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特開2024-82888情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082888
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240613BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197077
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】519227167
【氏名又は名称】株式会社ニーリー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 養太
(72)【発明者】
【氏名】西村 啓渡
(72)【発明者】
【氏名】野呂 有我
(72)【発明者】
【氏名】葛城 新平
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC13
5L050CC13
(57)【要約】
【課題】ユーザの申請書面の用意をより支援することが可能な情報処理システム等を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。受付ステップでは、所定の自動車保管場所に関する位置情報を第1の位置情報として受け付ける。選定ステップでは、受け付けた第1の位置情報に基づき、所定の自動車保管場所を管轄する機関が受理可能な雛形を選定する。出力ステップでは、選定ステップで選定された雛形を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車を購入した場合や、自動車を所有する者が転居する場合等にあたって、自動車保管場所証明書(車庫証明書)を用意することが必要な場合がある。ここで、かかる手続に要される各種書面の用意が煩雑と考えられることがあり、このような問題点を解決しようとする技術も存在する。
【0003】
たとえば、特許文献1には、「自動車保管場所証明書を管轄の警察署に申請する必要がある際に、前記証明書が交付されるまでに長い時間がかかることがなく、また引っ越しする際には十分な検討ができ、月極駐車場の費用等を比較をすることができ、空き利用に関するあらゆる情報や手続を提供し手続できるようにし、またPC等を通じて管理することを可能とした月極駐車場管理システム」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-199069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザの使い勝手のよいシステムの開拓余地は依然として存在する。とりわけ、ユーザの申請書面の用意をいっそう支援することが可能な技術が望まれている。
【0006】
本発明では上記事情に鑑み、ユーザの申請書面の用意をより支援することが可能な情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。受付ステップでは、所定の自動車保管場所に関する位置情報を第1の位置情報として受け付ける。選定ステップでは、受け付けた第1の位置情報に基づき、所定の自動車保管場所を管轄する機関が受理可能な雛形を選定する。出力ステップでは、選定ステップで選定された雛形を出力する。
【0008】
上記態様によれば、ユーザの申請書面の用意をより支援することが可能な情報処理システム等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る情報処理システム100を表す構成図である。
図2】ユーザ端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
図5】情報処理システム100の実行する情報処理を説明するためのアクティビティ図である。
図6】ユーザ端末1に表示される表示画面の一例である。
図7】ユーザ端末1に表示される表示画面の一例である。
図8】出力部333の出力する保管場所に関する図の例である。
図9】ユーザ端末1に表示される表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
すなわち、本実施形態の情報処理システムは以下に示されるものである。
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
受付ステップでは、所定の自動車保管場所に関する位置情報を第1の位置情報として受け付け、
選定ステップでは、受け付けた前記第1の位置情報に基づき、前記所定の自動車保管場所を管轄する機関が受理可能な雛形を選定し、
出力ステップでは、前記選定ステップで選定された前記雛形を出力する、情報処理システム。
【0012】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0013】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0014】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0015】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0016】
1.1 情報処理システム100
図1は、本実施形態に係る情報処理システム100を表す構成図である。情報処理システム100はユーザ端末1と、契約者端末2と、サーバ3と、を備え、これらがネットワーク4を通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。なお、情報処理システム100に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ3単体であってもシステムの一例となる。
【0017】
1.2 ユーザ端末1
ユーザ端末1は、ユーザが所持する端末である。ここでのユーザは典型的には自動車保管場所に関する雛形を欲するユーザである。この雛形を欲するユーザの一例としては、自動車保管場所を管理する不動産会社等が挙げられるが、必ずしもこれには限定されない。すなわち、本明細書では、ユーザ端末1が自動車保管場所を管理する不動産会社が所有する端末であり、契約者端末2が、自動車保管場所の賃貸契約を行う者が所有する端末であるものとして説明を行うが、自動車保管場所の契約を行う契約者自身が雛形を欲する場合は、このユーザ端末1は、当該契約者が所有する端末であってもよい。例えば、ユーザ端末1は、コンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。
【0018】
図2は、ユーザ端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
ユーザ端末1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、表示部14と、入力部15とを有し、これらの構成要素がユーザ端末1の内部において通信バス10を介して電気的に接続されている。通信部11、記憶部12及び制御部13の説明は、後述の、サーバ3における通信部31、記憶部32及び制御部33と略同様のため省略する。
【0019】
表示部14は、例えば、ユーザ端末1の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部14は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、端末の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。ここでは、表示部14は、ユーザ端末1の筐体に含まれるものとして説明する。
【0020】
入力部15は、ユーザ端末1の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部15は、表示部14と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部15がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス10を介して制御部13に転送され、制御部13が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0021】
1.3 契約者端末2
契約者端末2は、自動車保管場所に関する契約をしようとする契約者(典型的には自動車所有者であり、自動車保管場所の借主である。)が所有する端末である。例えば、契約者端末2は、コンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。
【0022】
契約者端末2のハードウェア構成は、前述のユーザ端末1のハードウェア構成と同様である場合が例示される。すなわち、契約者端末2は図2で示される各種構成(通信部、記憶部、制御部、表示部、入力部および通信バス)を有していてもよいが、ここでは省略のため、説明を割愛する。
【0023】
1.4 サーバ3
図3は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素がサーバ3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0024】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ3は、通信部31を介して、ユーザ端末1や契約者端末2等とネットワーク4を介して種々の情報を通信する。
【0025】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0026】
制御部33は、サーバ3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、2.節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0027】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0028】
図4は、サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理システム100の一例であるサーバ3は、受付部331と、選定部332と、出力部333と、作成部334と、判定部335と、警告部336と、記憶管理部337とを備えるものである。
【0029】
受付部331は、受付ステップを実行可能に構成される。受付ステップにおいて、ユーザ端末1や、契約者端末2等から、種々の情報を受け付ける。本実施形態においては、受付部331は、所定の自動車保管場所に関する位置情報を第1の位置情報として受け付ける。典型的には、受付部331は、ユーザ端末1に対して行われる操作を契機に、所定の自動車保管場所に関する位置情報を受け付ける。また、受付部331は、さらに自動車の使用者に関する位置情報を第2の位置情報として受け付けることも可能である。より具体的な態様については追って説明することとする。
【0030】
選定部332は、選定ステップを実行可能に構成される。選定ステップにおいて、選定部332は、受け付けた第1の位置情報に基づき、所定の自動車保管場所を管轄する機関が受理可能な雛形を選定する。このステップの具体的な処理については、追って説明することとする。
【0031】
出力部333は、出力ステップを実行可能に構成される。出力ステップにおいて、出力部333は、種々の情報をユーザが認識可能となるように制御する。典型的には、出力部333は、所定のデータ(電子情報)や、所定の表示情報を出力するように構成される。なお、表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものでもよいし、例えばユーザ端末1や契約者端末2に画面、画像、アイコン、テキスト等を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。また、本実施形態においては、出力部333は、選定ステップで選定された雛形を出力する。
【0032】
作成部334は、生成ステップを実行可能に構成される。作成ステップにおいて、作成部334は、第1の位置情報に基づき、雛形に適合する所定の自動車保管場所の所在図の画像情報を作成する。当該画像情報の詳細は追って説明する。
【0033】
判定部335は、判定ステップを実行可能に構成される。判定ステップにおいて、判定部335は、第1の位置情報と、第2の位置情報と、に基づき、使用者が、所定の自動車保管場所の使用することの適法性の有無を判定する。より典型的な例では、判定部335は、第1の位置情報と、第2の位置情報と、の間の直線距離の数値が、所定の閾値を超過しているか否かに基づいて、前述した適法性の有無を判定する。
【0034】
警告部336は、警告ステップを実行可能に構成される。警告ステップにおいて、警告部336は、判定ステップで、使用者が、所定の自動車保管場所の使用することについて適法性がないと判定された場合、ユーザに対しての警告を行う。この判定と警告に関する情報処理の詳細は追って説明することとする。
【0035】
記憶管理部337は、記憶管理ステップを実行可能に構成される。記憶管理ステップにおいて、記憶管理部337は、本実施形態の情報処理システム100に関連する、記憶すべき種々の情報について管理する。この記憶領域は、たとえばサーバ3の記憶部32や各種端末の記憶部が例示されるが、この記憶領域は必ずしも情報処理システム100のシステム内である必要はなく、記憶管理部337は、種々の情報を外部記憶装置などに記憶するように管理することもできる。
【0036】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理システム100の実行する情報処理方法の各ステップについて、図5を参照しながら説明を行う。
【0037】
図5は、情報処理システム100の実行する情報処理を説明するためのアクティビティ図である。本実施形態の情報処理方法においては、図5中のアクティビティA101に示されるように、まず、ユーザ端末1より自動車保管場所についての指定がなされる。
【0038】
この自動車保管場所の指定について、図6を用いて説明する。図6は、ユーザ端末1に表示される表示画面の一例である。この図6に示される表示画面D1には、所定の地域を表すマップM1が表示され、このマップM1の中に、複数の自動車保管場所(駐車場P1~P3)が示されている。
【0039】
このような表示画面D1に接したユーザは、自身の興味のある駐車場を示すオブジェクトを、クリック操作等により押下することによって、駐車場の指定を行うことができる。なお、このような表示画面D1は、自動車保管場所に関するサイトにログインされていることを条件として表示されるように構成されていてもよい。
【0040】
なお、図6では明示されていないが、自動車保管場所に空きがある場合と、空きがない場合とで、自動車保管場所を表すマークが識別可能に変更されていてもよい。また、ユーザが、図6における特定の自動車保管場所(駐車場P1~P3)を指定する際に、指定された自動車保管場所の詳細が表示されるように構成されてもよい。
この自動車保管場所の詳細としては、自動車保管場所の名称、自動車保管場所の所在地、賃料、地面の態様(アスファルト舗装の有無)、駐車の態様(平置駐車場か、立体駐車場か、立体式駐車場か等)、駐車可能な車種、使用可能な時間帯等が挙げられるが、これらには限定されない。
【0041】
また、図6の表示画面D1のように自動車保管場所を表示させるに先立って、自動車保管場所の検索が行われてもよい。すなわち、表示画面D1に示される駐車場P1~P3は、この検索で絞り込まれた結果として表示されるものであってもよい。
なお、この検索は種々の条件に基づく検索であってよいが、典型的には、地理的条件(所定の場所からの距離)や、上述の自動車保管場所の詳細に関する条件に基づく検索が例示される。たとえば、賃料や、所定の場所からの距離のような、数値に基づく検索条件を用いる場合を例に挙げると、ユーザより受け付けた所定の数値範囲を満たす自動車保管場所が検索結果をして表示されるように構成されてよい。
【0042】
なお、駐車場P1~P3に関する情報は、ユーザ端末1やその他の端末等を介して入力され、記憶されたものであってよい。同様に、駐車場P1~P3に関する情報は、ユーザ端末1やその他の端末等を介して入力された内容によって、適宜更新されてもよい。
【0043】
上記のようにして特定の自動車保管場所(駐車場)の指定が行われると、サーバ3の受付部331が、所定の自動車保管場所に関する位置情報を第1の位置情報として受け付けることとなる(アクティビティA102)。
【0044】
この位置情報の受け付けは、例えば以下のようにして実行される。すなわち、受付部331は、所定の自動車保管場所の緯度経度情報に基づき、第1の位置情報を受け付けることができる。より具体的には、受付部331は、ユーザの、画面に表示されたマップに対する操作に基づき、緯度経度情報を特定し、これによって第1の位置情報を受け付けることができる。
すなわち、ユーザ端末1に表示されるマップM1に対する指定(クリック操作等)を行うことによって、指定された自動車保管場所の緯度経度情報を特定し、これを第1の位置情報として受け付けることが可能である。すなわち、自動車保管場所によっては、住所に関する情報を持たなかったり、住所で特定される位置情報が自動車保管場所の正確な位置を示さなかったりすることがあり、自動車保管場所の明確な所在地を特定できない場合がある。このような場合であっても、上記のような態様によれば、緯度経度情報に基づいて、容易に位置情報を特定することができる。なお、このマップM1における自動車保管場所の位置情報は、マップM1上のオブジェクト(駐車場P1を示すオブジェクト)をドラッグ操作で移動することによって、変更することもできる。
【0045】
一方、住所等の情報により自動車保管場所(駐車場)の所在地が自明であり、サーバ3の記憶部32に当該所在地に関する情報が記憶されているようであれば、この記憶部32に記憶された所在地に基づいて第1の位置情報を受け付けることも可能である。
【0046】
なお、この第1の位置情報を受け付けるとともに、受付部331は、さらに自動車の使用者に関する位置情報を第2の位置情報として受け付けることも可能である。なお、第1の位置情報と、第2の位置情報とを受け付ける順序は任意であり、第1の位置情報を先に受け付けても、第2の位置情報を先に受け付けても、第1の位置情報と第2の位置情報を同時に受け付けてもよい。この第1の位置情報と、第2の位置情報との双方を受け付けた際の態様について、図7を用いて説明する。
【0047】
図7は、ユーザ端末1に表示される表示画面の一例である。図7の表示画面D2中のマップM1においては、駐車場P1と、使用者の住所R1とが示されるとともに、これらを破線で結んだ画像情報が示されている。
【0048】
すなわち、受付部331が前述した第1の位置情報を受け付けることによって、サーバ3は駐車場P1を特定し、これを表示させている。同様に、受付部331が前述した第2の位置情報を受け付けることによって、サーバ3は、使用者の住所R1を特定し、これを表示させている。
【0049】
なお、第2の位置情報は、事前に登録された使用者の住所に関する情報に基づいて特定されてもよいが、前述の第1の位置情報と同様に、使用者の住所の緯度経度情報に基づき特定されてもよい。その際、ユーザの、画面に表示されたマップM1に対する操作に基づいて、緯度経度情報が特定されてよいのも、前述の第1の位置情報に関する態様と同様である。
【0050】
前述したように、図7のマップM1については、ユーザ端末1に対して行われる操作(ドラッグ操作等)にて、駐車場P1や、使用者の住所R1の位置を調整可能に構成されている。換言すれば、この表示画面D2においては、ユーザ端末1に対して行われる操作によって駐車場P1及び/又は使用者の住所R1の緯度経度情報を更新可能に構成されている。
【0051】
なお、本実施形態の情報処理方法では、表示画面D2のマップM1の直下のスペースに使用者の住所と駐車場の距離が表示されるように構成されている。すなわち、駐車場P1と使用者の住所R1との緯度経度情報から、これらの間の直線距離を演算し、演算された直線距離を表示するように構成されている。現行の制度では、自動車保管場所を、その自動車の所有者の使用の本拠地(典型的には使用者の住所)から、直線距離で2km以内の場所としなければならない。すなわち、表示画面D2に接したユーザは、所定の駐車場に関する契約が、この制度に適合するかについて確認を行うことができる。
【0052】
さらに、本実施形態の情報処理方法においては、このようにしてサーバ3の受付部331が、第1の位置情報等を受け付けた後、サーバ3の選定部332が、受け付けた第1の位置情報に基づき、所定の自動車保管場所を管轄する機関が受理可能な雛形を選定する(アクティビティA103)。
【0053】
ここで、「所定の自動車保管場所を管轄する機関」は、地域ごと(典型的には都道府県ごと)に設定される受理機関であり、現行制度においては、都道府県ごとの警察署がこれに相当する。なお、本明細書ではこの機関を「管轄機関」と称することもある。本発明者らは、この都道府県ごとの警察署によって、受理可能な自動車保管場所証明書の雛形が異なることに着目し、適切にこの雛形を選定する技術の意義を見出し、本実施形態の情報処理方法の実現に至っている。
【0054】
すなわち、本アクティビティA103においては、選定部332が、受付部331の受け付けた第1の位置情報に基づき、所定の自動車保管場所を管轄する機関を特定する。すなわち、自動車保管場所が東京都千代田区に存在するのであれば、管轄機関が警視庁であることを特定し、自動車保管場所が神奈川県横浜市に存在するのであれば、管轄機関が神奈川県警察であることを特定する。続いて、選定部332が、当該管轄機関が受理可能な雛形を選定する。なお、ここでの雛形は、典型的には、自動車の保管場所承諾証明書や、保管場所使用承諾証明書等が該当するが、これには限られず、自動車の保管場所に関する種々の手続に関する雛形であってよい。
【0055】
この雛形は、事前にサーバ3の記憶部32に、対応する機関と紐付けられて記憶されていればよい。なお、この記憶された雛形は管轄機関が受理可能であればよく、必ずしも都道府県ごとに1つずつ設定されている必要はない。すなわち、ある雛形XがA県警察と、B県警察の双方で受理可能であれば、第1の位置情報がA県又はB県に関するものであることを条件として、この雛形Xを選定すれば足りることとなる。
【0056】
このようにして雛形が選定された後、サーバ3の出力部333は、選定部332によって選定された雛形を出力する(アクティビティA104)。
【0057】
なお、本実施形態の出力部333が出力する「雛形」は、未記入の雛形と、所定の情報が記入された雛形と、の双方を包含する。また、出力される雛形は、書面(紙の書面)であっても、種々の電子情報(電子ファイル)であってもよい。必ずしも以下には制限されないが、出力される雛形は、pdf形式の電子ファイル、csv形式の電子ファイル、jpg形式の電子ファイル、bmp形式の電子ファイル等であってもよい。
【0058】
好ましい態様では、出力部333は、雛形(典型的には未記入の雛形)に、所定の自動車保管場所及び/又は自動車の使用者に関する情報が組み合わされた書面又は電子情報を出力する。
すなわち、本実施形態では受付部331が、自動車保管場所及び自動車の使用者に関する情報を受け付け可能に構成されており、この情報が未記入の雛形に組み合わされた上で、所定の出力がなされてもよい。
【0059】
具体的に、本アクティビティA104は、図7の表示画面D2に対する操作を契機に実行されてよい。すなわち、図7におけるボタンBT1又はボタンBT2を押下することにより、各種書面や電子情報の出力が可能に構成されていてもよい。また、ボタンBT3を押下することによって、書面や電子情報(図7の場合では保管場所使用承諾証明書)を所定の宛先にメール送信するように構成されてもよい。なお、ここでのメール送信先は、適宜設定を行うことができるが、典型的には、自動車保管場所の契約を行おうとする契約者端末2のアドレスである。
【0060】
また、図7の表示画面D2には、元の画面(自動車保管場所の指定が可能な画面)に遷移するボタンBT4が設けられている。
【0061】
さらに、図7の表示画面D2には、配置図を空欄にするチェックボックスCB1が設けられている。このチェックボックスCB1にチェックを入れると、配置図の記入のない雛形の出力が可能となる。なお、以下では、この所在図と配置図が記入された雛形の詳細について説明をしていくこととする。
【0062】
前述の通り、本実施形態のサーバ3は、作成部334を備え得る。この作成部334は、第1の位置情報に基づき、雛形に適合する所定の自動車保管場所の所在図の画像情報を作成するように構成されてもよい。また、出力部333は、雛形に画像情報が組み合わされた書面又は電子情報を出力するように構成されてもよい。この具体的態様について、図8を参照しながら説明する。
【0063】
図8は、出力部333の出力する保管場所に関する図の例である。この図8に示される書面DC1は、保管場所証明申請手続に要される、自動車保管場所の所在図と、配置図と、が記入された書面である。すなわち、サーバ3の作成部334は、受付部331が受け付けた第1の位置情報に基づき、駐車場P1の所在地を特定可能な画像情報を作成する。さらに、出力部333が、この画像情報を雛形の所定の欄に組み合わせることで、書面DC1が出力されることとなる。なお、この作成される画像情報に関し、さらに受付部331の受け付けた第2の位置情報に基づいて、使用者の住所R1を特定し、この使用者の住所R1も特定可能な画像情報としてもよい。
【0064】
また、図8には所在図のほか、配置図が組み合わされた書面DC1が示されている。この配置図は、特定された自動車保管場所(駐車場P1)に紐付けられた配置図に関する画像情報に基づくものであってよい。図8で示される態様では、この配置図に関する画像情報を雛形に組み合わせることで、配置図が組み合わされた書面DC1が出力されている。
【0065】
なお、作成部334等のサーバ3の機能に基づき、前述の各種画像情報は、そのサイズが調整されていてもよい。すなわち、選定部332が選定した雛形に設けられた記載欄の大きさに適合するように、各種画像情報のサイズが調整されてもよく、これによって、記載欄に各種画像情報がよく適合した書面DC1を実現することができる。
【0066】
このように、ユーザ端末1の表示部14には、サーバ3の出力部333により出力された雛形が表示されることとなるが(アクティビティA105)、サーバ3の制御部33は、ユーザの指定を受けた自動車保管場所や、出力内容等、一連のデータについて記憶部32に記憶(格納)させるよう制御する(アクティビティA106)。なお、この制御は記憶管理部337が実行するように構成されてもよい。
【0067】
なお、本実施形態の情報処理方法は以下のような構成を備えていてもよい。
【0068】
すなわち、サーバ3の制御部33は、判定部335をさらに備えてもよい。この判定部335は、第1の位置情報と、第2の位置情報と、に基づき、使用者が、所定の自動車保管場所の使用することの適法性の有無を判定してもよい。
【0069】
この判定部335の実行する処理について、図9を参照しながら説明する。図9は、ユーザ端末1に表示される表示画面の一例である。図9に示される表示画面D3においては、駐車場P2が指定されている。ここで、前述の実施形態のように、各種緯度経度情報に基づき、駐車場P2と使用者の住所R1との直線距離を演算すると、2.37kmの距離があったものとする。
【0070】
このような場合において、判定部335は、第1の位置情報と、第2の位置情報と、の間の直線距離の数値が、所定の閾値を超過しているか否かに基づいて、適法性の有無を判定する。すなわち、この場合の駐車場P2と使用者の住所R1との直線距離が2.37kmであり、判定部335は、この直線距離が法定の2kmを超過していることを根拠に、使用者がこの駐車場P2についての契約をした場合に違法性が生じ得ることを判定する。
【0071】
なお、制御部33は、警告部336をさらに備えてもよく、この警告部336は、判定部335によって、使用者が、所定の自動車保管場所の使用することについて適法性がないと判定された場合、ユーザに対しての警告を行うように構成されてもよい。
すなわち、図9の表示画面D3におけるアラートAL1のように、上述のような場合では、出力された雛形の内容が、管轄機関に受理されない場合があるといった警告を発することも可能である。なお、図9で示した態様は、アラートAL1のような文字情報を表示するものであるが、適宜、ユーザが認識可能な音声を警告として発生するように構成されてもよい。
なお、このような警告が行われる場合に、各種出力を実行不能とするように構成されてもよい。一方、このような警告が行われる場合であっても、出力の実行が可能であるように構成されていてもよい。このような出力の可否は、適宜設定することが可能である。
【0072】
以上、本実施形態の情報処理システム100においては、第1の位置情報に基づいて、適切な雛形が選定される。このことから、ユーザの申請書面の用意をより支援することが可能な情報処理システム等が実現されているといえる。
【0073】
4.その他
その他、情報処理システム100に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0074】
以上の実施形態では、情報処理システム100の構成として説明したが、コンピュータに情報処理システム100の各ステップを実行させるプログラムが提供されてもよい。
【0075】
以上の実施形態では、サーバ3が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ3に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、自動車保管場所や雛形に関する情報等を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0076】
また、サーバ3の受付部331が自動車保管場所を管轄する機関に関する種々の情報が更新等されたことを受け付け、これを契機として、雛形が更新等させるように構成されてもよい。典型的な例としては、自動車保管場所を管轄する機関の名称が変更されたことや、受理可能な雛形が改訂されたことを契機として、出力ステップで出力される雛形が更新等されてもよい。
【0077】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0078】
(1)情報処理システムであって、制御部を備え、前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、受付ステップでは、所定の自動車保管場所に関する位置情報を第1の位置情報として受け付け、選定ステップでは、受け付けた前記第1の位置情報に基づき、前記所定の自動車保管場所を管轄する機関が受理可能な雛形を選定し、出力ステップでは、前記選定ステップで選定された前記雛形を出力する、情報処理システム。
【0079】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記出力ステップでは、前記雛形に前記所定の自動車保管場所及び/又は自動車の使用者に関する情報が組み合わされた書面又は電子情報を出力する、情報処理システム。
【0080】
(3)上記(1)または(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、作成ステップをさらに実行するように構成され、前記作成ステップでは、前記第1の位置情報に基づき、前記雛形に適合する前記所定の自動車保管場所の所在図の画像情報を作成し、前記出力ステップでは、前記雛形に前記画像情報が組み合わされた書面又は電子情報を出力する、情報処理システム。
【0081】
(4)上記(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記受付ステップでは、前記所定の自動車保管場所の緯度経度情報に基づき、前記第1の位置情報を受け付ける、情報処理システム。
【0082】
(5)上記(4)に記載の情報処理システムにおいて、前記受付ステップでは、ユーザの、画面に表示されたマップに対する操作に基づき、前記緯度経度情報を特定する、情報処理システム。
【0083】
(6)上記(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記受付ステップでは、さらに自動車の使用者に関する位置情報を第2の位置情報として受け付ける、情報処理システム。
【0084】
(7)上記(6)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、判定ステップをさらに実行するように構成され、前記判定ステップでは、前記第1の位置情報と、前記第2の位置情報と、に基づき、前記使用者が、前記所定の自動車保管場所の使用することの適法性の有無を判定する、情報処理システム。
【0085】
(8)上記(7)に記載の情報処理システムにおいて、前記判定ステップでは、前記第1の位置情報と、前記第2の位置情報と、の間の直線距離の数値が、所定の閾値を超過しているか否かに基づいて、前記適法性の有無を判定する、情報処理システム。
【0086】
(9)上記(7)又は(8)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、警告ステップをさらに実行するように構成され、前記警告ステップでは、前記判定ステップで、前記使用者が、前記所定の自動車保管場所の使用することについて適法性がないと判定された場合、ユーザに対しての警告を行う、情報処理システム。
【0087】
(10)情報処理方法であって、上記(1)ないし(9)のいずれか1つに記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【0088】
(11)プログラムであって、コンピュータに上記(1)ないし(9)のいずれか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0089】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0090】
1 :ユーザ端末
2 :契約者端末
3 :サーバ
4 :ネットワーク
10 :通信バス
11 :通信部
12 :記憶部
13 :制御部
14 :表示部
15 :入力部
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
100 :情報処理システム
331 :受付部
332 :選定部
333 :出力部
334 :作成部
335 :判定部
336 :警告部
337 :記憶管理部
AL1 :アラート
BT1~BT4 :ボタン
CB1 :チェックボックス
D1、D2、D3 :表示画面
DC1 :書面
M1 :マップ
P1、P2、P3 :駐車場
R1 :使用者の住所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9