップの前記一面に基板面を向き合わせるようにして前記デバイスチップと組み合わされたパッケージ基板とを備えてなり、
前記配線の少なくとも一部は、前記一面に直交する向きにおける厚さを前記機能素子の前記向きでの厚さよりも大きくする厚膜配線部となっていると共に、
前記デバイスチップの前記厚膜配線部と前記パッケージ基板の前記基板面側とにそれぞれ接するようにして両者間に介在された絶縁膜によって前記機能素子の形成位置に前記機能素子の前記厚さと前記厚膜配線部の前記厚さとの差分のエアギャップを形成させてなる、弾性波デバイス。
【請求項2】
前記エアギャップにおいて、前記絶縁膜に、前記機能素子と接触しない寸法をもって突き出す凸部を形成させてなる、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記凸部の前記寸法を、前記機能素子の前記厚さと前記厚膜配線部の前記厚さとの差となる距離の4分の1ないし4分の3としてなる、請求項2に記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記絶縁膜を、熱伝導率の高いフィラーを含んだ合成樹脂から構成させてなる、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の弾性波デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、モバイル通信機器などにおいて周波数フィルタなどとして使用するのに適した弾性波デバイスの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信機器などにおいて周波数フィルタなどとして使用される弾性波デバイスとして、特許文献1に示されるものがある。
特許文献1に示されるものでは、デバイスチップとパッケージ基板との間に絶縁膜を形成し、この絶縁膜の形成位置でデバイスチップと絶縁膜との距離、あるいは、絶縁膜と基板との間の距離を小さくさせることで、この絶縁膜を利用してデバイスチップに生じる熱を放出させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-201083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のものにあっては、デバイスチップと基板との距離は両者を接続するバンプによって作り出される。このため、前記絶縁膜の形成位置でのデバイスチップと絶縁膜との距離、あるいは、絶縁膜と基板との間の距離は、バンプに左右され正確に制御できない。この距離が大きくなればなるほど前記絶縁膜を通じた放熱経路の放熱性は低下することとなる。
【0005】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の弾性波デバイスの放熱性を適切且つ合理的に向上させる点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、弾性波デバイスを、デバイスチップと、
前記デバイスチップの一面に形成されたIDT電極を含む機能素子と、
前記デバイスチップの前記一面に形成されて前記機能素子と電気的に接続された配線と、
前記デバイスチップの前記一面に基板面を向き合わせるようにして前記デバイスチップと組み合わされたパッケージ基板とを備えてなり、
前記配線の少なくとも一部は、前記一面に直交する向きにおける厚さを前記機能素子の前記向きでの厚さよりも大きくする厚膜配線部となっていると共に、
前記デバイスチップの前記厚膜配線部と前記パッケージ基板の前記基板面側とにそれぞれ接するようにして両者間に介在された絶縁膜によって前記機能素子の形成位置に前記機能素子の前記厚さと前記厚膜配線部の前記厚さとの差分のエアギャップを形成させてなる、ものとした。
【0007】
前記エアギャップにおいて、前記絶縁膜に、前記機能素子と接触しない寸法をもって突き出す凸部を形成させるようにすることが、この発明の態様の一つとされる。この場合には、前記凸部の前記寸法を、前記機能素子の前記厚さと前記厚膜配線部の前記厚さとの差となる距離の4分の1ないし4分の3とすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0008】
また、前記絶縁膜を、熱伝導率の高いフィラーを含んだ合成樹脂から構成させるようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、デバイスチップを、絶縁膜が厚膜配線部とパッケージ基板側とにそれぞれ密着し、かつ、機能素子を覆い隠すようにして、パッケージ基板に組み合わせることができる。これにより、機能素子の形成位置に機能素子の前記厚さと厚膜配線部の前記厚さとの差分のエアギャップを制御可能な状態で形成させることができる。前記エアギャップは、機能素子の前記厚さと厚膜配線部の前記厚さとの差によって構成された微細なものとなる。弾性波デバイスにあっては、信号印加時に機能素子の共振などによりデバイスチップに生じる熱を効率的に放出させることが必要とされるところ、微細な前記エアギャップによりこのエアギャップ内の気体を介してデバイスチップの熱を絶縁膜からパッケージ基板に直接的に伝達させて効率的に放出させることが可能となる
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、この発明の一実施の形態にかかる弾性波デバイスの断面構成図であり、図2のA-A線位置で弾性波デバイスを断面にして示している。
図2図2は、前記第一例の断面構成図であり、図1のB-B線位置で弾性波デバイスを断面にして示している。
図3図3は、前記第一例の断面構成図であり、図1のC-C線位置で弾性波デバイスを断面にして示している。
図4図4は、前記第一例を構成するデバイスチップに形成される共振器の一例を示した構成図である。
図5図5は、前記第一例を構成するデバイスチップに形成される回路の一例を示した構成図である。
図6図6は、前記第一例の製造過程の一工程を示した断面構成図である。
図7図7は、前記第一例の一部構成の変更例を示した断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図7に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかる弾性波デバイス1は、モバイル通信機器などにおいて周波数フィルタなどとして使用するのに適したものである。
【0012】
かかる弾性波デバイス1は、パッケージ基板2の一面としての基板面2aに、IDT電極を含む機能素子7、典型的には共振器7aの形成された一面3aを向き合わせて前記パッケージ基板2に実装されたデバイスチップ3を備えている。
【0013】
典型的には、前記デバイスチップ3は、一辺を0.5ないし1mmとし、厚さを0.15ないし0.2mmとする四角形の板状をなすように構成される。また、前記パッケージ基板2は、一辺を0.7ないし3mmとし、厚さを0.15ないし0.2mmとする四角形の板状をなすように構成される。弾性波デバイス1は厚さを0.4ないし0.6mm程度とする。
【0014】
その断面構造を図1に示す。図中符号3はデバイスチップ、符号3aはその一面、符号3bは前記一面3aに対向する他面、符号7は機能素子、符号4は金などの導電性金属からなるバンプである。デバイスチップ3とパッケージ基板2とはデバイスチップ3側の配線5に接続されたバンプパッド5aとパッケージ基板2側の配線6に接続されたバンプパッド6aとの間に介在されて両バンプパッド5a、6aにそれぞれ固着されたる前記バンプ4によって電気的に接続されている。
前記バンプパッド5a、6aとバンプ4はなじみの良い金属同士、典型的には金やアルミニウムから構成されて接合される。
パッケージ基板2における前記デバイスチップ3の実装側の基板面2aと反対の他面2bには弾性波デバイス1を図示しないマザーボードに接続するための外部接続端子2cが形成される。
【0015】
デバイスチップ3は、弾性波を伝搬させる機能を持つ。デバイスチップ3には、典型的には、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの圧電体が用いられる。また、デバイスチップ3は、これら圧電体を、サファイア、シリコン、アルミナ、スピネル、水晶またはガラスなどの支持体に積層させて、構成される場合もある。
【0016】
デバイスチップ3の一面3aには、導電性金属膜からなる前記機能素子7が形成されている。機能素子7は典型的にはデバイスチップ3上に複数個形成される。
機能素子7を構成する導電性金属膜の厚さL1(図1参照)、すなわち、デバイスチップ3の一面3aに直交する向きでの機能素子7を構成する導電性金属膜の厚さL1は、典型的には、0.1ないし0.2μmの範囲とされる。
かかる導電性金属膜は、典型的には、フォトリソグラフィ技術により形成される。
【0017】
図4にSAWフィルタとなる共振器7aの一例を示す。共振器7aはIDT電極7bと、IDT電極7bを挟むようにして形成される反射器7eとを有する。IDT電極7aは、電極対からなり、各電極対は弾性波の伝搬方向xに長さ方向を交叉させるように平行配列された複数の電極指7c同士をこれらの一端側においてバスバー7dで接続させてなる。反射器7eは、弾性波の伝搬方向xに長さ方向を交叉させるように平行配列された複数の電極指7fの端部間をバスバー7gで接続させてなる。
また、かかる共振器7aは、一つのデバイスチップ3上に、複数形成される場合もある。
【0018】
図5に一つのデバイスチップ3上に備えられる回路8の一例の概念を示す。符号7aaは入出力ポート間に直列に接続された共振器7a、符号7abは入出力ポート間に並列に接続された共振器7a、符号9はグランド、符号5は配線を示す。共振器7aの数や配置は必要に応じて変更される。すなわち、図5の回路によってラダー型フィルタが構成されるようになっている。
【0019】
また、デバイスチップ3の一面3aには、前記機能素子7と前記バンプパッド5aとに接続された配線5が形成されている。この配線5も導電性金属膜から形成されている。
前記配線5の少なくとも一部は、前記一面に直交する向きにおける厚さを前記機能素子7の前記向きでの厚さよりも大きくする厚膜配線部5bとなっている。
かかる配線5も導電性金属膜から構成され、典型的には、フォトリソグラフィ技術により形成される。
配線5を構成する導電性金属膜の厚さL2(図1参照)、すなわち、デバイスチップ3の一面3aに直交する向きでの配線5を構成する導電性金属膜の厚さL2は、典型的には、2ないし4μmの範囲とされる。
図示の例では、配線5の一部がバンプパッド5aとなっている。また、配線5の全体が厚膜配線部5bとなっている。
【0020】
また、デバイスチップ3とパッケージ基板2とは、両者の間に絶縁膜10を介在させて、前記バンプ4によって接続されている。
具体的には、デバイスチップ3の厚膜配線部5bとパッケージ基板2の基板面2a側とにそれぞれ接するように両者間に形成された絶縁膜10によって機能素子7の形成位置に機能素子7の前記厚さL1と厚膜配線部5bの前記厚さL2との差分のエアギャップ12(中空の隙間)を形成させた状態で、デバイスチップ3とパッケージ基板2とを接続・組み合わせている。
【0021】
図示の例では、デバイスチップ3に5つの機能素子7が形成されている。絶縁膜10は、デバイスチップ3よりも長さ及び幅を共に小さくする四角形の板状を呈している。
絶縁膜10のデバイスチップ3の一面3aに向けられた第一面10aは、デバイスチップ3の一面3aに実質的に平行で、厚膜配線部5bに密着し、デバイスチップ3の一面3aをこれに直交する向きから見た状態において、5つの機能素子7を覆い隠すように形成されている。絶縁膜10の縁とデバイスチップ3の縁との間、および、絶縁膜10の縁とパッケージ基板2の縁との間には、弾性波デバイスの中心1a(図2参照)を巡るいずれの位置においても間隔11が形成されている。配線5におけるバンプパッド5aとなる部分はこの間隔11内に位置されている。
【0022】
絶縁膜10の前記第一面10aに対し背中合わせとなる第二面10bは、パッケージ基板2の基板面2a側に密着している。図示の例では、パッケージ基板2の基板面2aに形成された配線6に密着している。図示の例では、この配線6の厚さはパッケージ基板2側のバンプパッド6aの厚さと等しくなっている。
【0023】
典型的には、図6に示されるように、絶縁膜10は、パッケージ基板2となる集合基板2dに対し、機能素子7と配線5が形成されたデバイスチップ3を実装するに先立ち、集合基板2dの全面にスパッタリングにより絶縁膜10となる樹脂をコーティングした後、エッチングにより各弾性波デバイス1において前記間隔11が形成されるように前記コーティングされた樹脂から不要な部分を除去(この除去部分を図6において想像線で示す。)することで、前記のように形成される。
【0024】
デバイスチップ3は、絶縁膜10の形成された集合基板2dに対し、絶縁膜10の第一面10aが厚膜配線部5bに密着し、かつ、第二面10bがパッケージ基板2側に密着し、機能素子7を前記のように覆い隠すようにして、集合基板2dに実装される。これにより、機能素子7の形成位置に機能素子7の前記厚さL1と厚膜配線部5bの前記厚さL2との差分のエアギャップ12が制御可能な状態で形成される。すなわち、エアギャップ12のギャップ量はバンプ4の溶着状態に影響を受けることなく一定化される。
【0025】
また、絶縁膜10は、機能素子7に触れない状態で厚膜配線部5bに支持され機能素子7の弾性波を抑制することはない。また、絶縁膜10によって厚膜配線部5bはパッケージ基板2の基板面2a側に形成された配線6などと絶縁される。
厚膜配線部5bはデバイスチップ3の一面3a上において、この一面3aと絶縁膜10の第一面10aとが平行をなすようにして絶縁膜10を支持可能なように形成してあれば足りる。厚膜配線部5bはデバイスチップ3の一面3a上の機能素子7の形成領域以外の領域に形成され、その形成箇所及び形態は必要に応じて変更して構わない。
図示の例では、各機能素子7に対し、これを挟んだ両側(図3においては左右方向の両側)に厚膜配線部5bの一部が位置し、このように位置される厚膜配線部5bの一部がエアギャップ12の両側において絶縁膜10を支持するようになっている。
【0026】
このように集合基板2dに複数のデバイスチップ3を実装させた状態から、集合基板2dに封止樹脂層13を形成させ、この後ダイシングを施すことで、複数の弾性波デバイス1が生成される。
【0027】
生成された各弾性波デバイス1において、デバイスチップ3とパッケージ基板2との間には、前記絶縁膜10の厚さ分の隙間が形成される。前記封止樹脂層13は、デバイスチップ3の他面3bと、デバイスチップ3の厚さ方向に沿った側面3cとを覆うと共に、デバイスチップ3の外縁側においてデバイスチップ3とパッケージ基板2との間の前記隙間に入り込んでデバイスチップ3の全周に亘って前記隙間を気密封止する(図1参照)。
【0028】
前記エアギャップ12は、機能素子7の前記厚さL1と厚膜配線部の前記厚さL2との差によって構成された微細なものとなる(典型的には2ないし4μm)。弾性波デバイス1にあっては、信号印加時に機能素子7の共振などによりデバイスチップ3に生じる熱を効率的に放出させることが必要とされるところ、微細な前記エアギャップ12によりこのエアギャップ12内の気体を介してデバイスチップ3の熱を絶縁膜10からパッケージ基板2に直接的に伝達させて効率的に放出させることが可能となる(この熱の放熱経路を図1中符号r1で示す)。
また、前記デバイスチップ3の熱は、バンプを介してもパッケージ基板2に伝達される(この熱の放熱経路を図1中符号r2で示す)。
【0029】
効率的な放熱を実現させる観点からは、前記エアギャップ12における前記機能素子7と前記絶縁膜10との間の距離は2μm以下にすることが好ましい。
【0030】
また、同様の観点から、前記絶縁膜10は、熱伝導率の高いフィラーを含んだ合成樹脂から構成させることが好ましい。
典型的には、かかる絶縁膜10は、熱硬化性樹脂に70wt%ないし90wt%の範囲で前記フィラー含ませたものとすることが好ましい。
かかるフィラーはアルミナなどの熱伝導率の高い物質から構成される。また、かかるフィラーは典型的には直径を1ないし10μmの範囲とする粒状体として構成される。
【0031】
図7は、前記エアギャップ12において、前記絶縁膜10に、前記機能素子7と接触しない寸法をもって突き出す凸部10cを形成させた例を示している。すなわち、凸部10cは絶縁膜10の第一面10aに形成されて、デバイスチップ3の一面3a側に向けて突き出している。
このようにすれば、前記エアギャップ12において、デバイスチップ3側と絶縁膜10との間の距離をより微細化させることが可能となる。
前記凸部10cの前記寸法、すなわち、デバイスチップ3の一面3aに直交する向きでの前記凸部10cの厚さL3(図7参照)を、前記機能素子7の前記厚さL1と前記厚膜配線部5bの前記厚さL2との差となる距離の4分の1ないし4分の3となるようにすれば、凸部10cの形成位置におけるエアギャップ12のギャップ量を、凸部10cの形成されていない位置におけるエアギャップ12のギャップ量4分の1ないし4分の3にすることができる。
凸部10cは、典型的には、機能素子7の直下に凸部10cが位置されるように、絶縁膜10の第一面10aに形成させる。
【0032】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。
【符号の説明】
【0033】
1 弾性波デバイス
1a 中心
2 パッケージ基板
2a 基板面
2b 他面
2c 外部接続端子
2d 集合基板
3 デバイスチップ
3a 一面
3b 他面
3c 側面
4 バンプ
5 配線
5a バンプパッド
5b 厚膜配線部
6 配線
6a バンプパッド
7 機能素子
7a、7aa、7ab 共振器
7b IDT電極
7c 電極指
7d バスバー
7e 反射器
7f 電極指
7g バスバー
8 回路
9 グランド
10 絶縁膜
10a 第一面
10b 第二面
10c 凸部
11 間隔
12 エアギャップ
13 封止樹脂層
x 伝搬方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7