(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082885
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
A47K 3/28 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
A47K3/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197073
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】520403428
【氏名又は名称】藤原 智子
(74)【代理人】
【識別番号】100084696
【弁理士】
【氏名又は名称】赤尾 直人
(72)【発明者】
【氏名】藤原 智子
【テーマコード(参考)】
2D132
【Fターム(参考)】
2D132FA02
2D132FC04
2D132FE02
2D132FJ01
2D132FJ02
2D132FJ04
2D132FJ07
(57)【要約】
【課題】指及び掌によって当接部における弾性変形を可能とするような快適な把持を実現し得るシャワーヘッドの提供。
【解決手段】散水部1及び散水部1と背部側にて接続され、指91及び掌92による把持を予定している当接部2を備え、ホースを形成するパイプ3を当接部2の背部側若しくはその斜方向側、又は当接部2の側部側若しくはその斜方向側に突設しているシャワーヘッドであって、当接部2が前記把持によって弾性変形が可能な素材とするか、又は当接部2を曲折自在とし当接部2の内壁に弾性変形可能な立体網状部4、スポンジゴム5、空気を密閉した変形自在容器6の何れかを密着しており、背部側若しくはその斜方向側に突設されているパイプ3が前記密着する部材5、6を貫通するか、又は側部側若しくはその斜方向側に突設されているパイプ3の注入口が前記密着する部材5、6よりも前側に配置されていることによって前記課題を達成するシャワーヘッド。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の散水孔11を備え、かつ前側に配置されている散水部1、及び散水部1と背部側にて接続され、かつ指91及び掌92との当接による把持を予定している当接部2を備え、しかもホースを形成するパイプ3を、当接部2の背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側、又は当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設しているシャワーヘッドであって、当接部2が指91及び掌92の把持に伴う押圧によって弾性変形が可能な素材を採用していることを特徴とするシャワーヘッド。
【請求項2】
複数個の散水孔11を備え、かつ前側に配置されている散水部1、及び散水部1と背部側にて接続され、かつ指91及び掌92との当接による把持を予定している当接部2を備え、しかもホースを形成するパイプ3を、当接部2の背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側、又は当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設しているシャワーヘッドであって、当接部2が曲折自在な素材を採用しており、しかも当接部2の内壁に弾性変形可能な素材を採用し、かつ当該素材の間に隙間が形成されている立体網状部4を密着していることを特徴とするシャワーヘッド。
【請求項3】
複数個の散水孔11を備え、かつ前側に配置されている散水部1、及び散水部1と背部側にて接続され、かつ指91及び掌92との当接による把持を予定している当接部2を備え、しかもホースを形成するパイプ3を、当接部2の背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側、又は当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設しているシャワーヘッドであって、当接部2が曲折自在な素材を採用しており、しかも当接部2の内壁に隙間を形成せずに連続している素材によるスポンジゴム5を密着しており、背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側に突設されているパイプ3が当該スポンジゴム5を貫通するか、又は側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設されているパイプ3の注入口が当該スポンジゴム5よりも前側に配置されていることを特徴とするシャワーヘッド。
【請求項4】
複数個の散水孔11を備え、かつ前側に配置されている散水部1、及び散水部1と背部側にて接続され、かつ指91及び掌92との当接による把持を予定している当接部2を備え、しかもホースを形成するパイプ3を、当接部2の背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側、又は当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設しているシャワーヘッドであって、当接部2が曲折自在な素材を採用しており、しかも当接部2の内壁に空気の密閉による中空状態を形成している変形自在容器6を密着しており、背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側に突設されているパイプ3が当該変形自在容器6を貫通するか又は側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設されているパイプ3の注入口が当該変形自在容器6よりも前側に配置されている、ことを特徴とするシャワーヘッド。
【請求項5】
パイプ3を、当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設している場合において、パイプ3のうち、当接部2の近接領域に散水孔11を設けることを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載のシャワーヘッド。
【請求項6】
散水部1において、各散水孔11以外の位置に突起7を突設していることを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載のシャワーヘッド。
【請求項7】
散水部1において、各散水孔11を延設している散水パイプ8を突設していることを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載のシャワーヘッド。
【請求項8】
当接部2の素材として、掌92又は掌92と指91とに接着可能であるシリコンエラストマーを採用していることを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載のシャワーヘッド。
【請求項9】
当接部2の外壁に、両面側における面ファスナーを付着していることを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載のシャワーヘッド。
【請求項10】
当接部2の背部側に、指91及び/又は掌92の外側を巻着するゴムバンド10を設置していることを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載のシャワーヘッド。
【請求項11】
パイプ3における当接部2からの突設開始端近傍領域が変形自在な素材を採用していることを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載のシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指及び掌による把持を予定しているシャワーヘッドを対象としている。
【背景技術】
【0002】
シャワーヘッドは、前側における散水部、散水部に水を供給しているホースを形成するパイプ、及び散水部とホースとの接続部を必要不可欠な構成要素としている。
【0003】
シャワーヘッドにおいては、前記接続部が指及び掌との当接による把持を予定した構成を採用している場合がある。
【0004】
特許文献1においては、前側の散水板44の背部側に掌に当接する把持部32をホース側に延設し、かつ連結部30にてホースと接続し、しかも掌に巻着する固定バンド20を備えた構成を開示している(
図2)。
【0005】
同様に、特許文献2においても、ホースを形成するパイプを散水部の側部側に突設した上で、当該パイプとの接続領域につき、指及び掌による把持を予定している当接部を備え、かつ掌に巻着するバンドを備えた構成を開示している(
図3)。
【0006】
しかしながら、特許文献1及び同2を含む従来技術において、指及び掌によって当接部における弾性変形を可能とするような把持を実現するシャワーヘッドの構成は提唱されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-187181号公報
【特許文献2】特開2022-59546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、指及び掌によって当接部における弾性変形を可能とするような快適な把持を実現するシャワーヘッドの構成を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、以下の(1)、(2)、(3)、(4)の各基本構成を採用している。
(1)複数個の散水孔11を備え、かつ前側に配置されている散水部1、及び散水部1と背部側にて接続され、かつ指91及び掌92との当接による把持を予定している当接部2を備え、しかもホースを形成するパイプ3を、当接部2の背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側、又は当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設しているシャワーヘッドであって、当接部2が指91及び掌92の把持に伴う押圧によって弾性変形が可能な素材を採用していることを特徴とするシャワーヘッド。
(2)複数個の散水孔11を備え、かつ前側に配置されている散水部1、及び散水部1と背部側にて接続され、かつ指91及び掌92との当接による把持を予定している当接部2を備え、しかもホースを形成するパイプ3を、当接部2の背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側、又は当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設しているシャワーヘッドであって、当接部2が曲折自在な素材を採用しており、しかも当接部2の内壁に弾性変形可能な素材を採用し、かつ当該素材の間に隙間が形成されている立体網状部4を密着していることを特徴とするシャワーヘッド。
(3)複数個の散水孔11を備え、かつ前側に配置されている散水部1、及び散水部1と背部側にて接続され、かつ指91及び掌92との当接による把持を予定している当接部2を備え、しかもホースを形成するパイプ3を、当接部2の背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側、又は当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設しているシャワーヘッドであって、当接部2が曲折自在な素材を採用しており、しかも当接部2の内壁に隙間を形成せずに連続している素材によるスポンジゴム5を密着しており、背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側に突設されているパイプ3が当該スポンジゴム5を貫通するか、又は側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設されているパイプ3の注入口が当該スポンジゴム5よりも前側に配置されていることを特徴とするシャワーヘッド。
(4)複数個の散水孔11を備え、かつ前側に配置されている散水部1、及び散水部1と背部側にて接続され、かつ指91及び掌92との当接による把持を予定している当接部2を備え、しかもホースを形成するパイプ3を、当接部2の背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側、又は当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設しているシャワーヘッドであって、当接部2が曲折自在な素材を採用しており、しかも当接部2の内壁に空気の密閉による中空状態を形成している変形自在容器6を密着しており、背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側に突設されているパイプ3が当該変形自在容器6を貫通するか又は側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設されているパイプ3の注入口が当該変形自在容器6よりも前側に配置されている、ことを特徴とするシャワーヘッド。
【発明の効果】
【0010】
基本構成(1)の場合には、当接部2が指91及び掌92の把持に伴う押圧によって弾性変形が可能である素材を採用している。
【0011】
基本構成(2)の場合には、当接部2は変形自在な素材を採用しており、しかも当接部2の内壁に密着しており、かつ弾性変形可能な素材を採用し、かつ当該素材の間に隙間が形成されている立体網状部4を備えている。
【0012】
基本構成(3)の場合には、当接部2が曲折自在な素材を採用しており、しかも当接部2の内壁に密着しており、かつ隙間を形成せずに連続している素材によるスポンジゴム5を備えている。
【0013】
基本構成(4)の場合には、当接部2が変形自在な素材を採用しており、しかも当接部2の内壁に密着しており、かつ空気の密閉による中空状態を形成している変形自在容器6を備えている。
【0014】
したがって、基本構成(1)の場合には、指91及び掌92は当接部2に対し、弾性変形によって押圧可能な状態にて把持することが可能であり、基本構成(2)の場合には、指91及び掌92は当接部2に対し、弾性変形可能な立体網状部4を介して押圧可能な状態にて把持することができ、基本構成(3)の場合には、指91及び掌92は当接部2に対し、伸縮可能であるスポンジゴム5を介して押圧可能な状態にて把持することができ、基本構成(4)の場合には、指91及び掌92は当接部2に対し、変形自在容器6を介して押圧可能な状態にて把持することができ、何れも当接部2に対する弾性変形による快適な把持を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】基本構成(1)の構成を開示しており、(a)は、ホースを形成するパイプ3が背部側に突設されている断面図を上側に示し、ホースを形成するパイプ3が背部側と交差する斜方向側に突設されている断面図を下側に示し、(b)は、ホースを形成するパイプ3が側部側に突設されている断面図を上側に示し、ホースを形成するパイプ3が側面側と交差する斜方向側に突設されている断面図を下側に示しており、(c)は、(a)の上側及び下側の断面図に対応する正面図を示しており(但し、点線は背部側へのパイプ3の突設位置を示す。)、(d)は、(b)の上側及び下側の断面図に対応する正面図を示しており、(e)は、(b)の上側及び下側の断面図に対応する背面図を示している。 尚、(a)、(b)における点線は、当接部2を把持する指91及び掌92の状態を示しており、かつこの点は、
図2、
図3、
図4の場合も同様である。 しかも(a)、(b)における両側の矢印は、指91及び掌92の把持に伴う押圧によって当接部2における弾性変形が可能な状態を示す。 更には、
図1(b)、(e)においては特に、指91及び/又は掌92を巻着しているゴムバンド10の側面状態を示す。
【
図2】基本構成(2)の構成を開示しており、(a)は、ホースを形成するパイプ3が背部側に突設されている断面図を上側に示し、ホースを形成するパイプ3が背部側と交差する斜方向側に突設されている断面図を下側に示し、(b)は、ホースを形成するパイプ3が側部側に突設されている断面図を上側に示し、ホースを形成するパイプ3が側面側と交差する斜方向側に突設されている断面図を下側に示す。 尚、ハッチングによる領域は、弾性変形可能な素材が中空状態を形成している立体網状部4を示しており、かつ両側の矢印は、立体網状部4における伸縮自在の状態を示す。 更には、パイプ3の左側における○印の内側に×を付した符号は、ホースの側部側と交差する斜方向側が紙面の裏側方向であることを示す。 上側及び下側の正面図及び背面図は、
図1の場合と同様であることから省略する。
【
図3】基本構成(3)の構成を開示しており、(a)は、ホースを形成するパイプ3が背部側に突設されている断面図を上側に示し、ホースを形成するパイプ3が背部側と交差する斜方向側に突設されている断面図を下側に示し、(b)は、ホースを形成するパイプ3が側部側に突設されている断面図を上側に示し、ホースを形成するパイプ3が側面側と交差する斜方向側に突設されている断面図を下側に示す。 尚、斑点の領域は、隙間を形成せずに連続状態にあるスポンジゴム5を示しており、かつ両側の矢印は、スポンジゴム5における伸縮自在の状態を示す。 正面図及び背面図は、
図1の場合と同様であることから省略する。
【
図4】基本構成(4)の構成を開示しており、(a)は、ホースを形成するパイプ3が背部側に突設されている断面図を上側に示し、ホースを形成するパイプ3が背部側と交差する斜方向側に突設されている断面図を下側に示し、(b)は、ホースを形成するパイプ3が側部側に突設されている断面図を上側に示し、ホースを形成するパイプ3が側面側と交差する斜方向側に突設されている断面図を下側に示す。 尚、太線によって囲まれた領域は、空気の密閉によって中空状態を形成している変形自在容器6を示しており、かつ両側の矢印は、変形自在容器6の変形自在の状態を示す。 更には、パイプ3の左側における○印の内側に●を付した符号は、ホースの側部側と交差する斜方向側が紙面の表側方向であることを示す。 正面図及び背面図は、
図1の場合と同様であることから省略する。
【
図5】パイプ3を当接部2の背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側に突設している場合において、指91がパイプ3を囲む状態を示す背面図であって、(a)は、親指91と人差指91との間にて囲んだ状態を示しており、(b)は、人差指91と中指91との間にて囲んだ状態を示す。
【
図6】散水部1において、各散水孔11以外の位置に突起7を突設していることを特徴とする実施形態を開示しており、(a)は、断面図を示し、(b)は、正面図を示す。 尚、
図6においては、基本構成(2)における立体網状部4、基本構成(3)におけるスポンジゴム5、基本構成(4)における変形自在容器6の図示、及び指91並びに掌92の図示を省略しており、この点は、
図7、
図8においても同様である。
【
図7】散水部1において、各散水孔11を延設している散水パイプ8を突設していることを特徴とする実施形態を開示しており、(a)は、断面図を示し、(b)は、正面図を示す。
【
図8】実施例の構成を示す側断面図であって、(a)は、パイプ3を背部側に突設した場合にパイプ3の断面積を調整自在としている場合を示し、(b)は、パイプ3を背部側と交差する斜方向側に突設した場合にパイプ3の方向を調整自在としている場合を示し、(c)は、パイプ3を側部側に突設した場合にパイプ3の断面積を調整自在としている場合を示し、(d)は、パイプ3を側部側と交差する斜方向側に突設した場合にパイプ3の方向を調整自在としている場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
基本構成(1)は、
図1(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示すように、複数個の散水孔11を備え、かつ前側に配置されている散水部1、及び散水部1と背部側にて接続され、かつ指91及び掌92との当接による把持を予定している当接部2を備え、しかもホースを形成するパイプ3を、当接部2の背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側、又は当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設しているシャワーヘッドであって、当接部2が指91及び掌92の把持に伴う押圧によって弾性変形が可能な素材を採用していることを特徴とするシャワーヘッドである。
【0017】
基本構成(1)は、当接部2自体が弾性変形可能であることによって、指91及び掌92が当接部2を押圧可能な状態にて把持し得ることを基本的特徴としている。
【0018】
把持によって弾性変形可能なプラスチックシートの典型例は、プラスチック製のゴムであり、エチレンプロピレンゴム(EPR)、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM)を典型例として挙げることができる。
【0019】
基本構成(1)の場合には、パイプ3から流入した水が当接部2を満杯とした上で、散水部1から散水することが可能であることから、当接部2の容積を小さい状態とすることができる。
【0020】
ホースを形成するパイプ3が背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側に突設している場合には、指91によってパイプ3を囲むことを前提としており、
図1(a)、(b)の点線は、このような囲んだ状態を図示しており、かつこのような状態は、
図2に示す基本構成(2)、
図3に示す基本構成(3)、
図4に示す基本構成(4)の場合においても同様である。
但し、何れの基本構成においても、
図5(a)、(b)に示すように、親指91と人差指91との間、又は人差指91と中指91との間にて囲む場合が典型例として頻繁に採用されている。
尚、前記の囲む状態とは、指91をパイプ3に当接させた上で、挟んだ状態も当然包摂されている。
【0021】
これに対し、ホースを形成するパイプ3が当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設されている場合には、
図1(b)に示すように、指91がパイプ3を囲むことはありえず、かつパイプ3は掌92よりも前側に配置されている。
【0022】
このような把持及び配置の状態は、基本構成(2)、(3)、(4)の場合においても同様である。
【0023】
基本構成(2)は、
図2(a)、(b)及び
図1(c)、(d)、(e)に示すように、複数個の散水孔11を備え、かつ前側に配置されている散水部1、及び散水部1と背部側にて接続され、かつ指91及び掌92との当接による把持を予定している当接部2を備え、しかもホースを形成するパイプ3を、当接部2の背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側、又は当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設しているシャワーヘッドであって、当接部2が曲折自在な素材を採用しており、しかも当接部2の内壁に弾性変形可能な素材を採用し、かつ当該素材の間に隙間が形成されている立体網状部4を密着していることを特徴とするシャワーヘッドである。
【0024】
基本構成(2)は、弾性変形可能な素材を採用している立体網状部4の伸縮性によって、指91及び掌92が当接部2を押圧可能な状態にて把持し得ることを基本的特徴としている。
【0025】
基本構成(2)においては、曲折自在な素材による当接部2+弾性変形可能な立体網状部4が、基本構成(1)の弾性変形可能な当接部2と同等の機能を発揮していることに帰する。
但し、基本構成(2)の当接部2についても、基本構成(1)の場合と同様に、弾性変形が可能な素材を採用することは当然可能であり、この点は基本構成(3)、(4)においても同様である(したがって、基本構成(3)、(4)においては、前記説明を省略する。)。
【0026】
弾性変形可能な立体網状部4については、金属線、プラスチック繊維、硬質ゴム状繊維を典型例として採用することができる。
【0027】
基本構成(2)の場合には、ホースを形成するパイプ3から流入した水は、立体網状部4の隙間を通過し得ることから、
図2(a)に示すように、パイプ3を背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側に突設する場合であっても、
図2(a)に示すように、立体網状部4を貫通する必要がなく、
図2(b)に示すように、パイプ3を側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設している場合であっても、
図2(b)に示すように、パイプ3の注入口が立体網状部4よりも前側である必要がなく、立体網状部4の側部側に配置することも可能である。
【0028】
しかも水が立体網状部4を通過する以上、立体網状部4は、
図2(a)、(b)の上側図面に示すように、散水部1の背部面までに当接しない場合、及び
図2(a)、(b)の下側図面に示すように、当接する場合の何れをも採用することができる。
【0029】
立体網状部4は、
図2(a)に示すように、内側に空洞部を有しない三次元形状の場合、及び
図2(b)に示すように、内側に空洞部を有する三次元形状の何れをも採用することができる。
【0030】
基本構成(3)は、
図3(a)、(b)及び
図1(c)、(d)、(e)に示すように、複数個の散水孔11を備え、かつ前側に配置されている散水部1、及び散水部1と背部側にて接続され、かつ指91及び掌92との当接による把持を予定している当接部2を備え、しかもホースを形成するパイプ3を、当接部2の背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側、又は当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設しているシャワーヘッドであって、当接部2が曲折自在な素材を採用しており、しかも当接部2の内壁に隙間を形成せずに連続している素材によるスポンジゴム5を密着しており、背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側に突設されているパイプ3が当該スポンジゴム5を貫通するか、又は側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設されているパイプ3の注入口が当該スポンジゴム5よりも前側に配置されていることを特徴とするシャワーヘッドである。
【0031】
基本構成(3)は、スポンジゴム5の伸縮性によって、指91及び掌92が当接部2を押圧可能な状態にて把持し得ることを基本的特徴としている。
【0032】
基本構成(3)においては、曲折自在な素材による当接部2+スポンジゴム5が、基本構成(1)の弾性変形可能な当接部2と同等の機能を発揮していることに帰する。
【0033】
隙間を形成せずに連続している素材によるスポンジゴム5については、独立気泡構造を有する膨張ゴム、ウレタン樹脂による液状ゴム、天然ラテックス及び合成ラテックスを原料とするフォームラバー(多孔質ゴム)を典型例として採用することができる。
但し、液状ゴムを採用する場合には、ホースを形成するパイプ3から当接部2に流入する水との境界膜を前側に設定することによって、水との混合を防止するとよい。
【0034】
基本構成(4)は、
図4(a)、(b)及び
図1(c)、(d)、(e)に示すように、複数個の散水孔11を備え、かつ前側に配置されている散水部1、及び散水部1と背部側にて接続され、かつ指91及び掌92との当接による把持を予定している当接部2を備え、しかもホースを形成するパイプ3を、当接部2の背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側、又は当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設しているシャワーヘッドであって、当接部2が曲折自在な素材を採用しており、しかも当接部2の内壁に空気の密閉による中空状態を形成している変形自在容器6を密着しており、背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側に突設されているパイプ3が当該変形自在容器6を貫通するか、又は側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設されているパイプ3の注入口が当該変形自在容器6よりも前側に配置されていることを特徴とするシャワーヘッドである。
【0035】
基本構成(4)は、空気を密閉することによって空洞を形成し、かつ当接部2の内壁に密着している変形自在容器6によって、指91及び掌92が当接部2を押圧可能な状態にて把持し得ることを基本的特徴としている。
【0036】
基本構成(2)においては、曲折自在な素材による当接部2+変形自在容器6が、基本構成(1)の弾性変形可能な当接部2と同等の機能を発揮していることに帰する。
【0037】
変形自在容器6を形成する素材の典型例は、合成ゴム及び天然ゴムである。
【0038】
変形自在容器6が当接部2の内壁に密着するような形状を呈する一方、前側の面は選択自在であって、
図4(a)に示すような平面形状及び
図4(b)に示すような前側に膨張するような形状をも採用することができる。
【0039】
但し、変形自在容器6が、
図4(b)に示すように前側に膨張し、散水部1の背後側に当接する形状の場合には、ホースを形成するパイプ3が背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側に突設されているパイプ3は、変形自在容器6を貫通することから、前記当接する部位は、パイプ3が貫通する位置に該当しないことを必要不可欠とする。
【0040】
何故ならば、前記部位が前記位置に該当する場合には、ホースを形成するパイプ3の前側端部が散水部1の内壁と当接し、パイプ3による散水部1の全領域に対する円滑な水の供給が不可能又は極めて困難と化すからである。
【0041】
基本構成(1)、(2)、(3)、(4)においては、
図5(a)、(b)に示すように、親指91又は親指91及び小指91と、掌92の全領域又は一部領域とによって把持されている当接部2の側部側における幅が、親指91以外の4本の指91、又は親指91及び小指91以外の3本の指91の全領域又は一部領域において、当接部2からの突出状態を実現している程度であることを特徴とする実施形態、更には当該実施形態において、
図1(a)、(b)に示すように、当接部2の前側から背部側に至る厚みが、当接部2の側部側端部よりも更に側部側に突出した指91の最大幅よりも小さいことを特徴とする更なる実施形態を採用することができる。
但し、前記実施形態において、別出願において詳細に説明することにする。
【0042】
基本構成(1)、(2)、(3)、(4)において、パイプ3を当接部2の側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設する場合に、
図1(d)に示すように、パイプ3のうち当接部2の近接領域に散水孔11を設ける実施形態を採用することができる。
【0043】
前記実施形態においては、多量の散水による効率的な洗浄効果を発揮することができる。
【0044】
基本構成(1)、(2)、(3)、(4)においては、
図6(a)、(b)に示すように、散水部1において、各散水孔11以外の位置に突起7を突設していることを特徴とする実施形態を採用することができる。
【0045】
前記実施形態においては、突起7の先端を身体に接触することによって、散水と同時にマッサージを行うことが可能となる。
【0046】
更には、ペットに対する散水の際に、突起7による愛撫行為を実現することができる。
【0047】
基本構成(1)、(2)、(3)、(4)においては、
図7(a)、(b)に示すように、散水部1において、各散水孔11を延設している散水パイプ8を突設していることを特徴とする実施形態を採用することができる。
【0048】
前記実施形態においては、突設した散水パイプ8の先端を身体に当接させた場合には、散水パイプ8の先端から噴出する水を身体に衝突させることによって、刺激のある散水を実現することができる。
【0049】
のみならず、散水パイプ8の先端によって散水中に身体に接触することによって、
図6に示す実施形態の突起7の場合と同様に、自らの身体に対するマッサージ、及びペットに対する愛撫行為を行うことも可能となる。
【0050】
更には、頭髪に散水する場合に、散水パイプ8の先端を頭髪の地肌に当接又は近接した状態にて散水することも可能となり、効率的な頭髪部分の散水を実現することができる。
【0051】
基本構成(1)、(2)、(3)、(4)においては、当接部2の素材として、指91及び掌92に接着可能であるシリコンエラストマーを採用していることを特徴とする実施形態を採用することができる。
【0052】
シリコンエラストマーは、高重合度のシリコンオイルを架橋反応によって得られたゴム状のポリマーを指している。
【0053】
一方、硬化していないシリコンゴムは、接着剤として使用されている。
【0054】
このような場合、シリコンエラストマーを生成する架橋反応において、架橋の程度を調整することによって、接着性を有するシリコンエラストマーを確保することができ、前記実施形態はこのような架橋の程度の調整に立脚している。
【0055】
前記実施形態の場合には、シリコンエラストマーによる当接部2が指91及び掌92に接着することによって、当接部2に対する把持を確実な状態とすることができる。
【0056】
基本構成(1)、(2)、(3)、(4)においては、当接部2の外壁に、両面側における面ファスナーを付着していることを特徴とする実施形態を採用することができる。
【0057】
このような当接部2の外壁に対する両面側における面ファスナーの付着によって、前記実施形態の場合には、一方側の面ファスナーを前記外壁に接着し、他方側の面ファスナーを掌92に接着することによって、当接部2に対する確実な把持を実現することができる。
【0058】
基本構成(1)、(2)、(3)、(4)においては、
図1(b)、(e)に示すように、当接部2の背部側に、指91及び/又は掌92の外側を巻着するゴムバンド10を設置していることを特徴とする実施形態を採用することができる。
【0059】
このような実施形態の場合においては、ゴムバンド10の巻着によって指91及び/又は掌92の当接部2に対する押圧状態を更に補強することができる。
【0060】
以下、実施例に即して説明する。
【実施例0061】
実施例においては、
図8(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、パイプ3における当接部2からの突設開始端近傍領域が変形自在な素材を採用していることを特徴としている。
【0062】
このような特徴によって、パイプ3を背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側に突設した場合には、
図8(a)に示すように、パイプ3を囲み、かつ挟んだ状態にある2本の指91を相互に近づくように移動することによってホースを形成するパイプ3における前記近傍領域の断面積を調整し、散水孔11から散水する水量を調整することができ、
図8(c)に示すように、パイプ3を側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設している場合には、親指91と人差指91をパイプ3の両側に配置する状態とした上で、親指91を人差指91側に移動することによって、前記近傍領域の断面積を調節し、散水孔11から散水する水量を調節することができる。
【0063】
更には、
図8(b)に示すように、パイプ3を背部側若しくは当該背部側と交差する斜方向側に突設した場合には、パイプ3を囲み、かつ挟んだ状態にある親指91以外の4本の指91を前記近傍領域の内、当接部2から離れる側の端部又は当該端部に対し更に離れる側の近傍の領域を囲み、かつ挟んだ状態とし、当該挟んだ方向の角度を調整することによって、パイプ3の方向を調整し、かつ散水する水の方向を調整することができ、
図8(d)に示すように、パイプ3を側部側若しくは当該側部側と交差する斜方向側に突設している場合には、親指91と人差指91との間にパイプ3を配置する状態とした上で、親指91を前記近傍領域の内、当接部2から離れる側の端部又は当該端部に対し更に離れる側の近傍と接触した上で、人差指91側に移動することによって、パイプ3の方向を調整し、かつ散水する水の方向を調整することができる。
前記基本構成(1)、(2)、(3)、(4)に立脚している本発明においては、指91及び掌92によって当接部2における弾性変形を伴う押圧を介して、確実かつ快適な把持を実現し得るという画期的なシャワーヘッドを提供することができ、広範な産業上の利用を期待することができる。