IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パラマウントベッド株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-移動装置及びテーブル 図1
  • 特開-移動装置及びテーブル 図2
  • 特開-移動装置及びテーブル 図3
  • 特開-移動装置及びテーブル 図4
  • 特開-移動装置及びテーブル 図5
  • 特開-移動装置及びテーブル 図6
  • 特開-移動装置及びテーブル 図7
  • 特開-移動装置及びテーブル 図8
  • 特開-移動装置及びテーブル 図9
  • 特開-移動装置及びテーブル 図10
  • 特開-移動装置及びテーブル 図11
  • 特開-移動装置及びテーブル 図12
  • 特開-移動装置及びテーブル 図13
  • 特開-移動装置及びテーブル 図14
  • 特開-移動装置及びテーブル 図15
  • 特開-移動装置及びテーブル 図16
  • 特開-移動装置及びテーブル 図17
  • 特開-移動装置及びテーブル 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008293
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】移動装置及びテーブル
(51)【国際特許分類】
   A47B 91/06 20060101AFI20240112BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A47B91/06
A47B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110044
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】上條 啓子
(72)【発明者】
【氏名】藤田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 優
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 貴弘
【テーマコード(参考)】
3B053
3B069
【Fターム(参考)】
3B053NP00
3B053NQ01
3B069CA00
3B069CA03
3B069CA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザにとって使い勝手の良いテーブルに関する技術を提供すること。
【解決手段】天板と、複数のキャスタと、前記キャスタをロックするためのロック機構とを有するベース部20と、当該ベース部と天板とを連結する支柱30と、を備えたテーブル1であって、前記ベース部は、前記ロック機構の操作をするためのペダルを有する操作機構22と、前記ペダルの操作に応じて前記ロック機構に操作を伝達する伝達機構と、を有し、前記ペダルは、前記ベース部の左右方向の一端側に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部の下部に複数のキャスタと、前記キャスタをロックするロック機構とを備え、
前記ベース部は、
前記ロック機構の操作をするためのペダルを有する操作機構と、
前記ペダルの操作に応じて前記ロック機構に操作を伝達する伝達機構と、
を有し、
前記ペダルは、前記ベース部の左右方向の一端側に配置される移動装置。
【請求項2】
前記ベース部は、背面側に開口部を有する請求項1に記載の移動装置。
【請求項3】
前記ベース部は、前記ペダル近傍に左右方向外側に向けて膨出する膨出部を有する請求項2に記載の移動装置。
【請求項4】
前記ペダルの外端は、左右方向で前記膨出部の外端より内側にある請求項3に記載の移動装置。
【請求項5】
前記膨出部は、側面視において背面から正面にかけて傾斜面を有する請求項3に記載の移動装置。
【請求項6】
前記ベース部は、前記ペダルの一端側の下部に切り欠け部を有している請求項3に記載の移動装置。
【請求項7】
天板と、
複数のキャスタと、前記キャスタをロックするためのロック機構とを有するベース部と、
当該ベース部と天板とを連結する支柱と、
を備えたテーブルであって、
前記ベース部は、
前記ロック機構の操作をするためのペダルを有する操作機構と、
前記ペダルの操作に応じて前記ロック機構に操作を伝達する伝達機構と、
を有し、
前記ペダルは、前記ベース部の左右方向の一端側に配置されるテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
テーブル、いす等の家具や、カート等の移動する装置(移動装置)を移動しやすくするために、移動装置等の下部にキャスタを設けることが知られている。しかし、移動装置にキャスタを設けることにより、移動装置等が意図せずに動いてしまう危険性がある。そのため、移動装置にロック機構を設けることが知られている。そして、移動装置には、ロック機構を操作するための操作機構が設けられている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-160999号公報
【特許文献2】特開2011-005219号公報
【特許文献3】特開2011-182896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、例えば、ユーザにとって使い勝手の良い移動装置等に関する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を解決するために、本開示の移動装置は、ベース部の下部に複数のキャスタと、前記キャスタをロックするロック機構とを備え、前記ベース部は、前記ロック機構の操作をするためのペダルを有する操作機構と、前記ペダルの操作に応じて前記ロック機構に操作を伝達する伝達機構と、を有し、前記ペダルは、前記ベース部の左右方向の一端側に配置される。
【0006】
本開示のテーブルは、天板と、複数のキャスタと、前記キャスタをロックするためのロック機構とを有するベース部と、当該ベース部と天板とを連結する支柱と、を備えたテーブルであって、前記ベース部は、前記ロック機構の操作をするためのペダルを有する操作機構と、前記ペダルの操作に応じて前記ロック機構に操作を伝達する伝達機構と、を有し、前記ペダルは、前記ベース部の左右方向の一端側に配置される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ユーザにとって使い勝手の良い移動装置等に関する技術を提供することができる。なお、本開示の効果はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態におけるテーブルの外観斜視図である。
図2】本実施形態におけるベース部を説明するための図である。
図3】本実施形態におけるベース部を説明するための図である。
図4】本実施形態における操作機構、ロック機構の動作を説明するための図である。
図5】本実施形態における操作機構近傍を上面視した図である。
図6】本実施形態における操作機構近傍を側面視した図である。
図7】本実施形態における操作機構近傍を側面視した図である。
図8】異なる実施形態の操作機構近傍を示す図である。
図9】異なる実施形態の操作機構近傍を示す図である。
図10】異なる実施形態の操作機構近傍を示す図である。
図11】異なる実施形態の操作機構近傍を示す図である。
図12】異なる実施形態の操作機構近傍を示す図である。
図13】異なる実施形態の操作機構近傍を示す図である。
図14】異なる実施形態の操作機構近傍を示す図である。
図15】異なる実施形態の操作機構を模式的に示す図である。
図16】異なる実施形態の操作機構近傍を示す図である。
図17】異なる実施形態の操作機構近傍を示す図である。
図18】本実施形態の操作機構を他の装置に適用した例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を提供した一つの実施形態であり、以下の記載に基づいて本開示の内容が限定して解釈されるものではない。また、以下の説明で、括弧書きを使用している場合があるが、必ずしも、括弧書きした用語とその括弧書きの前に記載した用語とが同じ意味であることを示すものではない。
【0010】
例えば、テーブル等の移動装置をユーザが移動しやすくするために、下部にキャスタを設けることが知られている。しかし、キャスタがあることにより、テーブル等が意図しないで動いてしまうことがある。そこで、テーブルの移動を規制するために、キャスタが動かないようにするため、ロック機構を設けることが行われる。
【0011】
このロック機構のロック、ロックの解除(アンロック)といった状態を操作するために、操作機構が提供される。例えば、テーブルの上部に操作機構を設ける方法が考えられる。このとき、ユーザの手元に操作機構があり、ユーザは手元でロックに関する操作を行うため、利便性は高い。しかし、ユーザの手が届く範囲に操作機構(例えば、操作用のレバー)があるということは、利用者が操作機構を意図しないで操作してしまうおそれがある。これにより、ユーザが意図せずにロックを解除してしまう問題が生じてしまう。また、テーブルの上部に操作機構があると、テーブルの上部にある操作機構から、テーブルの下部に設けられたロック機構(例えば、キャスタのブレーキ)までの操作伝達手段が別に必要になってしまい、コストがかかってしまうという問題が生じる。
【0012】
また、他の方法としては、操作機構として、キャスタ自体にキャスタをロックするための操作手段としてペダル(ロックペダル)を設けることが行われている。この場合、一般的にロックペダルの大きさはキャスタと同等か、キャスタより小さくなるため、ユーザにとってロックの操作がしにくいという問題が生じていた。また、それぞれのキャスタにロックペダルが設けられることになり、全てのキャスタをロックしたり、ロック解除したりするためには、1つずつ操作をする必要があり、手間がかかってしまった。
【0013】
また、操作機構として、キャスタをロックするペダルがテーブルの脚の横に付ついているものがある。この場合、ペダルがテーブル脚より飛び出すことになり、テーブルを移動したときに、壁や他の装置(例えばベッド装置等)にぶつけてしまい、壊れてしまうという問題が生じてしまった。
【0014】
また、テーブルの脚の上に操作ペダルがあるものもあるが、ペダルを横に動かす構造となっており、足での操作がやりにくいという問題が生じていた。また、踏み操作(縦回転)の操作ペダルがテーブル脚の上にあるテーブルの場合、ユーザは操作ペダルを操作するために足を高く持ち上げる必要があるため、バランスを崩しやすいという問題があった。
【0015】
このような1又は複数の課題に鑑み、これらの課題又は従来の課題等を解決するための技術について、以下実施形態を一例として説明する。なお、以下の実施形態は、これらの課題又は従来の課題等を解決するための一つの方法であり、以下の実施形態の記載の方法に限定されるものではない。また、明細書における本開示の目的はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【0016】
[1.実施形態]
[1.1 テーブル全体の構成]
図1は、ロック機構と、ロック機構を操作する操作機構とを備えた移動装置として、テーブル1の外観を示す斜視図である。テーブルは、天板部10と、ベース部20とが、支柱30で連結されている。支柱30は、高さ調整が可能な調整機構を有している。ユーザが、レバー12を操作すると、例えば調整機構のロックが解除され、支柱の長さが調整可能となる。なお、支柱30が有する調整機構は、何れかの公知の技術を利用してもよい。
【0017】
また、図1においてテーブル1のF側を正面、B側を背面とする。また、R側がテーブル1を正面視したときに右側、L側がテーブル1を正面視したときに左側という。また、FB方向をテーブル1の前後方向(短手方向)といい、LR方向をテーブル1の左右方向(長手方向)という。
【0018】
図2は、ベース部20を説明する透視図であり、上方から斜視したものである。ベース部20は、例えば下端部の四隅にキャスタ202が設けられている。すなわち、テーブル1の下部には、テーブル1を移動するためのキャスタ202が設けられている。キャスタ202により、テーブル1は床面等を移動することができる。
【0019】
ベース部20は、キャスタ202に設けられたロック機構を操作する操作機構22を有している。操作機構22は、一例として支柱30の下端付近の位置に設けられるが、当該位置に限定されるものではない。操作機構22は、伝達機構を介してロック機構と接続される。
【0020】
ベース部20の外縁部には、操作機構22の一部として、ロック機構の操作を行うための操作手段としてペダル210が設けられている。ペダル210は、ベース部20の左右方向の一側に設けられることが好ましく、図1では支柱30が配置されている近傍に設けられている。
【0021】
また、ペダル210は、ベース部20に対して縦に回動可能に設けられている。すなわち、ペダル210は、例えば縦に回動可能に構成されている。
【0022】
ユーザがペダル210を踏み込んだり、蹴り上げたりすることで、ロック機構を操作することができる。ペダル210の動きに応じて、キャスタ202のロックを解除したり、ロックをしたりすることができる。例えば、キャスタ202に設けられたストッパ部材により、キャスタ202(キャスタ202を構成する車輪)の回転が禁止される。このキャスタ202がロック機構によりロックされ、例えばキャスタ202の車輪が動かない状態をロック状態という。
【0023】
このように、ユーザによりペダル210が踏み込まれると、テーブル1(ベース部20)の下に設けられている複数のキャスタ202がロック状態となり、テーブル1の移動が規制される。このとき、ユーザがペダル210を踏み込むと、ベース部20に設けられた複数のキャスタ202が一括でロック状態となることが好ましい。
【0024】
また、例えば、ユーザがペダル210を蹴り上げることで、複数のキャスタ202が自在に動く状態(キャスタ202の車輪が自由に回転する状態)となる。この、キャスタ202が自由に動く状態をロック解除状態という。
【0025】
すなわち、ユーザは、ベース部20に設けられた操作機構22を利用することで、テーブル1の移動を自由にしたり、停止(禁止)したりすることを容易に操作することができる。
【0026】
更に、ベース部20の構成について、図2図3を参照して説明する。図3は、ベース部20の底面からみた透視図である。
【0027】
ベース部20は、開口が背面側に向かうように、形成されているハウジング構造であり、脚部を構成する。ベース部20は、テーブル1の正面側、右側、左側に亘り、操作機構や伝達機構を覆う中空のハウジングである。すなわち、テーブル1を平面視したときに、コの字形状となっている。ベース部20の開口部が、テーブル1の利用者(例えば、患者、被介護者等)の方に向けられている。したがって、利用者は、テーブル1に車椅子を開口部に入れることができたり、通常のいすを配置することができる。
【0028】
ベース部の四隅にはロック機構を有するキャスタ202(キャスタ202A、202B、202C、202D)が設けられている。本実施形態では、キャスタ202は、四隅の近傍に設けられているが、それ以上設けてもよい。また、キャスタ202は、ベース部20の隅部の近傍が好ましいが、必ずしも隅部近傍なくてもよい。
【0029】
ベース部20は、キャスタを取り付ける位置に取付部材206(例えば、トッププレート)を設けてもよい。取付部材206は、例えばベース部20と固定されている。また、取付部材206は、キャスタ202を取り付けるための構造(例えば、ネジ穴)を有していてもよい。例えば、キャスタ202の本体部(フォーク)と、取付部材206とが旋回可能に取り付けられる。また、キャスタ202は、本体部の先端付近に車軸を介して回転可能に車輪を設けている。
【0030】
また、キャスタ202は、ロック機能を有していることが好ましい。ロック機構は、キャスタ202の車輪の回転をロックする機構である。例えば、キャスタ202は、ロック部材としてストッパ金具を有し、ストッパ金具が車輪の回転をロックしてもよい。
【0031】
また、キャスタ202は、凸部を有するロック部材を車輪の間に有してもよい。このとき、車輪の内側には複数の凹部を有している。そして、凸部を有するロック部材が動くことにより、当該凸部が、車輪の内側の凹部に嵌合することで、車輪の回転がロックされてもよい。また、キャスタ202の車輪の回転をロックする機構であれば、他の公知の機構を利用してもよい。
【0032】
また、キャスタ202の、ロック機構は、キャスタの車輪自体をロックせずに、他の方法で車輪の回転を停止させる機構であってもよい。例えば、ベース部20にブレーキ部材を設け、ブレーキ部材が床面に接することで、テーブル1の移動を規制してもよい。
【0033】
キャスタ202のロック機構に、操作機構22からの操作(力)を伝達するための伝達機構としてワイヤー204が接続されている。ワイヤー204は、キャスタ202のロック機構と、操作機構22とを接続する。例えば、ユーザが操作機構22のペダル210を踏み込むと、ワイヤー204が操作機構22により引っ張られることになり、ワイヤー204にテンションがかかる。ワイヤー204にテンションがかかることにより、ロック機構によりキャスタ202の車輪がロックされる。すなわち、テーブル1は、ロック解除状態から、ロック状態に遷移する。
【0034】
また、例えば、ユーザが、操作機構22のペダル210を蹴り上げると、ワイヤー204にかかっていたテンションがかからなくなり、ロック機構によりキャスタ202の車輪のロックが解除される。すなわち、テーブル1は、ロック状態からロック解除状態に遷移する。なお、ワイヤー204は、ベース部20の中のパイプ28の中に収容されてもよい。
【0035】
また、ベース部20は、テーブル1の左右方向(上面視で水平方向)の一側の外側に向けて膨出するように膨出部242を形成してもよい。
【0036】
[1.2 操作機構の説明]
続いて、操作機構22の動作について説明する。図4は、操作機構22と、キャスタ202のロック機構との動作を模式的に説明する図である。
【0037】
図4を参照して、キャスタ202がロック状態になる動作について説明する。図4(a)は、キャスタ202がロック状態、すなわちロック機構203により、キャスタ202の車輪がロックされているときの操作機構22の状態を示す図である。また、図4(b)は、キャスタ202がロック解除状態、すなわちロック機構により、キャスタ202の車輪が自由に動く(ロックが解除されている)ときの操作機構22の状態を示す図である。
【0038】
操作機構22は、操作部220と、ペダル210とが支軸212を介して接続されている。支軸212の一端は、ペダル210が回動する中心に接続されている。また、支軸212の他端は、操作部220のカム222に接続されている。これにより、ペダル210が回動すると、支軸212を介してカム222も回動する。
【0039】
そして、カム222の周囲に、例えば枠状であるスライダ224がカム222に当接するように配置されている。ペダル210が回動する(例えば、ユーザがペダル210のうち、ペダル210Aを踏み込む)と、連動してカム222が回動し、カム222の先端がL1方向からR1方向に移動する。カム222に先端が、L1方向からR1方向に回転移動すると、当接しているスライダ224もL1方向からR1方向に移動する。すなわち、カム222は、原動節として機能する。また、カム222が当接するスライダ224が従動節として機能する。
【0040】
スライダ224は、一端側(R1側)で操作部220の筐体に接続されており、他端側(L1側)がワイヤー204に接続されている。図4では、スライダ224は、一端側(R1側)は操作部220の筐体に弾性体(例えばバネ226)を介して接続されている。スライダ224がR1方向に移動することで、バネ226に力が加わり、バネが縮んだ状態に変形する。
【0041】
また、スライダ224は、他端側(L1側)でワイヤー204と弾性体(例えばバネ228)を介して接続されている。
【0042】
上述したように、スライダ224がL1側からR1側に移動すると、バネ228が伸び、ワイヤー204に対して全体的にテンションがかかる。すなわち、ワイヤー204は、操作部220により引っ張られた状態となる。
【0043】
ワイヤー204にテンションがかかることにより、ロック機構203は、キャスタ202の車輪をロックする。これにより、キャスタ202は、ロック状態に遷移する。
【0044】
このように、スライダ224は、それぞれのロック機構203に接続されている。例えば、バネ228と、ワイヤー204Aを介して、キャスタ202Aのロック機構203Aにスライダ224と接続されている。同じように、バネ228と、ワイヤー204Bを介してキャスタ202Bのロック機構203Bに、バネ228と、ワイヤー204Cを介してキャスタ202Cのロック機構203Cに、バネ228と、ワイヤー204Dを介してキャスタ202Dのロック機構203Dに、それぞれスライダ224が接続される。このように、ペダル210と、カム222と、スライダ224と、ロック機構203とは連動している。
【0045】
ここでキャスタ202が設けられている位置は異なることから、キャスタ202のロック機構203に接続されるワイヤー204の長さはそれぞれ異なる。ここで、力が均一にロック機構203にかかるように、ワイヤー204とスライダ224との間に弾性体であるバネ228が設けられている。
【0046】
図4(b)は、キャスタ202のロックが解除されている状態を示している。例えば、ユーザによりペダル210が蹴り上げられる(ペダル210Aの部分を蹴り上げる)と、ペダル210の回動に連動して、カム222がR1方向からL1方向に移動する。このとき、図4(a)で縮まっていたバネ226の反発力により、スライダ224は、カム222に当接しながらR1方向からL1方向に移動する。また、バネ228は、伸びた状態となっていることから、バネ228の反発力によりスライダ224がR1方向からL1方向に移動してもよい。
【0047】
スライダ224がR1方向からL1方向に移動することで、ワイヤー204にかかっていたテンションがかからなくなる。これにより、ワイヤー204はスライダ224により引っ張られた状態ではなくなり、キャスタ202のロック機構203のロックが解除され、キャスタ202は、ロック解除状態に遷移する。
【0048】
すなわち、スライダ224がL1方向に移動することで、ワイヤー204を介してロック機構203に今度はロックしたときと逆方向の力が働くことになる。例えば、キャスタ202のロック機構203において、ロック部材の凸部が、キャスタ202の凹部から分離する。
【0049】
図5は、ベース部20を上面視したものであり、操作機構22の部分を拡大した図である。また、図6は、ベース部20を側面視したものであり、操作機構22の部分を拡大した図である。具体的には、図6は、図1においてR側からベース部20を側面視した図である。
【0050】
また、図6(a)は、キャスタ202がロック解除状態にあるときを示す図であり、図6(b)は、キャスタ202がロック状態にあるときを示す図である。ここで、図5に記載しているF側、B側、R側、L側や、図6に記載しているF側、B側は図1に対応しているものである。
【0051】
ユーザがペダルを踏み込むと、図6(a)の状態から、図6(b)の状態に遷移する。すなわち、ユーザがペダル210Aを足で踏み込むと、ペダル210が回動し、ペダル210Aの先端が下側に移動する。また、ユーザがペダルを蹴り上げると、図6(b)の状態から図6(a)の状態に遷移する。すなわち、ユーザがペダル210Aを足で蹴り上げると、ペダル210Aが、踏み込むときと逆方向に回動し、ペダル210Aの先端が上側に移動する。
【0052】
膨出部242は、例えば左右方向の一端外側(R側)に向けて膨らんで形成され、曲面形状を有している。膨出部242は、ペダル210の近傍に設けられると好ましい。すなわち、膨出部242は、例えばペダル210の中心(回転支点)を含む位置までベース部20を膨出させてもよい。この場合、膨出部242の前方、正面側には、ベース部20との間に切り欠け部232が形成される。また、側面視において、背面から正面にかけて傾斜面を有している。
【0053】
切り欠け部232は、ベース部20(膨出部242)の外延を、背面から正面までそのまま延長した場合の仮想線である輪郭線230が、ペダル210が含まれる位置になるように形成される。すなわち、切り欠け部232は、ペダル210が収容できる大きさが確保されていることが好ましい。
【0054】
このように、切り欠け部232があることで、テーブルの正面側からユーザ(例えば、介護者等)が、ペダル210(210A)を操作することができる。例えば、テーブル1を被介護者が座っている車椅子に近づけるとき、介護者等のユーザはテーブル正面側にいることが多い。したがって、介護者等は、正面側からペダル210を容易に操作することが可能となる。
【0055】
また、ペダル210(210A)と地面との間に空間があることで、ユーザはペダル210(210A)を用いてテーブル1の正面側や、右側からの操作が可能となる。例えば、介護者が、被介護者が利用しているベッドにテーブル1を差し込むとき、介護者はテーブル1の右側にいる。この場合、介護者は、正面側に加えて、右側からペダル210を容易に操作することが可能となる。
【0056】
また、ペダル210は、ペダル210Bがあることで、ユーザがテーブル1の背面側からのペダル210を利用してロック解除操作が可能となる。例えば、被介護者の介護をしているとき、介護者は被介護者の近くにいるため、テーブルの背面側にいる。このときに、テーブル1が介護の邪魔になり、介護者がテーブル1を少し動かしたいとき(例えば、車いすの足置きからずれてしまった被介護者の足を戻したいとき等)、テーブル1についてペダル210Bを利用することにより背面側から操作することが可能となる。
【0057】
このように、ユーザは、ロック機構の操作をペダル210で行うことで、ペダル210の近傍であれば3方向からの操作が可能になる。
【0058】
本実施形態では、ユーザがペダル210のうち、ペダル210Aを踏み込む、蹴り上げる操作を説明するが、ペダル210Bに対して操作を行ってもよい。このときは、ペダル210Aの状態とは逆となり、例えば、ペダル210Bを踏み込むと図6(b)から図6(a)の状態に遷移する。また、ペダル210は、ユーザが足で操作することを例に説明するが、例えば手により操作してもよい。例えば、ユーザが手によりペダル210Aを押し下げると図6(a)から図6(b)の状態に遷移する。また、ユーザが手によりペダル210Aを引き上げると、図6(b)から図6(a)の状態に遷移する。
【0059】
ベース部20は、図5に示すように、収容部234の中に操作部220が収容されている。収容部234は、ベース部20の一部により構成されている。収容部234は、操作部220が収容できる空間が確保できるように形成されている。収容部234は、操作部220をハウジングするように形成される。
【0060】
操作部220は、支軸212を介してペダル210が接続されている。また、収容部234は、収容部234以外のベース部20の高さより、高く構成されている。これは、操作部220が収容できる十分な高さを確保できればよい。したがって、操作部220がベース部20の高さに収まるときは、収容部234は、ベース部20の外観から区別できない状態(収容部234の高さが、ベース部20の全体の高さと同一の状態)で構成されてもよい。
【0061】
また、膨出部242は、空間部を形成し、ペダル210(ペダル210B)が空間部に入り込む形状に形成されてもよい。図6(a)は、ペダル210が蹴り上げられた状態のとき、下側に移動したペダル210Bが、膨出部242の空間部に入り込んだ状態となっている。
【0062】
このように、上述したベース部20は、ペダル210の外端が、ベース部20の外端より内側にすることが好ましい。ベース部20の外端は、ベース部20の形状を膨出して膨出部242を形成し、膨出部242の外端がペダル210の外端より外側にしてもよい。また、上述したように、切り欠け部232を設け、ペダル210の外端が輪郭線230より内側になるようにしてもよい。ペダル210が、ベース部20の外端より内側に位置することにより、例えば、テーブル1を移動したとき、ペダル210がぶつかって破損するといったことを防ぐことが可能となる。
【0063】
また、ペダル210は、ペダル210Aと、ペダル210Bとを有している。ペダル210Aと、ペダル210Bは、中心240で接続されており、支軸212と連動している。例えば、ペダル210Aと、ペダル210Bとはネジで固定されてもよいし、一体として形成されていてもよい。
【0064】
また、ペダル210の形状は、利用者が操作をしやすいように、利用者の踵を地面に付けた状態でも、足での踏み込みが可能な構造や、高さであると好ましい。ペダル210Aの長さとしては、踏み込みがしやすい構造として、3cm以上の長さが好ましい。また、ペダル210の高さとしては、足の踏み込みを考慮すると、ペダル210Aが上方を向いているとき、地面(テーブル1の接地面)から9cm以下の高さが好ましい。
【0065】
また、ペダル210と地面(テーブル1の接地面)との間は、所定の隙間があるとよい。例えば、利用者が靴を履いた状態でも、隙間につま先が入る程度の空間があることが好ましい。利用者のつまさきが隙間に入る事で、利用者はペダル210を容易に蹴り上げることが可能となる。例えば、ペダル210Aの先端が下方に向いたときに、3cmから8cm程度の高さが隙間としてあることが好ましい。また、ペダル210の下にベース部20がある(膨出部242の斜面がある)ときは、ベース部20と、ペダル210との間に同様に隙間を設けるとよい。
【0066】
また、ペダル210Aの長さは、ペダル210Bより長いことが好ましい。ロック解除状態では、ペダル210Aの鉛直方向の長さ(例えば、中心240からペダル210Aの先端部までの鉛直方向の長さ)が、中心240からベース部20の上部までの長さT1より長くなることが好ましい。
【0067】
ロック状態では、ペダル210Bの鉛直方向の流さ(例えば、中心からペダル210Bの先端部までの鉛直方向の長さ)が、長さT1以内になることが好ましい。
【0068】
また、ペダル210Bの先端部が、キャスタ202がロック解除状態のときに、ベース部20の上端(又は収容部234の上端)を超えないように構成されればよい。例えば、図6(b)は、ペダル210Bが、ベース部20の上端の面と平行となっている。このため、ペダル210Bの先端が、ベース部20の上端を超えない用に構成されている。
【0069】
すなわち、ユーザとしては、ベース部20の上部から飛び出た部分を視認するだけで、キャスタ202がロック状態であるか、ロック解除状態であるかを確認することができる。とくに、本実施形態のテーブル1は、キャスタ202が全てロック状態であるかを視認出でき、テーブルが不用意に動かないことが容易に視認することができる。
【0070】
図7は、ベース部20を側面視したものであり、図6と反対側からの状態を示す図である。すなわち、操作機構22の部分を、図1のL方向から示した図である。
【0071】
図7(a)は、キャスタ202がロック解除状態にあるときを示す図であり、図7(b)は、キャスタ202がロック状態にあるときを示す図である。図7(a)で示すように、キャスタ202がロック状態のときは、ペダル210(ペダル210A)の上側(ペダル210の中心から外に向かった端部側)が、ベース部20の上部から飛び出す状態となる。図6(a)、図7(a)では、収容部234の高さよりペダル210(210A)の先端が上に位置することで、利用者が一目でキャスタ202がロック状態であることを確認することができる。また、図7(b)で示すように、キャスタ202がロック解除状態にあるときは、ペダル210がベース部20に隠れた状態となる。図6(b)、図7(b)では、収容部234の高さよりペダル210(210B)の先端が下に位置することで、利用者が一目でキャスタ202がロック解除状態であることを確認することができる。
【0072】
また、ベース部20と、ペダル210の位置とから、キャスタ202がロック状態、ロック解除状態をユーザは遠くの位置からも確認することが可能となる。すなわち、ペダル210の状態から、ユーザがテーブル1を上から見たときであっても、テーブル1を離れたところから見たときであっても、キャスタ202のロック状態と、ロック解除状態とを容易に確認することができる。例えば、ユーザはテーブル1が動かない状態(例えば、キャスタ202が全てロック状態)であることをペダル210の位置から容易に視認することができる。また、テーブル1が動かない状態として、テーブル1の構成が一部のキャスタ202をロック状態とする場合、当該一部のキャスタ202がロック状態になっていることを、ユーザはペダル210の位置から容易に視認することができる。また、テーブル1が動かない状態としてブレーキ部材を利用しているときは、ブレーキ部材によりテーブル1が動かない状態となっていることを、ユーザはペダル210の位置から容易に視認することができる。
【0073】
[2.他の実施形態]
以下、上述した実施形態の他の実施形態について、いくつか説明する。なお、各図に記載されている方向(F方向、B方向、L方向、R方向)は、図1に記載した方向と同一の方向を示している。
【0074】
[2.1 ペダルの形状]
図8は、ペダル210の代わりに、ペダル310を利用した実施形態である。ベース部20の収容部312に操作部220が収容されている。また、上述したように、操作部220と、ペダル310とが支軸を介して接続されている。
【0075】
ペダル310を、例えば、テーブル1の前後方向(例えば、G10、G12方向)に回動することで、連動して支軸が回動し、支軸に連結している操作部220が操作される。すなわち、ペダル310を、回動することで、キャスタ202のロック機構203を操作することが可能となり、キャスタ202のロック状態と、ロック解除状態とを切り替えることができる。
【0076】
ここで、ペダル310の端部は、テーブル1の内側にむけて(R側からL側に向けて)突起部314を有していてもよい。この突起部は、ベース部20(収容部312)の上に位置することが好ましく、これにより、ペダル310の飛び出しを抑える構成となっている。
【0077】
また、ペダル310は、図9に示すように、ペダル315のような板状の形状であってもよい。図8のペダル310が、テーブル1の上方に向けて伸びる形状に形成されているのに対し、図9のペダル315は、テーブル1の横方向(水平方向)に伸びる板状の形状に形成されている。
【0078】
図8のペダル310は、ペダル310の端部(上側端部、突起部314)を、手で操作したり、足で操作したりすることで、キャスタ202をロック状態、ロック解除状態と切り替えることができる。それに対して、図9のペダル315は、ユーザがペダル315に対して足の踏み込み、蹴り上げで操作できるのに適した形状となっている。
【0079】
[2.2 ペダルの位置]
上述した実施形態では、ペダルの位置は、ベース部20の外側に沿った位置に配置しているが、例えば、ベース部20の上側に設けてもよい。
【0080】
例えば、図10は、ペダル320を、ベース部20の上側に持ってきた状態を示す図である。操作部220は、収容部322に収容されており、収容部322の上側に、ペダル320を回動可能に配置する。すなわち、ペダル320がテーブル1の脚の上に設けられることになり、ペダル320がベース部20の外側に飛び出すことを抑えることが可能となる。このとき、ペダル320を、テーブル1の前後方向(B方向、F方向)に回動することで、キャスタ202のロック状態、ロック解除状態を切り替えることができる。
【0081】
[2.3 ベース部(収容部)の形状]
また、ベース部20からペダルの飛び出しを抑えるために、ベース部20(収容部)の形状を変更してもよい。例えば、ペダルがベース部20の内側に入り込むように、ベース部20に切り欠け部を有するような形状にしてもよい。
【0082】
例えば、図11は、ベース部20が、ペダル330の近傍においてベース部20の外周から内側に入り込むように凹んだ形状となっている。このとき、ペダル330の外側端部(R方向の端部)が、ベース部20の外延に沿った位置か、外延より内側に位置することが好ましい。また、ベース部20は、ペダル330の位置を中心に、内側(L側)に入り込むように切り込んだ形状となることが好ましい。
【0083】
このように、ベース部20の外周部が、直線上になるのと比較して、ペダル330の外側への飛び出し量(例えば、R側への飛び出し量)を抑えることができる。また、ペダル330の前後も併せて凹んだ形状とすることで、ペダル330の前後に空間を形成することができる。ペダル330の前後に空間が形成されることから、ペダル330を足での踏み込み操作がしやすい形状となっている。
【0084】
また、図12は、ベース部20に設けられた収容部342を、ベース部20より外側にせり出すように形成したものである。
【0085】
図12は、ベース部20の収容部342が外(R方向)に突出するように形成されている。このとき、収容部342は、仮想線P1、仮想線P2に沿うように突出する部分が斜めに形成されている。したがって、仮にユーザの足がベース部20(収容部342)にぶつかったとしても、突出する斜面の位置に足がぶつかることになり、ペダル340への接触を防ぐことができる。
【0086】
[2.4 ボタンによる操作]
図13は、操作機構22の操作手段として、ペダルの代わりボタンを備えた一例である。例えば、図13(a)に示すように、ベース部20は、ボタン352、ボタン354を有している。そして、例えば、ユーザがボタン352を押し下げることにより、キャスタ202はロック状態となる。また、例えばユーザがボタン354を押し下げることにより、キャスタ202はロック解除状態となる。
【0087】
ここで、ボタン352、ボタン354は、図13(b)に示すように、下端がベース部20に内蔵されているペダル356に当接されている。これにより、例えばボタン352が押し下げられると、ペダル356の一端側が押し下げられる。また、ボタン354が押し下げられると、ペダル356の他端側が押し下げられる。
【0088】
このように、図13の構成によれば、ベース部20の外にペダル356を設けないことから、操作部分の飛び出しをなくすことが可能となる。また、ユーザは、ボタン352、ボタン354を押し下げることで、キャスタのロック状態、ロック解除状態を切り替えることができる。ユーザは、足で踏み込むことでボタン352、ボタン354を押し下げてもよいし、手によって押し下げてもよい。また、図13(a)に示すように、ベース部20から、何れかのボタンが突出した状態を視認することで、キャスタ202がロック状態であるか、ロック解除状態であるかをユーザは容易に確認することが可能となる。ここで、ボタン352、ボタン354を異なる色で識別表示をしてもよい。
【0089】
[2.5 ガード部材]
また、上述したベース部20に、ガード部材を設ける構成としてもよい。例えば、図14に示すように、ベース部20の切り欠け部を補助するように、矩形状のガード部材410を設けてもよい。すなわち、ペダル210の下側にガード部材410を配置する。また、ガード部材410の位置は、ペダル210の先端部が回動したときに、当該先端部がガード部材410に当接するように位置してもよい。
【0090】
[2.6 操作機構の配置]
また、上述した実施形態では、操作機構の位置を、テーブル1の短手方向(例えば、図1のBF方向)に沿って配置したが、他の位置に配置してもよい。例えば、テーブル1の長手方向(例えば、図1のLR方向)に沿って配置してもよい。この場合、ペダル210は、例えばF側に配置されてもよい。
【0091】
また、操作機構22は、ベース部20に対して斜め方向に配置してもよい。例えば、図15に示すように、ベース部20のコの字形状の角部近傍に操作機構22を配置してもよい。具体的には、操作部220を角部に斜め方向に配置する。そうすると、支軸212を介して接続するペダル210も斜め方向に配置される。これにより、ペダル210は、ベース部20から飛び出さないように配置することができる。また、ペダル210が斜めに配置されることから、ユーザがペダル210を足による踏み込み操作がしやすい状態で配置することが可能となる。
【0092】
[2.7 ロック状態/ロック解除状態の表示]
キャスタ202の状態がロック状態、ロック解除状態にあるかについて、ベース部20と、ペダル210との位置に基づいて、ユーザが視認できるように説明したが、別の手段により実現してもよい。例えば、ペダル210や、操作部(操作手段)に識別できる表示(識別表示)を設けてもよい。このとき、ロック状態又はロック解除状態の識別表示は、ベース部20の上面で行うとよい。例えば、識別表示をペダル軸に対して垂直な面にあると、ペダル210の側面に識別表示がされてしまい、利用者の目線からは見づらくなってしまう。しかし、識別表示を、ベース部20の上面で行うことで、例えば操作をしている利用者が、テーブルを上方からみたときであっても、キャスタ202の状態がロック状態かロック解除状態かを容易に確認することができる。
【0093】
例えば、図16は、ペダル330に識別表示を付したものである。ベース部20は、ペダル330を設けるための突出部を有しており、当該突出部に切り欠け部420を有している。そして、ペダル330には、ロック状態を識別するシールが貼り付けられている。例えば、ペダル330が回動することで、ペダル330の向きが変わる。ペダル330の向きが変わると、切り欠け部420により視認可能な色が変わることになる。例えば、切り欠け部420により視認できる位置に異なる色のシールが貼付されている。ペダル330には、連続する異なる色が付されており、ペダル330の回動と連動して、切り欠け部420に対応する色の位置になる。また、切り欠け部420自体がペダル330の回動に連動して移動してもよい。この場合、ペダル330に切り欠け部420が設けられ、ベース部20にロック状態を識別するシールを貼り付けてもよい。この場合、ペダル330に設けられた切り欠け部420から、ベース部20に貼り付けられているシールの色が視認できる。これにより、ペダル330の回動によって、切り欠け部420が併せて回動し、シールの色によってロック状態を視認することができる。また、この識別する色は、例えば異なる色のシールが貼付されてもよいし、異なる色の塗装が施されてもよい。
【0094】
具体的には、図16(a)の状態のときは、ロック状態を示す色(例えば、図16(a)は斜線で示しているが、赤色等)が切り欠け部420に表示される。また、図16(b)のときは、ロック解除状態を示す色(例えば、図16(b)は網線で示しているが、青色等)が切り欠け部420に表示される。
【0095】
また、識別できる表示手段は、ベース部20に設けられてもよい。例えば、図17は、ベース部20に窓部430を有している。例えば、ペダル210の操作に連動して窓部430から見えるシールの色を変える。ペダル210が回動すると、ペダル210の向きが変わり、支軸、カム、スライダと連動する。そして、支軸又はスライダ等に貼付されたシール等が移動し、支軸又はカムの位置に対応してキャスタ202のロック状態、ロック解除状態が特定できる。したがって、支軸又はスライダに、当該ロック状態又はロック解除状態となる位置に色の異なるシールを貼付したり、塗装したりする。これにより、窓部430に表示される色によって、キャスタ202のロック状態又はロック解除状態を確認することができる。
【0096】
具体的には、図17(a)の状態のときは、ロック状態を示す色(例えば、図17(a)は斜線で示しているが、赤色等)が窓部430に表示される。また、図17(b)のときは、ロック解除状態を示す色(例えば、図16(b)は網線で示しているが、青色等)が窓部430に表示される。
【0097】
[2.8 ロック機構]
上述した実施形態では、テーブル1の移動を制動する機構としてキャスタに設けられたロック機構を例に説明した。しかし、テーブル1の移動を制動する機構であればよく、例えば他のブレーキ機構であってもよい。
【0098】
例えば、ワイヤー204にブレーキ機構を接続する。例えば、ブレーキ機構は、ブレーキパッドを設けており、ワイヤー204を引っ張ると、ブレーキパッドが床面に当接し、テーブル1の移動を制動するように作動する機構であってもよい。
【0099】
当該ブレーキ機構の構成としては、例えば特開2017-189312号公報(公開日:平成29年10月19日、発明の名称:操作機構およびこれを備える移動式テーブル)に開示されたブレーキ機構を利用してもよい。また、テーブル1の移動を制動する機構(制動機構)であれば、他のロック機構や、ブレーキ機構を利用してもよい。
【0100】
また、ロック機構と、ブレーキ機構とは組み合わせて構成してもよい。例えば、正面側はキャスタ202にロック機構を設け、背面側はキャスタ202とは別にブレーキ機構を設けてもよい。
【0101】
また、上述したロック機構は、全てのキャスタをロックするときについて説明したが、テーブル1が移動しないために必要なキャスタをロックしてもよい。例えば、ベース部20に4つのキャスタが設けられているとき、3つのキャスタをロックしてもよい。操作機構22により、ロック状態に遷移させることは、テーブル1が自由に動かないように、キャスタを必要に応じてロックしてもよい。
【0102】
[3.適用例]
上述した実施形態は、ロック機構と、操作機構とを有するベース部20を脚部とし、支柱が1つのテーブル1に移動装置を適用した例について説明した。上述した移動装置は、他の移動装置に適用可能なことは勿論である。
【0103】
図18は、本実施形態の移動装置を、テーブル1以外の製品に応用した図である。例えば、図18(a)は、リハビリ用のテーブル3である。図18(a)のテーブル3は、支柱が2つ(両側)有しており、テーブル3の左右にそれぞれ支柱を有している。このような構成のテーブルは、テーブル3のようなリハビリ用テーブル以外にも、例えばオーバーベッドテーブル等においても、同じような構成となる。このようなテーブル3のとき、脚の部分にコの字状のベース部20Aを設けることで、上述した実施形態を適用することができる。すなわち、ベース部20Aは、ロック機構を有するキャスタと、ロック機構を操作する操作機構を有している。
【0104】
さらに、図18(b)のように、端座位保持器具を有しているテーブル5でも同じように実現可能である。すなわち、テーブル5の左右にそれぞれ支柱を有しているが、脚の部分にコの字状のベース部20Bを設けることで上述した実施形態を適用することができる。
【0105】
また、上述したロック機構及び操作機構を移動装置としてテーブルに適用する場合について説明したが、キャスタで移動可能な他の移動装置に適用してもよい。例えば、ベッド、ストレッチャー、カート、キャビネットやいす等の家具、リフト装置においても適用可能である。
【0106】
[4.変形例]
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0107】
また、上述した内容は、説明の都合上、分けて説明しているが、可能な範囲で組み合わせて実行することが可能である。また、明細書に記載したいずれの技術についても、補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。
【0108】
なお、本開示の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される技術の組み合わせも、その範囲に含むものである。本開示のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に記載しているが、特許請求の範囲に記載されていないことを理由として技術的範囲から排除する意思ではない。
【0109】
また、上述した明細書において、「~の場合」「~のとき」という記載については、一つの例として説明しているものであり、記載した内容に限られる構成としているものではない。これらの場合やときでない構成についても、当業者であれば自明である範囲についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【符号の説明】
【0110】
1 テーブル
10 天板部
20 ベース部
22 操作機構
28 パイプ
30 支柱
202、202A、202B、202C、202D キャスタ
203、203A、203B、203C、203D ロック機構
204、204A、204B、204C、204D ワイヤー
206 取付部材
210、210A、210B ペダル
212 支軸
220 操作部
222 カム
224 スライダ
226、228 バネ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18