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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082941
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】物品収納具
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/00 20060101AFI20240613BHJP
   B65F 1/06 20060101ALI20240613BHJP
   B65F 1/14 20060101ALI20240613BHJP
   B65B 67/12 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
B65F1/00 A
B65F1/06 Z
B65F1/14 Z
B65B67/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197170
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】722014734
【氏名又は名称】小堀 彰大
(72)【発明者】
【氏名】小堀 彰大
【テーマコード(参考)】
3E023
3E057
【Fターム(参考)】
3E023AA20
3E023GA01
3E023GC01
3E023GD04
3E057CA05
3E057CB01
3E057CB04
3E057CC03
(57)【要約】
【課題】物品収納空間を開状態にした際の間口を広くすることのできる物品収納具を提案することにある。
【解決手段】物品収納具10の第1可動部材1および第2可動部材2において、ジョイント部材15、25には、縦棒16、26と、操作部18、28が設けられた横棒17、27とが連結されている。第1可動部材1および第2可動部材2が内側に傾いた閉状態において、操作部18を踏んで第1可動部材1を開方向に揺動させると、第2可動部材2も開方向に揺動する。また、可動部材1が揺動する際の支点と、外力が作用する操作部18の位置とが近い。このため、操作部18を移動させる距離が短い場合でも、物品収納空間5を開状態にした際の間口が広い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1可動部材と、
前記第1可動部材との間に物品収納空間が設けられる第2可動部材と、
前記第1可動部材および前記第2可動部材の下端側の部分同士を繋ぐ弾性部材と、
を有し、
前記第1可動部材の上端部と前記第2可動部材の上端部とが接近した閉状態において前記第1可動部材および前記第2可動部材のうちの一方の可動部材に外力を加え、前記一方の可動部材の下端部を支点にして前記一方の可動部材を他方の可動部材から離間する方向に揺動させるとともに、前記一方の可動部材の揺動に伴う前記弾性部材の上方への撓みによって、前記他方の可動部材の下端部を支点にして前記他方の可動部材が前記一方の可動部材から離間する方向に揺動することによって、前記第1可動部材の上端部と前記第2可動部材の上端部とが離間した開状態への切り換えが行われ、
前記一方の可動部材への前記外力の印加を停止したとき、前記弾性部材の形状復帰力によって、前記開状態から前記閉状態に戻ることを特徴とする物品収納具。
【請求項2】
前記第1可動部材の下端部および前記第2可動部材の下端部は各々、下面が曲面の支点部になっていることを特徴とする請求項1に記載の物品収納具。
【請求項3】
前記第1可動部材および前記第2可動部材は各々、左右方向の両側で上下方向に延在する一対の縦棒と、前記一対の縦棒の各々の下端部で前記支点部を構成する一対のジョイント部材と、前記一対のジョイント部材を連結させる横棒と、を備え、
前記弾性部材は、左右方向の両側の各々で前後方向に延在して前記第1可動部材の前記ジョイント部材と前記第2可動部材の前記ジョイント部材とを繋ぐ板状または棒状の部材であることを特徴とする請求項2に記載の物品収納具。
【請求項4】
前記ジョイント部材は、前記縦棒の下端部が嵌った第1穴、前記横棒の端部が嵌った第2穴、および前記弾性部材の端部が嵌った第3穴が形成された球体であることを特徴とする請求項3に記載の物品収納具。
【請求項5】
前記第1穴、前記第2穴、および前記第3穴は、前記ジョイント部材の外周面から前記ジョイント部材の中心部に向かって形成され、
前記第1可動部材では、前記縦棒が前記第1穴に嵌っている部分より上端側が前記第2可動部材に向けて曲がっており、
前記第2可動部材では、前記縦棒が前記第1穴に嵌っている部分より上端側が前記第1可動部材に向けて曲がっていることを特徴とする請求項4に記載の物品収納具。
【請求項6】
前記第1可動部材および前記第2可動部材は各々、前記閉状態から前記開状態に移行する際に前記外力により押し下げられる操作部が前記横棒に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の物品収納具。
【請求項7】
前記一対の縦棒には、スライド式の長さ調整機構が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の物品収納具。
【請求項8】
前記第1可動部材および前記第2可動部材には、内側が前記物品収容空間とされる袋が保持され、
前記袋の開口縁の一部は、前記第1可動部材の上端部に保持され、
前記袋の開口縁の他の一部は、前記第2可動部材の上端部に保持されていることを特徴とする請求項1から7までの何れか一項に記載の物品収納具。
【請求項9】
可動部材の下端部を支点とする揺動によって物品収納空間が開状態と閉状態とに切り換えられる物品収納具であって、
前記可動部材は、左右方向の両側で上下方向に延在する一対の縦棒と、前記一対の縦棒の各々の下端部で支点部を構成する一対のジョイント部材と、前記一対のジョイント部材を連結させる横棒と、を備え、
前記横棒には、前記可動部材を揺動させる際に押し下げられる操作部が設けられていることを特徴とする物品収納具。
【請求項10】
前記ジョイント部材は、前記縦棒の下端部が嵌った第1穴、および前記横棒の端部が嵌った第2穴が形成された球体であり、
前記第1穴および前記第2穴は、前記ジョイント部材の外周面から前記ジョイント部材の中心部に向かって形成され、
前記縦棒は、前記第1穴に嵌っている部分より上端側が前記可動部材の揺動方向の一方に向けて曲がっていることを特徴とする請求項9に記載の物品収納具。
【請求項11】
内側が前記物品収納空間とされる袋を有し、
前記袋の開口縁の一部は、前記可動部材の上端側に保持されていることを特徴とする請求項9または10に記載の物品収納具。
【請求項12】
前記一対の縦棒には、スライド式の長さ調整機構が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の物品収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ袋等のシート部材を保持する物品収納具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固定部材に重なるように配置した可動部材にペダルを設け、ペダルを踏み込む動作と、ペダルを開放する動作とによって、固定部材および可動部材によって保持したゴミ袋等のシート部材を開閉する機構が提案されている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3182784号公報
【特許文献2】実開昭52-130478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術では、ゴミ袋を開状態にした際の間口が狭いため、ゴミを投入しにくいという問題点がある。より具体的には、特許文献1、2では、一方の部材のみを揺動させるため、開状態にした際の間口が狭いという問題点がある。また、特許文献1、2では、可動部材が揺動する際の支点と、外力が作用する作用位置とが離れているため、可動部材の変位が小さく、開状態にした際の間口が狭いという問題点がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、物品収納空間を開状態にした際の間口を広くすることのできる物品収納具を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る物品収納具の一態様は、第1可動部材と、前記第1可動部材との間に物品収納空間が設けられる第2可動部材と、前記第1可動部材および前記第2可動部材の下端側の部分同士を繋ぐ弾性部材と、を有し、前記第1可動部材の上端部と前記第2可動部材の上端部とが接近した閉状態において前記第1可動部材および前記第2可動部材のうちの一方の可動部材に外力を加え、前記一方の可動部材の下端部を支点にして前記一方の可動部材を他方の可動部材から離間する方向に揺動させるとともに、前記一方の可動部材の揺動に伴う前記弾性部材の上方への撓みによって、前記他方の可動部材の下端部を支点にして前記他方の可動部材が前記一方の可動部材から離間する方向に揺動することによって、前記第1可動部材の上端部と前記第2可動部材の上端部とが離間した開状態への切り換えが行われ、前記一方の可動部材への前記外力の印加を停止したとき、前記弾性部材の形状復帰力によって、前記開状態から前記閉状態に戻ることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る物品収納具の一態様においては、第1可動部材および第2可動部材のうちの一方の可動部材を開方向に揺動させると、他方の可動部材も開方向に揺動するため、物品収納空間を開状態にした際の間口を広くすることができる。
【0008】
本発明に係る物品収納具の一態様において、前記第1可動部材の下端部および前記第2可動部材の下端部は各々、下面が曲面の支点部になっている態様を採用することができる。
【0009】
本発明に係る物品収納具の一態様において、前記第1可動部材および前記第2可動部材は各々、左右方向の両側で上下方向に延在する一対の縦棒と、前記一対の縦棒の各々の下端部で前記支点部を構成する一対のジョイント部材と、前記一対のジョイント部材を連結させる横棒と、を備え、前記弾性部材は、左右方向の両側の各々で前後方向に延在して前記第1可動部材の前記ジョイント部材と前記第2可動部材の前記ジョイント部材とを繋ぐ板状または棒状の部材である態様を採用することができる。
【0010】
本発明に係る物品収納具の一態様において、前記第1可動部材および前記第2可動部材は各々、左右方向の両側で上下方向に延在する一対の縦棒と、前記一対の縦棒の各々の下端部で前記支点部を構成する一対のジョイント部材と、前記一対のジョイント部材を連結させる横棒と、を備え、前記弾性部材は、左右方向の両側の各々で前後方向に延在して前記第1可動部材の前記ジョイント部材と前記第2可動部材の前記ジョイント部材とを繋ぐ板状または棒状の部材である態様を採用することができる。
【0011】
本発明に係る物品収納具の一態様において、前記ジョイント部材は、前記縦棒の下端部が嵌った第1穴、前記横棒の端部が嵌った第2穴、および前記弾性部材の端部が嵌った第3穴が形成された球体である態様を採用することができる。
【0012】
本発明に係る物品収納具の一態様において、前記第1穴、前記第2穴、および前記第3穴は、前記ジョイント部材の外周面から前記ジョイント部材の中心部に向かって形成され、前記第1可動部材では、前記縦棒が前記第1穴に嵌っている部分より上端側が前記第2可動部材に向けて曲がっており、前記第2可動部材では、前記縦棒が前記第1穴に嵌っている部分より上端側が前記第1可動部材に向けて曲がっている態様を採用することができる。
【0013】
本発明に係る物品収納具の一態様において、前記第1可動部材および前記第2可動部材は各々、前記閉状態から前記開状態に移行する際に前記外力により押し下げられる操作部が前記横棒に設けられている態様を採用することができる。
【0014】
本発明に係る物品収納具の一態様において、前記第1可動部材および前記第2可動部材には、内側が前記物品収容空間とされる袋が保持され、前記袋の開口縁の一部は、前記第1可動部材の上端部に保持され、前記袋の開口縁の他の一部は、前記第2可動部材の上端部に保持されている態様を採用することができる。
【0015】
本発明に係る物品収納具の別態様は、可動部材の下端部を支点とする揺動によって物品収納空間が開状態と閉状態とに切り換えられる物品収納具であって、前記可動部材は、左右方向の両側で上下方向に延在する一対の縦棒と、前記一対の縦棒の各々の下端部で支点部を構成する一対のジョイント部材と、前記一対のジョイント部材を連結させる横棒と、を備え、前記横棒には、前記可動部材を揺動させる際に押し下げられる操作部が設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る物品収納具の別態様において、ジョイント部材には、縦棒と、操作部が設けられた横棒とが連結されているため、可動部材を開方向に揺動させる際に操作部を操作すると、かかる動きは、横棒、ジョイント部材、および縦棒に伝達される。このため、可動部材が揺動する際の支点と、外力が作用する作用位置とが近いため、物品収納空間を開状態にした際の間口を広くすることができる。
【0017】
本発明に係る物品収納具の別態様において、前記ジョイント部材は、前記縦棒の下端部が嵌った第1穴、および前記横棒の端部が嵌った第2穴が形成された球体であり、前記第1穴および前記第2穴は、前記ジョイント部材の外周面から前記ジョイント部材の中心部に向かって形成され、前記縦棒は、前記第1穴に嵌っている部分より上端側が前記可動部材の揺動方向の一方に向けて曲がっている態様を採用することができる。
【0018】
本発明に係る物品収納具の別態様において、内側が前記物品収納空間とされる袋を有し、前記袋の開口縁の一部は、前記可動部材の上端側に保持されている態様を採用することができる。
【0019】
本発明に係る物品収納具において、前記一対の縦棒には、スライド式の長さ調整機構が設けられている態様を採用することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る物品収納具の一態様において、第1可動部材および前記第2可動部材のうちの一方の可動部材を開方向に揺動させると、他方の可動部材も開方向に揺動するため、物品収納空間を開状態にした際の間口を広くすることができる。
【0021】
本発明に係る物品収納具の別態様において、ジョイント部材には、縦棒と、操作部が設けられた横棒とが連結されているため、可動部材を開方向に揺動させる際に操作部を操作すると、かかる動きは、横棒、ジョイント部材、および縦棒に伝達される。このため、可動部材が揺動する際の支点と、外力が作用する作用位置とが近いため、物品収納空間を開状態にした際の間口を広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態1に係る物品収納具の斜視図。
図2図1に示す物品収納具の支点部の説明図。
図3図1に示す物品収納具が閉状態にあるときの側面図。
図4図1に示す物品収納具が開状態にあるときの側面図。
図5】本発明の実施形態2に係る物品収納具の斜視図。
図6図5に示す物品収納具の支点部の説明図。
図7図5に示す物品収納具が閉状態にあるときの側面図。
図8図5に示す物品収納具が開状態にあるときの側面図。
図9】本発明の実施形態3に係る物品収納具の斜視図。
図10】本発明の実施形態4に係る物品収納具の斜視図。
図11図10に示す物品収納具が閉状態にあるときの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明を適用した物品収納具を説明する。
【0024】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る物品収納具の斜視図である。図2は、図1に示す物品収納具の支点部の説明図であり、(a)、(b)は各々、図1に示す物品収納具が閉状態にあるときの支点部の側面図、および図1示す物品収納具が開状態にあるときの支点部の側面図である。図3は、図1に示す物品収納具が閉状態にあるときの側面図である。図4は、図1に示す物品収納具が開状態にあるときの側面図である。
【0025】
図1図4において、本発明の実施形態1に係る物品収納具10は、物品収納空間5が間に設けられる2つの可動部材を有している。以下の説明では、便宜上、2つの可動部材のうち、図1図3および図4において、図面に向かって左側に位置する一方の可動部材を第1可動部材1とし、図面に向かって右側に位置する他方の可動部材を第2可動部材2として説明する。かかる物品収納具10では、第1可動部材1の上端部11と第2可動部材2の上端部21とが接近した状態が物品収納具10の閉状態であり、物品収納空間5の上部の開口が閉じているか、わずかに空いている。これに対して、第1可動部材1の上端部11と第2可動部材2の上端部21とが離間した状態が物品収納空間5の開状態であり、物品収納空間5の上部の開口が大きく空いている。
【0026】
本実施形態においては、図3および図4に袋20を一点鎖線で示すように、物品収納具1を、内側が物品収容空間5とされる袋20を備えたゴミ箱として構成した場合を例示してある。このため、袋20の開口縁の一部20aは、第1可動部材1の上端部11に構成された係合部111に保持され、袋20の開口縁の他の一部20bは、第2可動部材2の上端部21に構成された係合部211に保持されている。
【0027】
本実施形態において、物品収納具10は、第1可動部材1および第2可動部材2の下端側の部分同士を繋ぐ弾性部材3を有している。
【0028】
従って、以下に説明するように、図3に示す閉状態において第1可動部材1および第2可動部材2のうち、第1可動部材1に外力を加え、第1可動部材1の下端部12を支点にして第1可動部材1を第2可動部材2から離間する方向に揺動させると、かかる揺動に伴って、図4に示すように、弾性部材3が上方に撓む。その結果、第1可動部材1の下端部12と第2可動部材2の下端部22とが接近し、第2可動部材2は、下端部22を支点にして第1可動部材1から離間する方向に揺動する。その結果、閉状態から開状態への切り換えが行われる。また、第1可動部材1への外力の印加を停止したとき、弾性部材3の形状復帰力によって、開状態から閉状態に戻る。
【0029】
ここで、第1可動部材1の下端部12および第2可動部材2の下端部22は各々、下面が曲面の支点部になっている。従って、第1可動部材1および第2可動部材2は、下端部12、22を支点にして容易に揺動する。また、第1可動部材1および第2可動部材2は各々、左右方向の両側で上下方向に延在する一対の縦棒16、26と、一対の縦棒16、26の各々の下端部12、22で支点部を構成する一対のジョイント部材15、25と、一対のジョイント部材15、25を連結させる横棒17、27とを備えている。第1可動部材1および第2可動部材2において、横棒17、27には、閉状態から開状態に移行する際に外力により押し下げられる操作部18、28が設けられている。縦棒16、26および横棒17、27は、木製、金属製、あるいはプラスチック製である。
【0030】
弾性部材3は、左右方向の両側の各々で前後方向に延在して第1可動部材1のジョイント部材15と第2可動部材2のジョイント部材25とを繋ぐ板状または棒状の部材である。弾性部材3は、木製、金属製、あるいはプラスチック製である。弾性部材3については、長さ方向の全体が弾性を有する構造に限らず、例えば、弾性部材3の中央部分については弾性を有し、弾性部材3の両端部分については弾性を有しない連結部になっている構成でもよい。
【0031】
ジョイント部材15、25は、縦棒16、26の下端部が嵌った第1穴151、252と、横棒17、27の端部が嵌った第2穴152、252、および弾性部材3の端部が嵌った第3穴153、253が形成された球体である。ジョイント部材15、25は、木製、金属製、あるいはプラスチック製である。
【0032】
本実施形態において、物品収納具10は、ゴミ箱として利用されることから、操作部18、28は、横棒をジョイント部材15、25より外側に屈曲させることにより、ペダル状に構成されている。
【0033】
本実施形態において、ジョイント部材15、25では、第1穴151、252、第2穴152、252、および第3穴153、253がジョイント部材の外周面からジョイント部材の中心部に向かって形成されている。従って、ジョイント部材15、25に対して、第1穴151、252、第2穴152、252、および第3穴153、253を適正に形成することができる。ここで、第1可動部材1では、縦棒16が第1穴151に嵌っている部分より上端側が第2可動部材2に向けて曲がっており、第2可動部材2では、縦棒26が第1穴252に嵌っている部分より上端側が第1可動部材1に向けて曲がっている。従って、閉状態では、第1可動部材1および第2可動部材2の上端部11、21同士が近接した状態となるので、見栄えがよい等の効果を奏する。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る物品収納具10において、第1可動部材1を開方向に揺動させると、第2可動部材2も開方向に揺動するため、物品収納空間5を開状態にした際の間口を広くすることができる。また、第2可動部材2を開方向に揺動させると、第1可動部材1も開方向に揺動するため、物品収納空間5を開状態にした際の間口を広くすることができる。
【0035】
また、ジョイント部材15、25には、縦棒16、26と、操作部18、28が設けられた横棒17、27とが連結されているため、第1可動部材15を開方向に揺動させる際に操作部18を操作すると、かかる動きは、横棒15、ジョイント部材5、および縦棒16に伝達される。このため、可動部材1が揺動する際の支点と、外力が作用する操作部18の位置とが近いため、操作部18を移動させる距離が短い場合でも、物品収納空間5を開状態にした際の間口を広くすることができる。
【0036】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2に係る物品収納具の斜視図である。図6は、図5に示す物品収納具の支点部の説明図であり、(a)、(b)は各々、図5に示す物品収納具が閉状態にあるときの支点部の側面図、および図5に示す物品収納具が開状態にあるときの支点部の側面図である。図7は、図5に示す物品収納具が閉状態にあるときの側面図である。図8は、図5に示す物品収納具が開状態にあるときの側面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0037】
図5図8において、本発明の実施形態2に係る物品収納具10は、実施形態1と同様、物品収納空間5が間に設けられる2つの可動部材(第1可動部材1および第2可動部材2)と、第1可動部材1および第2可動部材2の下端側の部分同士を繋ぐ弾性部材3を有している。
【0038】
第1可動部材1および第2可動部材2において、ジョイント部材15、25は、縦棒16、26の下端部が嵌った第1穴151、252と、横棒17、27の端部が嵌った第2穴152、252、および弾性部材3の端部が嵌った第3穴153、253が形成された球体である。ジョイント部材15、25では、第1穴151、252、第2穴152、252、および第3穴153、253がジョイント部材の外周面からジョイント部材の中心部に向かって形成されている。第1可動部材1では、縦棒16が第1穴151に嵌っている部分より上端側が第2可動部材2に向けて曲がっており、第2可動部材2では、縦棒26が第1穴252に嵌っている部分より上端側が第1可動部材1に向けて曲がっている。従って、閉状態では、第1可動部材1および第2可動部材2の上端部11、21同士が近接した状態となるので、見栄えがよい等、実施形態1と同様な効果を奏する。
【0039】
(実施形態3)
図9は、本発明の実施形態3に係る物品収納具の斜視図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施形態1、2と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0040】
図9において、本発明の実施形態3に係る物品収納具10は、実施形態1と同様、物品収納空間5が間に設けられる2つの可動部材(第1可動部材1および第2可動部材2)と、第1可動部材1および第2可動部材2の下端側の部分同士を繋ぐ弾性部材3を有している。
【0041】
第1可動部材1および第2可動部材2において、縦棒16、26の長さ方向の途中位置には、スライド式の長さ調整機構6が設けられている。本形態では、長さ調整機構6を構成するにあたって、縦棒16、26は各々、上方に向けて開口するパイプからなる第1部材61と、下端部が第1部材61に嵌まった第2部材62とによって構成されており、第2部材6の外径は、第1部材61の内径より細い。従って、縦棒16、26には、第1部材61に対する第2部材62の差し込み長さを調整可能なスライド機構60が構成されているため、縦棒16、26の長さを調整可能である。また、縦棒16、26には、第1部材61に形成された穴(図示せず)を介して第2部材26を固定するストッパ63が設けられている。このため、縦棒16、26の長さを適正に設置することができる。ストッパ63は、例えば、ピンと、ピンを径方向内側に付勢するバネとを備え、第2部材62に形成された複数の穴や溝のうち、長さを調整した際に重なる穴や溝にピンが係合することによって長さを調整した状態を保持する。また、ストッパ63は、第2部材62に形成された複数の穴や溝のうち、長さを調整した際の穴や溝と係合するボルトであってもよい。
【0042】
(実施形態4)
図10は、本発明の実施形態4に係る物品収納具の斜視図である。図11は、図10に示す物品収納具が閉状態にあるときの側面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施形態1、2、3と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0043】
図10および図11において、本発明の実施形態4に係る物品収納具10も、実施形態1と同様、物品収納空間5が間に設けられる2つの可動部材(第1可動部材1および第2可動部材2)と、第1可動部材1および第2可動部材2の下端側の部分同士を繋ぐ弾性部材3を有している。
【0044】
実施形態1等において、一対の縦棒16は平行であり、一対の縦棒26は平行であった、これに対して、本実施形態において、一対の縦棒16は上方で交差する方向に斜めに延在し、一対の縦棒26も、一対の縦棒26は上方で交差する方向に斜めに延在している。また、第1可動部材1および第2可動部材2の上端部において、袋20の開口縁を引っ掛ける係合部111、211は外側に向けて屈曲した部分である。
【0045】
(他の実施形態)
上記実施形態では、物品収納具1を、内側が物品収容空間5とされる袋20を備えたゴミ箱として構成した場合を例示したが、第1可動部材11および第2可動部材21を板張りやシート張りにすることによって、第1可動部材11および第2可動部材21で内側を覆うことにより、袋20を用いずに、物品収納具1自身をゴミ箱として構成してもよい。
【0046】
また、物品収納具1については、ゴミの収納用に代えて、新聞、雑誌等の収納用や、野菜や果物等の収納用として構成してもよい。
【0047】
さらに、物品収納具1については、卓上を配置して、塩等を入れた調味料容器の収納用や、ニンニク等を入れた薬味容器の収納用として構成してもよい。この場合、操作部18、28を指で押し下げることになる。
【0048】
さらにまた、縦棒16、26、および横棒17、27については、長さを調整可能にしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 第1可動部材、2 第2可動部材、3 弾性部材、5 物品収納空間、6 長さ調整機構、10 物品収納具、11、21 上端部、12、22 下端部、15、25 ジョイント部材、16、26 縦棒、17、27 横棒、18、28 操作部、20 袋、20a 開口縁の一部、20b 開口縁の他の一部、111、211 係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11