(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082926
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
E21D 9/00 20060101AFI20240613BHJP
G01N 21/954 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
E21D9/00 Z
G01N21/954 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197148
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000174943
【氏名又は名称】三井住友建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】大津 愼一
(72)【発明者】
【氏名】山地 宏志
(72)【発明者】
【氏名】中森 純一郎
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA82
2G051AB03
2G051FA02
(57)【要約】
【課題】一方向に延伸する構造物の点検作業を適切に行うことができる技術を提供すること。
【解決手段】情報処理装置は、一方向に延伸する構造物の形状に関する形状情報を取得する第一取得部と、形状情報に基づいて構造物の形状に関する三次元モデルを生成する第一生成部と、構造物の状態に関する状態情報であって、二次元情報である状態情報を取得する第二取得部と、三次元モデルと状態情報に基づいて、状態情報を三次元情報に変換するための変換情報を生成する第二生成部と、変換情報に基づいて、状態情報を三次元情報に変換する変換部と、三次元モデルと三次元情報を出力するための出力情報を生成する第三生成部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延伸する構造物の形状に関する形状情報を取得する第一取得部と、
前記形状情報に基づいて前記構造物の形状に関する三次元モデルを生成する第一生成部と、
前記構造物の状態に関する状態情報であって、二次元情報である状態情報を取得する第二取得部と、
前記三次元モデルと前記状態情報に基づいて、前記状態情報を三次元情報に変換するための変換情報を生成する第二生成部と、
前記変換情報に基づいて、前記状態情報を前記三次元情報に変換する変換部と、
前記三次元モデルと前記三次元情報を出力するための出力情報を生成する第三生成部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第二生成部は、前記状態情報における位置と、前記三次元モデルにおける位置とが対応づけられた前記変換情報を生成する処理を実行する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第二生成部は、
所定の間隔で前記状態情報を分割し、
前記三次元モデルに対して座標軸を設定し、
分割された前記状態情報の前記所定の間隔と、前記三次元モデル上の三次元座標とが対応づけられた前記変換情報を生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記形状情報は、前記構造物の延伸方向に関する線情報と、前記延伸方向と交わる向きに配置された、前記構造物の一又は複数の断面に関する断面情報を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第一取得部は、
前記構造物の点群データに基づいて前記線情報を生成する線情報生成部と、
前記線情報に基づいて前記構造物の一又は複数の断面を抽出する断面抽出部と、
前記一又は複数の断面に基づいて前記断面情報を生成する断面情報生成部と、
を備える請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第一生成部は、
前記形状情報に含まれる前記構造物の設計図情報であって前記線情報及び前記断面情報を含む前記設計図情報に基づいて前記三次元モデルを生成する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記状態情報は、前記構造物のひび割れ及び水漏れの少なくとも一方に関する情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
一方向に延伸する構造物の形状に関する形状情報を取得する第一取得ステップと、
前記形状情報に基づいて前記構造物の形状に関する三次元モデルを生成する第一生成ステップと、
前記構造物の状態に関する状態情報であって、二次元情報である状態情報を取得する第二取得ステップと、
前記三次元モデルと前記状態情報に基づいて、前記状態情報を三次元情報に変換するための変換情報を生成する第二生成ステップと、
前記変換情報に基づいて、前記状態情報を前記三次元情報に変換する変換ステップと、
前記三次元モデルと前記三次元情報を出力するための出力情報を生成する第三生成ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
一方向に延伸する構造物の形状に関する形状情報を取得する第一取得ステップと、
前記形状情報に基づいて前記構造物の形状に関する三次元モデルを生成する第一生成ステップと、
前記構造物の状態に関する状態情報であって、二次元情報である状態情報を取得する第二取得ステップと、
前記三次元モデルと前記状態情報に基づいて、前記状態情報を三次元情報に変換するための変換情報を生成する第二生成ステップと、
前記変換情報に基づいて、前記状態情報を前記三次元情報に変換する変換ステップと、
前記三次元モデルと前記三次元情報を出力するための出力情報を生成する第三生成ステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートを用いて建造されたトンネル等の構造物では、時間の経過とともにコンクリートが劣化していき、ひび割れ等が生じてしまう。このようなひび割れ等の発生状況を管理するために、定期的な検査が行われている。診断では、熟練の作業員が、構造物に存在するひび割れ等の位置・形・幅などを示した二次元の図面と、実際の構造物の壁面とを比較する。特許文献1には、そのような二次元の図面を作成し、その図面上に診断結果を入力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような技術においては、ひび割れ等を含むトンネル内を反映する二次元画像を用いてトンネル内の状況を診断する。しかしながら、二次元画像ではトンネル内の状況を正確に反映することができず、トンネルの点検作業を適切に行うことができないおそれがある。
【0005】
開示技術は、このような事情に鑑みてなされたものであり、一方向に延伸する構造物の点検作業を適切に行うことができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示技術の一態様である情報処理装置は、一方向に延伸する構造物の形状に関する形状情報を取得する第一取得部と、形状情報に基づいて構造物の形状に関する三次元モデルを生成する第一生成部と、構造物の状態に関する状態情報であって、二次元情報である状態情報を取得する第二取得部と、三次元モデルと状態情報に基づいて、状態情報を三次元情報に変換するための変換情報を生成する第二生成部と、変換情報に基づいて、状態情報を三次元情報に変換する変換部と、三次元モデルと三次元情報を出力するための出力情報を生成する第三生成部と、を備える。
【0007】
この態様によれば、情報処理装置は、構造物の形状に関する三次元モデルと、構造物の状態に関する三次元情報を出力するための出力情報を生成する。したがって、作業員は、構造物の点検作業を適切に行うことができる。また、作業員は構造物のひび割れ等に関する二次元図面やファイリングされた記録を持参し目視での照合を行う必要がなくなり、構造物の点検作業を容易に行うことができる。さらに、AR(Augmented Reality)やMR(Mixed Reality)に関する視覚化デバイスに表示できる出力情報の生成が可能となり、点検の際に二次元図面と実際の構造物を比較するスキルがない作業員でも点検を容易に行うことができる。さらにまた、植生の繁茂や壁面の汚れなどで実際のひび割れ等が目視での確認がしにくくなったとしても、出力情報を確認することで、ひび割れ等のチェックミスを防止できる。
【0008】
上記情報処理装置において、第二生成部は、状態情報における位置と、三次元モデルにおける位置とが対応づけられた変換情報を生成する処理を実行してもよい。
【0009】
この態様によれば、第二生成部は、状態情報における位置と三次元モデルにおける位置が対応付けられている変換情報を生成する。したがって、変換部は、状態情報を三次元情報に変換する際に当該変換情報を使用可能であるため、第三生成部は、実際の構造物内のひび割れ等の位置をより正確に反映した出力情報の生成を実現できる。
【0010】
上記情報処理装置において、第二生成部は、所定の間隔で状態情報を分割し、三次元モデルに対して座標軸を設定し、分割された状態情報の所定の間隔と、三次元モデル上の三次元座標とが対応づけられた変換情報を生成してもよい。
【0011】
この態様によれば、第二生成部は、正確に、状態情報を三次元情報に変換するための変換情報を生成することができる。
【0012】
上記情報処理装置において、形状情報は、構造物の延伸方向に関する線情報と、延伸方向と交わる向きに配置された、構造物の一又は複数の断面に関する断面情報を含んでもよい。
【0013】
この態様によれば、形状情報は線情報と断面情報を含む。したがって、奥行・幅・高さなどの立体的な情報が得られるため、正確な三次元モデルを生成することができる。
【0014】
上記情報処理装置において、第一取得部は、構造物の点群データに基づいて線情報を生成する線情報生成部と、線情報に基づいて構造物の一又は複数の断面を抽出する断面抽出部と、一又は複数の断面に基づいて断面情報を生成する断面情報生成部と、をさらに備えてもよい。
【0015】
この態様によれば、第一取得部は、構造物の点群データに基づいて線情報及び断面情報を生成する。したがって、第一生成部は、構造物の設計図がなくても三次元モデルを生成できる。
【0016】
上記情報処理装置において、第一生成部は、形状情報に含まれる構造物の設計図情報であって線情報及び断面情報を含む設計図情報に基づいて三次元モデルを生成してもよい。
【0017】
この態様によれば、第一生成部は、構造物の既存の設計図に含まれる線情報及び断面情報を用いて三次元モデルを生成することができる。したがって、作業員は、モデル生成に必要なデータ取得のために構造物のある現地に行く必要がなくなる。
【0018】
上記情報処理装置において、状態情報は、構造物のひび割れ及び水漏れの少なくとも一方に関する情報を含んでもよい。
【0019】
この態様によれば、ひび割れや水漏れについて、適切に、かつ、容易に点検作業が行える。
【0020】
本開示の他の態様に係る情報処理方法は、一方向に延伸する構造物の形状に関する形状情報を取得する第一取得ステップと、形状情報に基づいて構造物の形状に関する三次元モデルを生成する第一生成ステップと、構造物の状態に関する状態情報であって、二次元情報である状態情報を取得する第二取得ステップと、三次元モデルと状態情報に基づいて、状態情報を三次元情報に変換するための変換情報を生成する第二生成ステップと、変換情報に基づいて、状態情報を三次元情報に変換する変換ステップと、三次元モデルと三次元情報を出力するための出力情報を生成する第三生成ステップと、を含む。
【0021】
本開示の他の態様に係るプログラムは、コンピュータに、一方向に延伸する構造物の形状に関する形状情報を取得する第一取得ステップと、形状情報に基づいて構造物の形状に関する三次元モデルを生成する第一生成ステップと、構造物の状態に関する状態情報であって、二次元情報である状態情報を取得する第二取得ステップと、三次元モデルと状態情報に基づいて、状態情報を三次元情報に変換するための変換情報を生成する第二生成ステップと、変換情報に基づいて、状態情報を三次元情報に変換する変換ステップと、三次元モデルと三次元情報を出力するための出力情報を生成する第三生成ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、一方向に延伸する構造物の点検作業を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】トンネルの点群データに基づいて線情報を生成する一例を示す図である。
【
図4】線情報に基づいて断面を抽出する一例を示す図である。
【
図5】断面に基づいて断面情報を生成する一例を示す図である。
【
図7】所定の間隔で状態情報を分割する一例を示す図である。
【
図8】三次元モデルに座標軸を設定する一例を示す図である。
【
図9】分割された状態情報の間隔と、三次元モデル上の三次元座標とが対応づけられた変換テーブルの一例を示す図である。
【
図10】三次元座標軸の原点が設定されたトンネルの断面情報の一例を示す図である。
【
図11】状態情報を三次元状態情報に変換する一例を示す図である。
【
図12】本開示の実施形態に係る情報処理装置の処理に関するフローチャートである。
【
図13】本開示の実施形態に係る変換テーブル生成部の処理に関するフローチャートである。
【
図14】本開示の実施形態に係る情報処理装置、及び、表示装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。さらに、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0025】
<実施形態>
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
<システム概要>
図1は、本開示の情報処理システムの概要を説明するための図である。
図1に示す例では、情報処理システム100は、例示的に、情報処理装置10と、表示装置Gとを備える。
【0026】
図1においては、作業員が、表示装置G(例えば、ゴーグル型のMR(Mixed Reality)デバイス)をとおして、トンネルTの調査・点検業務を行っている。
【0027】
情報処理装置10は、トンネルTに関する三次元モデルを生成する。この三次元モデルには、例えば、過去に点検したトンネルTのひび割れ等に関する情報が合成されている。情報処理装置10は、トンネルTの形状に関する形状情報を取得し、形状情報に基づいて、トンネルTの形状に関する三次元モデルを生成する。情報処理装置10は、ひび割れ等のトンネルTの状態に関する二次元の状態情報を取得し、三次元モデルと状態情報に基づいて、状態情報を三次元情報に変換するための変換テーブル(変換情報)を生成する。情報処理装置10は、変換テーブルに基づいて、状態情報を三次元状態情報(三次元情報)に変換する。情報処理装置10は、三次元モデルと三次元状態情報を出力するための出力情報を生成する。
【0028】
このように、情報処理装置は、トンネルTの形状に関する三次元モデルと、トンネルTの状態に関する三次元情報を出力するための出力情報を生成する。したがって、作業員は、トンネルTの点検作業を適切に行うことができる。また、作業員はトンネルTのひび割れ等に関する二次元図面やファイリングされた記録を持参し目視での照合を行う必要がなくなり、トンネルTの点検作業を容易に行うことができる。さらに、AR(Augmented Reality)やMRに関する視覚化デバイスに表示できる出力情報の生成が可能となり、点検の際に二次元図面と実際のトンネルTを比較するスキルがない作業員でも点検を容易に行うことができる。さらにまた、植生の繁茂や壁面の汚れなどで実際のひび割れ等が目視での確認がしにくくなったとしても、出力情報を確認することで、ひび割れ等のチェックミスを防止できる。
【0029】
作業員は、現地の壁面に過去データが重ね合わせて表示されるので、現状と対比して、その場でトンネルTの劣化の進行状況を確認できる。
【0030】
表示装置Gは、所定のネットワークNを介して情報処理装置10から三次元モデルを受信する。また、表示装置Gは、三次元モデルをディスプレイ上に3D画像表示する。なお、表示装置Gの個数は任意である。
【0031】
ネットワークNは、限定でなく例として、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0032】
<機能構成>
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の機能について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
情報処理装置10は、機能的に、情報処理部11、及び、記憶部21を含んで構成される。
【0034】
記憶部21は、例えば、形状情報22、三次元モデル25、状態情報26、変換テーブル27、三次元状態情報28、及び、出力情報29を記憶する。記憶部21は、
図14に示すメモリ3に対応する。
【0035】
形状情報22は、トンネルTの形状に関する情報である。例えば、形状情報22は、トンネルTの延伸方向に関する線情報23と、延伸方向と交わる向きに配置された、トンネルTの一又は複数の断面に関する断面情報24を含む。
【0036】
線情報23は、例えば、
図3に示すような一方向に延伸するトンネルT内の空間の中央を通る仮想の線である。この仮想の線の長さは任意であるが、好適な例として、トンネルTの入口から出口までを通る。なお、線情報23の生成に関する具体的な説明は後述する。
【0037】
断面情報24は、例えば、
図5に示すようなトンネルTの断面に関する情報である。断面情報24は、トンネルTの延伸方向と交わる向きに配置される。なお、断面情報24の生成に関する具体的な説明は後述する。
【0038】
このように、形状情報22は、線情報23及び断面情報24を含む。したがって、奥行、幅及び高さなどの立体的な情報が得られるため、正確な三次元モデル25を生成することができる。
【0039】
三次元モデル25は、トンネルTの形状に関する三次元のモデルである。三次元モデル25は、形状情報22に基づいて生成される。なお、三次元モデル25の生成に関する具体的な説明は後述する。
【0040】
状態情報26は、トンネルTの状態に関する二次元情報である。状態情報26は、例えば、トンネルTの壁面に存在しているひび割れに関する二次元図面(以下、ひび割れ展開図)である。なお、状態情報26の生成に関する具体的な説明は後述する。
【0041】
変換テーブル27は、二次元情報である状態情報26を三次元状態情報28に変換するための変換テーブルである。なお、変換テーブル27の生成に関する具体的な説明は後述する。
【0042】
三次元状態情報28は、二次元情報である状態情報26を三次元情報に変換した情報である。
【0043】
出力情報29は、三次元モデル25と三次元状態情報28を出力するための情報である。
【0044】
情報処理部11は、機能的に、形状情報取得部12(第一取得部)、三次元モデル生成部16(第一生成部)、状態情報取得部17(第二取得部)、変換テーブル生成部18(第二生成部)、状態情報変換部19(変換部)、及び、出力情報生成部20(第三生成部)を含む。形状情報取得部12(第一取得部)、三次元モデル生成部16(第一生成部)、状態情報取得部17(第二取得部)、変換テーブル生成部18(第二生成部)、状態情報変換部19(変換部)、及び、出力情報生成部20(第三生成部)は、例えば
図14(ハードウェア構成)に示す通信インターフェース4により実現されてもよいし、通信インターフェース4に加えてCPU2がメモリ3に記憶されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。CPU2がプログラムを実行する場合、当該プログラムは、記憶媒体に格納されていてもよい。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は、特に限定されないが、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、又はCD-ROM(Compact Disc ROM)等の記憶媒体であってもよい。
【0045】
形状情報取得部12は、トンネルTの形状に関する形状情報22を取得する。形状情報取得部12は、トンネルTの設計図から形状情報22を取得してもよい。具体的には、形状情報取得部12は、
図14に示す入出力インターフェース5の入力装置としてのカメラによってトンネルTの設計図を撮像することによって当該設計図に関する画像情報を取得する。形状情報取得部12は、取得した、トンネルTの設計図に関する画像情報に基づいて、線情報23及び断面情報24を抽出する。
【0046】
また、形状情報取得部12は、線情報生成部13、断面抽出部14及び断面情報生成部15を備える。
【0047】
トンネルTの設計図がない場合は、線情報生成部13が、
図3に示す、トンネルTの点群データ30に基づいて線情報23を生成する。
【0048】
図3は、トンネルTの点群データ30に基づいて線情報23を生成する一例を示す図である。
図3に示す例では、線情報生成部13は、点群データ30に対して数学的な処理を施して線情報23を求める。限定でなく例として、線情報23は、最小二乗法により求められる。線情報生成部13は、例えば、点群データ30における各点からの距離の二乗の和が最小となる仮想の線を線情報23として求める。このように、例えば、線情報23は、トンネルTの蛇行の状況、及び、勾配等に関する情報を示すものである。
【0049】
なお、点群データ30は、限定でなく例として、三次元レーザースキャナーでトンネルTの内壁面を計測して得られたデータである。
【0050】
次に、断面抽出部14が、線情報生成部13が生成した線情報23に基づいてトンネルTの一又は複数の断面31を抽出する。
【0051】
図4は、線情報23に基づいて断面31を抽出する一例を示す図である。
図4に示す例では、断面抽出部14は、断面31A~31Dを含む、
図3に示す線情報23に対して、例えば垂直に交わる複数の断面31を抽出する。
図4に示す例では、各断面31は、等間隔に抽出される。各断面31の間隔は、適宜変更可能であり、例えばトンネルのサイズ(例えば入口から出口までの長さ)に応じて設定される。なお、各断面31の間隔は、等間隔に抽出されなくてもよい。また、抽出する断面31の数は任意であり、一つであってもよい。
【0052】
次に、断面情報生成部15が、一又は複数の断面31に基づいて断面情報24を生成する。
【0053】
図5は、断面31に基づいて断面情報24を生成する一例を示す図である。
図5に示す例では、断面情報生成部15は、点群データ30から抽出された一又は複数の断面31に近似する図形の断面情報24を生成する。断面31は数多くの点の集まりであるため、近似する図形にすることでデータを軽量化することができる。
【0054】
これにより、形状情報取得部12は、トンネルTの点群データ30に基づいて線情報23及び断面情報24を生成する。したがって、三次元モデル生成部16は、トンネルTの設計図がなくても三次元モデル25を生成できる。
【0055】
図2に戻り、三次元モデル生成部16は、形状情報取得部12が取得した形状情報22に基づいて三次元モデル25を生成する。
【0056】
図6は、三次元モデル25の一例を示す図である。
図6に示す例では、三次元モデル生成部16は、
図3に示す線情報23の延伸する方向に
図5に示すトンネルTの断面情報24を配置して、三次元モデル25を生成する。
【0057】
また、三次元モデル生成部16は、形状情報22に含まれるトンネルTの設計図情報であって線情報23及び断面情報24を含む設計図情報に基づいて三次元モデル25を生成してもよい。三次元モデル生成部16は、例えば、形状情報取得部12がトンネルTの設計図情報(設計図)から取得した線情報23及び断面情報24を基に、三次元モデル25を生成する。
【0058】
これにより、三次元モデル生成部16は、トンネルTの既存の設計図に含まれる線情報23及び断面情報24を用いて三次元モデル25を生成することができる。したがって、作業員は、モデル生成に必要なデータ取得のためにトンネルTのある現地に行く必要がなくなる。
【0059】
状態情報取得部17は、ひび割れ等のトンネルTの状態に関する二次元の状態情報26を取得する。状態情報26は、例えば、トンネルTのひび割れ展開図である。
【0060】
ひび割れ展開図は、トンネルTの壁面に存在するひび割れを二次元の図面に描き起こしたものである。ひび割れ展開図は、例えば、
図7に示すようなトンネルTに存在するひび割れの位置・形・幅などがわかるように二次元の図面に描いた図である。
図7に示すひび割れ展開図では、短辺はトンネルTの入口又は出口を表しており、長辺はトンネルTが覆う地面や道路などの端を表している。また、
図7に示すひび割れ展開図には、後述の説明のために分割する線(以下、分割線)があるが、分割線は実際のひび割れ展開図には描かれていない。ひび割れ展開図は、作業員がトンネルTを点検して画像や動画で記録したひび割れを、パソコンやタブレット上で二次元の図面に描き起こして作成される。
【0061】
また、状態情報取得部17は、トンネルTの壁面で発生している水漏れや石灰化などに関する状態情報26を取得してもよい。
【0062】
変換テーブル生成部18は、三次元モデル25と状態情報26に基づいて、状態情報26を三次元情報に変換するための変換テーブル27を生成する。
【0063】
変換テーブル生成部18は、例えば、状態情報26における位置と、三次元モデル25における位置とが対応づけられた変換テーブル27を生成する処理を実行する。
【0064】
これにより、変換テーブル生成部18は、状態情報26における位置と三次元モデル25における位置が対応付けられている変換テーブル27を生成する。したがって、状態情報変換部19は、状態情報26を三次元状態情報28に変換する際に当該変換テーブル27を使用可能であるため、出力情報生成部20は、実際のトンネルT内のひび割れ等の位置をより正確に反映した出力情報29の生成を実現できる。
【0065】
また、変換テーブル生成部18は、所定の間隔で状態情報26を分割し、三次元モデル25に対して座標軸を設定し、分割された状態情報26の間隔と、三次元モデル25上の三次元座標とが対応づけられた変換テーブル27を生成してもよい。
【0066】
これにより、変換テーブル生成部18は、正確に、状態情報26を三次元状態情報28に変換するための変換テーブル27を生成することができる。
【0067】
図7は、所定の間隔で状態情報26を分割する一例を示す図である。
図7に示す例では、変換テーブル生成部18は、例えば、トンネルTの入口又は出口を示す短辺からトンネルTが延伸する方向に所定の間隔(例えば、L/2)で状態情報26(ひび割れ展開図)を短冊状に分割する。当該所定の間隔は、任意の値であるが、例えばトンネルのサイズ(例えば入口から出口までの長さ)に応じて設定される。当該所定の間隔は、適宜変更可能である。なお、当該所定の間隔は、等間隔でなくてもよい。なお、
図7に示す例では、変換テーブル生成部18は、状態情報26を12個の短冊に分割しているが、分割する個数は任意である。
【0068】
図7に示す状態情報26における中心の分割線を後述の説明のために中心分割線Cとする。中心分割線Cに対応する長辺を含む短冊をそれぞれ26A、26Bとし、26Bに接する斜線で示される短冊を26Cとする。
図7に示すように、短冊26Cの長辺である分割線のうち、中心分割線Cから最も離れている分割線を26CLとする。分割線26CLと中心分割線Cとの間隔をLとする。
【0069】
図8は、三次元モデル25に座標軸を設定する一例を示す図である。
図8に示す例では、変換テーブル生成部18は、三次元モデル25における所定の断面情報24が示すトンネルTの断面の例えば頂上に三次元座標軸の原点Oを設定する。変換テーブル生成部18は、x軸をトンネルTの延伸する方向に設定する。変換テーブル生成部18は、y軸をトンネルTの延伸方向と垂直に交わる向きに設定する。変換テーブル生成部18は、z軸を、x軸及びy軸と垂直に交わる向きに設定する。なお、原点Oを設定する箇所及び各座標軸の向きは、これに限定されるものではなく、任意であってよい。
【0070】
図9は、分割された状態情報26の間隔と、
図8に示す三次元モデル25上の三次元座標とが対応づけられた変換テーブル27の一例を示す図である。
図9に示す例では、変換テーブル生成部18は、
図7に示す中心分割線Cと各分割線の間隔(例えば、L/2)と、三次元座標軸の原点Oが設定された断面情報24における座標とが対応づけられた変換テーブル27を生成する。
図9では、2mの間隔(
図7に示すLが4m)で分割されたひび割れ展開図に関する変換テーブル27を示しているが、この間隔は前述のとおり任意である。
図7は、弧長が24mのトンネルTに関するひび割れ展開図を12個の短冊に分割した例であるため、Lは4mである。
【0071】
図10は、三次元座標軸の原点Oが設定されたトンネルTの断面情報24の一例を示す図である。
図10に示す例では、前述のとおり、三次元モデル25における所定の断面情報24が示すトンネルTの断面の例えば頂上に三次元座標軸の原点Oが設定されている。また、
図10に示すLは、
図7に示すLに対応する。
図10に示す(x,y,z)座標は、
図9に示す変換テーブル27の(0.000,-0.396,-0.048)に対応する。したがって、
図9に示す変換テーブル27には、間隔L/2と、三次元座標軸の原点Oが設定されたトンネルTの断面情報24上の座標とが対応している。
【0072】
図2に戻り、状態情報変換部19は、変換テーブル27に基づいて、状態情報26を三次元状態情報28に変換する。状態情報変換部19は、例えば、変換テーブル27の三次元座標に基づいて、分割したひび割れ展開図の短冊のそれぞれを三次元状態情報28に変換する。
【0073】
図11は、状態情報26を三次元状態情報28に変換する一例を示す図である。
図11に示す例では、状態情報変換部19が、分割したひび割れ展開図の短冊のそれぞれを三次元状態情報28に変換し、三次元モデル25に合成した際の様子を示している。状態情報変換部19は、例えば、
図7に示す短冊26A及び26Bにおける中心分割線Cに対応する長辺がx軸(
図8を参照)と重なり、短辺がy軸(
図8を参照)と並行になるように、
図8に示す三次元モデル25に重ねることが可能な三次元状態情報28である短冊に変換する。さらに、状態情報変換部19は、短冊26Bに接する短冊26C(
図7参照)を、短冊26Bのx軸に重ならない方の長辺(
図7に示す分割線26BLに対応)に接し、変換テーブル27に基づいてもう一方の長辺(
図7に示す分割線26CLに対応)を
図9に示す断面情報24に重ねることが可能な三次元状態情報28である短冊(例えば、
図11の短冊28C)に変換する。
【0074】
状態情報変換部19は、他の短冊も同様に次々と変換テーブル27に基づいて三次元状態情報28に変換する。例えば、状態情報変換部19は、
図11に示すように、分割した状態情報26の全ての短冊を三次元状態情報28である短冊に変換する。
【0075】
出力情報生成部20は、三次元モデル25と三次元状態情報28を表示装置Gで出力するための出力情報29を生成する。例えば、出力情報生成部20は、三次元モデル25と三次元状態情報28を合成し、三次元モデル25と三次元状態情報28を合成した情報に基づいて、表示装置Gで出力するための出力情報29を生成する。
【0076】
<動作処理>
図12を参照して、情報処理装置10の処理について説明する。
図12は、本実施形態に係る情報処理装置10の処理に関するフローチャートである。同図に示す例では、ステップS11で、形状情報取得部12は、トンネルTの設計図が存在するかどうかを判断する。
【0077】
ステップS11で、形状情報取得部12が、トンネルTの設計図が存在すると判断した場合、ステップS12で、形状情報取得部12は、トンネルTに関する形状情報22をトンネルTの設計図に基づいて取得する。
【0078】
ステップS11で、形状情報取得部12が、トンネルTの設計図が存在しないと判断した場合、ステップS18で、線情報生成部13は、トンネルTの点群データ30に基づいて線情報23を生成する。次に、ステップS19で、断面抽出部14は、線情報23に基づいてトンネルTの一又は複数の断面31を抽出する。次に、ステップS20で、断面情報生成部15は、一又は複数の断面31に基づいて断面情報24を生成する。
【0079】
ステップS13で、三次元モデル生成部16は、形状情報22に基づいてトンネルTの形状に関する三次元モデル25を生成する。
【0080】
ステップS14で、状態情報取得部17は、トンネルTの状態に関する二次元の状態情報26を取得する。
【0081】
ステップS15で、変換テーブル生成部18は、三次元モデル25と状態情報26に基づいて、状態情報26を三次元状態情報28に変換するための変換テーブル27を生成する。
【0082】
ステップS16で、状態情報変換部19は、変換テーブル27に基づいて、状態情報26を三次元状態情報28に変換する。
【0083】
ステップS17で、出力情報生成部20は、三次元モデル25と三次元状態情報28を出力するための出力情報29を生成する。
【0084】
図13を参照して、変換テーブル生成部18の処理の詳細な例ついて説明する。
図13は、本実施形態に係る変換テーブル生成部18の処理に関するフローチャートである。同図に示す例では、ステップS21で、変換テーブル生成部18は、所定の間隔で状態情報26を分割する。
【0085】
ステップS22で、変換テーブル生成部18は、三次元モデル25に対して座標軸を設定する。
【0086】
ステップS23で、変換テーブル生成部18は、分割された状態情報26の所定の間隔と、三次元モデル25上の三次元座標とが対応づけられた変換テーブル27を生成する。
【0087】
以上、本実施形態によれば、情報処理システム100は、一方向に延伸するトンネルTの形状に関する形状情報22を取得する。情報処理システム100は、形状情報22に基づいてトンネルTの形状に関する三次元モデル25を生成する。情報処理システム100は、トンネルTの状態に関する状態情報26であって、二次元情報である状態情報26を取得する。情報処理システム100は、三次元モデル25と状態情報26に基づいて、状態情報26を三次元情報に変換するための変換テーブル27を生成する。情報処理システム100は、変換テーブル27に基づいて、状態情報26を三次元状態情報28に変換する。情報処理システム100は、三次元モデル25と三次元状態情報28を出力するための出力情報29を生成する。
【0088】
したがって、作業員はトンネルTの点検作業を適切に行うことができる。また、作業員はトンネルTのひび割れ等に関する二次元図面やファイリングされた記録を持参し目視での照合を行う必要がなくなり、トンネルTの点検作業を容易に行うことができる。さらに、AR(Augmented Reality)やMR(Mixed Reality)に関する視覚化デバイスに表示できる出力情報29の生成が可能となり、点検の際に二次元図面と実際のトンネルTを比較するスキルがない作業員でも点検を容易に行うことができる。さらにまた、植生の繁茂や壁面の汚れなどで実際のひび割れ等が目視での確認がしにくくなったとしても、出力情報29を確認することで、ひび割れ等のチェックミスを防止できる。
【0089】
<ハードウェア構成>
次に、
図14を参照して、情報処理システム100に係る各装置のハードウェア構成について説明する。同図は、本実施形態に係る情報処理装置10、及び、表示装置Gのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0090】
ハードウェア1は、限定でなく例として、CPU(Central Processing Unit)2、メモリ3、通信インターフェース4、及び、入出力インターフェース5がバスBによって相互に接続されることで構成される。
【0091】
CPU2は、メモリ3に記録されているプログラムにしたがって、各ハードウェアの動作に関する各種演算処理を実行し、各情報の取得や生成等を実行する。
【0092】
メモリ3には、CPU2が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。メモリ3は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなる。
【0093】
通信インターフェース4は、CPU2からの指示にしたがって、他のハードウェアと各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。
【0094】
入出力インターフェース5は、各ハードウェアに対する各種操作を入力する入力装置、及び、各ハードウェアで処理された処理結果を出力する出力装置を含む。入出力インターフェース5は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。
【0095】
入力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。出力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、OELD(Organic Electroluminescence Display)など)、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置、スピーカ(音声出力)、プリンターなどを含む。なお、これらの出力装置は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
【0096】
<他の実施形態>
上記実施形態又は各実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。また、本発明は、上記実施形態又は各実施例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の開示を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素は削除してもよい。さらに、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0097】
上記の実施形態では、「構造物」は、トンネルTを例に挙げて説明したがこれに限られない。例えば、「構造物」は、橋梁であってもよい。
【0098】
上記の実施形態では、「状態情報26」は、ひび割れ展開図を例に挙げて説明したがこれに限られない。例えば、「状態情報26」は、水漏れ、石灰化、及び、落書きに関する二次元図面であってもよい。
【0099】
上記の実施形態では、ひび割れ展開図を三次元情報に変換する例を挙げて説明したがこれに限られない。構造物の補修履歴や品質に関する情報を三次元情報に変換してもよい。
【0100】
上記の実施形態では、「表示装置G」は、ゴーグル型のMRデバイスを例に挙げて説明したがこれに限られない。例えば、「表示装置G」は、パソコンやタブレットであってもよい。
【0101】
上記の実施形態では、出力情報生成部20は、三次元モデル25と三次元状態情報28を合成(合成処理)し、三次元モデル25と三次元状態情報28を合成した情報に基づいて、表示装置Gで出力するための出力情報29を生成(出力情報生成処理)する例を挙げて説明したがこれに限られない。例えば、情報処理装置10が、上記合成処理を実行し、表示装置Gが、上記出力情報生成処理を行ってもよい。また、表示装置Gが、上記合成処理、及び、上記出力情報生成処理の双方を行ってもよい。
【符号の説明】
【0102】
1…ハードウェア、2…CPU、3…メモリ、4…通信インターフェース、5…入出力インターフェース、10…情報処理装置、11…情報処理部、12…形状情報取得部、13…線情報生成部、14…断面抽出部、15…断面情報生成部、16…三次元モデル生成部、17…状態情報取得部、18…変換テーブル生成部、19…状態情報変換部、20…出力情報生成部、21…記憶部、22…形状情報、23…線情報、24…断面情報、25…三次元モデル、26…状態情報、26A~C…短冊、26BL…分割線、26CL…分割線、27…変換テーブル、28三次元状態情報、29…出力情報、30…点群データ、31…断面、100…情報処理システム、B…バス、C…中心分割線、G…表示装置、L…間隔、N…ネットワーク、O…原点、T…トンネル