(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082923
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】車両用制御装置
(51)【国際特許分類】
B60W 20/00 20160101AFI20240613BHJP
B60K 6/48 20071001ALI20240613BHJP
B60W 10/06 20060101ALI20240613BHJP
B60W 10/08 20060101ALI20240613BHJP
B60W 10/10 20120101ALI20240613BHJP
F16H 61/14 20060101ALI20240613BHJP
B60L 50/16 20190101ALI20240613BHJP
【FI】
B60W20/00
B60K6/48 ZHV
B60W10/06 900
B60W10/08 900
B60W10/10 900
F16H61/14 601H
F16H61/14 601Z
B60L50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197137
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 智喜
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 朋亮
【テーマコード(参考)】
3D202
3J053
5H125
【Fターム(参考)】
3D202AA08
3D202BB08
3D202BB16
3D202BB37
3D202BB64
3D202BB65
3D202CC01
3D202DD01
3D202DD06
3D202DD18
3D202DD20
3D202DD24
3D202DD26
3D202DD27
3D202DD32
3D202DD33
3D202DD34
3D202DD38
3D202FF04
3D202FF12
3D202FF13
3J053BA01
3J053CB12
3J053DA01
3J053DA24
3J053EA01
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125BD17
5H125BE05
5H125EE31
(57)【要約】
【課題】トルクコンバータのトルク容量係数を適切に算出する。
【解決手段】ハイブリッド車両に用いられる車両用制御装置は、車輪に動力伝達経路を介して連結されるエンジンと、前記動力伝達経路に設けられるモータジェネレータと、を有する。前記車両用制御装置は、前記エンジンと前記モータジェネレータとの間に位置するトルクコンバータと、前記モータジェネレータと前記車輪との間に位置するクラッチ機構と、を有する。前記車両用制御装置は、プロセッサおよびメモリを備える制御システムを有する。前記制御システムは、前記クラッチ機構を解放し、前記エンジンを運転状態に制御し、かつ前記モータジェネレータを発電状態に制御した状態のもとで、前記モータジェネレータの発電トルクを算出する。前記制御システムは、前記発電トルクから算出される前記トルクコンバータの出力トルクに基づいて、前記トルクコンバータのトルク容量係数を算出する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド車両に用いられる車両用制御装置であって、
車輪に動力伝達経路を介して連結されるエンジンと、
前記動力伝達経路に設けられるモータジェネレータと、
前記動力伝達経路に設けられ、前記エンジンと前記モータジェネレータとの間に位置するトルクコンバータと、
前記動力伝達経路に設けられ、前記モータジェネレータと前記車輪との間に位置するクラッチ機構と、
互いに通信可能に接続されるプロセッサおよびメモリを備え、前記エンジン、前記モータジェネレータ、前記トルクコンバータおよび前記クラッチ機構を制御する制御システムと、
を有し、
前記制御システムは、
前記クラッチ機構を解放し、前記エンジンを運転状態に制御し、かつ前記モータジェネレータを発電状態に制御した状態のもとで、前記モータジェネレータの発電トルクを算出し、
前記制御システムは、
前記発電トルクから算出される前記トルクコンバータの出力トルクに基づいて、前記トルクコンバータのトルク容量係数を算出する、
車両用制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記制御システムは、
前記トルクコンバータの効率および前記出力トルクに基づいて、前記トルクコンバータの入力トルクを算出し、
前記トルクコンバータの入力回転数および前記入力トルクに基づいて、前記トルク容量係数を算出する、
車両用制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記制御システムは、
前記トルク容量係数が基準係数よりも大きい場合には、前記エンジンの目標トルクを下げる側に補正し、
前記トルク容量係数が前記基準係数よりも小さい場合には、前記エンジンの前記目標トルクを上げる側に補正する、
車両用制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用制御装置において、
前記制御システムは、
前記トルク容量係数と前記基準係数との差分の絶対値が大きくなるほどに、前記目標トルクの補正量を大きく設定する、
車両用制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記制御システムは、
前記クラッチ機構を解放し、前記エンジンを運転状態に制御し、前記トルクコンバータのロックアップクラッチを解放し、かつ前記モータジェネレータを発電状態に制御した状態のもとで、前記モータジェネレータの発電トルクを算出する、
車両用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両に用いられる車両用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両に搭載されるパワートレインとして、エンジンおよびトルクコンバータを備えたパワートレインが開発されている(特許文献1-2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-72871号公報
【特許文献2】特開2010-235089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、大量生産されるトルクコンバータには個体差があることから、トルクコンバータ毎のトルク容量係数にバラツキが生じてしまう虞がある。トルクコンバータのトルク容量係数が小さい場合には、トルクコンバータの出力トルクが小さくなる虞があり、トルクコンバータのトルク容量係数が大きい場合には、トルクコンバータの出力トルクが大きくなる虞がある。つまり、ハイブリッド車両のパワートレインを適切に制御するためには、トルクコンバータのトルク容量係数を適切に算出することが求められている。
【0005】
本発明の目的は、トルクコンバータのトルク容量係数を適切に算出することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態の車両用制御装置は、ハイブリッド車両に用いられる車両用制御装置であって、車輪に動力伝達経路を介して連結されるエンジンと、前記動力伝達経路に設けられるモータジェネレータと、前記動力伝達経路に設けられ、前記エンジンと前記モータジェネレータとの間に位置するトルクコンバータと、前記動力伝達経路に設けられ、前記モータジェネレータと前記車輪との間に位置するクラッチ機構と、互いに通信可能に接続されるプロセッサおよびメモリを備え、前記エンジン、前記モータジェネレータ、前記トルクコンバータおよび前記クラッチ機構を制御する制御システムと、を有し、前記制御システムは、前記クラッチ機構を解放し、前記エンジンを運転状態に制御し、かつ前記モータジェネレータを発電状態に制御した状態のもとで、前記モータジェネレータの発電トルクを算出し、前記制御システムは、前記発電トルクから算出される前記トルクコンバータの出力トルクに基づいて、前記トルクコンバータのトルク容量係数を算出する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、制御システムは、クラッチ機構を解放し、エンジンを運転状態に制御し、かつモータジェネレータを発電状態に制御した状態のもとで、モータジェネレータの発電トルクを算出する。また、制御システムは、発電トルクから算出されるトルクコンバータの出力トルクに基づいて、トルクコンバータのトルク容量係数を算出する。これにより、トルクコンバータのトルク容量係数を適切に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態である車両用制御装置が用いられるハイブリッド車両の一例を示す図である。
【
図3】制御ユニットの基本構造の一例を示す図である。
【
図4】トルクコンバータの性能曲線の一例を示す図である。
【
図5】トルクコンバータの性能曲線の一例を示す図である。
【
図6】容量係数算出制御の実行手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】容量係数算出制御の実行手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】容量係数算出制御の実行手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】容量係数算出制御の実行状況の一例を示すタイミングチャートである。
【
図10】容量係数算出制御の実行状況の一例を示す図である。
【
図11】目標トルク補正制御の実行手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】エンジントルクおよびタービントルクの推移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一または実質的に同一の構成や要素については、同一の符号を付して繰り返しの説明を省略する。
【0010】
[ハイブリッド車両]
図1は本発明の一実施形態である車両用制御装置10が用いられるハイブリッド車両11の一例を示す図である。
図1に示すように、ハイブリッド車両11には、エンジン12およびトランスミッション13からなるパワートレイン14が搭載されている。トランスミッション13には、トルクコンバータ15、モータジェネレータ16および変速機構17等が組み込まれている。また、トランスミッション13の変速出力軸18には、プロペラ軸19、デファレンシャル機構20およびドライブ軸21を介して車輪22が連結されている。なお、図示するパワートレイン14は、後輪駆動用のパワートレインであるが、これに限られることはなく、前輪駆動用や全輪駆動用のパワートレインであっても良い。
【0011】
図2は車両用制御装置10の一例を示す図である。
図2に示すように、パワートレイン14のトランスミッション13には、自動変速機や無段変速機等の変速機構17が設けられている。変速機構17の変速入力軸23には、前進クラッチ(クラッチ機構)24、モータジェネレータ16、分離クラッチ25およびトルクコンバータ15を介してエンジン12が連結されている。また、変速機構17の変速出力軸18には、プロペラ軸19、デファレンシャル機構20およびドライブ軸21を介して車輪22が連結されている。なお、前進クラッチ24は、動力源であるエンジン12およびモータジェネレータ16を車輪22から切り離すクラッチ機構であり、遊星歯車列等からなる前後進切替機構の一部を構成するクラッチ機構である。
【0012】
図2に示すように、エンジン12と車輪22とは、変速機構17等からなる動力伝達経路30を介して連結されている。
図2に示した例において、動力伝達経路30は、クランク軸31、トルクコンバータ15、タービン軸32、分離クラッチ25、モータジェネレータ16、前進クラッチ24、変速機構17、プロペラ軸19、デファレンシャル機構20およびドライブ軸21等によって構成されている。このように、エンジン12と車輪22とを連結する動力伝達経路30には、トルクコンバータ15、モータジェネレータ16および前進クラッチ24が設けられている。また、トルクコンバータ15はエンジン12とモータジェネレータ16との間に位置しており、前進クラッチ24はモータジェネレータ16と車輪22との間に位置している。
【0013】
トルクコンバータ15、分離クラッチ25、前進クラッチ24および変速機構17等を制御するため、トランスミッション13には複数の電磁バルブや油路等からなるバルブボディ33が設けられている。また、バルブボディ33には、エンジン12や電動モータによって駆動されるオイルポンプ34が接続されている。オイルポンプ34から圧送されるオイルは、バルブボディ33を経て供給先や圧力等が制御され、トルクコンバータ15や前進クラッチ24等に供給される。また、バルブボディ33を制御するため、バルブボディ33にはミッション制御ユニット35が接続されている。
【0014】
エンジン12の吸気マニホールド40には、吸入空気量を調整するスロットルバルブ41が設けられている。また、エンジン12には、吸気ポートやシリンダ内に燃料を噴射するインジェクタ42が設けられており、点火コイルや点火プラグ等からなる点火デバイス43が設けられている。エンジントルクやエンジン回転数を制御するため、スロットルバルブ41、インジェクタ42および点火デバイス43等には、エンジン制御ユニット44が接続されている。
【0015】
モータジェネレータ16は、ステータコイル50が巻き付けられるステータ51と、円筒形状のステータ51に収容されるロータ52と、を有している。ステータ51にはインバータ54が接続されており、インバータ54にはバッテリパック55が接続されている。また、インバータ54を介してモータジェネレータ16を制御するため、インバータ54にはモータ制御ユニット56が接続されている。モータ制御ユニット56は、複数のスイッチング素子等からなるインバータ54を制御することにより、ステータコイル50の通電状態を制御してモータジェネレータ16のモータトルク(力行トルク,発電トルク)やモータ回転数を制御する。
【0016】
[制御システム]
図2に示すように、車両用制御装置10には、パワートレイン14を制御するため、複数の電子制御ユニットからなる制御システム60が設けられている。制御システム60を構成する電子制御ユニットとして、前述したミッション制御ユニット35、エンジン制御ユニット44およびモータ制御ユニット56が設けられるとともに、これらの制御ユニット35,44,56に制御信号を出力する車両制御ユニット61が設けられている。これらの制御ユニット35,44,56,61は、CAN等の車載ネットワーク62を介して互いに通信可能に接続されている。車両制御ユニット61は、各種制御ユニットや後述する各種センサからの入力情報に基づき、エンジン12やモータジェネレータ16等の作動目標を設定する。そして、エンジン12やモータジェネレータ16等の作動目標に応じた制御信号を生成し、これらの制御信号をエンジン制御ユニット44やモータ制御ユニット56等に出力する。
【0017】
車両制御ユニット61に接続されるセンサとして、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ63、およびブレーキペダルの操作量を検出するブレーキセンサ64がある。また、車両制御ユニット61に接続されるセンサとして、クランク軸31の回転速度であるエンジン回転数を検出するエンジン回転センサ65、タービン軸32の回転速度であるタービン回転数を検出するタービン回転センサ66、変速出力軸18の回転速度から走行速度である車速を検出する車速センサ67がある。また、車両制御ユニット61に接続されるセンサとして、ロータ52に連結されたロータ軸53の回転速度であるモータ回転数を検出するモータ回転センサ68、ステータコイル50の通電電流を検出する電流センサ69がある。さらに、車両制御ユニット61には、制御システム60の起動時に運転手に操作されるスタートスイッチ70が接続されており、運転手によるセレクトレバー71の操作位置を検出するポジションスイッチ72が接続されている。
【0018】
図3は制御ユニット35,44,56,61の基本構造の一例を示す図である。
図3に示すように、電子制御ユニットである制御ユニット35,44,56,61は、プロセッサ80およびメインメモリ(メモリ)81等が組み込まれたマイクロコントローラ82を有している。メインメモリ81には所定のプログラムが格納されており、プロセッサ80によってプログラムが実行される。プロセッサ80とメインメモリ81とは、互いに通信可能に接続されている。なお、マイクロコントローラ82に複数のプロセッサ80を組み込んでも良く、マイクロコントローラ82に複数のメインメモリ81を組み込んでも良い。
【0019】
また、制御ユニット35,44,56,61には、入力回路83、駆動回路84、通信回路85、外部メモリ86および電源回路87等が設けられている。入力回路83は、各種センサから入力される信号を、マイクロコントローラ82に入力可能な信号に変換する。駆動回路84は、マイクロコントローラ82から出力される信号に基づき、前述したインバータ54やバルブボディ33等の各種デバイスに対する駆動信号を生成する。通信回路85は、マイクロコントローラ82から出力される信号を、他の制御ユニットに向けた通信信号に変換する。また、通信回路85は、他の制御ユニットから受信した通信信号を、マイクロコントローラ82に入力可能な信号に変換する。さらに、電源回路87は、マイクロコントローラ82、入力回路83、駆動回路84、通信回路85および外部メモリ86等に対し、安定した電源電圧を供給する。また、不揮発性メモリ等からなる外部メモリ86には、プログラムおよび各種データ等が記憶される。
【0020】
[トルクコンバータ]
図2に示すように、トルクコンバータ15は、エンジン12のクランク軸31に連結されるポンプシェル90を有している。トルクコンバータ15は、ポンプシェル90に固定されるポンプインペラ91と、ポンプインペラ91に対向するタービンランナ92と、を有している。また、タービンランナ92には、トルクコンバータ15の出力軸であるタービン軸32が連結されている。さらに、ポンプシェル90内には、ポンプインペラ91とタービンランナ92とを直結するクラッチ、つまりクランク軸31とタービン軸32とを直結するロックアップクラッチ93が設けられている。
【0021】
ロックアップクラッチ93を解放することにより、クランク軸31とタービン軸32とは切り離された状態となり、クランク軸31からタービン軸32には滑り要素であるトルクコンバータ15を介してトルクが伝達される。つまり、クランク軸31からポンプインペラ91に入力されたトルクは、ポンプインペラ91からタービンランナ92にオイルを介して伝達され、タービンランナ92のタービン軸32から出力される。なお、ロックアップクラッチ93を締結することにより、クランク軸31とタービン軸32とを直結することができ、クランク軸31からタービン軸32に対して直接的にトルクを伝達することができる。
【0022】
図4および
図5はトルクコンバータ15の性能曲線の一例を示す図である。
図4に示すように、横軸には、速度比e(e=N2/N1)が示されており、縦軸には、トルク比t(t=T2/T1)、効率η(η=t×e)、およびトルク容量係数C(C=T1/N1
2)が示されている。このように、トルクコンバータ15の特性は、速度比eに対するトルク比t、効率η、トルク容量係数Cによって表されている。なお、N1はトルクコンバータ15の入力回転数つまりエンジン回転数Neであり、N2はトルクコンバータ15の出力回転数つまりタービン回転数Ntである。また、T1はトルクコンバータ15の入力トルクであり、T2はトルクコンバータ15の出力トルクである。
【0023】
ところで、トルクコンバータ15を備えたハイブリッド車両11の発進性能を確保するためには、トルクコンバータ15のトルク容量係数Cを精度良く把握することが重要である。大量生産されるトルクコンバータ15には個体差があることから、車両毎にトルク容量係数Cが変化してしまう虞がある。つまり、
図5に一点鎖線Cbで示すように、基準となる基準係数Caよりもトルク容量係数Cの小さなトルクコンバータ15が搭載されていた場合には、トルクコンバータ15の出力トルクT2が不足して車両発進性能を低下させてしまう虞がある。一方、
図5に破線Ccで示すように、基準係数Caよりもトルク容量係数Cの大きなトルクコンバータ15が搭載されていた場合には、トルクコンバータ15の出力トルクT2が過大となって前進クラッチ24等に過度なトルクが入力されてしまう虞がある。そこで、制御システム60は、自車両に搭載されたトルクコンバータ15のトルク容量係数Cを把握するため、後述する容量係数算出制御を実行する。
【0024】
[容量係数算出制御(フローチャート)]
図6、
図7および
図8は、容量係数算出制御の実行手順の一例を示すフローチャートである。
図6~
図8に示されるフローチャートは、符号A,Bの箇所で互いに接続されている。なお、
図6~
図8に示される容量係数算出制御の各ステップには、制御システム60を構成するプロセッサ80によって実行される処理が示されている。また、
図6~
図8に示される容量係数算出制御は、制御システム60が起動された後に、制御システム60によって所定周期毎に実行される制御である。
【0025】
図6に示すように、ステップS10では、容量係数算出制御の前提条件が成立しているか否かが判定される。ここで、前提条件が成立する状況とは、例えば、運転手のセレクトレバー操作によって前進レンジ(Dレンジ)が選択されており、運転手によってブレーキペダルが踏み込まれており、かつ車速が0[km/h]に保たれている状況である。このステップS10において、前提条件が成立していないと判定された場合には、トルク容量係数Cの算出処理を実行することなくルーチンを抜ける。一方、ステップS10において、前提条件が成立していると判定された場合には、ステップS11に進む。
【0026】
ステップS11では、実行フラグFL1が「1」に設定されているか否かが判定される。ここで、実行フラグFL1が「1」に設定される状況とは、例えば、整備工場においてパーソナルコンピュータ等の作業端末が車両の制御システム60に接続され、かつ容量係数算出制御の開始操作が作業端末で行われる状況である。このステップS11において、実行フラグFL1が「1」に設定されていると判定された場合には、ステップS12以降の各ステップに進み、トルク容量係数Cを算出するための処理が実行される。一方、ステップS11において、実行フラグFL1が「0」であると判定された場合には、トルク容量係数Cの算出処理を実行することなくルーチンを抜ける。
【0027】
ステップS11において、実行フラグFL1が「1」に設定されていると判定された場合には、ステップS12に進み、エンジン12のアイドリング回転数が引き上げられる。続いて、ステップS13では、前進クラッチ24が解放状態に制御され、続くステップS14では、モータジェネレータ16が発電状態に制御される。このように、モータジェネレータ16による発電が開始されると、ステップS15に進み、モータジェネレータ16の発電電流ig、モータジェネレータ16の入力回転数N1、モータジェネレータ16の出力回転数N2が読み込まれる。前述したように、入力回転数N1とはエンジン回転数Neであり、出力回転数N2とはタービン回転数Ntである。
【0028】
図7に示すように、ステップS16では、ステータコイル50の発電電流igに基づいて、モータジェネレータ16の発電トルクTmが算出される。ステップS16においては、ステータコイル50を流れる発電電流igが大きいほどに、発電トルクTmが大きく算出される。続いて、ステップS17では、以下の式(1)に示すように、発電トルクTmに所定係数k1を乗算することで、トルクコンバータ15の出力トルクT2が算出される。ここで、式(1)に含まれる所定係数k1とは、発電トルクTmを出力トルクT2に換算するための係数、つまりロータ軸53のトルクをタービン軸32のトルクに換算するための係数である。図示する例では、タービン軸32とロータ軸53との間に分離クラッチ25が設けられることから、締結された分離クラッチ25のトルク伝達効率に基づいて所定係数k1が設定される。また、例えばタービン軸32とロータ軸53との間にギヤ列が設けられる場合には、ギヤ列のギヤ比やトルク伝達効率に基づいて所定係数k1が設定される。
T2=Tm×k1 ・・(1)
【0029】
ステップS18では、以下の式(2)に示すように、出力回転数N2を入力回転数N1によって除算することで、トルクコンバータ15の速度比eが算出される。また、ステップS19では、速度比eを用いて
図4の性能曲線図を参照することにより、速度比eからトルクコンバータ15の効率ηが算出される。続くステップS20では、以下の式(3)に示すように、出力トルクT2、速度比eおよび効率ηに基づいて、トルクコンバータ15の入力トルクT1が算出される。このように、モータジェネレータ16の発電トルクTmからトルクコンバータ15の出力トルクT2が算出され、この出力トルクT2からトルクコンバータ15の入力トルクT1が算出される。
e=N2/N1 ・・(2)
T1=T2×e/η ・・(3)
【0030】
図8に示すように、ステップS21では、以下の式(4)に示すように、入力トルクT1および入力回転数N1に基づいて、トルクコンバータ15のトルク容量係数Cが算出される。続くステップS22では、以下の式(5)に示すように、トルク容量係数Cから基準係数Caを減算することで、トルク容量係数Cの差分Csが算出される。このように、差分Csが算出されると、ステップS23に進み、前進クラッチ24が締結状態に制御され、ステップS24に進み、モータジェネレータ16が発電停止状態に制御され、ステップS25に進み、エンジン12のアイドリング回転数が引き下げられる。
C=T1/N1
2 ・・(4)
Cs=C-Ca ・・(5)
【0031】
[容量係数算出制御(タイミングチャート)]
次いで、前述した容量係数算出制御をタイミングチャートに沿って説明する。
図9は容量係数算出制御の実行状況の一例を示すタイミングチャートであり、
図10は容量係数算出制御の実行状況の一例を示す図である。
【0032】
図9に示すように、時刻t1においては、前進レンジの選択によってDレンジフラグが「1」に設定されており(符号a1)、ブレーキペダルの踏み込みによってブレーキフラグが「1」に設定されており(符号b1)、かつ車速が0[km/h]であることによって停車フラグが「1」に設定されている(符号c1)。このように、Dレンジフラグ、ブレーキフラグおよび停車フラグが「1」に設定されている場合には、前述した容量係数算出制御の前提条件が成立していると判定される。なお、制御システム60は、ポジションスイッチ72の出力信号に基づいてDレンジフラグを設定し、ブレーキセンサ64の出力信号に基づいてブレーキフラグを設定し、車速センサ67の出力信号に基づいて停車フラグを設定する。
【0033】
ここで、
図10に示すように、時刻t1においては、エンジン12はアイドリング状態つまり運転状態に制御されており、前進レンジの選択によって前進クラッチ24は締結状態に制御されている。また、停車状態のもとで前進クラッチ24が締結されることから、タービン軸32およびロータ軸53は停止した状態であり、エンジン12によって駆動されるトルクコンバータ15はスリップ状態である。なお、容量係数算出制御において、トルクコンバータ15のロックアップクラッチ93は解放状態に保持されている。
【0034】
図9に時刻t2で示すように、作業者による端末操作によって実行フラグFL1が「1」に設定されると(符号d1)、その後の発電に伴うエンジン負荷の増加に備えてエンジン回転数Neが引き上げられる(符号e1)。続いて、時刻t3で示すように、エンジン回転数Neが所定回転数に到達すると(符号e2)、前進クラッチ24に供給されるクラッチ油圧Pcが引き下げられ(符号f1)、前進クラッチ24が締結状態から解放状態に制御される。
【0035】
このように、前進クラッチ24が解放状態に制御されると、前進クラッチ24によるロータ52の拘束が解除されるため、時刻t4で示すように、エンジン回転数Neに向けてタービン回転数Ntおよびモータ回転数Nmが上昇する(符号g1)。また、前進クラッチ24の解放に併せてモータジェネレータ16が発電状態に制御されるため、モータ回転数Nmの上昇に伴ってモータジェネレータ16の発電トルクTmが増加する(符号h1)。そして、時刻t5で示すように、発電トルクTmの変化速度が安定すると、制御システム60によって、発電トルクTm、エンジン回転数Neおよびタービン回転数Ntが取得される(符号h2,e3,g2)。つまり、制御システム60によって、発電電流igから発電トルクTmが算出され、入力回転数N1および出力回転数N2が読み込まれる。
【0036】
このように、制御システム60によって、発電トルクTm、入力回転数N1および出力回転数N2が取得されると、前述のフローチャートで説明したように、制御システム60は、発電トルクTmから出力トルクT2を算出する。ここで、
図10に示すように、時刻t5においては、前進クラッチ24の解放によってモータジェネレータ16から変速機構17等が切り離されるとともに、エンジン12によってモータジェネレータ16が回転駆動された状態である。この状態のもとでは、トルクコンバータ15の出力トルクT2のほぼ全てが、発電状態のモータジェネレータ16によって消費されることから、発電トルクTmを用いることで出力トルクT2を精度良く算出することができる。そして、出力トルクT2が精度良く算出されると、出力トルクT2および効率ηから入力トルクT1が算出され、入力回転数N1および入力トルクT1からトルク容量係数Cが算出される。
【0037】
これまで説明したように、制御システム60は、前進クラッチ24を解放し、エンジン12を運転状態に制御し、かつモータジェネレータ16を発電状態に制御した状態のもとで、モータジェネレータ16の発電トルクTmを算出する。その後、制御システム60は、発電トルクTmから算出されるトルクコンバータ15の出力トルクT2に基づいて、トルクコンバータ15のトルク容量係数Cを算出する。このように、発電トルクTmを用いることで出力トルクT2を精度良く算出することができ、この出力トルクT2を用いてトルク容量係数Cを精度良く算出することができる。つまり、トルクコンバータ15のトルク容量係数Cを算出する際には、エンジントルクを用いるのではなく、発電トルクTmから算出される出力トルクT2を用いるようにしたので、トルク容量係数Cを精度良く算出することができる。
【0038】
このように、トルクコンバータ15のトルク容量係数Cが算出されると、
図9に時刻t6で示すように、制御システム60によって実行フラグFL1が「0」に設定される(符号d2)。そして、前進クラッチ24に供給されるクラッチ油圧Pcが引き上げられ(符号f2)、前進クラッチ24が解放状態から締結状態に制御される。また、時刻t7で示すように、前進クラッチ24の締結によってロータ52が拘束され、タービン回転数Ntおよびモータ回転数Nmが0[rpm]まで低下すると(符号g3)、エンジン回転数Neが引き下げられる(符号e4)。なお、容量係数算出制御において、分離クラッチ25は締結状態に保持されており、ロックアップクラッチ93は解放状態に保持されている。
【0039】
[目標トルク補正制御]
続いて、トルク容量係数Cに基づきエンジン12の目標トルクを補正する目標トルク補正制御について説明する。
図11は目標トルク補正制御の実行手順の一例を示すフローチャートであり、
図12はトルク補正係数k2の一例を示す図である。なお、
図11に示される目標トルク補正制御の各ステップには、制御システム60を構成するプロセッサ80によって実行される処理が示されている。また、
図11に示される目標トルク補正制御は、制御システム60が起動された後に、制御システム60によって所定周期毎に実行される制御である。
【0040】
前述した
図5に一点鎖線Cbで示すように、基準となる基準係数Caよりもトルク容量係数Cの小さなトルクコンバータ15が搭載されていた場合には、トルクコンバータ15の出力トルクT2が不足して車両発進性能を低下させてしまう虞がある。一方、
図5に破線Ccで示すように、基準係数Caよりもトルク容量係数Cの大きなトルクコンバータ15が搭載されていた場合には、トルクコンバータ15の出力トルクT2が過大となって前進クラッチ24等に過度なトルクを入力してしまう虞がある。そこで、制御システム60は、トルク容量係数Cのバラツキに影響されることなくタービントルクTtを適切に制御するため、トルク容量係数Cに基づきエンジン12の目標トルクを補正する目標トルク補正制御を実行する。
【0041】
図11に示すように、ステップS30では、トルク容量係数の差分Csに基づいて、トルク補正係数k2が設定される。すなわち、
図12に示すように、トルク容量係数の差分Csがマイナス側である場合、つまりトルク容量係数Cが基準係数Caよりも小さい場合には、トルク補正係数k2が「1」よりも大きく設定される。また、トルク容量係数の差分Csがマイナス側である場合には、差分Csの絶対値が大きくなるほどにトルク補正係数k2が大きく設定される。一方、トルク容量係数の差分Csがプラス側である場合、つまりトルク容量係数Cが基準係数Caよりも大きい場合には、トルク補正係数k2が「1」よりも小さく設定される。また、トルク容量係数の差分Csがプラス側である場合には、差分Csの絶対値が大きくなるほどにトルク補正係数k2が小さく設定される。なお、ステップS22で説明したように、トルク容量係数の差分Csとは、トルク容量係数Cから基準係数Caを減算することで得られる差分である。
【0042】
図11に示すように、ステップS31では、アクセル開度および車速に基づき要求駆動力が設定され、この要求駆動力に基づいてエンジン12の基準目標トルクTe1が設定される。続くステップS32では、基準目標トルクTe1にトルク補正係数k2を乗算することで、エンジン12の補正目標トルクTe2が算出される。そして、ステップS33に進み、制御システム60は、補正目標トルクTe2に基づいてエンジン12のスロットルバルブ41やインジェクタ42等を制御する。これにより、トルク容量係数の差分Csに応じてエンジントルクTeを増減させることができ、トルクコンバータ15から出力されるタービントルクTtを適切に制御することができる。
【0043】
ここで、
図13はエンジントルクTeおよびタービントルクTtの推移の一例を示す図である。なお、
図13に示されるエンジントルクTe、つまりクランク軸31から出力されるエンジントルクTeは、トルクコンバータ15の入力トルクT1である。また、
図13に示されるタービントルクTt、つまりタービン軸32から出力されるタービントルクTtは、トルクコンバータ15の出力トルクT2である。
【0044】
まず、
図12に示すように、トルク容量係数の差分Csがマイナス側の「Csa」であった場合、つまりトルク容量係数Cが基準係数Caよりも小さい場合には、トルク補正係数k2が「1」よりも大きな「k2a」に設定される。このように、トルク補正係数k2が「1」よりも大きく設定されると、
図13に一点鎖線Laで示すように、補正目標トルクTe2が基準目標トルクTe1よりも大きく設定される(矢印α1)。つまり、トルク容量係数Cが基準係数Caよりも小さい場合には、トルクコンバータ15から出力されるタービントルクTtが不足してしまう虞があることから、タービントルクTtを補うように入力側のエンジントルクTeが引き上げられる。
【0045】
このように、トルク容量係数Cが基準係数Caよりも小さい場合であっても、エンジン12の目標トルクが上げる側に補正されることから、トルクコンバータ15のタービントルクTtを適切に引き上げることができ(矢印α2)、ハイブリッド車両11の発進性能を確保することができる。また、トルク容量係数Cが基準係数Caよりも小さい場合には、差分Csの絶対値が大きくなるほどにトルク補正係数k2が大きく設定される。これにより、差分Csの絶対値が大きくなるほどに、基準目標トルクTe1と補正目標トルクTe2とのトルク差を拡大することができ、エンジン12の目標トルクの補正量を大きくすることができる。
【0046】
また、
図12に示すように、トルク容量係数の差分Csがプラス側の「Csb」であった場合、つまりトルク容量係数Cが基準係数Caよりも大きい場合には、トルク補正係数k2が「1」よりも小さな「k2b」に設定される。このように、トルク補正係数k2が「1」よりも小さく設定されると、
図13に破線Lbで示すように、補正目標トルクTe2が基準目標トルクTe1よりも小さく設定される(矢印β1)。つまり、トルク容量係数Cが基準係数Caよりも大きい場合には、トルクコンバータ15から出力されるタービントルクTtが過大となる虞があることから、タービントルクTtを抑えるように入力側のエンジントルクTeが引き下げられる。
【0047】
このように、トルク容量係数Cが基準係数Caよりも大きい場合であっても、エンジン12の目標トルクが下げる側に補正されることから、トルクコンバータ15のタービントルクTtを適切に引き下げることができ(矢印β2)、前進クラッチ24等に対する過度なトルク入力を回避することができる。また、トルク容量係数Cが基準係数Caよりも大きい場合には、差分Csの絶対値が大きくなるほどにトルク補正係数k2が大きく設定される。これにより、差分Csの絶対値が大きくなるほどに、基準目標トルクTe1と補正目標トルクTe2とのトルク差を拡大することができ、エンジン12の目標トルクの補正量を大きくすることができる。
【0048】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前述の説明では、4つの制御ユニットによって制御システム60を構成しているが、これに限られることはない。例えば、1つの制御ユニットによって制御システム60を構成しても良く、複数の制御ユニットによって制御システム60を構成しても良い。また、前述の説明では、実行フラグFL1が「1」に設定される状況として、整備工場等における作業端末の操作を例示したが、これに限られることはない。例えば、前回のトルク容量係数Cの算出から所定期間が経過した場合に、制御システム60によって実行フラグFL1を「1」に設定しても良い。この場合には、例えば、ハイブリッド車両11が信号待ち等で停車する際に、トルク容量係数Cを算出することができる。
【0049】
前述の説明では、トルク容量係数Cに基づきエンジン12の目標トルクを補正しているが、これに限られることはない。例えば、トルク容量係数Cに基づき変速機構17の変速タイミングを補正しても良く、トルク容量係数Cに基づきモータジェネレータ16の目標トルクを補正しても良い。また、前述の説明では、トルク容量係数Cに基づきエンジン12の目標トルクを補正する際に、トルク補正係数k2を用いているが、これに限られることはない。例えば、基準目標トルクTe1に対して補正量を加減算することにより、補正目標トルクTe2を設定しても良い。また、前述の説明では、発電電流igに基づいて発電トルクTmを算出しているが、これに限られることはない。例えば、ロータ軸53の捩れを検出するトルクセンサを用いることにより、トルクセンサの検出信号からモータジェネレータ16の発電トルクTmを算出しても良い。
【0050】
前述の説明では、容量係数算出制御の前提条件として、前進レンジを選択していることを挙げているが、これに限られることはなく、運転手によって後退レンジ、中立レンジ或いは駐車レンジが選択されていても良い。また、モータジェネレータ16と車輪22との間に位置するクラッチ機構として、前進クラッチ24を挙げているが、これに限られることはない。例えば、モータジェネレータ16と車輪22との間に位置するクラッチ機構として、前後進切替機構の一部を構成する後退クラッチを用いても良く、変速機構17内に設けられる変速クラッチを用いても良い。また、図示する例では、トルクコンバータ15とモータジェネレータ16との間に分離クラッチ25を設けているが、これに限られることはなく、パワートレイン14から分離クラッチ25を削減してタービン軸32とロータ軸53とを互いに直結しても良い。
【符号の説明】
【0051】
10 車両用制御装置
11 ハイブリッド車両
12 エンジン
15 トルクコンバータ
16 モータジェネレータ
22 車輪
24 前進クラッチ(クラッチ機構)
30 動力伝達経路
60 制御システム
80 プロセッサ
81 メインメモリ(メモリ)
93 ロックアップクラッチ
Tm 発電トルク
T1 入力トルク
T2 出力トルク
N1 入力回転数
η 効率
C トルク容量係数
Ca 基準係数
Cs 差分
Te1 基準目標トルク(目標トルク)
Te2 補正目標トルク(目標トルク)