(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082951
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】電動プレス並びに評価領域設定装置、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B30B 15/28 20060101AFI20240613BHJP
B30B 1/18 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
B30B15/28 K
B30B1/18 B
B30B15/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197187
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002244
【氏名又は名称】株式会社ジャノメ
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 安希子
【テーマコード(参考)】
4E089
4E090
【Fターム(参考)】
4E089FA09
4E089FB05
4E089GA02
4E089GB01
4E089GC01
4E089GC10
4E090AA01
4E090AB01
4E090BA02
4E090CC04
(57)【要約】
【課題】加工工程で実測した実測データについて評価を行う場合において、評価の精度を向上させること。
【解決手段】評価領域設定装置50は、第1パラメータと第2パラメータとの関係を示した基準データの変化率に関する評価値を算出する算出部52と、評価値と所定の閾値との比較結果に応じて、実測した実測データを評価するための評価領域を基準データに設定する設定部53とを備える。第1パラメータは、例えば、位置又は時間である。第2パラメータは、例えば、荷重値である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パラメータと第2パラメータとの関係を示した基準データの変化率に関する評価値を算出する算出部と、
前記評価値と所定の閾値との比較結果に応じて、実測した実測データを評価するための評価領域を前記基準データに設定する設定部と
を備え、
前記第1パラメータは、位置又は時間であり、前記第2パラメータは荷重値である評価領域設定装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記評価値が前記閾値以上である場合に、前記第1パラメータに許容限度を設定する請求項1に記載の評価領域設定装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記評価値が前記閾値未満である場合に、前記基準データの前記第2パラメータに許容限度を設定する請求項1に記載の評価領域設定装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の評価領域設定装置を備える電動プレス。
【請求項5】
第1パラメータと第2パラメータとの関係を示した基準データの変化率に関する評価値を算出するステップと、
前記評価値と所定の閾値との比較結果に応じて、実測した実測データを評価するための評価領域を設定するステップと
をコンピュータが実行し、
前記第1パラメータは、位置又は時間であり、前記第2パラメータは荷重値である評価領域設定方法。
【請求項6】
コンピュータを請求項1から3のいずれかに記載の評価領域設定装置として機能させるための評価領域設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動プレス並びに評価領域設定装置、方法、およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動モータにより、ラムを駆動する電動プレスが知られている。電動プレスでは、例えば、プレス加工時において、加圧位置に対する荷重値を監視し、プレス加工の合否を判定している。この合否判定の一つとして、例えば、荷重ゾーン判定が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図16には、荷重ゾーン判定に用いられる判定枠の一例が示されている。
図16において、縦軸は荷重、横軸は位置を示し、破線は判定枠を示している。荷重ゾーン判定は、位置に対して荷重値の上下許容範囲を規定する判定枠(ゾーン)を事前に設定しておき、プレス加工時における位置と荷重との関係を示す位置-荷重データ(
図16における太線)が、その判定枠内に入っているか否かによってプレス加工の合否判定を行う。すなわち、位置-荷重データが判定枠内に入っている場合には、プレス加工が正しく行われたと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、プレス加工時には、摺動摩擦、共振、外来ノイズなどの影響を受けるため、実測した時間-荷重、位置-荷重データには、ノイズが含まれることとなる。従来の荷重ゾーン判定に用いられる判定枠の領域は、実測した時系列データの評価する際にこのようなノイズを考慮して設定されていなかったため、ノイズの影響を含んだ評価をしてしまうことがあった。
例えば、実測データの評価を人が行う場合、ノイズか否かを容易に判別することができるため、ノイズの影響による誤判定の確率はそれほど高くない。これに対し、コンピュータによって実測データの評価を行う場合には、ノイズか否かを判別することができないため、ノイズが実測データの評価に大きな影響を与えることとなり、誤判定の確率も高くなる。このような誤判定は、特に、量産過程などのように評価対象の数が多い場合ほど影響が大きく、被る不利益も大きくなる。
【0006】
また、上記のような課題は、電動プレスの分野に限った課題ではなく、加工工程で実測した実測データの評価を行うような場合に同様に生じる課題といえる。
【0007】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、加工工程で実測した実測データについて評価を行う場合において、評価の精度を向上させることのできる電動プレス並びに評価領域設定装置、方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の参考例としての一態様は、第1パラメータと第2パラメータとの関係を示した基準データの変化率に関する評価値を算出する算出部と、前記評価値と所定の閾値との比較結果に応じて、実測した実測データを評価するための評価領域を前記基準データに設定する設定部とを備え、前記第1パラメータは、位置又は時間であり、前記第2パラメータは荷重値である評価領域設定装置である。
【0009】
本開示の参考例としての一態様は、上記評価領域設定装置を備える電動プレスである。
【0010】
本開示の参考例としての一態様は、第1パラメータと第2パラメータとの関係を示した基準データの変化率に関する評価値を算出するステップと、前記評価値と所定の閾値との比較結果に応じて、実測した実測データを評価するための評価領域を設定するステップと
をコンピュータが実行し、前記第1パラメータは、位置又は時間であり、前記第2パラメータは荷重値である評価領域設定方法である。
【0011】
本開示の参考例としての一態様は、コンピュータを上記評価領域設定装置として機能させるための評価領域設定プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本開示に係る電動プレス並びに評価領域設定装置、方法、およびプログラムによれば、加工工程で実測した実測データについて評価を行う場合において、評価の精度を向上させることができるとの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の電動プレスの一構成例を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態における評価領域設定装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
【
図3】本開示の一実施形態における評価領域設定装置の機能の一例を示した機能構成図である。
【
図4】本開示の一実施形態における基準データの一例を示した図である。
【
図5】本開示の一実施形態における特徴点抽出処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図6】本開示の一実施形態における特徴点抽出処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図7】本開示の一実施形態における特徴点抽出処理について説明するための図である。
【
図8】本開示の一実施形態における特徴点抽出処理について説明するための図である。
【
図9】本開示の一実施形態における特徴点抽出処理について抽出された特徴点の一例を示した図である。
【
図10】本開示の一実施形態における評価値を算出する処理について説明するための図である。
【
図11】評価値が閾値以上である区間における評価領域の設定処理について説明するための図である。
【
図12】評価値が閾値以上である区間における評価領域の設定処理について説明するための図である。
【
図13】評価領域の設定処理について説明するための図である。
【
図15】評価値が閾値以上である区間においてもY軸方向にのみ許容限度を設けた場合の評価領域を示した図である。
【
図16】荷重ゾーン判定について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本開示に係る電動プレス並びに評価領域設定装置、方法、およびプログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では電動プレス100の合否判定に用いる評価領域(合否を判定するための判定基準)を設定する場合を例示して説明するが、これに限られない。すなわち、本開示の評価領域設定装置、方法、およびプログラムの適用対象は電動プレス100に限らず、加工時に得られた実測データを用いて加工の評価を行うような装置に対して広く適用することが可能である。
【0015】
図1は、本開示の一実施形態に係る電動プレス100の一構成例を示した図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電動プレス100は、プレス本体3を備えている。プレス本体3には、例えば、昇降動作(往復動作)により、ワークW(加工対象)に対して所望の圧力を与えるプレス用のラム1と、ラム1に昇降動作(直線運動)を与えるボール螺子2とが設けられている。
プレス本体3に接続されたケーシング5の枠体内には、駆動源であるサーボモータ(電動モータ)4が収容されている。サーボモータの一例として、ACサーボモータが挙げられる。サーボモータ4の駆動は、プーリ、ベルトを介してボール螺子2に伝達される。
【0016】
ラム1は、筒状体に形成されている。具体的には、円筒状に形成された筒状本体1aの内部に軸方向に沿って中空状部が形成されており、この中空状部の内部にボール螺子2の螺子軸2aが挿入可能とされている。また、ラム1の筒状本体1aの軸長方向端部箇所には、ボール螺子2のナット体2bが固着されている。
【0017】
筒状本体1aの先端部は、起歪柱9が装着可能に構成されている。加工時には、起歪柱9がワークWに当接して、圧力を与える。また、起歪柱9は、歪ゲージが取り付け可能に構成され、この歪ゲージによって、ワークWに与える圧力を検出することができるようになっている。
【0018】
筒状本体1aの外周側面を包むようにして筒状ガイド6が設けられている。筒状ガイド6は、ケーシング5内に固定され、筒状ガイド6に沿ってラム1が昇降移動可能に構成されている。
電動プレス100には、荷重検出部(図示せず)および位置検出部(図示せず)が設けられている。荷重検出部は、ワークWにかかる荷重を検出する。位置検出部は、ラム1に仮想的に設定された基準点の位置を検出する。基準点は、ラム1の位置変化を検出できる場所に設定されればよく、設計に応じて適宜設定することが可能である。例えば、起歪柱9がワークWに当接している当接点を基準点としてもよい。
【0019】
次に、本開示の一実施形態における評価領域設定装置50について説明する。
図2は、本実施形態に係る評価領域設定装置50のハードウェア構成の一例を示した図である。
図2に示すように、評価領域設定装置50は、コンピュータであり、例えば、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)1100、主記憶装置(Main Memory)1200、二次記憶装置(Secondary storage:メモリ)1300等を備えている。更に、評価領域設定装置50は、他の装置と情報の送受信を行うための通信部1500を備えていてもよい。また、評価領域設定装置50は、キーボードやマウス等からなる入力部や、データを表示する液晶表示装置等からなる表示部などを備えていてもよい。また、ランプ、音、特にアラーム音を出力するスピーカーなどの通知部を備えていてもよい。
【0020】
CPU1100は、例えば、バス1800を介して接続された二次記憶装置1300に格納されたOS(Operating System)により評価領域設定装置50全体の制御を行うとともに、二次記憶装置1300に格納された各種プログラムを実行することにより各種処理を実行する。CPU1100は、1つ又は複数設けられており、互いに協働して処理を実現してもよい。
【0021】
主記憶装置1200は、例えば、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU1100の実行プログラムの読み出し、実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
【0022】
二次記憶装置1300は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体(non-transitory computer readable storage medium)である。二次記憶装置1300は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどである。二次記憶装置1300の一例として、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどが挙げられる。
【0023】
二次記憶装置1300は、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の評価領域設定装置全体の制御を行うためのOS、BIOS(Basic Input/Output System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種アプリケーションソフトウェア、及び各種データやファイル等を格納する。また、二次記憶装置1300には、各種処理を実現するためのプログラムや、各種処理を実現するために必要とされる各種データが格納されている。二次記憶装置1300は、複数設けられていてもよく、各二次記憶装置1300に上述したようなプログラムやデータが分割されて格納されていてもよい。
【0024】
図3は、本開示の一実施形態における評価領域設定装置50の機能の一例を示した機能構成図である。
図3に示すように、評価領域設定装置50は、特徴点抽出部51と、算出部52と、設定部53とを備えている。
【0025】
評価領域設定装置50が備える機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で二次記憶装置1300などに記憶されており、このプログラムをCPU(プロセッサ)1100が主記憶装置1200に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、二次記憶装置1300に予めインストールされている形態や、他の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の一例として、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどが挙げられる。
【0026】
特徴点抽出部51は、基準データから特徴点を抽出するための各種処理を行う。ここで、基準データは、合格判定の模範的なデータである。このデータは、良品判定を得たときの実際の実測データであってもよいし、複数の実測データを統計的に処理して得たデータであってもよいし、加工時の理想的な位置と荷重とを描いたデータであってもよい。
【0027】
本実施形態では、実際にプレス加工を行い、良品判定を得た時の位置と荷重との関係を示す位置-荷重データを基準データとして用いる場合を例示して説明する。
図4に基準データの一例を示す。
図4に示されるXY直交座標系において、X軸は位置を示し、Y軸は荷重を示している。
図4において、基準データは、大局的には、なめらかな曲線を描くが、局所的にはノイズなどによる細かい振動がみられる。
【0028】
特徴点抽出部51は、基準データを構成する多数のサンプリングデータから複数の特徴点を抽出する。例えば、特徴点抽出部51は、基準データを複数のエリアに分割し、エリア毎にサンプリングデータを統計的に処理することにより、複数の特徴点をエリア毎にそれぞれ抽出する。
【0029】
以下、特徴点抽出部51によって実行される特徴点抽出処理の一例について、
図5及び
図6を参照して説明する。
図5及び
図6は、本開示の一実施形態における特徴点抽出部51によって実行される特徴点抽出処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0030】
まず、特徴点抽出部51は、基準データ(位置-荷重データ)を取得し(S101)、基準データのグラフ全体の荷重変化量を算出する(S102)。
【0031】
本実施形態では、ワークWにかかる荷重の変化を示す荷重変化量として、移動平均値、ディファレンシャル、および屈曲値を用いるが、この例に限られない。例えば、これらのうちの少なくとも一つを用いてもよいし、他の統計的手法を用いてもよい。
ここで、ディファレンシャルとは、位置に対する荷重の変化量である。また屈曲値とは、位置に対するディファレンシャルの変化量である。
本実施形態において、基準データは、N個のサンプリングデータで構成され、所定数のサンプリングデータ毎に荷重変化量がそれぞれ算出される。
【0032】
例えば、移動平均値ajは、次の(1)式で求められる。
【0033】
【0034】
ここでpiは、i番目のサンプリングがなされたときの位置であり、liはi番目のサンプリングがなされたときの荷重値である。nは、移動平均を計算する際に用いるサンプリングデータの個数である。
【0035】
例えば、ディファレンシャルdjは、次の(2)式で求められる。(2)式に示すように、ディファレンシャルdjは、単位距離当たりの荷重の変化量として表される。
【0036】
【0037】
屈曲値bjは、例えば、次の(3)式で表される。(3)式に示すように、屈曲値bjは、単位距離当たりのディファレンシャル値の変化量として表される。
【0038】
【0039】
続いて、特徴点抽出部51は、エリア分割数を算出する(S103)。エリア分割数は、例えば次のように決定される。
【0040】
(エリア分割数)=(電動プレス100に登録できる最大サンプリング数)/(特徴点種類数)
【0041】
本実施形態では、特徴点種類数として、移動平均値、ディファレンシャルおよび屈曲値の各々に対し、最大値および最小値を用いる。すなわち、特徴点種類数は計6種類となる。例えば、電動プレス100の最大サンプリング数が30である場合には、エリア分割数は5(=30/6)となる。このように、エリア分割数は、特徴点種類数および最大サンプリング数に応じて決定される。エリア分割数については、ユーザが所定の値を設定することとしてもよい。
【0042】
続いて、特徴点抽出部51は、エリア分割数に基づいて基準データを位置方向(X軸方向)に分割する(S104)。これにより、
図4に示した基準データは、
図7に破線で示されるように、位置方向に5つのエリアに当分割される。
【0043】
次に、特徴点抽出部51は、エリア毎に、移動平均値、ディファレンシャル、及び屈曲値のそれぞれの最大値および最小値を特徴点として抽出する(S105)。これにより、
図8に示すように、各エリアにおいて6つの特徴点が抽出される。
図8において、黒丸は移動平均値の最小値、白丸は移動平均値の最大値、黒菱形はディファレンシャルの最小値、白菱形はディファレンシャルの最大値、黒三角は屈曲値の最小値、白三角は屈曲値の最大値を示している。
【0044】
なお、本実施形態では、特徴点として、移動平均値、ディファレンシャルおよび屈曲値の最大値および最小値を採用したが、これに限られない。例えば、特徴点を移動平均値、ディファレンシャルおよび屈曲値の中央値としてもよい。また、ディファレンシャルについては、ディファレンシャルの符号が反転した箇所を特徴点として抽出することとしてもよい。例えば、i-1番目のサンプリングデータのディファレンシャルが負の値であり、i番目のサンプリングデータのディファレンシャルが正の値である場合、i番目のサンプリングデータを特徴点として抽出するとしてもよい。
【0045】
続いて、特徴点抽出部51は、各特徴点の座標が重複しているか否かを判定する(
図6のS106)。重複していない場合は(S106:NO)、ステップS108へ遷移する。一方、重複している場合は(S106:YES)、重複した点のうちの1つの特徴点を特定し、特定した特徴点以外を削除する(S107)。特徴点抽出部51はステップS106の判定およびステップS107を繰り返し、重複した複数の特徴点を、それぞれ1つの点にまとめる。
【0046】
次に、特徴点抽出部51は、各特徴点が隣り合っているか否かを判定する(S108)。「隣り合う」とは、サンプリングデータ上の特徴点が連続していることを示す。換言すると、i番目のサンプリングデータに対し、i-1番目又はi+1番目のサンプリングデータを意味する。特徴点が隣り合っていない場合は(S108:NO)、ステップS110へ遷移する。一方、隣り合っている場合は(S108:YES)、特徴点抽出部51は、隣り合う点のうちの1つの特徴点を特定し、特定した特徴点以外を削除する(S109)。特徴点抽出部51は、ステップS108の判定およびステップS109を繰り返し、隣り合う複数の特徴点を、それぞれ1つの点にまとめる。隣り合う複数の特徴点のうち特定される特徴点は、位置または荷重が最大または最小の点とする、また隣り合う点のうち最も中央値に近い点とするなど、いずれの特定方法としてもよく、その方法は問わない。本開示の性質上、最も簡便な方法が望ましい。
【0047】
ステップS110において、特徴点抽出部51は、複数の特徴点のうち、余分な特徴点の削除を行うか否か、ユーザに入力部(図示しない)を用いて入力させ、結果を取得する。ユーザが余分な特徴点の削除を行わないと入力した場合は(S110:NO)、ステップS114へ遷移する。一方、ユーザが余分な特徴点の削除を行うと入力した場合は(S110:YES)、例えば、ユーザに入力部(図示しない)を用いて最低距離Dを入力させ、これを取得する(S111)。ここで最低距離Dとは、隣接する特徴点間の最低距離である。最低距離は、余分な特徴点の削除を行うにあたり、ユーザが隣接する複数の特徴点を1の特徴点とみなすのに許容可能な距離を意味する。最低距離Dは、ユーザが入力する他、予め規定された所定の設定値を用いることとしてもよい。
【0048】
特徴点抽出部51は、全ての隣接する特徴点の間の距離を計算し(S112)、距離が最低距離D未満である場合には、隣接する2つの特徴点のうちの1つを特定し、他の1つを削除する(S113)。特定される特徴点の条件は任意に設定することができる。例えば、位置または荷重が最大または最小の点としてもよいし、最も中央値に近い点としてもよく、また、その他の基準に従ってもよい。
これらの処理を行うことにより、特徴点抽出部51は、重複および隣接する特徴点をまとめ、特徴点の数を基準データの曲線を近似するのに適切な数となる。
【0049】
続いて、特徴点抽出部51は、最終的に残った特徴点を保存する(S114)。
図9には、上述した特徴点抽出処理を行うことにより抽出された一例としての特徴点が示されている。
図9によれば、30個抽出されていた特徴点が最終的に15個にまで削減されている。
【0050】
図3に戻り、算出部52は、特徴点抽出部51によって抽出されたn個の特徴点の座標値を用いて、基準データの変化率に関する評価値を算出する。例えば、算出部52は、基準データを複数の区間に分割した区間毎に、基準データの変化率、一例として、基準データの傾きに関する評価値を算出する。本実施形態では、連続する2つの特徴点間を1区間とするが、これに限られない。例えば、連続する2つ以上の特徴点間を1区間としてもよい。
【0051】
例えば、
図10に例示するように、区間K
iの評価値は、連続する2つの特徴点N
i-1(P
i-1,l
i-1)、N
i(P
i,l
i)を繋ぐ直線とX軸に平行な線分との間の角度θとして算出される。
また、区間K
iにおける評価値θ
iは、例えば、連続する2つの特徴点N
i-1、N
iの座標値を以下の(4)式に用いることによって算出される。ここで、iの添え字は、i番目の特徴点であることを示している。
【0052】
【0053】
上記(4)式において、αは各特徴点の座標値を正規化するための係数であり、以下の(5)式で与えられる。
【0054】
【0055】
上記(5)式において、Pminは位置の最小値、Pmaxは位置の最大値、Lminは荷重の最小値、Lmaxは荷重の最大値である。
【0056】
例えば、
図10に示すように、特徴点抽出部51によって最終的に15個の特徴点が抽出された場合、算出部52によって14個の評価値が算出されることとなる。
【0057】
なお、上記評価値の演算手法は、一例であり、これに限られない。例えば、評価値は、基準データの変化率を反映したパラメータとされていればよく、より具体的には、各区間における特徴点間の傾きを反映したパラメータとされていればよく、一例として、2点の特徴点を結ぶ傾きそのものを用いることも可能である。また、各区間が複数の特徴点を含む場合には、それらの特徴点の座標から公知の統計的手法を用いて傾きに関する評価値を算出することも可能である。「傾き」は、換言すると、変化率であり、本実施形態では、「位置の変化量」に対する「荷重の変化量」を意味する。
【0058】
設定部53は、算出部52によって算出された評価値と所定の閾値との比較結果に応じて、実測した実測データを評価するための評価領域を設定する。
ここで、閾値は、運用に合わせて適宜設定することが可能である。また、ユーザにより設定及び変更が可能に構成されていてもよい。本実施形態では、一例として、閾値は60°に設定されている。
【0059】
設定部53は、例えば、評価値が閾値以上である区間については、基準データの位置及び荷重の両方に許容限度を設定することにより、評価領域を設定する。また、設定部53は、評価値が閾値未満である区間については、基準データの荷重に許容限度を設定することにより、評価領域を設定する。
【0060】
以下、設定部53によって実行される評価領域の設定処理について詳しく説明する。
設定部53は、評価値が閾値未満である区間については、その区間における各特徴点の座標値並びに荷重下限許容限度Msl及び荷重上限許容限度Mulを用いて、各特徴点の荷重値、換言すると、Y軸方向に対して、許容下限値と許容上限値とを設定する。例えば、特徴点Nm(Pm,lm)の許容下限値Nms及び許容上限値Nmuは、以下の(6)、(7)式でそれぞれ表される。ここで、mの添え字は、m番目の特徴点を示している。
【0061】
Nms=(Pm,lm-Msl) (6)
Nmu=(Pm,lm+Mul) (7)
【0062】
また、設定部53は、評価値が閾値以上である区間については、その区間における各特徴点の座標値並びに位置下限許容限度Msp及び位置上限許容限度Mupを用いて、各特徴点の位置及び荷重値、換言すると、X軸方向及びY軸方向の両方に許容限度を与え、許容下限値と許容上限値とを設定する。
【0063】
以下、評価値が閾値以上である区間における特徴点Ni(Pi,li)の許容下限値Nis及び許容上限値Niuを設定する手法について説明する。ここで、iの添え字は、i番目の特徴点を示している。
【0064】
例えば、当該区間の2つの特徴点をN
i(P
i,l
i)、N
i+1(P
i+1,l
i+1)とすると、
図11に示すように、これら2つの特徴点を結ぶ直線は傾きa
iを用いて以下の(8)式で表され、この直線に垂直に交わる直線は、傾きa
i'を用いて以下の(9)式で表される。
【0065】
l=aip+bi (8)
l=ai'p+bi' (9)
【0066】
ここで、傾きaiは、以下の(10)式の通りである。
【0067】
【0068】
また、傾きaiと傾きai'とは、以下の(11)式の関係を有していることから、傾きai'は以下の(12)式で表される。
【0069】
aiai'=-1 (11)
ai'=-(1/ai) (12)
【0070】
また、上述したように、(11)式は、X軸とY軸とが同じ単位であることを前提としているため、傾きai'は、正規化のための係数α(上記(5)式)を用いて以下の(13)式で表される。
【0071】
ai'=-(1/ai)α (13)
【0072】
また、直線の切片bi'は、特徴点Ni(Pi,li)を通り、傾きは上記(13)式で示されることから、以下の(14)式で表される。
【0073】
bi'=li-ai'pi
=li+(1/ai)αpi (14)
【0074】
上記(13)式及び(14)式から特徴点Ni(Pi,li)を通る近似直線に垂直に交わる直線は、以下の(15)式で表される。
【0075】
l=ai'p+bi'
=-(1/ai)αp+{li+(1/ai)αpi}
=α(pi-p)(1/ai)+li (15)
【0076】
続いて、
図12に示すように、特徴点N
i(P
i,l
i)を通り、基準データの近似直線に垂直に交わる直線上であって、特徴点N
i(P
i,l
i)に対して位置方向に位置下限許容限度M
spを与えた点を許容上限値N
iuとして設定するとともに、特徴点N
i(P
i,l
i)に対して位置方向に位置上限許容限度M
upを与えた点を許容下限値N
isとして設定する。
【0077】
具体的には、許容上限値N
iuは、
図12に示すように、傾きa
iが正で、傾きa
i'が負の場合、p=p
i-M
spとなり、以下の(16)式で表される。なお、傾きa
iが負で、傾きa
i'が正の場合には、許容上限値N
iuとしてp=p
i+M
spを用いればよい。
【0078】
Niu=(pi-Msp,l) (16)
ここで、l=α(pi-(pi-Msp))(1/ai)+li
=αMsp(1/ai)+li
【0079】
また、同様に、許容下限値Nisは、傾きaiが正で、傾きai'が負の場合、p=pi+Mupとなり、以下の(17)式で表される。なお、傾きaiが負で、傾きai'が正の場合には、許容下限値Nisとしてp=pi-Mupを用いればよい。
【0080】
Nis=(pi+Mup,l) (17)
ここで、l=α(pi-(pi+Mup))(1/ai)+li
=-αMup(1/ai)+li
【0081】
そして、設定部53は、全ての特徴点に対して許容下限値及び許容上限値を設定する。
図13には、各特徴点に対する許容下限値及び許容上限値が示されている。
図13において、実線で示された区間は、評価値が閾値を超えた区間を示し、点線で示された区間は、評価値が閾値未満の区間を示している。また、最初の特徴点及び最終の特徴点のいずれか一方については、単独の点となり、傾きを算出できないため、例えば、直後の特徴点又は直前の特徴点と同様の手法で許容下限値及び許容上限値を設定する。
【0082】
このようにして、全ての特徴点に対して許容下限値及び許容上限値が設定されると、隣り合う許容下限値をつなぎ合わせることにより合否判定の下限基準を設定するとともに、隣り合う許容上限値をつなぎ合わせることにより、合否判定の上限基準を設定する。これにより、例えば、
図14に示すように、電動プレスの評価領域(合否判定基準)が設定される。
【0083】
また、このようにして設定された評価領域(
図14参照)は、表示部などにより、ユーザに提示される構成とされていてもよい。この場合において、ユーザは入力部を用いて適宜、評価領域を修正することが可能な構成としてもよい。
【0084】
評価領域設定装置50によって設定された評価領域は、例えば、所定の記憶領域に格納され、電動プレス100のプレス加工の評価、例えば、合否判定に用いられることとなる。電動プレス100のプレス加工の合否判定においては、プレス加工時における位置-荷重データが検出され、この波形データが
図14に示した評価領域を逸脱していないか否かを判定する。そして、加工時における実測データが評価領域を逸脱していなければ、良品加工であると判定し、逸脱している場合には、不良加工であると判定し、例えば、通知部を介して不良加工である旨をユーザに通知する。
【0085】
以上説明してきたように、本実施形態に係る電動プレス100並びに評価領域設定装置50、方法、およびプログラムによれば、位置と荷重との関係を示した基準データの変化率に関する評価値を算出し、評価値と所定の閾値との比較結果に応じて、実測した実測データを評価するための評価領域を設定する。ここで、変化率は、例えば、位置に対する荷重の変化量である。
【0086】
発明者は、ラムの位置に対して荷重の変化が比較的緩やかな区間においては、プレス加工時の摺動摩擦、共振、外来ノイズなどの影響によって、位置-荷重データに荷重方向におけるノイズを帯びる傾向があるとの新たな知見を得た。また、ラム位置に対して荷重の変化が比較的急な区間においては、ノイズの影響が相対的に減少する一方で、荷重変化に対する位置のばらつきが生じやすい傾向があるとの新たな知見を得た。位置のばらつきの要因は、例えば、荷重のサンプリング周期によるもの、ワークの設置条件によるもの、プレス自体の熱膨張によるもの等が挙げられる。
このように、発明者は、プレス加工時に取得した位置-荷重データには、プレスの段階に応じてノイズの出方にばらつきがあり、更に、荷重の変化とノイズの出方には相関関係があることを見出した。
【0087】
そこで、このような新規な知見に基づき、位置に対する荷重の変化量に関する評価値を算出し、この評価値と閾値との比較結果に応じて、許容限度の設定手法を異ならせることとした。
【0088】
具体的には、評価値が閾値未満の区間においては、荷重値(Y軸方向)に許容限度を与えて荷重方向に対するノイズをある程度許容し、評価値が閾値以上の区間においては、位置と荷重値(X軸方向及びY軸方向)の両方に許容限度を与えることにより、荷重方向と位置方向のノイズをある程度許容する。これにより、ノイズの出方を考慮した評価領域を設定することができ、ノイズの影響による誤判定を削減することが可能となる。誤判定を削減することにより、目視による再検査の頻度を低減させることができ、作業員の負担軽減、作業効率の向上を図ることが可能となる。この結果、製造工程のコストダウンに貢献することができる。
【0089】
特に、
図15に示すように、位置に対する荷重の変化が大きい区間(楕円で示した区間)において、荷重値(Y軸方向)にのみ許容限度を加えた場合には、位置方向における許容限度がほとんどなく、位置方向に少しでもノイズが発生した場合には、不良判定となってしまう可能性が高い。例えば、プレス加工時において、ラムが熱膨張することによって、荷重変化が急峻となる位置(例えば、
図15における特徴点A)がわずかに位置方向にずれてしまった場合には、実測データ(位置-荷重データ)が評価領域から外れることとなり、不良加工として判定されてしまう。
【0090】
これに対し、本実施形態に係る評価領域設定装置50によれば、
図14に示すように、位置に対する荷重の変化量が比較的大きな区間においては、位置方向にも許容限度を与えることから、位置方向におけるノイズの影響による誤検知を低減することが可能となる。また、例えば、ワークWに対するラムの加圧駆動が、位置制御ではなく荷重制御に基づいて行われている場合であって、荷重変化が急峻となる位置にばらつきが出ることが予めわかっている場合にも、そのばらつきの程度を加味して位置方向に許容限度を設けておくことで、誤判定を低減することができる。
【0091】
また、本実施形態によれば、取得した基準データから特徴点の抽出を行い、抽出した特徴点を用いて評価領域を設定することとしている。このように、特徴点を抽出することにより、データ処理量を低減することが可能となる。また、やみくもにデータ点数を削減するのではなく、移動平均検出方法、ディファレンシャル検出方法、屈曲値検出方法等の統計的手法を用い、これらの結果に基づいて抽出する特徴点を決定している。これにより、基準データの特徴を反映するサンプリングデータを適切に抽出することが可能となる。この結果、評価領域をより適切な範囲に設定することが可能となる。
また、本実施形態によれば、基準データを複数の区間に分割し、区間毎に評価値を算出する。これにより、各区間における基準データの傾向に応じて適切な評価領域を設定することができる。
【0092】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、上記実施形態で説明した各種処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0093】
例えば、上述した実施形態では、基準データとして、位置と荷重との関係を示す位置-荷重データを用いたが、これに限られない。例えば、位置の代わりに時間を採用し、時間と荷重との関係を示す時間-荷重データを用いることとしてもよい。また、基準データは、2次元である必要はなく、時間、荷重、位置の3軸で表されるデータであってもよいし、それ以外のパラメータを含む多軸で表されるデータであってもよい。
【0094】
また、上述した実施形態では、評価値が閾値以上である区間においては、荷重と位置の両方(X軸方向とY軸方向の両方)に許容限度を設定する具体的手法として、2つの特徴点を結ぶ直線に垂直に交わる直線を求め、この直線上に許容下限値及び許容上限値を設定していたが、この具体的手法に限られない。例えば、特徴点Ni(Pi,li)を位置方向に位置下限許容限度に応じて移動させるとともに、予め設定された荷重上限許容限度に応じて更に移動させた点を許容上限値として設定してもよい。また、許容下限値についても、特徴点Ni(Pi,li)を位置方向に位置上限許容限度に応じて移動させるとともに、予め設定された荷重下限許容限度に応じて更に移動させた点を許容上限値として設定してもよい。この場合において、荷重上限許容限度及び荷重下限許容限度は、評価値が閾値未満である区間の許容下限値及び許容上限値を設定する際に用いる荷重上限許容限度及び荷重下限許容限度と異ならせてもよい。
【0095】
また、上述した実施形態では、評価値が閾値以上である区間においては、位置(X軸方向)と荷重(Y軸方向)とに許容限度を設定していたが、これに限られない。例えば、荷重(Y軸方向)の許容限度をゼロとし、位置(X軸方向)にのみ許容限度を設定してもよい。
【0096】
また、第1閾値と第2閾値(第1閾値<第2閾値)からなる2つの閾値を設け、評価値が第1閾値以上第2閾値未満の場合に、X軸方向とY軸方向との両方に許容限度を設定し、評価値が第2閾値以上の場合に、X軸方向にのみ許容限度を設定することとしてもよい。
【0097】
また、上述した実施形態では、区間毎に評価値を算出することとしたが、これに限られない。例えば、基準データの任意の二点(例えば、加工開始点と加工終了点)を用いて評価値を算出することとしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 :ラム
1a :筒状本体
2 :ボール螺子
2a :螺子軸
2b :ナット体
3 :プレス本体
4 :サーボモータ
5 :ケーシング
6 :筒状ガイド
9 :起歪柱
50 :評価領域設定装置
51 :特徴点抽出部
52 :算出部
53 :設定部
100 :電動プレス
1100 :CPU
1200 :主記憶装置
1300 :二次記憶装置
1500 :通信部
1800 :バス