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  • 特開-ドアガーニッシュ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082935
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】ドアガーニッシュ
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/04 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
B60R13/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197164
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 克行
(72)【発明者】
【氏名】中根 康樹
(72)【発明者】
【氏名】福田 健介
(72)【発明者】
【氏名】恩田 英治
【テーマコード(参考)】
3D023
【Fターム(参考)】
3D023AA01
3D023AB11
3D023AC02
3D023AD02
3D023AD26
3D023AD27
(57)【要約】
【課題】耐久性の向上を図りつつ車両用ドアからの脱落を防止する上で有利なドアガーニッシュを提供する。
【解決手段】アウター部材24の下壁部32の開口部34内に開口部34の周縁部と隙間を設けた状態で上方から挿通され、下壁部32の下方および車幅方向外側への変位を規制する第1規制部44をインナー部材26に設けた。乗員の足先からの荷重がアウター部材24に加わった場合に第1規制部44によりアウター部材24の下壁部32の下方および車幅方向外側への変位が規制されるため、アウター部材24に加わる荷重を軽減させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアアウターパネルとドアインナーパネルとを備える車両用ドアの下部の外側面を覆うアウター部材と前記車両用ドアの下部の内側面を覆うインナー部材とを備えるドアガーニッシュであって、
前記アウター部材は、前記ドアアウターパネルに取り付けられ前記車両用ドアの下部フランジの下方で前記下部フランジよりも車幅方向内側へ延設されて前記ドアの下方を覆う下壁部と、前記下壁部の車幅方向内側の内側端部近傍において上下に貫通形成された開口部と、を有し、
前記インナー部材は、前記ドアインナーパネルに取り付けられ前記開口部内に前記開口部の周縁部と隙間を設けた状態で上方から挿通され、前記下壁部の下方および車幅方向外側への変位を規制する第1規制部を有する、
ことを特徴とするドアガーニッシュ。
【請求項2】
前記第1規制部は、
上下方向に延びて前記開口部に挿通される挿通部と、
前記挿通部の下端から前記開口部よりも車幅方向内側へ延びて前記下壁部の下面と対向する下方規制部と、を有する
ことを特徴とする請求項1記載のドアガーニッシュ。
【請求項3】
前記第1規制部は、前記挿通部の上端から車幅方向内側に延びて前記下壁部の上面と対向する上方規制部を含む、
ことを特徴とする請求項2記載のドアガーニッシュ。
【請求項4】
前記下壁部の前記開口部よりも車幅方向内側の部位には、車幅方向内側に向かって上方へ傾斜する傾斜面が形成され、
前記第1規制部の前記上方規制部は、前記傾斜面に沿って延設される、
ことを特徴とする請求項3記載のドアガーニッシュ。
【請求項5】
前記インナー部材は、前記アウター部材の前記下壁部の内側端部に向かって下方かつ車幅方向内側に傾斜する傾斜部を有する、
ことを特徴とする請求項1記載のドアガーニッシュ。
【請求項6】
前記インナー部材は、前記インナー部材の車幅方向外側の面から車幅方向外側に向かって突設されるとともに前記下部フランジと対向配置され、前記下部フランジと当接することで前記インナー部材の車幅方向外側への変位を規制する第2規制部を有する、
ことを特徴とする請求項1記載のドアガーニッシュ。
【請求項7】
前記第2規制部は、前記下部フランジと当接される当接面を有し、
前記当接面には、緩衝部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項6記載のドアガーニッシュ。
【請求項8】
前記アウター部材の前記下壁部は、前記車両用ドアを閉じた状態で、前記車両用ドアと車体の隙間を覆う位置まで延設され、その内側端部は、前記車体に設けられたシール部材に当接するよう形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のドアガーニッシュ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアのドアガーニッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
車両走行時に飛び石や泥などから車両用ドアの下部を保護するために車両用ドアの下部に設けられるドアガーニッシュが提供されている。
特許文献1には、車両用ドアの下部の室外面を覆う室外側被覆部材と車両用ドアの下部の室内面を覆う室内側被覆部材とを薄肉ヒンジ部で連結したドアガーニッシュが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-137410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、車両への乗降時に乗員が誤って足先を上方から室内側被覆部材に引っ掛けたり、あるいは、車両用ドアを開位置に保持するために車室内の乗員が意図的に足先で室内側被覆部材を車幅方向外側に押圧するなどした場合、足先から室内側被覆部材に荷重が加わることが懸念される。
このように、足先からの荷重が室内側被覆部材を介して薄肉ヒンジ部に加わると、薄肉ヒンジ部が劣化、破損したり、足先から加わる荷重によって室外側被覆部材あるいは室内側被覆部材が車両用ドアから脱落するといった不具合が懸念される。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、耐久性の向上を図りつつ車両用ドアからの脱落を防止する上で有利なドアガーニッシュを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の一実施形態は、ドアアウターパネルとドアインナーパネルとを備える車両用ドアの下部の外側面を覆うアウター部材と前記車両用ドアの下部の内側面を覆うインナー部材とを備えるドアガーニッシュであって、前記アウター部材は、前記ドアアウターパネルに取り付けられ前記車両用ドアの下部フランジの下方で前記下部フランジよりも車幅方向内側へ延設されて前記ドアの下方を覆う下壁部と、前記下壁部の車幅方向内側の内側端部近傍において上下に貫通形成された開口部と、を有し、前記インナー部材は、前記ドアインナーパネルに取り付けられ前記開口部内に前記開口部の周縁部と隙間を設けた状態で上方から挿通され、前記下壁部の下方および車幅方向外側への変位を規制する第1規制部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、アウター部材とインナー部材とを備えるドアガーニッシュであって、アウター部材の下壁部の開口部内に開口部の周縁部と隙間を設けた状態で上方から挿通され、下壁部の下方および車幅方向外側への変位を規制する第1規制部をインナー部材に設けた。
したがって、乗員の足先からの荷重がアウター部材に加わった場合に第1規制部によりアウター部材の下壁部の下方および車幅方向外側への変位が規制されるため、アウター部材に加わる荷重を軽減させることができ、ドアガーニッシュの耐久性の向上を図りつつ車両用ドアからの脱落を防止する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態のドアガーニッシュが取り付けられた車両用ドアの下端部およびサイドシル近傍の断面図であり、アウター側クリップがドアアウターパネルに係合した箇所での断面を示す。
図2】実施の形態のドアガーニッシュが取り付けられた車両用ドアの下端部およびサイドシル近傍の断面図であり、インナー側クリップがドアインナーパネルに係合した箇所での断面を示す。
図3】(A)アウター部材を車幅方向外側から見た斜視図、(B)アウター部材を車幅方向内側から見た斜視図である。
図4】(A)インナー部材を車幅方向外側から見た斜視図、(B)インナー部材を車幅方向内側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、図中、符号FRは車両前後方向の前方を示し、符号INは車幅方向内側を示し、符号OUTは車幅方向外側を示し、符号UPは車両上方を示す。
【0009】
図1図2に示すように、車両用ドア10は、ドアアウターパネル12とドアインナーパネル14とを含んで構成されている。
車両用ドア10の下端部には、ドアアウターパネル12およびドアインナーパネル14の周縁部が接合された下部フランジ16が下方に突設されている。
図1図2において、符号18は、不図示のドア用開口部の下部に沿って車両前後方向に沿って延設するサイドシル(車体)を示し、符号20は、サイドシル18の下部の車幅方向外側に設けられサイドシル18に沿って延設するシール部材を示す。
【0010】
本実施の形態に係るドアガーニッシュ22は、図1図2に示すように、ドアアウターパネル12の下部の車幅方向外側に位置する外側面1202を覆うアウター部材24と、ドアインナーパネル14の下部の車幅方向内側に位置する内側面1402を覆うインナー部材26とを備えている。
アウター部材24とインナー部材26は合成樹脂製であり、本実施の形態では同一の合成樹脂材料が用いられている。
なお、インナー部材26は、アウター部材24より剛性が高く形成されており、アウター部材24に比べて変形しにくくなっている。
【0011】
図1図2図3(A)、(B)に示すように、アウター部材24は、アウター本体壁部28と、複数のアウター側クリップ30と、下壁部32と、複数の開口部34と、傾斜面36とを含んで構成されている。
アウター本体壁部28は、車両前後方向に細長い板状を呈し、ドアアウターパネル12の外側面1202の下部から下部の下方の空間部の車幅方向外側を覆っている。
アウター本体壁部28がドアアウターパネル12に対向する面のうち上端寄りの箇所には、アウター本体壁部28の長手方向に間隔をおいて車幅方向内側に突出する複数のアウター側クリップ30が設けられている。
それら複数のアウター側クリップ30がドアアウターパネル12の各取り付け孔1210に係合することによってアウター部材24がドアアウターパネル12の下部に着脱可能に取り付けられる。
【0012】
図1図2に示すように、下壁部32は、アウター本体壁部28の下部から車幅方向内側へ延設され、車両前後方向に細長い板状を呈している。
下壁部32は、アウター本体壁部28がドアアウターパネル12に取り付けられた状態で、下部フランジ16の下方で下部フランジ16よりも車幅方向内側へ延設されて車両用ドア10の下方を覆っている。
下壁部32は、車両用ドア10でドア用開口部を閉じた状態で、車両用ドア10とサイドシル(車体)18の隙間を覆う位置まで延設され、その内側端部38は、サイドシル18に設けられたシール部材20に当接するように形成され、内側端部38の車幅方向外側の箇所は傾斜面36が形成されている。
複数の開口部34は、下壁部32の車幅方向内側の内側端部38近傍でアウター部材24の長手方向(車両前後方向)に間隔をおいた複数箇所に、言い換えると、傾斜面36の車幅方向外側の箇所に、上下に貫通形成されて形成され、本実施の形態では、開口部34は、アウター部材24の長手方向(車両前後方向)に細長い矩形状を呈している。
傾斜面36は、下壁部32の開口部34より車幅方向内側の部位から車幅方向内側に向かって上方へ傾斜して形成され、傾斜面36は下壁部32の長手方向の全長にわたって形成される。
【0013】
図1図2図4(A)、(B)に示すように、インナー部材26は、インナー本体壁部40と、複数のインナー側クリップ42と、第1規制部44と、第2規制部48とを含んで構成されている。
インナー本体壁部40は、車両前後方向に細長い板状を呈し、インナー部材26がドアインナーパネル14に取り付けられた状態で、ドアインナーパネル14の下部と、車両用ドア10の下部フランジ16よりも下方に突出するアウター部材24の箇所を車幅方向内側から覆っている。
インナー本体壁部40の車幅方向外側の面のうち、ドアインナーパネル14に対向する上端寄りの箇所には、インナー本体壁部40の長手方向(車両前後方向)に間隔をおいて車幅方向外側に突出する複数のインナー側クリップ42が設けられている。
それらインナー側クリップ42がドアインナーパネル14の取り付け孔1410に係合することによってインナー部材26がドアインナーパネル14の下部に着脱可能に取り付けられる。
インナー本体壁部40の下部は傾斜部46として形成され、傾斜部46は、アウター部材24の下壁部32の内側端部38に向かって下方かつ車幅方向内側に傾斜しつつ延設している。
図2に示すように、開口部34から車両前後方向に変位した箇所では、傾斜部46の下端は、シール部材20の近傍でシール部材20に対して車幅方向の隙間を確保して対向し、また、傾斜面36に対して上下方向の隙間を確保して対向している。
【0014】
インナー本体壁部40の車幅方向外側の面の上下方向の中間部には、インナー本体壁部40から車幅方向外側に向かって第2規制部48が突設されている。
第2規制部48は、車両用ドア10の下部フランジ16と対向して配置され、下部フランジ16と当接することでインナー本体壁部40、すなわちインナー部材26の車幅方向外側への変位を規制するものであり、インナー部材26の長手方向(車両前後方向)に間隔をおいて複数設けられている。
第2規制部48は、下部フランジ16と当接される当接面50を有し、当接面50には、ゴムやエラストマーなどの弾性材料で形成された緩衝部材52が設けられている。
緩衝部材52は、当接面50と下部フランジ16との間で下部フランジ16に接触した状態で設けられており、第2規制部48の当接面50は、緩衝部材52を介して下部フランジに当接されている。
尚、本実施形態においては緩衝部材52が下部フランジ16と接触するように設けられているが、緩衝部材52と下部フランジ16は隙間を空けて設けられていてもよい。
第2規制部48は、インナー本体壁部40の車幅方向外側の面から略水平方向に突設されインナー部材26の長手方向に延設する上板部と、上板部の先端から下方に屈曲され当接面50を形成する屈曲板部と、インナー本体壁部40の車幅方向外側の面から突設され上板部および屈曲板部の車両前後方向の両端を接続する一対の端面板部とを備えている。すなわち、第2規制部48は、下方に開放状に形成され、ボックス形状を呈し、剛性が確保されている。
【0015】
第1規制部44は、複数の開口部34に対向する傾斜部46の下端に設けられ、開口部34に対応して複数設けられている。
第1規制部44は、開口部34内に開口部34の周縁部と隙間を設けた状態で上方から挿通され、アウター部材24の下壁部32の下方への変位および車幅方向外側への変位(変形)並びに上方への変位を規制するものである。
第1規制部44は、傾斜部46の下端から延設する上方規制部44Aと、上方規制部44Aの下端から延設する挿通部44Bと、挿通部44Bの下端から延設する下方規制部44Cとを備えている。
【0016】
挿通部44Bは開口部34に挿通される箇所であり、挿通部44Bは、図1に示すように、開口部34の車幅方向外側の周縁部と車幅方向内側の周縁部との間に隙間を確保した状態で、かつ、不図示ではあるが、開口部34の車両前後方向前側の周縁部と車両前後方向後側の周縁部との間に隙間を確保した状態で、開口部34内でほぼ上下方向に延設している。
したがって、上述のように開口部34が設けられていない箇所では、図2に示すように、傾斜部46の下端は傾斜面36に対して上下方向の隙間を確保して対向していることから、挿通部44Bが開口部34内で車幅方向に円滑に変位できるように図られている。
上方規制部44Aは、傾斜部46の下端から下方かつ車幅方向外側に延設し、開口部34の上方に位置する挿通部44Bの上端に接続され、言い換えると、挿通部44Bの上端から車幅方向内側に延びて下壁部32の上面と対向するように設けられている。
本実施の形態では、上方規制部44Aはアウター部材24の傾斜面36に沿って傾斜面36との間に隙間を確保して延設されている。
下方規制部44Cは、開口部34の下方に位置する挿通部44Bの下端から開口部34よりも車幅方向内側へ延びて下壁部32の下面と上下方向の隙間を確保して対向するように設けられている。
【0017】
図1に示すように、開口部34の車幅方向外側の周縁部と挿通部44Bとの間の車幅方向の隙間S1は、開口部34の車幅方向内側の周縁部と挿通部44Bとの間の車幅方向の隙間S2よりも大きく形成され、インナー部材26に乗員の足先から車幅方向外方に向かう荷重が加わっても、挿通部44Bが隙間S1の範囲で移動することでインナー部材26あるいはアウター部材24の損傷防止が図られている。
また、隙間S2は隙間S1よりも小さく形成され、アウター部材24の内側端部38に乗員の足先から下方に向かう荷重が加わってアウター部材24が変位しても、アウター部材24の傾斜面36箇所がインナー部材26の下方規制部44Cに確実に係止し、アウター部材24がインナー部材26から外れないように図られている。
【0018】
本実施の形態によれば、アウター部材24の下壁部32の開口部34内に開口部34の周縁部と隙間を設けた状態で上方から挿通され、下壁部32の下方および車幅方向外側への変位を規制する第1規制部44をインナー部材26に設けた。
したがって、乗員の足先からの荷重がアウター部材24に加わった場合に第1規制部44によりアウター部材24の下壁部32の下方および車幅方向外側への変位が規制されるため、アウター部材24に加わる荷重を軽減させることができる。
そのため、ドアガーニッシュ22の耐久性の向上を図りつつ車両用ドア10からの脱落を防止する上で有利となる。
【0019】
また、本実施の形態によれば、第1規制部44は、上下方向に延びて開口部34に挿通される挿通部44Bと、挿通部44Bの下端から開口部34よりも車幅方向内側へ延びて下壁部32の下面と対向する下方規制部44Cとを有する。
したがって、乗員の足先からの荷重がアウター部材24に加わった場合に、下壁部32の下面が下方規制部44Cに当接することにより、下壁部32の下方への変位がより確実に規制されるため、アウター部材24に加わる荷重を軽減させる上で有利となり、ドアガーニッシュ22の耐久性の向上を図りつつ車両用ドア10からの脱落を防止する上でより有利となる。
また、開口部34と第1規制部44(挿通部44B)との隙間(車幅方向内側の隙間)を下方規制部44Cによって下方から覆うことができるので、上記隙間からインナー部材26とサイドシル18との間の空間への下方からの異物の侵入を抑制する上で有利となる。
【0020】
また、本実施の形態によれば、第1規制部44は、挿通部44Bの上端から車幅方向内側に延びて下壁部32の上面と対向する上方規制部44Aを含むので、乗員の足先からの荷重がアウター部材24に加わった場合に、上方規制部44Aにより下壁部32の上方への変位が規制されるため、アウター部材24に加わる荷重を軽減させる上で有利となり、ドアガーニッシュ22の耐久性の向上を図りつつ車両用ドア10からの脱落を防止する上でより有利となる。
また、第1規制部44は、下方規制部44Cと挿通部44Bと上方規制部44Aとによって、第1規制部44と下壁部32との間の隙間を迷路形状とすることができるので、開口部34の車幅方向外側の周縁部と第1規制部44との隙間からインナー部材26とサイドシル18との間の空間に異物が侵入することを抑制する上でより有利となる。
【0021】
また、本実施の形態によれば、下壁部32の開口部34よりも車幅方向内側の部位には、車幅方向内側に向かって上方へ傾斜する傾斜面36が形成され、第1規制部44の上方規制部44Aは、傾斜面36に沿って延設されている。
そのため、上方規制部44Aと傾斜面36の間の隙間の迷路形状をより複雑にできるので、開口部34の車幅方向外側の周縁部と第1規制部44との隙間からインナー部材26とサイドシル18との間の空間に異物が侵入することを抑制する上でより有利となり、しかも、傾斜面36と上方規制部44Aとが傾斜していることから傾斜面36と上方規制部44Aと間の隙間から異物を下方に排出する上で有利となる。
【0022】
また、本実施の形態によれば、インナー部材26は、アウター部材24の下壁部32の内側端部38に向かって下方かつ車幅方向内側に傾斜する傾斜部46を有している。
したがって、乗員が足先をインナー部材26に当てたとしても、足先は傾斜部46に沿って円滑に下方に案内されることで足先がインナー部材26から容易に外れるので、足先がアウター部材24の内側端部38に引っかかることを抑制する上で有利となる。
そのため、乗員の足先からアウター部材24に加わる荷重を軽減させる上で有利となり、ドアガーニッシュ22の耐久性の向上を図りつつ車両用ドア10からの脱落を防止する上でより有利となる。
【0023】
また、本実施の形態によれば、インナー部材26は、インナー部材26の車幅方向外側の面から車幅方向外側に向かって突設されるとともに車両用ドア10の下部フランジ16と対向配置され、下部フランジ16と当接することでインナー部材26の車幅方向外側への変位を規制する第2規制部48を有する。
したがって、乗員の足先からの荷重がインナー部材26に加わった場合に、インナー部材26に加わる荷重が第2規制部48を介して下部フランジ16によって受け止められることにより、インナー部材26からアウター部材24に加わる荷重を軽減させる上で有利となり、ドアガーニッシュ22の耐久性の向上を図りつつ車両用ドア10からの脱落を防止する上でより有利となる。
【0024】
また、本実施の形態によれば、第2規制部48が下部フランジ16と当接される当接面50に緩衝部材52が設けられている。
そのため、乗員の足先からの荷重がインナー部材26に加わった場合に、第2規制部48の当接面50が緩衝部材52を介して下部フランジ16に当接した際に不快な異音が発生することを抑制する上で有利となり、乗員の快適性を確保する上で有利となる。
【0025】
また、本実施の形態によれば、アウター部材24の下壁部32は、車両用ドア10を閉じた状態で、車両用ドア10とサイドシル18の隙間を覆う位置まで延設され、その内側端部38は、サイドシル18に設けられたシール部材20に当接するよう形成されているので、アウター部材24の内側端部38とサイドシル18の間からインナー部材26とサイドシル18との間の空間に異物が侵入することを抑制する上で有利となる。
【符号の説明】
【0026】
10 車両用ドア
12 ドアアウターパネル
1202 外側面
1210 取り付け孔
14 ドアインナーパネル
1402 内側面
1410 取り付け孔
16 下部フランジ
18 サイドシル(車体)
20 シール部材
22 ドアガーニッシュ
24 アウター部材
26 インナー部材
28 アウター本体壁部
30 アウター側クリップ
32 下壁部
34 開口部
36 傾斜面
38 内側端部
40 インナー本体壁部
42 インナー側クリップ
44 第1規制部
44A 上方規制部
44B 挿通部
44C 下方規制部
46 傾斜部
48 第2規制部
50 当接面
52 緩衝部材
図1
図2
図3
図4